特許第6792601号(P6792601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オーデーウー ゲーエムベーハー ウント コー カーゲーの特許一覧

特許6792601モジュール受容フレーム内に挿入されたモジュールをモジュール受容フレームに固定するための機構
<>
  • 特許6792601-モジュール受容フレーム内に挿入されたモジュールをモジュール受容フレームに固定するための機構 図000002
  • 特許6792601-モジュール受容フレーム内に挿入されたモジュールをモジュール受容フレームに固定するための機構 図000003
  • 特許6792601-モジュール受容フレーム内に挿入されたモジュールをモジュール受容フレームに固定するための機構 図000004
  • 特許6792601-モジュール受容フレーム内に挿入されたモジュールをモジュール受容フレームに固定するための機構 図000005
  • 特許6792601-モジュール受容フレーム内に挿入されたモジュールをモジュール受容フレームに固定するための機構 図000006
  • 特許6792601-モジュール受容フレーム内に挿入されたモジュールをモジュール受容フレームに固定するための機構 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792601
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】モジュール受容フレーム内に挿入されたモジュールをモジュール受容フレームに固定するための機構
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/06 20060101AFI20201116BHJP
   F16B 2/10 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   F16B5/06 A
   F16B2/10 F
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-199222(P2018-199222)
(22)【出願日】2018年10月23日
(65)【公開番号】特開2019-90529(P2019-90529A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2018年12月18日
(31)【優先権主張番号】10 2017 124 949.4
(32)【優先日】2017年10月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515120213
【氏名又は名称】オーデーウー ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・ヴァイクセルガルトナー
【審査官】 熊谷 健治
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−127179(JP,U)
【文献】 特開2000−035460(JP,A)
【文献】 特開昭50−066400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/00− 5/12
F16B 2/00− 2/26
G01R 31/28−31/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール受容フレーム(1)内に挿入されたモジュール(5)を前記モジュール受容フレーム(1)に固定し、前記モジュール(5)を前記モジュール受容フレーム(1)から取出しのために離脱させるように構成された機構(4)を備えたモジュール受容フレーム(1)であって、記モジュール受容フレーム(1)に配置されたキャッチ(6)であって、前記キャッチ(6)の開位置と係止位置との間で往復移動するようになっている、キャッチ(6)と、前記キャッチ(6)を前記2つの位置の1つ、すなわち、前記開位置又は前記係止位置に付勢するためのバネ(7)とキャッチホルダー(11)は、該キャッチホルダーが前記キャッチ(6)を前記バネ(7)の付勢に抗して保持する保持位置と、該キャッチホルダーが前記キャッチ(6)を前記バネ(7)の付勢に抗して保持しない離脱位置との間で往復移動するようになっており、前記キャッチホルダー(11)は、前記保持位置及び前記離脱位置のいずれもが前記キャッチホルダー(11)の中立位置であるように、構成され且つ配置されている、キャッチホルダー(11)と、を備え、前記キャッチホルダー(11)は、回転可能に構成され、偏心体であることを特徴とする、モジュール受容フレーム(1)
【請求項2】
前記バネ(7)は、板バネとして構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のモジュール受容フレーム(1)
【請求項3】
前記バネ(7)及び前記キャッチ(6)は、一体品として具体化されていることを特徴とする、求項1又は2に記載のモジュール受容フレーム(1)
【請求項4】
前記機構(4)は、前記キャッチホルダー(11)の移動を拘束するための1つ又は複数の制限ストッパを備えることを特徴とする、求項1〜3のいずれか1つに記載のモジュール受容フレーム(1)
【請求項5】
前記機構(4)は、前記キャッチホルダー(11)を1つ又は複数の戻り止め位置に離脱可能にスナップ留めするための戻り止め手段を備えていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載のモジュール受容フレーム(1)
