(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の目的、特定の長所及び新規な特徴は、添付図面と結び付けて行う以下の詳細な説明及び好適な実施形態からなお一層明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付するに当たって、同じ構成要素に限っては、たとえ異なる図面の上に表示されているとしても、できる限り同じ番号を付していることに留意すべきである。なお、本発明について説明するに当たって、関連する公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする虞があると認められる場合にはそれについての詳細な説明を省略する。
【0025】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。参考までに、本明細書における中身(内容物)は、化粧品や薬品などであって、いうまでもなく、圧縮やポンピングなどにより排出可能なあらゆる物質を網羅する。
【0026】
また、本明細書において、たとえ異なる実施形態の構成要素が図面符号を共有するとしても、必ずしも同じ形態や構造を有するとは限らないということに留意すべきである。なお、本明細書において、上昇又は下降は、絶対的な動きに加えて、他の構成要素に比べて相対的な動きを網羅する意味として用いられる。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る液体吐出容器の斜視図であり、
図2は、本発明の一実施形態に係る液体吐出容器の分解斜視図であり、
図3は、本発明の一実施形態に係る液体吐出容器の断面図である。
【0028】
以下、
図1から
図3に基づいて、本発明の一実施形態に係る液体吐出容器について詳細に説明する。
【0029】
本発明の一実施形態に係る液体吐出容器1は、容器本体10と、ショルダー部20と、塗布ティップ30及びノズル40を含む。
【0030】
容器本体10は、中身を貯留する構成要素であって、一方の側が開放されていてもよい。容器本体10に貯留される中身は、上述したように、その種類や成分などを問わない。但し、中身は、ノズル40を介して排出されるときに塗布ティップ30の上面から外れることなく安定的に載置可能なように、高粘度の性質を有してもよい。
【0031】
容器本体10は、中身を収容する構成要素であって、容器本体10としては、チューブ(tube)、瓶(bottle)、トトル(tottle)、ペンシル(pencil)など多種多様な形態が挙げられる。容器本体10は、外力により圧縮されて中身を一方の側に排出してもよく、本発明の一実施形態においては、チューブ容器を例にとって説明しているが、外力が加えられれば一方の側を介して中身が排出可能である限り、あらゆる形態のものが採用可能である。
【0032】
容器本体10の開放された一方の側には注ぎ口部11が設けられていてもよく、注ぎ口部11は、容器本体10の一方の側にショルダー部20を係合するために設けられていてもよい。注ぎ口部11は、内側に中身を外部に排出するための開口111が形成されており、注ぎ口部11の開口111にショルダー部20が係合されて、中身は、注ぎ口部11の開口111に係合されたショルダー部20を介して外部に抜け出ることが可能になる。
【0033】
注ぎ口部11の外側には、ねじ山112が設けられていてもよい。注ぎ口部11の外側のねじ山112は、後述する蓋体50の係合のために設けられるものであるが、容器本体10及び蓋体50間の係合方式として螺合方式を除く方式を採用する場合、ねじ山112は省略可能である。
【0034】
ショルダー部20は、容器本体10の開放された一方の側に係合され、塗布ティップ30が載置されてもよい。ショルダー部20は、注ぎ口部11の開口111に嵌入して容器本体10の開放された一方の側を密閉してもよく、ショルダー部20の下側には開口111の内壁に密着されるスリーブ(符号なし)が延びていてもよい。
【0035】
