特許第6792637号(P6792637)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792637
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】部品装着方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20201116BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   H05K13/04 B
   H05K13/08 Q
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-555357(P2018-555357)
(86)(22)【出願日】2016年12月6日
(86)【国際出願番号】JP2016086147
(87)【国際公開番号】WO2018105030
(87)【国際公開日】20180614
【審査請求日】2019年4月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】特許業務法人 共立
(72)【発明者】
【氏名】久野 耕資
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−170524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品供給位置に供給された部品を採取し、基板搬送位置に搬送された基板に前記部品を装着する装着ヘッドと、
前記部品を撮像する撮像装置と、
前記装着ヘッドに設けられ、第一部品を保持可能な第一部品保持部、及び、前記第一部品よりも低い位置で第二部品を保持可能な第二部品保持部と、
を備えた部品装着機を用いた部品装着方法であって、
前記第一部品保持部が前記第一部品を採取する工程と、
記第一部品保持部が前記第一部品を保持した状態で、前記第二部品保持部が前記第二部品を採取する工程と、
前記第一部品保持部が前記第一部品を保持し、且つ、前記第二部品保持部が前記第二部品を保持した状態で、前記撮像装置が前記第二部品を撮像する工程と、
前記撮像装置が撮像した撮像結果に基づき、前記第二部品を前記基板に装着する工程と、
前記撮像装置が前記第一部品を撮像する工程と、
前記第一部品保持部が前記第一部品を保持した状態で、前記第二部品保持部が前記第二部品を採取する工程と、
前記第一部品保持部が前記第一部品を保持し、且つ、前記第二部品保持部が前記第二部品を保持した状態で、前記撮像装置が前記第二部品を撮像する工程と、
前記撮像装置が撮像した撮像結果に基づき、前記第一部品及び前記第二部品を前記基板に装着する工程と、
を含む部品装着方法。
【請求項2】
部品供給位置に供給された部品を採取し、基板搬送位置に搬送された基板に前記部品を装着する装着ヘッドと、
前記部品を撮像する撮像装置と、
前記装着ヘッドに設けられ、第一部品を保持可能な第一部品保持部、及び、前記第一部品よりも低い位置で第二部品を保持可能な第二部品保持部と、
を備えた部品装着機を用いた部品装着方法であって、
前記第一部品保持部が前記第一部品を採取する工程と、
前記撮像装置が前記第一部品を撮像する工程と、
前記第一部品保持部が前記第一部品を保持した状態で、前記第二部品保持部が前記第二部品を採取する工程と、
前記第一部品保持部が前記第一部品を保持し、且つ、前記第二部品保持部が前記第二部品を保持した状態で、前記撮像装置が前記第二部品を撮像する工程と、
前記第一部品保持部が前記第一部品を保持し、且つ、前記第二部品保持部が前記第二部品を保持した状態で、前記撮像装置が前記第二部品を撮像する際に、前記第一部品を前記撮像装置の被写界深度外に移動する工程と、
を含む部品装着方法。
【請求項3】
部品供給位置に供給された部品を採取し、基板搬送位置に搬送された基板に前記部品を装着する装着ヘッドと、
前記部品を撮像する撮像装置と、
前記装着ヘッドに設けられ、第一部品を保持可能な第一部品保持部、及び、前記第一部品よりも低い位置で第二部品を保持可能な第二部品保持部と、
を備えた部品装着機を用いた部品装着方法であって、
前記第一部品保持部が前記第一部品を採取する工程と、
前記撮像装置が前記第一部品を撮像する工程と、
前記第一部品保持部が前記第一部品を保持した状態で、前記第二部品保持部が前記第二部品を採取する工程と、
前記第一部品保持部が前記第一部品を保持し、且つ、前記第二部品保持部が前記第二部品を保持した状態で、前記撮像装置が前記第二部品を撮像する工程と、