【請求項6】
前記バネ(7)は、前記キャッチ(6)を前記開位置に付勢するようになっていることを特徴とする、求項1〜5のいずれか1つに記載のモジュール受容フレーム(1)
【請求項7】
2つ以上の前記機構を備えていることを特徴とする、求項1〜6のいずれか1つに記載のモジュール受容フレーム(1)
【請求項8】
前記モジュール受容フレーム(1)は、マスインターコネクトのレシーバ又は交換可能なテストアダプタの一部であることを特徴とする、求項に記載のモジュール受容フレーム(1)
【請求項9】
モジュール受容フレーム(1)内に挿入されたモジュール(5)を前記モジュール受容フレーム(1)に固定し、前記モジュール(5)を前記モジュール受容フレーム(1)から取出しのために離脱させるように構成された機構(4)であって、前記機構(4)は、前記モジュール(5)に配置されたキャッチ(6)であって、前記キャッチ(6)の開位置と係止位置との間で往復移動するようになっている、キャッチ(6)と、前記キャッチ(6)を前記2つの位置の1つ、すなわち、前記開位置又は前記係止位置に付勢するためのバネ(7)と、キャッチホルダーが前記キャッチ(6)を前記バネ(7)の付勢に抗して保持する保持位置と、該キャッチホルダーが前記キャッチ(6)を前記バネ(7)の付勢に抗して保持しない離脱位置との間で往復移動するようになっている、キャッチホルダー(11)とからなる、機構(4)と、を備える、モジュール(5)であって、前記キャッチホルダー(11)は、回転可能に構成され、偏心体であり、前記機構(4)は、前記保持位置及び前記離脱位置のいずれもが前記キャッチホルダー(11)の中立位置であるように、構成され且つ配置されていることを特徴とする、モジュール(5)
【請求項10】
モジュール(5)と、モジュール受容フレーム(1)と、前記モジュール受容フレーム(1)内に挿入された前記モジュール(5)を前記モジュール受容フレーム(1)に固定し、前記モジュール(5)を前記モジュール受容フレーム(1)から取出しのために離脱させるように構成された機構(4)であって、前記機構(4)は、前記モジュール(5)又は前記モジュール受容フレーム(1)に配置されたキャッチ(6)であって、前記キャッチ(6)の開位置と係止位置との間で往復移動するようになっている、キャッチ(6)と、前記キャッチ(6)を前記2つの位置の1つ、すなわち、前記開位置又は前記係止位置に付勢するためのバネ(7)と、キャッチホルダーが前記キャッチ(6)を前記バネ(7)の付勢に抗して保持する保持位置と、該キャッチホルダーが前記キャッチ(6)を前記バネ(7)の付勢に抗して保持しない離脱位置との間で往復移動するようになっているキャッチホルダー(11)であって、前記キャッチホルダー(11)は、前記保持位置及び前記離脱位置のいずれもが前記キャッチホルダー(11)の中立位置であるように、構成され且つ配置されている、キャッチホルダー(11)からなる、機構(4)と、を備えるシステムであって、前記キャッチホルダー(11)は、回転可能に構成され、偏心体であることを特徴とする、システム
【請求項11】
前記モジュール受容フレーム(1)は、2つ以上の前記機構(4)を備えていることを特徴とする、請求項10に記載のシステム
【請求項12】
前記キャッチ(6)及び前記バネ(7)が前記モジュール受容フレーム(1)と前記モジュール(5)の一方に配置され、前記キャッチホルダー(11)が前記モジュール受容フレーム(1)と前記モジュール(5)の他方に配置されることを特徴とする、請求項10又は11に記載のシステム
【請求項13】
前記キャッチ(6)及び前記バネ(7)が前記モジュール受容フレーム(1)に配置され、前記キャッチホルダー(11)が前記モジュール(5)に配置されることを特徴とする、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項14】
前記キャッチ(6)及び前記バネ(7)が前記モジュール(5)に配置され、前記キャッチホルダー(11)が前記モジュール受容フレーム(1)に配置されていることを特徴とする、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項15】
前記2つの構成要素であるモジュール(5)及びモジュール受容フレーム(1)の一方の構成要素であって、前記機構(5)の前記キャッチ(6)が配置されていない、構成要素は、前記モジュール(5)を前記モジュール受容フレーム(1)内に固定するために、閉位置にある前記キャッチ(6)と相互作用する相手側キャッチ(13)を備えていることを特徴とする、請求項10〜14のいずれか1つに記載のシステム
【請求項16】
レシーバが、請求項10〜15のいずれか1つに記載のシステムを備えることを特徴とする、マスインターコネクト用のレシーバ。
【請求項17】
