(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792655
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】製氷機用冷却システム
(51)【国際特許分類】
F25C 1/142 20180101AFI20201116BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20201116BHJP
F25B 41/06 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
F25C1/142 A
F25B1/00 331Z
F25B41/06 D
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-29163(P2019-29163)
(22)【出願日】2019年2月21日
(65)【公開番号】特開2019-203684(P2019-203684A)
(43)【公開日】2019年11月28日
【審査請求日】2019年2月21日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0058087
(32)【優先日】2018年5月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514272793
【氏名又は名称】キム、デ ファン
(73)【特許権者】
【識別番号】519060494
【氏名又は名称】イ、ドン セン
(73)【特許権者】
【識別番号】519060508
【氏名又は名称】トウマ電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、デ ファン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ドン セン
【審査官】
河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2015−0125279(KR,A)
【文献】
国際公開第2008/130196(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0094260(US,A1)
【文献】
特開平10−141822(JP,A)
【文献】
特表2016−508592(JP,A)
【文献】
特開2011−145025(JP,A)
【文献】
特表平09−503158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 1/142
F25B 1/00
F25B 41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラム式製氷機で冷媒を循環させて、ドラムを冷却させる冷却システムであって、
前記ドラムの内部に冷媒を供給する冷媒供給管と、
前記ドラムの外部に冷媒を回収する冷媒回収管と、
前記冷媒回収管からの冷媒を高圧で圧縮させる圧縮機と、
前記圧縮機からの冷媒を液化させる凝縮器と、
前記凝縮器からの冷媒を膨張させて減圧する膨張機と、及び
前記膨張機からの冷媒を前記ドラムの内部に蒸発させる蒸発器とを含み、
前記膨張機は、前記冷媒供給管の前記ドラムの冷媒流入口側に挿入して設置される膨張ノズルで形成され、
前記膨張ノズルは、
前記冷媒供給管に締結されるボディ部と、前記ボディ部に締結されるノズルキャップとを備え、
前記ボディ部は、
周縁の外面にネジ山があり、中央に孔があるパイプ状であり、
前記ノズルキャップは、
周縁の内面にネジ山があり、中央に貫通孔があり、前記貫通孔周辺が凹んだ半球状であり、
前記ボディ部の前記ネジ山と前記ノズルキャップの前記ネジ山との締結によって、前記ボディ部と前記ノズルキャップとが着脱自在に結合され、また、前記ボディ部は、前記ボディ部の前記ネジ山を介して前記冷媒供給管に締結される
ことを特徴とする製氷機用冷却システム。
【請求項2】
前記冷媒供給管は、前記冷媒回収管の外周面に面接触するように巻かれた予備冷却部をさらに含み、前記冷媒が前記蒸発器に供給される前に、前記冷媒供給管と前記冷媒回収管の温度差によって予め冷却される
請求項1に記載の製氷機用冷却システム。
【請求項3】
前記ドラムの温度を測定し、測定された温度を前記ドラムの駆動を制御する制御装置に送信することにより、前記ドラムの稼働開始時点を調整できるようにする温度センサー部をさらに含む
