(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定方向において互いに離れたコネクタと相手側固定部とを備える取付部材に対して、前記所定方向における両端に夫々位置する接続部と相手側被挟持部とを有するモジュールを取り付ける際に使用するアダプタ組立体であって、
前記モジュールが前記取付部材に取り付けられた被取付状態において、前記モジュールの前記接続部は、前記コネクタと接続し、且つ、前記モジュールの前記相手側被挟持部は、前記所定方向における前記コネクタと前記相手側固定部との間に位置し、
前記アダプタ組立体は、導電体からなる主部材と、固定部材と、第1挟持部材と、第2挟持部材とを備えており、
前記主部材は、被固定部と、被挟持部とを有しており、
前記被挟持部には、通過孔が形成されており、
前記第1挟持部材は、第1挟持部を有しており、
前記第2挟持部材は、回転止め部と、第2挟持部とを有しており、
前記第1挟持部材及び前記第2挟持部材の一方には雄ネジが形成されており、他方には雌ネジが形成されており、
前記被取付状態において、前記固定部材は、前記主部材の前記被固定部を、前記取付部材の前記相手側固定部との間に挟んで固定し、
前記被取付状態において、前記雄ネジは、前記主部材の前記通過孔を通過して前記雌ネジにねじ込まれ、前記第1挟持部材の前記第1挟持部は、前記主部材の前記被挟持部に押し付けられ、前記被挟持部と前記第2挟持部材の前記第2挟持部とは、前記モジュールの前記相手側被挟持部を間に挟んで保持し、
前記雄ネジが前記雌ネジにねじ込まれる際、前記第2挟持部材の前記回転止め部は、前記モジュールに接触して、前記第2挟持部材の前記モジュールに対する回転を防止する
アダプタ組立体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図26及び
図27を参照すると、結合具920を開口部912にねじ込む際、モジュール94の端部には、結合具920の軸方向に沿った力に加えて、結合具920の回転方向に沿った回転力が加わる。結合具920をしっかりとねじ込もうとしたとき、この回転力に起因して、モジュール94が主部材910から離れるおそれがある。一方、結合具920のねじ込みが十分でない場合、主部材910を経由したモジュール94のグランドが不安定になる。即ち、モジュール94の電子機器96への電気的接続が不安定になる。
【0007】
そこで、本発明は、SSD等のモジュールを電子機器に確実に取り付け可能なアダプタ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1のアダプタ組立体として、
所定方向において互いに離れたコネクタと相手側固定部とを備える取付部材に対して、前記所定方向における両端に夫々位置する接続部と相手側被挟持部とを有するモジュールを取り付ける際に使用するアダプタ組立体であって、
前記モジュールが前記取付部材に取り付けられた被取付状態において、前記モジュールの前記接続部は、前記コネクタと接続し、且つ、前記モジュールの前記相手側被挟持部は、前記所定方向における前記コネクタと前記相手側固定部との間に位置し、
前記アダプタ組立体は、導電体からなる主部材と、固定部材と、第1挟持部材と、第2挟持部材とを備えており、
前記主部材は、被固定部と、被挟持部とを有しており、
前記被挟持部には、通過孔が形成されており、
前記第1挟持部材は、第1挟持部を有しており、
前記第2挟持部材は、回転止め部と、第2挟持部とを有しており、
前記第1挟持部材及び前記第2挟持部材の一方には雄ネジが形成されており、他方には雌ネジが形成されており、
前記被取付状態において、前記固定部材は、前記主部材の前記被固定部を、前記取付部材の前記相手側固定部との間に挟んで固定し、
前記被取付状態において、前記雄ネジは、前記主部材の前記通過孔を通過して前記雌ネジにねじ込まれ、前記第1挟持部材の前記第1挟持部は、前記主部材の前記被挟持部に押し付けられ、前記被挟持部と前記第2挟持部材の前記第2挟持部とは、前記モジュールの前記相手側被挟持部を間に挟んで保持し、
前記雄ネジが前記雌ネジにねじ込まれる際、前記第2挟持部材の前記回転止め部は、前記モジュールに接触して、前記第2挟持部材の前記モジュールに対する回転を防止する
アダプタ組立体を提供する。
【0009】
また、本発明は、第2のアダプタ組立体として、第1のアダプタ組立体であって、
前記雄ネジは、前記第1挟持部材に形成されており、
前記雌ネジは、前記第2挟持部材に形成されている
アダプタ組立体を提供する。
【0010】
また、本発明は、第3のアダプタ組立体として、第2のアダプタ組立体であって、
