(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。尚、図面において、左右方向がX軸方向であり、前後方向がY軸方向であり、上下方向がZ軸方向である。図面では、構成の一部が省略されて描かれていることがあり、描かれた各部の寸法比等は必ずしも正確ではない。
【0012】
(1)部品装着装置10の構成
図1は、部品装着装置10が表された図である。部品装着装置10は、基板Sに対する部品の装着作業を実行するための装置である。部品装着装置10は、基板搬送装置12、部品採取装置14、リール部品供給装置16、ばら部品供給装置18、及び制御装置20を備えている。制御装置20は、部品装着装置10を制御するための装置である。尚、基板Sとしては、プリント配線板又はプリント回路板等が挙げられる。
【0013】
基板搬送装置12は、基板Sを搬送するための装置である。基板搬送装置12は、支持板22,22及びコンベアベルト24,24を備えている。支持板22,22は、間隔を前後方向に開けた状態で左右方向に延設されている。支持板22,22の間には、多数の支持ピン26が立設されている。コンベアベルト24,24は、支持板22,22の互いに対向する面に設けられている。コンベアベルト24,24は、支持板22,22の左右に設けられた駆動輪及び従動輪に無端状となるように架け渡されている。基板Sは、コンべアベルト24,24の上面に乗せられた状態で左から右へと搬送される。基板Sが搬送される際は、基板Sが多数の支持ピン26上を摺動する。
【0014】
部品採取装置14は、部品を採取するための装置である。部品採取装置14は、装着ヘッド28、X軸スライダ30、及びY軸スライダ32を備えている。Y軸スライダ32は、ガイドレール34,34にスライド可能に取り付けられている。ガイドレール34,34は、前後方向に延びる左右一対のレールであり、部品装着装置10の内部に固定されている。これにより、Y軸スライダ32は、前後方向にスライド可能である。X軸スライダ30は、ガイドレール36,36にスライド可能に取り付けられている。ガイドレール36,36は、左右方向に延びる上下一対のレールであり、Y軸スライダ32の前面に設けられている。これにより、X軸スライダ30は、左右方向にスライド可能である。装着ヘッド28は、X軸スライダ30が左右方向に移動するのに伴って左右方向に移動し、Y軸スライダ32が前後方向に移動するのに伴って前後方向に移動する。尚、各スライダ30,32は、それぞれ図示しない駆動モータにより駆動される。更に、各スライダ30,32には、図示しない位置センサが装備されている。制御装置20は、それらの位置センサから入力された位置情報に基づいて、各スライダ30,32の駆動モータを制御する。
【0015】
装着ヘッド28は、ノズル保持部38を備えている。ノズル保持部38は、複数の吸着ノズル40(本実施形態では、8本の吸着ノズル40)を支持している。吸着ノズル40は、圧力を利用して、ノズル先端に部品を吸着したり、ノズル先端に吸着している部品を放したりするものである。ノズル保持部38は、Z軸と平行な軸線周りに回転可能に構成されている。吸着ノズル40がノズル保持部38によって特定の回転位相にまで回転すると、その吸着ノズル40がホルダ昇降装置と係合する。これにより、吸着ノズル40は、ホルダ昇降装置によって、X軸およびY軸方向と直交するZ軸方向(上下方向)に昇降される。尚、ホルダ昇降装置は、Z軸モータ42を駆動源とするものである。
【0016】
リール部品供給装置16は、部品装着装置10の前方において、部品供給装置取付ベース44に着脱可能に取り付けられている。リール部品供給装置16は、リール46及びフィーダ部48を備えている。リール46には、テープが巻き付けられている。テープには、部品が格納されている。テープは、リール46から巻きほどかれ、採取位置にまでフィーダ部48によって送り出される。採取位置とは、装着ヘッド28によって部品が採取される位置である。
【0017】
