【文献】
LIU, Tiancheng. et al.,Detection of prostate-specific membrane antigen on HUVECs in response to breast tumor-conditioned medium,International Journal of Oncology,2011年,vol.38, no.5,p.1349-1355
【文献】
LIU, Haipeng. et al.,DNA-Based Micelles: Synthesis, Micellar Properties and Size-Dependent Cell Permeability,Chemistry - A European Journal,2010年,vol.16, no.12,p.3791-3797
【文献】
Babitskaya, S. V. et al.,Bromoacyl Analogues of Phosphatidylcholine with Intramolecular Fluorescence Quenching and Their Use as Substrates for Continuous Monitoring of Phospholipase A2 Activity,Applied Biochemistry and Microbiology,2004年,vol.40, no.4,p.351-356
【文献】
CHONG, Parkson Lee Gau. et al.,Oxygen quenching of pyrene-lipid fluorescence in phosphatidylcholine vesicles; A probe for membrane organization,Biophysical Journal,1985年,vol.47, no.5,p.613-621
【文献】
MOLOTKOVSKII, Yu. G. et al.,Perylenoyl- and anthrylvinyl-labeled lipids as membrane probes,Biochimica et Biophysica Acta, Biomembranes,1984年,vol.778, no.2,p.281-288
【文献】
POWNALL, Henry J. et al.,Kinetics of spontaneous and plasma-stimulated sphingomyelin transfer,Biochimica et Biophysica Acta, Lipids and Lipid Metabolism,1982年,vol.712, no.1,p.169-176
【文献】
WILSON, James N. et al.,Efficient Quenching of Oligomeric Fluorophores on a DNA Backbone,J. Am. Chem. Soc.,2007年,Vol.129,pp.15426-15427
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明中、本発明の種々の実施形態の完全な理解を与えるために特定の具体的な説明を示す。しかしながら、これらの詳細がなくても本発明を実施することができることを当業者は理解するであろう。
【0015】
文脈が別様に要求しない限り、本明細書及び特許請求の範囲を通じて、「含む(comprise)」という用語並びに「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」などのその変形は、オープンな、包含的な意味、すなわち「含むが限定されない(including but limited to)」のように解釈すべきである。
【0016】
本明細書全体を通じて、「1つの実施形態」または「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体を通じた様々な箇所での「1つの実施形態において」又は「実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な方式で組み合わせることができる。
【0017】
「アミノ」は、−NH
2基を指す。
「カルボキシ」は、−CO
2H基を指す。
「シアノ」は、−CN基を指す。
「ホルミル」は、−C(=O)H基を指す。
「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」は、−OH基を指す。
「イミノ」は、=NH基を指す。
「ニトロ」は、−NO
2基を指す。
「オキソ」は、=O置換基を指す。
「スルフヒドリル」は、−SH基を指す。
「チオキソ」は、=S基を指す。
【0018】
「アルキル」は、炭素及び水素原子のみから成る直鎖又は分枝の炭化水素鎖基を指し、これは飽和又は不飽和(すなわち、1つ以上の二重結合及び/又は三重結合を含む)であり、1個から12個までの炭素原子(C
1−C
12アルキル)、好ましくは1個から8個までの炭素原子(C
1−C
8アルキル)又は1個から6個までの炭素原子(C
1−C
6アルキル)を有し、分子の残り部分に単結合で結合し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、エテニル、プロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、などである。明細書中で特段の断りのない限り、アルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0019】
「アルキレン」又は「アルキレン鎖」は、分子の残り部分を置換基と連結する、炭素及び水素のみから成る直鎖又は分枝の二価炭化水素鎖を指し、これは飽和又は不飽和(すなわち、1つ以上の二重結合及び/又は三重結合を含む)であり、1個から12個までの炭素原子を有し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレン、プロピニレン、n−ブチニレン、などである。アルキレン鎖は、分子の残り部分に単結合又は二重結合を通じて結合し、置換基に単結合又は二重結合を通じて結合する。分子の残り部分及び置換基へのアルキレン鎖の結合点は、鎖内の1つの炭素又は任意の2つの炭素を通じたものとすることができる。明細書中で特段の断りのない限り、アルキレン鎖は、随意に置換されてもよい。
【0020】
「アルコキシ」は、式−OR
aの基を指し、ここでR
aは、1個から12個までの炭素原子を含む上記定義のアルキル基である。明細書中で特段の断りのない限り、アルコキシ基は、随意に置換されてもよい。
【0021】
「アルキルアミノ」は、式−NHR
a又は−NR
aR
aの基を指し、ここでR
aは独立して、1個から12個までの炭素原子を含む上記定義のアルキル基である。明細書中で特段の断りのない限り、アルキルアミノ基は、随意に置換されてもよい。
【0022】
「アルキルエーテル」は、少なくとも1つの炭素−炭素結合が炭素−酸素結合で置き換えられた上記定義の任意のアルキル基を指す。炭素−酸素結合は、末端にあってもよく(アルコキシ基のように)、又は炭素酸素結合は、内部にあってもよい(すなわち、C−O−C)。アルキルエーテルは、少なくとも1つの炭素酸素結合を含むが、1つより多くの炭素酸素結合を含むことができる。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)は、アルキルエーテルの意味の中に含まれる。明細書中で特段の断りのない限り、アルキルエーテル基は、随意に置換されてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、アルキルエーテル基は、アルコール又はホスフェートで置換される。
【0023】
「アルキレンエーテル」は、少なくとも1つの炭素−炭素結合が炭素−酸素結合で置き換えられた上記定義の任意のアルキレン基を指す。炭素−酸素結合は、末端にあってもよく(アルコキシ基のように)、又は炭素酸素結合は、内部にあってもよい(すなわち、C−O−C)。アルキレンエーテルは、少なくとも1つの炭素酸素結合を含むが、1つより多くの炭素酸素結合を含むことができる。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)は、アルキレンエーテルの意味の中に含まれる。明細書中で特段の断りのない限り、アルキレンエーテル基は、随意に置換されてもよい。
【0024】
「アルキルホスホ」は、−RP(=O)(R
a)R
b基を指し、ここでRは、アルキレン基であり、R
aは、OH、O
-又はOR
cであり、R
bは、−Oアルキル又は−Oアルキルエーテルであり、ここでR
cは、対イオン(例えば、Na+など)である。明細書中で特段の断りのない限り、アルキルホスホ基は、随意に置換されてもよい。例えば、特定の実施形態において、アルキルホスホ基中の−Oアルキル又は−Oアルキルエーテル部分(R
b)は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルの1つ以上で随意に置換される。「Oアルキルホスホ」は、分子の残り部分に酸素原子を介して接続するアルキルホスホ基である。明細書中で特段の断りのない限り、Oアルキルホスホ基は、随意に置換されてもよい。
【0025】
「アルキルエーテルホスホ」は、−RP(=O)(R
a)R
b基を指し、ここでRは、アルキレンエーテル基であり、R
aは、OH、O
-又はOR
cであり、R
bは、−Oアルキル又は−Oアルキルエーテルであり、ここでR
cは、対イオン(例えば、Na+など)である。明細書中で特段の断りのない限り、アルキルエーテルホスホ基は、随意に置換されてもよい。例えば、特定の実施形態において、アルキルエーテルホスホ基中の−Oアルキル又は−Oアルキルエーテル部分(R
b)は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルの1つ以上で随意に置換される。「Oアルキルエーテルホスホ」は、分子の残り部分に酸素原子を介して接続するアルキルエーテルホスホ基である。明細書中で特段の断りのない限り、Oアルキルエーテルホスホ基は、随意に置換されてもよい。
【0026】
「アルキルチオホスホ」は、−P(=R
a)(R
b)R
c基を指し、ここでR
aは、O又はSであり、R
bは、OH、O
-、S
-、OR
d又はSR
dであり、R
cは、−Oアルキル又は−Oアルキルエーテルであり、ここでR
dは、対イオン(例えば、Na+など)であり、但しR
aはSであり又はR
bはS
-若しくはSR
dであり、又は、但しR
aはSであり且つR
bはS
-若しくはSR
dである。明細書中で特段の断りのない限り、アルキルチオホスホ基は、随意に置換されてもよい。例えば、特定の実施形態において、アルキルチオホスホ基中の−Oアルキル又は−Oアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルの1つ以上で随意に置換される。「Oアルキルチオホスホ」は、分子の残り部分に酸素原子を介して接続するアルキルチオホスホ基である。明細書中で特段の断りのない限り、Oアルキルチオホスホ基は、随意に置換されてもよい。
【0027】
「アルキルエーテルチオホスホ」は、−P(=R
a)(R
b)R
c基を指し、ここでR
aは、O又はSであり、R
bは、OH、O
-、S
-又はOR
dであり、R
cは、−Oアルキル又は−Oアルキルエーテルであり、ここでR
dは、対イオン(例えば、Na+など)であり、但しR
aはSであり又はR
bはS
-若しくはSR
dであり、又は、但しR
aはSであり且つR
bはS
-若しくはSR
dである。明細書中で特段の断りのない限り、アルキルエーテルチオホスホ基は、随意に置換されてもよい。例えば、特定の実施形態において、アルキルエーテルチオホスホ基中の−Oアルキル又は−Oアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルの1つ以上で随意に置換される。「Oアルキルエーテルチオホスホ」は、分子の残り部分に酸素原子を介して接続するアルキルエーテルチオホスホ基である。明細書中で特段の断りのない限り、Oアルキルエーテルチオホスホ基は、随意に置換されてもよい。
【0028】
「アミド」は、−NR
aR
bラジカルを指し、ここでR
a及びR
bは独立して、H、アルキル又はアリールである。明細書中で特段の断りのない限り、アミド基は、随意に置換されてもよい。
【0029】
「アリール」は、水素と、6個から18個までの炭素原子と、少なくとも1つの芳香族環とを含む、炭化水素環系基を指す。本発明の目的に関して、アリール基は、単環式、二環式、三環式又は四環式の環系とすることができ、これは縮合環系又は架橋環系を含むことができる。アリール基は、限定されないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、及びトリフェニレンから誘導されるアリール基を含む。明細書中で特段の断りのない限り、用語「アリール」又は接頭辞「アリ(ar−)」(例えば、「アラルキル」における)は、随意に置換されたアリール基を含むことを意味する。
【0030】
「アリールオキシ」は、式−OR
aの基を指し、ここでR
aは、上記定義のアリール部分であり、例えばフェノキシなどである。明細書中で特段の断りのない限り、アリールオキシ基は、随意に置換されてもよい。
【0031】
「アラルキル」は、式−R
b−R
cの基を指し、ここでR
bは、上記定義のアルキレン鎖であり、R
cは、上記定義の1つ以上のアリール基であり、例えば、ベンジル、ジフェニルメチルなどである。明細書中で特段の断りのない限り、アラルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0032】
「Oアラルキル」は、分子の残り部分に酸素連結を介して接続されるアラルキル基である。「ODMT」は、分子の残り部分にO原子を介して連結するジメトキシトリチルを指す。明細書中で特段の断りのない限り、Oアラルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0033】
「シアノアルキル」は、少なくとも1つのシアノ置換基を含むアルキル基を指す。1つ以上の−CN置換基は、第1級、第2級又は第3級炭素原子上にあるものとすることができる。明細書中で特段の断りのない限り、シアノアルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0034】
「シクロアルキル」又は「炭素環式環」は、炭素及び水素原子のみから成る安定な非芳香族単環式又は多環式炭化水素基を指し、これは縮合環系又は架橋環系を含むことができ、3個から15個までの炭素原子を有し、好ましくは3個から10個までの炭素原子を有し、飽和又は不飽和であり、分子の残り部分に単結合で結合する。単環式シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルを含む。多環式シクロアルキル基は、例えば、アダマンチル、ノルボルニル、デカリニル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、などを含む。明細書中で特段の断りのない限り、シクロアルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0035】
「シクロアルキルアルキル」は、式−R
bR
dの基を指し、ここでR
bは、上記定義のアルキレン鎖であり、R
dは、上記定義のシクロアルキル基である。明細書中で特段の断りのない限り、シクロアルキルアルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0036】
「マルチ環式(multicyclic)」は、1つより多くの環を有する任意の分子を指す。環は、縮合、スピロ環式、又は1つ以上の原子で隔てられている(例えば、非環式リンカーを介して連結している)環のいずれであってもよい。
【0037】
「スピロ環式」は、2つの環が単一の炭素原子を共有するマルチ環式分子を指す。