前記第一部品保持部が前記第一部品を保持し、且つ、前記第二部品保持部が前記第二部品を保持した状態で、前記撮像装置が前記第二部品を撮像する際に、前記撮像装置から見た場合に前記第二部品が前記第一部品を隠す状態にする工程と、
を含む部品装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の部品保持部により部品を吸着し、基板に装着する部品装着機が知られている。特許文献1には、複数の吸着ノズル(部品保持部)の各々に部品を吸着する際に、部品の吸着位置をオフセット補正することにより、吸着ノズルが吸着する部品どうしの干渉を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−304120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1に記載の技術では、基板に装着しようとする部品が、吸着位置のオフセット補正により部品どうしの干渉を回避できないような大型部品である場合に、その大型部品と他の部品とを複数の吸着ノズルに対して同時に吸着させることができない。
【0005】
本発明は、部品の装着作業を効率よく行うことができる部品装着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示する部品装着方法は、部品供給位置に供給された部品を採取し、基板搬送位置に搬送された基板に前記部品を装着する装着ヘッドと、前記部品を撮像する撮像装置と、前記装着ヘッドに設けられ、第一部品を保持可能な第一部品保持部、及び、前記第一部品よりも低い位置で第二部品を保持可能な第二部品保持部と、を備えた部品装着機を用いた部品装着方法である。これに加え、本明細書で開示する部品装着方法は、前記第一部品保持部が前記第一部品を採取する工程と、前記撮像装置が前記第一部品を撮像する工程と、前記第一部品保持部が前記第一部品を保持した状態で、前記第二部品保持部が前記第二部品を採取する工程と、前記第一部品保持部が前記第一部品を保持し、且つ、前記第二部品保持部が前記第二部品を保持した状態で、前記撮像装置が前記第二部品を撮像する工程と、を含む。
【0007】
本明細書で開示する部品装着方法によれば、第二部品保持部は、第一部品よりも低い位置で第二部品を保持するので、第二部品が大型である場合であっても、第一部品と第二部品との干渉を防止できる。よって、部品装着機は、部品の装着作業を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一実施形態における部品装着方法に用いる部品装着機の概略図である。
図2】装着ヘッドの部分拡大正面図であり、第一部品保持部に第一部品を保持し、第二部品保持部に第二部品を保持した状態を示す。
図3】制御装置により実行される部品装着処理1を示すフローチャートである。
図4】装着ヘッドの部分拡大正面図であり、部品供給位置に供給された第一部品及び第二部品を採取した後に、第二部品を撮像可能な位置へ装着ヘッドを移動させた状態を示す。
図5】装着ヘッドの部分拡大正面図であり、基板搬送位置に搬送された基板に第二部品を装着した後に、第一部品を撮像可能な位置へ装着ヘッドを移動させた状態を示す。
図6】装着ヘッドの部分拡大正面図であり、部品供給位置に供給された第二部品を採取した後に、第二部品を撮像可能な位置へ装着ヘッドを移動させた状態を示す。
図7】第二実施形態における装着ヘッドの部分拡大正面図であり、第二部品を撮像可能な位置へ移動させた状態を示す。
図8】第三実施形態における装着ヘッドの部分拡大正面図であり、部品供給位置に供給された第一部品及び第二部品を採取した後に、第二部品を撮像可能な位置へ移動させた状態を示す。
図9】第四実施形態の部品装着方法において、制御装置により実行される部品装着処理2を示すフローチャートである。
図10】装着ヘッドの部分拡大正面図であり、部品供給位置に供給された第一部品を採取した後に、第一部品を撮像可能な位置へ装着ヘッドを移動させた状態を示す。
図11】装着ヘッドの部分拡大正面図であり、部品供給位置に供給された第二部品を採取した後に、第二部品を撮像可能な位置へ装着ヘッドを移動させた状態を示す。
図12】装着ヘッドの部分拡大正面図であり、基板搬送位置に搬送された基板に第二部品を装着した後に、第一部品を基板に装着した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本明細書に開示する部品装着方法を適用した各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
1.第一実施形態