部品装着装置10は、パーツカメラ50を備えている。パーツカメラ50は、部品供給装置取付ベース44の後方に配置されている。パーツカメラ50の撮像範囲は、パーツカメラ50の上方である。パーツカメラ50の上方を吸着ノズル40が通過すると、その吸着ノズル40に吸着された部品の状態がパーツカメラ50によって撮像される。その撮像データは、パーツカメラ50によって制御装置20に出力される。
【0018】
(2)ばら部品供給装置18の構成
ばら部品供給装置18は、リール部品供給装置16と同様にして、部品供給装置取付ベース44に着脱可能に取り付けられている。
図2は、ばら部品供給装置18が表された図である。ばら部品供給装置18は、部品収容部52、部品搬送部54、及び部品切離部56を備えている。
【0019】
部品収容部52は、複数の部品70をばら積みの状態で収容するものである。部品収容部52は、ボウル58及び第1振動部60を備えている。第1振動部60は、ボウル58の下側に設けられている。ボウル58の内面には、らせん状の第1搬送路62が形成されている。
【0020】
部品搬送部54は、複数の部品70を一列に整列させた状態で搬送するものである。部品搬送部54は、シュート部64及び第2振動部66を備えている。第2振動部66は、シュート部64の下側に設けられている。シュート部64の上面には、直線状の第2搬送路68が形成されている。第2搬送路68は、Y軸(前後方向)に平行である。第2搬送路68の左右方向の幅は、部品70の短手方向の幅よりも大きい。部品搬送部54では、第2搬送路68内で複数の部品70が一列に整列した状態となり、それらの部品70の長手方向が前後方向と一致する。部品搬送部54は、部品収容部52に接続されている。つまり、部品収容部52の第1搬送路62の出口端部と部品搬送部54の第2搬送路68の入口端部とが接続されている。
【0021】
部品切離部56は、部品搬送部54の第2搬送路68の出口端部に隣接して設けられている。部品切離部56は、部品搬送部54から搬送された一つの部品70を左方向にスライドさせることにより、その部品70を部品採取装置14に供給する。これにより、部品採取装置14は、その部品70を装着ヘッド28で採取することが可能となる。部品切離部56は、部品格納部72及びスライドテーブル74を備えている。部品格納部72には、部品搬送部54から搬送された一つの部品70が格納される。部品格納部72に一つの部品70が格納された際は、その部品70の長手方向が前後方向と一致する。スライドテーブル74は、部品格納部72を左右方向にスライドさせるものである。スライドテーブル74は、テーブル76を備えている。テーブル76の上面には、部品格納部取付ベース78を介して部品格納部72が固定されている。テーブル76は、圧縮空気の駆動源によって、左右方向にスライドされる。これにより、スライドテーブル74は、部品格納部72を左右方向にスライドさせることが可能である。尚、テーブル76の駆動源は、電動モータであっても良い。
【0022】
(3)部品格納部72の外観構成
図3及び
図4は、部品格納部72等が表された図である。部品格納部72は、ブロック80、ストッパ82、プレート84、及びブラケット86を備えている。ブロック80は、略直方体の形状を有しており、部品格納部取付ベース78に載置された状態で固定されている。ブロック80の上面には、左右方向の中央において、Y軸(前後方向)に平行な供給溝88が形成されている。尚、
図3の矢印Rは、部品搬送部54のシュート部64に設けられた第2搬送路68における部品70の搬送方向を示しており、Y軸に平行であり、前後方向と一致する。供給溝88は、ブロック80の前面から後面にまで設けられている。供給溝88の左右方向の幅は、部品搬送部54の第2搬送路68と同様にして、部品70の短手方向の幅よりも大きい。ブロック80を左右方向で切断した場合の供給溝88の断面形状は、略U字形状である。
【0023】
ストッパ82は、略直方体の形状を有しており、供給溝88の後方部に入れ込まれている。これにより、供給溝88の前方部には、部品供給部90が形成されている。よって、部品供給部90の左右方向の幅は、供給溝88と同じであり、部品70の短手方向の幅よりも大きい。部品供給部90の前後方向の長さは、ストッパ82の位置によって変更可能であるが、部品70の長手方向の長さよりも大きくされている。以上より、部品供給部90には、長手方向がY軸(前後方向)に平行な状態にある部品70を格納させることが可能である。また、部品供給部90においては、部品70の搬送方向R側にストッパ82が位置している。そのため、ストッパ82は、部品供給部90内の部品70が部品70の搬送方向Rに移動することを制限するものである。
