(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
感圧性接着剤の層は毛細管流路を通って前記流体サンプルの少なくとも一部の流れを遅らせるために前記流体サンプルの少なくとも一部と相互に作用する、請求項7に記載のデバイス。
微小多孔性の基材は、前記流体サンプルの少なくとも一部が流れの方向に微小多孔性の基材を通過する際に、流体の最前部の実質的な均一化を促すように構成された幾何学的形状を有する、請求項12に記載のデバイス。
微小多孔性の基材は、a)砂時計の形をした幾何学的形状、b)検出基材の中心方向の卵形の開口部、またはc)流体の最前部の実質的な均一化を促すための複数の開口部を有する、請求項13に記載のデバイス。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
涙膜のオスモル濃度は、KCSと他の疾患の診断書の感度の高く特異的な指標である。サンプル流体(非限定的な例として、涙液)のオスモル濃度は、非限定的な例として「凝固点降下」と呼ばれるエクスビボ技術によって決定され、ここで、溶媒(非限定的な例として、水)中の溶質またはイオンは、イオンを含まない際と比較して流体の凝固点の降下を引き起こす。凝固点降下分析では、イオン化されたサンプル流体の凝固点は、一定量のサンプル(典型的には約数ミリリットル)が容器(非限定的な例として、チューブ)中で最初に凝固し始める温度を検出することにより見つけられる。凝固点を測定するために、一定量のサンプル流体がチューブなどの容器へ集められる。次に、温度プローブをサンプル流体に浸し、容器を氷浴槽またはPeltier冷却デバイスに接触させる。サンプルを継続的に撹拌することで、その凝固点よりも下の過冷却液体状態を達成する。機械的な誘発に際して、サンプルは凝固して、熱力学的な融解熱によりその氷点にまで上昇する。0°C以降のサンプル凝固点からの偏差はサンプル流体中の溶質レベルに比例する。この種の測定デバイスはしばしば浸透圧計と呼ばれる。
【0005】
現在、凝固点降下測定は、マイクロピペットまたは毛細管チューブを使用して目から涙サンプルを取り除き、オスモル濃度の増大に起因する凝固点の降下を測定することによりエクスビボでなされている。しかしながら、こうしたエクスビボ測定は多くの困難に悩まされることがしばしばある。例えば、涙サンプルの凝固点降下分析を行うために、比較的大量に、典型的には約20マイクロリットル(μL)の涙膜を集めなければならない。せいぜい約10〜約100ナノリットル(nL)の涙サンプルがKCS患者から常に得られるため、従来のエクスビボ技術のための十分な量の流体の収集では、医師が患者の反射的な涙液を誘発することを要求される。反射的な涙液は、大きなごみ片が目に入った時に似て、眼表面に対する鋭敏なまたは長時間の刺激によって引き起こされる。反射的な涙液はより希薄であり、言いかえれば、目に通常見られる涙よりも有している溶質イオンが少ない。涙膜のいかなる希釈も、ドライアイに対するオスモル濃度テストの診断能力を無効にし、したがって、現在入手可能なエクスビボ方法を臨床設定では禁止する。
【0006】
同様のエクスビボ技術は、十分な流体が吸収されるまで、一枚の小さな円形の濾過紙を患者の眼瞼の真下に入れる蒸気圧浸透圧測定である。濾紙ディスクは密封したチャンバに入れられ、そこで冷却された温度センサーがその表面上の蒸気の縮合を測定する。最終的に、温度センサーはサンプルの露点にまで上昇する。水に比例した露点の減少はその後、オスモル濃度に変換される。既存の蒸気圧浸透圧計のための反射的な涙液の誘発と大容量が必要となるので、こうした技術はドライアイの判定には現在では実用的ではない。
【0007】
Clifton ナノリットル Osmometer(Clifton Technical Physics of Hartford, N.Y., USAから入手可能)は、KCS患者の溶質濃度を定量化するために研究所環境下で広範に使用されてきたが、こうした機械は作動させるためにかなりのトレーニングを必要とする。こうした機器の操作は一般に、許容可能なデータを生成するために1時間のキャリブレーションと熟練した専門家を要求する。さらに、Clifton ナノリットル Osmometerはさらにかさばり、比較的高価である。こうした特性により、臨床的な浸透圧計としての使用は著しく減る。
【0008】
加えて、瞬きのあいだの涙膜のオスモル濃度の変化は、ドライアイ疾患の基本的な特性である。蒸発と不安定な涙膜からの水分損失によって起こるこうした瞬き間の変化は、重症度の増大とともに振幅を増加させて、瞬きの間の対象の分析物の無秩序な濃度プロファイルをもたらす。当業者がサンプル浸透圧に対して標準化することによりドライアイ疾患の生物学的変動を補うことがあるため、涙液のオスモル濃度と対象の分析物の同時または連続的な測定は役に立つ。
【0009】
涙膜内の分析物を測定するための既存の技術は、スポンジを使って眼表面を繰り返し軽く叩くこと、患者の眼瞼の下にSchirmerストリップに似たろ過紙を置くこと、または紙を結膜に対して押し当ててその後に細胞の表層面を剥がすから結膜圧痕細胞診(conjunctival impression cytology)のいずれかを用いて、一定量の涙膜を収集することを必要とする。研究設定では、マイクロリットルの涙液がサンプリングの繰り返しによって毛細管チューブへと収集されるが、この技術は特別なトレーニングを必要とし、いくつかの例では、既存のアッセイを実行するのに必要な量を得るためにドライアイの患者の上で10分以上必要とする。こうした技術はすべて反射的な涙液の危険を導入し、これは、眼表面とマイボーム腺全体からの寄与をより反映する基底の涙よりもむしろ涙液の排出量に偏った低浸透圧な流体を生成する。
【0010】
上記の議論から、対象の分析物と涙液のオスモル濃度のための一体となった収集および測定技術が臨床状況下では一般に利用できず、ほとんどの患者から入手可能な少量を手に入れることができないということを自明である。したがって、改良された、臨床的に実行可能で、ナノリットル大きさのオスモル濃度および分析物の測定技術に対するニーズがある。本発明は少量分析用の様々な改良点を有するデバイスでこのニーズを満たす。
【0011】
本開示は涙液のサンプルなどの流体サンプルを分析するためのシステム、方法、およびデバイスを提供する。
【0012】
本明細書に記載される手法は、単一の微小流体デバイスを使用して、対象の流体サンプル(非限定的な例として、オスモル濃度、分析物濃度、またはその両方)の1つ以上の特性の検出を許可し、それによって、いくつかの実施形態では、様々な病状を分析するために定量化されて使用される1つ以上のサンプル読み取り値を生成する。特定の実施形態では、本発明により、単一のサンプル量で複数の様々な分析を行うことが可能となり、それによって、診断試験の速度、多用途性、および利便性が増加する。さらに、本開示のシステム、方法、およびデバイスは、少量のサンプル量(非限定的な例としてマイクロリットルまたはナノリットルの量)での使用に適しており、このことは限られた量のサンプル、非限定的な例として目の疾患の分析のための涙膜サンプルしか利用できない用途ではとりわけ有益である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
いくつかの実施形態では、流体サンプルを分析するためのデバイスが提供され、該デバイスは:一定量の流体サンプルを受け取るように形成されるとともに、第1のサンプル読み取り値を生成するために上記量のエネルギー特性を検出するように構成された少なくとも1つのトランスデューサを含む、第1のサンプル領域と;第1のサンプル受け取り部分と流体連通するとともに、上記量の少なくとも一部を受け取るように形成された、第2のサンプル領域であって、第2のサンプル読み取り値を生成するために上記量の少なくとも一部内で1つ以上の分析物を検出するように構成された検出基材を含む、第2のサンプル領域、とを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、デバイスは、第1のサンプル領域から第2のサンプル領域への上記量の流動を制御する測定機構をさらに含む。いくつかの実施形態では、測定機構はパッシブバルブあるいはアクティブバルブを含む。非限定的な典型的なパッシブバルブは、第2のサンプル領域への流体の流れを抑制する1つ以上の幾何学的形状を含んでいる。いくつかの実施形態では、パッシブバルブは親水性の断絶した受け取り基材で構成される。いくつかの実施形態では、パッシブバルブは加圧された流体の量によって圧倒される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるようなパッシブバルブは、少なくとも流体の力学的エネルギーによって作動される。いくつかの実施形態では、流体は1以上の液体、1つ以上の気体、またはその組み合わせである。いくつかの実施形態では、流体は、サンプル流体、洗浄流体、または移動流体である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるパッシブバルブは、その適切な機能化について本明細書に開示されるようなシステムの要素の外部のエネルギー源を必要としない。いくつかの実施形態では、パッシブバルブは、流体のエネルギーおよび/または毛細管作用のエネルギー、あるいはそこから変形されたエネルギー以外の余分なエネルギーを必要としない。代替的に、または組み合わせて、測定機構は実施形態によってはアクティブバルブを含む。いくつかの実施形態では、アクティブバルブは、疎水性のコーティング(非限定的な例として、アルカンチオール自己組織化単分子膜(SAM))を有する電極を含む。いくつかの実施形態では、疎水性のコーティングの溶解を引き起こすために電極に電圧が加えられ、それによって、第2のサンプル領域へ上記量の流れを許可する。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるようなアクティブバルブは、その適切な機能化について本明細書で開示されるようなデバイスまたはシステムの内部または外部の要素からの電気エネルギー源を必要とする。いくつかの実施形態では、アクティブバルブは、流体のエネルギーおよび/または毛細管作用のエネルギー、またはそこから変形されたエネルギーに加えて、余分なエネルギーを必要とする。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるようなバルブは一方向性である。他の実施形態では、バルブは両方向への流体量の移動を許可するように構成される。いくつかの実施形態では、パッシブバルブまたはアクティブバルブは、平衡バルブ、先端バルブ、およびベントバルブから選択される1つ以上を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1のサンプル領域は毛細管流路を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのトランスデューサは毛細管流路の壁に位置する。いくつかの実施形態では、毛細管流路の少なくとも1つの壁は、感圧性接着剤の層を含む。いくつかの実施形態では、感圧性接着剤の層は毛細管流路を通る上記量の流れを遅らせるために上記量と相互に作用する。
【0016】
いくつかの実施形態では、流体サンプルは涙液を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1のサンプル読み取り値は流体サンプルのオスモル濃度を示す。いくつかの実施形態では、第2のサンプル読み取り値は、流体サンプル中の1つ以上の分析物の濃度を示す。いくつかの実施形態では、第1のサンプル読み取り値は流体サンプルのオスモル濃度を示し、第2のサンプル読み取り値は流体サンプル中の1つ以上の分析物の濃度を示す。
【0018】
いくつかの実施形態では、上記量は、約50nLから約250nLまでの範囲内のように約10nLから約10μLまでの範囲内である。いくつかの実施形態では、上記量は以下の任意の2つの間の範囲内である:約10nL、約20nL、約30nL、約40nL、約50nL、約60nL、約70nL、約80nL、約90nL、約100nL、約150nL、約200nL、約250nL、約300nL、約400nL、約500nL、約600nL、約700nL、約800nL、約900nL、約1μL、約2μL、約3μL、約4μL、約5μL、約6μL、約7μL、約8μL、約9μL、または約10μL。いくつかの実施形態では、上記量はせいぜい約20μL、約250nL、約200nL、または約50nLである。いくつかの実施形態では、上記量は、せいぜい約10nL、約20nL、約30nL、約40nL、約50nL、約60nL、約70nL、約80nL、約90nL、約100nL、約150nL、約200nL、約250nL、約300nL、約400nL、約500nL、約600nL、約700nL、約800nL、約900nL、約1μL、約2μL、約3μL、約4μL、約5μL、約6μL、約7μL、約8μL、約9μL、または約10μLである。
【0019】
いくつかの実施形態では、デバイスは、第1のサンプル領域と流体連通した移動流体のリザーバをさらに含む。いくつかの実施形態では、リザーバから第1のサンプル領域への移動流体の導入は、少なくとも上記量の一部を第1のサンプル領域から第2のサンプル領域へ移動させる。いくつかの実施形態では、制御された流れを用いて、微小多孔性の基材の毛細管現象(capillary wicking)速度を、リザーバからの流体のポンピング速度と一致させる。他の実施形態では、空気パルスは、第1のサンプル領域中の流体を第2のサンプル領域へ移動させる。
【0020】