前記第2挟持部材は、首部と、厚肉部と、段差部とを有しており、
前記首部には、前記雌ネジが形成されており、
前記第2挟持部材の前記第2挟持部は、板形状を有しており、
前記所定方向と直交する上下方向における前記厚肉部のサイズは、前記上下方向における前記第2挟持部のサイズよりも大きく、
前記段差部は、前記厚肉部と前記第2挟持部との間に位置しており、前記回転止め部として機能する
アダプタ組立体を提供する。
【0011】
また、本発明は、第4のアダプタ組立体として、第3のアダプタ組立体であって、
前記上下方向と直交する平面において、前記第2挟持部材の前記首部は、前記主部材の前記通過孔よりも小さく、
前記被取付状態において、前記首部は、少なくとも部分的に前記通過孔の内部に位置する
アダプタ組立体を提供する。
【0012】
また、本発明は、第5のアダプタ組立体として、第1から第4までのいずれかのアダプタ組立体であって、
前記主部材の前記被固定部には、被固定孔が形成されており、
前記被取付状態において、前記固定部材及び前記相手側固定部の一方は、部分的に前記被固定孔の内部に位置する
アダプタ組立体を提供する。
【0013】
また、本発明は、第6のアダプタ組立体として、第1から第5までのいずれかのアダプタ組立体であって、
前記主部材は、平板形状の平板部を有しており、
前記主部材の前記被固定部は、前記平板部に設けられており、且つ、突出部を有しており、
前記突出部は、前記平板部から前記所定方向と直交する方向に突出しており、
前記被取付状態において、前記固定部材は、前記突出部と付き当たる
アダプタ組立体を提供する。
【0014】
また、本発明は、第7のアダプタ組立体として、第1から第6までのいずれかのアダプタ組立体であって、
前記主部材は、回転防止部を有しており、
前記雄ネジが前記雌ネジにねじ込まれる際、前記回転防止部は、前記モジュールに接触して、前記主部材の前記モジュールに対する回転を防止する
アダプタ組立体を提供する。
【0015】
また、本発明は、第8のアダプタ組立体として、第7のアダプタ組立体であって、
前記主部材は、2つの前記回転防止部を有しており、
前記主部材の前記被挟持部は、前記所定方向と直交する方向において前記回転防止部の間に位置しており、
前記雄ネジが前記雌ネジにねじ込まれる際、前記回転防止部の夫々は、前記モジュールの前記所定方向における端に接触して、前記主部材の前記モジュールに対する回転を防止する
アダプタ組立体を提供する。
【0016】
また、本発明は、第1の装置として、第1から第8までのいずれかのアダプタ組立体と、モジュールと、取付部材とを備える
装置を提供する。
【0017】
また、本発明は、第2の装置として、第1の装置であって、
前記所定方向と直交する上下方向において、前記アダプタ組立体の前記主部材の前記被固定部の下端は、前記モジュールの下端と同じ位置にある
装置を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第2挟持部材が回転止め部によって回転防止されているため、雄ネジは、第1挟持部材の回転操作によって雌ネジにねじ込まれる。ねじ込みの結果、第1挟持部材の第1挟持部は、主部材の被挟持部に押し付けられ、被挟持部と第2挟持部材の第2挟持部とは、モジュールの相手側被挟持部を間に挟んで保持する。上述の保持構造から理解されるように、第1挟持部は、モジュールではなく主部材に対して、第1挟持部材の回転方向に沿った回転力を加える。また、雄ネジが主部材の通過孔を通過しているため、主部材は、回転力を受けても第1挟持部材から離れない。即ち、第1挟持部材及び第2挟持部材は、被挟持部及び相手側被挟持部を間に挟んで確実に保持する。更に、固定部材は、主部材の被固定部を、取付部材の相手側固定部との間に挟んで固定する。上述のように、本発明のアダプタ組立体は、SSD等のモジュールを電子機器の取付部材に確実に取り付け可能である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1及び
図2を参照すると、本発明の実施の形態による装置10は、PC(Personal Computer)等の電子機器(図示せず)の内部に組み込んで使用される。装置10は、アダプタ組立体20と、モジュール70と、取付部材80とを備えている。モジュール70は、SSD(Solid State Drive)等のモジュールカードである。取付部材80は、モジュール70を取り付けて電子機器に接続するための部材である。アダプタ組立体20は、取付部材80に対してモジュール70を取り付けるために使用する部材である。
【0021】