1−1.部品装着機1の構成
まず、図1を参照して、部品装着機1の概要について説明する。図1に示すように、部品装着機1は、基板搬送装置10と、部品供給部20と、部品移載装置30と、部品カメラ41と、基板カメラ42と、制御装置50と、を備える。なお、図1において、基板Kの搬送方向をX軸方向(図1左右方向)、X軸方向と水平方向に直角な方向(図1上下方向)をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向(図1紙面垂直方向)をZ軸方向とする。
【0011】
基板搬送装置10は、ベルトコンベア等により構成され、基板KをX軸方向へ順次搬送する。基板搬送装置10は、部品装着機1の機内における所定位置(以下「基板搬送位置」と称す)に基板Kを位置決めし、基板Kに対する部品の装着処理が完了すると、基板Kを部品装着機1の機外へ搬出する。
【0012】
部品供給部20は、X軸方向に並んで配置された複数のスロットを備える。複数のスロットには、フィーダ21が着脱可能にそれぞれセットされる。フィーダ21は、キャリアテープを送り移動させて、フィーダ21の先端側(図1上側)に設けられる部品供給位置に部品を供給する。また、部品供給部20は、上下方向に区画された収納棚23に複数のトレイ22を収納し、装着処理に応じて所定のトレイ22を引き出し、部品供給位置に部品を供給する。
【0013】
部品移載装置30は、ヘッド駆動装置31と、移動台32と、装着ヘッド33と、複数の部品保持部34と、を備える。ヘッド駆動装置31は、直動機構により移動台32をX軸方向及びY軸方向に移動可能に構成される。装着ヘッド33は、部品供給位置に供給された部品を採取し、基板搬送装置に搬送された基板Kに部品を装着する。装着ヘッド33は、移動台32に着脱可能に設けられ、部品供給位置と基板搬送位置と部品カメラ41により部品を撮像可能な撮像位置との間を移動する。
【0014】
部品保持部34は、部品を吸着により保持可能なノズルであり、複数の部品保持部34は、装着ヘッド33に着脱可能に装着される。また、各々の部品保持部34は、装着ヘッド33に対し、Z軸に平行な軸線まわりに回転可能に支持され、且つ、Z軸方向に昇降可能に支持される。
【0015】
部品カメラ41及び基板カメラ42は、CCDやCMOS等の撮像素子を有する撮像装置である。部品カメラ41及び基板カメラ42は、通信可能に接続された制御装置50による制御信号に基づいて、カメラ視野に収まる範囲の撮像を行う。部品カメラ41は、光軸がZ軸方向の上向きとなるように設けられ、部品保持部34に保持された部品を下方から撮像する。基板カメラ42は、移動台32に対し、光軸がZ軸方向の下向きとなるように設けられ、基板搬送位置に位置決めされた基板Kを上方から撮像する。部品カメラ41及び基板カメラ42は、撮像により取得した画像データを制御装置50に送信する。
【0016】
制御装置50は、部品カメラ41及び基板カメラ42から取得した画像データや、部品装着機1に設けられた各種センサから出力された情報等に基づき、装着ヘッド33の移動や部品保持部34の吸着動作等を制御する。
【0017】
図2に示すように、装着ヘッド33には、2つの部品保持部34が設けられている。2つの部品保持部34のうち、一方の部品保持部34(以下「第一部品保持部35」と称す)は、他方の部品保持部34(以下「第二部品保持部36」と称す)よりも高い位置で部品を保持する。これにより、第一部品保持部35が保持する部品(以下「第一部品P1」と称す)と、第二部品保持部36が保持する部品(以下「第二部品P2,P21,P22」と称す)とが、互いに干渉することを回避することができる。
【0018】
このような構成により、例えば、第二部品P2が第一部品P1よりも大型の部品であり、第一部品P1と第二部品P2を、同じ高さ位置で保持すると第一部品P1と第二部品P2とが互いに干渉するような場合であっても、装着ヘッド33は、第一部品P1と第二部品P2とを同時に保持することができる。
【0019】
なお、本実施形態では、装着ヘッド33に2つの部品保持部34が設けられる場合を例に挙げて説明するが、3つ以上の部品保持部34が装着ヘッド33に設けられていてもよい。
【0020】
1−2.部品装着処理1
次に、図3を参照して、制御装置50により実行される部品装着処理1について説明する。この部品装着処理1は、装着ヘッド33が、フィーダ21の部品とトレイ22の部品供給位置に供給された部品を採取し、基板搬送位置に搬送された基板Kに装着する処理の一例である。
【0021】