いくつかの実施形態では、サンプル流体は、第2のサンプル領域中の分析物の検出を促すために、第1のサンプル領域内で試薬(非限定的な例として、抗体またはその抗原結合フラグメント、あるいはscFv、アプタマー、avibody、ペプチド、PNA、機能化ナノ粒子などの生合成性の抗体結合部位)を用いてインキュベートされる。いくつかの実施形態では、試薬は、微小多孔性の基材、またはガラスコンジュゲートパッドなどの他の中間層内に含まれ、パッシブバルブが破損すると、微小多孔性の基材上のインキュベーション領域へサンプル流体が導入される。他の実施形態では、サンプル流体はまず、第1または第2のサンプル領域の変換領域を通って流れ、その後、リザーバからの流体を使用して上流の検出部分の再水和と輸送が行われる。
【0021】
いくつかの実施形態では、検出基材は微小多孔性の基材を含み、流体量が微小多孔性の基材を通って流れる。いくつかの実施形態では、検出基材は微小多孔性の基材を含み、操作中に、上記量の少なくとも一部が微小多孔性の基材を通過する。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材は、上記量の少なくとも一部が流れの方向に微小多孔性の基材を通過する際に、実質的に均一な流体の最前部(fluid front)を促すように構成された幾何学的形状を有する。いくつかの実施形態では、流体の量は、1つ以上の液体、1つ以上の気体、またはその組み合わせを含む。さらなる実施形態では、流体の量は少なくともサンプル流体を含む。いくつかの実施形態では、流体の量は少なくとも1つの有効なサンプル読み取り値を生成するために最小限の量以上である。いくつかの実施形態では、流体の量は、第1のサンプル領域からの少なくとも1つの有効なサンプル読み取り値と、第2のサンプル領域からの少なくとも1つの有効なサンプル読み取り値を生成するために最小限の量以上である。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材は、上記量が微小多孔性の基材を通って流れる際に、上記量の流れの均質化を生成するまたは増加させるために形成された幾何学的形状を有する。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材は、砂時計の形をした幾何学的形状を有する。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材は、より線形の、より短い経路長の再水和流路によって囲まれた、中心がサーペンタイン式の流路を有する。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材は、流れ均質化を増大させるための複数の開口部を含む。他の実施形態では、微小多孔性の基材は、高抵抗領域の優先的な再水和を達成するために形成される。さらに他の実施形態では、微小多孔性の基材は、再水和流が低抵抗性または低経路長の領域を通って移動することを可能にするように形成されるが、サンプル流体はより高抵抗性またはより高経路長の領域を通って遅れる。
【0022】
いくつかの実施形態では、流体サンプルを分析するための方法が本明細書で開示され、該方法は:第1のサンプル領域へ一定量の流体サンプルを導入する工程と、少なくとも1つのトランスデューサを使用して、第1のサンプル領域内の上記量のエネルギー特性を検出する工程であって、それにより第1のサンプル読み取り値を生成する、工程と、第2のサンプル領域へ上記量の少なくとも一部を流す工程と、検出基材を使用して、第2のサンプル領域内の上記量の少なくとも一部中の1つ以上の分析物を検出する工程であって、それによって第2のサンプル読み取り値を生成する、工程とを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、方法は、測定機構を使用して、第1のサンプル領域から第2のサンプル領域への流体の流れを制御する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、測定機構はパッシブバルブを含む。いくつかの実施形態では、測定機構は、第2のサンプル領域への流体の流れを抑制する、1つ以上の幾何学的形状を含む。他の実施形態では、方法はさらに、親水性の断絶した受け取り基材を使用して、流体の流れを阻止する。代替的に、または組み合わせて、いくつかの実施形態では、測定機構はアクティブバルブを含む。いくつかの実施形態では、アクティブバルブは、疎水性のコーティング(非限定的な例として、アルカンチオール自己組織化単分子膜(SAM))を有する電極を含む。いくつかの実施形態では、疎水性のコーティングの溶解を引き起こすために電極に電圧が加えられ、それによって、第2のサンプル領域への流体の流れを許可する。いくつかの実施形態では、加圧された洗浄流体は、パッシブバルブを圧倒し、かつサンプル流体を第2のサンプル領域へ輸送するために使用される。いくつかの実施形態では、第1のサンプル領域は毛細管流路を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのトランスデューサは毛細管流路の壁に位置する。いくつかの実施形態では、毛細管流路の少なくとも1つの壁は、感圧性接着剤の層を含む。いくつかの実施形態では、感圧性接着剤の層は毛細管流路を通って上記量の流れを遅らせるように上記量と相互に作用する。
【0024】
いくつかの実施形態では、流体サンプルは涙液を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のサンプル読み取り値は流体サンプルのオスモル濃度を示す。いくつかの実施形態では、第2のサンプル読み取り値は、流体サンプル中の1つ以上の分析物の濃度を示す。いくつかの実施形態では、第1のサンプル読み取り値は流体サンプルのオスモル濃度を示し、第2のサンプル読み取り値は流体サンプル中の1つ以上の分析物の濃度を示す。
【0026】
いくつかの実施形態では、上記量は、約50nLから約250nLまでの範囲内など、約10nLから約10μLまでの範囲内である。いくつかの実施形態では、上記量は以下の任意の2つの間の範囲内である:約10nL、約20nL、約30nL、約40nL、約50nL、約60nL、約70nL、約80nL、約90nL、約100nL、約150nL、約200nL、約250nL、約300nL、約400nL、約500nL、約600nL、約700nL、約800nL、約900nL、約1μL、約2μL、約3μL、約4μL、約5μL、約6μL、約7μL、約8μL、約9μL、または約10μL。いくつかの実施形態では、上記量はせいぜい約20μL、約250nL、約200nL、または約50nLである。いくつかの実施形態では、上記量は、せいぜい約10nL、約20nL、約30nL、約40nL、約50nL、約60nL、約70nL、約80nL、約90nL、約100nL、約150nL、約200nL、約250nL、約300nL、約400nL、約500nL、約600nL、約700nL、約800nL、約900nL、約1μL、約2μL、約3μL、約4μL、約5μL、約6μL、約7μL、約8μL、約9μL、または約10μLである。
【0027】
いくつかの実施形態では、方法は、上記量の少なくとも一部を第1のサンプル領域から第2のサンプル領域へ移動させるために、移動流体を第1のサンプル領域へ導入する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、移動流体は第1のサンプル領域と流体連通したリザーバから導入される。いくつかの実施形態では、ポンプ機構は、微小多孔性の基材の毛細管現象速度と実質的に一致する速度でリザーバからの押し出し流として使用される。他の実施形態では、空気パルスは、第1のサンプル領域中の流体を第2のサンプル領域へ移動させる。
【0028】
いくつかの実施形態では、サンプル流体は、第1のサンプル領域内で、検出部分または試薬(非限定的な例として、抗体またはその抗原結合フラグメント、あるいはscFv、アプタマー、avibody、ペプチド、PNA、機能化ナノ粒子などを含む生合成性の抗体結合部位)を用いてインキュベートされる。他の実施形態では、検出部分は、微小多孔性の基材、またはガラスコンジュゲートパッドなどの他の中間層内に含まれ、パッシブバルブが破損すると、微小多孔性の基材上のインキュベーション領域へサンプル流体が導入される。他の実施形態では、サンプル流体はまず、第1または第2のサンプル領域の変換領域を通って流れ、その後、リザーバからの流体を使用して上流の検出部分の再水和と輸送が行われる。
【0029】
いくつかの実施形態では、検出基材は微小多孔性の基材を含み、流体は微小多孔性の基材を通って流れる。いくつかの実施形態では、検出基材は微小多孔性の基材を含み、上記量の少なくとも一部は微小多孔性の基材を通過する。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材は、上記量の少なくとも一部が流れの方向に微小多孔性の基材を通過する際に、流体の最前部の実質的な均一化を促すように構成された幾何学的形状を有する。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材は、砂時計の形をした幾何学的形状を有する。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材の幾何学的形状は、より線形の、より短い経路長の再水和流路によって囲まれた、中心がサーペンタイン式の流路を有する。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材幾何学的形状は、流れ均質化を増大させるための複数の開口部を含む。他の実施形態では、微小多孔性の基材は、高抵抗領域の優先的な再水和を達成するために形成される。さらに他の実施形態では、微小多孔性の基材は水和の流れが低抵抗性または低経路長の領域を通って移動することを可能にするように形成されるが、サンプル流体はより高抵抗性またはより高経路長の領域を通って遅れる。
【0030】
いくつかの実施形態では、個体の目の疾患を処置するまたはモニタリングする方法が本明細書で開示され、該方法は、分析デバイスの第1のサンプル領域へ個体からの一定量の涙膜サンプルを導入する工程と、少なくとも1つのトランスデューサを使用して、第1のサンプル領域内の上記量のエネルギー特性を検出する工程であって、それにより第1のサンプル読み取り値を生成する、工程と、分析デバイスの第2のサンプル領域へ上記量の少なくとも一部を流す工程と、検出基材を使用して、第2のサンプル領域内の上記量の少なくとも一部中の1つ以上の分析物を検出する工程であって、それによって第2のサンプル読み取り値を生成する、工程と、第1と第2のサンプル読み取り値に基づいて個体の目の疾患を処置するための処置計画を調整する工程とを含む。いくつかの実施形態では、方法は一定量の涙膜サンプルを収集する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、目の疾患は乾性角結膜炎である。いくつかの実施形態では、目の疾患はアレルギーである。いくつかの実施形態では、目の疾患は糖尿病である。いくつかの実施形態では、目の疾患は糖尿病性網膜症である。いくつかの実施形態では、目の疾患は加齢黄斑変性である。いくつかの実施形態では、目の疾患は緑内障である。いくつかの実施形態では、目の疾患は、加齢黄斑変性、アレルギー、眼瞼炎、白内障、結膜炎、蜂巣炎、中心性漿液性網膜症、霰粒腫、コンタクトレンズに関連する損傷、角膜/結膜擦過傷、ジストロフィー、侵食、裂傷、潰瘍、角膜移植拒絶、サイトメガロウイルス性網膜炎、糖尿病性網膜症、目癌、フックスジストロフィー、グレーヴス病、ヒストプラスマ症、緑内障、感染、角膜炎、円錐角膜、黄斑疾患、血管新生、高眼圧症、視神経炎、瞼裂斑、翼状片、色素性網膜炎、網膜芽細胞腫、強膜炎、トラコーマ、睫毛乱生、またはブドウ膜炎の1つ以上である。
【0031】
サンプル流体が微小多孔性の基材と相互に作用するので、微小多孔性の膜を通って経路長に沿って信号を連続的に除去する非特異的な結合の特定の速度がある。したがって、特定の実施形態は、正確さの非特異的な喪失および減少を取り除くために、トランスデューサ上での流れの前に、サンプル流体と露出した微小多孔性の基材との相互作用を最小限に抑える。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材の幾何学的形状は、サンプル領域間の当初の境界面としての機能を果たすための短い楔形または三角形形状の突部を使用し、それによって、サンプル流体が相互に作用する露出した膜の量を最小限に抑える。いくつかの実施形態では、検出部分は、サンプル流体が露出した膜と完全に相互に作用することを防ぐために、収集流路内のサンプル流体に置かれ、該サンプル流体でインキュベートされる。
【0032】