図5を参照すると、取付部材80は、例えば、電子機器(図示せず)のメインボードやサブボードの一部であり、基板82と、コネクタ84と、相手側固定部86とを備えている。本実施の形態の基板82は、矩形の平板形状を有しており、上下方向(Z方向)と直交する水平面(XY平面)上を延びている。但し、本発明は、これに限られず、基板82は、様々な形状に形成できる。
【0022】
コネクタ84は、上下方向(Z方向)と直交する前後方向(所定方向、X方向)において、基板82の前端(+X側の端)近傍に位置しており、相手側固定部86は、基板82の後端(−X側の端)近傍に位置している。即ち、コネクタ84と相手側固定部86とは、X方向において互いに離れている。
【0023】
図2を参照すると、コネクタ84は、基板82の上面(+Z側の面)に搭載されている。コネクタ84は、モジュール70を電子機器(図示せず)の回路(図示せず)に接続するための部位であり、後方(−X方向)に向かって開口している。コネクタ84は、導電体からなる複数のコンタクト842を備えている。コンタクト842は、上下方向(Z方向)及び所定方向(X方向)の双方と直交するピッチ方向(Y方向)に並んでいる。
【0024】
図5を参照すると、相手側固定部86は、装置10の使用時にグランドされる部位である。本実施の形態の相手側固定部86は、孔が形成された金属製の部材である。相手側固定部86の孔の周壁には、雌ネジ862が形成されている。相手側固定部86は、孔が上方(+Z方向)及び下方(−Z方向)に開口するようにして基板82の内部に取り付けられている。
【0025】
図20に示されるように、モジュール70は、接続端72と、反対端74と、本体部76とを有している。本体部76は、平板形状の回路基板であり、XY平面上を延びている。本体部76は、X方向に沿って長く延びている。接続端72は、本体部76の前端であり、反対端74は、本体部76の後端である。本体部76の上面には、様々な電子部品(図示せず)が搭載されている。
【0026】
モジュール70は、接続部730と、凹部742と、相手側被挟持部744とを有している。接続部730は、本体部76の一部であり、X方向において接続端72(前端)の近傍に位置している。即ち、接続部730は、本体部76の前端部である。凹部742は、反対端74(後端)に設けられた半円形状の凹みであり、前方(+X方向)に向かって凹んでいる。凹部742は、Y方向において反対端74の中間部分に位置しており、Z方向においてモジュール70を貫通している。相手側被挟持部744は、本体部76の一部であり、XY平面において凹部742を半円形状に囲んでいる。即ち、接続部730と相手側被挟持部744とは、X方向におけるモジュール70の両端に夫々位置している。
【0027】
接続部730の上面には、導電体からなる複数の端子732が形成されている。端子732は、Y方向に並んでいる。相手側被挟持部744の上面には、導電体からなる電極746が形成されている。電極746は、モジュール70の使用時にグランドされる部位である。
【0028】
図5を参照すると、アダプタ組立体20は、金属等の導電体からなる主部材30と、金属製の固定部材40と、金属製の第1挟持部材50と、金属製の第2挟持部材60とを備えている。
【0029】
図10から
図16までを参照すると、本実施の形態の主部材30は、曲げを有する1枚の金属板である。主部材30は、被取付部32と、傾斜部36と、基部38とを有している。被取付部32は、主部材30の前端部である。被取付部32は、概ね平板形状を有しており、XY平面上を延びている。傾斜部36は、被取付部32の後端から後方及び下方に向かって傾斜しつつ延びている。基部38は、傾斜部36の下端(−Z側の端)から後方に向かって延びている。基部38は、概ね矩形の平板形状を有しており、XY平面上を延びている。
【0030】
図10から
図13までを参照すると、主部材30の被取付部32は、被挟持部330と、2つの腕部340とを有している。
【0031】
被挟持部330は、Y方向において被取付部32の中間部分に位置しており、X方向において被取付部32の前端部に位置している。被挟持部330は、平板形状を有しており、XY平面上を延びている。被挟持部330には、通過孔332が形成されている。通過孔332は、XY平面において円形状を有しており、被挟持部330をZ方向に貫通している。即ち、被挟持部330は、XY平面において通過孔332を円弧形状に囲んでいる。本実施の形態の被挟持部330は、被取付部32の他の部位から前方に突出している。換言すれば、被取付部32は、前方に突出した被挟持部330を有している。但し、本発明は、これに限られず、被取付部32は、様々な形状に形成できる。
【0032】
図10から