ショルダー部20の上側には突出部21が設けられ、突出部21には塗布ティップ30が係合されてもよい。突出部21は、ショルダー部20を基準として塗布ティップ30が強固に係合されているように構成されるが、いうまでもなく、塗布ティップ30がショルダー部20に接着、一体製作などの方法により係合される場合には突出部21は省略可能である。
【0036】
ショルダー部20の下側には排出部22が設けられていてもよい。排出部22は、ショルダー部20から容器本体10の内部に向かって延びる構成要素であり、中空の管状に設けられていてもよい。排出部22の内部にはノズル40が昇降自在に嵌入してもよい。
【0037】
排出部22において容器本体10の内部に面する片面である下面には、排出口221が形成される。排出口221は、ノズル40により開閉されてもよく、開放の際にノズル40の流路41を介して中身を外部に伝達する。すなわち、排出部22は、容器本体10の内部をノズル40の流路41に連結してもよい。
【0038】
但し、このとき、開閉とは、排出口221それ自体を直接的に開閉することに加えて、排出口221とノズル40の流路41との間が連通されたり、排出口221とノズル40の流路41との間の連通が遮断されたりすることを意味する。
【0039】
排出部22は、下面の中心に設けられた突起222を備えていてもよく、排出口221は、突起222の周りに放射状に設けられていてもよい。このとき、後述するが、ノズル40の弁部44が突起222に嵌り込まれれば弁部44の内部が排出口221と隔離され、逆に、ノズル40の弁部44が突起222から抜き外されれば弁部44の内部が排出口221と連通される。
【0040】
すなわち、排出部22は、弁部44の昇降により排出口221とノズル40の流路41との間を開閉してもよい。このような排出口221には、容器本体10の内部の底面に向かって吸入管(図示せず)が連結されていてもよい。
【0041】
ガイド部23は、ショルダー部20の上側に設けられていてもよく、後述する塗布ティップ30とノズル40との間に載置されてもよい。ガイド部23は、塗布ティップ30を基準として昇降するノズル40を導いて、ノズル40の揺れを防ぎ、ノズル40と塗布ティップ30との間の間隔を保って余計な騒音の発生を抑えることができる。
【0042】
ガイド部23としては、ノズル40の安定的な昇降のために、ノズル40と噛み合う構造のものを採用してもよい。すなわち、後述するノズル40にはガイド部23の両側を把持する把持部(符号なし)が設けられて、ノズル40の昇降に際して把持部がガイド部23を間に挟んで上下に動いている。このため、本発明は、ガイド部23によりノズル40の昇降過程においてノズル40が左右などの方向に余計に動くことを防ぐことができる。
【0043】
塗布ティップ30は、中身を使用部位に伝達する。このとき、使用部位は皮膚であり、ここで、皮膚とは、頭皮、唇などの身体部位を網羅する意味として使用可能である。
【0044】
塗布ティップ30は、塗布面31に中身が置かれるようにした状態で塗布面31を使用部位にこすって中身が伝達されるようにしてもよく、このとき、塗布面31は、塗布ティップ30の上面であってもよい。塗布面31を使用部位にマッサージすることにより、中身を密着して皮膚に伝達することができ、皮膚の血行を改善することができるというメリットがある。また、皮膚の損傷又は物理的な衝撃などにより引き起こされる痛症の緩和にも役立つ。更に、化粧品の塗布及びマッサージが同時に行われるので、化粧品の吸収が促され、塗布面の材質に応じて、冷気又は温気を皮膚に伝達することができる。
【0045】
上面は傾斜面であってもよく、例えば、図示の如く、ノズル40の出口411から遠ざかるにつれて下方への傾斜が徐々に大きくなる傾斜面であってもよい。この場合、ノズル40の出口411から吐き出される中身は塗布ティップ30の上面に置かれ、時間が経つにつれて、傾斜面状の上面に沿って流下することがあるが、これは、中身の粘度などによる。
【0046】
塗布ティップ30は、ソフトな手触りを与えるために軟質な材質により作製されてもよく、合成樹脂、ゴム、シリコンなどの材質により作製されてもよい。