いくつかの実施形態では、流体サンプルを分析するためのデバイスが本明細書で開示され、該デバイスは、(a)流体入口と、(b)流体入口と流体連通したデバイス内に配置されるとともに、一定量の流体サンプルを受け取るように形成されたサンプル領域であって、第1のサンプル読み取り値を生成するために上記一定量の流体サンプル中の1つ以上の分析物の検出を可能にするように構成された検出基材を含む、サンプル領域と、(c)デバイス内に、およびサンプル領域と流体連通して配置された流体リザーバであって、流体リザーバは移動流体を含み、移動流体は、サンプル領域へ移されると、サンプル領域に配置された試薬を水和し、デバイスの操作中に検出基材を洗浄することができ、またはその両方ができる、流体リザーバとを含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、流体入口とサンプル領域との間の流体の流れを制御する、測定機構をさらに含む。いくつかの実施形態では、測定機構はパッシブバルブ、アクティブバルブ、またはその組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、パッシブバルブは、サンプル領域への上記量の流れを抑制する1つ以上の幾何学的形状を含む。いくつかの実施形態では、アクティブバルブは疎水性のコーティングを有する電極を含み、電極への電圧の印加により疎水性のコーティングの溶解が引き起こされ、それによって上記量の少なくとも一部がサンプル領域に流れることを許可する。いくつかの実施形態では、疎水性のコーティングはアルカンチオール自己組織化単分子膜を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、入口と第1のサンプル領域の間に配置された、および、入口と第1のサンプル領域と流体連通した第2のサンプル領域をさらに含み、第2のサンプル領域は流体サンプルのエネルギー特性を検出するように構成された少なくとも1つのトランスデューサを含む。いくつかの実施形態では、第2のサンプル領域は毛細管流路を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのトランスデューサは毛細管流路の壁に位置する。いくつかの実施形態では、流体サンプルは涙液を含む。いくつかの実施形態では、第1のサンプル読み取り値は、流体サンプル中の1つ以上の分析物の存在または濃度を示す。いくつかの実施形態では、第2のサンプル読み取り値は流体サンプルのオスモル濃度を示す。いくつかの実施形態では、上記量は約10nLから約10μLまでの範囲内である。いくつかの実施形態では、上記量は約50nLから約250nLまでの範囲内である。いくつかの実施形態では、上記量は、せいぜい10nL、20nL、30nL、40nL、50nL、60nL、70nL、80nL、90nL、100nL、150nL、200nL、250nL、300nL、400nL、500nL、600nL、700nL、800nL、900nL、1μL、2μL、3μL、4μL、5μL、6μL、7μL、8μL、9μL、または10μLである。いくつかの実施形態では、検出基材は微小多孔性の基材を含み、操作中に上記量の少なくとも一部は微小多孔性の基材を通過する。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材は、上記量の少なくとも一部が流れの方向に微小多孔性の基材を通過する際に、流体の最前部の実質的な均一化を促すように構成された幾何学的形状を有する。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材は、砂時計の形をした幾何学的形状を有する。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材は、流体の最前部の実質的な均一化を促すための複数の開口部を含む。いくつかの実施形態では、検出基材は、上記量に存在する場合に1つ以上の分析物を直接または間接的に結合することが可能な固定された第1の結合剤を含む。いくつかの実施形態では、第1の結合剤は、抗体またはその抗原結合フラグメント、アビジン−ビオチン結合ペアのメンバー、およびストレプトアビジン−ビオチン結合ペアのメンバーからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、検出基材は、上記量に存在する場合に1つ以上の分析物を結合することができる第2の結合剤をさらに含み、第2の結合剤は随意に検出可能な部分と共役する。いくつかの実施形態では、検出可能な部分は、ナノ粒子、視覚的に検出可能なラベル、蛍光性のラベルあるいは生物発光のラベルである。
【0033】
いくつかの実施形態では、流体サンプルを分析する方法が本明細書で開示され、該方法は、(a)本明細書で提供されるデバイスのサンプル領域へ一定量の流体サンプルを導入する工程と、(b)流体サンプル中に存在する場合に、上記量の1つ以上の分析物の存在および/または濃度を検出する工程とを含む。いくつかの実施形態では、流体サンプルは涙液を含む。いくつかの実施形態では、上記量は約10nLから約10μLまでの範囲内である。いくつかの実施形態では、上記量は約50nLから約250nLまでの範囲内である。いくつかの実施形態では、上記量は、せいぜい10nL、20nL、30nL、40nL、50nL、60nL、70nL、80nL、90nL、100nL、150nL、200nL、250nL、300nL、400nL、500nL、600nL、700nL、800nL、900nL、1μL、2μL、3μL、4μL、5μL、6μL、7μL、8μL、9μL、または10μLである。
【0034】
いくつかの実施形態では、個体の目の疾患を処置するまたはモニタリングする方法が本明細書で開示され、該方法は、(a)本明細書で提供されるデバイスのサンプル領域へ個体からの一定量の涙膜サンプルを導入する工程と、(b)上記量の1つ以上の分析物の存在および/または濃度を検出する工程と、(c)上記量の1つ以上の分析物の存在および/または濃度に基づいて個体の目の疾患を処置するための処置計画を調整する工程とを含む。いくつかの実施形態では、目の疾患は乾性角結膜炎である。いくつかの実施形態では、目の疾患はアレルギーである。いくつかの実施形態では、目の疾患は糖尿病である。いくつかの実施形態では、目の疾患は糖尿病性網膜症である。いくつかの実施形態では、目の疾患は加齢黄斑変性である。いくつかの実施形態では、目の疾患は緑内障である。いくつかの実施形態では、目の疾患は、加齢黄斑変性、アレルギー、眼瞼炎、白内障、結膜炎、蜂巣炎、中心性漿液性網膜症、霰粒腫、コンタクトレンズに関連する損傷、角膜/結膜擦過傷、ジストロフィー、侵食、裂傷、潰瘍、角膜移植拒絶、サイトメガロウイルス性網膜炎、糖尿病性網膜症、目癌、フックスジストロフィー、グレーヴス病、ヒストプラスマ症、緑内障、感染、角膜炎、円錐角膜、黄斑疾患、血管新生、高眼圧症、視神経炎、瞼裂斑、翼状片、色素性網膜炎、網膜芽細胞腫、強膜炎、トラコーマ、睫毛乱生、およびブドウ膜炎の1つ以上である。
【0035】
他の発明の目的と特徴は、明細書、請求項、および添付の図面を精査することによって明白になる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示は、ある実施形態において、少量の流体サンプル(非限定的な例として、約20マイクロリットル未満)を収集して分析するための、システム、方法、およびデバイスを提供する。本明細書で開示されるようなシステム、方法、およびデバイスは、いくつかの実施形態では、対象の流体サンプルの1つ以上の特徴を検出および/または測定するために使用される。非限定的な例として、システム、方法、およびデバイスは、第1の特徴(非限定的な例として、対象の流体の重量オスモル濃度)と対象の第2の特徴(非限定的な例として、対象の流体中の1つ以上の分析物の存在および/または濃度)を測定するために使用される。いくつかの実施形態では、システム、方法、およびデバイスは、対象の流体中で1つ以上の分析物の存在および/または濃度を測定するために使用される。いくつかの実施形態では、システム、方法、およびデバイスは、第1の特徴(非限定的な例として、対象の流体の重量オスモル濃度)または、対象の第2の特徴(非限定的な例として、対象の流体中の1つ以上の分析物の存在および/または濃度)を測定するために使用される。
【0039】
本発明は、ポイントオブケアの際に使用される一体型のデバイス中の流体のナノリットル(nL)サンプルを収集して分析しようとする際に生じ得る問題に対処する。少量のサンプルでは同じ濃度の一定量のサンプルの際よりも検出する分子が少なく、非常に高い感度を要求して、通常、アッセイは、拡散により検出器表面で対象の分析物が蓄積しやすくなるように約1時間から最大で夜通し中の長いインキュベーション時間と、その後、非特異的なバックグラウンドを取り除くために繰り返ししっかりと洗浄することによって、この問題を解決使用とする。こうした技術のいずれも、完全には訓練されていないユーザでも操作可能なシンプルなシステムを用いて迅速な試験(非限定的な例として、数分未満)を要求するポイントオブケアでは利用できない。さらに、インピーダンスに基づく涙液のオスモル濃度とクロマトグラフィータイプ(またはラテラルフロー)サンドイッチアッセイの両方の連続分析を実行する際に、以下のような様々な問題のいずれかが生じ得る:収集された流体を正確に計量すること、検出抗体(または、ナノ粒子複合体、アプタマー、scFvなどを含む非限定的な例として)の再水和、サンプル移動効率、涙サンプルがサンプル領域を完全に通過する前に捕獲抗体の再水和を達成すること、微小多孔性のラテラルフロー膜上を流れるバッファのオーバーフローを防ぐこと、流れを均質化すること(検出抗体の最先端で実質的に等方性の均一なパターンの流れを形成すること、あるいは、代替的に、反応した涙サンプルと検出複合体正面の大部分は、捕捉領域のまわりよりもむしろ捕捉領域を通って流れる)、および、クロマトグラフィーシステムの一方の側または他方の側への流れを無作為に変化させる流れ不安定性を回避すること。
【0040】
これらの問題に対処するため、いくつかの実施形態では、本発明は一体型の微小流体収集デバイスを提供し、該デバイスは、(a)アリコート量のサンプル流体を受け取る基材であって、毛細管作用によってアリコート量のサンプル流体を受け取るように動作可能に形成された基材と、(b)基材のサンプル流体領域であって、上記量のサンプル流体がサンプル領域に動作可能に広がるような大きさをしており、サンプル流体のエネルギー特性が変換されることで、サンプルのオスモル濃度を示すサンプル流体読み取り値が生成される、サンプル流体領域、および、(c)対象の分析物のためのサンプル流体の一部を分析する第2のサンプル領域の少なくとも1つとを含む。ある実施形態では、本明細書で開示されるようなデバイスおよびシステムは、サンプル流体を計量するために一連の1つ以上の平衡パッシブバルブをさらに含み、システムを通る加圧流体はあらかじめ定められた配列のバルブを通過する。ある実施形態では、本明細書に開示されるようなデバイスとシステムは少なくとも1つの一体型リザーバをさらに含んでいる。いくつかの実施形態では、該リザーバはバッファ、洗浄流体、移動流体、サンプル流体、気体、空気、またはこれらの中の他の流体量を保持する。いくつかの実施形態では、リザーバは、移動バッファ、洗浄流体、移動流体、サンプル流体、気体、空気、またはこれらの中の他の流体量の1つ以上を保持するために仕切られている。いくつかの実施形態は、サンプル移動効率、再水和力学、オーバーフロー保護、および流れ不安定性を回避するための流体抵抗性の平衡を最適化するために動作可能に形成された、微小多孔性の基材を含む第2のサンプル領域を特色とする。ある実施形態では、サンプル移動効率は、2つのサンプル領域間の境界面へ微小多孔性の基材の小さな突部を配置することによって最適化される。他の実施形態では、検出複合体の再水和力学は、パッシブバルブの計量される側に、または収集流路内部に、またはその両方にイムノアッセイの検出複合体を置くことにより達成される。他の実施形態では、検出複合体の再水和はサンプル移動後に微小多孔性の基材内で達成される。他の実施形態では、捕捉領域の再水和力学は、抵抗性の最も少ない流体経路が捕捉領域のまわりよりもむしろ捕捉領域を通過するように、下流の流体の狭窄部を置くことにより達成される。他の実施形態では、捕捉領域の再水和は、流体断面経路の急拡大部の下流で達成される。別の実施形態では、捕捉領域の再水和は、流体遅延とサンプル移動のための優先的な通路として作用する微小多孔性の基材内の1つ以上のサーペンタイン式流路をパターン化することにより達成され、より小さく、より短い経路長の再水和流路は、遅延したサンプルの到着前に下流の捕捉領域まで移動バッファを毛細管作用により運び、その時点で再水和とサンプルの経路が統合する。他の実施形態では、中央のサンプル経路を囲む短経路長の再水和流路は、再水和流路とサンプル流路が統合して単一の経路になった後に、検出器の発展的な流れをより予測可能な領域へ集中させる。他の実施形態では、1つ以上の流路が加えられることで、リザーバからの圧力により駆動されたオーバーフローの可能性が軽減される。他の実施形態では、再水和とオーバーフロー保護流路は1つの構造へ組み合わせられる。さらなる実施形態では、下流のサンプル流抵抗器は、流れがシステム内の流れ不安定性と予測不可能性を引き起こす微小多孔性の基材を通って非対称的な経路を無作為に選ぶのを防ぐために平衡に保たれる。他の実施形態では、非対称的な流れ不安定性はシステム中で許可され、対称な経路の一方の側に余分な捕捉領域を置くことにより相殺され、その強度部分はソフトウェアで平均化される。まとめると、こうした特徴は、ナノリットルサイズのサンプル中の対象の1つ以上の分析物の並行分析の問題に対処する。
【0041】
いくつかの実施形態では、対象の多くの流体サンプルは、単一の微小流体デバイス中の複数のサンプル領域を通って連続して制御可能に流される。いくつかの実施形態では、サンプル領域はそれぞれ、浸透圧、合計濃度、重量オスモル濃度および/またはオスモル濃度、対象の1つ以上の分析物の検出などのサンプル量の諸特性を分析および検出するための様々な検出部品を含んでいる。本開示のいくつかの実施形態は、比較的速く、非侵襲性で、廉価で、および/または、使いやすく、患者の損傷のリスクが最小限である。いくつかの実施形態において、正確な測定にはマイクロリットル量のサンプル流体しか与えられない。非限定的な例として、本明細書に記載されるいくつかの実施形態にしたがって構成された測定デバイスにより、せいぜい20マイクロリットルのサンプル流体を用いたオスモル濃度測定が可能となる。いくつかの実施形態において、より少ない量、非限定的な例として、ナノリットル量、しばしばせいぜい20ナノリットルで測定は成功する。いくつかの実施形態では、測定のパフォーマンスは、収集されたサンプル流体の量の変動によっては危険にさらされず、その結果、オスモル濃度と対象の1つ以上の分析物の測定は収集量に実質的に依存しない。1つの実施形態では、これは、アリコート量のサンプル流体の十分に定義された部分集合を調べることによって達成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された手法により、単一の一体型デバイス内で少量のサンプルの迅速な分析が可能となり、それによって、流体サンプルの診断試験の速度、柔軟性、ユーザの利便性、および、費用効果が改良される。