【0038】
「縮合」は、本発明の化合物の中の既存の環構造に融合した本明細書に記載の任意の環構造を指す。縮合環がヘテロシクリル環又はヘテロアリール環である場合、縮合ヘテロシクリル環又は縮合ヘテロアリール環の一部になる既存の環構造上の任意の炭素原子を窒素原子で置き換えることができる。
【0039】
「ハロ」又は「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロ又はヨードを指す。
【0040】
「ハロアルキル」は、1つ以上の上記定義のハロ基で置換された上記定義のアルキル基を指し、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、3−ブロモ−2−フルオロプロピル、1,2−ジブロモエチル、などである。明細書中で特段の断りのない限り、ハロアルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0041】
「ヘテロシクリル」又は「複素環式環」は、2個から12個までの炭素原子と、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1個から6個までの複素原子とから成る、安定した3員から18員までの非芳香族環基を指す。明細書中で特段の断りのない限り、ヘテロシクリル基は、単環式、二環式、三環式又は四環式環系とすることができ、これらは縮合環系又は架橋環系を含むことができ、ヘテロシクリル基中の窒素、炭素又は硫黄原子は随意に酸化されてもよく、窒素原子は随意に四級化されてもよく、ヘテロシクリル基は、部分的に又は完全に飽和したものとすることができる。このようなヘテロシクリル基の例は、限定されないが、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、及び1,1−ジオキソ−チオモルホリニルを含む。明細書中で特段の断りのない限り、ヘテロシクリル基は、随意に置換されてもよい。
【0042】
「N−ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの窒素を含む上記定義のヘテロシクリル基であって、ヘテロシクリル基が分子の残り部分に結合する点がヘテロシクリル基の中の窒素原子を通じたものを指す。明細書中で特段の断りのない限り、N−ヘテロシクリル基は、随意に置換されてもよい。
【0043】
「ヘテロシクリルアルキル」は、式−R
bR
eの基を指し、ここでR
bは上記定義のアルキレン鎖であり、R
eは上記定義のヘテロシクリル基であり、ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルである場合には、ヘテロシクリルは窒素原子にてアルキル基に結合することができる。明細書中で特段の断りのない限り、ヘテロシクリルアルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0044】
「ヘテロアリール」は、水素原子と、1個から13個までの炭素原子と、窒素、酸素及び硫黄から成る群から選択される1個から6個までの複素原子と、少なくとも1つの芳香族環とを含む、5員から14員までの環系基を指す。本発明の目的に関して、ヘテロアリール基は、単環式、二環式、三環式又は四環式環系とすることができ、これらは縮合環系又は架橋環系を含むことができ、ヘテロアリール基中の窒素、炭素又は硫黄原子は随意に酸化されてもよく、窒素原子は随意に四級化されてもよい。例は、限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1−オキシドピリジニル、1−オキシドピリミジニル、1−オキシドピラジニル、1−オキシドピリダジニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、及びチオフェニル(すなわち、チエニル)を含む。明細書中で特段の断りのない限り、ヘテロアリール基は、随意に置換されてもよい。
【0045】
「N−ヘテロアリール」は、少なくとも1つの窒素を含む上記定義のヘテロアリール基であって、ヘテロアリール基が分子の残り部分に結合する点がヘテロアリール基の中の窒素原子を通じたものを指す。明細書中で特段の断りのない限り、N−ヘテロアリール基は、随意に置換されてもよい。
【0046】
「ヘテロアリールアルキル」は、式−R
bR
fの基を指し、ここでR
bは上記定義のアルキレン鎖であり、R
fは上記定義のヘテロアリール基であり、明細書中で特段の断りのない限り、ヘテロアリールアルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0047】
「ヒドロキシルアルキル」は、少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含むアルキル基を指す。1つ以上の−OH置換基は、第1級、第2級又は第3級炭素原子上にあるものとすることができる。明細書中で特段の断りのない限り、ヒドロキシアルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0048】
「ヒドロキシルアルキルエーテル」は、少なくとも1つのヒドロキシル置換基を含むアルキルエーテル基を指す。1つ以上の−OH置換基は、第1級、第2級又は第3級炭素原子上にあるものとすることができる。明細書中で特段の断りのない限り、ヒドロキシアルキルエーテル基は、随意に置換されてもよい。
【0049】
「ホスフェート」は、−OP(=O)(R
a)R
b基を指し、ここでR
aは、OH、O
-又はOR
cであり、R
bは、OH、O
-、OR
c、さらなるホスフェート基(ジホスフェート及びトリホスフェートの場合)、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、ここでR
cは、対イオン(例えば、Na+など)である。明細書中で特段の断りのない限り、ホスフェート基は、随意に置換されてもよい。
【0050】
「ホスホ」は、−P(=O)(R
a)R
b基を指し、ここでR
aは、OH、O
-又はOR
cであり、R
bは、OH、O
-、OR
c、ホスフェート基(ジホスフェート及びトリホスフェートの場合)、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、ここでR
cは、対イオン(例えば、Na+など)である。明細書中で特段の断りのない限り、ホスホ基は、随意に置換されてもよい。
【0051】
「ホスホアルキル」は、−P(=O)(R
a)R
b基を指し、ここでR
aは、OH、O
-又はOR
cであり、R
bは、−Oアルキルであり、ここでR
cは、対イオン(例えば、Na+など)である。明細書中で特段の断りのない限り、ホスホアルキル基は、随意に置換されてもよい。例えば、特定の実施形態において、ホスホアルキル基の中の−Oアルキル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、又はホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル若しくはチオホスホアルキルエーテルの1つ以上で随意に置換される。「Oホスホアルキル」は、分子の残り部分に酸素原子を介して接続するホスホアルキル基である。明細書中で特段の断りのない限り、Oホスホアルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0052】
「ホスホアルキルエーテル」は、−P(=O)(R
a)R
b基を指し、ここでR
aは、OH、O
-又はOR
cであり、R
bは、−Oアルキルエーテルであり、ここでR
cは、対イオン(例えば、Na+など)である。明細書中で特段の断りのない限り、ホスホアルキルエーテル基は、随意に置換されてもよい。例えば、特定の実施形態において、ホスホアルキルエーテル基の中の−Oアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルの1つ以上で随意に置換される。「Oホスホアルキルエーテル」は、分子の残り部分に酸素原子を介して接続するホスホアルキルエーテル基である。明細書中で特段の断りのない限り、Oホスホアルキルエーテル基は、随意に置換されてもよい。
【0053】
「スルフヒドリルアルキル」は、少なくとも1つのスルフヒドリル置換基を含むアルキル基を指す。1つ以上の−SH置換基は、第1級、第2級又は第3級炭素原子上にあるものとすることができる。明細書中で特段の断りのない限り、スルフヒドリルアルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0054】
「スルフヒドリルアルキルエーテル」は、少なくとも1つのスルフヒドリル置換基を含むアルキルエーテル基を指す。1つ以上の−SH置換基は、第1級、第2級又は第3級炭素原子上にあるものとすることができる。明細書中で特段の断りのない限り、スルフヒドリルアルキルエーテル基は、随意に置換されてもよい。
【0055】
「スルホネート」は、−OS(O)
2R
a基を指し、ここでR
aは、アルキル又はアリールである。明細書中で特段の断りのない限り、スルホネート基は、随意に置換されてもよい。
【0056】
「チオアルキル」は、式−SR
aの基を指し、ここでR
aは、1個から12個までの炭素原子を含む上記定義のアルキル基である。明細書中で特段の断りのない限り、チオアルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0057】
「チオホスフェート」は、−OP(=R
a)(R
b)R
c基を指し、ここでR
aは、O又はSであり、R
bは、OH、O
-、S
-、OR
d又はSR
dであり、R
cは、OH、O
-、OR
d、ホスフェート基、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、ここでR
dは、対イオン(例えば、Na+など)であり、但しR
aはSであり又はR
bはS
-若しくはSR
dであり、又は、但しR
aはSであり且つR
bはS
-若しくはSR
dである。明細書中で特段の断りのない限り、チオホスフェート基は、随意に置換されてもよい。
【0058】
「チオホスホ」は、−OP(=R
a)(R
b)R
c基を指し、ここでR
aは、O又はSであり、R
bは、OH、O
-、S
-、OR
d又はSR
dであり、R
cは、OH、O
-、OR
d、ホスフェート基、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルであり、ここでR
dは、対イオン(例えば、Na+など)であり、但しR
aはSであり又はR
bはS
-若しくはSR
dであり、又は、但しR
aはSであり且つR
bはS
-若しくはSR
dである。明細書中で特段の断りのない限り、チオホスホ基は、随意に置換されてもよい。
【0059】
「チオホスホアルキル」は、−P(=R
a)(R
b)R
c基を指し、ここでR
aは、O又はSであり、R
bは、OH、O
-、S
-、OR
d又はSR
dであり、R
cは、−Oアルキルであり、ここでR
dは、対イオン(例えば、Na+など)であり、但しR
aはSであり又はR
bはS
-若しくはSR
dであり、又は、但しR
aはSであり且つR
bはS
-若しくはSR
dである。明細書中で特段の断りのない限り、チオホスホアルキル基は、随意に置換されてもよい。例えば、特定の実施形態において、チオホスホアルキル基の中の−Oアルキル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルの1つ以上で随意に置換される。「Oチオホスホアルキル」は、分子の残り部分に酸素原子を介して接続するチオホスホアルキル基である。明細書中で特段の断りのない限り、Oチオホスホアルキル基は、随意に置換されてもよい。
【0060】
「チオホスホアルキルエーテル」は、−P(=R
a)(R
b)R
c基を指し、ここでR
aは、O又はSであり、R
bは、OH、O
-、S
-、OR
d又はSR
dであり、R
cは、−Oアルキルエーテルであり、ここでR
dは、対イオン(例えば、Na+など)であり、但しR
aはSであり又はR
bはS
-若しくはSR
dであり、又は、但しR
aはSであり且つR
bはS
-若しくはSR
dである。明細書中で特段の断りのない限り、チオホスホアルキルエーテル基は、随意に置換されてもよい。例えば、特定の実施形態において、チオホスホアルキル基の中の−Oアルキルエーテル部分は、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、チオホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル又はチオホスホアルキルエーテルの1つ以上で随意に置換される。「Oチオホスホアルキルエーテル」は、分子の残り部分に酸素原子を介して接続するチオホスホアルキルエーテル基である。明細書中で特段の断りのない限り、Oチオホスホアルキルエーテル基は、随意に置換されてもよい。
【0061】
本明細書で用いられる「置換(された)」という用語は、上記の任意の基(すなわち、アルキル、アルキレン、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルエーテル、アルキレンエーテル、アミド、チオアルキル、アリール、アリールオキシ、アラルキル、Oアラルキル、シアノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、ホスフェート、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、スルホネート、チオホスフェート、チオホスホアルキル及び/又はチオホスホアルキルエーテル)であって、少なくとも1つの水素原子が、例えば、限定されないが、F、Cl、Br及びIなどのハロゲン原子;ヒドロキシル基、アルコキシ基及びエステル基などの基の中の酸素原子;チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基、及びスルホキシド基などの基の中の硫黄原子;アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N−オキシド、イミド、及びエナミンなどの基の中の窒素原子;トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、及びトリアリールシリル基などの基の中のケイ素原子;及び他の種々の基の中の複素原子などの非水素原子への結合によって置き換えられたものを意味する。「置換」はまた、上記の任意の基であって、その中の1つ以上の水素原子が、例えば、オキソ、カルボニル、カルボキシル、及びエステル基の中の酸素;並びにイミン、オキシム、ヒドラゾン、及びニトリルなどの基の中の窒素などの複素原子への高次結合(例えば、二重結合又は三重結合)で置き換えられたものを意味する。例えば、「置換」は、上記の任意の基であって、その中の1つ以上の水素原子が、−NR
gR
h、−NR
gC(=O)R
h、−NR
gC(=O)NR
gR
h、−NR
gC(=O)OR
h、−NR
gSO
2R
h、−OC(=O)NR
gR
h、−OR
g、−SR
g、−SOR
g、−SO
2R
g、−OSO
2R
g、−SO
2OR
g、=NSO
2R
g、及び−SO
2NR
gR
hで置き換えられたものを含む。「置換」はまた、上記の任意の基であって、その中の1つ以上の水素原子が、−C(=O)R
g、−C(=O)OR
g、−C(=O)NR
gR
h、−CH
2SO
2R
g、−CH
2SO
2NR
gR
hで置き換えられたものを意味する。上記において、R
g及びR
hは、同一であるか又は異なり、独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリール及び/又はヘテロアリールアルキルである。「置換」は、さらに、上記の任意の基であって、その中の1つ以上の水素原子が、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、イミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリール及び/又はヘテロアリールアルキル基への結合によって置き換えられたものを意味する。
