特許第6792574号(P6792574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792574
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】植物の抗酸化物質含量を高める方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20201116BHJP
   A01G 13/02 20060101ALI20201116BHJP
   A01G 9/14 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   A01G7/00 601C
   A01G13/02 E
   A01G9/14 S
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-7460(P2018-7460)
(22)【出願日】2018年1月19日
(65)【公開番号】特開2019-122353(P2019-122353A)
(43)【公開日】2019年7月25日
【審査請求日】2019年4月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】518022880
【氏名又は名称】呉炎東
【氏名又は名称原語表記】WU,YEN−DONG
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】呉炎東
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−55686(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0056225(US,A1)
【文献】 特開2011−206043(JP,A)
【文献】 特表2015−526070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/00
A01G 9/14
A01G 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の抗酸化物質含量を高める方法であって、
(a)波長の光線透過率を調整または保持する少なくとも1つの光透過性材料を、光源と植物の光受容体との間に配置され、前記光透過性材料は、桃色、赤紫色または濃赤紫色であり
(b)前記光源が発する光が前記光透過性材料を通過すると、前記光透過性材料が、340nm〜500nm領域の光線透過率を65%より低くし、500nm〜600nm領域の光線透過率を60%より低くし、および600nm〜850nm領域の光線透過率を83%より低くして、波長領域を調整する方法。
【請求項2】
前記抗酸化物質が、アスコルビン酸、各種ビタミン、アントシアニジン、エラグ酸またはポリフェノール類化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
単層または多層の光透過性材料の組合せで植物を遮ることにより、340nm〜500nm領域の光線透過率を65%より低くし、500nm〜600nm領域の光線透過率を60%より低くし、および600nm〜850nm領域の光線透過率を83%より低くし、波長領域を調整する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記光透過性材料が、生地、織編ネット、ガーゼ、織編布、プラスチック製布、プラスチックフィルム、プラスチック紙、プラスチックシート、断熱紙、ガラス、遮光塗料または不織布を指す、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記光透過性材料が、桃色赤紫色または濃赤紫色のプラスチックフィルムまたは織編ネットを指す、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記光透過性材料が、桃色で、織編密度が45%より高いネットである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
自然環境または温室で使用する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の抗酸化物質含量を高める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光合成は、植物、藻類およびいくつかの細菌が、クロロフィルを利用し、光の照射下で、二酸化炭素、水または硫化水素を炭水化物に変換することである。光合成は、酸素発生型光合成(oxygenic photosynthesis)および酸素非発生型光合成(anoxygenic photosynthesis)に分けることができる。植物が食物連鎖の生産者と言われているのは、光合成により、無機物を利用して有機物を生成し、エネルギーを貯蔵することができるためであり、そのエネルギー変換効率は約6%である。食物連鎖により、消費者は植物が貯蔵したエネルギーを吸収することができ、効率は10%前後である。大多数の生物にとって、この過程は生存する鍵となる。地球上の炭素、酸素循環において、光合成は最も重要な循環の1つである。
