(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
つぎに、本発明の魚釣用電動リールの実施形態について、図面を参照しながら説明する。また、釣り情報装置として、釣糸の繰り出し量や巻き取り量を計測する糸長計測装置を用いた例を挙げて説明する。
また、以下の説明において、「前後」「左右」を言うときは、
図1に示した方向を基準とし、「上下」を言うときは、
図2に示した方向を基準とする。また、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
【0026】
図1に示すように、本実施形態に係る魚釣用電動リール100は、左右に離間して配置される左右の側板2,2を有するリール本体1と、左側の側板2に回転自在に支持されるハンドル8と、左右の側板2,2間に配置されたスプール9、モータ12(
図2参照)、並びにジョグダイヤル13と、糸長計測装置30と、を備えている。
【0027】
なお、上記したモータ12は、スプール9を回転させるための駆動力を生成する電動機である。また、ジョグダイヤル13は、操作方向の回転量を公知の角度センサ(ポテンションメータ、エンコーダ、非接触のセンサIC等)で検出し、この検出値に基づいてモータ12の出力をコントロールしたり、後述する表示部32に表示される表示内容を変更したりするための円柱状の操作部材である。このジョグダイヤル13は、特許請求の範囲に記載される回転操作部材に相当する。
本実施形態のモータ12及びジョグダイヤル13は公知であるため、詳細な説明は省略する。
【0028】
リール本体1は、左右方向に延在する2つの支柱3,3(
図2参照)と、2つの支柱3,3を左右両側から挟む左右のフレーム4,4と、左右のフレーム4,4のそれぞれの外側に配置される左右のサイドプレート5,5と、左右のフレーム4,4間の前側に配置固定されるケース本体20と、フロントカバー24と、が設けられている。
なお、側板2は、フレーム4とサイドプレート5とにより構成される。
【0029】
図2に示すように、支柱3は、左右のフレーム4,4間の下側に配置され、左右方向に延在している。
2つの支柱3,3のそれぞれは、互いに前後方向に離間し、前後方向に延在する竿取付部3aと一体に形成されている。
特に図示しないが、支柱3の両端には、左右のフレーム4,4を貫通するねじが螺合し、支柱3と左右のフレーム4,4とが一体化されている。なお、本発明において、支柱3と左右のフレーム4,4とが金型で一体成形されたものを用いてもよい。
なお、
図3に示すように、竿取付部3aが釣竿200のリールシート201に取り付けられると、魚釣用電動リール100は、釣竿200の上側に配置される。
【0030】
フレーム4は、上下方向及び前後方向に延在する金属板であり、側面視で前後方向に長い楕円形に形成されている。
図2に示すように、左右のフレーム4,4間の空間には、後側から順に、クラッチレバー10,スプール軸11、モータケース12a、レベルワインド機構14が設けられている。
【0031】
クラッチレバー10は、後述するクラッチ機構において、動力伝達機構の動力伝達状態と動力遮断状態とを切り換えるための操作レバーであり、作動範囲内で上下方向に移動自在に支持されている。
【0032】
スプール軸11の両端は、左右のフレーム4,4に設けられた軸受(不図示)により支持されている。このため、スプール軸11は、回転自在になっている。
また、スプール軸11に支持されるスプール9は、略円筒状を呈し釣糸が巻回される糸巻き胴部9aと、糸巻き胴部9aの両端に設けられた左右のフランジ部9bと、糸巻き胴部9aの内周面から径方向内側に張り出してスプール軸11に回り止め嵌合する内筒部9cと、を備えている。
また、スプール9は、左右のフレーム4,4間の空間において、前後方向の後寄りに配置されている。このため、左右の側板2,2間に形成される空間において、後側の大部分はスプール9により占有されている。
【0033】
モータケース12aは、モータ12を収納する円筒状部品である。
モータケース12aは、左右のフレーム4,4に一体に形成されている。