【0024】
部品供給部90の底面と部品搬送部54の第2搬送路68の底面とは、同一の面上に配置されている。そのため、
図3に表されたように、部品供給部90と第2搬送路68とが向かい合った格納可能状態になると、部品搬送部54は、第2搬送路68から部品供給部90に部品70をスムーズに乗り移させることが可能である。これに対して、部品格納部72が左方向にスライドさせられると、
図4に表されたように、部品供給部90と第2搬送路68とがずれた採取可能状態になる。採取可能状態では、部品供給部90内の部品70は、第2搬送路68(内の部品70)から切り離されている。
【0025】
プレート84は、部品格納部取付ベース78に載置され、且つ、ブロック80の後面とブラケット86とに挟まれた状態で取り付けられている。その取り付けは、第1ボルトB1,B1で行われている。第1ボルトB1,B1は、ブラケット86及びプレート84に後方から通され、ブロック80にねじ込まれている。プレート84には、ストッパ82が第2ボルトB2で固定されている。第2ボルトB2は、プレート84に後方から通され、ストッパ82にねじ込まれている。尚、第2ボルトB2の頭部は、ブラケット86の湾入部92に位置するため、プレート84には圧接しているが、ブラケット86には接触していない。
【0026】
ブラケット86は、平面視で略U字状の形状を有している。ブラケット86の内面は、ブロック80の左面、後面、及び右面のそれぞれに対向している。ブラケット86には、左右方向で向かい合った両端部において、センサ94,94が支持されている。
【0027】
センサ94,94は、X軸(左右方向)に平行な直線上に配置されている。その直線周りにおいて、長穴96,96がブロック80に貫通して設けられている。長穴96,96の長手方向は、Y軸(前後方向)に平行である。長穴96,96の短手方向は、Z軸(上下方向)に平行である。長穴96,96の開口部は、ブロック80の左面及び右面に加えて、部品供給部90に配設されている。これにより、センサ94,94は、長穴96,96及び部品供給部90を介して対向している。そのため、部品供給部90内の部品70がセンサ94,94を遮ると、部品供給部90内に部品70が有ることをセンサ94,94で検知することが可能である。
【0028】
尚、ブロック80の前面には、段差部98が設けられている。段差部98は、ブロック80の部品供給部90とブロック80の右面との間に設けられている。段差部98の底面と部品供給部90の底面とは、連なっており、同一の面上にある。
【0029】
ストッパ82とプレート84との間には、第1シム100がストッパ82とプレート84とに挟まれた状態で固定されている。プレート84とブラケット86との間には、第2シム102がプレート84とブラケット86とに挟まれた状態で固定されている。ブロック80とプレート84との間には、第3シム104がブロック80とプレート84とに挟まれた状態で固定されている。第1シム100、第2シム102、及び第3シム104は、板状であり、それらの厚み(つまり、前後方向の長さ)が同じである。以下、本実施形態では、第1シム100の前後方向の長さを、第1シム100の厚みと記載する。この点は、第2シム102及び第3シム104においても、同様である。
【0030】
図5は、第1シム100が表された図である。
図5では、図面の手前側が前方向であり、図面の奥側が後方向である。この点は、後述する
図6及び
図7においても、同様である。第1シム100は、左右対称の形状を有している。第1シム100には、その下面側が開口した湾入部106が形成されている。第1シム100がストッパ82とプレート84とに挟まれた状態で固定される際は、第1シム100の湾入部106に第2ボルトB2の軸部が通される。
【0031】
