(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792648
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】動力車両用のセーフティ・クリティカルな制御装置を作動させるための方法、並びに、対応する動力車両
(51)【国際特許分類】
G08B 25/08 20060101AFI20201116BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20201116BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20201116BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20201116BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
G08B25/08 A
G08G1/00 D
B60R16/02 650A
G08B25/04 C
G08B21/00 U
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-565647(P2018-565647)
(86)(22)【出願日】2016年7月21日
(65)【公表番号】特表2019-527870(P2019-527870A)
(43)【公表日】2019年10月3日
(86)【国際出願番号】DE2016200336
(87)【国際公開番号】WO2018014890
(87)【国際公開日】20180125
【審査請求日】2019年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー・アンドレアス
【審査官】
大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第02848437(EP,A1)
【文献】
特開2002−288768(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/203990(WO,A1)
【文献】
特開2005−44311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 21/00
G08B 25/00
B60R 16/00
G08G 1/00
G06Q 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置が、少なくとも一つのセンサーの、或いは、少なくとも一つのアクチュエータの、乃至、複数の該当するものの制御装置の正常な作動状態を監視し、予め定められているエラー条件があった場合には、ドライバーへの警告を作成し、少なくともエラー条件の一つのサブグループでは、警告として、対応する警告メッセージが先ずドライバーだけに出されるセーフティ・クリティカルな制御装置を作動させるための方法であって、予め定められている時間枠内にエラーのクリアが認識できなかった場合に初めて、対応するデータ伝達が、車両メーカー、及び/或いは、サービスプロバイダーに対して実施されることを特徴とするセーフティ・クリティカルな制御装置を作動させるための方法。
【請求項2】
ドライバーが、予め定められている操作手段によって警告メッセージを確認した場合、エラーをクリアするため乃至データ伝達までの予め定められている時間枠が、第一の値からより長い値に延長されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第一データ伝達が実施された後に新しい時間枠が開始されるが、該時間枠の終了以前に、エラーの修復が認識されない場合は、該データ伝達が、周期的に反復されることを特徴とする請求項1或いは2に記載の方法。
【請求項4】
以下のデータのうち少なくとも一つのデータ伝達が実施されることを特徴とする請求項1から3のうち一項に記載の方法:
−車両を識別するためのデータ、
−エラー条件の種類、
−エラー条件が成立した時点、
−操作手段を操作することによって警告メッセージの確認が実施されたか否か、乃至、実施された時点。
【請求項5】
制御装置、及び、警告メッセージを再生するための手段、及び、請求項1から4のうち一項に記載の方法を実施すためのデータ伝達のための手段を備えた動力車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルに基づく動力車両用のセーフティ・クリティカルな制御装置を作動させるための方法、並びに、これに対応する動力車両に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、欧州特許公報EP 1062132 B1や欧州公開公報EP 167792 A1からは、搭乗者保護システムを作動させる制御のための方法が既知であり、ここでは、例えば事故センサーが、定期的、乃至、不定期な間隔において、内部エラー検査が、実行され、エラーが認識された場合、通知シグナルが、通知シグナル出力端子を介して制御手段へ出力される。その後、例えば、作動が、ロックされる、及び/或いは、視覚的、及び/或いは、聴覚的な警告が、作成される。この際、接続、並びに、データ交換は、車両用バス、例えば、CAN、或いは、Flexray(フレックスレイ)を介して実施できる。
【0003】
ドイツ公開公報DE 10249440 A1には、車両内において重量を測定するシステムの機能を監視するための方法が記述されており、ここでは、パワーセンサーにかかるパワーに関する閾値を超えた際に、重量を測定するシステムが、該重量を測定するシステムが故障するかもしれないことを知らせる警告を出力するようになっている。該警告は、車両の複合計器内に視覚的に、特に好ましくは、テキストとして、及び/或いは、それ用にデザインされたシグナルランプによって表示されることができる。更には、警告をCANバス(car area network−Bus)に伝達する、及び/或いは、エラーメモリーの保存することも提案されている。
【0004】
更に、ドイツ公開公報DE 102009014624 A1からは、自己診断機能を有し、障害が発生した時、警告をドライバーに出力する制御装置を備えた動力車両内における障害を表示するための方法が既知である。警告の出力と同時にそのエラーの度合いに応じて推奨され、ドライバーが、それを読んだことを肯定応答しなければならない対策も表示される。この表示は、ドライバーが、それを読んだことを肯定応答した後でなければ消去できないようにされていることが好ましい。本発明の発展形態によれば、代案的、乃至、付加的に、予め定められている時間枠内に、それを読んだことに対する肯定応答が無ければ、安全モードが、作動される。
【0005】
しかしながら、例えこの様な対策を講じても、ドライバーが、警告を見落とし、或いは、無視し、或いは、忘れ、該車両が、長い時間、この様に、搭乗者保護システムやその他のセーフティ・クリティカルな制御装置の作動準備ができていない状態にあることを完全に回避することはできない。
【0006】