図16までを参照すると、腕部340は、被取付部32のY方向における両側に夫々位置しており、Y方向外側に突出している。腕部340の夫々は、Y方向外側に向かって延びた後、Y方向外側及び下方に向かって傾斜しつつ延びている。
図15及び
図16を参照すると、腕部340の先端部(下端部)は、Z方向において基部38と同じ位置にある。
図14及び
図15を参照すると、腕部340の下端部の前縁は、後述する回転防止部350として機能する。即ち、本実施の形態による主部材30は、2つの回転防止部350を有している。
図10から
図13までを参照すると、主部材30の被挟持部330は、Y方向において2つの回転防止部350の間に位置している。
【0033】
図10から
図13までを参照すると、主部材30の基部38は、平板部382と、凸部384とを有している。平板部382及び凸部384の夫々は、平板形状を有しており、XY平面上を延びている。詳しくは、凸部384は、XY平面において、矩形形状を有しており、基部38の中間部分に位置している。平板部382は、XY平面において、矩形フレーム形状を有しており、凸部384を囲んでいる。凸部384は、基部38から上方に突出している。基部38は、凸部384が形成されているため撓みにくい。
【0034】
主部材30は、被固定部390を有している。本実施の形態において、被固定部390は、基部38の平板部382に設けられている。詳しくは、平板部382には、被固定孔392が形成されている。被固定孔392は、X方向において平板部382の後端近傍に位置しており、Y方向において平板部382の中間部分に位置している。被固定孔392は、XY平面において円形状を有しており、平板部382をZ方向に貫通している。被固定部390は、平板部382の一部であり、XY平面において被固定孔392を円形状に囲んでいる。換言すれば、被固定部390には、被固定孔392が形成されている。被固定部390は、突出部394を有している。突出部394は、XY平面において円形状を有しており、平板部382から上方に突出している。
【0035】
図5を参照すると、本実施の形態による固定部材40は、所謂低頭ネジであり、円板形状の頭部42と、雄ネジ482が形成された軸部48とを有している。軸部48の雄ネジ482は、取付部材80の相手側固定部86の雌ネジ862に対応しており、主部材30の被固定孔392を通過して雌ネジ862にねじ込むことができる。詳しくは、XY平面において、頭部42は、主部材30の被固定孔392よりも大きく、軸部48は、被固定孔392よりも小さい。
【0036】
図5を参照すると、本実施の形態による第1挟持部材50は、低頭ネジであり、円板形状の頭部(第1挟持部)52と、雄ネジ582が形成された軸部58とを有している。
【0037】
図17から
図19までを参照すると、本実施の形態の第2挟持部材60は、一種のナットである。第2挟持部材60は、第2挟持部62と、厚肉部64と、円筒形状の首部68とを有している。首部68は、上方及び下方に開口した中心孔を有しており、中心孔の周壁には、雌ネジ682が形成されている。第2挟持部62及び厚肉部64の夫々は、平板形状を有しており、XY平面上を延びている。第2挟持部62と厚肉部64とは、第2挟持部材60のX方向における両側に夫々位置しており、首部68を、X方向に挟んでいる。
【0038】
第2挟持部62の下面(−Z側の面)、厚肉部64の下面及び首部68の下面は、互いに面一になっている。第2挟持部62は、XY平面において、首部68の下端部のうちの前部(+X側の部位)を半円形状に囲んでいる。厚肉部64は、XY平面において、首部68の下部(−Z側の部位)のうちの後部(−X側の部位)を半円形状に囲んでいる。Z方向における厚肉部64のサイズ(厚さ)は、Z方向における第2挟持部62のサイズよりも大きい。このため、厚肉部64と第2挟持部62との間には、2つの段差部(回転止め部)66が形成されている。即ち、第2挟持部材60は、2つの段差部66を有している。
【0039】
本実施の形態において、段差部66の夫々は、X方向において厚肉部64と第2挟持部62との間に位置している。より具体的には、段差部66の夫々は、厚肉部64の前端面であり、垂直面(YZ平面)に沿って延びている。段差部66は、Y方向において首部68の両側に夫々位置している。段差部66の夫々は、後述する回転止め部66として機能する。即ち、本実施の形態の第2挟持部材60は、Y方向において首部68を挟む2つの回転止め部66を有している。
【0040】