【0047】
あるいは、塗布ティップ30は、加熱又は冷却されてもよく、所定の時間の間に加熱又は冷却された状態が保てる材質により作製されてもよい。例えば、金属又はセラミック材質により作製されてもよく、衛生性を担保するために、ステンレス系の金属により作製されてもよい。いうまでもなく、塗布ティップ30の材質としては、中身の成分や用途、機能などに応じて様々なものが採用可能である。
【0048】
塗布ティップ30は、合成樹脂、ゴム、シリコン、金属、セラミックの一部を含有する材質であってもよく、これらの混合物であってもよい。
【0049】
また、塗布ティップ30の一部が合成樹脂、ゴム、シリコン、金属、セラミック材質を含んでいてもよい。
【0050】
本発明は、塗布ティップ30の上面に出口411が設けられるわけではなく、塗布ティップ30の上面よりも高い個所に位置する出口411を介して塗布ティップ30の上面に中身を伝達する方式を採用している。
【0051】
この場合、塗布ティップ30の上面は、付着している中身や異物などを手軽に拭き取ることができるので、きれいであり、しかも、衛生的な状態が保たれるというメリットがあり、これにより、使用者の満足度を確保することができる。
【0052】
塗布ティップ30は、ショルダー部20に係合されていてもよく、ショルダー部20の突出部21に嵌め込まれるように内側が窪んでいてもよい。塗布ティップ30及び突出部21間の係合方式としては、締まり嵌め、突起の溝への嵌合などの方式が採用可能であり、塗布ティップ30及びショルダー部20を一体に製作(射出、二重射出など)することも可能である。
【0053】
図4を参照すると、塗布ティップ30は、様々な形状を呈してもよい。例えば、塗布ティップ30は、
図4の(A)に示すように、ノズル40の反対側が張り出した出っ張り部を有する形状を呈してもよく、
図4の(B)に示すように、出っ張り部を有さない形状を呈してもよい。
【0054】
あるいは、
図4の(C)や(D)に示すように、塗布ティップ30の形状は自由に変形可能であり、たとえ形状が一定ではないとしても、いずれも適正な面積の塗布面31を確保して使いやすさを保証することができる。
【0055】
以下、ノズル40については、
図5及び
図6に基づいて説明する。
【0056】
図5は、本発明の一実施形態に係る液体吐出容器の出口が開放された状態を示す図であり、
図6は、本発明の一実施形態に係る液体吐出容器の出口が開放された状態の断面図である。
【0057】
ノズル40は、外力により塗布ティップ30の上方に突出し、塗布ティップ30の上面に向かって中身を排出する出口411が設けられる。従来の場合には、常に開放されている出口411を介して中身を吐き出すことにより、逆に出口411を介して内部に異物が入り込んで中身が汚染されてしまう可能性があったが、本発明においては、昇降するノズル40を用いて、出口411が必要に応じて外部に露出されるようにしている。
【0058】
ノズル40は、塗布ティップ30の下方に動いて出口411が密閉されるようにしてもよい。すなわち、ノズル40が上昇すれば出口411が露出され、ノズル40が下降すれば出口411が隠蔽される。このとき、出口411は、塗布ティップ30又はガイド部23により隠蔽されて密閉されてもよい。
【0059】
ノズル40には、外力による上昇が手軽に行われるように取っ手42が設けられていてもよい。取っ手42は、ノズル40の上側から外側に向かって突設されてもよく、ノズル40の上昇を補助する。取っ手42は、容器の形状などに応じて、ノズル40の上昇を補助し易い個所に形成されてもよい。
【0060】
すなわち、使用者は、ノズル40を持ち上げて、
図5に示すように、出口411を開放された状態にしてもよいが、このとき、使用者は、指をノズル40の取っ手42に引っ掛けて指で手軽にノズル40を上方に向かって引っ張ってもよい。
【0061】
また、ノズル40は、外面に設けられて指を置くための陥凹部43を含んでいてもよい。これにより、ノズル40の取っ手42に指が引っ掛かるようにしながら、ノズル40に指が安定的に置かれるようにして、小さな力を入れてもノズル40の上昇、すなわち、出口411の開放を行うことができる。