請求項1に記載の製氷機用冷却システム。
【請求項4】
前記温度センサー部は、前記冷媒回収管の前記ドラムの冷媒流出口側に設置される
請求項3に記載の製氷機用冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製氷機用冷却システムに関し、特に、ドラム式製氷機で冷却システムを改善して、良好な製氷品質を維持することができ、コストも低減することができる製氷機用冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ドラム式製氷機は、円筒状の製氷ドラムが原料水槽(トレイ)に部分的に盛られるように設置され、冷却システムによって製氷ドラムを冷却させて回転させると、製氷ドラムの表面に氷層が成長され、この氷層を刃が掻いて粉末状の氷を生成することになる。
【0003】
このようなドラム式製氷機でドラムを冷却させるための冷却システムであって、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器等で構成される冷凍サイクルが一般的に利用されており、最近には製氷品質や冷却効率などを向上させるために、冷却システムを改善した新しい技術もたくさん提案されている。
【0004】
その一例として、韓国登録特許第10-1463305号(特許文献1)によれば、圧縮機、コンデンサ、冷媒供給管及び冷媒回収管に冷凍サイクルを構成し、冷媒管を分岐させて2つの冷媒管に活用することにより、1つの冷凍サイクルを利用して製氷作業と貯氷庫冷却機能まで行うことができるようにしたドラム式製氷機の冷媒分配装置を提案している。
【0005】
他の一例として、韓国登録特許第10-1552613号(特許文献2)によれば、床に溜まった冷凍油を飼葉桶状の翼を用いて回収管に回収されるようにすることにより、冷凍効率と製氷品質を向上させたドラム製氷機の冷凍油回収装置を提案している。
【0006】
しかし、このような従来の製氷機用冷却システムでは、ドラムに供給される冷媒の温度が変動されるおそれがあり、これにより製氷品質が低下される問題がある。また、稼働初期のドラムの表面温度が一定ではなくて、氷の生産量が不規則になる問題がある。
【0007】
したがって、このような従来の製氷装置における問題を解決することができ、最適な部品を使用して製作コストも下げることができる、改善された性能の製氷機用冷却システムを開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1463305号
【特許文献2】韓国登録特許第10-1552613号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記した従来の製氷機における問題を改善するためのものであり、本発明の目的は、ドラムに供給される冷媒の温度を安定的に維持させて、製氷品質を向上させることができ、最適な部品を使用して製作コストを低減することができる製氷機用冷却システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ドラム式製氷機で冷媒を循環させて、ドラムを冷却させる冷却システムであって、前記ドラムの内部に冷媒を供給する冷媒供給管と、前記ドラムの外部に冷媒を回収する冷媒回収管と、前記冷媒回収管からの冷媒を高圧で圧縮させる圧縮機と、前記圧縮機からの冷媒を液化させる凝縮器と、前記凝縮器からの冷媒を膨張させて減圧する膨張機と、及び 前記膨張機からの冷媒を前記ドラムの内部に蒸発させる蒸発器とを含むことを特徴とする。
【0011】
前記膨張機は、前記冷媒供給管の前記ドラムの冷媒流入口側に挿入して設置される膨張ノズルで形成されることを特徴とする。
【0012】
前記膨張ノズルは、中央に貫通孔が形成され、前記貫通孔周辺が凹面にへこんだ半球状のノズルキャップと、及び 前記冷媒供給管に締結されることができるパイプ状からなり、一端が前記ノズルキャップに差し込んで合わせるようにふくらんで形成されたボディ部とを含むことを特徴とする。
【0013】
前記冷媒供給管は、前記冷媒回収管の外周面に面接触するように巻かれた予備冷却部をさらに含み、前記冷媒が前記蒸発器に供給される前に、前記冷媒供給管と前記冷媒回収管の温度差によって予め冷却されることを特徴とする。
【0014】
前記ドラムの温度を測定し、測定された温度を前記ドラムの駆動を制御する制御装置に送信することにより、前記ドラムの稼働開始時点を調整できるようにする温度センサー部をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