また、モータケース12aは、左右のフレーム4,4間の空間において、スプール9の前側であって上下方向の下寄りに配置されている。このため、モータケース12aの上方には、釣糸が通過可能な空間S1が形成されている。
なお、本実施形態において、
図2に示すように、モータケース12aの上方の空間S1は、比較的大きく形成されている。このため、スプール9の糸巻き胴部9aが小径であっても、モータケース12aの上方の空間S1に釣糸を通すことができる。
【0034】
レベルワインド機構14は、スプール9に巻回される釣糸を均等にするための装置である。レベルワインド機構14は、公知のように、回転自在に装着された螺軸14aと、螺軸14aを覆う案内筒14bと、案内筒14bの外周面を摺動する釣糸案内体15と、を備えている。
釣糸案内体15には、内部を釣糸が通る環状の案内部15aが形成されている。
この案内部15aは、モータケース12aよりも上方に位置し、スプール9の糸巻き胴部9aに巻回されている釣糸がモータケース12aの上部を通過するようにガイドしている(
図2の破線Aと破線Bとの間の領域S2を参照)。
よって、左右のフレーム4,4間の空間において、
図2の破線Aと破線Bとの間の領域S2は、釣糸が通過するための領域として確保されている。
【0035】
つぎに、左右のサイドプレート5,5について説明する。
サイドプレート5は、左右方向内側に向って開口する箱状(有底筒状)の部品であり、フレーム4に図示しないねじにより固定され、フレーム4と一体になっている。よって、フレーム4とサイドプレート5とにより構成される側板2は、内部空間を有している。
以下、サイドプレート5において、フレーム4の左右方向の外側に離間し、フレーム4に対向する板状の壁部を対向壁部6と称する。
【0036】
なお、ハンドル8が設けられている側(左側)の側板2内には、特に図示しないが、ハンドル8の回転操作による駆動力をスプール軸11に伝達したり、モータ12により生成された駆動力を減速してスプール軸11に伝達したりする公知の動力伝達機構と、動力伝達機構の動力伝達状態と動力遮断状態とを切り換える公知のクラッチ機構と、が設けられている。
なお、本発明は、モータ12により生成された駆動力を減速してスプール軸11に伝達する公知の減速機構を一方の右側板2内に設けて構成してもよい。
【0037】
図3に示すように、サイドプレート5においてハンドル8が設けられていない右側の対向壁部6は、側面視でフレーム4と同形状に形成され、前後方向に長く形成されている。
右側のサイドプレート5において、対向壁部6の右面(外面)6aは、右側の側板2の右側面を構成している。
よって、対向壁部6の右面(外面)6aの後側は、実釣時に釣り人がパーミングした場合、掌が当てられるようになっている。
【0038】
対向壁部6の右面(外面)6aは、対向壁部6の縁部から中心に向って緩やかに突出しており、丸みを帯びた面となっている。このため、パーミングした場合、掌を右側の側板2の右側面に当てやすく、把持性が向上している。
また、右側のサイドプレート5において、対向壁部6の右面(外面)6aの中央部には、左側に向って窪む凹部6bが形成されている。
なお、上記した凹部6bについては後述する。
そのほか、右側のサイドプレート5の前側の下部には、モータ12に電力を供給するための給電部16が設けられている。
【0039】
図3に示すように、ケース本体20は、略箱状に形成され、左右の側板2,2の上面に載置されて水平かつ前後方向に延在する一対の水平部21,21と、一対の水平部21,21の前部に連続する表示ケース22と、を備えている。
なお、ケース本体20は、図示しないねじにより左右のフレーム4,4の上部に固定されている。また、一対の水平部21,21は、特許請求の範囲に記載される一対の延出部に相当する。
【0040】
図4に示すように、水平部21は、前後方向に長く形成されている。水平部21の上面は、略平面状に形成され、親指を乗せることができる載置面となっている。
また、水平部21は、平面視でスプール9の側方に位置し、サミングし易くなっている。つまり、釣糸放出時、水平部21に載せている親指を左右の側板2,2間に進入させて、糸巻き胴部9aに巻回される釣糸又はフランジ部9bに触れる動作を、スムーズに行うことができる。
【0041】