【0062】
逆に、出口411の密閉は、ノズル40の上面を押し付けるだけで行われるので、大きな力を必要としない。したがって、使用者は、ノズル40の下降を指で行うことができ、使用部位を用いてノズル40を下降させることができる。
【0063】
ノズル40は、内部において中身を伝達し、先端に出口411が設けられる流路41を有していてもよい。すなわち、ノズル40は、内部に流路41が形成された中空状を呈し、流路41に沿って流れる中身は、出口411を介して塗布面31に伝達される。
【0064】
流路41は、図面を基準として上下方向に延び、出口411は、塗布面31に向かって左右方向に延びるため、流路41は、ノズル40の上側において少なくとも1回折れ曲がったり撓んだりする形状を呈してもよい。
【0065】
流路41は、上側に比べて下側の方が拡張された形状を呈してもよいが、このとき、流路41の下側には弁部44が嵌め込まれてもよい。弁部44は、昇降により容器本体10の内部と流路41との間を開閉する。
【0066】
弁部44は、中空状を呈してノズル40の下側に連結されたり、ノズル40と一体に製作されてもよく、ノズル40が下降したときに排出部22の突起222に嵌め込まれて容器本体10の内部と流路41とを隔離させる。
【0067】
これに対し、ノズル40が上昇したとき、これにつれて弁部44も上昇できるように弁部44には係止部441が設けられ、ノズル40の内部は係止部441の下降を制限するように設けられてもよい。
【0068】
したがって、ノズル40の上昇により弁部44は上昇して排出部22の突起222から抜き外されて上方に離れながら、排出口221を介して容器本体10の内部と流路41とが互いに連通されるようにしてもよく、弁部44は、上端に流路41と連結される貫通口442が配備されていてもよい。
【0069】
このため、ノズル40が上昇した状態で使用者が容器本体10を押し付けると、容器本体10が流路41と連通された状態であるので、中身は、排出口221と、弁部44の貫通口442及び流路41を介して出口411に抜け出ることができる。
【0070】
以下、
図6に基づいて、本発明の実施形態に係る液体吐出容器の使い方について詳細に説明する。
【0071】
図6を参照すると、使用者は、ノズル40の取っ手42及び/又は陥凹部43を用いてノズル40を引き上げることができる。この場合、塗布ティップ30により隠蔽されていたノズル40の出口411は、塗布ティップ30から係脱されながら外部に露出される。
【0072】
露出されたノズル40の出口411は、塗布面31の上側に位置する。また、ノズル40を上昇させると、これにつれて、ノズル40の弁部44も上昇し、弁部44の内部は、ショルダー部20の排出口221と連通されてもよい。
【0073】
このとき、使用者が容器本体10を押し付ける方式を用いて中身が排出口221に抜け出るようにすれば、中身は、弁部44の内部と貫通口442、ノズル40の流路41を経て出口411を介して排出されながら塗布面31に伝達される。
【0074】
次いで、使用者は、ノズル40を指などで下降させて出口411を再び密閉させた後、塗布面31に置かれた中身を用いて塗布ティップ30を使用部位に接触させながら中身を使用することができる。このとき、ノズル40が塗布ティップ30の接触を妨げないように、下降位置に置かれたノズル40の上面は、塗布面31へとスムーズにつながる。
【0075】
このように、本実施形態においては、塗布ティップ30ではなく、上昇するノズル40に中身の出口411を設けて、塗布面31を清潔な状態に保つことができ、出口411が密閉可能であるので、中身の漏出を防ぎ、貯留されている中身に異物が流入するという問題を解消することができる。
【0076】
本実施形態に係る液体吐出容器1は、蓋体50を更に含んでいてもよい。蓋体50は、塗布ティップ30及びノズル40を外部から保護することができ、特に、ノズル40が下降した状態を保つことにより、出口411を密閉状態に保つことができる。
