(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エネルギー管理装置は、前記電力供給網からの電力供給の停止に伴い取得した前記バッテリ情報を、前記無線通信により前記ユーザ端末に送信すると共に、インターネットを介して前記外部サーバに送信する、
請求項1記載の情報処理システム。
バッテリへの充電及び前記バッテリからの給電が可能であり、前記バッテリからの給電時に家庭内の機器へ電力を供給する電力モジュール、及び前記家庭内の機器との通信するエネルギー管理装置であって、外部の電力供給網からの電力供給の停止に伴い、前記バッテリからの電力供給を受けると共に、前記バッテリの残量に関する情報を含むバッテリ情報を前記電力モジュールから取得するエネルギー管理装置と、
前記エネルギー管理装置と無線通信する機能と、公衆網を介して外部サーバと通信する機能とをユーザ端末に実行させるためのプログラムと
を備える家庭内電力管理システムであって、
前記エネルギー管理装置は、前記電力供給網からの電力供給の停止に伴い取得した前記バッテリ情報を、前記無線通信により前記ユーザ端末に送信すると共に、
前記プログラムは、自装置の位置情報と前記バッテリ情報とを含むステータス情報を前記外部サーバに前記公衆網を介して前記ユーザ端末に送信させる、
家庭内電力管理システム。
前記エネルギー管理装置は、前記電力供給網からの電力供給の停止に伴い取得した前記バッテリ情報を、前記無線通信により前記ユーザ端末に送信すると共に、インターネットを介して前記外部サーバに送信する、
請求項4記載の家庭内電力管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
図1乃至
図4は、実施形態を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら実施形態を説明する。
【0012】
(1.概要)
まず、
図1を参照しながら、実施形態に係る災害対応システム1の構成の概要を説明する。災害対応システム1は、大きく分けて、家庭内システム100と、電力会社の管理する電力会社サーバECと、防災センタの管理する防災センタサーバDCCとを含む。なお、
図1には家庭内システム100、電力会社サーバEC、及び防災センタサーバDCCを各々1つずつしか図示していないが、災害対応システム1は家庭内システム100、電力会社サーバEC、及び防災センタサーバDCCをそれぞれ複数含んでも良い。
【0013】
家庭内システム100内のエネルギー管理装置140は、インターネットIを介して電力会社サーバECや防災センタサーバDCCと通信可能である。また、家庭内システム100等で使用可能な携帯電話200は、携帯電話網C及びインターネットIを介して電力会社サーバEC及び防災センタサーバDCCと通信可能である。
【0014】
また、家庭内システム100内の各機器は、電力供給網Gからの電力供給を受ける。より詳細には、電力供給網Gから供給された電力は、スマートメータ110を経由してまずは分電盤120に供給され、さらに、分電盤120から家庭内の各機器(
図1の例では、電力モジュール130、エネルギー管理装置140、及び家電機器150)に電力が供給される。
【0015】
スマートメータ110は、家庭内システム100での電力使用量を計測するためのメータである。スマートメータ110は、計測した電力使用量を、家庭内ネットワークL(LAN:Local Area Network)に接続された各機器(例えばエネルギー管理装置140)や、インターネットIを介して通信可能な外部サーバ等へ通知することが可能である。
【0016】
分電盤120は、電力供給網Gからスマートメータ110を介して供給される電力を、家庭内の各機器に供給する。
図1の例では、分電盤120は、電力モジュール130、エネルギー管理装置140、1以上の家電機器150、及びルータRに電力を供給している。
【0017】
電力モジュール130は、電気自動車EVへと電力を供給し、電気自動車EVに搭載されたバッテリに充電可能な充電器として機能するモジュールである。また電力モジュール130は、災害等に伴う停電により電力供給網Gからの電力が供給が途絶えた場合に、EVに搭載されたバッテリから電力の供給を受け、分電盤120を介して家庭内システム100の各機器に電力を供給することも可能である。
【0018】
なお、電力モジュール130は、電気自動車EVとの間で、給電ケーブルを介して電力のやり取りをするのみならず、制御信号のやり取りを行うことも可能である。例えば、電気自動車EVの情報(車両ID等)やバッテリの残量等の情報を電力モジュール130は給電ケーブルを介して取得することができる。