図6は、第2シム102が表された図である。第2シム102は、左右対称の形状を有している。第2シム102には、その上面側が開口した湾入部108が形成されている。第2シム102がプレート84とブラケット86とに挟まれた状態で固定される際は、第2シム102の湾入部108に第2ボルトB2の頭部が配置される。第2シム102には、その下面側が開口した湾入部110,110が形成されている。第2シム102がプレート84とブラケット86とに挟まれた状態で固定される際は、第2シム102の湾入部110,110に第1ボルトB1,B1の軸部が通される。
【0032】
図7は、第3シム104が表された図である。第3シム104は、左右対称の形状を有している。第3シム104には、その上面側が開口した湾入部112が形成されている。第3シム104がブロック80とプレート84とに挟まれた状態で固定される際は、第3シム104の湾入部112には、第1シム100が配置されると共に、第2ボルトB2の軸部が通される。第3シム104には、その下面側が開口した湾入部114,114が形成されている。第3シム104がブロック80とプレート84とに挟まれた状態で固定される際は、第3シム104の湾入部114,114に第1ボルトB1,B1の軸部が通される。尚、本実施形態では、第3シム104の外形は、第2シム102の外形と同じである。
【0033】
(4)部品採取装置14及びばら部品供給装置18の動作
次に、部品採取装置14及びばら部品供給装置18の動作について説明する。制御装置20は、部品採取装置14による部品70の装着作業を開始すると、ばら部品供給装置18における部品70の供給作業も開始する。
【0034】
ばら部品供給装置18のボウル58には、複数の部品70がばら積みの状態で収容されている。制御装置20は、部品70の供給作業を開始すると、第1振動部60でボウル58を振動させる。この振動によって、ボウル58内の部品70は、らせん状の第1搬送路62に沿いながら、第2搬送路68に向けて進行する。尚、部品70の進行方向は、部品70の長手方向に一致する。
【0035】
その後、部品70が、第1搬送路62から第2搬送路68に乗り移る。制御装置20は、第2搬送路68が設けられたシュート部64を、第2振動部66で振動させる。この振動によって、第2搬送路68内においては、複数の部品70が一列に整列した状態で部品供給部90に向かって搬送される。このとき、部品供給部90は、第2搬送路68に対して向かい合う状態、つまり
図3に表された格納可能状態にある。尚、部品70の搬送方向Rは、Y軸(前後方向)に平行であり、部品70の長手方向に一致する。また、部品70の長手方向は、基板Sの搬送方向と直交する。
【0036】
その後、一つの部品70が、第2搬送路68から部品供給部90に乗り移る。制御装置20は、部品供給部90内の部品70をセンサ94,94で検知すると、スライドテーブル74のテーブル76を左方向にスライドさせる。このスライドによって、部品供給部90内の部品70は、その長手方向が基板Sの搬送方向と直交した状態のままで搬送される。このとき、部品供給部90は、第2搬送路68に対して左方向にずれた状態、つまり
図4に表された採取可能状態になる。
【0037】
採取可能状態になると、制御装置20は、部品供給部90内の部品70を部品採取装置14の装着ヘッド28で採取する。その採取の際には、制御装置20は、採取可能状態の部品供給部90にまで装着ヘッド28を移動させた後、部品供給部90内の部品70を1番目の吸着ノズル40で採取する。部品70が採取されると、制御装置20は、スライドテーブル74のテーブル76を右方向にスライドさせる。このとき、部品供給部90は、第2搬送路68に対して向かい合う状態、つまり
図3に表された格納可能状態に戻る。
【0038】
以後、同様にして、制御装置20は、2番目から8番目の吸着ノズル40によって、部品供給部90内の部品70を採取する。それらの採取が終了すると、制御装置20は、装着ヘッド28を基板S上に移動させることによって、基板Sに8個の部品70を装着させる。尚、基板Sに8個の部品70を装着させる必要がない場合には、制御装置20は、8個未満の必要個数の部品70を装着ヘッド28で採取したときに、装着ヘッド28を基板S上に移動させることによって、基板Sにそれらの部品70を装着させる。