【0077】
蓋体50は、注ぎ口部11のねじ山112と噛み合うように内側にねじ山51が設けられていてもよいが、上述したように、蓋体50及び容器本体10の締結構造としては、ねじ山112、51に加えて、様々な締結構造が採用可能である。
【0078】
図7は、本発明の他の実施形態に係る液体吐出容器の斜視図であり、
図8は、本発明の他の実施形態に係る液体吐出容器の色々なタイプを示す正面図であり、
図9は、本発明の他の実施形態に係る液体吐出容器の色々なタイプを示す斜視図である。以下では、本実施形態と上述した一実施形態との間の相違点に重点をおいて説明を行い、これらの間の重複部分についての説明は省略する。
【0079】
図7から
図9を参照すると、本実施形態に係る液体吐出容器は、ノズル40の上昇により出口411が開放される上述した実施形態とは異なり、塗布ティップ30の下降により出口411が開放されてもよい。すなわち、本実施形態の塗布ティップ30は、下降によりノズル40の出口411が露出されるようにする。
【0080】
このとき、塗布ティップ30は、
図8及び
図9の(A)、(B)に示すように、塗布面31としての上面が出口411から遠ざかるにつれて下方への傾斜が徐々に大きくなる傾斜面であるか、又は、
図8及び
図9の(C)に示すように、上面が出口411から遠ざかるにつれて上方への傾斜が徐々に大きくなる傾斜面である。
【0081】
後者の場合、たとえ中身の粘度が低いとしても、上面により出口411の吐出方向が隠蔽されるので、中身の排出過程において中身が上面から外れてしまうことが防がれる。
【0082】
塗布ティップ30は、下側に設けられて塗布ティップ30の下降のために指を置くためのボタン部32を有していてもよい。このとき、ボタン部32は、塗布面31との係合のために突出部321を備えていてもよく、突出部321は、上述したショルダー部20及びノズル40間の係合に用いられる突出部22と同様であることが好ましい。
【0083】
ボタン部32の具体的な構造については、
図10に基づいて説明する。
【0084】
図10は、本発明の他の実施形態に係る液体吐出容器の分解斜視図である。
【0085】
図10を参照すると、ボタン部32にはガイド壁322が設けられていてもよいが、ガイド壁322は、塗布ティップ30とノズル40との間に配置されてノズル40の相対的な昇降を導く。本実施形態は、ノズル40ではなく、塗布ティップ30が下降する構造を有しているが、塗布ティップ30の下降に際して塗布ティップ30を基準としてノズル40は上昇し、ガイド壁322は、このようなノズル40の相対的な上昇や下降を導くことができる。
【0086】
ガイド壁322及びガイド壁322に面するノズル40の片面のうちのいずれか一方にはガイド溝323が設けられ、他方にはガイド突起45が設けられていてもよい。例えば、同図に示すように、ガイド壁322にはガイド溝323が配設され、ノズル40にはガイド突起45が突出していてもよい。
【0087】
このとき、ガイド溝323にガイド突起45が嵌入して、ガイド壁322によりノズル40の相対的な昇降が導かれてもよい。ガイド突起45は、ガイド溝323から抜脱しないようにT字状の断面を有していてもよい。
【0088】
これにより、ノズル40及び塗布ティップ30の相対的な昇降が安定的に行われ、且つ、ボタン部32の安定的な下降がノズル40の収容部により行われる。
【0089】
ノズル40は、ボタン部32の下側を囲む収容部を備えていてもよく、収容部は、ボタン部32を収容部内において安定的に下降させるとともに、ボタン部32の下降を制限してもよい。
【0090】
すなわち、ボタン部32は、所定の深さだけ押下されれば、外側の部分が収容部に引っ掛かりながら下降が阻止されてもよい。ボタン部32の下降を阻止する収容部の形態により、後述するポンプ60のポンピングストロークが決定されてもよい。
【0091】