【0042】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるデバイスは、涙膜、汗、血液、尿、唾液、または他の体液、あるいはこれらの組み合わせを含む様々なタイプの流体を分析するために使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるデバイスは、牛乳または他の飲料などの他のサンプル流体、および、様々なバッファ、溶液、試薬、または化学製品、あるいはこれらの組み合わせを分析するために使用される。
【0043】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたデバイスは患者からの涙液を分析するために使用される。いくつかの実施形態では、涙液分析は、患者の涙膜に異常が現れる様々な目の病気を診断、モニタリング、および/または処置するのに有益である。例えば、乾性角結膜炎(KCS)、または「ドライアイ」は、涙膜構造成分(非限定的な例として、下のムチン基盤、中央の水性成分、および上の脂質層)の1つ以上が、不十分な量で存在しているか、またはさもなければ他の成分との平衡が取れていない。涙液の流体浸透圧またはオスモル濃度がKCSの患者では増加することが知られている。KCSは、シェーグレン症候群、老化、およびアンドロゲン欠乏症のような身体の健康状態に影響する疾患に関連している。したがって、涙膜のオスモル濃度は、KCSや他の疾患の診断のための感度の高くかつ特異的な指標である。
【0044】
加えて、最近の証拠によれば、涙液の高浸透圧は、涙膜が血液浸透圧と平衡状態のホメオスタシス系から次第により無秩序で予測しがたい構造的な形態に移行する状態である、涙膜の不安定性と直接的に関係していることが分かっている。ドライアイ疾患の初期段階では、涙膜はメタ安定していることがあり得る。このとき、強さ、眼瞼の接触などの瞬きの間の変動は、前述の変数に依存して、可変に有能な薄膜を引っ込めることがある。進行したドライアイ疾患または不安定性を促進する他の眼表面の疾病において、涙膜は、粘着力が膜のいかなる外観を維持するには不十分な点まで危険にさらされ、角膜と結膜の結果を受けて急激に蒸発する。涙膜サンプル内のタンパク質バイオマーカーのような分析物を測定しようとする際に、こうした不安定性は関連する。例えば、サンプルのオスモル濃度が涙液の不安定性による濃度の一次変化や蒸発による水分損失により生じた高浸透圧により説明されるものではない場合、涙液のバイオマーカー(非限定的な例として、単回のサンプル収集時点でのバイオマーカーの濃度に関するデータを与えるインビトロでの診断のための単回用途診断試験のための)の点サンプルは、臨床的な決定を下す際に許容できない変動には弱い。
【0045】
いくつかの実施形態では、対象の複数の分析物が分析され、かつ使用されることで、1つ以上の眼疾患の診断と管理を支える。眼疾患の非限定的な例は以下を含む:加齢黄斑変性、アレルギー、眼瞼炎、白内障、結膜炎、蜂巣炎、中心性漿液性網膜症、霰粒腫、コンタクトレンズに関連する損傷、角膜/結膜擦過傷、ジストロフィー、侵食、裂傷、潰瘍、角膜移植拒絶、サイトメガロウイルス性網膜炎、糖尿病性網膜症、目癌、フックスジストロフィー、グレーヴス病、ヒストプラスマ症、緑内障、感染、角膜炎、円錐角膜、黄斑疾患、血管新生、高眼圧症、視神経炎、瞼裂斑、翼状片、色素性網膜炎、網膜芽細胞腫、強膜炎、トラコーマ、睫毛乱生、およびブドウ膜炎。いくつかの実施形態では、特定の分析物(および/またはオスモル濃度などの流体特性)の並列解釈(非限定的な例として、論理的であるか、または、複数の分析物のいずれかが陽性である場合には、陽性診断が戻る)を用いて、多くの特異性を犠牲にすることなく、眼疾患試験の総合感度を増加させる。非限定的な例として、1つの実施形態では、オスモル濃度、ラクトフェリン、アルブミン、およびリポカリンの並列解釈はドライアイ疾患を分析するために使用される。別の実施形態では、オスモル濃度、リポカリン、プロリンに富んだタンパク質4(PRR4)、および亜鉛−α−2−糖タンパク質2(ZAG2)(または他の主要な涙タンパク質)の並列解釈は、タンパク質レベルが正常な範囲よりも低い場合に、ドライアイ疾患と診断するために使用される。さらに別の実施形態では、オスモル濃度、リポカリン、PRR4、およびZAG2(または他の主要な涙タンパク質)の並列解釈は、レベルが正常な範囲よりも高い場合に、ナイーブな未処置の緑内障を診断するために使用される。さらに別の実施形態では、オスモル濃度、リポカリン、PRR4、およびZAG2(または他の主要な涙タンパク質)の並列解釈は、同じデバイスでドライアイと緑内障の両方を分析するために使用される。いくつかの実施形態では、オスモル濃度と糖化アルブミンの並列解釈は、測定されたオスモル濃度に対して糖化アルブミン濃度を標準化することにより、涙濃度の瞬きの間の変動を補うことにより、健康な患者と糖尿病患者と網膜症の糖尿病患者との間での精度の高い区別化を可能とする。さらに他の実施形態では、オスモル濃度と脳由来神経栄養因子(BDNF)の並列解釈は、測定された涙液のオスモル濃度に対してBDNFレベルを標準化することにより、低眼圧緑内障の測定に改良された精密さを取り入れる。別の実施形態では、オスモル濃度、IL−1Ra、MMP−9、およびS100A8の並列解釈は、炎症性であるか水性の欠失であるかにかかわらず、ドライアイ疾患と原因となる障害の部分集合の両方を分析するのに役立つ。他の実施形態では、重複する症状と臨床症状を備える様々な疾患からの対象の複数の分析物が平行して測定される。非限定的な例として、1つの実施形態では、IgE、ECP、および/またはEDNなどの複数のアレルギーマーカーとオスモル濃度を測定することで初期と後期の両方のアレルギーを調べつつ、同様の臨床症状と症状にもかかわらずドライアイとアレルギーを区別する。他の実施形態では、オスモル濃度は測定されないが、対象の分析物は測定される。こうした例は、制限的な意味ではないが、ポイントオブケアで開示されたデバイスを適用するやり方の例を与える。
【0046】
これに応じて、本開示は、いくつかの実施形態において、アリコート量(非限定的な例として、1つ以上の分析物の存在および/または濃度)の対象の1つ以上の分析物の測定とあわせて、アリコート量(非限定的な例として、涙膜または他の流体サンプル)のオスモル濃度を測定するためのシステム、方法、およびデバイスを提供する。いくつかの実施形態では、オスモル濃度と分析物の測定は、同時にまたは連続して行われる。いくつかの実施形態では、オスモル濃度の測定が最初に行われ、その後、サンプル量の1つ以上の分析物の存在および/または濃度を検出するためのアッセイが行われる。いくつかの実施形態では、サンプル量の1つ以上の分析物の存在および/または濃度を検出するためのアッセイに続いて、オスモル濃度の測定が次に行われる。他の実施形態では、サンプルのオスモル濃度は比較的一定であり、対象の分析物だけが分析される。
【0047】
いくつかの実施形態では、いかなる適切な技術を用いて流体サンプルのオスモル濃度を測定する。いくつかの実施形態では、サンプルにエネルギーを伝達したり、付与エネルギーを検出したり、およびオスモル濃度を判定するために検出結果を使用するなど、サンプルのエネルギー特性(非限定的な例として、熱的、光学的、および/または電気的な性質)を検出することによって、オスモル濃度が測定される。いくつかの実施形態では、1つ以上のトランスデューサまたは電極は、非限定的な例として適切な電気的信号を適用することにより、流体の導電率を測定するために使用される。導電率が流体のイオン濃度に関連することから、温度補正と適切なキャリブレーション機能が適用されると、流体のオスモル濃度を決定することができる。
【0048】
本明細書で提示される技術、システム、およびデバイスを使用して流体サンプル中で測定可能な分析物は、限定されないが、他の生物学的な部分の中でも、タンパク質、ペプチド、代謝産物、電解液、小分子、脂質、糖、核酸、およびプロテオグリカン、および高次の集合体やこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、分析物はタンパク質バイオマーカーを含んでいる。いくつかの実施形態では、分析物は限定されないが以下を含む:免疫グロブリン(非限定的な例として、免疫グロブリンE(IgE)、免疫グロブリンM(IgM)、免疫グロブリンA(IgA)、免疫グロブリンG(IgG))、サイトカイン(非限定的な例として、形質転換増殖因子−β(TGF−β)、腫瘍壊死因子(TNF−α)、インターロイキン1−A)、タンパク質(S100、ラクトフェリン、リポカリン、カテプシン、BDNF、エノラーゼ、好酸球陽イオンタンパク質(ECP)、好酸球由来ニューロトキシン(EDN)、PRR4、ZAG2、シスタチン、アルブミンなど)、あるいはムチン、および他の糖タンパク質(非限定的な例として、細胞表面関連ムチン5(MUC−5)、プロテオグリカン4(PRG4)、および細胞表面関連ムチン16(MUC16))。いくつかの実施形態では、分析物の検出および/または測定手続は、検出基材によって流体サンプルを流すことを含んでいる。非限定的な典型的な検出基材は微小多孔性の基材または微小多孔性の膜を含んでいる。さらなる実施形態において、検出基材は、ニトロセルロース、ガラス繊維コンジュゲートパッド、Fusion5、POREX(登録商標)材料、紙、PVDFなどから選択された1以上である。いくつかの実施形態では、微小多孔性の基材と微小多孔性の膜は等価であり本明細書では交換可能である。いくつかの実施形態では、収集流路、毛細管流路、および微小流体流路は同義語であり、本明細書では交換可能である。いくつかの実施形態では、検出基材は、対象の1つ以上の分析物のクロマトグラフィー分析、フロースルー分析、またはラテラルフロー分析のために構成される。他の非限定的な典型的な技術は、インピーダンス、インピーダンス分光法、表面励起ラマン分光法(SERS)、電気化学トランスデューサ、表面プラズモン共鳴などの無標識トランスデューサ、干渉法などを含んでいる。流体量中の分析物を検出するためのアッセイは当業者には知られており、以下にさらに詳細に記載されている。
【0049】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるシステム、方法、およびデバイスは、約10nLから約10μLまでの範囲、あるいは約50nLから250nLまでの範囲内の量などの比較的少量の流体サンプル中のオスモル濃度と分析物濃度の分析に適用される。いくつかの実施形態では、上記量は以下の任意の2つの間の範囲内である:約10nL、約20nL、約30nL、約40nL、約50nL、約60nL、約70nL、約80nL、約90nL、約100nL、約150nL、約200nL、約250nL、約300nL、約400nL、約500nL、約600nL、約700nL、約800nL、約900nL、約1μL、約2μL、約3μL、約4μL、約5μL、約6μL、約7μL、約8μL、約9μL、または約10μL。いくつかの実施形態では、上記量はせいぜい約20μL、約250nL、約200nL、または約50nLである。いくつかの実施形態では、上記量は、せいぜい約10nL、約20nL、約30nL、約40nL、約50nL、約60nL、約70nL、約80nL、約90nL、約100nL、約150nL、約200nL、約250nL、約300nL、約400nL、約500nL、約600nL、約700nL、約800nL、約900nL、約1μL、約2μL、約3μL、約4μL、約5μL、約6μL、約7μL、約8μL、約9μL、または約10μLである。
【0050】
いくつかの実施形態では、オスモル濃度と分析物の測定は、微小流体チップなどの単一の微小流体デバイスで行われる。いくつかの実施形態では、微小流体デバイスは、非限定的な例として、微小流体流路、チャンバなどの一定量の流体サンプルを受け取るために形成された複数のサンプル領域を含んでいる。いくつかの実施形態では、微小流体の構造の寸法は必要に応じて変えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される微小流路、アッセイ流路、またはオーバーフロー経路は、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、または約1mmの流路幅を有する。いくつかの実施形態では、流路の深さまたは高さは、約5μm、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、約1500μm、約200μm、約250μm、約300μm、または約400μmである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されたデバイスは、約300μmの流路幅と約75μmの流路深さを有するサンプル量でオスモル濃度の検出を行うための毛細管流路を含んでいる。いくつかの実施形態では、流路幅は流路の断面形の2つの空間点を接続する最大の距離である。
【0051】
いくつかの実施形態において、微小流体デバイスの各サンプル領域は、異なる分析機能を実行するために使用される。いくつかの実施形態において、デバイスは、オスモル濃度の測定用の少なくとも1つのトランスデューサを含む第1のサンプル領域と、分析物検出の実行用の検出基材を含む第2のサンプル領域とを含む。オスモル濃度および分析物の測定が連続して実行される実施形態(限定的ではない例として、オスモル濃度の検出が分析物の検出前に実行される)において、サンプル領域は相互の流体連通状態(限定的ではない例として、通路、貫通孔または他の流体要素によって連通される)に置かれ、それにより、一定量のサンプルが、第1のサンプル領域から第2のサンプル領域内へ流動することが可能になる。いくつかの実施形態において、限定されるものでないが、対流、圧力駆動流動、灯心作用、毛管作用、蒸発、溶解、またはこれらの適切な組合せを含む様々な方法により、流動を作動させる。いくつかの実施形態において、サンプル量を移動させて、システムを通じた流動を作動させるために、洗浄流体のような第2の流体が、微小流体デバイスへ導入される。いくつかの実施形態において、サンプルの流体流動は、第1および第2のサンプル領域のうちの一方から移動し、次いで、第1および第2のサンプル領域の他方のサンプル領域に達する。