【0003】
温室栽培はLEDライトを利用して、自然光源を補助または代替することを始めており、LEDが園芸分野で用いられる鍵はクロロフィルの吸収スペクトルである。研究者は、クロロフィルの吸収スペクトルのピーク値が赤色光および青色光領域にあり、吸収される緑色光は比較的少なく、クロロフィルの吸収スペクトルのピーク値は400〜500ナノメートル(nm)および600〜700nmの赤色光および青色光領域に位置することを見出している。現在、大多数の栽培工場で使用される人工光源は、依然として狭スペクトル光源であり、濃青色光455nmおよび濃赤色光660nmで設計した照明器具も、発光ピークがそれぞれ青色および赤色であるLEDチップを混合している。実際に、園芸に特化して応用し、最適化したソリッドステート照明製品であり、大多数がまだ研究段階にある。高効率の青色LEDはすでに相当な時間経過しているが、赤色LEDの効率は一般的にさらなる向上が必要であり、特に波長660nmのLEDおよび波長730nmのLEDが理想的である。
【0004】
光質および植物の発育の関係について、最も著名な文献は、R.E.KendrickおよびG.H.M.Kronenbergの「Photo morphogenesis in Plant」における論述資料(1986,Martinus Nijhoff Publishers)である。様々なスペクトル範囲の植物生理に対する影響は、表1に示す通りである。
【0005】
表1、様々なスペクトル範囲の植物生理に対する影響
【0006】
【表1】
【0007】
一般的に、光色の光合成に対する影響は異なると考えられているが、実際は、光合成過程において、光色の影響に違いは無いため、フルスペクトルの使用が植物の発育に最も有利である(Harry Stijger,Flower Tech,2004年第7(2)号)。植物のスペクトルに対する最高感度領域は400〜700nmであり、この領域のスペクトルは光合成有効放射領域と通常呼ばれる。太陽光エネルギーの約45%はこの部分のスペクトルにあるため、植物光源のスペクトル分布もこの範囲に近くなければならない。
【0008】
光源が放射する光子エネルギーは波長により異なり、例えば波長400〜500nm(青色光)のエネルギーは、600〜700nm(赤色光)のエネルギーの1.75倍であるが、光合成に対しては、両者の波長の作用は同じである。緑色スペクトルにおける光合成することができない余分なエネルギーは、熱量に変換される。言い換えると、植物の光合成の速度は、400〜700nmにおける植物が吸収することができる光子数で決まり、各スペクトルで放出される光子数と関係しない。植物は、すべてのスペクトルに対して感度が異なるが、それは主に葉身内の色素の特殊な吸収性によるものである。クロロフィルは植物でよく見られる色素であるが、クロロフィルは光合成で唯一有用な色素ではなく、その他の色素も光合成に関与するため、光合成の効率はクロロフィルの吸収スペクトルのみを考慮することはできない。植物の形態的発達および葉身の色に対して、植物は各種バランスのとれた光源を受けなければならない。青色光源(400〜500nm)は、植物の分化および気孔の調節に対して十分に重要である。青色光が不足し、遠赤色光の比率が多い場合、茎部が過度に成長し、葉身の黄化が容易に引き起こされる。赤色光スペクトルR(655〜665nm)のエネルギーと、遠赤色光スペクトルFR(725〜735nm)のエネルギーとの比率R/FRが1.0から1.2の間であると、植物の発育は正常であるが、植物が異なると、スペクトル比率に対する感度も異なる。
【0009】
国際特許第2014/015020号は、植物の生長を促進する方法と、光量積算装置および方法とを開示している。これは波長を500ナノメートル以下(領域A)、500〜630ナノメートル(領域B)、および630ナノメートル以上(領域C)に調整または保持する光透過性材料を、光源と植物の光合成受容体との間に配置して、植物の生長を促進する。ただ、様々な波長を植物へ照射することは、植物自体の含有成分の多寡に影響を及ぼすかどうかはわからない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際特許第2014/015020号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】R.E.KendrickおよびG.H.M.Kronenberg,Photo morphogenesis in Plant,Martinus Nijhoff Publishers,1986