ノズル40は、塗布ティップ30の下降に際して塗布ティップ30の上方に突出し、塗布ティップ30の上面に向かって中身を排出する出口411が設けられる。ノズル40は、塗布ティップ30の下降により出口411が開放されるようにし、逆に、塗布ティップ30の上昇により出口411が密閉されるようにしてもよい。
【0092】
ノズル40は、上述したように、ボタン部32の下降を導くためにガイド突起45を備えていてもよく、且つ、ボタン部32を取り囲む収容口46が設けられてボタン部32の下降を導きながらもボタン部32の下降を制限してもよい。
【0093】
また、ノズル40は、一実施形態とは異なり、ショルダー部20と一体に設けられてもよい。すなわち、本実施形態において、ショルダー部20は、容器本体10の開放された一方の側に係合され、ノズル40が連結され、塗布ティップ30が昇降自在に載置されてもよい。
【0094】
いうまでもなく、ショルダー部20は、容器本体10に係合され、ノズル40は、下降自在に設けられる。この場合、塗布ティップ30の1次的な下降によりノズル40の出口411が外部に露出された状態で、ボタン部32を更に押下して塗布ティップ30の2次的な下降が行われれば、ノズル40もまた塗布ティップ30と一緒に下降することができる。
【0095】
本実施形態においては、上述した実施形態に比べて、ポンプ60を更に含む。本実施形態は、容器本体10を自ら押し付けるわけではなく、ポンプ60を用いて中身の排出を行うことができ、塗布ティップ30は、下降によりポンプ60が作動可能である。ポンプ60については、
図11及び
図12に基づいて詳細に説明する。
【0096】
図11は、本発明の他の実施形態に係る液体吐出容器の部分分解斜視図であり、
図12は、本発明の他の実施形態に係る液体吐出容器の色々なタイプを示す断面図である。
【0097】
図11及び
図12を参照すると、ポンプ60は、中身を排出し、容器係合部61、ハウジング62、ステム63、シールキャップ64、シャフト65、アンダーキャップ66、昇降部67を含む。
【0098】
容器係合部61は、容器本体10の注ぎ口部11に係合されてハウジング62を固定するための構成要素であり、容器係合部61は、注ぎ口部11を取り囲みながらショルダー部20の内側に係合されてもよい。
【0099】
容器係合部61と注ぎ口部11、ショルダー部20、ハウジング62との間の係合方式としては、締まり嵌めや突起の溝への嵌合などが採用可能であるが、係合方式は特に限定されない。但し、容器係合部61は、ハウジング62を容器本体10に対して所定の位置に固定し、容器係合部61の内側においてステム63及びシャフト65が昇降可能なように導くことができる。
【0100】
容器係合部61には、後述するシャフト65に対して上方への付勢力を与える付勢部材(図示せず)が設けられていてもよい。付勢部材は、バネなどであって、付勢部材の下端は容器係合部61に上側の凹溝(符号なし)に載置され、付勢部材の上端はシャフト65の下側の凹溝(符号なし)に載置されて、ボタン部32を押下する力が消去されれば自然にシャフト65が上昇しながら塗布ティップ30が元の状態に戻る。
【0101】
ハウジング62は、容器本体10の開放された一方の側に係合される。ハウジング62は、容器本体10の内部に面する下面に入口(符号なし)が設けられ、入口には逆止め弁621が置かれていてもよい。
【0102】
ハウジング62は、シールキャップ64の下降により内圧が上がってハウジング62の内部の中身がノズル40を介して抜け出るようにし、逆に、シールキャップ64の上昇により内圧が下がって容器本体10の内部の中身が流入するようにしてもよい。この詳細については、後述する。
【0103】
ステム63は、ハウジング62内において昇降し、一方の側に設けられた流入口631を有する。ステム63は、中空状を呈し、ステム63の内部は、一方の側に設けられた流入口631と連結されていてもよい。
【0104】
ステム63の流入口631の周りにはシールキャップ64が設けられ、ステム63を基準としてシールキャップ64の上昇により流入口631が開放されてステム63の内部がハウジング62の内部と連通可能になる。
【0105】
