特許第6792483号(P6792483)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792483
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】配管継手及び樹脂チューブ組立体
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/04 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
   F16L37/04
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-32423(P2017-32423)
(22)【出願日】2017年2月23日
(65)【公開番号】特開2018-135996(P2018-135996A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2019年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】390039929
【氏名又は名称】三桜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114270
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 朋也
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】大場 史紀
(72)【発明者】
【氏名】鎌塚 右匡
(72)【発明者】
【氏名】申 俊杰
(72)【発明者】
【氏名】山口 将司
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第04308367(DE,A1)
【文献】 特開2007−051678(JP,A)
【文献】 米国特許第04345783(US,A)
【文献】 仏国特許出願公開第00508967(FR,A1)
【文献】 特開2007−127265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/04
F16L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部の外周面に凸部が形成された接続パイプに樹脂チューブを接続する配管継手であって、
前記樹脂チューブが圧入されるハウジングと、
前記接続パイプが挿入されて前記接続パイプとの間をシールする弾性伸縮可能なシール部材と、
前記シール部材を締め付けるシールバンドと、を備え、
前記ハウジングは、一方端部に位置して外周面側に前記樹脂チューブが圧入される第一ハウジング部と、他方端部に位置する第二ハウジング部と、を有し、
前記シール部材は、前記第二ハウジング部の内周面側に挿入される第一シール部と、前記ハウジングから突出して前記シールバンドに締め付けられる第二シール部と、を有する、
配管継手。
【請求項2】
前記第二ハウジング部の内周面又は前記第一シール部の外周面の何れか一方には、凹部が形成されており、
前記第二ハウジング部の内周面又は前記第一シール部の外周面の何れか他方には、前記凹部に嵌め込まれる凸部が形成されている、
請求項に記載の配管継手。
【請求項3】
前記ハウジングと前記シール部材とは、一体的に成形されている、
請求項1又は2に記載の配管継手。
【請求項4】
前記ハウジングと前記シール部材とは、別部材である、
請求項1又は2に記載の配管継手。
【請求項5】
樹脂チューブと、
請求項1〜の何れか一項に記載の配管継手と、を備え、
前記第一ハウジング部が前記樹脂チューブに圧入されている、
樹脂チューブ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端部の外周面に凸部が形成された接続パイプに樹脂チューブを接続する配管継手及び当該配管継手を備える樹脂チューブ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車用冷却回路等では、先端部の外周面に凸部が形成された接続パイプに、ゴムホース等の可撓性を有する可撓ホースを接続していた(例えば、特許文献1参照)。この凸部は、バルジ形状、カール形状等とも呼ばれ、接続パイプに対する可撓ホースの抜け止めを行うとともに、可撓ホースとの間のシール性を確保する機能を有する。
【0003】
近年、自動車等の軽量化の要請から、可撓ホースの代わりに、より軽量な樹脂チューブを用いることが考えられている。しかしながら、軽量化を図ることのできる樹脂チューブは、ゴムホースのような可撓性を有しないため、そのまま接続パイプに嵌め込むことができない。
【0004】