図8を参照すると、第1挟持部材50の軸部58の雄ネジ582は、第2挟持部材60の首部68の雌ネジ682に対応しており、主部材30の通過孔332及びモジュール70の凹部742を通過して雌ネジ682にねじ込むことができる。詳しくは、XY平面において、第1挟持部材50の第1挟持部52の半径は、凹部742の半径よりも大きく、軸部58の半径は、凹部742の半径よりも小さい。XY平面において、第2挟持部材60の第2挟持部62及び厚肉部64の夫々の半径は、凹部742の半径よりも大きく、首部68の半径は、凹部742の半径よりも小さい。XY平面において、首部68は、主部材30の通過孔332よりも小さい。
【0041】
モジュール70は、アダプタ組立体20を使用して、以下に説明するようにして取付部材80に取り付けられ、これにより装置10が形成される。
【0042】
図5及び
図6を参照すると、まず、アダプタ組立体20の主部材30を、主部材30の被挟持部330及び通過孔332がモジュール70の相手側被挟持部744及び凹部742の上に夫々重なるようにして配置する。このとき、主部材30の2つの回転防止部350は、被挟持部330の下方に位置しており、モジュール70の反対端74に接触又は近接する。また、主部材30に傾斜部36が設けられているため、主部材30の平板部382の下面は、Z方向においてモジュール70の下面と同じ位置に位置する。
【0043】
図8を参照すると、次に、第2挟持部材60の首部68を、下方から主部材30の通過孔332に挿入し、第2挟持部材60の第2挟持部62を、モジュール70の相手側被挟持部744の下に位置させる。このとき、第2挟持部材60の首部68の前部は、モジュール70の凹部742の内部に位置し、首部68の後部は、厚肉部64と共に、凹部742の後方に位置する。
図6を参照すると、このとき、第2挟持部材60の2つの回転止め部66は、モジュール70の反対端74に接触又は近接する。
図8を参照すると、次に、第1挟持部材50の軸部58(雄ネジ582)を、第2挟持部材60の首部68の内部(雌ネジ682)にねじ込む。この結果、モジュール70は、アダプタ組立体20の主部材30に固定される。
【0044】
図6及び
図8から理解されるように、第1挟持部材50の雄ネジ582が第2挟持部材60の雌ネジ682にねじ込まれる際、第2挟持部材60の回転止め部66の夫々は、モジュール70の反対端74に接触して、第2挟持部材60のモジュール70に対する回転を防止する。また、回転止め部66の夫々は、雄ネジ582がねじ込まれた後で雌ネジ682が緩むことも防止する。本実施の形態による第2挟持部材60は、Y方向において雌ネジ682を挟む2つの回転止め部66を有しているため、雄ネジ582をねじ込むときだけではなく、雄ネジ582を外すときにも、第2挟持部材60のモジュール70に対する回転を防止する。但し、本発明は、これに限られず、第2挟持部材60は、雄ネジ582をねじ込むときの回転方向に応じて、回転止め部66を1つだけ有していてもよい。
【0045】
図6から理解されるように、第1挟持部材50の雄ネジ582が第2挟持部材60の雌ネジ682にねじ込まれる際、主部材30の回転防止部350の夫々は、モジュール70の反対端74に接触して、主部材30のモジュール70に対する回転を防止する。本実施の形態による主部材30は、Y方向において雄ネジ582及び雌ネジ682を挟む2つの回転防止部350を有しているため、雄ネジ582をねじ込むときだけでなく、雄ネジ582を外すときにも、主部材30のモジュール70に対する回転を防止する。但し、本発明は、これに限られない。主部材30は、雄ネジ582をねじ込むときの回転方向に応じて、回転防止部350を1つだけ有していてもよいし、回転防止部350を有していなくてもよい。
【0046】
図5を参照すると、次に、モジュール70の接続部730を、取付部材80のコネクタ84に後方から挿入する。このとき、接続部730の端子732(
図20参照)は、コネクタ84のコンタクト842(
図2参照)に夫々接続される。
図9を参照すると、このとき、主部材30の被固定孔392は、取付部材80の相手側固定部86の孔の上に重なっている。次に、固定部材40の軸部48を、相手側固定部86の内部にねじ込む。この結果、アダプタ組立体20の主部材30は、取付部材80に固定され、これにより装置10(
図1参照)が形成される。即ち、モジュール70は、取付部材80に取り付けられ、アダプタ組立体20を介して取付部材80の相手側固定部86にグランドされる。
【0047】
図7を参照すると、モジュール70が取付部材80に取り付けられた被取付状態(
図1、
図2及び
図6から
図9までに示された状態)において、モジュール70の接続部730は、コネクタ84と接続し、且つ、モジュール70の相手側被挟持部744は、X方向におけるコネクタ84と相手側固定部86との間に位置する。
【0048】
図6及び