前記温度センサー部は、前記冷媒回収管の前記ドラムの冷媒流出口側に設置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の製氷機用冷却システムによれば、次のような効果を期待することができる。
【0017】
1.ドラムで回収される低温の冷媒を予備冷却部によって予め冷却することにより、ドラムに供給される冷媒の温度を安定的に維持させて製氷品質を向上させることができる。
2.冷媒管に挿入して設置することができる簡単な構造の膨張ノズルを使用することにより、システムの構造を単純化させて製造コストを低減することができる。
3.温度センサー部によってドラム駆動で自動ウォームアップを可能にすることにより、粉末氷の生産量を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例に係る製氷機用冷却システムの構成を概略的に示すブロック図
【
図2】本発明の実施例に係る冷却システムの膨張ノズルの構成を示す斜視図
【
図3】本発明の実施例に係る冷却システムの膨張ノズルが組み立てられた状態の構成を示す斜視図
【
図4】本発明の実施例に係る冷却システムの予備冷却部の構成を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例について説明する。
【0020】
一般的にドラム式製氷機は、回転するドラムの下部に水や飲み物等の原料が保存されるトレイが設置されており、ドラムが冷却されると、トレイを移動させて原料がドラムの外周面に接触されるようにすることで、ドラム表面に原料が冷却されてくっ付かれる。ドラムが回転しながら表面の原料が刃のような切削機によって切削されて粉末氷の形で作られる。
【0021】
このようなドラム式製氷機でドラムの表面を冷却させるためには、冷媒をドラムの内部に循環させる冷却システムが使用され、
図1に本発明の実施例に係る冷却システムの構成をブロック図で示した。
【0022】
図1に示したように、本発明の実施例に係る冷却システムは、圧縮機100、凝縮器200、膨張機300及び蒸発器400を介して冷媒を循環させる冷却サイクルで構成される。
【0023】
圧縮機100は、低い圧力の気体状態である冷媒を高い圧力の気体冷媒に圧縮させ、凝縮器200は、圧縮機100からの高温高圧の気体冷媒を周辺の空気と熱交換させて冷却された低温の液体冷媒に変化させ、膨張機300は、凝縮器200からの冷媒を膨張させて冷媒が蒸発による熱吸収作用が容易に起こるようにし、蒸発器400は、膨張機300によって減圧された冷媒を蒸発させて周辺の熱を吸収して冷却させる。
【0024】
ドラム500は、冷媒供給管510を介して内部に冷媒の供給を受け、冷媒回収管520を介して外部に冷媒を排出する。蒸発器400は、パイプ型の蒸発管と蒸発管に形成される複数のノズルで構成されることができ、膨張された冷媒をドラム500の内部で噴射して蒸発させることにより、ドラム500を急冷させる。これとは異なり、ドラム500の内部表面に直接に接触させた蒸発器コイルを冷媒コイルとして使用することにより、蒸発器400を構成することもできる。一方、本発明の冷却システムでは、冷媒の水分を除去して漏電や詰まりを防止するために、乾燥器(dryer)600をさらに使用することもできる。
【0025】
一方、上記した本発明の膨張機300は、膨張ノズル310の形で構成され、冷媒供給管510のドラム500の冷媒流入口側に挿入して設置される。膨張ノズル310の形状を
図2に示した。
【0026】
図2に示したように、本発明の膨張ノズル310は、中央に貫通孔313が形成されており、貫通孔313の周辺が凹面にへこんだ半球状(中心部の断面形状が逆W字状)のノズルキャップ311と、中心部はフランジ(flange)の形態であり、両端部は、ねじ形態からなるボディ部312で構成される。
【0027】
図3に示したように、膨張ノズル310は、ボディ部312の上部にノズルキャップ311を差し込んで組み立てた後、冷媒供給管510の間に挿入して締結して使用される。
【0028】
従来の製氷機用冷却システムにおいて、膨張機300として、膨張弁やキャピラリーを多く使用しているが、構造が複雑でコストが高いだけでなく、製氷機では、温度による開閉される膨張弁の機能を必要としない。したがって、簡単なノズルの形で冷媒管に挿入して設置することができる本発明の膨張ノズル310は、製氷機に最適化されたものであって、構造が簡単で優秀な性能を表す。