そこで、特許文献2では、リテーナ―を用いた配管継手が提案されている。この配管継手では、接続パイプの中央部の外周面に係合突起を形成し、この係合突起に、樹脂チューブが接続された配管継手のリテーナを係合することで、接続パイプに対して樹脂チューブを接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−352492号公報
【特許文献2】特開平09−329284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載された配管継手では、接続パイプの形状が、可撓ホースを接続するための接続パイプの形状と異なる。このため、配管を可撓ホースから樹脂チューブに置換する際に、配管のみならず、接続パイプも仕様変更する必要がある。
【0007】
そこで、本発明は、可撓ホースを接続するための接続パイプにも樹脂チューブを接続することができる配管継手及び樹脂チューブ組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る配管継手は、先端部の外周面に凸部が形成された接続パイプに樹脂チューブを接続する配管継手であって、樹脂チューブが圧入されるハウジングと、接続パイプが挿入されて接続パイプとの間をシールする弾性伸縮可能なシール部材と、を備え、ハウジングは、一方端部に位置して外周面側に樹脂チューブが圧入される第一ハウジング部と、他方端部に位置する第二ハウジング部と、を有し、シール部材は、第二ハウジング部の内周面側に挿入される第一シール部を有する。
【0009】
この配管継手では、弾性伸縮可能なシール部材を備えるため、可撓ホースを接続するための接続パイプをシール部材に挿入することができる。そして、ハウジングの第一ハウジング部に樹脂チューブを圧入するとともに、シール部材に接続パイプを挿入することで、配管継手により接続パイプと樹脂チューブとを接続することができる。しかも、第一シール部が第二ハウジング部の内周面側に挿入されているため、接続パイプを第一シール部の内周面側に挿入すると、第一シール部が接続パイプの凸部と第二ハウジング部とに挟み込まれて押圧された状態となる。これにより、第一シール部及び第二ハウジングと接続パイプとの間のシール性を高めることができる。
【0010】
シール部材を締め付けるシールバンドを更に備え、シール部材は、ハウジングから突出してシールバンドに締め付けられる第二シール部を有してもよい。この配管継手では、ハウジングから突出する第二シール部がシールバンドにより締め付けられるため、シール部材を接続パイプに押圧することができる。これにより、シール部材と接続パイプとの接続強度を向上することができるともに、シール部材と接続パイプとの間のシール性を向上することができる。このため、例えば、配管内を流れる流体の圧力が高く、接続パイプの凸部と第一ハウジング部とにより第一シール部を挟み込む力では接続パイプと第一シール部との間のシール性が不足する場合等に、特に効果を発揮する。
【0011】
第二ハウジング部の内周面又は第一シール部の外周面の何れか一方には、凹部が形成されており、第二ハウジング部の内周面又は第一シール部の外周面の何れか他方には、凹部に嵌め込まれる凸部が形成されていてもよい。この配管継手では、第二ハウジング部の内周面又は第一シール部の外周面の何れか一方に形成された凹部に、第二ハウジング部の内周面又は第一シール部の外周面の何れか他方に形成された凸部が嵌め込まれることで、ハウジングに対してシール部材が脱落するのを抑制することができる。
【0012】
ハウジングとシール部材とは、一体的に成形されていてもよい。この配管継手では、ハウジングとシール部材とが一体的に形成されているため、ハウジングからシール部材が脱落するのを抑制することができるとともに、ハウジングの第二ハウジング部とシール部材の第一シール部との間のシール性を向上することができる。
【0013】
ハウジングとシール部材とは、別部材であってもよい。この配管継手では、ハウジングとシール部材とが別部材であるため、容易に製造することができる。この場合、例えば、第二ハウジング部の内周面と第一シール部の外周面とに互いに嵌合する凹凸を形成すること、第二ハウジング部42に第一シール部51を圧入すること等により、ハウジングに対してシール部材が脱落するのを抑制することができる。
【0014】
本発明に係る樹脂チューブ組立体は、樹脂チューブと、上記の配管継手と、を備え、第一ハウジング部が樹脂チューブに圧入されている。この樹脂チューブ組立体では、上記の配管継手の第一ハウジング部が樹脂チューブに圧入されているため、可撓ホースを接続するための接続パイプをシール部材に挿入することで、当該接続パイプにも樹脂チューブを接続することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、可撓ホースを接続するための接続パイプにも樹脂チューブを接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態の樹脂チューブ組立体を接続パイプに接続する状態を示す斜視図である。