【0052】
いくつかの実施形態において、微小流体デバイスの異なるサンプル領域間の流動のタイミング及び/又は比率を制御することは、限定されない例として、測定の実行に十分な時間を確認するため、およびサンプル処理を容易にするために、有益である。いくつかの実施形態において、オスモル濃度測定は、実行するためにおよそ1−2秒を必要とする。デバイスの他の実施形態において、オスモル濃度測定は、実行するために、システムが非定常流動の変動が安定するまでの待機後、およそ3−10秒を必要とする。従って、微小流体デバイスのいくつかの実施形態は、サンプル量が適切な時間長さの間、サンプル領域に保持されることを保証するため、および、サンプル量が他の領域内へ早期に流動するのを防ぐために、本明細書で記載された1以上の計測メカニズムまたは他の流動制御要素を組込む。
【0053】
特定の実施形態において、
図1は、ある実施形態に基づく、測定機構としての受動的バルブを有し、対象のオスモル濃度および分析物の統合検出するための微小流体デバイス10の横断面視図を図示する。
図1の実施形態において、微小流体毛細管チップ(100)は、取り扱いの間に内部の内容物を保護するための至便な方法を提供する微小流体カプセル(101)の内部に組み込まれている。カプセル(101)は、1以上の検出基材(103)(限定されない例として、ニトロセルロースのような微小多孔性基材、ガラス繊維複合パッド、Fusion 5、Porex材料、紙、PVDFなど)を受け入れる空洞を規定する内表面(破線(102)によって示す)を含み、組立中に、基材が垂直に配置されるのを可能にする。いくつかの実施形態において、カプセル内部は、移動流体(105)のリザーバ(限定されない例として、ブリスターパック)が、下記にさらに詳細に記載されるように、押された時に破裂することを可能にする、突出形状(104)を含む。感圧性接着剤(106)が、カプセルの内表面(102)上に位置しており、微小多孔性基材を、カプセル(101)および微小流体毛細管チップ(100)の両方に結合しており、該微小多孔性基材は、親水性の感圧性接着剤(107)によって密封される。いくつかの実施形態において、毛細管流路(112)は、接着剤(107)が経路(112)の1つの壁を提供し、チップ(100)の上部表面が第2の壁を提供するように、感圧性接着剤(107)と微小流体チップ(100)の上部表面との間に規定される。
【0054】
いくつかの実施形態において、毛細管流路(112)は、オスモル濃度測定が実行される第1のサンプル領域を提供し、検出基材(103)を含む空洞は、分析物測定が実行される第2のサンプル領域を提供する。いくつかの実施形態において、デバイス(10)の第1および第2のサンプル領域は、連続的経路または貫通孔(114)によって、相互に接続される。いくつかの実施形態において、経路(114)は、2つのサンプル領域間の流動を制御するための測定機構を提供するパッシブバルブ(108)を含む。例えば、パッシブバルブ(108)は、流体流動を抑制するために使用される1以上の幾何学的特徴を含む。いくつかの実施形態において、パッシブバルブは、全般的に親水性である層の上の、実質的に疎水性の材料のストライプまたは領域のような、流体経路に沿った側壁角度の鋭角的変化、または親水性の変動を含む。
図1のような特定の実施形態において、バルブ形状における鋭角的遷移角度は、サンプル量に対する計測機能を提供する。
【0055】
流体サンプル量が、微小流体チップ(100)の入口(113)の位置から、デバイス10内へ導入される場合、それは、パッシブバルブ(108)によって停止されるまで、経路(112)を流動する。いくつかの実施形態において、次いで、量のオスモル濃度は、経路(112)に配置される1以上のトランスデューサを使用して、経路(112)内で測定される。いくつかの実施形態において、電極(図示せず)は、経路(112)内(限定されない例として、チップ(100)によって規定されたチャネル壁上)に埋設される。いくつかの実施形態において、電極は、例えば金属蒸着および後のレーザアブレーションによって、チップ(100)の表面上でパターン化され、十分なサンプル流体が経路(112)に収集された時を判定するために使用される。付加的に、いくつかの実施形態において、毛細管流路(112)内の電極は、インピーダンスベースのトランスデューサを生成し、それによって、サンプル量のエネルギー特性を、サンプル流体のオスモル濃度を示すサンプル示度を生成するための、毛細管流路(112)内から検出する。
【0056】
いくつかの実施形態において、サンプルのオスモル濃度が一度測定されたならば、分析物測定を実行するために、サンプル量が、第1のサンプル領域(経路(112))から第2のサンプル領域へ移動させられる。任意の適切な技術が、流体量のこの移動を達成するために使用される。いくつかの実施形態において、リザーバ(105)は、作動用の外力(限定されない例として、親指または他の指、スクリュー、リーダシステムスロットにおける固定の突出形状、または他の作動用要素)により外部から押圧される。この外力は、限定されない例として、圧力駆動流動及び/又は灯心作用により、移動流体が、カプセルの微小流体(109)を通じて、チップ(100)内の垂直の入口(110)(いくつかの実施形態において、追加のパッシブバルブを含む)内へ流動することを可能にする。いくつかの実施形態において、洗浄流体(限定されない例として、容積約1μlから約50μlまで)の第1のサンプル領域内へのへ導入は、サンプル量が、微小多孔性の検出基材(103)を含むサンプル領域上まで、パッシブバルブ(108)を通過させることを引き起こす。いくつかの実施形態において、入口(113)または垂直の入口(110)は、1以上の一方向性バルブを含む。いくつかの実施形態において、1以上のバルブは、流体の圧力によって駆動される。
【0057】
いくつかの実施形態において、サンプルが検出基材(103)の遠位端(限定されない例として、
図1に示されるような検出基材(103)の右側)に向かって流動すると、サンプルは、検出基材(103)上またはその内部に配置されたアッセイ試薬と相互作用し、それにより、サンプル流体中の1以上の分析物の濃度を示すサンプル示度を生成する。いくつかの実施形態において、少なくとも検出基材(103)の一部が、カプセル(101)の窓部(111)を通じて暴露され、それによって、分析物アッセイ結果の光学的問合せを可能にする。他の実施形態において、チップ(100)およびリザーバ(105)は、別々のキャリア上に組み立てられ、その後、それはカプセル内へ押し込まれるか、あるいはそうでなければカプセルに取着される。そのような実施形態において、別々のキャリアは、微小流体経路を提供する。流体連通が、リザーバ(105)から、垂直の入口(110)へ、経路(112)を通じて、経路(114)およびパッシブバルブ(108)を通じて、および、カプセルプラスチックではなく検出基材(103)上に向って、流動することを可能にする。
【0058】
特定の実施形態において、
図2は、いくつかの実施形態に基づく、対象のオスモル濃度および分析物の統合検出用の、測定機構としてのアクティブバルブを有する、微小流体デバイス(20)の断面図である。デバイス20の構成要素は、デバイス(20)が、パッシブバルブではなく、流体流動を制御するための測定機構としてのアクティブバルブを含むという点を除き、デバイス(10)の構成要素と全般的に類似する。
図2の実施形態において、微小流体毛細管チップ(200)は、第1のサンプル領域(毛細管流路(203))と第2のサンプル領域(検出基材(204))との間の流体流動を制限及び/又は停止させる、能動素子(202)から構成されるアクティブバルブを含む。いくつかの実施形態において、能動素子(202)は、貫通孔(201)、または毛細管流路(203)内に配置される。
【0059】
任意の適切なタイプのアクティブバルブが、デバイス(20)内の流体流動を制御するために使用される。限定的でない例として、アクティブバルブは、第1および第2のサンプル領域間の流動を物理的に阻止する要素を含むが、流動を許可するために、刺激または信号が適用されると移動される。他の実施例として、アクティブバルブは、サンプル流体と相互作用し、それによって実質的な流体流動を減少させるかまたは阻止する、表面エネルギー調整用の形体を含む。限定的でない例として、能動素子(202)は、アルカンチオールの表面組織化膜(SAM)のような、流体流動を妨害する疎水性コーティングを有する1以上の電極を含む。例えば、電場は、アルカンチオール群の表面単分子膜の電機溶解を引き起こすために、電極に適用され、それによって、表面エネルギーを遷移させると共に、流体を選択時間に通過するのを可能にする。印加電圧は、約1Vから約100)Vの範囲内であり、例えば約1Vから約10Vまでの範囲内である。刺激に反応して、疎水性から親水性へ遷移することが可能な、他のタイプの能動素子(202)が、他の実施形態において使用される。
【0060】
いくつかの実施形態において、表面エネルギー調整用形体は、サンプル流体への曝露によって溶解するように設計され、それによって、ひとたび十分な時間が溶解のために経過したならば、バルブを通じた通過が可能になる。限定的でない例として、能動素子(202)は、溶解前のおよそ1−30秒間、流動を阻止し、流体が下流の第2のサンプル領域へ自由に流動することを可能にする。随意に、デバイス(20)は、流体が流動している間に、空気を逃がすことを可能にするためのベント孔として機能する、付加的な微小流路を含む。これらの微小流路ベント孔は、流体がベント孔内へ浸入するのを防ぐため、疎水性材料から製作されるか、または疎水性の表面コーティングを含む。
【0061】
特定の実施形態において、
図3Aは、いくつかの実施形態に基づく、流体流動を遅延させる表面エネルギーの相互作用を利用する、対象のオスモル濃度および分析物の統合検出用の微小流体デバイス(30)の断面図を示す。微小流体デバイス(30)の構成要素は、下記の特定を除き、デバイス(10)および(20)の構成要素と全般的に類似する。デバイス(10)および(20)と同様に、デバイス(30)は、微小流体毛細管チップ(300)および微小流体カプセル(302)内の検出基材(301)を含む。いくつかの実施形態において、チップ(300)および基材(301)は、感圧性接着剤(303)の層によって密閉され、相互に結合される。特に、検出基材(301)は、デバイス10および20のような微小流体チップ(300)の下方ではなく、その上方に位置する。毛細管流路(304)は、チップ(300)の上方表面と感圧性接着剤(303)の層とによって規定される。いくつかの実施形態において、チップおよびリザーバは、別々のキャリア上に組み立てられ、その後、これはカプセル内へ折り込まれるか、またはそうでなければカプセルに取着される。そのような実施形態において、別々のキャリアは、流体連通が、リザーバから、垂直の入口へ、流路を通じて通過し、およびパッシブバルブに至るまで、および、カプセルプラスチックではなく検出基材上まで、流動することを可能にする微小流体流路を提供する。ある実施形態において、キャリアは、主リザーバの最初の破裂後に、流動を遅延させるため、または気泡を捕捉するための流体静電容量を提供するための、微小流体リザーバを含んでいる。
【0062】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載した他の実施形態と同様に、流路(304)がサンプル量のオスモル濃度測定を実行するための第1のサンプル領域を提供する一方で、検出基材(301)が分析物検出用の第2のサンプル領域を提供する。第1および第2のサンプル領域は、チップ基材の開口(306)上の感圧性接着剤(303)の層内に形成された貫通孔または経路(305)によって流体的に連結される。いくつかの実施形態において、経路(305)および毛細管流路(304)は、流体を制限するためのバルブや他の測定機構を含まない。代わりに、デバイス(30)は、第1と第2サンプル領域間の流体流動を制御するために、流体サンプル量と粘着層(303)との表面エネルギー相互作用を利用する。いくつかの実施形態において、粘着層(303)の親水性及び/又は疎水性は、流体流動の制御を達成するために所望されるように調整される。限定的でない例として、粘着層(303)は、2つの親水性の外側層(限定されない例として、25μmの層)間に位置する疎水性の中間層(限定されない例として、75μmのPET層)を含む。いくつかの実施形態において、この多層の接着剤は、流路(304)を通るサンプル量の流動を遅くして、流路(304)内でオスモル濃度を測定するために十分な時間を使用可能にすると共に、サンプルが第2のサンプル領域の検出基材(301)内へ進入するのを遅延させる。
図1および