一対の水平部21,21の前部21a,21aは、モータ12の出力の増減調整を行うジョグダイヤル13の両端を回転自在に支持するダイヤル支持部を構成している。このため、
図4に示すように、水平部21に載せている親指を左方へスライドさせることで、ジョグダイヤル13を容易に回動操作することができ、操作性向上が図られている。
【0042】
図2に示すように、一対の水平部21,21は、ジョグダイヤル13の外周面の最後端13aが、スプール9のフランジ部9bの外径の最前端(破線D1参照)よりも、前方に位置するように支持している。
つまり、一対の水平部21,21は、ジョグダイヤル13がスプール9と上下方向に重なり合わないようにジョグダイヤル13を支持している。
また、一対の水平部21,21は、ジョグダイヤル13の外周面の最下端13bが、スプール9のフランジ部9bの最上端(破線D2参照)よりも低くなるように支持している。
この結果、ジョグダイヤル13は、スプール9に接触することなく、左右の側板2,2から上方に突出する量が低減するように低く抑えられている。
なお、左右の側板2,2から上方に突出する量が低減するために、ジョグダイヤル13を小径とする方法も考えられるが、ジョグダイヤル13を小径とすると操作性が悪くなるおそれがある。よって、実施形態によれば、大径に形成されたジョグダイヤル13を用いることができ、魚釣り操作性を好適に確保している。
なお、本実施形態のジョグダイヤル13は、領域S2よりも上方に位置するため、釣糸が接触しないようになっている。
【0043】
表示ケース22は、左右の側板2,2間の上部に位置しており、左右方向の中央部に位置しているケースである。
表示ケース22は、上方に開口する箱状(有底筒状)であり、上方から視て、矩形状を呈している。表示ケース22内には、後述する液晶表示部32が格納され、表示ケース22の開口部22aから液晶表示部の表示内容が視認可能になっている。
また、表示ケース22の開口部22aは、ガラス等の透明部材22bがシールされて嵌め込まれており、液晶表示部32の防水が図られている。
【0044】
フロントカバー24は、左右のフレーム4,4間の前側に配置されて上下方向に延在し、左右のフレーム4,4の間に海水が侵入することを防止するためのものである。
また、フロントカバー24には、上方に延びてケース本体20と連結するための一対の連結部24a,24aが形成されており、フロントカバー24とケース本体20とが一体的に当接連結されている。
よって、表示ケース22と、一対の連結部24a,24aと、フロントカバー24とにより囲まれた開口部25は、釣り糸が挿通するための空間となっている。
【0045】
図1に示すように、糸長計測装置30は、演算部が実装された制御基板31と、演算部に演算された情報(例えば、釣糸の繰り出し量や巻き取り量)を表示する液晶表示部32と、演算部が演算すべき情報を切り替える機能スイッチ33とを備えている。
また、液晶表示部32及び機能スイッチ33は、配線を介して制御基板31と電気的に接続している。
なお、図面では、液晶表示部32と制御基板31とを接続する配線35(
図3参照)を図示し、機能スイッチ33と制御基板31とを接続する配線の図を省略している。
【0046】
液晶表示部32は、表示ケース22に格納され、魚釣用電動リール100の左右方向の中央部に位置している。このため、釣り人は、液晶表示部32の表示内容を視認し易くなっている。
また、機能スイッチ33及び制御基板31は、ハンドル8が設けられていない右側の側板2に配設及び収容されており、表示ケース22に収容されず、液晶表示部32と分離配置されている。
このため、表示ケース22は、液晶表示部32のみを収容できる大きさに形成されており、機能スイッチ33や制御基板31を配設、収容する従来の表示ケースよりも上下方向に肉薄化されている。
【0047】
また、機能スイッチ33は、側板2に形成された凹部6b内に配置されている。このため、機能スイッチ33が側板2から突出する量が抑えられ、釣り人が意図せず機能スイッチに接触すること、つまり、誤操作することが抑制される。
なお、
図1に示すように、凹部6bの窪み量は、機能スイッチ33の突出量よりも大きく、機能スイッチ33が右側面6aよりも右側に突出しないように配置することが誤操作防止及び握持保持性向上の面より好ましい。