【0039】
(5)部品格納部72の断面構造
図8は、部品格納部72の断面が表された図である。
図8では、図面の手前側が右方向であり、図面の奥側が左方向である。この点は、後述する
図9乃至
図11においても、同様である。また、
図8乃至
図11では、第1ボルトB1,B1、第2ボルトB2、及びそれらの通し穴等の記載は省略されている。
【0040】
図8に表されたように、部品格納部72の部品供給部90には、一つの部品70が格納される。部品70には、本体部70A及びフランジ部70Bが形成されている。フランジ部70Bは、本体部70Aの下端周縁から外側に延出している。フランジ部70Bは、部品70が部品供給部90に格納される際に、部品供給部90の底面上を摺動する。部品70が部品供給部90に格納されると、部品70のフランジ部70Bの後方側先端からストッパ82の前面との間において、クリアランスCが形成される。同時に、部品70の本体部70Aの後方側部分が、長穴96,96(つまり、センサ94,94)間に位置する。
【0041】
ストッパ82の後方では、第1シム100がストッパ82の後面とプレート84の前面とに挟まれている。ブロック80の後方では、第3シム104がブロック80の後面とプレート84の前面とに挟まれている。第3シム104の湾入部112には、第1シム100が位置している。
図8では、ブロック80の後面とストッパ82の後面とがフラットな状態にあると共に、第1シム100の厚みと第3シム104の厚みとが同じである。従って、第3シム104の湾入部112は、前後方向において、ストッパ82の後面と対向し、且つ、隣り合う位置関係にある。その位置関係では、仮にストッパ82をY軸に平行して後方向に移動させると、ストッパ82は、第3シム104の湾入部112に入り込む。更に、第1シム100は、前後方向において、供給溝88と対向し、且つ、隣り合う位置関係にある。その位置関係では、第1シム100をY軸に平行して前方向に移動させると、第1シム100は、供給溝88に入り込む。プレート84の後方では、第2シム102がプレート84の後面とブラケット86の前面とに挟まれている。第2シム102の厚みは、第1シム100の厚み及び第3シム104の厚みと同じである。
【0042】
以下、
図8に表された部品格納部72の状態を標準状態と記載する。また、標準状態の部品格納部72で使用されている各シム100,102,104の厚みを、標準厚みと記載する。尚、上述した
図3及び
図4では、標準状態にある部品格納部72の外観が斜め方向で表されている。
【0043】
(6)第1シム100の交換
作業者は、標準状態の部品格納部72において、例えば、第2ボルトB2を緩めた後で、ストッパ82を供給溝88内で前方向に移動させることにより、ストッパ82とプレート84との間を前後方向で広げれば、第1シム100を上方向に引き抜くことが可能である。これにより、作業者は、第1シム100を交換することが可能である。第1シム100の交換後は、作業者によって、第2ボルトB2がプレート84を通してストッパ82にねじ込まれる。これにより、交換後の第1シム100は、ストッパ82とプレート84とに挟まれた状態で固定される。
【0044】
図9は、部品格納部72の断面が表された図であって、第1シム100が交換された場合の図である。交換後の第1シム100は、その厚みが標準厚みよりも厚いものである。よって、
図9に表された部品格納部72では、標準状態の部品格納部72(
図8参照)と比べて、第1シム100の厚みの増加分だけ、ストッパ82がプレート84から前方向に離れて固定されるので、クリアランスCが前後方向で狭くなっている。このとき、第1シム100の前方側部分は、供給溝88に入り込んでいる。尚、
図9では、部品格納部72が標準状態にある場合のストッパ82が、二点鎖線で表されている。これに対して、作業者は、第1シム100をその厚みが標準厚みより薄いものに交換すれば、ストッパ82をプレート84に前方向から近づけて固定することが可能である。これにより、作業者は、第1シム100の厚みの減少分だけ、クリアランスCを前後方向で広くすることが可能である。このような交換の場合には、ストッパ82の後方側部分が、第3シム104の湾入部112に入り込んでいる。以上より、第1シム100は、交換による厚みの変更により、ストッパ82の位置を調整するものであり、更に、ストッパ82とプレート84との相対位置を調整するものである。