交換可能なテストアダプタが、請求項10〜15のいずれか1つに記載のシステムを備えることを特徴とする、交換可能なテストアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール受容フレーム内に挿入されたモジュールをモジュール受容フレームに固定し、モジュールをモジュール受容フレームから取出しのために離脱させるための機構に関する。更に、本発明は、機構を有するモジュール受容フレームに関する。また、本発明は、機構を有するモジュールに関する。更に、本発明は、機構、モジュール、及びモジュール受容フレームからなるシステムに関する。最後に、本発明は、マスインターコネクト用のレシーバ又は交換可能なテストアダプタであって、上記システムを備える、レシーバ又は交換可能なテストアダプタにも関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、バネによって付勢されたプランジャーによって固定されるようになっている、レシーバ又はテストアダプタのフレーム用のスナップ留めモジュールを開示している。プランジャーの作用斜面によって、モジュールが挿入時に自動的にスナップ留めされることが確実になる。モジュールを取り外すために、プランジャーのネジ山にねじ込まれた工具によってプランジャーを移動させ、これによって、モジュールをフレームから離脱させるようになっている。
【0003】
特許文献2は、バネによって付勢されたプランジャーによってモジュールが固定されるようになっている同様の解決策を記載している。プランジャー/バネ組合せは、この場合、モジュールではなくレシーバフレームに配置されている。モジュールの作用斜面によって、モジュールが挿入時に自動的にスナップ留めされることが確実になる。モジュールを取り外すために、プランジャーは、ハンドルによってバネ力に抗して元の位置に移動されねばならない。
【0004】
特許文献3は、固定カム及びバネ付勢プランジャーを有するモジュールを開示している。レシーバフレーム内に挿入するために、モジュールは、背後からレシーバフレーム内に装着される。この場合、モジュールは、最初、カムによってレシーバフレームの底のレールの対応する長孔内に配置され、次いで、前方に傾斜され、引き続き、上方に押され、これによって、レールに係合することになる。このプロセスにおいて、プランジャーは、最初、バネ力に抗して上側レールの前側から後方に押され、モジュールの上方移動によって孔に達するやいなや、孔内にバネによって移動し、これによって、モジュールを固定することになる。モジュールを取り外すために、プランジャーは、工具によって元の位置に移動されねばならない。
【0005】
特許文献4は、従来のボルト又はネジによって、モジュールをフレームに固定する方法を提案している。同様に、特許文献5は、長孔内に係合することが意図されたネジについてのみ言及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,655,530A号明細書
【特許文献2】米国特許第3,040,289A号明細書
【特許文献3】米国特許第6,547,587B2号明細書
【特許文献4】米国特許第5,562,458A号明細書
【特許文献5】米国特許第4,329,005A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、モジュール受容フレーム内に挿入されたモジュールをモジュール受容フレームに固定し、モジュールをモジュール受容フレームから取出しのために離脱させるための改良された機構を提供することにある。本発明のさらなる目的は、機構を有する改良されたモジュール受容フレームを提供することにある。本発明の追加的な目的は、機構を有する改良されたモジュールを提供することにある。本発明のさらなる目的は、機構、モジュール、及びモジュール受容フレームからなる改良されたシステムを提供することにある。最後に、本発明の目的は、マスインターコネクト用の改良されたレシーバ又は改良された交換可能なテストアダプタであって、上記システムを備える、改良されたレシーバ又は改良された交換可能なテストアダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
全ての請求項における参照符号は、制限するためのものではなく、むしろ、単に請求項の明瞭さを改良することを意図するものである。
【0009】
上記の目的は、モジュール受容フレーム内に挿入されたモジュールをモジュール受容フレームに固定し、モジュールをモジュール受容フレームから取外しのために離脱させるための機構によって達成される。本発明による機構は、モジュール又はモジュール受容フレームに配置されたキャッチであって、開位置と係止位置との間で往復移動するようになっている、キャッチを備えている。キャッチを2つの位置の1つ、すなわち、開位置又は係止位置に付勢するためのバネが更に設けられている。
【0010】
機構は、キャッチホルダーを更に備えている。キャッチホルダーは、該キャッチホルダーがキャッチをバネの付勢に抗して保持する保持位置と、該キャッチホルダーがキャッチをバネの付勢に抗して保持しない離脱位置との間で往復移動するようになっているとよい。キャッチホルダーは、保持位置及び離脱位置のいずれもがキャッチホルダーの中立位置であるように、構成され且つ配置されている。
【0011】
本発明の目的から、「固定(securing)」という用語は、モジュールが固定後に機構を作動させることなくモジュール受容フレームから取り出されないことを意味している。本発明の目的から、「係止位置(locking position)」という用語は、モジュールがモジュールフレームのキャッチによって固定された時のキャッチの位置を指している。対照的に、本発明の目的から、「開位置(open position)」という用語は、モジュールがモジュールフレームのキャッチによって固定されない状態にある時のキャッチの位置を指している。
【0012】