【0029】
上記したノズルキャップ311は、金属材料を塑性加工して形成することができ、必ず
図2及び
図3に示した形に限定されるものではない。即ち、貫通孔313を有しながら冷媒供給管510に挿入されて冷媒を流れを絞り込むことができる形であれば十分である。また、ボディ部312も
図2及び
図3に示した形に限定されるものではなく、ノズルキャップ311を冷媒供給管510の間に差し込んで固定させることができる構造であれば十分である。ボディ部312は、専用の製作することもできるが、通常の配管用ジョイントを使用することもできる。
【0030】
次に、本発明の製氷機用冷却システムにおいて、前記冷媒供給管510は、蒸発器400に冷媒を供給する前に予め冷却する予備冷却部530を備える。その具体的な形を
図4に示した。
【0031】
このような予備冷却部530は、冷媒回収管520の外周面に面接触するように巻かれた形態で構成され、冷媒供給管510と冷媒回収管520との温度差によって蒸発器400に供給される前の冷媒を予め冷却させる。
【0032】
一般的に、製氷機では、ドラム500の温度をできるだけ最低に下げなければならないので、ドラム500に高温の冷媒が供給されると、氷質が低下される問題が発生する。本発明では、予備冷却部530によって、ドラム500で回収される低温の冷媒を予め冷却されることにより、最高の氷質を維持することができる。
【0033】
本発明の実施例では、上記した予備冷却部530が冷媒回収管520の外周面に巻かれた形態で構成されたが、必ずしもこれに限定されるものではない。即ち、冷媒供給管510と冷媒回収管520とをお互いに接触させて、冷媒供給管510の冷媒を冷却させることができる他の形態の構成も適用することができる。
【0034】
次に、本発明の製氷機用冷却システムにおいて、ドラムの稼働開始時点を調整できるようにする温度センサー部700を備えている。
【0035】
このような温度センサー部700は、ドラム500の温度を測定し、測定された温度をドラム500の駆動を制御する制御装置(図示せず)に送信する。制御装置は、温度センサー部700によって測定された温度に基づいて、ドラム500の稼働時点を決定することができる。
【0036】
このような温度センサー部700による構成は、製氷機の自動ウォームアップを可能にする。即ち、製氷機は、稼働の開始及び中断を繰り返しながら使用されるが、稼働後、再稼働する時には、ドラム500の温度が若干上昇状態になるようになる。即ち、稼働開始時点でのドラム500の温度が不規則であるので、同一な時間に同一な量の粉末氷を生産することが困難である。
【0037】
本発明では、温度センサー部700を利用してドラム500の温度を測定し、これを利用して、ドラム500が所定の温度に達した後、トレイを上昇させて生産を開始するので、一定の量(例えば、1人分)の粉末氷を生産することが容易である。即ち、制御装置で、測定された温度に応じた動作開始時点と所定の動作時間だけ制御することにより、生産量を正確に調整することができる。
【0038】
上記した温度センサー部700は、正確な温度測定のためにドラム500の外周面に設置することが望ましいが、設置構造が複雑になることができる。したがって、本発明の実施例では、
図1に示したように、冷媒回収管520でドラム500の冷媒流出口側に温度センサー部700を設置する。温度センサー部700によって測定された温度値は、その相対的な大きさが重要であるので、
図1のような位置に温度センサー部700を設置しても自動ウォームアップの効果を十分に達成することができる。
【0039】
以上で説明した本発明の冷却システムは、製氷機に最適に適用されることができるが、これに限定されず、製氷機と類似した機能の他の装置にも十分に適用できる。
【0040】
本発明は、上記した好ましい実施例と添付した図面を参照して説明されたが、本発明の思想及び範囲内で異なる実施例を構成することもできる。したがって、本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲によって定められ、本明細書に記載された特定の実施例によって限定されない。
【符号の説明】
【0041】
100 圧縮機
200 凝縮器
300 膨張機
310 膨張ノズル
311 ノズルキャップ
312 ボディ部
313 貫通孔
400 蒸発器
500 ドラム
510 冷媒供給管
520 冷媒回収管
530 予備冷却部
600 乾燥器
700 温度センサー部