【非特許文献2】Harry Stijger,Flower Tech,2004年第7(2)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本文中の用語「1」または「1種の」は、本発明の要素および成分を記載するのに用いられる。この用語は、記載を便利にし、本発明の基本的な発想を提供するためのものに過ぎない。この記載は、1種の、または少なくとも1種の、を含むことが理解されるべきであり、明らかに他に示すものがある以外は、単数で表すとき、複数も含まれる。特許請求の範囲において、「含む」という語と共に使用されるとき、該用語「1」は、一つまたは一つ以上を意味することができる。
【0013】
本文中の用語「または」は、「および/または」と同じ意味である。
【0014】
本発明は、植物の抗酸化物質含量を高める方法に関する。本発明は、(a)波長の光線透過率を調整または保持する少なくとも1つの光透過性材料を、光源と植物の光受容体との間に配置することと;(b)該光源が発する光が該光透過性材料を通過すると、該光透過性材料が、340nm〜500nm領域の光線透過率を65%より低くする;500nm〜600nm領域の光線透過率を60%より低くする;および600〜850nm領域の光線透過率を83%より低くする;のうち、少なくとも2つの波長領域を調整することとを含む。
【0015】
本文中の「波長」は、光の波長を指す。好ましい具体的な実施例において、該波長は該光源が発する光の波長を指す。
【0016】
もう1つの具体的な実施例において、該光源は自然光源および人工光源を含むが、これに限定されない。好ましい具体的な実施例において、該自然光源は太陽を含む。もう1つの具体的な実施例において、該人工光源はLEDライトを含む。
【0017】
本文中の「光線透過率(light transmittance)」という語は、光源が発する光が該光透過性材料を通る前および後の、照度(illuminance)または光量子束密度(photon flux density)の比率を指す。例を挙げると、「入射光」は媒体(例えば本発明の光透過性材料)を通る前の光であり、「透過光」は媒体を通った後の光であり、透過光の照度を入射光の照度で割った後、100%を乗じた値が光線透過率である。
【0018】
本発明の該光透過性材料は、すべての型式のメッシュ生地(不織布を含む)、平織ネット(布)、プラスチックフィルム(布または紙)、プラスチックシート、ガラス、遮光塗料(水性および油性を含む)などの人工材料を使用することができる。太陽光源が発する各領域の波長に対する光線透過率は、それぞれ以下に示す通りである。
400nm以下の領域の光線透過率を62%より低くする。
400nm〜500nm領域の光線透過率を65%より低くする。
500nm〜600nm領域の光線透過率を55%より低くする。
600nm〜700nm領域の光線透過率を80%より低くする。
700nm〜800nm領域の光線透過率を83%より低くする。
800nm以上の領域の光線透過率を83%より低くする。
340nm〜850nm領域の全光線透過率を75%より低くする。および/または
400nm〜700nm領域の可視光領域の全光線透過率を68%より低くする。
【0019】
3つの領域の波長を独立した変数x、yおよびzとすると、340nm〜500nm領域の光線透過率x%を65%より低くし;500nm〜600nm領域の光線透過率y%を60%より低くし;600nm〜850nm領域の光線透過率z%を83%より低くする。さらにこの3つの領域の波長のうち、少なくとも2つの光線透過率が上記条件に符合すれば、植物が抗酸化物質を生成するのを増進することができる。当業者は、上記光線透過率の範囲を少し変えて、単層または多層(少なくとも2層)の光透過性材料で植物を多重に遮り、上記光線透過率の範囲内より低くすることを達成することができる。したがって、本発明の方法は、単層または多層(少なくとも2層)の光透過性材料を各種組み合わせて植物を遮り、340nm〜500nm領域の光線透過率を65%より低くする;500nm〜600nm領域の光線透過率を60%より低くする;600nm〜850nm領域の光線透過率を83%より低くする;のうち、少なくとも2つの波長領域を調整する効果を達成することができる。
【0020】
植物をこの光線透過率内で植えると、植物の栄養生長段階の生成物または生殖生長段階の生成物などに関わらず、植物の品質が高くなる。品質の向上は食感、風味、甘さ以外に、人体の健康に対して相対的に有益な成分、例えば美白物質および抗酸化物質(アスコルビン酸、アントシアニジン、ポリフェノール類化合物、各種ビタミンおよびエラグ酸を含むが、これに限定されない)などをより増加させた。
【0021】
現在、抗酸化のメカニズムおよび抗老化のメカニズムは、密接に関係することがすでに知られているため、本文中の「抗酸化物質」は「抗老化物質」と言うこともできる。すなわち該物質は、抗酸化/抗老化の効果を有する。
【0022】
本発明の光受容体は、クロロフィルa(Chlorophyll a)、クロロフィルb(Chlorophyll b)、クロロフィルf(Chlorophyll f)またはカロテノイド(Carotenoid)、フィトクロム(phytochrome)などの植物受容体を指す。