【0045】
(7)第2シム102の交換
作業者は、標準状態の部品格納部72において、例えば、第1ボルトB1,B1を緩めた後で、ブラケット86を後方向に移動させることにより、ブラケット86とプレート84との間を前後方向で広げれば、第2シム102を上方向に引き抜くことが可能である。ここで、ブラケット86とプレート84との間は、上方に引き抜かれた第2シム102が第2ボルトB2の頭部に突き当たらない程度にまで、前後方向に広げられる。これにより、作業者は、第2シム102を交換することが可能である。第2シム102の交換後は、作業者によって、第1ボルトB1,B1がブラケット86及びプレート84を通してブロック80にねじ込まれる。これにより、交換後の第2シム102は、ブラケット86とプレート84とに挟まれた状態で固定される。
【0046】
図10は、部品格納部72の断面が表された図であって、第2シム102が交換された場合の図である。交換後の第2シム102は、その厚みが標準厚みよりも厚いものである。よって、
図10に表された部品格納部72では、標準状態の部品格納部72(
図8参照)と比べて、第2シム102の厚みの増加分だけ、ブラケット86が後方向に移動している。そのため、ブラケット86のセンサ94,94も、前後方向において、第2シム102の厚みの増加分だけ、プレート84に近づいた位置にまで移動している。尚、
図10では、部品格納部72が標準状態にある場合のブラケット86が、二点鎖線で表されている。これに対して、作業者は、第2シム102をその厚みが標準厚みより薄いものに交換すれば、第2シム102の厚みの減少分だけ、前後方向において、ブラケット86のセンサ94,94をプレート84から遠ざけた位置に移動させることが可能である。以上より、第2シム102は、交換による厚みの変更により、センサ94,94の位置を調整するものであり、更に、ブラケット86とプレート84との相対位置を調整するものである。
【0047】
(8)第3シム104の交換
作業者は、標準状態の部品格納部72において、例えば、第1ボルトB1,B1を外した後で、ストッパ82及び第1シム100が第2ボルトB2で固定されている状態のプレート84をブロック80から離すことにより、第3シム104を取り出すことが可能である。これにより、作業者は、第3シム104を交換することが可能である。第3シム104の交換後は、作業者によって、第1ボルトB1,B1がブラケット86及びプレート84を通してブロック80にねじ込まれる。これにより、交換後の第3シム104は、プレート84とブロック80とに挟まれた状態で固定される。
【0048】
尚、第3シム104においては、
図7とは異なり、湾入部114,114を第3シム104の上面側で開口するように形成しても良い。そのような場合には、作業者は、標準状態の部品格納部72において、例えば、第1ボルトB1,B1を緩めた後で、ブラケット86及びプレート84を前方向に移動させることにより、プレート84とブロック80との間を前後方向で広げれば、第3シム104を下方向に引き抜くことが可能である。
【0049】
図11は、部品格納部72の断面が表された図であって、第3シム104が交換された場合の図である。交換後の第3シム104は、その厚みが標準厚みよりも厚いものである。よって、
図11に表された部品格納部72では、標準状態の部品格納部72(
図8参照)と比べて、第3シム104の厚みの増加分だけ、ストッパ82、プレート84、及びブラケット86が後方向に移動している。そのため、ストッパ82とブラケット86のセンサ94,94との相対位置に変化はない。しかしながら、クリアランスCは、第3シム104の厚みの増加分だけ、前後方向で広くなっている。同時に、ブラケット86のセンサ94,94は、第3シム104の厚みの増加分だけ、後方向に移動している。更に、プレート84は、第3シム104の厚みの増加分だけ、ブロック80の後面から後方向に離れた位置で固定される。このとき、ストッパ82の後方側部分は、第3シム104の湾入部112に入り込んでいる。尚、