図2における他の実施形態でのように、いくつかの実施形態において、サンドイッチELISAの半体用の反応構成要素は、流路(304)において、乾燥され、スポットされ、さもなくば固定される(共有結合的、イオン結合的、疎水的、非特異的、吸着的)。他の実施形態において、サンドイッチELISAの半体用の反応構成要素は、開口部(306)内へ、乾燥され、スポットされ、さもなくば固定される(共有結合的、イオン結合的、疎水的、非特異的、吸着的)。さらに他の実施形態において、サンドイッチELISAの半体用の反応構成要素は、基材(301)上で、乾燥され、スポットされ、さもなくば固定される(共有結合的、イオン結合的、疎水的、非特異的、吸着的)。いくつかの実施形態において、そのような反応構成要素は、抗体またはそれとの抗原結合フラグメント、生合成抗体結合部位、アプタマー、可変短鎖フラグメントなどを含む。特定の実施形態において、サンドイッチELISAの第2の半体は、流路(304)、開口(306)または基材(301)内で、乾燥され、スポットされ、さもなくば固定される(共有結合的、イオン結合的、疎水的、非特異的、吸着的)。いくつかの実施形態において、蛍光染料、ナノ粒子、酵素、電気化学発光、化学発光、HCR、発光ナノスフェアー、反射ナノ粒子、レドックスラベル、ストレプトアビジン、アビディン、ニュートラアビジン、ビオチン、ユウロピウムキレート染料、アップコンバート蛍光体、FRETシステム、プラズモンラベルなどのような適切なラベルが、サンドイッチELISAの検出半体に付設される。
【0063】
<限定的でない典型的な試薬>
基材構成、および、対象の分析物の存在及び/又は濃度を検出するために基材を製作し使用する方法は、例えば米国特許第6,319,676:5,141,850;5,602,040;5,656,503;5,714,389;5,591,645;5,989,921;6,319,676;6,485,982;7,763,454号に開示され、米国特許出願公開第2015/0017068号、米国特許第5,714,389;5,989,921および6,485,982号には、アッセイ基材について記述され、それによれば、対象の分析物が、試験領域に固定された分析物(限定されない例として、抗分析物抗体)用の固定されたバインダーによって試験領域内に直接捕捉される。このアプローチにおいて、分析物用のラベルが付された第2のバインダーに結合された分析物(限定されない例として、第2の抗分析物抗体)は、「半サンドイッチ」の形態で、試験領域内で結合される。米国特許第6,319,676および5,141,850号には、アッセイ基材について記載され、それによれば、対象の分析物(限定されない例として、抗分析物抗体)が、対象の分析物用のバインダーと共有結合したバインダーパートナー(ビオチン)に結合する、固定されたバインダー(限定されない例として、アビディンまたはストレプトアビジン)によって、試験領域に間接的に捕捉される。このアプローチにおいて、捕捉可能な結合部分(限定されない例として、ビオチン付加された抗分析物抗体)−分析物−検知可能な結合部分(限定されない例として、ラベルが付された抗分析物抗体)の複合体を含む「完全サンドイッチ」は、流体が基材を通過するように形成され、そして、捕捉可能な結合部分(限定されない例として、アビディンまたはストレプトアビジン)と結合する結合部分によって試験領域内で捕捉される。
【0064】
他の実施形態において、デバイスは、流体サンプルの分析用に構成されるものであって、該デバイスは、流体入口を規定するハウジング;ハウジング内に流体入口と流体連通するように配置されると共に、流体サンプルの一定量を受け入れるように形成されたサンプル処理領域、第1のサンプル示度を生成するために前記量中の1以上の分析物の検出を可能にするように構成された検出基材を含むサンプル処理領域;および、ハウジング内に配置されサンプル処理領域との流体連通を有する流体リザーバ、を含み、前記流体リザーバは、サンプル処理領域へ移送されたときに、サンプル処理領域内に配置された試薬を水和すること、及び/又はデバイスの操作中に検出基材を洗浄することが可能である流体を含んでいる。
【0065】
様々な実施形態において、分析物の検出及び/又は1以上の分析物の濃度の測定が要望される場合、限定されない例として、
図1、2および3Aにおけるデバイス(10)、(20)または(30)は、第1のサンプル領域が省略され、第2のサンプル領域のみを含む。これらの実施形態において、第2のサンプル領域は、サンプル処理領域と呼ばれる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるようなデバイスは、第2のサンプル領域のみを含む。さらなる実施形態において、検査されるサンプル量は、第1のサンプル領域へ移動する前に、入口及び/又は垂直な入口から第2のサンプル領域へ直接駆動される。代替実施形態において、サンプル容積は、第1のサンプル領域へ移動し、次いで第2のサンプル領域へ移動する。
【0066】
特定の実施形態において、
図3Bおよび3Cは、
図3Aのデバイス(30)に類似する、表面エネルギーに基づく流動遅延機構を実施する微小流体デバイスを使用して取得された典型的な流動結果を示す。
図3Bは、赤色食用色素を含むサンプル流体の、第2のサンプル領域として機能する微小多孔性膜(パタン化されたニトロセルロース膜)内への遅延流動を示す。圧力駆動流動が、広い紙領域により吸収され、膜の側面流路を灯心作用で流下し、次いで、クロマトグラフィアッセイの実行のためにループを形成するので、そのような構造により、毛細管流動が下流反応を駆動することを可能にする。
図3Cは、貫通孔の直径と、微小多孔性基材を濡らす前の遅延時間との間の関係を図示するグラフである。孔径が200μmである場合、遅延時間において、およそ0秒からおよそ60秒までの範囲での、大幅な変動が観察される。しかしながら、300μmおよび400μmの孔径を有するデバイスでは、変動性が比較的低くなっており、およそ10秒の遅延時間を示している。
図3Bの実施形態において、チップ基材の開口は、直径がおよそ300μmであり、これは、チップ基材開口の直径に対する、感圧性接着剤の貫通孔の直径の理想的な比率が、約0.5:1から約2:1までの範囲であることを示唆している。
【0067】
特定の実施形態において、
図4Aおよび4Bは、いくつかの実施形態に基づく、パッシブバルブを備え、対象のオスモル濃度および分析物の統合検出用の微小流体デバイス40を示す。
図4Aはデバイス(40)の分解立体図を示し、この実施形態において、微小流体毛細管チップ(400)は、底部の毛細管流路1つの表面を形成する親水性感圧性接着剤(401)を有する層内で組み立てられ、両面式感圧型接着剤層(403)が、チップ(400)の上部表面上の微小流路(404)を密閉する。両面層(403)は、それぞれ洗浄流体を受け入れ、および、空気を逃がすことを可能にする、流体入口および空気出口(405)まで伸びる。第2のサンプル領域として機能する検出基材(406)(限定されない例として、微小多孔性膜または基材)は、両面式感圧性接着剤(403)に対して圧迫密閉される。
図4Bは、組み立てられた微小流体デバイス40の断面図を示し、パッシブバルブ(407)、流体入口(408)、および毛細管流路(409)の詳細が明示される。いくつかの実施形態において、毛細管流路(409)は、オスモル濃度を分析するための第1のサンプル領域を提供し、検出基材(406)は、対象の1以上の分析物を検出するための第2のサンプル領域を提供する。いくつかの実施形態において、サンプル量は、第1のサンプル領域の毛細管流路(409)へ収集され、上で説明した機構を通じパッシブバルブ(407)によって、第2のサンプル領域内への流入が制限される。いくつかの実施形態において、洗浄流体を、洗浄入口(408)を通じて流路(409)内へ導入する際、サンプル量は、流路(409)から、第2のサンプル領域の検出基材(406)内へ、移動される。
【0068】
特定の実施形態において、
図5Aは、いくつかの実施形態に基づく、対象のオスモル濃度および分析物の統合検出のための、組み立てられた微小流体デバイス(50)の平面図(左)および底面図(右)を示す。本明細書に提供される他の実施形態と同様に、デバイス(50)は、微小流体カプセル(500)および微小流体チップ(501)を含む。カプセル(500)は、検出基材(503)(非限定的な実施例(微小多孔性基材)としての)の一部が目に見える窓部(502)を含む。いくつかの実施形態において、基材(503)は、ラテラルフローアッセイまたは他の分析物検出アッセイの読取り情報が、窓部(502)を通じ(限定されない例として、ユーザにより、または読取システムのような検出デバイスによって)観測されるように構成される。いくつかの実施形態において、デバイス(50)は同様に、流体リザーバ(504)(限定されない例として、移動流体、洗浄流体及び/又は水和流体のような、使用される流体量を含む、限定されない例として、ブリスターパック)を含み、これは、前述のように、テストされる流体サンプルを、微小流体チップ(501)の毛細管流路から検出基材(503)へ移動させるため、流体量を放出するように機械的に作動される。
図5Aの実施形態において、ブリスターパックの外面部は露出される。いくつかの実施形態において、ブリスターパックは、作動を許可するための小さな開孔を除き、実質的に被覆される。いくつかの実施形態において、ブリスターパックの構成は、不測の作動および破損の可能性を最小にするため、ユーザがブリスターパックに接触するのを防止するように用いられる。
図5Bは、対象のオスモル濃度および分析物の組み合わせ検出または対象のオスモル濃度および分析物の個別の検出のための、組み立てられた微小流体デバイスの実施形態を示す。特定のこの実施形態において、統合シース(505)は、微小流体チップの先端部、窓部、および検出基材を保護し、ひとたびデバイスがペンタイプのデバイス上に配置されると、統合シース(505)が取り外され、テストの準備がなされる。ブリスターパックリザーバ(506)は、カプセル(ハウジング)によって、ユーザの相互作用から保護されるが、カプセル/ハウジングの開孔(507)は、プランジャー(図示しないが、限定されない例として、微小流体デバイス(50)の外側の適切な大きさのプランジャー)が、ブリスタを破裂させて、感圧性接着剤(510)を通じて微小流体オスモル濃度チップ(509)に連結するキャリア(508)内の微小流体ネットワークを通じて圧力駆動流動を提供することを可能にする。いくつかの実施形態において、カプセル翼(511)およびフランジ(512)は、対向するペンと機械的に適合する形体を提供するが、一方、グリップの形体(513)は、ユーザが、デバイ全体を容易に把持し取り扱うことを可能にする。
【0069】
いくつかの実施形態における前述の実施形態は、対象のオスモル濃度および他の分析物の両方が、最低限のユーザ相互作用で、同一プラットホーム上で定量されることを可能にする。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される微小流体デバイスは、サンプル収集および測定結果の読取りを容易にするように、様々な異なるフォーマットで提供される。限定的でない例として、微小流体デバイスは、ペンタイプデバイスと連携する使用される、使い捨てユニットとして提供される。いくつかの実施形態において、ペンデバイスは、微小流体デバイスを受け入れて結合するように形成される。いくつかの実施形態において、ペンデバイスは、微小流体デバイスとユーザに対する信号とを有効化し、微小流体デバイスは未使用で、サンプリングの準備ができている。いくつかの実施形態において、ユーザは、サンプリング先端部を清浄に維持する保護シースを除去し、被験者から(限定されない例として、片方の眼から、または両眼から)涙液を収集するためにサンプリングチップを使用する。
【0070】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載するようなシステム、デバイスおよび方法は、ベースユニットを含む。いくつかの実施形態において、ベースユニットは、微小流体デバイスに可逆的に接続される。さらなる実施形態において、可逆的アタッチメントは、機械的アタッチメント、流体連通、および、電気的または電子的コミュニケーションの1つ以上から選択される。いくつかの実施形態において、ひとたびサンプル収集が完了すると、次いでペンデバイスおよび連結された微小流体デバイスが、ベースユニット(限定されない例として、読取デバイス)内へドッキングされる。ベースユニットは、自動的に任意のアクティブバルブを作動させて洗浄流体の放出および流動を可能にし、その後、分析物検出アッセイを実行し、及び/又は、記録されたサンプル読取値の読取り情報を生成する。他の実施形態において、ひとたびサンプル収集が完了したならば、次いで、ペンデバイスおよび結合された微小流体デバイスがベースユニット(限定されない例として、読取デバイス)内へドッキングされる。ベースユニットは、最終的にブリスターパックを破裂させるために、自動的にプランジャーを降下させ、微小流体回路を通じて移動流体の放出および流動を可能にし、次いで、分析物検出アッセイを実行し、及び/又はは、記録されたサンプル読取値の読取り情報を生成する。いくつかの実施形態において、ユーザは、涙液収集後、ペンデバイスから微小流体デバイスを取り外し、ベースユニット内に微小流体デバイスを設置し、次いで、自動的に作動を行うと共に、サンプルの読取り結果を表示する。そのような実施形態において、ペンデバイスは、記録されたオスモル濃度の読取値をベースユニットに伝達(限定されない例として、無線通信方式を使用)する一方で、ベースユニットが対象のアッセイ分析を実施する。いくつかの実施形態において、このシステムにより、検査科可能な多数の分析物が与えられるので、使い捨ての微小流体デバイスは、ベースユニットが関連するアッセイパラメーター(限定されない例として、タイミング、強度、励起波長、発光波長または分析物の数量)の認識を可能にするバーコードまたは2次元的バーコードのような、マーキングを含み、適切なアッセイ手続を実施する。代替実施形態において、微小流体装置自体は、ユーザが直接読み取る、対象分析物の半定量的または定性的な光学的読取り情報を提供する。
【0071】
いくつかの実施形態において、ペンデバイスは、一旦、涙液流体の十分な量が収集されたならば、ユーザを検知しユーザに信号(限定されない例として、信号音などを含む音響信号、光源などを含む視覚信号、振動などを含む触覚信号)を送るための機構を含む。その後、いくつかの実施形態において、ユーザは使い捨ての微小流体デバイスを除去し、ブリスタから流体を放出するために手動でブリスタを押し、次いで微小流体デバイスを分析用ベースユニット内へドッキングさせる。