シールキャップ64は、ハウジング62の内壁に密着されれば流入口631を開閉する。シールキャップ64は、ハウジング62の内壁との摩擦力により、塗布ティップ30がボタン部32により下降し、ステム63もまた下降する過程において下降しないことにより、ステム63に対して上昇して流入口631を開放することができる。
【0106】
逆に、付勢部材によりシャフト65が上昇する場合、シャフト65に連結されたステム63が上昇するが、シールキャップ64は、ハウジング62の内壁に対する摩擦力により上昇しないことにより、ステム63に対して下降して、流入口631を密閉することができる。
【0107】
シャフト65は、ステム63と一体に昇降するように設けられてシールキャップ64を下降させる。シャフト65は、ステム63と後述する昇降部67との間に介装されてもよく、例えば、ステム63と後述するアンダーキャップ66との間に介装されてもよい。
【0108】
シャフト65は、ボタン部32が押下されれば下降する構成要素であって、ステム63と係合されて、シャフト65の下降はステム63の下降につながる。なお、シャフト65の下端は、シールキャップ64を下方に押し付けてもよい。
【0109】
シャフト65には、付勢部材の載置のための下側の凹溝を有する環枠651が設けられ、シャフト65は、付勢部材により上方への付勢力を受けているため、ボタン部32の押下を解除すればシャフト65は付勢部材の付勢力により上昇する。
【0110】
本発明は、ステム63及びシャフト65を別途の構成要素として備えているが、これは、シャフト65の下端の外径がシールキャップ64の内径よりも大きいため、シールキャップ64をステム63に嵌め込んだ後、シャフト65をステム63に係合する方式を用いて組み立てるためである。
【0111】
アンダーキャップ66は、シャフト65と昇降部67とを連結する。アンダーキャップ66は、突起の溝への嵌合方式などを用いて昇降部67及びシャフト65に係合してもよく、アンダーキャップ66の上面に沿って中身が拡散されながらノズル40の流路41に流入してもよい。
【0112】
昇降部67は、塗布ティップ30の下降によりステム63を下降させる。昇降部67は、塗布ティップ30に嵌入するティップ係合部671を有し、ティップ係合部671を基準として塗布ティップ30は昇降可能であり、ティップ係合部671には、ボタン部32を押し上げる付勢部材(図示せず)が設けられていてもよい。
【0113】
このため、塗布ティップ30は、1次的な下降に際して昇降部67を下降させることなく、但し、ノズル40に対して下降しながらノズル40の出口411が外部に露出されるようにしてもよく、次いで、2次的な下降に際して昇降部67を押しながらステム63を下降させてもよい。
【0114】
昇降部67は、ノズル40に嵌入するノズル嵌入部672を有し、ノズル嵌入部672の周りには内管部673及び外管部674が設けられる。ノズル40は、ショルダー部20と一体に設けられるとともに、下降しないのに対し、昇降部67は、塗布ティップ30の2次的な下降により下降するので、ノズル嵌入部672は、ノズル40を基準として下降することができる。
【0115】
このとき、昇降部67とノズル40との間に中身が漏れることを防ぐために、ノズル嵌入部672には、上側が拡径されながら流路41の内面に密着された内管部673と、内管部673に対して上下に摺動する外管部674と、が配設されてもよい。
【0116】
例えば、昇降部67が下降すれば、内管部673は流路41の内面との摩擦力によりまるでテレスコーピック構造のようにノズル嵌入部672及び/又は外管部674に対して上昇することができ、したがって、中身は、ノズル嵌入部672を経て流路41に流入するだけであり、昇降部67とショルダー部20との間の隙間などに抜け出ることができなくなる。
【0117】
いうまでもなく、漏液が防止可能である限り、ノズル嵌入部672と内管部673及び外管部674の構造に加えて、様々な構造が採用可能である。すなわち、内管部673又は外管部674などは省略可能である。
【0118】
以下では、
図13から