本発明の目的から、「モジュール受容フレーム(module receiving frame)は、その内部に1つ又は複数のモジュールが挿入され且つ固定されると共に該内部から離脱され且つ取り出されるようなフレームである。モジュール受容フレームは、必ずしも閉鎖されている必要がなく、むしろ、1つ又は複数の開側面又は開部分を備えていてもよい。
【0013】
本発明の目的から、機構が外部から作動されない場合、もしキャッチホルダーが機構の構成及び配置に起因し、もはや保持位置又は離脱位置から2つの位置の他の1つ、すなわち、離脱位置又は保持位置に移動しないなら、保持位置及び離脱位置は、いずれも中立位置(neutral position)にある。
【0014】
キャッチホルダーが離脱位置及び保持位置を有しているので、有利には、実施形態によればキャッチを開位置に固定又は静止させ、これによって、ユーザーがモジュールを都合よくモジュール受容フレーム内に挿入することができる。特に、ユーザーは、モジュールをモジュール受容フレーム内に挿入するために、キャッチを開位置に保持するために常にキャッチをバネ力に抗して作動させねばならない不便さを回避することができる。更に、本発明によれば、有利には、ユーザーは、実施形態によればキャッチホルダーを保持位置から離脱位置に又は離脱位置から保持位置に移動させることによって、(好ましくはバネによって又は好ましくはバネ力に抗して)キャッチを開位置から係止位置に移動させ、これによって、モジュールをモジュール受容フレーム内に固定することができる。
【0015】
更に、本発明の目的は、前述の機構を有するモジュール受容フレームによって達成される。これは、有利には、モジュール受容フレームが一般的にモジュールよりも大きい機構設置空間を有するという事実を利用している。更に、互いに代替物として使用可能なモジュールの数がフレーム内のモジュールに対して利用可能な空間の数よりも著しく多い場合、機構をモジュール受容フレームに設ける方がより経済的である。
【0016】
しかし、本発明の目的は、前述の機構を有するモジュールによっても達成される。寸法が種々異なるモジュール、特に、モジュール受容フレーム内に固定される点における幅が種々異なるモジュールがモジュール受容フレーム内に受容されることが意図される時、特に、モジュールへの機構の設置が利用されるとよい。機構がモジュールに配置されるので、有利には、機構の位置がモジュール受容フレームによって予め決定されないことが確実になる
【0017】
また、上記の目的は、機構とモジュール又はモジュール受容フレームとからなるシステムによって達成される。このようなシステムでは、機構、モジュール、及びモジュール受容フレームは、摩擦を生じない操作を行えるように互いに適合されるとよい。
【0018】
最後に、この目的は、マスインターコネクト用のレシーバ又は交換可能なテストアダプタであって、前述のシステムを備えるレシーバ又は交換可能なテストアダプタによって達成される。マスインターコネクタのレシーバ又は交換可能なテストアダプタは、多くの場合、測定要件に応じて定期的に交換されねばならないモジュールを含んでいる。従って、本発明は、このような使用例において特に有利である。
【0019】
本発明の目的から、「マスインターコネクト(mass interconnect)」は、1つ又は複数のテスト器具を1つ又は複数のテスト対象物に接続するためのコネクタインターフェイスである(これに関連して、テスト対象物は、「被テストデバイス(Device Under Test (DUT))又は被テストユニット(Unit Under Test (UUT))として知られる)。好ましいマスインターコネクトは、マスインターコネクト及び1つ又は複数のテスト器具を備える(ATEとしても知られる)自動テスト機器の一部である。ATEは、テスト器具を制御するための1つ又は複数のPC(パーソナルコンピュータ)も備えているとよい。好ましくは、1つ又は複数のテスト器具は、1つ又は複数の以下の規格:すなわち、PXI(計装用PCI拡張)、VXI(計装用VME拡張)、LXI(計装用LAN拡張)、GPIB(一般目的インターフェスバス)、SCXI(計装用信号調整拡張)、PCI(周辺コンポーネントインターコネクト)に準じるものである。
【0020】
本発明の目的から、レシーバは、マスインターコネクトの構成要素であり、交換可能なテストアダプタ(又はITA)に接続され、テストアダプタをテスト器具に接続するようになっている。本発明の目的から、「交換可能なテストアダプタ(interchangeable test adapter)」は、マスインターコネクトの構成要素であり、一方ではレシーバに交換可能に接続され、他方では(交換可能なテストアダプタ上において概して交換可能な)実テスト対象物と交換可能に接続され、これによって、テスト対象物を交換可能なテストアダプタ及びレシーバを介してテスト器具に接続するようになっている。
【0021】
従属請求項の主題及び以下の説明は、個別に又は互いに組み合わせて用いられる有利な展開及びさらなる展開によって構成されている。
【0022】
好ましい機構のバネは、板バネとして構成されている。この板バネは、必ずしも平坦でなくてもよく、むしろ、例えば、S字状又はC字状に湾曲していてもよい。バネは、好ましくは、金属、特に好ましくは、バネ鋼から作製されている。従って、好ましい板バネは、バネ金属シートである。しかし、本発明は、他の材料、例えば、弾性プラスチック材料又はゴムから作製されたバネ及び板バネの実施形態も含んでいる。従って、本発明の目的から、例えば、キャッチを2つの位置の1つ(開位置又は係止位置)に付勢する弾性的に圧縮可能なゴム片もバネと見なされる。また、バネは、渦巻バネ又は螺旋バネの形態にあってもよい。