【0019】
エネルギー管理装置140は、HEMS(Home Energy Management System)のための管理装置であり、スマートメータ110で計測した電力使用量の管理及びユーザUへの情報提供や、家庭内ネットワークLを介して接続された各機器(例えば、電力モジュール130や家電機器150)の制御(電源ON/OFF、設定変更等)等が可能である。例えば、災害等に伴う停電等により電力供給網Gからの電力供給が停止している場合には、エネルギー管理装置140は、電気自動車EVに関する各種情報(車両IDやバッテリ残量など。以下「バッテリ情報」ともいう。)の情報を電力モジュール130に取得させることもできる。
【0020】
エネルギー管理装置140は、例えば災害等に伴う停電により電力供給が停止している場合には、電力モジュール130からバッテリ情報を取得し、このバッテリ情報を含む情報を家庭内ネットワークL、ルータR、及びインターネットIを介して電力会社サーバEC及び防災センタサーバDCCへと送信することができる。電力会社サーバEC及び防災センタサーバDCCへ送信する情報としては、バッテリ情報の他、例えば、エネルギー管理装置140に位置情報やユーザ情報等が予め登録されていれば、それらの情報を含むことができる。
【0021】
さらに、エネルギー管理装置140は、Bluetooth(登録商標)やWi−Fi等の無線通信により、ユーザUが有する携帯電話200との通信が可能である。例えば、災害等に伴う停電により電力供給網Gからの電力供給が停止している場合には、エネルギー管理装置140は電気自動車EVから取得したバッテリ情報をBluetooth等の無線通信により携帯電話200に送信することができる。携帯電話200は、受信したバッテリ情報に加え、GPS(Global Positioning System)により取得した自装置の位置情報(緯度経度情報)や予め携帯電話200のアプリケーションプログラム(以下「アプリ」ともいう。)に登録されたユーザ情報(氏名やユーザID等、ユーザUを特定しうる情報)と共に、ステータス情報として電力会社サーバECや防災センタサーバDCCへと送信する。特に、停電発生時には、家庭内システム100から直接アクセス可能なインターネットIを介した通信も利用できないことが多いが、携帯電話網Cについては基地局がバッテリ等で動作することが多いため、停電発生時でも利用可能であることが多い。よって、エネルギー管理装置140は、携帯電話200及び携帯電話網Cを介してバッテリ情報を含む情報を送信することで、電力会社サーバECや防災センタサーバDCCにバッテリ情報を含む各種情報が到達する可能性を高めることができる。当該バッテリ情報を含むユーザU及び家庭内システム100の情報を電力会社サーバECや防災センタサーバDCCで受信できれば、電力会社や防災センタの職員は、ユーザUがどこにいるかや、あとどの程度電力を継続利用できるか等の情報を把握可能となる。
【0022】
なお、エネルギー管理装置140から携帯電話200へのバッテリ情報の送信方法は、1対1の通信であるか、ブロードキャストであるかを問わない。ブロードキャストの場合には、家庭内に複数台の携帯電話200がある場合に、それらの携帯電話200の各々にバッテリ情報を送信し、さらに各々電力会社サーバECや防災センタサーバDCCにバッテリ情報を含む情報を送信することが可能となる。これにより、電力会社サーバECや防災センタサーバDCCに情報が到達する可能性をさらに高めることができる。
【0023】
家電機器150は、分電盤120からの電力供給を受けて動作する各種機器であり、例えば、冷蔵庫、洗濯機、エアーコンディショナ、照明等であることが考えられる。
図1では、家電機器150は1つしか図示していないが、家庭内システム100内には複数台の家電機器150を含むことができる。家電機器150は家庭内ネットワークLに接続されており、エネルギー管理装置140やその他の機器と制御信号等を通信することができる。
【0024】
携帯電話200は、ユーザUが使用する可搬型の電話機であり、携帯電話網Cを介して通話及びデータ通信が可能である。携帯電話200には予めアプリがインストールされており、エネルギー管理装置140からバッテリ情報を受信すると、携帯電話200の位置情報を取得し、当該位置情報及びバッテリ情報、並びにユーザUの氏名等であるユーザ情報を含むステータス情報を、携帯電話網C及びインターネットIを介して、予め登録された電力会社サーバEC及び/又は防災センタサーバDCCに送信することができる。
【0025】
(2.機能構成)
次に、