【0062】
「共役」は、介在するシグマ結合を越えた1つのp軌道と別のp軌道との重なりを指す。共役は、環式又は非環式化合物において生じ得る。「共役度」は、介在する二重結合を越えた少なくとも1つのp軌道と別のp軌道との重なりを指す。例えば、1,3−ブタジエンは、1共役度を有し、他方、ベンゼン及び他の芳香族化合物は、典型的には多重共役度を有する。蛍光及び有色化合物は、典型的には少なくとも1共役度を含む。
【0063】
「蛍光性」は、特定の周波数の光を吸収して別の周波数の光を発することができる分子を指す。蛍光は、当業者には周知である。
【0064】
「有色」は、色のスペクトル内の光を吸収する分子を指す(すなわち、赤、黄、青など)。
【0065】
「リンカー」は、分子の一部分を、同じ分子の別の部分、又は異なる分子、部分若しくは固体支持体(例えば微小粒子)に接続する、炭素、酸素、窒素、硫黄、リン及びそれらの組合せなどの少なくとも1つの原子の連続した鎖を指す。リンカーは、共有結合、又はイオン性相互作用若しくは水素結合相互作用などの他の手段を通じて、分子を接続することができる。
【0066】
本発明の目的に関して、「生体分子」という用語は、核酸、炭水化物、アミノ酸、ポリペプチド、糖タンパク質、ホルモン、アプタマー及びそれらの混合物を含む、多様な生物学的物質のいずれかを指す。より具体的には、この用語は、限定されないが、RNA、DNA、オリゴヌクレオチド、修飾又は誘導体化ヌクレオチド、酵素、受容体、プリオン、受容体リガンド(ホルモンを含む)、抗体、抗原、及び毒素、並びに細菌、ウイルス、血球、及び組織細胞を含むことが意図される。本発明の視覚的に検出可能な生体分子(すなわち連結した生体分子を有する構造(I)の化合物)は、さらに本明細書内で説明されるように、生体分子を、反応性基を有する化合物と接触させることによって調製され、この反応性基は、生体分子を、生体分子上の任意の利用可能な原子又は官能基、例えばアミノ、ヒドロキシ、カルボキシル、又はスルフヒドリル基を介して該化合物に結合することを可能にするものである。
【0067】
「可視」又は「視覚的に検出可能」という用語は、本明細書において、事前の照射又は化学的若しくは酵素的活性化を伴わずに、目視検査によって観察可能な物質を指す。このような視覚的に検出可能な物質は、約300nmから約900nmまでの範囲のスペクトル領域の光を吸収し、放出する。そのような物質は非常に濃い色であることが好ましく、好ましくは少なくとも約40,000、より好ましくは少なくとも約50,000、さらにより好ましくは少なくとも約60,000、さらになお好ましくは少なくとも約70,000、最も好ましくは少なくとも約80,000M
-1cm
-1のモル吸光係数を有する。本発明の生体分子は、裸眼での観察により、又は、限定されないが、吸収分光計、透過光顕微鏡、デジタルカメラ及びスキャナを含む光学ベースの検出装置の補助により、検出することができる。視覚的に検出可能な物質は、可視スペクトルの光を放出及び/又は吸収するものに限定されない。紫外(UV)領域(約10nmから約400nmまで)、赤外(IR)領域(約700nmから約1mmまで)の光を放出及び/又は吸収する物質、及び電磁気スペクトルの他の領域で放出及び/又は吸収する物質もまた、「視覚的に検出可能」な物質の範囲内に含まれる。
【0068】
本発明の目的に関して、「光安定性可視染料」という用語は、上記定義のように視覚的に検出可能であり、露光しても顕著に変化しない又は分解しない化学的部分を指す。好ましくは、光安定性可視染料は、少なくとも1時間の露光後に顕著な退色又は分解を示さない。より好ましくは、可視染料は、少なくとも12時間、さらに好ましくは少なくとも24時間、さらになお好ましくは少なくとも1週間、最も好ましくは少なくとも1ヶ月にわたる露光後に安定である。本発明の化合物及び方法における使用に適した光安定性可視染料の非限定的な例は、アゾ染料、チオインジゴ染料、キナクリドン顔料、ジオキサジン、フタロシアニン、ペリノン、ジケトピロロピロール、キノフタロン、及びトルアリカルボニウム(truarycarbonium)を含む。
【0069】
本明細書において用いられる場合、「ペリレン誘導体」という用語は、視覚的に検出可能な任意の置換ペリレンを含むことを意図する。しかしながら、この用語は、ペリレン自体を含むことを意図していない。「アントラセン誘導体」、「ナフタレン誘導体」及び「ピレン誘導体」という用語も同様に用いられる。幾つかの好ましい実施形態において、誘導体(例えば、ペリレン、ピレン、アントラセン又はナフタレン誘導体)は、ペリレン、アントラセン、ナフタレン又はピレンのイミド、ビスイミド又はヒドラザムイミド(hydrazamimide)誘導体である。
【0070】
本発明の視覚的に検出可能な生体分子は、特定の生体分子の存在、位置又は量を決定することが必要とされる多様な生化学的及び生物医学的用途にとって有用である。従って、別の態様において、本発明は、生体分子を視覚的に検出する方法を提供し、該方法は、(a)生体分子に連結した構造(I)の化合物を含む視覚的に検出可能な生体分子を生物学的システムに提供することと、(b)生体分子をその視覚的特性によって検出することと、を含む。本発明の目的に関して、「生体分子をその視覚的特性によって検出する」という語句は、生体分子が、照射又は化学的若しくは酵素的活性化を伴わずに、裸眼で、又は、限定されないが、吸収分光計、透過光顕微鏡、デジタルカメラ及びスキャナを含む光学ベースの検出装置の補助により、観察されることを意味する。濃度計を用いて、存在する視覚的に検出可能な生体分子の量を定量することができる。例えば、2つの試料中の生体分子の相対量は、相対光学濃度を測定することによって決定することができる。生体分子1分子当たりの染料分子の化学量論が既知であり、且つ染料分子の吸光係数が既知であれば、光学濃度の測定から生体分子の絶対濃度も決定することができる。本明細書で用いる場合、「生物学的システム」という用語は、視覚的に検出可能な生体分子に加えて1つ又はそれ以上の生体分子を含む任意の溶液又は混合物を指すために用いられる。このような生物学的システムの非限定的な例は、細胞、細胞抽出物、組織試料、電気泳動ゲル、アッセイ混合物、及びハイブリダイゼーション反応混合物を含む。
【0071】
「微小粒子」は、本発明の化合物への付着に有用な多数の小粒子を指し、限定されないが、ガラスビーズ、磁気ビーズ、重合体ビーズ、非重合体ビーズ、などを含む。特定の実施形態において、微小粒子は、ポリスチレンビーズを含む。
【0072】
「塩基対形成部分」は、相補的な複素環式部分に水素結合を介してハイブリダイズすること(例えばワトソン−クリック塩基対形成)が可能な複素環式部分を指す。塩基対形成部分は、天然及び非天然塩基を含む。塩基対形成部分の非限定的な例は、アデノシン、グアノシン、チミジン、シトシン及びウリジン並びにそれらのアナログなどのRNA及びDNA塩基である。
【0073】
本明細書で開示される発明はまた、1つ又はそれ以上の原子が異なる原子質量又は質量数を有する原子で置換されることにより同位体標識された、構造(I)の全ての化合物を包含することが意図されている。開示される化合物に組み入れることができる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体、例えば、それぞれ、
2H、
3H、
11C、
13C、
14C、
13N、
15N、
15O、
17O、
18O、
31P、
32P、
35S、
18F、
36Cl、
123I、及び
125Iである。
【0074】
同位体標識された構造(I)の化合物は、一般に、当業者に知られた従来技術によって調製することができ、又は、後述される以下の実施例におけるプロセスに類似のプロセスによって、以前に使用された非標識試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を用いて調製することができる。
【0075】
「安定な化合物」及び「安定な構造」は、反応混合物から有用な純度まで単離すること、及び有効な治療薬となるように配合することに耐える、十分に強固な化合物を示すことを意味する。
【0076】
「随意の」又は「随意に」は、その後に記載される事象又は状況が生じても生じなくてもよいこと、及び、その記述が、該事象又は状況が生じる場合及び生じない場合を含むことを意味する。例えば、「随意に置換されたアルキル」は、そのアルキル基が置換されても置換されなくてもよいこと、及び、その記述が、置換されたアルキル基及び置換基を有さないアルキル基の両方を含むことを意味する。
【0077】
「塩」は、酸付加塩及び塩基付加塩の両方を含む。
【0078】
「酸付加塩」は、無機酸、例えば、限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など、及び、有機酸、例えば、限定されないが、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ショウノウ酸、カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ絡酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸など、で形成されるような塩を指す。
【0079】
「塩基付加塩」は、遊離酸への無機塩基又は有機塩基の付加から調製されるような塩を指す。無機塩基から誘導される塩は、限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マグネシウム、アルミニウム塩などを含む。有機塩基から誘導される塩は、限定されないが、第一級、第二級及び第三級アミン、天然由来の置換アミンを含む置換アミン、環式アミン並びに塩基性イオン交換樹脂、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂など、の塩を含む。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン及びカフェインである。
【0080】
しばしば、結晶化は、本発明の化合物の溶媒和物を生じさせる。本発明は、記載する化合物の全ての溶媒和物を含む。本明細書で用いられる場合、「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物の1つ以上の分子を溶媒の1つ以上の分子と共に含む凝集体を指す。溶媒は、水であってもよく、その場合、溶媒和物は水和物であり得る。あるいは、溶媒は、有機溶媒であってもよい。従って、本発明の化合物は、一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物などを含む水和物、並びに対応する溶媒和形態として存在することができる。本発明の化合物は、真の溶媒和物の場合もあるが、他の場合には、本発明の化合物は、単に外来性の(adventitious)水若しくは別の溶媒を保持しているに過ぎない場合もあり、又は水と幾つかの外来性溶媒との混合物の場合もある。
【0081】
本発明の化合物、又はその塩、互変異性体若しくは溶媒和物は、1つ以上の不斉中心を含む場合があり、従って、絶対立体配置の観点から、(R)−又は(S)−として又はアミノ酸については(D)−又は(L)−として定義することができる、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、及び他の立体異性体形態が生じる場合がある。本発明は、このような可能な異性体の全て並びにそのラセミ体及び光学的に純粋な形態を含むことが意図されている。光学活性な(+)及び(−)、(R)−及び(S)−、又は(D)−及び(L)−異性体は、キラルシントン又はキラル試薬を用いて調製することができ、又は、従来技術、例えばクロマトグラフィ及び分別結晶法を用いて分割することができる。個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来技術は、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、又は、例えばキラル高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)を用いた、ラセミ体(又は塩若しくは誘導体のラセミ体)の分割を含む。本明細書で説明する化合物がオレフィン二重結合又は他の幾何学的不斉中心を含む場合、特段の断りのない限り、その化合物は、E及びZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。同様に、全ての互変異性体もまた含まれることが意図される。
【0082】
「立体異性体」は、同じ結合で結合された同じ原子で形成されているが、互換性ではない異なる三次元構造を有する化合物を指す。本発明は、種々の立体異性体及びその混合物を企図しており、その分子が互いに重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す「鏡像異性体」を含む。
【0083】
「互変異性体」は、分子の1つの原子から同じ分子の別の原子へのプロトンのシフトを指す。本発明は、任意の化合物の互変異性体を含む。化合物の種々の互変異性形態は、当業者であれば容易に誘導できる。
【0084】
本明細書で用いられる化合物命名法及び構造図は、ACD/Nameバージョン9.07ソフトウェアプログラム及び/又はChemDrawバージョン10.0ソフトウェア命名プログラム(CambridgeSoft)を用いた、I.U.P.A.C命名法の修正形態である。当業者になじみのある慣用名もまた用いられる。
【0085】
上述のように、本発明の1つの実施形態において、種々の分析法において蛍光染料及び/又は有色染料として有用な化合物が提供される。化合物は、以下の構造(I)
【化2】
を有し、又はその立体異性体、互変異性体若しくは塩であり、ここで、
M
1及びM
2は、各存在において、独立して、2つ以上の二重結合及び少なくとも1共役度を含む部分であり、M
1の少なくとも1つの存在は、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
Aは、環式部分を表し、
L
1、L
2、L
3、L
4、L
5及びL
6は、各存在において、独立して、炭素、酸素、硫黄、窒素及びリンから選択される原子を含む随意のリンカーであり、
R
1は、各存在において、独立してH、アルキル又はアルコキシであり、
R
2及びR
3は、独立して、H、OH、SH、−NH
2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルであり、又は、R
2は、生体分子若しくは微小粒子に対する共有結合を含むリンカーであり、且つ、R
3は、H、OH、SH、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルであり、
nは、1から20までの整数であり、
q及びwは、nの各整数値に関して各々独立して0又は1であり、ここでqは、nの少なくとも1つの整数値に関して1である。
【0086】
幾つかの実施形態において、nは、1から10まで又は2から10までの整数である。
【0087】
特定の実施形態において、L
2は、リン−酸素結合を含む。他の実施形態において、L
5は、リン−酸素結合を含む。
【0088】
例えば、幾つかの実施形態において、化合物は、以下の構造(III)
【化3】
を有し、ここで
M
1及びM
2は、各存在において、独立して、2つ以上の二重結合及び少なくとも1共役度を含む部分であり、M
1の少なくとも1つの存在は、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
L
1、L
3、L
4、L
6、L
7及びL
8は、各存在において、独立して、随意のアルキレン又はヘテロアルキレンリンカーであり、
R
1は、各存在において、独立してH、アルキル又はアルコキシであり、
R