【0072】
本明細書に記載されるようなシステム、デバイスおよび方法は、種々様々のアッセイフォーマットと適合する。アッセイの非限定的な実施例は、酵素結合免疫吸着法(ELISA)に基づくアッセイ、サンドイッチELISA、競合ELISA、ナノ粒子ベースの検出、表面プラズモン共鳴(SPR)ベースの検出、電気化学的検出、クロマトグラフィ検出、フロースルーアッセイ、ラテラルフローなどから選択される1つ以上を含む:いくつかの実施形態において、微小多孔性基材は、アッセイ反応が毛細管流路内で実行されている間に、洗浄流体を捕捉する機能を果たす。限定的でない例として、ある実施形態において、オスモル濃度を示すインピーダンスと差動インピーダンスの両方の測定は、ナノ粒子が毛細管流路内部のインターディジット型電極アレイ上に蓄積する際に、非特異性抗体が付着した上流のインターディジット型電極アレイと比較して、実行される。他の実施形態において、インピーダンス(オスモル濃度)と電気化学的特性の両方の測定は、毛細管流路内で実行される。代替の実施形態において、オスモル濃度を示すインピーダンスの測定は、毛細管流路内で実行され、微小多孔性基材は、蛍光検出を可能にする、ラテラルフロー基材として機能する。
【0073】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される基材は、基材の不均質性(限定されない例として、基材密度における偏移、局所的非等方性の生成による)、閉塞(限定されない例として、基材の孔内に蓄積する粒状物質および生物学的架橋による)、及び/又は、他の流体異方性の原因の影響を最小化するため、サンプル領域上の流動均質化を増大させるように形成された幾何形状を有する。いくつかの実施形態において、幾何形状は、検出基材中の増大した流動抵抗の所定領域を生成するように設計されている。この態様において、流動抵抗を利用することによって、時間的遅延、予測可能な流体膨張、及び/又は流体圧縮は、そうでなければサンプル領域の閉塞および不均一湿潤を引き起こす可能性がある任意のナノ粒子または生物学的架橋が減少されるかまたは除去されることを保証するために使用することができる。いくつかの実施形態において同様に、基材は、毛細管流路から膜の少なくとも1つの特定領域へ流体が移動するのを促進するが、同時に、圧力駆動されるオーバーフローが、第2のサンプル領域に進入するのではなく、毛細管移動するのを促進するように動作的に形成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの特定領域は、第1または第2のサンプル領域である。他の実施形態において、涙液のボーラスが第1のサンプル領域を流れ過ぎる時間までに、涙液流体の小量がニトロセルロース膜内の抗体の高抵抗柱を再水和するためには不十分であるので、基材は、移動流体が、ELISAの反応構成要素よりも前に、優先的に下流へ流動することを可能にし、それにより埋設された捕獲抗体を水和するように動作的に形成される。
【0074】
図6A−6Eに、多くの実施形態に基づく、流体が流れ方向に第2のサンプル領域を通過する際に、実質的に等方(均一)の流体正面を達成するための幾何形状を有する典型的な検出基材を示す。
図6F−6Gは、上流のナノ粒子分配の初期条件の直接的結果および結果として得られる未変更の流動としての、不均等で異方性のナノ粒子の下流分配の限定されない例を示す。特に、
図6Fは、ナノ粒子がストライプ状の捕獲領域の端部に達するのを妨げる、比較的速く移動する流体によって、センターライン(図の下部)に付着するナノ粒子が中央トレールに集中される間にどのように垂直に上方へ流動するかを示す。
図6Gは逆の例を示すものであり、これによれば、ストリップの幅にわたり付着するナノ粒子が端部へ押されて、ストライプ状の捕捉領域の外縁部のみの信号を結果としてもたらす。従って
図6Aは、パターンの長手端部に比べて比較的抵抗が低いために流動を中間部へ集中させるパターンを示す検出ナノ粒子が、膜の全幅にわたりストライプ状である場合に有用である:ナノ粒子は、流体経路に抵抗を付与するので、水平方向のナノ粒子の上流側ストライプは、優先的に中央を流動する流体を有する傾向、および、ストップの遠位端部でナノ粒子を沈殿させる傾向があり、したがって、流動を中央部に集中させることは、より多くの均一な流動プロファイル生成するのを支援する。
図6Bは、中央部にナノ粒子が付着(または膜上に転送)される場合に補償するために、流体を端部へ押すのに有用なデザインの特定の実施形態を示す。
図6C−6Dは、圧縮、膨張および流通抵抗を含む、断面抵抗を変化させることにより流動をより均一化するフロー制御構造に関する、限定されない異なるタイプの例を示す。さらに、
図6C−Dのこれらの構造は、平衡を保つのを支援し、膜の一方側から他方側までの流動がランダムな不安定性により変動するのを防止する流通抵抗を特色とする。これらのアプローチは、サンプル流動の正面が流体流路や案内のない検出ゾーンにわたる検知可能部分の均一な移送を許容せず、何回も、特に検知可能部分がラベルとしてナノ粒子を使用する場合、サンプルが膜を横切って流動する際に検知可能部分が時間的および空間的に変化する抵抗力を導くので、少ないサンプル量を分析する場合に非常に重要である。
【0075】
図6A−6Eに関し、いくつかの実施形態において、前述のように、検出基材は微小多孔性膜または微小多孔性基材である。いくつかの実施形態において、基材は、流入規制を生成するように設計された1以上の幾何形状を含む。そのような幾何形状は、限定されない例として、孔開け加工、加熱、焼き印、ワックス沈着、抗体または他のタンパク質沈着、高抵抗ポリマーまたは無機化合物の共有結合付着、またはレーザーパターニングなどの様々な方法によって製作される。
図6A−6Eの図示において、流体流動は、流動均質化を増大させるための制限後の入口領域効果および流動膨張を利用するように、サンプル量を基材を通じて移動させる(下から上まで)ように設計される。例えば、
図6Aの基材は、基材の中央近くの平行な細長い一連の開口を含む。基材の端部から中心へ向かうと、開口の長さが減少する。
図6Bの基材は、基材の端部から中心へ向かうと開口の長さが増加する以外は、
図6Aの基材と類似する。
図6Cの基材は、グリッドパターンに配置された、複数の小さな開口を含む。
図6Dの基材は、基材の中央部分が端部よりも著しく狭いような、砂時計形状に形成されている。
図6Eの基材は、材料の比較的狭い2つのストリップにより、基材の上部端が基材の下端部と接続されるように、中央部分に楕円形の開口を含む。
【0076】
本明細書で提供される特定の実施形態は、それら自身を、各膜内の平行なサンプル領域を可能にするための流動集中に影響する。
図6Dおよび6Eの実施形態は、平行サンプル処理に適用可能な、基材の上方部分中の一連の平行な流路を含む。いくつかの実施形態において、これらの流路は、基材の制限領域から拡張領域へサンプル量が通過した後に生じる、増大した流動均質化を利用するように設計される。
【0077】
いくつかの実施形態において、前述のように、使用される流体量はごく少量である。さらなる実施形態において、流体量は、以下から選択される1以上を含む:サンプル流体量、洗浄流体量、および移動流体量。従って、様々な実施形態において、1以上の付加的な特徴は、流動を制御し正確にサンプルを測定するために、毛細管流路及び/又は検出基材へ統合される。限定されないそのような特徴の例は、毛細管流路内の表面エネルギーにおける高い空間周波数の変化であり、それは、凹んだメニスカスの形状を蒸発中に変化させて流体量の移動を効果的に遅くする、速度バンプとして機能することが知られている。同様に、いくつかの実施形態において、曲がりくねった流路や他の遅延は、アッセイタイミングを調整しアッセイ感度を向上させるため、検出基材内にパターン化される(限定されない例として、比較的遅い流動は、サンプル領域上の比較的長い反応時間にもたらす)。
【0078】
特定の実施形態において、
図7は、多くの実施形態に基づく、流体タイミングの遅延をもたらす検出基板パターンの実施形態を示す。いくつかの実施形態において、検出基材は、前述のように、微小多孔性膜または微小多孔性基材である。いくつかの実施形態において、検出基材の幾何形状は、タイミング遅延の長さに影響を及ぼすように設計され、それによって、様々なアッセイパラメーターに対する制御を提供する。例えば、基材(700)、(701)、(702)および(703)は、屈曲する流路構造の程度の減少を示し、基材(700)は最も屈曲が多い構造を有し、基材(703)は全く屈曲を持たない構造を有している。基材における屈曲構造の程度は、基材(700)、(701)、(702)および(703)それぞれの間で、染料前面(704)、(705)、(706)、(707)が前進する程度の相違によって証明されるように、基材を通過する流体流動の遅延の量に影響を及ぼす。特に、非常に曲がりくねった基材(700)は、流体流動の大細胞型時間遅れを示す。しかし、線形の基材703は、流体流動の最小の遅延を示す。
【0079】
図8は、特定の実施形態における、統合インピーダンス電極を有するポリカーボネート微小流体チップに結合された、微小多孔性ニトロセルロースポリマー(800)(破線)の好ましい実施形態を図示する。この実施形態において、チップにおける涙液流体のナノリットル量の収集に際し、涙液流体は、
図8Aに示すように、涙液オスモル濃度が最初に分析される。
図8Bに示すように、同じ実施形態において、コンピューター制御されたステッピングモーターで駆動されるプランジャー(図示せず)によるブリスターパックリザーバの後の作動が、収集流路(801)からパッシブバルブ(802)(ベントバルブ)を過ぎて、舌構造(803)にパターン化された微小多孔性ニトロセルロース膜の上に、涙液を押し出す空気パルスを生成する(それは、実質的にパッシブバルブ(802)の頂部内へ降下する)。
図8Cは、最初のブリスタリザーバの破裂前であって作動後の、微小多孔性膜の上までに完全に毛管移動した涙液サンプル(804)を示す。この特定の実施形態において、ブリスタを破裂させ、
図8Dのアッセイを進行させるためにバッファを流している間、涙液サンプルを、抗体機能化された蛍光性ユウロピウムキレートナノ粒子を含む検出複合体でインキュベートする(赤色ロングパスフィルター付の紫外線(UV)照明下で示す)。
図8Eに示すように、ブリスタ破壊後、バッファは、微小流路(805)を通って移動し、チップバルブ(806)を横切って降下し、流路(801)を通って戻り、ベントバルブ(802)を通って上昇し、舌部(803)の上に到達し、それにより、第2のサンプル領域(807)上で、反応したナノ粒子/涙液複合体の流動を引き起こす。この実施形態において、バッファは、ラテラルフロー反応を供給し、流体(808)のドームを生成し、4つの照明ライトのレンズ的な反射によって照明される間、ベントバルブおよび舌部の上に蓄積する。この実施形態において、微小多孔性基材は、バルブ(802)に隣接するオーバーフロー流路(809)のパターン化がなされる。いくつかの実施形態において、オーバーフロー流路(809)は、流体が膜を通るのではなく膜上を移動するための短絡経路を提供する流体のドームが、ラテラルフローアッセイの上に構築され盛り上がる危険を緩和するのを支援する。
図8Fは、反応したナノ粒子/涙液複合体(810)の最初のボーラスが、微小多孔性膜構造の外形と一致するように広がった、完了アッセイの結果を示す。いくつかの実施形態において、ボーラス(810)の厚さは、初期濃度、配分、電荷密度、交差結合状態、および微小多孔性膜上に付着させたナノ粒子の量によって制御される。いくつかの実施形態において、利用可能な全量のサブセットのみを調べるように第2のサンプル領域を構成することによって、アッセイは、スポット(811)の強度が、量とは比較的依存しないようにする。いくつかの実施形態において、アッセイ線形性範囲内で、涙液中の分析物の濃度が高くなるほど、スポット(811)の強度がより強くなり、濃度が低いほど強度は弱くなる。
【0080】
図9は、
図9Aに示すような統合インピーダンス電極を有するポリカーボネート微小流体チップ(901)に結合した、ニトロセルロースポリマー(900)(破線)の好ましい実施形態を示すものである。左端のチップ(902)でナノリットル量の涙液流体を収集するに際し、涙液流体は、
図9Bの流路(903)内において、涙液オスモル濃度が最初に分析される。コンピューター制御されたステッピングモーターで駆動されるプランジャー(図示せず)によるブリスターパックリザーバの後の作動は、流路(904)を進み、チップバルブ(905)を通って移動し、涙液を、パッシブベントバルブ(906)を過ぎてから、舌構造(907)にパターン化された微小多孔性膜上まで押しやる、空気パルスを生成する。(
図9Cに示すように、それは、キャリアプラスチックハウジング(図示せず)の頂部から放射するポリカーボネートの指部の突出によって、ベントバルブの頂部内へ実質的に押し込まれ、最初のサンプル移動をもたらす)。
図9に示されるこの特定の実施形態において、抗体機能化されたEuキレートナノ粒子は、アッセイを実行する前に、ニトロセルロース膜上でではなく、ベントバルブ(906)に含まれ、涙液とナノ粒子とが、収集流路内に在る間に、インキュベートすることを可能にする。
図9Cで証明するように、多重化され、付着させた捕捉抗体(908)は、流体の少ないナノリットル量が、効果的にサンプル領域に水分補給するのを妨げる流体抵抗を生成する。これは、
図9Dにも示され、赤色フィルターUV照射の下で、ナノ粒子(909)の発光は、捕捉抗体スポットから有効に除外されている。対象の分析物の信号全体は、流体の初期ボーラス内に含まれ、下流の流体圧縮(910)は、サンプル流体が、捕捉スポットの周囲ではなく、優先的に捕捉スポットを通って流動することを引き起こす流動抵抗の増大をもたらす。何故なら、