図3及び図4に示すように、部品装着処理1において、制御装置50は、装着ヘッド33をフィーダ21上の部品供給位置に移動させる。そして、制御装置50は、装着ヘッド33に対して第一部品保持部35を下降させ、第一部品保持部35により第一部品P1を採取させる(S1)。続いて、制御装置50は、装着ヘッド33をトレイ22上の部品供給位置に移動させる。そして、装着ヘッド33に対して第二部品保持部36を下降させ、第二部品保持部36により第二部品P21を採取させる(S2)。
【0022】
次に、制御装置50は、装着ヘッド33を撮像位置に移動させる(S3)。そして、制御装置50は、第一部品P1を、部品カメラ41の被写界深度外へ移動させた後に(S4)、部品カメラ41による第二部品P21の撮像を行う(S5)。これにより、制御装置50は、部品カメラ41が第二部品P21を撮像した撮像結果を得ることができる。なお、S4の処理に関し、第一部品P1を被写界深度外へ移動させるタイミングは、撮像位置へ移動した後に行う場合に限られるものではなく、撮像位置への移動が完了する前でもよい。
【0023】
図3及び図5に示すように、制御装置50は、第二部品P21の撮像が終了した後に、装着ヘッド33を基板K上に移動させる(S6)。そして、制御装置50は、装着ヘッド33に対して第二部品保持部36を下降させ、第二部品保持部36に保持された第二部品P21のみを基板Kに装着する(S7)。次に、制御装置50は、第一部品保持部35に第一部品P1を保持させた状態のまま、装着ヘッド33を撮像位置へ移動させる(S8)。そして、制御装置50は、第一部品保持部35が保持する第一部品P1を被写界深度内に移動させた後に、部品カメラ41により撮像する(S9)。
【0024】
次に、図3及び図6に示すように、第一部品P1を撮像した後、制御装置50は、装着ヘッド33をトレイ22上の部品供給位置へ移動させる(S10)。そして、制御装置50は、第一部品保持部35に第一部品P1を保持させた状態のまま、装着ヘッド33に対して第二部品保持部36を下降させ、トレイ22上の部品供給位置に供給された第二部品P22を第二部品保持部36により採取する(S11)。その後、制御装置50は、装着ヘッド33を撮像位置に移動させる(S12)。その後、制御装置50は、第一部品P1を部品カメラ41の被写界深度外へ移動させ(S13)、部品カメラ41による第二部品P22の撮像を行う(S14)。
【0025】
次に、図3に示すように、制御装置50は、装着ヘッド33を撮像位置から基板K上へ移動させる(S15)。そして、制御装置50は、装着ヘッド33に対して第二部品保持部36を下降させ、第二部品P22を先に基板Kへ装着する。続いて、制御装置50は、装着ヘッド33に対して第一部品保持部35を下降させ、第一部品P1を基板Kへ装着する(S16)。
【0026】
このように、この部品装着処理1において、部品装着機1は、装着ヘッド33が部品供給位置と部品搬送位置との間を2往復する間に、3つの部品を基板Kに装着できる。特に、部品装着機1は、第二部品P21,P22を第一部品P1よりも低い位置で保持することができるので、第二部品P21,P22が大型の部品であっても、第一部品P1と第二部品P2との干渉を回避することができる。よって、部品装着機1は、部品の装着作業を効率よく行うことができる。
【0027】
さらに、この部品装着処理1において、第一部品保持部35が第一部品P1を、第二部品保持部36が第二部品P21,P22を、それぞれ同時に保持した状態で、第二部品P21,P22を撮像した場合であっても、第二部品P21,P22の撮像結果として、制御装置50は、適正な撮像結果を得ることができる。その結果、部品装着機1は、基板Kに対して第二部品P21,P22を適切な位置に装着することができる。
【0028】
2.第二実施形態
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態では、部品カメラ41から見た場合に、部品保持部35が保持する第一部品P1を、第二部品保持部36が保持する第二部品P23により隠す状態にする。
【0029】
図7に示すように、第二実施形態では、第一部品保持部35が第一部品P1を保持した状態で第二部品保持部36により第二部品P23を保持する際(第一実施形態における部品装着処理1内で実行されるS2及びS11に相当)、第二部品保持部36は、第二部品P23により、第一部品P1が下方から見えなくなるように、第二部品P23を保持する。具体的には、第二部品保持部36が、第二部品P23の中心からオフセットした位置で第二部品P23を保持することにより、第二部品P23を部品カメラ41で撮像する際に、第一部品P1が撮像されないようにする。これにより、制御装置50は、部品カメラ41が第二部品P23を撮像した撮像結果を得ることができる。