図2】樹脂チューブ組立体と接続パイプとの接続部分を示す斜視図である。
図3】樹脂チューブ組立体と接続パイプとの接続部分を示す断面図である。
図4】本実施形態の配管継手を示す斜視図である。
図5】本実施形態の配管継手を示す断面図である。
図6】本実施形態の配管継手を示す分解斜視図である。
図7】樹脂チューブ組立体を接続パイプに接続した状態を示す断面図である。
図8】変形例の配管継手を示す分解斜視図である。
図9】変形例の配管継手を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、実施形態に係る配管継手及び樹脂チューブ組立体を説明する。本実施形態は、なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1図3に示すように、本実施形態に係る配管継手1は、樹脂チューブ2を接続パイプ3に接続するための継手である。配管継手1と樹脂チューブ2とは、樹脂チューブ組立体10を構成する。
【0019】
樹脂チューブ2は、軽量化を図るためにゴムホース等の可撓性を有する可撓ホースの代替品として用いられるものである。樹脂チューブ2は、可撓ホースよりも軽量な樹脂により形成されている。樹脂チューブ2を形成する樹脂としては、特に限定されないが、軽量化の観点から、例えば、ポリアミド系樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂等を用いることができる。
【0020】
接続パイプ3は、可撓ホースを接続するために用いられるパイプである。接続パイプ3は、通常、金属からなるが、樹脂等の金属以外の素材からなってもよい。接続パイプ3は、円筒状に延びている。接続パイプ3は、その先端部の外周面に形成される凸部31を備える。凸部31は、接続パイプ3の全周に亘るリング状に形成されている。凸部31の断面形状は、特に限定されないが、例えば、先端に向かうに従い細くなるテーパ形状(バルジ形状)、円形(カール形状)等とすることができる。必要に応じて、接続パイプ3の凸部31よりも基端側の外周面に凸部32(スプール)を設けてもよい。接続パイプ3の先端部とは、接続パイプ3の先端だけでなく、当該先端の付近を含む意味である。このため、凸部31は、接続パイプ3の先端付近であれば、接続パイプ3の先端から少し基端側の位置に形成されていてもよい。接続パイプ3の基端側とは、接続パイプ3の先端とは反対側をいう。
【0021】
図1図6に示すように、配管継手1は、ハウジング4と、シール部材5と、シールバンド6と、を備える。
【0022】
ハウジング4は、樹脂チューブが圧入される。ハウジング4は、常温では可撓性を有しない材料により形成されている。ハウジング4の材料としては、特に限定されないが、強度の観点から、例えば、ポリアミド系樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂にグラスファイバーを配合した強化樹脂等を用いることができる。ハウジング4は、略円筒状に形成されている。ハウジング4は、第一ハウジング部41と、第二ハウジング部42と、を備える。
【0023】
第一ハウジング部41は、ハウジング4の一方端部に位置して、外周面側に樹脂チューブ2が圧入される部位である。第一ハウジング部41の外周面は、樹脂チューブ2の抜け止めを行うとともに、樹脂チューブ2との間のシール性を確保するために、凹凸形状に形成されている。第一ハウジング部41の外周面の最大径は、樹脂チューブ2の内径よりも大きい。必要に応じて、第一ハウジング部41の外周面に円周状の溝43を形成し、溝43に樹脂チューブ2との間のシール性を向上させるためのOリング7を嵌め込んでもよい。この場合、Oリング7は、ゴム等の弾性伸縮する弾性部材で構成されているものを用いる。
【0024】
第二ハウジング部42は、ハウジング4の他方端部に位置して、シール部材5が挿入される部位である。ハウジング4の他方端部とは、第一ハウジング部41が形成されるハウジング4の一方端部とは反対側の端部をいう。
【0025】
第二ハウジング部42の内径と第一ハウジング部41の内径とは、何れが大きくてもよく、同じであってもよい。第二ハウジング部42の内径が第一ハウジング部41の内径よりも大きい場合は、第一ハウジング部41の内周面と第二ハウジング部42の内周面との間に、段差面44が形成される。段差面44は、シール部材5に挿入された接続パイプ3の先端部を当接させる面である。段差面44は、ハウジング4の軸線方向と直交する方向に延びて、ハウジング4の軸線方向を向く。第二ハウジング部42の内径が第一ハウジング部41の内径よりも小さい場合、又は第二ハウジング部42の内径と第一ハウジング部41の内径とが同じ場合、ハウジング4の内周面に、接続パイプ3の先端部を当接させるリブ(図示せず)を形成してもよい。
【0026】