2は、電子対、H、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル若しくはチオホスホアルキルエーテルであり、又は、R
2は、生体分子若しくは微小粒子に対する共有結合を含むリンカーであり、
R
3は、H、OH、SH、−NH
2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルであり、
R
4は、各存在において、独立してO
-、S
-、OZ、SZ又はN(R
6)
2であり、ここでZはカチオンであり、各R
6は、独立してH又はアルキルであり、
R
5は、各存在において、独立してオキソ、チオキソであるか又は存在せず、
nは、1から20までの整数であり、
q及びwは、nの各整数値に関して各々独立して0又は1であり、ここでqは、nの少なくとも1つの整数値に関して1である。
【0089】
幾つかの実施形態において、構造(III)の化合物は、少なくとも2つの「q」単位の存在、又は少なくとも1つの「q」単位及び少なくとも1つの「w」単位の存在を含む。明確にするために、「q」及び「w」単位は以下の構造
【化4】
を有するものとする。
【0090】
従って、構造(III)の幾つかの実施形態において、
nは、2から20までの整数であり、
q及びwは、nの各整数値に関して各々独立して0又は1であり、ここでqは、nの少なくとも2つの整数値に関して1であり、又は、ここでq及びwは各々独立して、nの少なくとも1つの整数値に関して1であり、この整数値は、同じであっても異なっていてもよい。
【0091】
前述の実施形態のいずれにおいても、nは、2〜15の整数であり、又はnは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、3、14又は15である。
【0092】
化合物(I)又は(III)の幾つかの実施形態において、wは、nの各整数値に関して0である。例えば、幾つかの実施形態において、化合物は、以下の構造(II)
【化5】
を有し、又はその立体異性体、互変異性体若しくは塩であり、ここで
M
1は、各存在において、独立して、2つ以上の二重結合及び少なくとも1共役度を含む部分であり、M
1の少なくとも1つの存在は、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
L
1、L
2及びL
3は、各存在において、独立して、炭素、酸素、硫黄、窒素及びリンから選択される原子を含む随意のリンカーであり、
R
1は、各存在において、独立してH、アルキル又はアルコキシであり、
R
2及びR
3は、独立して、H、OH、SH、−NH
2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルであり、又は、R
2は、生体分子若しくは微小粒子に対する共有結合を含むリンカーであり、且つ、R
3は、H、OH、SH、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルであり、
nは、1から20まで、例えば2から20まで又は2から10までの整数である。
【0093】
他の前述の実施形態において、wは、nの各整数値に関して0であり、化合物は、以下の構造(IIa)
【化6】
を有し、ここで
M
1は、各存在において、独立して、2つ以上の二重結合及び少なくとも1共役度を含む部分であり、M
1の少なくとも1つの存在は、4つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
L
1、L
7及びL
3は、各存在において、独立して随意のアルキレン又はヘテロアルキレンリンカーであり、
R
1は、各存在において、独立してH、アルキル又はアルコキシであり、
R
2は、H、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル若しくはチオホスホアルキルエーテルであり、又は、R
2は、生体分子若しくは微小粒子に対する共有結合を含むリンカーであり、
R
3は、H、OH、SH、−NH
2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルであり、
R
4は、各存在において、独立してO
-、S
-、OZ、SZ又はN(R
6)
2であり、ここでZはカチオンであり、各R
6は、独立してH又はアルキルであり、
R
5は、各存在において、独立してオキソ、チオキソであるか又は存在せず、
nは、1から20まで、例えば、2から20まで又は2から10までの整数である。
【0094】
さらなる実施形態において、化合物は、以下の構造(IIb)
【化7】
を有し、ここで
R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12は、各存在において、独立してH又はアルキルであり、
x
1、y
1及びz
1は、各存在において、独立して0から5までの整数である
【0095】
他の実施形態において、化合物は、以下の構造(IIc)、(IId)、(IIe)又は(IIf)
【化8】
の1つを有する。
【0096】
化合物(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)又は(IIf)の幾つかの実施形態において、x
1、y
1及びz
1は、各存在において1である。化合物(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)又は(IIf)の他の実施形態において、x
1は、各存在において0であり、y
1及びz
1は、各存在において1である。化合物(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)又は(IIf)の他の実施形態において、nは2から10までの整数である。例えば、幾つかの実施形態において、nは、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10である。
【0097】
さらなる実施形態において、wは、nの少なくとも1つの整数値に関して1である。例えば、幾つかの実施形態において、化合物は、以下の構造(IIIa)
【化9】
を有し、又はその立体異性体、互変異性体若しくは塩であり、ここで
M
1及びM
2は、各存在において、独立して、2つ以上の二重結合及び少なくとも1共役度を含む部分であり、
L
1、L
2、L
3、L
4、L
5及びL
6は、各存在において、独立して、炭素、酸素、硫黄、窒素及びリンから選択される原子を含む随意のリンカーであり、
R
1は、各存在において、独立してH、アルキル又はアルコキシであり、
R
2及びR
3は、独立して、H、OH、SH、−NH
2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルであり、又は、R
2は、生体分子若しくは微小粒子に対する共有結合を含むリンカーであり、且つ、R
3は、H、OH、SH、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルであり、
nは、1から10までの整数であり、
q及びwは、nの各整数値に関して各々独立して0又は1であり、及び、q及びwは、nの少なくとも1つの整数値に関して各々1である。
【0098】
さらに他の実施形態において、化合物は、以下の構造(IIIb)
【化10】
を有し、ここで
R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12は、各存在において、独立してH又はアルキルであり、
x
1、x
2、y
1、y
2、z
1及びz
2は、各存在において、独立して0から5までの整数である。
【0099】
前述の実施形態の幾つかにおいて、R
5はオキソであり、R
4はO
-又はOZである。前述の実施形態の他のものにおいて、R
2は、H又は電子対である。
【0100】
前述のいずれかのうち他のものにおいて、R
2は、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル又はスルフヒドリルアルキルエーテルである。例えば、幾つかの実施形態において、R
2は、以下の構造、
【化11】
の1つを有し、ここで
R
2aは、−OH、−NH
2又は−SHであり、
aは、1から10までの整数である。
【0101】
前述のいずれかの、さらに他のものにおいて、R
2は、−OH、−NH
2及び−SHから選択される置換基で随意に置換された、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル又はチオホスホアルキルエーテルである。例えば、幾つかの実施形態において、R
2は、以下の構造の1つを有し、
【化12】
【化13】
ここで、
R
2aは、−OH、−SH、−NH
2、ホスフェート又はチオホスフェートであり、
R
4a及びR
4bは、独立してO
-、S
-、OZ又はSZであり、ここでZはカチオンであり、
R
5a及びR
5bは、独立してオキソ又はチオキソであり、
a、b及びcは、各々独立して1から10までの整数である。
【0102】
幾つかの実施形態において、R
3は、OHである。前述のいずれかのさらに他の実施形態において、R
3は、−OH、−NH
2、及び−SHから選択される置換基で随意に置換された、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、−Oホスホアルキル、−Oホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルである。
【0103】
例えば、幾つかの実施形態において、R
3は、以下の構造の1つを有し、
【化14】
ここで、
R
3aは、−OH、−SH、−NH
2、ホスフェート又はチオホスフェートであり、
R
4a及びR
4bは、独立してO
-、S
-、OZ又はSZであり、ここでZはカチオンであり、
R
5a及びR
5bは、独立してオキソ又はチオキソであり、
b及びcは、各々独立して1から10までの整数である。
【0104】
前述のいずれかのさらに他のものにおいて、R
2は、−OH、−NH
2及び−SHから選択される置換基で随意に置換された、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル又はチオホスホアルキルエーテルであり、R
3は、−OH、−NH
2、及び−SHから選択される置換基で随意に置換された、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、−Oホスホアルキル、−Oホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルである。
【0105】
さらなる実施形態において、R
2は、以下の構造
【化15】
【化16】
の1つを有し、ここで、
R
2aは、−OH、−SH、−NH
2、ホスフェート又はチオホスフェートであり、
R
4a及びR
4bは、独立してO
-、S
-、OZ又はSZであり、ここでZはカチオンであり、
R
5a及びR
5bは、独立してオキソ又はチオキソであり、
a、b及びcは、各々独立して1から10までの整数であり、
R
3は、以下の構造の1つを有し、
【化17】
の1つを有し、ここで
R
3aは、−OH、−SH、−NH
2、ホスフェート又はチオホスフェートであり、
R
4a及びR
4bは、独立してO
-、S
-、OZ又はSZであり、ここでZはカチオンであり、
R
5a及びR
5bは、独立してオキソ又はチオキソであり、
b及びcは、各々独立して1から10までの整数である。
【0106】
上記の他の実施形態において、R
4a及びR
4bは、各々O
-であり、R
5a及びR
5bは、各々オキソである。幾つかの他の実施形態において、R
4a及びR
4bは、各々O
-であり、R
5a及びR
5bは、各々チオキソである。他の実施形態において、R
4a及びR
4bは、各々S
-であり、R
5a及びR
5bは、各々チオキソである。さらに他の実施形態において、R
4a及びR
4bは、各々S
-であり、R
5a及びR
5bは、各々オキソである。
【0107】
前述のさらなる実施形態において、a、b又はcの少なくとも1つは、2である。例えば、幾つかの実施形態において、a、b及びcの各々が2である。
【0108】
幾つかの異なる実施形態において、a、b又はcの少なくとも1つは、6である。例えば、幾つかの実施形態において、a、b及びcの各々が6である。
【0109】
構造(I)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(III)、(IIIa)又は(IIIb)の前述の化合物のいずれかの幾つかの実施形態において、nは、1から5まで、2から15まで、2から10まで、又は2から5までの整数である。
【0110】
構造(I)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(III)、(IIIa)又は(IIIb)の上記前述の化合物の幾つかの実施形態において、R
2a又はR
3a(又は両方)は、−OH、−NH
2、及び−SHから選択される置換基で随意に置換された、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル又はチオホスホアルキルエーテルである。例えば、前述のいずれかの幾つかの実施形態において、R
2又はR
3(又は両方)は、以下の構造
【化18】
を有する。
【0111】
構造(III)、(IIIa)又は(IIIb)の上記前述のいずれかの化合物の幾つかの実施形態において、R
2は、H又は電子対であり、R
3は、ホスフェートであり、q及びwの合計は、少なくとも2である。これらの実施形態のうちの幾つかにおいて、qは、2以上であり、例えば3以上である。これらの実施形態のその他において、L
1、L
3及びL
7の各々は、アルキレンリンカー、例えばメチレンである。さらなる実施形態において、L
1及びL
3は、メチレンなどのアルキレンリンカーであり、L
7は存在しない(すなわち、直接結合)。前述の実施形態のさらに別のものにおいて、M
1は、4つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せ、例えば5つ以上を含む。
【0112】
構造(I)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(III)、(IIIa)又は(IIIb)の上記前述のいずれかの化合物の幾つかの他の実施形態において、L
3は、ヘテロアルキレンリンカー、例えば、O−P−O結合、S−S結合、又はそれらの組合せを含む、ヘテロアルキレンリンカーである。これらの実施形態のうちの幾つかにおいて、R
2は、H又は電子対である。
【0113】
1つの実施形態において、以下の構造(IV)
【化19】
を有する化合物が提供され、ここで
M
1は、各存在において、独立して、2つ以上の二重結合及び少なくとも1共役度を含む部分であり、M
1の少なくとも1つの存在は、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
L
1、L
3及びL
7は、各存在において、独立して随意のアルキレン又はヘテロアルキレンリンカーであり、
R
1は、各存在において、独立してH、アルキル又はアルコキシであり、
R
2は、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル若しくはチオホスホアルキルエーテルであり、又はR
2は、生体分子若しくは微小粒子に対する共有結合を含むリンカーであり、
R
3は、H、OH、SH、−NH
2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルであり、
R
4は、各存在において、独立してO
-、S
-、OZ、SZ又はN(R
6)
2であり、ここでZはカチオンであり、各R
6は、独立してH又はアルキルであり、
R
5は、各存在において、独立してオキソ、チオキソであるか又は存在せず、
nは、1から20まで、例えば1から10までの整数である。