【0023】
本発明の方法は、該光透過性材料の色または異なる色間の比率を制御することにより、各領域の波長の光線透過率を調整または保持する。好ましい実施例において、該光透過性材料の色は、桃色、濃青色、サファイヤブルー、青色、赤紫色、濃赤紫色またはその組合せを含むが、これに限定されない。したがって、該光透過性材料の色は同一の色であるか、または2種以上の異なる色を有し、このうち該2種以上の異なる色のうち、各異なる色の比率を調整/制御し、各領域の波長の光線透過率を調整または保持する効果を達成しなければならない。
【0024】
該光透過性材料は、生地、織編ネット、ガーゼ、織編布、プラスチック製布、プラスチック紙、プラスチックフィルム、プラスチックシート、断熱紙、ガラス、遮光塗料(水性および油性を含む)または不織布を含むが、これに限定されない。好ましい実施例において、該光透過性材料は、プラスチックフィルム、プラスチックシート、ガラス、遮光塗料または織編ネットを指す。該光透過性材料は、桃色、濃青色、サファイヤブルー、青色、赤紫色または濃赤紫色のプラスチックフィルムまたは織編ネットを含むが、これに限定されない。好ましい実施例において、該光透過性材料は桃色で、織編密度が45%より高いネットである。
【0025】
本発明の光透過性材料が布類材料(例えば織編ネット、織編布、プラスチック製布または不織布)であるとき、その織編密度は光線透過率に影響を及ぼす。該織編密度は10%〜90%の間であることを含むが、これに限定されない。好ましい実施例において、該光透過性材料の織編密度は45%〜90%の間である。
【0026】
他に、本発明の光透過性材料がプラスチックフィルム、プラスチックシート、ガラスまたは遮光塗料(水性および油性を含む)であるとき、その色の濃度も光線透過率に影響を及ぼす。該色の濃度は10%〜90%の間であることを含むが、これに限定されない。好ましい実施例において、該光透過性材料の色の濃度は45%〜90%の間である。
【0027】
本発明は、他に光透過性材料および植物の距離を調整して、生長効率を制御することができる。これは、植物の光受容体の作用における最適温度、湿度、風速および光度を補正の基準とする。
【0028】
本発明は、植物の生長時における、各段階で必要な光の特性の違いに基づいて、異なる色の光透過性材料を採用し、光を特定段階で必要な最適比率に調整することができ、これにより植物の抗酸化物質含量を高める。本発明の方法は、自然環境または人工環境(温室を含むが、これに限定されない)で使用することができる。
【0029】
本発明の方法は、各種野菜、果物に使用することができ、リンゴ、ブドウ、各種ベリー類(イチゴ、ブルーベリー、ラズベリーなど)、トマト、ハミウリ、メロンおよびアスパラガスなどを含むが、これに限定されない。これらの野菜、果物は、抗酸化力および抗酸化物質の生成量を高める効果を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本発明の実施例である。
図2図2は、桃色(magenta)で、織編密度50%のネットの様々な波長における光量子束密度との関係図である。このうち1は1回目の測定(太陽光)であり、2は2回目の測定(織編密度50%の桃色ネットを介する)である。
図3図3は、白色で織編密度50%、桃色で織編密度55%のネットと、織編密度が55%より高い桃色ネットとを光が通過した後における、各領域の波長の光線透過率である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に示すように、光源10を植物の葉またはその他の光受容体の前に配置し、植物に光量を放射する。光透過性材料をまだ通過していない光20は、光透過性材料30とする桃色、サファイヤブルー、青色または濃青色のプラスチックフィルムまたは織編ネットにより波長がろ過され、光透過性材料を通過した光40が植物50に照射される。すなわち、適したスペクトル範囲に調整または保持することができ、これにより植物の抗酸化物質を高める。
【0032】
図2は、桃色(magenta)で、織編密度50%のネットの様々な波長における光量子束密度との関係図である。このうち1は1回目の測定(太陽光)であり、2は2回目の測定(織編密度50%の桃色ネットを介する)である。
【0033】
抗酸化力および活性成分の分析
照射下、パパイヤの株を白色透明で織編密度50%のネット、桃色で織編密度55%のネット、桃色で織編密度が55%より高いネットの下方に配置する。3つの織編ネットを光が通過した後における、各領域の波長の光線透過率は図3の通りである。
【0034】
他に、本発明はさらにパパイヤの株を白色透明で織編密度50%のネット、および桃色で織編密度45%のネットの下方に配置する。上記織編ネットを光が通過した後における、各波長の光線透過率は表2の通りである。
【0035】