ドイツ特許公報補正DE 29 12 547 C2と公開公報DE 196 50 176 A1からは更に、事故発生時、短時間かつ確実に救助が開始されることを確保するため、自動的に救急組織と連絡を取り、事故現場に正しく誘導する車両用自動緊急電話システムが既知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許公報EP 1062132 B1
【特許文献2】欧州公開公報EP 167792 A1
【特許文献3】ドイツ公開公報DE 10249440 A1
【特許文献4】ドイツ公開公報DE 102009014624 A1
【特許文献5】ドイツ特許公報補正DE 29 12 547 C2
【特許文献6】ドイツ公開公報DE 196 50 176 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、安全をさらに向上することである。本発明によれば、上記目的は、独立請求項に記載されている特徴によって達成される。本発明の更なる実施形態は、従属請求項から得られるが、各特徴を組み合わせること、更には各特徴の更なる形態も可能である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのため、予め定められている時間枠内にエラーがクリアされない場合、車両メーカー、及び/或いは、サービスプロバイダーへの対応するデータ伝達が、想定されている。エラーをクリアする以外にも、場合によっては、対応するエラー記録が、例えば、サービス作業員によって、修理済みであるとチェックされる、或いは、これを消去させる。
【0010】
出願者の先行公開されていないDE 10 2015 219 402には、搭乗者保護システムを作動させる方法が、既に記述されているが、該搭乗者保護システムは、少なくとも一つの制御装置、少なくとも一つのセンサー、並びに、少なくとも一つの搭乗者保護手段を有し、該制御装置が、少なくとも一つのセンサーの、或いは、少なくとも一つのアクチュエータの、乃至、複数の該当するものの制御装置の正常な作動状態を監視し、予め定められているエラー条件があった場合には、ドライバーへの警告を作成する。少なくともエラー条件の一つのサブグループでは、該警告として、対応する警告メッセージがドライバーに出され、これは、ドライバーが、少なくとも一つの予め定められている操作手段を用いて確認されなければならない。予め定められている時間枠内に該警告メッセージが、予め定められている操作手段の操作によって確認されない場合、車両メーカー、及び/或いは、サービスプロバイダーに対して、対応するデータ伝達が実施される。その際は、該エラーが修正されたか否かに関するチェックは行われない。上記説明にも関わらず、部分的先行開示が認められる場合、出願人は、該対象を、本件において請求されている保護範囲から明確に、即ち、DE 10 2015 219 402の請求項1によって如何なる方法も請求されないように、除外する。
【0011】
修正乃至データ伝達のための予め定められている時間枠は、ドライバーが、予め定められている操作手段によって確認した場合、第一の値から、より長い時間の、但し、無限ではない第二時間枠に延長される。ある想定されている実施例では、データ伝達は、確認がない場合、比較的短い、即ち、数分から最長でも数日の間に実施され、修理を確認した場合は、数日から数週間の猶予が与えられる、但し、第二時間枠が経過したときには、必ず、データ伝達が実施される。
【0012】
該データ伝達は、好ましくは、移動式電話、予め車載されている移動式無線電話接続、或いは、SMS(small message service)を介して実施され、これは、好ましくは、車両識別データ、エラー状態の種類、並びに、エラー状態が発生した時点、或いは、経過、操作手段による確認が無かった時間枠を包含している。該データ伝達に基づき、車両メーカー、乃至、サービスプロバイダーは、他のチャンネル、例えば、電話、電子メール、或いは、これらに類似する手段を介して、ドライバーに連絡を取り、セーフティ・クリティカルな制御装置が正常に機能していない状態における走行の継続を回避することができる。
【0013】
第一データ伝達が実施された後、好ましくは、新しい時間枠が開始されるが、該時間枠の終了以前に、エラーの修復が認識されない場合、該データ伝達は、周期的に反復される。
【0014】
但し、この際、セーフティ・クリティカルな制御装置、或いは、その他の制御装置において該方法が実施されるか否か、そして、一つのセンサー、一つの搭乗者保護システム、或いは、該制御装置自体の正常な作動状態が監視されているのか否かと言うことは重要ではない。更に、少なくとも一つの予め定められている操作手段を操作することによって確認するべき警告は、エラー条件の一つのサブグループのみであっても、即ち、エラー事象全てが必ずしもない場合であっても、出力される。
【0015】
ドライバーへの警告メッセージは、ピクトグラム、或いは、様々な言語によって、視覚的、或いは、聴覚的に実施でき、これらは、好ましくは、搭乗者保護システムの作動停止に関する指摘の他、メンテナンス工場を訪れることの勧め、確認の必要性、確認しない場合の帰結を包含している。
【0016】
該確認においては、好ましくは、操作方法が、乃至、複数の操作手段から、或いは、そのシーケンスが選択された操作手段により、過誤による「確認」、即ち、通常の運転における行為による確認する意図のない操作を、可能な限りで回避している。
【0017】
このましくは、予め定められている操作手段の操作することによるドライバーによる確認は、例えば、その確認した時刻が、メモリーにプロトコルとして記録される、即ち、エラーが発生したことや警告が発せられたと言う事実だけではなく、ドライバーによって実施された確認も保存される。
【0018】
予め定められている時間枠内に該警告メッセージが、予め定められている操作手段の操作によって確認されない場合、データ伝達に加えて、車両に制限がかけられることが好ましい。これは、当然ながら、望まれている段階的拡大に依存し、車両ごと個々に定められる。
【0019】
この際、特に以下の一つの、或いは、複数の対策が考え得る:
a)警告メッセージを、継続的に表示する
b)ラジオなどの快適機能を使用できないようにする、或いは、電話を、緊急電話にのみ使用可能とする
b)速度制限を作動させる
d)停止後の車両の再始動を禁止する
【0020】
それが如何なるセーフティ・クリティカルな制御装置であっても、即ち、表示制御装置、ESP制御装置、或いは、搭乗者保護システムのいずれであっても、本方法を実施するための対応したアルゴリズムが実装され、且つ、警告メッセージを再生するための、並びに、予め定められている操作手段のシグナルを受信する、乃至、該操作手段に問い合わせするためのデータインターフェース、及び、データ伝達のための手段へのインターフェースを有している。
【0021】
この様に、一台の車両内には、相応に構成された制御装置、及び、警告メッセージを再生するため、並びに、データ伝達するための手段が、設けられている、或いは、該車両内の既存の手段が、本方法を実施できるように変更されている。