【0023】
本発明の好ましい一実施形態では、バネは、キャッチとの一体片として具体化されている。本発明のこの実施形態によって達成される1つの利点は、機構の構成要素の数が減ることにある。キャッチ及びバネのこの組合せがプレート、特に好ましくは、金属シートから形成され、プレート又はシートの一部がキャッチを構成し、他の一部がバネを構成すると、特に好ましい。バネ及びキャッチの組合せ、すなわち、バネ及びキャッチを形成するプレート又は金属シートが、モジュール又はモジュール受容フレームに固定されるさらなる部分を追加的に構成すると、特に好ましい。
【0024】
好ましいキャッチは、少なくとも1つ、特に好ましくは、2つのタブを備えている。キャッチは、これらのタブによって、キャッチが配置されない2つの構成要素の一方(モジュール又はモジュールフレーム)に配置された相手側キャッチと相互作用し、これによって、モジュールをモジュール受容フレームに固定することになる。相手側キャッチは、好ましくは、キャッチが配置されない機構の2つの構成要素の一方(モジュール又はモジュールフレーム)に固定して設けられるとよい。
【0025】
好ましいキャッチホルダーは、離脱位置から係止位置へのキャッチホールダーの移動がキャッチをバネの付勢に抗して2つの位置の1つ(開位置又は係止位置)に移動させるように、機構内において構成され且つ配置されている。特に好ましくは、キャッチホルダーは、その離脱位置からその保持位置への移動によって、キャッチを開位置から係止位置に移動させるようになっている。しかし、本発明は、キャッチホルダーが、離脱位置から保持位置への移動によって、キャッチを係止位置から開位置に移動させる実施形態も含んでいる。好ましいキャッチホルダーは、係止位置から離脱位置へのキャッチホルダーの移動がキャッチを離脱させ、これによって、キャッチがバネの力によって2つの位置の1つ(係止位置又は開位置)に移動するように、機構内においてさらに構成され且つ配置されている。特に好ましくは、キャッチは、キャッチホルダの保持位置から離脱位置への移動に起因し、バネの力によってその係止位置からその開位置に移動するようになっている。しかし、本発明は、キャッチが、キャッチホルダーの保持位置から離脱位置への移動に起因し、バネの力によってその開位置からその係止位置に移動する実施形態も含んでいる。本発明のこれらの実施形態によれば、有利には、キャッチの開位置から係止位置への移動及びキャッチの係止位置から開位置への移動のいずれもがキャッチホルダーの移動しか必要としないことを確実なものとすることができる。
【0026】
キャッチホルダーは、好ましくは、回転可能に構成されている。これによって、有利には、キャッチホルダーを回転のみによって保持位置から離脱位置に及びその逆に離脱位置から保持位置に移行させることを確実なものとすることができる。回転軸は、好ましくは、開位置と係止位置との間のキャッチホルダーの移動経路と直交している。キャッチホルダーは、好ましくは、係止位置においてキャッチに作用する。この場合、キャッチホルダーの回転軸と直交する接線は、特に好ましくは、係止位置、すなわち、キャッチホルダーがキャッチに作用する点において、キャッチがバネの付勢によってキャッチホルダーに加える力の方向と直交する方向に延びている。これによって、係止位置において、キャッチは、回転方向におけるどのような力成分もキャッチホルダーに加えないことを確実なものとすることができる。これは、係止位置が中立位置であることを裏付けることになる。
【0027】
回転可能なキャッチホルダーを有する好ましい機構の場合、保持位置及び離脱位置は、280°未満の角度、特に好ましくは、100°未満の角度だけ互いに離間している。回転可能なキャッチホルダーを有する好ましい機構の場合、保持位置及び離脱位置は、80°を超える角度、例えば、80°から100°の角度だけ互いに離間している。ここに述べる全ての角度は、360°の全円に基づいている。
【0028】
好ましいキャッチホルダーは、偏心体から構成されている。これによって、キャッチをバネの力に抗して係止位置に保持するために、有利には、偏心体の回転軸から遠い部分がキャッチに作用するとよい。この場合、好ましくは、偏心体は、その拡張位置において、すなわち、その高い位置において、キャッチをバネの力に抗して係止位置に保持するとよい。
【0029】
キャッチホルダーは、例えば、偏心ヘッドを有するネジ又はボルトとして構成されているとよい。ネジ又はボルトがモジュール又はモジュール受容フレームの孔に回転可能に取り付けられると、特に好ましい。キャッチホルダーがネジとして構成される場合、該孔は、好ましくは、ネジのネジ山と螺合する雌ネジ山を備えているとよい。
【0030】
本発明の一実施形態では、機構は、キャッチホルダの移動を拘束するために1つ又は複数の制限ストッパを備えている。特に好ましくは、1つの制限ストッパは、離脱位置から保持位置への経路においてキャッチホルダが保持位置を超えて移動することが阻止されるように、配置されるとよい。本発明のこの実施形態では、ユーザーがキャッチホルダーを保持位置に移行させることが確実になるので有利である。加えて又は代替的に、1つの制限ストッパは、特に好ましくは、キャッチホルダーが保持位置から離脱位置への経路において離脱位置を超えて移動することが阻止されるように、配置されるとよい。本発明のこの実施形態では、有利には、ユーザーがキャッチホルダーを離脱位置に移行させることが確実になる。