【0114】
化合物(IV)の幾つかの実施形態において、R
2は、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル又はチオホスホアルキルエーテルであり、ここでR
2は、−OH、−NH
2及び−SHから選択される置換基で随意に置換される。
【0115】
例えば、化合物(IV)の特定の実施形態において、R
2は、以下の構造
【化20】
【化21】
の1つを有し、ここで、
R
2aは、−OH、−SH、−NH
2、ホスフェート又はチオホスフェートであり、
R
4a及びR
4bは、独立してO
-、S
-、OZ又はSZであり、ここでZはカチオンであり、
R
5a及びR
5bは、独立してオキソ又はチオキソであり、
a、b及びcは、各々独立して1から10までの整数である。
【0116】
化合物(IV)の幾つかの実施形態において、R
3は、OHである。異なる実施形態において、R
3は、−OH、−NH
2、及び−SHから選択される置換基で随意に置換された、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、−Oホスホアルキル、−Oホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルである。
【0117】
化合物(IV)のさらに他の実施形態において、R
3は、以下の構造
【化22】
【化23】
の1つを有し、ここで
R
3aは、−OH、−SH、−NH
2、ホスフェート又はチオホスフェートであり、
R
4a及びR
4bは、独立してO
-、S
-、OZ又はSZであり、ここでZはカチオンであり、
R
5a及びR
5bは、独立してオキソ又はチオキソであり、
b及びcは、各々独立して1から10までの整数である。
【0118】
化合物(IV)の幾つかの他の実施形態において、各存在において、R
4は、O
-であり、R
5は、オキソである。
【0119】
化合物(IV)の他の実施形態において、L
1、L
3及びL
7は、各々アルキレンリンカーである。異なる実施形態において、L
1及びL
3は、各々アルキレンリンカーであり、L
7は、存在しない。前述の実施形態の幾つかにおいて、アルキレンはメチレンである。
【0120】
前述の実施形態の幾つかにおいて、R
3は−OHである。他の実施形態において、R
2はHである(従って、特定のpH値において、酸素原子は負に荷電され、すなわち、Hは酸性なので、R
2は電子対である。)
【0121】
構造(IV)の幾つかの実施形態において、L
7及びL
3は、各存在において、独立して随意のアルキレン、ホスホアルキレン又はホスホアルキレンエーテルリンカーである。幾つかの実施形態において、L
7若しくはL
3は又は両方が存在する。幾つかの実施形態において、L
7及びL
3は、各存在において、独立して、
【化24】
【化25】
から選択され、ここで
R
2aは、−OH、−SH、−NH
2、ホスフェート又はチオホスフェートであり、
R
4a及びR
4bは、独立してO
-、S
-、OZ又はSZであり、ここでZはカチオンであり、
R
5a及びR
5bは、独立してオキソ又はチオキソであり、
a、b及びcは、各々独立して1から10までの整数である。
【0122】
構造(IV)のいずれかの上記前述の化合物の幾つかの他の実施形態において、L
3の1つ以上の存在は、ヘテロアルキレンリンカー、例えば、O−P−O結合、S−S結合、又はそれらの組合せを含むヘテロアルキレンリンカーである。これらの実施形態のうちの幾つかにおいて、R
2は、H又は電子対である。例えば、幾つかの実施形態において、L
3の少なくとも1つの存在は、以下の構造
【化26】
の1つを有する。
【0123】
さらに他の実施形態において、以下の構造(Ig)
【化27】
を有する化合物が提供され、ここで
M
1は、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
R
1は、H、C
1−C
6アルキル又はアルコキシであり、
R
2は、シアノアルキルであり、
R
3は、H又は−Oアラルキルであり、
R
6は、C
1−C
6アルキルであり、
R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12は、各存在において、独立してH又はアルキルであり、
x、y及びzは、各存在において、独立して0から5までの整数である。
【0124】
構造(Ig)の化合物の幾つかの実施形態において、各R
6は、イソプロピルである。他の実施形態において、R
2は、2−シアノエチルである。さらなる実施形態において、R
3は、−Oアラルキル、例えば、−O−ジメトキシトリチル(−ODMT)である。
【0125】
化合物(Ig)の異なる実施形態において、x、y及びzは、各々1である。他の実施形態において、xは0であり、y及びzは各々1である。
【0126】
他の実施形態において、以下の構造(Ih)
【化28】
を有する化合物が提供され、ここで
M
1は、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
R
2は、H、電子対又はカチオンであり、
R
3は、OHであり、
R
4は、O
-、S
-、OZ、SZであり、ここでZはカチオンであり、
R
5は、オキソ又はチオキソであり、
R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12は、各存在において、独立してH又はアルキルであり、
x、y及びzは、各存在において、独立して0から5までの整数である。
【0127】
(Ih)の幾つかの実施形態において、x、y及びzは、各々1である。他の実施形態において、xは0であり、y及びzは、各々1である。さらなる実施形態において、R
4は、O
-又はOZであり、R
5はオキソである。
【0128】
他の実施形態は、以下の構造(IIi)
【化29】
を有する化合物に向けられ、ここで
M
1は、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
R
1は、H、C
1−C
6アルキル又はアルコキシであり、
R
2は、シアノアルキルであり、
R
6は、C
1−C
6アルキルであり、
L
1及びL
4は、各々独立して、随意のアルキレン又はヘテロアルキレンリンカーである。
【0129】
(Ii)の幾つかの実施形態において、各R
6は、イソプロピルである。幾つかの実施形態において、R
2は、2−シアノエチルである。他の実施形態において、R
2は、2−シアノエチルである。さらに他の実施形態において、R
1はHである。さらなる実施形態において、L
1及びL
4は、各々独立して、メチレンリンカーなどのアルキレンリンカーである。
【0130】
M
1は一般に、視覚的に検出可能な部分又は物質である。例えば、M
1は、UV、可視又はIRスペクトルにて視覚的に検出可能なものとすることができる。前述のいずれかのうちの幾つかにおいて、M
1は、各存在において、独立して蛍光性又は有色である。例えば、幾つかの実施形態において、M
1は、蛍光性である。
【0131】
特定の実施形態において、M
1は、限定されないがグアニン、シトシン、チミジン及びアデニンといった、プリン又はピリミジン塩基ではない。他の実施形態において、M
1は、ポルフィリンではない。他の実施形態において、M
1は、以下のうちの1つではない。
【化30】
【0132】
前述のいずれかのさらに他の実施形態において、M
1は、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せ、例えば、4つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せ、又は、さらには、5つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む。幾つかの実施形態において、M
1は、6つのアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合を含む。さらなる実施形態において、環は縮合している。例えば幾つかの実施形態において、M
1は、3つ以上の縮合環、4つ以上の縮合環、5つ以上の縮合環、又はさらには6つ以上の縮合環を含む。
【0133】
幾つかの実施形態において、M
1は、環式である。例えば、幾つかの実施形態において、M
1は、炭素環式である。他の実施形態において、M
1は、複素環式である。前述のさらに他の実施形態において、M
1は、各存在において、独立してアリール部分を含む。これらの実施形態の幾つかにおいて、アリール部分は、マルチ環式である。他のより具体的な実施形態において、アリール部分は、縮合マルチ環式アリール部分であり、例えば、これは少なくとも3つ、少なくとも4つ、又はさらには4つより多くのアリール環を含むことができる。
【0134】
構造(I)の前述の化合物のいずれかの他の実施形態において、M
1は、各存在において、独立して、少なくとも1つの複素原子を含む。例えば、幾つかの実施形態において、複素原子は、窒素、酸素又は硫黄である。
【0135】
前述のいずれかのさらなる実施形態において、M
1は、独立して、少なくとも1つの置換基を含む。例えば、幾つかの実施形態において、置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヒドロキシ、スルフヒドリル、アルコキシ、アリールオキシ、フェニル、アリール、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、カルボキシ、スルホネート、アミド、又はホルミル基である。
【0136】
前述のさらにより具体的な実施形態において、M
1は、各存在において、独立して、ジメチルアミノスチルベン、キナクリドン、フルオロフェニル−ジメチル−BODIPY、his−フルオロフェニル−BODIPY、アクリジン、テリレン、セキシフェニル、ポルフィリン、ベンゾピレン、(フルオロフェニル−ジメチル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、(ビス−フルオロフェニル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、クアテルフェニル、ビ−ベンゾチアゾール、テル−ベンゾチアゾール、ビ−ナフチル、ビ−アントラシル、スクアライン、スクアリウム、9,10−エチニルアントラセン又はテル−ナフチル部分である。他の実施形態において、M
1は、各存在において、独立して、p−テルフェニル、ペリレン、アゾベンゼン、フェナジン、フェナントロリン、アクリジン、チオキサントレン(thioxanthrene)、クリセン、ルブレン、コロネン、シアニン、ペリレンイミド、若しくはペリレンアミド又はそれらの誘導体である。さらなる実施形態において、M
1は、各存在において、独立して、クマリン染料、レソルフィン染料、ジピロメテンボロンジフルオリド染料、ルテニウムビピリジル染料、エネルギー移動染料、チアゾールオレンジ染料、ポリメチン又はN−アリール−1,8−ナフタルイミド染料である。
【0137】
前述のいずれかのさらなる実施形態において、M
1は、各存在において同一である。他の実施形態において、各M
1は異なる。さらなる実施形態において、1つ以上のM
1は同一であり、1つ以上のM
1は異なる。
【0138】
幾つかの実施形態において、M
1は、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミド若しくは6−FAM又はそれらの誘導体である。幾つかの他の実施形態において、M
1は、以下の構造
【化31】
の1つを有する。
【0139】
幾つかの実施形態において、M
2は、上述のM
1部分のいずれか1つから選択される。幾つかの実施形態において、M
1及びM
2は同一である。他の実施形態において、M
1及びM
2は異なる。
【0140】
他の実施形態において、M
2の少なくとも1つの存在は、塩基対部分である。例えば、幾つかの実施形態において、M
2の各存在が塩基対部分である。これらの実施形態の幾つかにおいて、塩基対部分は、プリン、ピリミジン、ジヒドロピリミジン又はそれらの誘導体である。さらなる実施形態において、塩基対部分は、以下の構造
【化32】
の1つを有する。
【0141】
前述の実施形態の幾つかにおいて、R
2は、生体分子若しくは微小粒子に対する共有結合を含むリンカーであり、R
3は、H、OH、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル又はチオホスホアルキルエーテルである。例えば、幾つかの実施形態において、R
2は、生体分子に対する共有結合を含むリンカーである。例えば、核酸、アミノ酸又はそれらの重合体(例えば、ポリヌクレオチド又はポリペプチド)である。さらなる実施形態において、生体分子は、酵素、受容体、受容体リガンド、抗体、糖タンパク質、アプタマー又はプリオンである。
【0142】
さらに他の実施形態において、R
2は、微小粒子への共有結合を含むリンカーである。例えば、幾つかの実施形態において、微小粒子は、重合体ビーズ又は非重合体ビーズである。
【0143】
前述の実施形態の一部の幾つかの実施形態において、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12は、存在する場合には各々Hである。
【0144】
幾つかの他の実施形態において、x、y及びzは、各々1である。
【0145】
前述の実施形態のいずれかの幾つかにおいて、R
3は、−OH、ホスフェート又はチオホスフェートである。他の実施形態において、R
3は、−OH、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル又はチオホスホアルキルである。さらに幾つかの実施形態において、R
3は、ホスホアルキル又はチオホスホアルキルである。
【0146】
本発明は、モノマー化合物(例えば、n=1)並びにオリゴマー化合物(例えば、nは2〜20又は2〜10)を含む。前述の実施形態の他のものにおいて、nは、1から5までの整数である。例えば、幾つかの実施形態において、nは、2から10まで、又は2から5までの整数、例えば3である。他の実施形態において、nは1である。さらなる実施形態において、nは2である。他の実施形態において、nは3である。さらなる実施形態において、nは4である。他の実施形態において、nは5である。さらなる実施形態において、nは6である。他の実施形態において、nは7である。さらなる実施形態において、nは8である。他の実施形態において、nは9である。さらなる実施形態において、nは10である。
【0147】
任意の数のメチレンスペーサ単位(すなわち、x、y及びz)を含めることができる。幾つかの実施形態において、xは0である。他の実施形態において、xは1である。さらなる実施形態において、xは2である。幾つかの実施形態において、xは3である。他の実施形態において、xは4である。さらなる実施形態において、xは5である。
【0148】
幾つかの実施形態において、yは0である。他の実施形態において、yは1である。さらなる実施形態において、yは2である。幾つかの実施形態において、yは3である。他の実施形態において、yは4である。さらなる実施形態において、yは5である。
【0149】
幾つかの実施形態において、zは1〜5である。幾つかの実施形態において、zは0である。他の実施形態において、zは1である。さらなる実施形態において、zは2である。幾つかの実施形態において、zは3である。他の実施形態において、zは4である。さらなる実施形態において、zは5である。
【0150】
他の実施形態において、xは1であり、yは0であり、zは1である。他の実施形態において、xは0であり、yは1であり、zは1である。
【0151】
幾つかの具体的な実施形態において、以下の構造
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
の1つを有する化合物が提供される。
【0152】
図示を簡単にするために、リン部分(例えば、ホスフェートなど)を含む種々の化合物は、アニオン状態(例えば、−OPO