表2、白色で織編密度50%、および桃色で織編密度45%のネットを光が通過した後における、各領域の波長の光線透過率
【0036】
【表2】
【0037】
本発明は、様々な光透過性材料が植物の抗酸化力および抗酸化物質の生成に与える影響をさらに分析する。
(1)イチゴ果実の分析実験
照射下で、イチゴの株を対照群(白色透明、織編密度50%のネット)、処理1(桃色、織編密度が55%より高いネット)、および処理2(桃色、織編密度55%のネット)の下方に配置する。3つの織編ネットを光が通過した後における、イチゴ果実の抗酸化力および抗酸化物質含量を分析する。その結果は表3に示す通りである。
【0038】
表3、様々な光透過性材料がイチゴ果実の抗酸化力および抗酸化物質含量に与える影響
【0039】
【表3】
【0040】
したがって、イチゴ果実の抗酸化指標であるABTS+消去率は、処理1のサンプルの消去率が最も高く、62.68±4.57%の消去率に達することができる。ポリフェノール類化合物の結果は、処理1のサンプルの含量が最も高いことを示しており、濃度は5.28±0.04mg of GAE/gであるが、エラグ酸はいずれも<0.00625mg/gである。アスコルビン酸含量は0.40mg/g〜0.58mg/gの間であり、このうち対照群は最も低く、濃度は0.40±0.0031mg/gである。アントシアニジンの含量も処理1が最も高く、濃度は1.61±0.0054mg/gである。結果は、処理1および処理2の織編ネットが、いずれもイチゴ果実の抗酸化力および抗酸化物質含量を高めることができることを示している。
【0041】
(2)A品種のパパイヤ果実の分析実験
照射下、A品種のパパイヤの株を対照群(白色透明、織編密度50%のネット)、処理1(桃色、織編密度が50%より高いネット)、および処理2(桃色、織編密度50%のネット)の下方に配置する。3つの織編ネットを光が通過した後における、A品種のパパイヤ果実の抗酸化力および抗酸化物質含量を分析する。その結果は表4に示す通りである。
【0042】
表4、様々な光透過性材料がA品種のパパイヤ果実の抗酸化力および抗酸化物質含量に与える影響
【0043】
【表4】
【0044】
したがって、A品種のパパイヤ果実の抗酸化指標であるABTS+消去率は、処理1のサンプルの消去率が最も高く、45.20±3.52%の消去率に達することができる。ポリフェノール類化合物の結果は、処理1のサンプルの含量が最も高いことを示しており、濃度は3.19±0.04mg of GAE/gであるが、エラグ酸はいずれも<0.00625mg/gである。アスコルビン酸含量は0.30mg/g〜0.43mg/gの間であり、このうち対照群は最も低く、濃度は0.30±0.0031mg/gである。アントシアニジン含量も処理1が最も高く、濃度は1.501±0.0042mg/gである。結果は、処理1および処理2の織編ネットが、いずれもA品種のパパイヤ果実の抗酸化力および抗酸化物質含量を高めることができることを示している。
【0045】
(3)B品種のパパイヤ果実の分析実験
照射下、B品種のパパイヤの株を対照群(白色透明、織編密度50%のネット)、処理1(桃色、織編密度が50%より高いネット)、処理2(桃色、織編密度50%のネット)の下方に配置する。3つの織編ネットを光が通過した後における、B品種のパパイヤ果実の抗酸化力および抗酸化物質含量を分析する。その結果は表5に示す通りである。
【0046】
表5、様々な光透過性材料がB品種のパパイヤ果実の抗酸化力および抗酸化物質含量に与える影響
【0047】
【表5】
【0048】
したがって、B品種のパパイヤ果実の抗酸化指標であるABTS+消去率は、処理1のサンプルの消去率が最も高く、37.70±3.25%の消去率に達することができる。ポリフェノール類化合物の結果は、処理1のサンプルの含量が最も高いことを示しており、濃度は3.19±0.04mg of GAE/gであるが、エラグ酸はいずれも<0.00625mg/gである。アスコルビン酸含量は0.31mg/g〜0.45mg/gの間であり、このうち対照群が最も低く、濃度は0.31±0.0033mg/gである。アントシアニジン含量も処理1が最も高く、濃度は1.500±0.0042mg/gである。結果は、処理1および処理2の織編ネットが、いずれもB品種のパパイヤ果実の抗酸化力および抗酸化物質含量を高めることができることを示している。
【0049】
したがって、本発明の光透過性材料をイチゴおよびパパイヤ上で使用すると、抗酸化力および抗酸化物質の生成量を上昇させる効果を得ることができる。
【0050】
上記の詳細な説明は、本発明の好ましい実施方式を具体的に説明したものであるが、本発明を限定するものではない。したがって、当業者が本発明の主旨および範囲を逸脱せずに行った同等の実施または変更は、いずれも本発明の特許請求の範囲内に包含されるべきである。
【符号の説明】
【0051】
10 光源
20 光透過性材料をまだ通過していない光
30 光透過性材料
40 光透過性材料を通過した光
50 植物
図1
図2
図3