図8を参照すると、上述のように、第2挟持部材60が回転止め部66によって回転防止されているため、雄ネジ582は、第1挟持部材50の回転操作によって雌ネジ682にねじ込まれる。ねじ込みの結果、被取付状態において、雄ネジ582は、主部材30の通過孔332を通過して雌ネジ682にねじ込まれて雌ネジ682を有する第2挟持部材60を引き寄せ、第1挟持部材50の第1挟持部52は、主部材30の被挟持部330に押し付けられ、被挟持部330と第2挟持部材60の第2挟持部62とは、モジュール70の相手側被挟持部744を間に挟んで保持する。
【0049】
上述の保持構造から理解されるように、雄ネジ582が雌ネジ682にねじ込まれる際、第1挟持部52は、モジュール70ではなく主部材30に対して第1挟持部材50の回転方向に沿った回転力を加える。また、雄ネジ582が主部材30の通過孔332を通過しているため、主部材30は、回転力を受けても第1挟持部材50(雄ネジ582)から離れない。即ち、第1挟持部材50及び第2挟持部材60は、被挟持部330及び相手側被挟持部744を間に挟んで確実に保持する。
【0050】
図9を参照すると、被取付状態において、固定部材40の雄ネジ482は、主部材30の被固定孔392を通過して、取付部材80の相手側固定部86の雌ネジ862にねじ込まれており、これにより、主部材30の被固定部390は、固定部材40の頭部42と相手側固定部86との間に挟み込まれて固定されている。換言すれば、被取付状態において、固定部材40は、主部材30の被固定部390を、取付部材80の相手側固定部86との間に挟んで固定する。
【0051】
上述のように、本実施の形態のアダプタ組立体20は、固定部材40、第1挟持部材50及び第2挟持部材60を備えており、モジュール70を電子機器(図示せず)の取付部材80と導通させつつ、取付部材80に確実に取り付け可能である。
【0052】
図6を参照すると、本実施の形態によれば、主部材30の被固定部390に突出部394が設けられているため、被取付状態において、固定部材40の頭部42は、突出部394と確実に付き当たる。頭部42は、突出部394を押し下げつつ、被固定部390を取付部材80の相手側固定部86に押し付ける。従って、主部材30は、より確実に取付部材80に固定される。加えて、突出部394は、皿バネ座金のように機能し、固定部材40の緩み止め効果を発揮する。但し、本発明は、これに限られず、突出部394は、必要に応じて設ければよい。
【0053】
図8を参照すると、本実施の形態の被取付状態において、第2挟持部材60の首部68は、少なくとも部分的に主部材30の通過孔332の内部に位置している。特に、首部68は、主部材30がモジュール70に固定された時点で、通過孔332の内部に位置している。このように配置された首部68は、主部材30を後方に向かって引いたときに、主部材30の被挟持部330の縁と突き当たり、主部材30の引き抜きに対抗する。但し、本発明は、これに限られず、首部68は、通過孔332の内部に位置していなくてもよい。
【0054】
図6を参照すると、本実施の形態の被取付状態において、主部材30の被固定部390の下端398は、取付部材80の基板82から離れて上方に位置している。また、モジュール70の下端78は、基板82から離れて上方に位置している。被固定部390の下端398は、上下方向(Z方向)において、モジュール70の下端78と同じ位置にある。
図7を併せて参照すると、上述のように配置されたアダプタ組立体20は、取付部材80の相手側固定部86にねじ込まれた固定部材40の軸部48を除き、基板82から離れて上方に位置している。また、上述のように配置されたモジュール70は、取付部材80のコネクタ84と接続した接続部730を除き、基板82から離れて上方に位置している。
【0055】
本実施の形態のアダプタ組立体20及びモジュール70は、上述のように基板82から離れて上方に位置しているため、アダプタ組立体20やモジュール70が基板82と突き当たることによる基板82の損傷を低減できる。更に、凸部384(
図10参照)を有する主部材30は撓みにくいため、装置10が多少揺れたとしても、アダプタ組立体20及びモジュール70を基板82の上方に維持できる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、アダプタ組立体20及びモジュール70は、基板82の回路(図示せず)を損傷したり、基板82の回路に接触して導通上の問題を引き起こしたりしない限り、基板82と接触していてもよい。また、凸部384は必要に応じて形成すればよい。
【0056】
図3及び
図4を参照すると、取付部材80には、モジュール70(