32-)で描かれている。当業者であれば、電荷はpHに依存し、非荷電(例えば、プロトン化されている、又は、ナトリウム若しくは他のカチオンなどの塩)形態もまた本発明の範囲に含まれることを容易に理解するであろう。
【0153】
前述の化合物のいずれかと1つ以上の生体分子とを含む組成物が、様々な他の実施形態において提供される。幾つかの実施形態において、1つ以上の生体分子の検出のための分析方法におけるそのような組成物の使用もまた提供される。
【0154】
さらに他の実施形態において、化合物は種々の分析方法において有用である。例えば、特定の実施形態において、開示は、試料を染色する方法を提供し、該方法は、試料に、構造(I)の化合物であって、R
2が生体分子又は微小分子に対する共有結合を含むリンカーであり、R
3がH、OH、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル又はチオホスホアルキルエーテルである化合物を、該試料が適切な波長で照射されたときに光学応答を生じさせるのに十分な量で添加することを含む。
【0155】
前述の方法の幾つかの実施形態において、R
2は、生体分子に対する共有結合を含むリンカーである。例えば、核酸、アミノ酸又はそれらの重合体(例えば、ポリヌクレオチド又はポリペプチド)である。さらなる実施形態において、生体分子は、酵素、受容体、受容体リガンド、抗体、糖タンパク質、アプタマー又はプリオンである。
【0156】
前述の方法のさらに他の実施形態において、R
2は、微小粒子への共有結合を含むリンカーである。例えば、幾つかの実施形態において、微小粒子は、重合体ビーズ又は非重合体ビーズである。
【0157】
さらなる実施形態において、光学応答は、蛍光応答である。
【0158】
他の実施形態において、試料は細胞を含み、幾つかの実施形態において、細胞をフローサイトメトリで観察することをさらに含む。
【0159】
さらなる実施形態において、該方法は、蛍光応答を、検出可能な異なる光学特性を有する第2のフルオロフォアの蛍光応答から区別することをさらに含む。
【0160】
他の実施形態において、開示は、生体分子を視覚的に検出する方法を提供し、該方法は、
(a)構造(I)の化合物であって、R
2が生体分子又は微小分子に対する供給結合を含むリンカーであり、R
3がH、OH、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル又はチオホスホアルキルエーテルである化合物を準備することと、
(b))該化合物をその視覚的特性によって検出することと、
を含む。
【0161】
例えば、核酸、アミノ酸又はそれらの重合体(例えば、ポリヌクレオチド又はポリペプチド)である。さらなる実施形態において、生体分子は、酵素、受容体、受容体リガンド、抗体、糖タンパク質、アプタマー又はプリオンである。
【0162】
他の実施形態において、生体分子を視覚的に検出する方法が提供され、該方法は、
(a)前述の化合物のいずれかを1つ以上の生体分子と混合することと、
(b)該化合物をその視覚的特性によって検出することと、
を含む。
【0163】
上述のような構造(I)の化合物の任意の実施形態と、上述のような構造(I)の化合物中のR
1、R
2、R
3、L
1、L
2、L
3、L
4、L
5、L
6、M
1、M
2、A、q、w又はnの可変部分に関する本明細書で示した任意の具体的な選択肢とを、構造(I)の化合物の他の実施形態及び/又は可変部分と独立して組み合わせて、上で具体的に示されていない本発明の実施形態を形成することができることが理解される。さらに、選択肢のリストが特定の実施形態及び/又は請求項の中のいずれか特定のR又はM基に関して列挙されている場合、その特定の実施形態及び/又は請求項から各々の個々の選択肢を削除することができること、及び、残りの選択肢リストは、本発明の範囲内にあるものと見なされることが理解される。
【0164】
本説明において、置換基及び/又は図示された式の可変部分の組合せは、そのような寄与が安定な化合物をもたらす結果となる場合にのみ許されることが理解される。
【0165】
本明細書で説明するプロセスにおいて、中間化合物の官能基が適切な保護基で保護される必要があり得ることもまた当業者には理解されるであろう。このような官能基は、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト及びカルボン酸を含む。ヒドロキシのための適切な保護基は、トリアルキルシリル又はジアリールアルキルシリル(例えば、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル又はトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジル、などを含む。アミノ、アミジノ及びグアニジノのための適切な保護基は、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、などを含む。メルカプトのための適切な保護基は、−C(O)−R”(ここでR”は、アルキル、アリール又はアリールアルキル)、p−メトキシベンジル、トリチル、などを含む。カルボン酸のための適切な保護基は、アルキル、アリール又はアリールアルキルエステルを含む。保護基は、当業者に知られた本明細書で説明されているような標準的な技術に従って付加すること又は除去することができる。保護基の使用は、非特許文献2に詳細に記載されている。当業者が認識することになるように、保護基は、Wang樹脂、Rink樹脂又は塩化2−クロロトリチル樹脂のようなポリマー樹脂とすることもできる。
【0166】
さらに、遊離塩基又は酸の形態で存在する本発明の全ての化合物は、当業者に知られた方法により適切な無機又は有機の塩基又は酸で処理することによって、その塩に変換することができる。本発明の化合物の塩は、標準的技術によりその遊離塩基又は酸に変換することができる。
【0167】
以下の反応スキームは、本発明の化合物の例示的な作製方法を示す。当業者は、これらの化合物を類似の方法により又は当業者に知られた他の方法との組合せにより作製することができることが理解される。当業者は、以下で説明するのと類似のやり方で、具体的に下記に示されていない構造(I)の他の化合物を、適切な出発成分を使用し、必要に応じて合成パラメータを修正することによって作製することができることもまた理解される。一般に、出発成分は、Sigma Aldrich、Lancaster Synthesis,Inc.、Maybridge、Matrix Scientific、TCI、及びFluorochem USA、等の供給者から入手することができ、又は当業者に知られたソース(例えば、非特許文献3参照)に従って合成することができ、又は本発明で説明されるように調製することができる。
【0168】
反応スキームI
【化46】
反応スキームIは、構造Iの化合物を調製するための例示的な方法を示す。反応スキーム1を参照すると、構造aの化合物は、購入することもでき、又は当業者に周知の方法で調製することもできる。aとM
1−X(ここでxは、ハロゲン、例えばブロモである)との、当該分野で知られた鈴木カップリング条件下での反応の結果、構造bの化合物が得られる。構造bの化合物を修飾して、構造Iの多数の他の化合物を得ることができる。例えば、構造bの化合物をオリゴマー化して、構造Iの他の化合物(すなわち、nが1より大きく、例えば2〜10である)を得ることができる。オリゴマー化のための例示的方法として、当該分野で周知のホスホロアミダイトベースの固相オリゴヌクレオチド合成に類似の方法が挙げられる。
【0169】
反応スキームII
【化47】
反応スキームIIは、構造Iの化合物の調製のための代替的方法を示す。この手法では、購入することができる又は周知技術により調製することができる構造cの化合物をM
1−Zと反応させて、構造dの化合物を得る。ここでY及びZは、相補的な反応性を有する官能基(すなわち、反応して共有結合を形成する官能基)を表す。Zは、M
1のペンダント基、又はMの構造骨格の一部、例えば環状無水物とすることができる。Yは、任意の数の、アミノなどの官能基とすることができる。
【0170】
リボース部分を含む構造(I)の化合物は、類似の手順により調製されるか、又は商業的供給者から購入される(例えば、ホスホロアミダイトとして)。
【0171】
特定の実施形態において、構造Iの化合物は、2〜10個の繰返し単位を含むオリゴマーである。このようなオリゴマーは、周知の自動化DNA合成方法に類似の方法を用いて調製することができる。DNA合成方法は、当該分野で周知である。簡単に言えば、2つのアルコール基を、それぞれ、ジメトキシトリチル(DMT)基及び2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノホスホロアミダイト基で官能化する。ホスホロアミダイト基は、典型的にはテトラゾールのような活性化剤の存在下でアルコール基に結合され、次いでリン原子がヨウ素で酸化される。ジメトキシトリチル基を酸(例えば、クロロ酢酸)で除去して遊離アルコールを露出させることができ、これがホスホロアミダイト基と反応することができる。オリゴマー化の後、アンモニア水で処理することにより、2−シアノエチル基を除去することができる。
【0172】
オリゴマー化法で用いられるホスホロアミダイトの調製もまた当該分野で周知である。例えば、第一級アルコール(例えば、R
3)をDMT−Clとの反応によりDMT基として保護する。次いで第二級アルコール(例えばR
2)を、2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイトなどの適切な試薬との反応によりホスホロアミダイトとして官能化する。ホスホロアミダイトの調製及びそのオリゴマー化のための方法は、当該分野で周知であり、実施例においてより詳細に説明する。
【0173】
以下の例は、限定ではなく、例証の目的で提示するものである。
【実施例】
【0174】
一般的方法
1H及び
31P NMRスペクトルを、JEOL400MH分光計で得た。
31P NMRスペクトルは、85%リン酸水溶液を標準とし、
1Hスペクトルは、TMSを標準とした。逆相HPLC染料分析を、Waters Acquity UHPLCシステムを用いて、45℃に保持した2.1mm×50mmのAcquity BEH−C18カラムで行った。質量スペクトル分析を、Waters/Micromass QuattroマイクロMS/MSシステム(MS単独モードにて)にて、MassLynx4.1収集ソフトウェアを用いて行った。染料に対するLC/MS用の移動相は、100mMの1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP)、8.6mMのトリエチルアミン(TEA)、pH8とした。ホスホロアミダイト及び前駆体分子を、ダイオードアレイ検出器及び高速自動サンプラーを装備したAgilent Infinity 1260 UHPLCシステムを用いて、Aapptec(コピーライト)Spirit(商標)ペプチドC18カラム(4.6mm×100mm、粒径5μm)を用いて分析した。励起及び発光プロファイルを、Cary Eclipseスペクトル光度計で記録した。
【0175】
全ての反応は、特段の断りのない限り、オーブン乾燥したガラス器具内で窒素雰囲気下で行った。市販のDNA合成試薬は、Glen Research(Sterling、ヴァージニア州)から購入した。無水ピリジン、トルエン、ジクロロメタン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、酢酸、ピリジン、及びTHFは、Aldrichから購入した。他の全ての化学製品は、Aldrich又はTCIから購入し、さらに精製することなくそのまま使用した。
【0176】
全てのオリゴマー染料は、ABI394 DNA合成機にてホスホロアミダイトベースのカップリング手法のための標準プロトコルを用いて合成した。オリゴマーの合成のための鎖組立てサイクルは、以下の通りである。(i)ジクロロメタン中、3%トリクロロ酢酸での脱トリチル化、1分間;(ii)、アセトニトリル中、0.1Mホスホルアミダイト及び0.45Mテトラゾールでのカップリング、10分間;(iii)容積/容積で1/1のTHF/ルチジン中、0.5M無水酢酸でのキャッピング、15秒間;(iv)容積/容積/容積で10/10/1のTHF/ピリジン/水中、0.1Mヨウ素での酸化、30秒間。
【0177】
サイクル内の化学ステップの後、アセトニトリルでの洗浄及び乾燥アルゴンでのフラッシングを0.2〜0.4分間行った。支持体からの切断、並びに塩基及びホスホロアミダート保護基の除去は、アンモニアで室温にて1時間処理することによって達成した。次いでオリゴマー染料を、逆相HPLCにより上述のように分析した。
【0178】
実施例1
ホスホルアミダイト染料モノマーの合成
【化48】
【0179】
1−O−(4,4’−ジメトキシトリチル−2−メチレン−1,3−プロパンジオール(1)。乾燥した500mL丸底フラスコの中に撹拌子を入れた。窒素でフラッシングした後、乾燥ピリジン(240mL)を加え、フラスコを氷浴中で15分間冷却した。冷えたらDMTrCl(7.65g、22.5mmol)を加え、その後、フラスコを冷蔵庫内で4℃にて窒素雰囲気下、終夜撹拌した。次いで数滴のメタノールを加え、反応を減圧下、粘性ゴム状になるまで濃縮した。得られたゴムをEtOAc(200mL)に溶解し、NaHCO
3(250mL)及び飽和NaCl(250mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥し、減圧下、粘性ゴム状になるまで濃縮した。単離された粗生成物を洗浄し、次にシリカゲルカラムクロマトグラフィで、EtOAc:ヘキサン(25:75v/v)−(1:1v/v)のグラジエントで溶出して精製し、透明ゴム状物として1を得た(5.21g、60%)。
1H NMRを記録し、化合物1の構造と一致することを見いだした。
【0180】
1−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2−ヒドロキシメチル−3−ピレニルプロパノール(2)。凝縮器を装着した乾燥した250mL丸底フラスコの中に撹拌子を入れた。フラスコを窒素でパージし、THF(40mL)及び化合物1(5.0g、12.8mmol)を加えた。THF中の0.5Mの9−BBN(65mL、32mmol)をシリンジにより加え、反応を12時間加熱還流した。反応が室温まで冷えた後、3MのK
2CO
3(11ml)及び乾燥DMF(100mL)を加えた。1−ブロモピレン(2.0g、6.5mmol)及びPdCl
2(dppf)(0.65g、0.8mmol)を加え、溶液を室温で15時間撹拌した。反応混合物をCH
2Cl
2(300mL)に注ぎ入れ、H
2O(500mL)で洗浄した。次いで水層を追加のCH
2Cl
2(200mL)で逆抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl(300mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で粘性ゴム状になるまで濃縮した。単離された粗生成物を洗浄し、次にシリカゲルカラムクロマトグラフィで、EtOAc:ヘキサン(25:75v/v)−(1:1v/v)のグラジエントで溶出して精製し、透明ゴム状物として2を得た(3.0g、79%)。
1H NMRスペクトルを記録し、化合物2の構造と一致することを見いだした。
【0181】
1−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)−2−メチルピレン−3−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピル)プロパンホスホロアミダイト(3)。乾燥した100mL丸底フラスコの中に撹拌子を入れた。フラスコを窒素でパージした後、CH
2Cl