図2を参照しながら、電力モジュール130、エネルギー管理装置140、及び携帯電話200にインストールされるアプリ210の機能構成について説明する。なお、エネルギー管理装置140と携帯電話200(及び/又はアプリ210)からなるシステムを家庭内電力管理システム20とも言う。
【0026】
(2.1 電力モジュール130)
まず、電力モジュール130の機能構成について説明する。電力モジュール130は、
図2に示すように、車両充放電部131と、車両制御部133と、緊急時電源回復部135と、バッテリ情報通知部137とを含む。
【0027】
車両充放電部131は、電力モジュール130が電力供給網Gから分電盤120を介して電力供給を受けている際に、給電ケーブルで接続された電気自動車EVに対し当該給電ケーブルを介して給電する。また、例えば災害等に伴う停電により、電力供給網Gからの電力供給が停止している場合には、給電ケーブルで接続された電気自動車EVから電力供給を受け、分電盤120を介して家庭内システム100を構成する各機器に電力を供給する。
【0028】
車両制御部133は、給電ケーブルを介して接続される電気自動車EVと制御信号を通信することにより、電気自動車EVから各種情報を取得したり、あるいは電気自動車EVに対する制御を行ったりする。例えば、車両制御部133は、電気自動車EVから、電気自動車EVに割り当てられた車両の識別子(Car ID)や、バッテリの容量、充電に要する時間、充電割合(全容量に占める現在の充電量の割合)等の情報を取得することができる。
【0029】
緊急時電源回復部135は、電力供給網Gからの電力供給が停止している際に、車両充放電部131が電気自動車EVからの電力供給を受けるように制御する。より具体的には、緊急時電源回復部135は、例えば、停電時にユーザUが電力モジュール130に配置されたボタンを操作したり、あるいは図示しないセンサ等で停電を検出したりした際に、車両充放電部131が電気自動車EVのバッテリから電力供給を受けるように制御すれば良い。後者については、例えば電力モジュール130内にバッテリ等を内蔵しておけば実現可能である。
【0030】
バッテリ情報通知部137は、例えば、エネルギー管理装置140からの要求に伴い、車両制御部133を用いて電気自動車EVからバッテリに関するバッテリ情報を取得し、当該バッテリ情報をエネルギー管理装置140へと通知する。バッテリ情報には電気自動車EVに割り当てられた車両の識別子やバッテリの残量等に関する情報(例えば、バッテリの容量及び充電割合)を含むことができる。
【0031】
(2.2 エネルギー管理装置140)
エネルギー管理装置140は、
図2に示すように、家庭内機器管理部141、バッテリ情報取得部143、電力情報通知部145、及び設定情報147を含むことができる。
【0032】
家庭内機器管理部141は、家庭内ネットワークLに接続された各機器(
図1の例では、スマートメータ110、電力モジュール130、家電機器150、ルータR)と通信することにより、家庭内システム100を構成する各機器をHEMSとして機能させるための制御を行う。より具体的には、スマートメータ110で計測した電力使用量の管理/ユーザUへの提供や、家庭内ネットワークLを介して接続された各機器の制御(電源ON/OFF、設定変更など)を行う。
【0033】
バッテリ情報取得部143は、電力モジュール130から電気自動車EVのバッテリに関する各種情報を取得する。より具体的には、例えば、災害等による停電により電力供給網Gからの電力供給が停止した後、電力モジュール130が電気自動車EVのバッテリの放電により、エネルギー管理装置140を含む家庭内システム100内の各機器が使用可能になると、バッテリ情報取得部143は電力モジュール130から、電気自動車EVのバッテリに関するバッテリ情報を取得することができる。バッテリ情報には、先述の通り、電気自動車EVに割り当てられた識別子の情報やバッテリ残量等の情報(例えば、バッテリの容量及び充電割合)を含むことができる。
【0034】
電力情報通知部145は、バッテリ情報取得部143が電力モジュール130から取得した、電気自動車EVのバッテリに関するバッテリ情報を含む電力情報を、電力会社サーバECや防災センタサーバDCC、携帯電話200などへ通知する。より具体的には、電力会社サーバECや防災センタサーバDCCに電力情報を通知する際には、電力情報通知部145は、設定情報147に含まれる電力会社サーバECや防災センタサーバDCCのアドレスに向けて、家庭内ネットワークL、ルータR及びインターネットIを介して、電力情報を送信すれば良い。なお、電力情報には、バッテリ情報の他、例えば、設定情報147に含まれうる、家庭内システム100を使用するユーザU(家屋の居住者)を特定するための情報や、家屋の位置に相当する位置情報(緯度経度情報)等を含むことが考えられる。