【0031】
好ましい機構は、1つ又は複数の戻り止め位置へのキャッチの離脱可能なスナップ留めのための戻り止め手段を備えている。本明細書における「離脱可能なスナップ留め(releasable snapping-in)」という用語は、戻り止め手段がキャッチホルダーを戻り止め位置の外に移動させるために打ち勝たねばならない機械的な抵抗をもたらすことを意味している。回転可能なキャッチホルダーの場合、この抵抗は、好ましくは、回転軸を中心とする回転方向における抵抗である。好ましい戻り止め位置は、キャッチホルダーの保持位置と一致する。追加的な又は代替的な好ましい戻り止め位置は、キャッチホルダーの離脱位置と一致する。
【0032】
戻り止め手段は、例えば、キャッチの一部における(モジュール又はモジュール受容フレームの方を向く)ラグ又は凹部と、モジュール又はモジュール受容フレームにおける(ラグ又は凹部と相補的に相互作用する)凹部又はラグによって形成されるとよい。ここでは、キャッチは、好ましくは、打ち勝つために必要な抵抗をもたらす戻り止めバネ(例えば、スプリットロックワッシャー又は螺旋バネ)によって、モジュール又はモジュールフレームに向かって付勢されるようになっている。例示的な一実施形態では、キャッチホルダーは、ボルトとして具体化され、このボルトは、モジュール受容フレーム又はモジュールの貫通孔内において回転可能であると共にその長軸に沿って移動可能となるように、取り付けられるようになっている。このボルトは、片側に偏心ヘッドを備えている。一方、戻り止めバネが、モジュール受容フレーム又はモジュールの貫通孔の偏心ヘッドから離れる側に配置されている。戻り止めバネの一方の側は、モジュールフレーム又はモジュールに固定され、他方の側は、ボルトの偏心ヘッドから離れる方の端に固定され、これによって、偏心ヘッドをモジュール又はモジュールフレームに付勢するようになっている。
【0033】
本発明の好ましい一実施形態では、バネは、キャッチを開位置に付勢し、キャッチホルダーは、その保持位置においてキャッチをその係止位置に保持するようになっており、これによって、本発明による機構の特に簡単な設計が有利に達成されることになる。この設計では、キャッチホルダーは、(もし機構がモジュール受容フレームに配置されるなら)モジュールから遠いキャッチの側に配置され、(もし機構がモジュールに配置されるなら)モジュール受容フレームから遠いキャッチの側に配置され、キャッチの係止位置は、開位置と比較して、モジュール又はモジュールフレームに向かってより遠くに配置されることになる。代替的に、キャッチホルダーは、キャッチを係止位置に付勢してもよい。この場合、キャッチホルダーは、その保持位置において、キャッチをその開位置に保持することになる。
【0034】
機構は、好ましくは、モジュール受容フレーム又はモジュールのいずれかに配置されるようになっている。しかし、本発明は、機構の構成要素の一部がモジュール受容フレームに配置され、他の一部がモジュールに配置される実施形態も含んでいる。後者の形式の好ましい一実施形態では、キャッチ及びバネが2つの構成要素の一方(モジュール受容フレーム又はモジュール)に配置され、キャッチホルダーがこれらの2つの構成要素の他方に配置されるようになっている。
【0035】
好ましいモジュール受容フレームは、モジュールの位置決め孔又は位置決めピンと相互作用することができる位置決めピン又は位置決め孔を備えている。これによって、有利には、ユーザーは、意図された位置において、モジュールをモジュール受容フレーム内に簡単に挿入することができる。1つ又は複数の位置決めピンは、特に好ましくは、モジュール又はモジュールフレームにねじ込まれるようになっている。ねじ込まれる1つ又は複数の位置決めピンが、バネ又はバネとキャッチとの一体組合せを同時にモジュール又はモジュールフレームに固定するようになっていると、特に好ましい。
【0036】
好ましいモジュール受容フレームは、2つ以上のモジュール、例えば、4つ以上のモジュール、8つ以上のモジュール、又は12個以上のモジュール用の空間を有している。好ましい1つのモジュール受容フレームは、本発明による2つ以上の機構、例えば、8つ以上の機構、16個以上の機構、又は32個以上の機構を備えている。モジュール受容フレームは、特に好ましくは、モジュール受容フレームの2つの対向するバー上に、特に好ましくは、受容可能なモジュールごとに2つの機構を備えており、これによって、モジュールの信頼性の高い固定を有利に達成することができる。複数の機構の設置によって、有利には、複数のモジュールをモジュール受容フレーム内に互いに独立して固定し、又は互いに独立して離脱させることができ、これによって、特にモジュールをモジュール受容フレーム内に互いに独立して挿入し、又はモジュール受容フレームから互いに独立して取り出すことができる。好ましいモジュール受容フレームは、マスインターコネクトのレシーバ又は交換可能なテストアダプタの一部である。
【0037】
もしモジュールが本発明による機構を備えているなら、該モジュールは、好ましくは、マスインターコネクトのレシーバ又は交換可能なテストアダプタのモジュール受容フレーム内に受容可能である。好ましいモジュールは、モジュール受容フレームの位置決め孔又は位置決めピンと相互作用する位置決めピン又は位置決め孔を備えており、これによって、ユーザーは、モジュールを意図された位置においてモジュール受容フレーム内に簡単に挿入することができる。1つ又は複数の位置決めピンは、特に好ましくは、モジュールにねじ込まれるようになっている。ねじ込まれる1つ又は複数の位置決めピンが、バネ又はバネとキャッチとの一体組合せを同時にモジュール又はモジュールフレームに固定するようになっていると、特に好ましい。