図9Eに示すように、流路中心を通過するよりも、捕捉スポットは低抵抗であり、ナノ粒子が捕捉抗体上を流動する場合、クロマトグラフィアッセイを容易にする。多重結果(911)は、
図9Fに示され、サンドイッチイムノアッセイの結果として、サンプル流体内で、それが流通したときに、一連の検出した対象の複合結合分析物が捕捉される。さらに、アッセイ流路を囲むオーバーフロー流路(912)は、過剰流体を吸収し、バッファのドームが微小多孔性基材の頂部からあふれて流れること、および、流れるバッファに、第2のサンプル領域を通過する以外の、最小抵抗の経路を与えることを防止する。
【0081】
いくつかの実施形態において、下記から選択された2つの要素が、相互に流体連通する:毛細管流路、検出基材、微小多孔性基材、カプセル、毛細管チップ、カプセルの内壁によって規定された空洞、リザーバ、検出基材に流体的に接続された経路、バルブ、垂直な入口、および入口。
【0082】
いくつかの実施形態において、システム、デバイスおよび方法は、本明細書に記載するようなブリスターパックまたはこれの使用を含む。いくつかの実施形態において、ブリスターパックは、流体量をその内部において保持するように構成された、少なくとも1つの包囲され且つ密閉された量を内包する。いくつかの実施形態において、アクチュエーティング要素がブリスターパックに適用されるときに、ブリスターパック内に収容される流体量は、所定の方法で放出される。いくつかの実施形態において、アクチュエーティング要素は、本明細書に記載するようなデバイス、システムの外側、または内側に存在する。いくつかの実施形態において、ブリスタ内の流体量は、本明細書に開示されるようなデバイスまたはシステム内の、第1のサンプル領域、第2のサンプル領域、または、1以上の要素を洗浄するのに十分である。いくつかの実施形態において、移動するサンプル流体に基づいて、本明細書に記載するようなシステムまたはデバイスが有効な第1のサンプル読取り値または有効な第2のサンプル読取り値を生成するように、ブリスタ内の流体量は、該デバイスまたはシステム内の第1のサンプル領域、第2のサンプル領域、または1以上の要素へサンプル流体を移動させるのに十分な量である。いくつかの実施形態において、ブリスタ内の流体量は、約10nLから約50μlまでの範囲内、または約50nLから500nLまでの範囲内である。いくつかの実施形態において、流体量は、下記のうちの任意の2つの間の範囲内である:約10nL、約20nL、約30nL、約40nL、約50nL、約60nL、約70nL、約80nL、約90nL、約100nL、約150nL、約200nL、約250nL、約300nL、約400nL、約500nL、約600nL、約700nL、約800nL、約900nL、約1μl、約2μl、約3μl、約4μl、約5μl、約6μl、約7μl、約8μl、約9μl、約10μl、約11μl、約12μl、約13μl、約14μl、約15μl、約16μl、約17μl、約18μl、約19μl、約20μl、約21μl、約22μl、約23μl、約24μl、約25μl、約26μl、約27μl、約28μl、約29μl、約30μl、約31μl、約32μl、約33μl、約34μl、約35μl、約36μl、約37μl、約38μl、約39μl、約40μl、約41μl、約42μl、約43μl、約44μl、約45μl、約46μl、約47μl、約48μl、約49μl、または約50μl。いくつかの実施形態において、流体量は、せいぜい約20μl、約250nL、約200nL、または約50nLである。流体量は、せいぜい約10nL、約20nL、約30nL、約40nL、約50nL、約60nL、約70nL、約80nL、約90nL、約100nL、約150nL、約200nL、約250nL、約300nL、約400nL、約500nL、約600nL、約700nL、約800nL、約900nL、約1μl、約2μl、約3μl、約4μl約5μl、約6μl、約7μl、約8μl、約9μl、約10μl、約11μl、約12μl、約13μl、約14μl、約15μl、約16μl、約17μl、約18μl、約19μl、約20μl、約21μl、約22μl、約23μl、約24μl、約25μl、約26μl、約27μl、約28μl、約29μl、約30μl、約31μl、約32μl、約33μl、約34μl、約35μl、約36μl、約37μl、約38μl、約39μl、約40μl、約41μl、約42μl、約43μl、約44μl、約45μl、約46μl、約47μl、約48μl、約49μl、または約50μlである。
【0083】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載するようなシステム、デバイスおよび方法は、インタフェースを含む。さらなる実施形態において、インタフェースは、第1および第2のサンプル領域間に配置される。さらなる実施形態において、インタフェースは、サンプル流体が相互作用する露出した膜の量を最小化するように構成される。いくつかの実施形態において、インタフェースは、サンプル流体が相互作用する露出した膜の量を最小化するために形成され配置される。
【0084】
従って、いくつかの実施形態において、ここでの開示は、微小流体涙液収集と、対象の分析物の生物学的検定法とを、単一の受け取りデバイス内に統合することを容易にするシステム、方法およびデバイスを提供する。本明細書に記載した集積化デバイスの様々な実施形態は、ナノリットルスケールの涙液収集、正確な涙液流体の測定、涙液オスモル濃度測定を容易にするための流体移動遅延、検出体接合状態での涙液のインキュベーション、流体のナノリットル量のサンプル領域への定時的移送、及び/又は、ブリスタにより作動される洗浄と対象の複数の分析物の光学の定量化とを可能にする特徴を可能にする。いくつかの実施形態において、そのような分析の結果は、ドライアイ疾病、緑内障、糖尿病性網膜症、アレルギー、円錐角膜、黄斑変性、または他の眼疾病のような、種々様々な眼症状の治療およびモニタリングに適用される。限定されない例として、本明細書に記載したアプローチを使用して生成されたサンプル読取りは、様々な眼症状に対する治療計画を調節するための基盤として使用される。
【0085】
本明細書で使用されるようなA及び/又はBは、AまたはBの1つ以上、および、AおよびBのようなこれらの組合せを包含する。
【0086】
値の範囲が提供される場合、各間の値は、文脈が明確に他の意味に規定しない限り、その範囲の上限および下限の間の、下限の単位の10分の1まで、および、その表示された範囲内の任意の他の表示された値または間の値は、本明細書で提供される開示の範囲に包含されるものと理解される。いくつかの実施形態において、これらのより狭い範囲の上限および下限は、独立してより狭い範囲に含まれ、および同様にこの開示内に包含され、表示された範囲の特異的に除外された境界値になることがある。表示された範囲が境界値の1つまたは両方を含む場合、それらに含まれた境界値の一方または両方を除外する範囲は、同様に、本明細書で提供される開示に含まれる。
【0087】
いくつかの実施形態において、本明細書では、範囲は、「約」ある特定値から、及び/又は、「約」他の特定値までと表現される。そのように範囲が表現される場合、他の実施形態は、ある特定値から、及び/又は、他の特定値まで、を含む。同様に、値が近似的に表現される場合、先行詞「約」の使用によって、特定値が他の実施形態を形成することが理解される。さらに、各範囲の終了点は、他の終了点と関連する場合、および他の終了点とは無関係な場合のどちらでも重要であると理解される。本明細書で使用される「約」の用語は、特定の使用の文脈内で表示された数値からの10%のプラスまたはマイナスの範囲を指すものとする。
【0088】
別段の定めがない限り、ここで記載された方法および手順は、任意の順序で実行される。限定的でない例として、工程(a)(b)および(c)を記載する方法は、いくつかの実施形態において、最初に工程(a)、次いで工程(b)、そして次いで工程(c)の順で実行される。あるいは、いくつかの実施形態において、方法は、例えば、限定されない例として、最初に工程(b)、その後工程(c)、そして次いで工程(a)のような異なる順で実行される。
さらにいくつかの実施形態において、それらの工程は、特別に別の態様に指定されない限り、同時にまたは別々に実行される。
【0089】
現在の開示における任意の機器、デバイス、システムおよびそれらの構成要素の具体的な大きさは、本明細書の開示に照らし、当業者に明白なように、目的とする適用に応じて、容易に変更し得る。さらに、本明細書に記載した実施例および実施形態は、例示のみを目的とするものであること、および、それらに基づく様々な改造または変更が当業者に示唆され得ること、並びに、この出願の精神および範囲および添付された特許請求の範囲内に含まれることが理解される。本明細書に記載した実施形態の多数の異なる組合せが可能であり、そのような組合せは、現在の開示の一部と考えられる。さらに、本明細書の任意の1つの実施形態に関連して述べられた全ての特徴は、本明細書の他の実施形態における使用に容易に適用可能である。異なる実施形態中の類似の特徴に対する異なる用語または参照符号の使用は、それらが明示的に示される以外は、必ずしも相異を示唆するものではない。
【0090】
別の内容に規定されない限り、本明細書で使用される全ての技術的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形の“a”、“an”、および“the”は、文脈が明確に他の意味を規定しない限り、複数形の言及を含む。本明細書における「または」との任意の言及は、他の意味が表示されない限り、「及び/又は」を包含することを意図するものである。他の意味が表示されない限り、本明細書および請求項において使用されるような、用語「約」または用語「ほぼ」は、実施形態に応じて、+/−1%、+/−2%、+/−3%、+/−4%、+/−5%、+/−6%、+/−7%、+/−8%、+/−9%、+/−10%、+/−11%、+/−12%、+/−14%、+/−15%、+/−16%、+/−17%、+/−18%、+/−19%、+/−20%、+/−22%、または+/−25%の変化を指すものとする。限定的でない例として、約100メータは、実施形態に応じて、95メータから105メータ、90メータから110メータ、または85メータから115メータの範囲を表すものとする。
【実施例1】
【0091】
本実施例は、小量の流体サンプルの対象のオスモル濃度および分析物の量の両方を測定することができるデバイスの動作について記述する。
【0092】
該デバイスは、
図8および
図9に関連して前述したように構築され操作される。
図8に例示するように、250のng/mLのIgEが添加されたおよそ150nLヒト涙液を、組立てデバイスの流体入口に付与した。サンプルのインピーダンスおよび温度を照会する間に、組立てデバイスは、流体を、流体毛細管内へ毛細管移動させる。サンプルの導入は、インピーダンスの急激な低減を引き起こし、それにより、組み立てデバイスのカプセル/ハウジング内に配置されたブリスターパックリザーバを破裂させるプランジャーの降下を開始するためのコンピュータープログラムを起動させる。一旦、ブリスタが破裂し、移動流体がシステムを通って移動すると、直径が36ピクセルのスポットが、平均8ビット強度が52.74を示し、一方、同一スポットの上流バックグラウンド平均値が28.14を示し、下流の平均値が20.23を示し、それにより、赤色流路から、52.74−(28.14+20.23)/2=28.56の最終信号が得られた。100ng/mLの添加IgEを使用する等価のセットアップは、34.12のスポット強度、28.88の上流バックグラウンド平均値、および21.71の下流強度をもたらし、それにより、34.12−(28.88+21.71)/2=8.83の最終信号が結果として得られた。これに対し、健全な未添加の対照涙液サンプルは、21.91のスポット強度、23.46の上流のバックグラウンド、および19.03の下流バックグラウンドをもたらし、それにより、21.91−(23.46+19.03)/2=0.67の最終信号が結果として得られた。250ng/mLの信号対雑音比は42.3であり、一方、100ng/mLサンプルの信号対雑音比は13.2であった。この実験は、非常に少量のサンプル量における、対象の分析物の検出および定量化を実証した。デバイスはオスモル濃度も測定することができたが、デバイスは、試験サンプルにおいて対象の1以上の分析物の存在及び/又は量を測定するように構成し得ると考えられる。
【0093】
本明細書に、本発明の好ましい実施形態が示され記載される一方で、そのような実施形態は実施例のみの方法によって提供されることは当業者にとって明白である。本発明から逸脱することなく、多数の変更、変化および置換は、ここで当業者が思いつくものである。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替が、本発明を実施する際に使用され得ることが理解されるべきである。以下の請求項は、本発明の範囲を規定するものであること、および、これら請求項とそれらの等価物の範囲内の方法および構造が、それらの範囲内に含まれることが意図されるものである。
【0094】
本明細書で言及した特許文献および科学的事項それぞれの全ての開示は、すべての目的に対し参照によって組込まれる。
【0095】
本発明は、その精神または本質的特徴逸脱することなく、他の具体的な形態で実施されうる。したがって、従来の実施形態は、本明細書に記載した本発明を限定することなく、すべての例示の点で考慮されることになる。したがって本発明の範囲は、従来の記載によるのではなく、添付の特許請求の範囲よって示されると共に、請求項と等価の意味および範囲内に及ぶ全ての変化は、これに包含されることが意図される。