図20参照)と異なるモジュール70Xを取り付け可能である。
図21を
図20と併せて参照すると、モジュール70Xは、モジュール70と同様なモジュールカードである。モジュール70Xは、モジュール70の本体部76と異なる本体部76Xを有していることを除き、モジュール70と同じ構造を有している。本体部76Xは、X方向におけるサイズ(長さLX)が本体部76のX方向におけるサイズ(長さL)よりも大きいことを除き、本体部76と同じ構造を有している。
【0057】
図3、
図4及び
図21を参照すると、モジュール70Xを取付部材80に取り付ける際、まず、モジュール70Xの接続部730を、取付部材80のコネクタ84に後方から挿入する。このとき、モジュール70Xの凹部742は、取付部材80の相手側固定部86の上に位置する。次に、固定部材40の雄ネジ482を、凹部742を通過して相手側固定部86の雌ネジ862にねじ込み、これにより、モジュール70Xの相手側被挟持部744を、固定部材40の頭部42と相手側固定部86との間に挟み込んで固定する。
【0058】
図3及び
図4を参照すると、上述のように形成された装置10Xは、固定部材40と、モジュール70Xと、取付部材80とを備えている。モジュール70Xは、アダプタ組立体20(
図1参照)の固定部材40のみを使用して取付部材80に固定可能である。
【0059】
図5を参照すると、モジュール70の接続部730を、取付部材80のコネクタ84に挿入すると、モジュール70の凹部742は、取付部材80の相手側固定部86の前方に位置する。このため、仮にモジュール70を固定部材40のみによって取付部材80に固定する場合、取付部材80に、モジュール70の凹部742に対応する孔を形成する必要がある。加えて、孔には相手側固定部86のような金属部材を取り付ける必要がある。しかしながら、そのような孔や金属部材は、取付部材80における回路形成の妨げになるだけでなく、取付部材80の上下に部品を配置する際の妨げになる。
【0060】
一方、本実施の形態の装置10は、アダプタ組立体20を備えているため、取付部材80に余分な孔を形成することなく、長さLX(
図21参照)よりも小さな長さL(
図20参照)を有するモジュール70を、取付部材80に固定できる。即ち、本実施の形態によれば、相手側固定部86が取り付けられた孔を除き、モジュール70を固定するための孔を取付部材80に形成する必要がない。
【0061】
図5を参照すると、本実施の形態によれば、XY平面において、固定部材40の頭部42の半径は、モジュール70X
(図3参照)の凹部742の半径よりも大きく、固定部材40の軸部48の半径は、凹部742の半径よりも小さい。このため、本実施の形態の固定部材40は、装置10X(
図3参照)の固定部材40として使用でき、これにより部品の種類を低減できる。但し、本発明は、これに限られない。例えば、装置10Xの固定部材は、装置10の固定部材40と多少異なる形状やサイズを有していてもよい。
【0062】
本実施の形態の装置10は、既に説明した変形例に加えて、以下に説明するように、更に様々に変形可能である。
【0063】
図5を参照すると、固定部材40の頭部42及び第1挟持部材50の頭部52の夫々は、低頭ネジに限られず、様々な形状に形成できる。但し、アダプタ組立体20とモジュール70とからなる組立体のZ方向におけるサイズを小さくするという観点からは、頭部42及び頭部52の夫々は、本実施の形態と同様に、平面状の端面を有することが好ましい。
【0064】
図8を参照すると、本実施の形態によれば、第1挟持部材50の第1挟持部52の下面は、凹凸のない平面である。但し、主部材30の被挟持部330をより確実に挟み込むため、第1挟持部52の下面に下方に突出した突起を設けてもよい。同様に、第2挟持部材60の第2挟持部62の上面に上方に突出した突起を設けてもよい。
【0065】
本実施の形態によれば、雄ネジ582は、第1挟持部材50に形成されており、雌ネジ682は、第2挟持部材60に形成されている。換言すれば、第1挟持部材50が雄ネジであり、第2挟持部材60が雌ネジである。一方、第1挟持部材50が雌ネジであり、第2挟持部材60が雄ネジであってもよい。即ち、第1挟持部材50及び第2挟持部材60の一方に雄ネジ582が形成されており、他方に雌ネジ682が形成されていればよい。
【0066】
図9を参照すると、本実施の形態によれば、固定部材40に雄ネジが形成されており、相手側固定部86に雌ネジが形成されている。このため、被取付状態において、固定部材40の軸部48は、部分的に主部材30の被固定孔392の内部に位置する。一方、固定部材40に雌ネジが形成されており、相手側固定部86に雄ネジが形成されていてもよい。即ち、被取付状態において、固定部材40及び相手側固定部86の一方が、部分的に被固定孔392の内部に位置してもよい。