【0048】
また、機能スイッチ33は、左右の側板2,2のうち、ハンドル8が設けられていない右側の側板2内に設けられている。このため、機能スイッチ33はハンドル8に覆われることがなく、操作性が向上している。
【0049】
ここで、凹部6bは、右側の側板2において側方を向く右側面6aに形成されている。
よって、機能スイッチ33は、
図3、
図4に示すように、例えば、ハンドル8が設けられていない側(右側)の側板2の上面に載せられる親指から離間し、誤操作を確実に防止できる。
また、
図3に示すように、凹部6bは、右側面6aの中央部に形成されており、パーミングしている右手の掌が当たらない部位に形成されている。このため、誤操作をより確実に防止できる。
【0050】
以上、実施形態によれば、ジョグダイヤル13及び表示ケース22の位置が低く抑えられており、ロープロ化された魚釣用電動リール100を提供することができる。
また、機能スイッチ33は、リール本体1の上面側ではなく、側面側(側板2の右面6a)に設けられているため、実釣り時に魚釣用リール100を引っ繰り返した状態で地面等に置いたとしても、機能スイッチ33が誤って押圧されることがなく、誤操作を防止できる。
【0051】
以上、実施形態について説明したが、本発明は実施形態で説明した例に限定されない。
例えば、ジョグダイヤル(回転操作部材)13を低く抑える場合、ジョグダイヤル13の配置する位置は、実施形態の例に限定されない。
詳細に説明すると、スプール9の外形は軸方向から視て円形を成し、スプール9の回転軸から前方に向うほど、スプール9の占有空間の高さが次第に低くなる。つまり、スプール9に干渉することなくジョグダイヤル13を配置できるスペースが下方に次第に拡大している。
よって、少なくともジョグダイヤル13の中心軸O1がスプール9の糸巻き胴部9aの最前端(
図2の破線D3参照)よりも前方に位置するように配置すれば、従来よりもジョグダイヤル13の位置を低くでき、魚釣用電動リール100のロープロ化を図ることができる。
このため、実施形態において、ジョグダイヤル13の外周面の最後端13aを、スプール9のフランジ部9bの外径の最前端(
図2の破線D1参照)よりも、前方に配置されているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0052】
また、本実施形態の魚釣用電動リール100は、ジョグダイヤル(回転操作部材)13と表示ケース22との両方を低く抑えているが、本発明は、ジョグダイヤル(回転操作部材)13と表示ケース22とのいずれか一方を低く抑えるように構成されていてもよい。
たとえば、ジョグダイヤル(回転操作部材)13のみを低く抑える場合には、表示ケース22に、制御基板31や機能スイッチ33を格納してもよい。
【0053】
また、ジョグダイヤル13は、ケース本体20の一対の水平部21,21に形成された一対の支持部21a,21aに回動可能に支持され、ケース本体20とユニット化されているが、前記したジョグダイヤル13の回転中心軸O1と糸巻き胴部9aとの位置関係を構成できれば、左右の側板2,2に形成された支持部にジョグダイヤル13を回動可能に支持させてもよい。
【0054】
また、実施形態のリール本体1は、凹部6bを形成し、その凹部6b内に機能スイッチ33を配置しているが、本発明は凹部6bが形成されていないリール本体1であってもよい。
【0055】
また、実施形態の凹部6b及び機能スイッチ33は、ハンドル8が設けられていない右側の側板2の側面6a以外に上面に設けられてもよいし、又は、ハンドル8が設けられた左側の側板2の側面又は上面に設けてもよい。更には、機能スイッチ33は、左右の側板2,2に設けられていればよく、左右の側板2,2の上面に載置されるケース本体20の水平部21,21に設けて表示部32と離間配置してもよい。
【0056】
また、本実施形態では、
図2に示すように、レベルワインド機構14がモータ12よりも前側に配置されているが、スプール9とモータ12との間に配置されてもよい。
【0057】
また、本実施形態では、糸長計測装置30を用いた例を挙げて説明したが、表示部及び機能スイッチを備えた釣り情報装置であれば、特に限定されない。