【0030】
3.第三実施形態
次に、第三実施形態について説明する。第三実施形態では、第二部品保持部36が、保持した第二部品P24をZ軸方向に平行な軸線まわりに回転させることで、第一部品P1を第二部品P23により隠す状態にする。なお、第二部品P24は、平面視略矩形状であるものとする。
【0031】
図8に示すように、第三実施形態において、第一部品保持部35が第一部品P1を保持し、且つ、第二部品保持部36が第二部品P24を保持した状態で、制御装置50は、装着ヘッド33に対し、Z軸方向に平行な軸線まわりに第二部品保持部36を回転させる。そして、制御装置50は、第一部品P1が下方から見えなくなるように、第二部品P24の向きを変える。これにより、第二部品P24を部品カメラ41で撮像する際に、第一部品P1が撮像されないようにすることができるので、制御装置50は、部品カメラ41が第二部品P24を撮像した撮像結果を得ることができる。
【0032】
4.第四実施形態
次に、第四実施形態について説明する。第一実施形態において実行する部品装着処理1では、装着ヘッド33が部品供給位置と基板搬送位置との間を2往復する間に、3つの部品を部品供給位置から基板搬送位置へ搬送する。これに対し、第四実施形態において実行する部品装着処理2では、装着ヘッド33が部品供給位置と基板搬送位置との間を1往復する間に、2つの部品を部品供給位置から基板搬送位置へ搬送する。
【0033】
図9及び図10に示すように、第四実施形態における部品装着処理2において、制御装置50は、装着ヘッド33をフィーダ21上の部品供給位置に移動させた後、装着ヘッド33に対して第一部品保持部35を下降させ、フィーダ21上の第一部品P1を第一部品保持部35により採取する(S21)。次に、制御装置50は、第一部品保持部35に第一部品P1を保持させ、且つ、第二部品保持部36には第二部品P25を保持させない状態で、装着ヘッド33を撮像位置に移動させる(S22)。そして、制御装置50は、第一部品保持部35に保持された第一部品P1を部品カメラ41により撮像する(S23)。
【0034】
次に、図9及び図11に示すように、制御装置50は、装着ヘッド33を撮像位置からトレイ22上の部品供給位置へ移動させる(S24)。そして、制御装置50は、第一部品保持部35により第一部品P1を保持させた状態のまま、装着ヘッド33に対して第二部品保持部36を下降させ、第二部品P25を第二部品保持部36により採取する(S25)。続いて、制御装置50は、第一部品保持部35が第一部品P1を保持し、且つ、第二部品保持部36が第二部品P25を保持した状態で、撮像位置へ装着ヘッド33を移動させる(S26)。そして、制御装置50は、第一部品P1を、部品カメラ41の被写界深度外へ移動させた後に(S27)、部品カメラ41による第二部品P25の撮像を行う(S28)。
【0035】
次に、図9及び図12に示すように、制御装置50は、装着ヘッド33を撮像位置から基板K上へ移動させる(S29)。そして、制御装置50は、装着ヘッド33に対して第二部品保持部36を下降させ、第二部品P25を先に基板Kへ装着する。続いて、制御装置50は、装着ヘッド33に対して第一部品保持部35を下降させ、第一部品P1を基板Kへ装着する(S30)。
【0036】
このように、この部品装着処理2において、部品装着機1は、装着ヘッド33が部品供給位置と部品搬送位置との間を1往復する間に、2つの部品を基板Kに装着できるので、部品装着機1は、部品の装着作業を効率よく行うことができる。
【0037】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0038】
例えば、上記第一実施形態の部品装着処理1において、S2の処理で採取する第二部品P21とS11の処理で採取する第二部品P22が同一部品である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、2つの第二部品P21とP22が異なる部品であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1:部品装着機、 33:装着ヘッド、 35:第一部品保持部、 36:第二部品保持部、 41:部品カメラ(撮像装置)、 50:制御装置、 K:基板、 P1:第一部品、 P2,P21,P22,P23,P24,P25:第二部品
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