【0035】
また電力情報通知部145は、電力情報を携帯電話200にも通知することができる。先述の通り、携帯電話200への通知方法は、ブロードキャストであるか1対1の通信であるかは問わない。
【0036】
設定情報147は、エネルギー管理装置140が動作するために管理される各種情報である。設定情報147には、例えば、電力会社サーバEC及び/又は防災センタサーバDCCへ電力情報を通知するためのアドレス情報や、エネルギー管理装置140が使用される家屋のユーザUの情報、家屋の位置に相当する位置情報(緯度経度情報)等を含むことが考えられる。
【0037】
(2.3 携帯電話200)
携帯電話200は、アプリ210による制御のもと動作する可搬型の携帯電話機である。携帯電話200を制御するアプリ210は、
図2に示すように、電力情報受信部211、位置情報取得部213、ステータス情報通知部215、及び設定情報217を含む。
【0038】
電力情報受信部211は、エネルギー管理装置140から電力情報を受信する。先述の通り、電力情報には、電気自動車EVのバッテリに関する情報であるバッテリ情報が含まれ、例えば、電気自動車EVの識別子の情報やバッテリ残量の情報等を含みうる。
位置情報取得部213は、例えばGPS等により、自装置の位置情報(緯度経度情報)を取得する。
【0039】
ステータス情報通知部215は、電力情報受信部211が受信した、バッテリ情報を含む電力情報と、及び位置情報取得部213が取得した位置情報とを含みうるステータス情報を、電力会社サーバEC及び/又は防災センタサーバDCCへと通知する。
【0040】
設定情報217は、アプリ210が動作する上で必要な各種情報である。設定情報217には、例えば、電力会社サーバEC及び/又は防災センタサーバDCCへステータス情報を通知するためのアドレス情報等を含むことが考えられる。
【0041】
(3 処理の流れ)
以下、災害対応システム1における処理の流れを、
図3を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態に係る災害対応システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0042】
なお、後述の各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して若しくは並列に実行することができ、また、各処理ステップ間に他のステップを追加しても良い。さらに、便宜上1つのステップとして記載されているステップは複数のステップに分けて実行することもでき、便宜上複数に分けて記載されているステップを1ステップとして実行することもできる。
【0043】
災害等に伴う停電が発生し、電力供給網Gからの電力供給が停止し、例えば、ユーザUは電力モジュール130のボタンを押下したり、あるいは内蔵するセンサ等で停電が検知されたり等すると、緊急時電源回復部135は、車両充放電部131が電気自動車EVのバッテリからの電力供給を受けるように制御する(S301)。電気自動車EVからの電力供給が開始すると、電力モジュール130は、分電盤120を介して、エネルギー管理装置140を含む家庭内の各機器への電力供給を開始する(S303)。
【0044】
エネルギー管理装置140のバッテリ情報取得部143は、電力モジュール130からの電力供給により動作が再開すると、バッテリ情報の取得を電力モジュール130に要求する(S305)。電力モジュール130の車両制御部133は、当該指示に基づき、給電ケーブルの制御線を介して、電気自動車EVからバッテリ情報を取得する(S307)。先述のとおり、バッテリ情報には、電気自動車EVに割り当てられた識別子(車両ID)の情報やバッテリ残量の情報(バッテリ容量の情報及び残割合の情報であってもよい)等を含むことができる。電力モジュール130のバッテリ情報通知部137は、電気自動車EVから取得したバッテリ情報を、エネルギー管理装置140へと家庭内ネットワークLを介して通知する(S309)。
【0045】
エネルギー管理装置140の電力情報通知部145は、バッテリ情報を含む電力情報を、インターネットI経由で電力会社サーバEC及び/又は防災センタサーバDCCへと送信する(S313)。電力情報には、バッテリ情報の他、例えば、設定情報147として予め登録されているユーザUの情報(氏名など)、家屋の位置に相当する位置情報等を含むことができる。なお、もし設定情報147にこれらの情報が含まれていなければ、電力情報はバッテリ情報と同じ内容とすることもできる。また電力情報通知部145は、Bluetooth等の無線通信により、携帯電話200に対しても電力情報を通知する(S315)。