図11では、部品格納部72が標準状態にある場合のストッパ82及びブラケット86(左端部に限る。)が、二点鎖線で表されている。
【0050】
これに対して、作業者は、第3シム104をその厚みが標準厚みより薄いものに交換すれば、ストッパ82、プレート84、及びブラケット86を前方向に移動させることが可能である。これにより、作業者は、ストッパ82とブラケット86のセンサ94,94との相対位置を変化させることなく、第3シム104の厚みの減少分だけ、クリアランスCを前後方向で狭くすると同時に、ブラケット86のセンサ94,94を前方向に移動させることが可能である。このような交換の場合には、プレート84は、第3シム104の厚みの減少分だけ、ブロック80の後面に後方向から近づいた位置で固定される。また、第1シム100の前方側部分が、供給溝88に入り込んでいる。
【0051】
以上より、第3シム104は、交換による厚みの変更により、ストッパ82とセンサ94,94との相対位置を維持したままで、ストッパ82の位置及びセンサ94,94の位置を調整するものであり、更に、ブロック80とプレート84との相対位置を調整するものである。
【0052】
(9)まとめ
以上詳細に説明した通り、本実施形態では、ばら部品供給装置18は、ストッパ82及びセンサ94,94を備えている。ストッパ82は、部品供給部90内で部品70が搬送方向Rに移動することを制限するものである。センサ94,94は、部品供給部90内における部品70の有無を検知するものである。作業者は、ばら部品供給装置18において、第1シム100をその厚さが異なるものに交換することにより、ストッパ82の位置を調整することが可能である。更に、作業者は、第2シム102をその厚さが異なるものに交換することにより、センサ94,94の位置を調整することが可能である。従って、ばら部品供給装置18は、第1シム100又は第2シム102の交換により、ストッパ82の位置又はセンサ94,94の位置を調整することが可能である。更に、ばら部品供給装置18は、第1シム100及び第2シム102の交換により、ストッパ82の位置及びセンサ94,94の位置を調整することが可能である。
【0053】
ちなみに、本実施形態において、ばら部品供給装置18は、部品供給装置の一例である。第1シム100は、第1調整部の一例である。第2シム102は、第2調整部の一例である。第3シム104は、第3調整部の一例である。
【0054】
(10)変更例
尚、本開示は本実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、第1シム100、第2シム102、及び第3シム104の組合せにより、ストッパ82とセンサ94,94とのうち、一方又は双方の位置が調整されても良い。
【0055】
また、第1シム100の有無により、ストッパ82の位置が調整されても良い。第2シム102の有無により、センサ94,94の位置が調整されても良い。第3シム104の有無により、ストッパ82の位置及びセンサ94,94の位置が調整されても良い。
【0056】
また、第1調整部として、ストッパ82をその前後方向の長さが異なるものに交換可能な構成としても良い。そのような場合には、第1シム100をその厚さが異なるものに交換する場合と同様にして、ストッパ82の位置(つまり、ストッパ82の前面の位置)を調整することが可能であるので、第1シム100を省くことが可能である。
【0057】
また、第2調整部として、プレート84をその前後方向の長さ(つまり、厚み)が異なるものに交換可能な構成としても良い。そのような場合には、第2シム102をその厚さが異なるものに交換する場合と同様にして、センサ94,94の位置を調整することが可能であるので、第2シム102を省くことが可能である。
【0058】
また、第1シム100、第2シム102、及び第3シム104がネジ送り調整機構に代わることにより、ストッパ82とセンサ94,94とのうち、一方又は双方の位置が調整されても良い。
【0059】
また、本実施形態において、ばら部品供給装置18は、ボウルフィーダであったが、例えば、スティックフィーダであっても良い。