2(20mL)及び化合物2(0.30g、0.50mmol)を加えた。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.88mL、5.0mmol)及び2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(0.45mL、2.0mmol)をシリンジにより加えた。室温で1時間撹拌した後、反応が完了していることをTLC分析により確認した。次いで粗反応混合物を直接、シリカゲルカラムクロマトグラフィで、EtOAc:ヘキサン:TEA(22.5:72.5:5v/v/v)のグラジエントで溶出して精製し、白色泡状物として3を得た(0.28g、70%)。
31P NMRスペクトルを記録し、化合物3の構造と一致することを見いだした。純度は、HPLC分析により254nm及び340nmにて検出して決定した。
【0182】
異なるAr基(例えば、ペリレン)を有する他の化合物を同様の方法で調製した。
【0183】
実施例2
ペリレンカルボジイミド染料モノマーの合成
【化49】
【0184】
N−(2,3−プロパンジオール)ペリレンモノイミド(4)。凝縮器を装着した乾燥した200mL丸底フラスコに、撹拌子及びペリレン一無水物
1(1.83g、5.67mmol)を入れた。3−アミノ−1,2−プロパンジオール(1.1g、2.1mmol)及びイミダゾール(14.3g、0.21mol)を加えた後、容器を油浴中で140℃まで15時間加熱した。反応を室温まで冷却し、その後、10%HCl(500mL)を加えた。得られた深紅色沈殿を濾過によって収集し、水でよく洗い、180℃にて数時間乾燥して、深紅色の固体として4を得た(1.95g、86%)。
【0185】
N−(3−O−(4,4’−ジメトキシトリチル−2−ヒドロキシプロパン)ペリレンモノイミド(5)。乾燥した200mL丸底フラスコの中に撹拌子を入れた。フラスコを窒素でパージした後、乾燥ピリジン(120mL)、化合物4(0.44g、1.1mmol)、及び塩化ジメトキシトリチル(0.45g、1.3mmol)を全て加え、反応を室温で48時間撹拌した。次いで数滴のメタノールを加え、反応を減圧下、粘性ゴム状になるまで濃縮した。得られたゴム状物をCH
2Cl
2(200mL)に溶解し、飽和NaCl(200mL)で洗浄した。水層をCH
2Cl
2(3×100mL)で洗浄した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、減圧下、粘性ゴム状になるまで濃縮した。単離された粗生成物を、次にシリカゲルカラムクロマトグラフィで、EtOAc:CH
2Cl
2(0:100v/v)−(2:3v/v)のグラジエントで溶出して精製し、赤色泡状物として5を得た(0.25g、50%)。
【0186】
N−(3−O−(4,4’−ジメトキシトリチル−2−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノホスホロアミダイト)ペリレン−モノイミド(6)。乾燥した50mL丸底フラスコの中に撹拌子を入れた。フラスコを窒素でパージした後、CH
2Cl
2(5mL)及び化合物5(0.25g、0.36mmol)を加えた。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.24mL、1.79mmol)及び2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(0.16mL、0.72mmol)をシリンジにより加えた。室温で1時間撹拌した後、反応が完了していることをTLC分析により確認した。次いで粗反応混合物を直接、シリカゲルカラムクロマトグラフィで、CH
2Cl
2:TEA(95:5v/v)で溶出して、暗赤色の泡状物として6を得た(0.26g、80%)。精製された化合物を、RP−HPLCにより254nm及び500nmにて検出して分析した。2つのジアステレオ異性体が存在することが見いだされた。
【0187】
実施例3
オリゴマー染料の合成
オリゴマー染料を、Applied Biosystems 394 DNA/RNA合成機又はGE AKTAe10 OligoPilotで、1μmol又は10μmolスケールのいずれかで合成し、これは3’−ホスフェート基を有していた。染料は、CPGビーズ上にて又はポリスチレン固体支持体上にて直接合成した。染料は、標準的な固相DNA法によって3’から5’の方向で合成した。カップリング方法は、標準的なβ−シアノエチルホスホロアミダイト化学条件を使用した。全てのホスホロアミダイトモノマーをアセトニトリル/ジクロロメタン(0.1M溶液)に溶解し、以下の合成サイクルを用いて順番に加えた:1)トルエン中のジクロロ酢酸による5’−ジメトキシトリチル保護基の除去、2)アセトニトリル中の活性化剤による、次のホスホロアミダイトのカップリング、3)ヨウ素/ピリジン/水による酸化、及び4)無水酢酸/1−メチルイミジゾール(methylimidizole)/アセトニトリルによるキャッピング。合成サイクルを、5’オリゴフルオロシドが組み立てられるまで繰り返した。鎖の組立てが終了した時点で、モノメトキシトリチル(MMT)基又はジメトキシトリチル(DMT)基を、ジクロロメタン中のジクロロ酢酸又はトルエン中のジクロロ酢酸によって除去した。染料を、濃水酸化アンモニウム水溶液を用いて室温にて2〜4時間かけて、固体支持体から切断した。生成物を減圧下で濃縮し、Sephadex G−25カラムを用いて主生成物を単離し、これをRP−HPLCで分析した。一般的方法に従って調製された代表的オリゴマーの配列、並びにエレクトロスプレー質量分析によって決定されたスペクトル特性及び分子量(MW)を表1に示す。
【0188】
【表1】
【0189】
上記配列の構造は、本明細書中、上で図示したものである。
【0190】
本明細書において引用される、2013年8月22日出願の米国特許出願番号第61/868,973号を含むがこれに限定されない、全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願及び非特許刊行物は、本説明と矛盾しない範囲でその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0191】
本明細書では、本発明の具体的な実施形態を例証の目的で説明してきたが、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく種々の修正を行うことができることが、前述のことから理解されるであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲による限定を除いて限定されることはない。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕以下の構造(III)
を有する化合物であって、ここで
M1及びM2は、各存在において、独立して、2つ以上の二重結合及び少なくとも1共役度を含む部分であり、M1の少なくとも1つの存在は、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
L1、L3、L4、L6、L7及びL8は、各存在において、独立して、任意のアルキレン又はヘテロアルキレンリンカーであり、
R1は、各存在において、独立してH、アルキル又はアルコキシであり、
R2は、電子対、H、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル若しくはチオホスホアルキルエーテルであり、又は、R2は、生体分子若しくは微小粒子に対する共有結合を含むリンカーであり、
R3は、H、OH、SH、−NH2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルであり、
R4は、各存在において、独立してO-、S-、OZ、SZ又はN(R6)2であり、ここでZはカチオンであり、各R6は、独立してH又はアルキルであり、
R5は、各存在において、独立してオキソ、チオキソであるか又は存在せず、
nは、2〜20の整数であり、且つ
q及びwは、nの各整数値に関して各々独立して0又は1であり、ここでqは、nの少なくとも2つの整数値に関して1であり、又は、ここでq及びwは各々独立して、nの少なくとも1つの整数値に関して1である
ことを特徴とする、化合物。
〔2〕nの各整数値に関して、qが1及びwが0である、前記〔1〕に記載の化合物。
〔3〕前記化合物が以下の構造(IIa)
を有し、ここで
M1は、各存在において、独立して、2つ以上の二重結合及び少なくとも1共役度を含む部分であり、M1の少なくとも1つの存在は、4つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
L1、L7及びL3は、各存在において、独立して任意のアルキレン又はヘテロアルキレンリンカーであり、
R1は、各存在において、独立してH、アルキル又はアルコキシであり、
R2は、H、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル若しくはチオホスホアルキルエーテルであり、又は、R2は、生体分子若しくは微小粒子に対する共有結合を含むリンカーであり、
R3は、H、OH、SH、−NH2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、シアノアルキル、−Oアラルキル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルであり、
R4は、各存在において、独立してO-、S-、OZ、SZ又はN(R6)2であり、ここでZはカチオンであり、各R6は、独立してH又はアルキルであり、
R5は、各存在において、独立してオキソ、チオキソであるか又は存在せず、且つ
nは、2〜10の整数である、
前記〔2〕に記載の化合物。
〔4〕前記化合物が以下の構造(IIb)
を有し、ここで
R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、各存在において、独立してH又はアルキルであり、且つ
x1、y1及びz1は、各存在において、独立して0〜5の整数である、
前記〔3〕に記載の化合物。
〔5〕前記化合物が以下の構造(IIc)、(IId)、(IIe)又は(IIf)
の1つを有する、前記〔4〕に記載の化合物。
〔6〕nの少なくとも1つの整数値に関してwが1である、前記〔1〕に記載の化合物。
〔7〕前記化合物が以下の構造(IIIb)
を有し、ここで
R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、各存在において、独立してH又はアルキルであり、且つ
x1、x2、y1、y2、z1及びz2は、各存在において、独立して0〜5の整数である、前記〔6〕に記載の化合物。
〔8〕R5がオキソであり、R4がO-又はOZである、前記〔7〕に記載の化合物。
〔9〕R2がH又は電子対である、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔10〕R2が、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル又はスルフヒドリルアルキルエーテルである、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔11〕R2が以下の構造、
の1つを有し、ここで
R2aは、−OH、−NH2又は−SHであり、且つ
aは、1〜10の整数である、
前記〔10〕に記載の化合物。
〔12〕R2が、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル又はチオホスホアルキルエーテルであり、ここでR2は、−OH、−NH2及び−SHから選択される置換基で任意に置換されていてもよい、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔13〕R2が以下の構造
の1つを有し、ここで、
R2aは、−OH、−SH、−NH2、ホスフェート又はチオホスフェートであり、
R4a及びR4bは、独立してO-、S-、OZ又はSZであり、ここでZはカチオンであり、
R5a及びR5bは、独立してオキソ又はチオキソであり、且つ
a、b及びcは、各々独立して1〜10の整数である、
前記〔12〕に記載の化合物。
〔14〕R3がOHである、前記〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔15〕R3が、−OH、−NH2、及び−SHから選択される置換基で任意に置換されていてもよい、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、−Oホスホアルキル、−Oホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルである、前記〔1〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔16〕R3が以下の構造
の1つを有し、ここで
R3aは、−OH、−SH、−NH2、ホスフェート又はチオホスフェートであり、
R4a及びR4bは、独立してO-、S-、OZ又はSZであり、ここでZはカチオンであり、
R5a及びR5bは、独立してオキソ又はチオキソであり、且つ
b及びcは、各々独立して1〜10の整数である、
前記〔15〕に記載の化合物。
〔17〕R4a及びR4bが各々O-であり、且つR5a及びR5bが各々オキソである、前記〔13〕又は〔16〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔18〕R4a及びR4bが各々O-であり、且つR5a及びR5bが各々チオキソである、前記〔13〕又は〔16〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔19〕R4a及びR4bが各々S-であり、且つR5a及びR5bが各々チオキソである、前記〔13〕又は〔16〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔20〕R4a及びR4bが各々S-であり、且つR5a及びR5bが各々オキソである、前記〔13〕又は〔16〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔21〕a、b又はcの少なくとも1つが2である、前記〔13〕又は〔16〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔22〕a、b及びcの各々が2である、前記〔21〕に記載の化合物。
〔23〕a、b又はcの少なくとも1つが6である、前記〔13〕又は〔16〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔24〕a、b及びcの各々が6である、前記〔23〕に記載の化合物。
〔25〕nが1〜5の整数である、前記〔1〕〜〔24〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔26〕nが2〜15の整数である、前記〔1〕〜〔24〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔27〕nが2〜10の整数である、前記〔1〕〜〔24〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔28〕nが2〜5の整数である、前記〔26〕に記載の化合物。
〔29〕以下の構造(IV)
を有する化合物であって、ここで
M1は、各存在において、独立して、2つ以上の二重結合及び少なくとも1共役度を含む部分であり、M1の少なくとも1つの存在は、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
L1、L3及びL7は、各存在において、独立して、任意のアルキレン又はヘテロアルキレンリンカーであり、
R1は、各存在において、独立してH、アルキル又はアルコキシであり、