【0046】
携帯電話200内のアプリ210が有する電力情報受信部211が、エネルギー管理装置140から電力情報を受信すると(S317)、位置情報取得部213は、自装置の位置情報を取得する(S319)。また、ステータス情報通知部215は、設定情報217から、アプリ210に予め登録されたユーザUの情報等を読込み(S321)、電力情報受信部211が受信したバッテリ情報を含む電力情報、及び位置情報取得部213が取得した位置情報と共にステータス情報を生成し、電力会社サーバEC及び/又は防災センタサーバDCCへと当該ステータス情報を通知する(S323)。
【0047】
(4 ハードウェア構成)
次に、
図4を参照しながら、電力モジュール130やエネルギー管理装置140、携帯電話200を実現可能なハードウェア構成について説明する。
図4は、電力モジュール130やエネルギー管理装置140、携帯電話200を実現可能なコンピュータ400のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0048】
コンピュータ400は、制御部401と、通信インタフェース(I/F)部405と、記憶部407と、表示部409と、入力部411とを含み、各部はバスライン413を介して接続される。
【0049】
制御部401は、CPU(Central Processing Unit。図示せず)、ROM(Read Only Memory。図示せず)、RAM(Random Access Memory)403等を含む。制御部401は、記憶部407に記憶されるプログラム500を実行することにより、一般的な情報処理装置としての機能に加え、上述した災害対応時の処理を実現可能に構成される。例えば、コンピュータ400が
図2を参照しながら説明した電力モジュール130を実現する場合には、車両充放電部131、車両制御部133、緊急時電源回復部135、及びバッテリ情報通知部137は、RAM403に一次記憶された上で、CPU上で動作するプログラム500として実現可能である。また同様に、コンピュータ400がエネルギー管理装置140を実現する場合には、家庭内機器管理部141、バッテリ情報取得部143、及び電力情報通知部145も、RAM403に一次記憶された上でCPU上で動作するプログラム500として実現可能である。さらに、コンピュータ400が携帯電話200を実現する場合には、アプリ210は、RAM403に一次記憶された上でCPU上で動作するプログラム500として実現可能である。
【0050】
また、RAM403は、プログラム500に含まれるコードの他、
図2に示した設定情報147や設定情報217等の各種情報の一部又は全部を一次的に保持する。さらにRAM403は、CPUが各種処理を実行する際のワークエリアとしても使用される。
【0051】
通信I/F部405は、外部装置との間で、有線又は無線によりデータ通信を行うためのデバイスである。例えば、コンピュータ400が電力モジュール130を実現する場合には、給電ケーブルを介した電気自動車EVとの間の通信や家庭内ネットワークLを介した通信は、通信I/F部405が行う。また、コンピュータ400がエネルギー管理装置140を実現する場合には、家庭内ネットワークLを介した通信や、携帯電話200とのBluetoothやWi−Fi等による無線通信も通信I/F部405により行う。さらに、コンピュータ400が携帯電話200を実現する場合には、エネルギー管理装置140との無線通信や、携帯電話網C及びインターネットIを介した電力会社サーバEC及び/又は防災センタサーバDCCとの通信も、通信I/F部405により行う。
【0052】
記憶部407は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶部407は、一般的な情報処理装置としての機能を実現するためのオペレーティングシステム(OS)やアプリケーション及びデータを記憶する。また記憶部407は、プログラム500を記憶する。前述の通り、コンピュータ400が電力モジュール130を実現する場合には、車両充放電部131、車両制御部133、緊急時電源回復部135、及びバッテリ情報通知部137は、プログラム500により実現可能である。また、コンピュータ400がエネルギー管理装置140を実現する場合には、家庭内機器管理部141、バッテリ情報取得部143、電力情報通知部145も、プログラム500として実現可能である。さらに、コンピュータ400が携帯電話200を実現する場合には、アプリケーションプログラム210はプログラム500として実現可能である。