図16に基づいて、本実施形態に係る液体吐出容器の使い方について詳細に説明する。
【0119】
図13から
図16は、本発明の他の実施形態に係る液体吐出容器の使用様子を示す断面図である。
【0120】
図13を参照すると、使用者が指などでボタン部32を押下する場合、ティップ係合部671に設けられた付勢部材が圧縮されながら塗布ティップ30は1次的に下降するが、昇降部67は下降しない。
【0121】
但し、このとき、ノズル40の出口411は、塗布ティップ30の上面の上に露出されるため、中身を塗布面31に伝達する準備が終わった状態であるといえる。しかしながら、依然としてノズル40の流路41は流入口631が密閉されているため、ハウジング62の内部と隔離された状態を保つ。
【0122】
図14を参照すると、ボタン部32を更に押下すれば、塗布ティップ30は2次的に下降しながら昇降部67を下降させ、このとき、昇降部67に連結されたアンダーキャップ66、シャフト65、ステム63が一体に下降する。但し、シールキャップ64は摩擦力により下降しないため、ステム63の流入口631は開放されることにより、ハウジング62の内部と流路41とが連通される。
【0123】
次いで、
図15を参照すると、塗布ティップ30が更に2次的に下降すれば、シールキャップ64がシャフト65の下端により下降して、ハウジング62の内部の圧力を上げてしまう。このため、ハウジング62の内部の中身は、ステム63の流入口631を介してステム63の内部、シャフト65の内部、アンダーキャップ66の上面、ノズル嵌入部672、流路41を経て出口411に抜け出て塗布面31に伝達される。
【0124】
図14及び
図15において、ノズル40は、ショルダー部20に固定された状態を保っているため、塗布ティップ30の下降により塗布面31に比べて出口411の高さが大きくなる。但し、中身の粘度などが適切に選択されることにより、塗布面31よりも上方の高い個所に位置する出口411から排出された中身は問題なく塗布面31に伝達可能である。
【0125】
あるいは、上述したように、ノズル40がショルダー部20に下降自在に設けられてもよく、この場合、ノズル40は、昇降部67に一体に昇降自在に係合されていてもよい。
【0126】
図16を参照すると、ボタン部32の押下を解除する場合、容器係合部61とシャフト65との間の付勢部材によりステム63などが上昇し、ステム63を基準として下降したシールキャップ64は、ステム63の流入口631を閉塞する。
【0127】
次いで、ステム63が更に上昇すれば、ステム63の下端がシールキャップ64を押し上げて、ハウジング62の内部の圧力が下がりながら容器本体10に貯留された中身がハウジング62に流入して満たされる。
【0128】
このような一連の過程を繰り返し行いながら、本実施形態においては、塗布ティップ30の下降とあいまって中身をポンピングして、塗布面31よりも高い個所に位置するノズル40の出口411を介して塗布面31に中身が載置されるようにすることができる。
【0129】
このように、本実施形態においては、塗布ティップ30の下降によりノズル40の出口411を開放又は密閉することにより、塗布ティップ30を用いた中身の使い勝手がよくなり、出口411の開閉を通じて衛生性などを担保することができる。
【0130】
本発明は、前記実施形態のうちの少なくともいずれか一つと公知の技術とが組み合わせられた実施形態及び上記の実施形態を組み合わせた実施形態などをいずれも含む。
【0131】
以上、本発明について具体的な実施形態を挙げて詳細に説明したが、これは、本発明を具体的に説明するためのものに過ぎず、本発明はこれに何等限定されるものではなく、本発明の技術的な思想内において当該分野における通常の知識を有する者によりその変形や改良が行えるということは自明であるといえる。
【0132】
本発明の単純な変形若しくは変更は、いずれも本発明の領域に属するものであって、本発明の具体的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲により明らかになるであろう。