【0067】
図22を
図2と併せて参照すると、第1変形例による装置10Aは、装置10のアダプタ組立体20及びモジュール70と夫々異なるアダプタ組立体20A及びモジュール70Aと、装置10と同じ取付部材80とを備えている。
【0068】
図23を
図20と比較すると、モジュール70Aは、モジュール70の本体部76と異なる本体部76Aを有していることを除き、モジュール70と同じ構造を有している。本体部76AのX方向におけるサイズ(長さLA)は、本体部76のX方向におけるサイズ(長さL)よりも大きい。この相違点を除き、本体部76Aは、本体部76と同じ構造を有している。
【0069】
図22を
図2と比較すると、アダプタ組立体20Aは、アダプタ組立体20の主部材30と異なる主部材30Aを有していることを除き、アダプタ組立体20と同じ構造を有している。主部材30Aは、主部材30の基部38と異なる基部38Aを有していることを除き、主部材30と同じ構造を有している。基部38Aは、平板部382A及び凸部384Aを有している。基部38AのX方向におけるサイズ(長さ)は、基部38のX方向におけるサイズよりも小さい。このため、平板部382Aの長さは、平板部382の長さよりも短く、凸部384Aの長さは、凸部384の長さよりも短い。この相違点を除き、主部材30Aは、主部材30と同じ構造を有している。
【0070】
装置10Aにおいて、モジュール70Aは、アダプタ組立体20を使用して取付部材80に取り付けられるモジュール70と同様に、アダプタ組立体20Aを使用して取付部材80に取り付けられている。この変形例から理解されるように、本発明によれば、モジュールのX方向におけるサイズに応じたアダプタ組立体を使用することで、モジュールを電子機器(図示せず)に確実に取り付けできる。
【0071】
図24を
図2と併せて参照すると、第2変形例による装置10Bは、装置10のアダプタ組立体20と異なるアダプタ組立体20Bと、装置10と
同じモジュール70及び取付部材80とを備えている。アダプタ組立体20Bは、アダプタ組立体20の主部材30と異なる主部材30Bを有していることを除き、アダプタ組立体20と同じ構造を有している。
【0072】
図25を
図10と比較すると、主部材30Bは、主部材30の基部38と異なる基部38Bを有していることを除き、主部材30と同じ構造を有している。基部38Bは、平板部382B及び被固定部390Bを有しており、被固定凹部392Bが形成されている。被固定凹部392Bは、平板部382Bの後端に設けられた半円形状の凹みであり、前方に向かって凹んでいる。被固定部390Bは、XY平面において被固定凹部392Bを半円形状に囲んでいる。被固定部390Bは、上方に突出した突出部394Bを有している。
【0073】
平板部382Bには円形状の被固定部390と異なる半円形状の被固定部390Bが後端に設けられているため、平板部382BのX方向におけるサイズ(長さ)は、平板部382のX方向におけるサイズよりも小さい。このため、基部38Bの長さは、基部38の長さよりも短い。上述の相違点を除き、主部材30Bは、主部材30と同じ構造を有している。
【0074】
装置10Bにおいて、モジュール70は、アダプタ組立体20を使用して取付部材80に取り付けられるモジュール70(
図2参照)及びアダプタ組立体20Aを使用して取付部材80に取り付けられるモジュール70A(
図22参照)と概ね同様に、アダプタ組立体20Bを使用して取付部材80に取り付けられている。但し、固定部材40の頭部42の一部は、主部材30
Bの被固定部390Bを、取付部材80の相手側固定部86の一部との間に挟んで固定している。
【0075】
本変形例によれば、主部材30BのX方向におけるサイズを小さくできる。より具体的には、主部材30Bとモジュール70とからなる組立体のX方向におけるサイズを、アダプタ組立体を使用せずに取付部材80に取り付け可能なモジュール70X(
図4参照)のX方向におけるサイズと同じにできる。取付部材80の後端部を効率よく利用するという観点からは、本変形例の構造が好ましい。但し、本変形例によれば、固定部材40の軸部48が孔ではなく凹部(被固定凹部392B)を通過する。このため、固定部材40をねじ込む際に、頭部42が突出部394Bに加える回転力に起因して、主部材30Bが固定部材40から離れるおそれがある。従って、主部材30Bを取付部材80に確実に固定するという観点からは、固定部材40の軸部48が被固定孔392を通過する構造(
図9参照)が好ましい。