【0053】
表示部409は、ユーザU等の使用者に情報を表示するためのディスプレイ装置である。表示部409の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等が挙げられる。入力部411は、ユーザU等の使用者から入力を受け付けるためのデバイスである。入力部411の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル等を挙げることができる。
【0054】
なお、エネルギー管理装置140や電力モジュール130は、必ずしも表示部409及び入力部411を備える必要はない。また、表示部409及び入力部411は、USB(Universal Serial Bus)やディスプレイポート等の各種インタフェースを介してコンピュータ400に接続されても良い。
【0055】
(5 本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態に係る災害対応システム1では、災害等による停電発生時には、電気自動車EVのバッテリから電力供給を受けることにより家屋内の各機器が動作可能である。また、電気自動車EVのバッテリ残量等のバッテリ情報を含む情報が、電力会社サーバEC及び/又は防災センタサーバDCCに通知されるため、電力会社や防災センタは、家屋にいるユーザUがどの程度の電力を継続的に使用可能かを認識することができるため、それに応じて救護の優先順位を決めることも可能である。
【0056】
また、災害発生時には、ルータR経由でのインターネットIへの通信は使用できないことが多いが、携帯電話網Cは、基地局が無線で通信するため災害の物理的な影響を受けにくいこと、通常、基地局はバッテリを内蔵していること等から、停電発生時であっても通信可能であることが多い。よって、バッテリ情報を含むユーザUのステータス情報が、携帯電話200及び携帯電話網Cを介して送信されることにより、電力会社サーバEC及び/又は防災センタサーバDCCにステータス情報が到達する可能性を高まる。さらに、通信回線の利用集中等により携帯電話網Cの利用が制限されつつ、一方でルータR及びインターネットIを介した通信回線が利用可能であることも考えられることから、エネルギー管理装置140は、携帯電話200、携帯電話網Cを介したバッテリ情報を含む情報の送信のみならず、ルータR及びインターネットIを介した情報の送信を行うことで、電力会社サーバEC及び/又は防災センタサーバDCCにバッテリ情報が到達する可能性がさらに高まる。
【0057】
さらに、携帯電話200は、GPSにより位置情報を取得でき、また、アプリ210の入力時にユーザ情報の登録を求めることも容易であるため、これらの情報も含む形で電力会社サーバEC及び/又は防災センタサーバDCCへ通知すれば、電力会社や防災センタは、より詳細な情報に基づいて救護に係る判断をすることが可能である。
【0058】
(6. 付記事項)
なお、上述の実施形態の構成は、組み合わせたり或いは一部の構成部分を入れ替えたりしてもよい。また、本発明の構成は上述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
【0059】
たとえば、上記実施形態では、携帯電話200を用いているが、そのかわりに、電話機能を持たないタブレット型のユーザ端末等を用いることも考えられる。
【0060】
また、ユーザ端末が公衆網である携帯電話網Cを介してバッテリ情報を含むステータス情報を送信する形態以外にも、ユーザ端末がルータRから公衆網であるインターネットIを介してステータス情報を電力会社サーバ及び/又は防災センタサーバDCCに送信すること等も考えられる。
【解決手段】情報処理システム(災害対応システム1)は、電力供給網からの電力供給の停止に伴い、電力モジュール130がバッテリからの給電を受けて家庭内の機器へ電力供給するステップと、電力供給網からの電力供給の停止及び電力モジュールからの電力供給に伴い、エネルギー管理装置140がバッテリの残量に関する情報を含むバッテリ情報を電力モジュールから取得するステップと、エネルギー管理装置が、電力供給網からの電力供給の停止に伴い取得したバッテリ情報を無線通信を介してユーザ端末に送信するステップと、ユーザ端末が、自装置の位置情報を取得するステップと、ユーザ端末が、位置情報とバッテリ情報とを含むステータス情報を公衆網を介して外部サーバに送信するステップとを実行する。