【0038】
本発明による好ましいレシーバは、少なくとも1つ、好ましくは、複数の交換可能なモジュールを受容するためのモジュール受容フレームを備えており、交換可能なモジュールは、各々、交換可能なテストアダプタの1つ又は複数の相手側コネクタに接続されるコネクタを備えている。相手側コネクタは、好ましくは、交換可能なテストアダプタのモジュールの一部であり、各モジュールは、特に好ましくは、意図されたように操作された時、交換可能なテストアダプタのモジュールの相手側コネクタがレシーバ内に受容されたモジュールの対応するコネクタに接続されるように、レシーバ内に受容されたモジュールに対応するようになっている。同じように、好ましい交換可能なテストアダプタは、少なくとも1つ、好ましくは、複数の交換可能なモジュールを受容するためのモジュール受容フレームを備えており、交換可能なモジュールは、各々、レシーバの1つ又は複数のコネクタに接続される相手側コネクタを備えている。
【0039】
以下、図面に概略的に示される多数の例示的な実施形態を参照して、更に有利な構成について詳細に説明する。但し、本発明は、これらの実施形態に制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明による機構を各々が備える上側及び下側モジュール受容バーからなる本発明によるモジュール受容フレームの一部を示す図である。
図2】モジュールがフレーム内に挿入されており、機構のキャッチが開位置にあり、キャッチホルダーが離脱位置にある、図1に示されるモジュール受容フレームの一部を示す図である。
図3】モジュールがフレーム内に挿入されており、機構のキャッチが係止位置にあり、キャッチホルダーが保持位置にある、図1に示されるモジュール受容フレームの一部を示す図である。
図4】機構のキャッチが開位置にあり、キャッチホルダーが離脱位置にある、先行する図のモジュール受容フレームの受容バーの断面図である。
図5】モジュールが挿入された状態にある、図4に示される受容バー及び本発明による機構の断面図である。
図6】キャッチが係止位置にあり、キャッチホルダーが保持位置にある、図5の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の好ましい実施形態の以下の説明において、同一の参照符号は、同一又は同等の構成要素を指すものとする。
【0042】
図1図6の例示的な実施形態に示されるモジュール受容フレーム1は、上側受容バー2及び下側受容バー3からなっている。これらのバー2,3の各々には、複数の機構4が配設されている。機構4は、モジュール受容フレーム1内に挿入されたモジュール5をモジュール受容フレーム1に固定し、モジュール5をモジュール受容フレーム1から取出しのために離脱させるものである。図1図3では、これらの機構4の3つが上側受容バー2上に示され、2つが下側受容バー3上に示されている。
【0043】
各機構4は、キャッチ6を備えている。キャッチ6は、バネ金属シート8の曲げ片によって、バネ7と一緒に単一片として形成されている。この金属シート8の前部がキャッチ6を形成し、中央部がバネ7を形成し、下部が基部9を形成している。バネ7は、この基部9と共に、位置決めピン10によって受容バー2,3の一方の適所にネジ止めされている。バネ7は、S字状に湾曲しており、これによって、バネ7が開位置において受容バー2,3と衝突しないようになっている。キャッチ6は、キャッチホルダー11と衝突する第1の部分と、そこから離れる方に屈曲して2つのタブ12を有する部分と、を備えている。タブ12は、図5及び図6に最もよく示されるように、モジュール5の相手側キャッチ13と互に係合するように相互作用し、これによって、モジュール5をモジュール受容フレーム内に固定するようになっている。この目的を達成するために、キャッチ6は、図1図2図4及び図5に示される開位置から図3及び図6に示される係止位置にバネ7の力に抗して移動するようになっているとよい。更に、バネ7の力は、キャッチホルダー11によって係止位置から開位置への戻りが阻止されない限り、キャッチ6を係止位置から開位置に戻させる大きさであるとよい。開位置において、キャッチのタブは、相手側キャッチから離れ、これによって、モジュール5は、モジュール受容フレーム1から取り外されるようになっている。
【0044】
キャッチホルダー11は、偏心ヘッド14及び(図示されない)シャンクを備える偏心ネジの形態にある。シャンクは、雄ネジ山を備えており、この雄ネジ山によって、偏心ネジは、受容バー2,3の雌ネジ山付き孔内にねじ込まれるようになっている。更に、偏心ネジは、そのヘッド14に長孔15を有している。偏心ネジを図1図2図4及び図5に示される離脱位置から図3及び図6に示される保持位置まで又はその逆に保持位置から離脱位置までその長軸を中心として回転させるために、スクリュードライバーがヘッド14の長孔15内に挿入されるとよい。保持位置及び離脱位置は、互いに90°の角度を成している。偏心ヘッド14を離脱位置から保持位置に移動させることによって、キャッチ6は、バネ7の力に抗してその開位置からその係止位置に移動することになる。係止位置において、バネ7は、キャッチ6が(キャッチ6とキャッチホルダー11との接点を通るキャッチホルダー11の接線と正確に直交し且つキャッチホルダー11の回転軸と直交する方向に作用する)力をキャッチホルダー11に加えるような影響を及ぼすことになる。これによって、キャッチ6がキャッチホルダー11の回転方向においてどのような力もキャッチホルダー11に加えないことが確実になる。