R2は、ホスホ、チオホスホ、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル若しくはチオホスホアルキルエーテルであり、又はR2は、生体分子若しくは微小粒子に対する共有結合を含むリンカーであり、
R3は、H、OH、SH、−NH2、アルキル、アルキルエーテル、ヒドロキシルアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキルエーテル、スルフヒドリルアルキル、スルフヒドリルアルキルエーテル、ホスフェート、チオホスフェート、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル、チオホスホアルキルエーテル、−Oホスホアルキル、O−ホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルであり、
R4は、各存在において、独立してO-、S-、OZ、SZ又はN(R6)2であり、ここでZはカチオンであり、各R6は、独立してH又はアルキルであり、
R5は、各存在において、独立してオキソ、チオキソであるか又は存在せず、
nは、1〜20の整数である、
ことを特徴とする、化合物。
〔30〕R2が、アルキルホスホ、アルキルチオホスホ、アルキルエーテルホスホ、アルキルエーテルチオホスホ、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル又はチオホスホアルキルエーテルであり、ここでR2は、−OH、−NH2及び−SHから選択される置換基で任意に置換されていてもよい、前記〔29〕に記載の化合物。
〔31〕R2が以下の構造
の1つを有し、ここで、
R2aは、−OH、−SH、−NH2、ホスフェート又はチオホスフェートであり、
R4a及びR4bは、独立してO-、S-、OZ又はSZであり、ここでZはカチオンであり、
R5a及びR5bは、独立してオキソ又はチオキソであり、且つ
a、b及びcは、各々独立して1〜10の整数である、
前記〔30〕に記載の化合物。
〔32〕R3がOHである、前記〔29〕〜〔31〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔33〕R3が、−OH、−NH2、及び−SHから選択される置換基で任意に置換されていてもよい、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホ、チオホスホ、−Oアルキルホスホ、−Oアルキルチオホスホ、−Oアルキルエーテルホスホ、−Oアルキルエーテルチオホスホ、−Oホスホアルキル、−Oホスホアルキルエーテル、−Oチオホスホアルキル又は−Oチオホスホアルキルエーテルである、前記〔29〕〜〔31〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔34〕R3が以下の構造
の1つを有し、ここで
R3aは、−OH、−SH、−NH2、ホスフェート又はチオホスフェートであり、
R4a及びR4bは、独立してO-、S-、OZ又はSZであり、ここでZはカチオンであり、
R5a及びR5bは、独立してオキソ又はチオキソであり、且つ
b及びcは、各々独立して1〜10の整数である、
前記〔33〕に記載の化合物。
〔35〕各存在において、R4がO-であり、且つR5がオキソである、前記〔29〕〜〔34〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔36〕L1、L3及びL7が各々アルキレンリンカーである、前記〔29〕〜〔35〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔37〕L1及びL3が各々アルキレンリンカーであり、且つL7が存在しない、前記〔29〕〜〔35〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔38〕アルキレンがメチレンである、前記〔36〕又は〔37〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔39〕以下の構造(Ig)
を有する化合物であって、ここで
M1は、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
R1は、H、C1−C6アルキル又はアルコキシであり、
R2は、シアノアルキルであり、
R3は、H又は−Oアラルキルであり、
R6は、C1−C6アルキルであり、
R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、各存在において、独立してH又はアルキルであり、且つ
x、y及びzは、各存在において、独立して0〜5の整数である
ことを特徴とする、化合物。
〔40〕各R6がイソプロピルである、前記〔39〕に記載の化合物。
〔41〕R2が2−シアノエチルである、前記〔39〕〜〔40〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔42〕R3が−ODMTである、前記〔39〕〜〔41〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔43〕x、y及びzが各々1である、前記〔39〕〜〔42〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔44〕xが0であり、且つy及びzが各々1である、前記〔39〕〜〔42〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔45〕以下の構造(Ih)
を有する化合物であって、ここで
M1は、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
R2は、H、電子対又はカチオンであり、
R3は、OHであり、
R4は、O-、S-、OZ、SZであり、ここでZはカチオンであり、
R5は、オキソ又はチオキソであり、
R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、各存在において、独立してH又はアルキルであり、且つ
x、y及びzは、各存在において、独立して0〜5の整数である
ことを特徴とする、化合物。
〔46〕x、y及びzが各々1である、前記〔45〕に記載の化合物。
〔47〕xが0であり、且つy及びzが各々1である、前記〔45〕に記載の化合物。
〔48〕M1の少なくとも1つが、4つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分である、前記〔1〕〜〔47〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔49〕M1が、各存在において、独立して蛍光性又は有色である、前記〔1〕〜〔48〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔50〕Mが蛍光性である、前記〔49〕に記載の化合物。
〔51〕各M1が4つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分である、前記〔1〕〜〔50〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔52〕各M1が少なくとも4つのアリール環を含む、前記〔1〕〜〔51〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔53〕各M1が少なくとも1つのヘテロアリール環を含むことを特徴とする、いずれか1つの化合物。
〔54〕各M1が、少なくとも4つの縮合環を含む縮合マルチ環式アリール部分を含む、前記〔1〕〜〔53〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔55〕M1が、各存在において、独立して少なくとも1つの置換基を含む、前記〔1〕〜〔54〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔56〕前記置換基が、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヒドロキシ、スルフヒドリル、アルコキシ、アリールオキシ、フェニル、アリール、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、カルボキシ、スルホネート、アミド、又はホルミル基である、前記〔55〕に記載の化合物。
〔57〕少なくとも1つのM1が、ジメチルアミノスチルベン、キナクリドン、フルオロフェニル−ジメチル−BODIPY、his−フルオロフェニル−BODIPY、アクリジン、テリレン、セキシフェニル、ポルフィリン、ベンゾピレン、(フルオロフェニル−ジメチル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、(ビス−フルオロフェニル−ジフルオロボラ−ジアザ−インダセン)フェニル、クアテルフェニル、ビ−ベンゾチアゾール、テル−ベンゾチアゾール、ビ−ナフチル、ビ−アントラシル、スクアライン、スクアリリウム、9,10−エチニルアントラセン又はテル−ナフチル部分である、前記〔1〕〜〔56〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔58〕少なくとも1つのM1が、p−テルフェニル、ペリレン、アゾベンゼン、フェナジン、フェナントロリン、アクリジン、チオキサントレン、クリセン、ルブレン、コロネン、シアニン、ペリレンイミド、若しくはペリレンアミド又はそれらの誘導体である、前記〔1〕〜〔56〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔59〕少なくとも1つのM1が、クマリン染料、レソルフィン染料、ジピロメテンボロンジフルオリド染料、ルテニウムビピリジル染料、エネルギー移動染料、チアゾールオレンジ染料、ポリメチン又はN−アリール−1,8−ナフタルイミド染料である、前記〔1〕〜〔56〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔60〕各M1が、ピレン、ペリレン、ペリレンモノイミド若しくは6−FAM又はそれらの誘導体である、前記〔1〕〜〔56〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔61〕M1が、以下の構造
の1つを有する、前記〔1〕〜〔56〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔62〕M2の少なくとも1つの存在が塩基対部分である、前記〔1〕〜〔61〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔63〕M2の各存在が塩基対部分である、前記〔62〕に記載の化合物。
〔64〕前記塩基対部分が、プリン、ピリミジン、ジヒドロピリミジン又はそれらの誘導体である、前記〔62〕又は〔63〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔65〕前記塩基対部分が以下の構造
の1つを有する、前記〔62〕〜〔64〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔66〕R2が生体分子若しくは微小粒子に対する共有結合を含むリンカーであり、且つR3がH、OH、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホアルキル、ホスホアルキルエーテル、チオホスホアルキル又はチオホスホアルキルエーテルである、前記〔1〕〜〔8〕又は〔29〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔67〕R2が生体分子に対する共有結合を含むリンカーである、前記〔66〕に記載の化合物。
〔68〕前記生体分子が、核酸、アミノ酸又はそれらの重合体である、前記〔67〕に記載の化合物。
〔69〕前記生体分子が、酵素、受容体、受容体リガンド、抗体、糖タンパク質、アプタマー又はプリオンである、前記〔67〕〜〔68〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔70〕R2が微小粒子への共有結合を含むリンカーである、前記〔66〕に記載の化合物。
〔71〕前記微小粒子が、重合体ビーズ又は非重合体ビーズである、前記〔70〕に記載の化合物。
〔72〕R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、存在する場合には各々Hである、前記〔4〕、〔5〕又は〔7〕〜〔71〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔73〕x1、y1及びz1が、各々1である、前記〔4〕、〔5〕又は〔7〕〜〔38〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔74〕各x1が0であり、且つ各y1及びz1が1である、前記〔4〕、〔5〕又は〔7〕〜〔38〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔75〕各x2が1であり、且つ各y2及びz2が0である、前記〔7〕〜〔38〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔76〕以下の構造(IIi)
を有する化合物であって、ここで
M1は、3つ以上のアリール若しくはヘテロアリール環、又はそれらの組合せを含む部分であり、
R1は、H、C1−C6アルキル又はアルコキシであり、
R2は、シアノアルキルであり、
R6は、C1−C6アルキルであり、且つ
L1及びL4は、各々独立して、任意のアルキレン又はヘテロアルキレンリンカーであることを特徴とする、化合物。
〔77〕各R6がイソプロピルである、前記〔76〕に記載の化合物。
〔78〕R2が2−シアノエチルである、前記〔76〕〜〔77〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔79〕R1がHである、前記〔76〕〜〔78〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔80〕L1及びL4が各々独立してアルキレンリンカーである、前記〔76〕〜〔79〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔81〕M1が、前記〔48〕〜〔61〕のいずれか1項で定義されたものである、前記〔76〕〜〔80〕のいずれか1項に記載の化合物。
〔82〕以下の構造
の1つを有する化合物。
〔83〕試料を染色する方法であって、前記試料に、前記〔66〕〜〔71〕のいずれか1項に記載の化合物を、前記試料が適切な波長で照射されたときに光学応答を生じさせるのに十分な量で添加するステップを含むことを特徴とする、方法。
〔84〕前記光学応答が蛍光応答である、前記〔83〕に記載の方法。
〔85〕前記試料が細胞を含む、前記〔83〕〜〔84〕のいずれか1項に記載の方法。
〔86〕前記細胞をフローサイトメトリで観察することを更に含む、前記〔85〕に記載の方法。
〔87〕前記蛍光応答を、検出可能な異なる光学特性を有する第2のフルオロフォアの蛍光応答から区別するステップを更に含む、前記〔86〕に記載の方法。
〔88〕生体分子を視覚的に検出する方法であって、
(a)前記〔66〕〜〔71〕のいずれか1項に記載の化合物を準備するステップと、
(b)前記化合物をその視覚的特性によって検出するステップと
を含むことを特徴とする、方法。
〔89〕生体分子を視覚的に検出する方法であって、
(a)前記〔1〕〜〔82〕のいずれか1項に記載の化合物を1つ以上の生体分子と混合するステップと、
(b)前記化合物をその視覚的特性によって検出するステップと
を含むことを特徴とする、方法。
〔90〕前記〔1〕〜〔82〕のいずれか1項に記載の化合物と、1つ以上の生体分子とを含むことを特徴とする組成物。
〔91〕前記1つ以上の生体分子を検出するための分析方法における前記〔90〕に記載の組成物の使用。