第二ハウジング部42の内周面には、凹部45が形成されている。凹部45は、後述するシール部材5の凸部53が嵌め込まれる部位である。凹部45は、第二ハウジング部42の内周面の全周に亘るリング状に形成されている。凹部45の凹形状としては、特に限定されないが、例えば、円形状、楕円形状、三角形状、四角形状等とすることができる。ハウジング4の軸線方向における凹部45の形成位置は、特に限定されないが、例えば、段差面44に隣接した位置、段差面44の近傍等とすることができる。
【0027】
シール部材5は、接続パイプ3が挿入されて、挿入された接続パイプ3との間をシールする。シール部材5は、弾性伸縮可能な材料により形成されている。シール部材5を形成する素材としては、特に限定されないが、弾性伸縮性及びシール性の観点から、例えば、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、フロロシリコンゴム、水素化ニトリルゴム等を用いることができる。ハウジング4は、略円筒状に形成されている。シール部材5は、第一シール部51と、第二シール部52と、を備える。
【0028】
第一シール部51は、第二ハウジング部42の内周面側に挿入される部位である。第二ハウジング部42の内径が第一ハウジング部41の内径よりも大きい場合は、接続パイプ3の先端部を当接させる段差面44に第一シール部51の先端が当接される。そして、段差面44に接続パイプ3の先端部が当接されるように、段差面44が第一シール部51よりも内側まで延びている。第一シール部51の内径が第一ハウジング部41の内径よりも小さい場合は、接続パイプ3の先端部を当接させるリブ(図示せず)に、第一シール部51の先端が当接される。そして、リブに接続パイプ3の先端部が当接されるように、リブが第一シール部51よりも内側まで延びている。
【0029】
第一シール部51の外周面には、凹部45に嵌め込まれる凸部53が形成されている。凸部53は、凹部45に対応する位置及び形状に形成されている。凸部53は、凹部45に嵌め込まれることで、ハウジング4の軸線方向において、ハウジング4に対してシール部材5を係止する。このため、凸部53は、ハウジング4からシール部材5が抜けるのを抑制する機能を有する。
【0030】
第二シール部52は、ハウジング4から突出してシールバンド6に締め付けられる部位である。第二シール部52の内径は、第一シール部51の内径と同じである。このため、シール部材5に接続パイプ3を容易に挿入することができるとともに、シール部材5に挿入された接続パイプ3の全体をシール部材5に密着させることができる。第二シール部52の外径は、第一シール部51の外径よりも大きい。このため、締め代により狭まるシールバンド6の内径に対し、第二シール部52の外形を適正な締め代となるよう設定することにより、安定した締付け力が得られる。
【0031】
ハウジング4とシール部材5とは、一体的に形成されている。つまり、ハウジング4とシール部材5とは、第二ハウジング部42の内周面と第一シール部51の外周面とが密着した状態で分離不能な一つのユニットとして構成されている。このため、ハウジング4とシール部材5との間は、シールされた状態が保持されている。ハウジング4及びシール部材5は、例えば、二色成形により、一体的に形成することができる。但し、二色成形以外の製法により、ハウジング4とシール部材5とを一体的に形成してもよい。
【0032】
シールバンド6は、シール部材5の第二シール部52を締め付ける。シールバンド6は、第二シール部52を締め付けることで、シール部材5に挿入された接続パイプ3に第二シール部52を圧接する。シールバンド6としては、公知の様々なシールバンドを用いることができ、例えば、ゴムホースを接続パイプ3に締め付けるシールバンドを用いることができる。この場合、シールバンド6は、締め付け力が高まる観点から、金属製の締結バンドであることが好ましい。金属製の締結バンドは、例えば、両端に摘まみが取り付けられた円形の弾性バネであり、摘まみを挟むと締め付け力が弱まり、摘まみを離すと締め付け力が高まる。
【0033】
配管継手1は、第一ハウジング部41に樹脂チューブ2が圧入された樹脂チューブ組立体10として構成されている。樹脂チューブ組立体10は、樹脂チューブ2の一方端部にのみ配管継手1が圧入されたものであってもよく、樹脂チューブ2の両端部に配管継手1が圧入されたものであってもよい。
【0034】
このように構成される配管継手1及び樹脂チューブ組立体10では、弾性伸縮可能なシール部材5を備えるため、図7に示すように、可撓ホースを接続するための接続パイプ3をシール部材5に挿入することができる。そして、ハウジング4の第一ハウジング部41に樹脂チューブ2が圧入されているため、シール部材5に接続パイプ3を挿入することで、配管継手1により接続パイプ3と樹脂チューブ2とを接続することができる。
【0035】