【0045】
図示されない機構4の実施形態は、制限ストッパを追加的に備えている。制限ストッパは、キャッチホルダー11の向かい側において、キャッチ6と平行に且つキャッチホルダー11に隣接して配置されている。この制限ストッパは、(偏心ヘッドが保持位置から離脱位置への移動中に離脱位置を超えて移動することができず、又は偏心ヘッドが離脱位置から保持位置への移動中に保持位置を超えることができないように)、図2に示される偏心ヘッド14の上縁16及び図3に示される偏心ヘッド14の上縁17と相互作用するようになっている。
【0046】
同様に、図示されない機構4の実施形態において、保持位置及び離脱位置においてキャッチホルダー11の離脱可能なスナップ留めのための戻り止め手段が設けられている。これらの戻り止め手段は、受容バー2,3に面するキャッチホルダー11の偏心ヘッド14の側に配置されたラグと、受容バー2,3の表面における2つの対応する凹部とからなっている。これらのラグ及び凹部は、キャッチホルダー11の保持位置においてラグがこれらの凹部の1つに係合し、キャッチホルダーの離脱位置においてラグが2つの凹部の他の1つに係合するように、配置されている。この場合、キャッチホルダーのシャンクは、ネジ山を有しないボルトの形態にあり、受容バー2,3の孔は、貫通孔の形態にあり、ボルトが貫通孔を通って、そこから突出するようになっている。受容バー2,3のヘッドと反対の側において、螺旋バネが戻り止めバネとして配置される。この螺旋バネの一方の側が受容バーのこの側に固定され、その他方の側がボルトの端に固定され、これによって、ヘッド14がバネによって受容バー2,3に向かって付勢されることになる。従って、バネは、キャッチホルダー11を保持位置又は離脱位置から移動させるために打ち勝たねばならない抵抗を生じることになる。
【0047】
図1図6に示される本発明の例示的な実施形態では、キャッチホルダー11は、モジュール5から離れたキャッチ6の側に配置されている。キャッチ6のバネ7がキャッチ6をその開位置に付勢し、キャッチホルダー11が、その保持位置においてキャッチ6をその係止位置に保持するようになっている。
【0048】
図示されない本発明の第2の実施形態では、キャッチホルダー11は、キャッチ6とモジュール5との間に配置され、、バネ7がキャッチ6を係止位置に付勢するようになっている。この場合、キャッチホルダー11は、その保持位置においてキャッチ6をその開位置に保持することになる。
【0049】
図1図6の例示的な実施形態では、機構4は、モジュールフレーム1に配置されている。本発明の代替的な第3の実施形態では、機構4は、記載される形態に代わって、モジュール5に配置され、相手側キャッチ13は、モジュール受容フレーム5の受容バー2,3に配置されるようになっている。
【0050】
本発明の第4の実施形態では、図1図6に示されるように、バネ7及びキャッチ6は、受容バー2,3に配置されているが、バネ7は、キャッチ6をその係止位置に付勢するようになっている。キャッチホルダー11は、特にキャッチ6に隣接してモジュール5に配置され、これによって、その保持位置においてキャッチホルダー11は、キャッチ6をバネ7の付勢に抗してその開位置に保持することになる。
【0051】
第5の実施形態は、受容バー2,3及びモジュール5が機構4に対して逆に配置される点を除けば、第4の実施形態と同様である。従って、この実施形態では、キャッチ6及びバネ7は、第3の実施形態におけるようにモジュール5に配置され、キャッチホルダー11は、受容バー2,3に配置されることになる。
【0052】
図1図6に示されるモジュール受容フレーム1は、マスインターコネクト用レシーバの一部である。この実施形態では、モジュール5は、マスインターコネクトによって1つ又は複数のテスト機器を接続するための交換可能なモジュール5である。この目的を達成するために、モジュール5は、マスインターコネクトの交換可能なテストアダプタの対応する接続要素と相互作用することができるピン及びソケットのような図示されない接続要素をコネクタトとして備えている。
【0053】
本発明の代替的実施形態では、図1図6に示されるモジュール受容フレーム1は、マスインターコネクトの交換可能なテストアダプタの一部である。モジュール5は、マスインターコネクトによって1つ又は複数のテスト対象物を接続するための交換可能なモジュールである。この目的を達成するために、モジュール5は、マスインターコネクトのレシーバの対応する接続要素と相互作用することができるピン及びソケットのような図示されない接続要素をコネクタとして備えている。
【0054】
前述の説明、請求項及び図面に開示される特徴部は、種々の実施形態において個別に又は所望の組合せによって本発明を実施するために有意なものである。
【符号の説明】
【0055】
1 モジュール受容フレーム
2 上側受容バー
3 下側受容バー
4 機構
5 モジュール
6 キャッチ
7 バネ
8 バネ金属シート
9 基部
10 位置決めピン
11 キャッチホルダー
12 タブ
13 相手側キャッチ
14 偏心ヘッド
15 長孔
16 離脱位置における偏心ヘッドの上縁
17 保持位置における偏心ヘッドの上縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6