しかも、第一シール部51が第二ハウジング部42の内周面側に挿入されているため、接続パイプ3を第一シール部51の内周面側に挿入すると、第一シール部51が接続パイプ3の凸部31と第二ハウジング部42とに挟み込まれて押圧された状態となる。これにより、第一シール部51及び第二ハウジング部42と接続パイプ3との間のシール性を高めることができる。
【0036】
また、ハウジング4から突出する第二シール部52がシールバンド6により締め付けられるため、シール部材5を接続パイプ3に押圧することができる。これにより、シール部材5と接続パイプ3との接続強度を向上することができるともに、シール部材5と接続パイプ3との間のシール性を向上することができる。このため、例えば、配管内を流れる流体の圧力が高く、接続パイプ3の凸部31と第二ハウジング部42とにより第一シール部51を挟み込む力では接続パイプ3と第一シール部51との間のシール性が不足する場合等に、特に効果を発揮する。
【0037】
また、第二ハウジング部42の内周面に形成された凹部45に、第一シール部51の外周面に形成された凸部53が嵌め込まれることで、ハウジング4に対してシール部材5が脱落するのを抑制することができる。
【0038】
また、ハウジング4とシール部材5とが一体的に形成されているため、ハウジング4からシール部材5が脱落するのを抑制することができるとともに、ハウジング4の第二ハウジング部42とシール部材5の第一シール部51との間のシール性を向上することができる。
【0039】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0040】
例えば、上記実施形態では、ハウジング4とシール部材5とは一体的に形成されているものとして説明した。しかしながら、図8に示す配管継手1Aのように、ハウジング4とシール部材5とは別部材であってもよい。この配管継手1Aでは、ハウジング4とシール部材5とが別部材であるため、容易に製造することができる。この場合、第二ハウジング部42の内周面に形成された凹部45に第一シール部51の外周面に形成された凸部53を嵌め込むことで(図7参照)、ハウジング4に対してシール部材5が脱落するのを抑制することができる。このような凹部45及び凸部53を設けない場合であっても、例えば、第二ハウジング部42に第一シール部51を圧入することで、ハウジング4に対してシール部材5が脱落するのを抑制することができる。必要に応じて、第二ハウジング部42の内面とシール部材5を接着剤で固着させることで、その効果は更に向上する。
【0041】
また、上記実施形態では、シール部材5が第一シール部51と第二シール部52とを備えるものとして説明した。しかしながら、配管内部の内圧差が低い、もしくは負圧といった環境下で使用する場合は、図9に示す配管継手1Bのように、シール部材5Bは第一シール部51のみを備えるものとしてもよい。この場合、シールバンドは不要となる。このような場合であっても、シール部材5Bの弾性伸縮力、接続パイプ3の凸部31と第二ハウジング部42とにより第一シール部51を挟み込む力等により、第一シール部51及び第二ハウジング部42と接続パイプ3との間のシール性を確保することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、第二ハウジング部42の内周面に凹部45が形成され、第一シール部51の外周面に当該凹部45に嵌め込まれる凸部53が形成されるものとして説明した。しかしながら、凹部は、第二ハウジング部42の内周面又は第一シール部51の外周面の何れか一方に形成されていればよく、当該凹部に嵌め込まれる凸部は、第二ハウジング部42の内周面又は第一シール部51の外周面の何れか他方に形成されていればよい。例えば、第一シール部51の外周面に凹部が形成され、第二ハウジング部42の内周面に当該凹部に嵌め込まれる凸部が形成されていてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、配管継手1は、第一ハウジング部41に樹脂チューブ2が圧入された樹脂チューブ組立体10として構成されているものとして説明した。しかしながら、樹脂チューブ組立体10として組み立てられる前の配管継手1のみで構成されていてもよい。この場合であっても、ハウジング4の第一ハウジング部41に樹脂チューブ2を圧入するとともに、シール部材5に接続パイプ3を挿入することで、配管継手1により接続パイプ3と樹脂チューブ2とを接続することができる。
【符号の説明】
【0044】
1,1A,1B…配管継手、2…樹脂チューブ、3…接続パイプ、31…凸部、32…凸部、4…ハウジング、41…第一ハウジング部、42…第二ハウジング部、43…溝、44…段差面、45…凹部、5,5B…シール部材、51…第一シール部、52…第二シール部、53…凸部、6…シールバンド、7…Oリング、10…樹脂チューブ組立体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9