(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792693
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】完全リサイクル型の環境に優しい包装構造とその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 81/03 20060101AFI20201116BHJP
B65D 65/02 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
B65D81/03 100Z
B65D65/02 A
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-239441(P2019-239441)
(22)【出願日】2019年12月27日
(65)【公開番号】特開2020-164248(P2020-164248A)
(43)【公開日】2020年10月8日
【審査請求日】2019年12月27日
(31)【優先権主張番号】201920419356.7
(32)【優先日】2019年3月29日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201910252856.0
(32)【優先日】2019年3月29日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201910731634.7
(32)【優先日】2019年8月8日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520002379
【氏名又は名称】成泰昌包装制品(深▲せん▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】閻 金偉
【審査官】
杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】
特開2017−226476(JP,A)
【文献】
特表平10−502586(JP,A)
【文献】
特開2002−080047(JP,A)
【文献】
特開2002−037265(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3146559(JP,U)
【文献】
特表平09−502410(JP,A)
【文献】
実開平04−050647(JP,U)
【文献】
特公昭36−004149(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/00−70/99
B31D 5/00− 5/04
B65D 65/00−65/46
B65D 81/00−81/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙製の平面構造により構成され、前記平面構造は、第1の表面及び前記第1の表面に積み重ねられた保護層を含み、前記保護層は、少なくとも一層のライナーを含み、前記ライナーは、紙素材がダイカットされた後に引き伸ばされて形成したメッシュ構造であり、
前記ライナーは、ダイカット紙を引き伸ばすことにより形成され、前記ダイカット紙には、ダイカットにより複数列のダイカットラインが形成され、各列のダイカットラインは、ダイカットされた後に互いに間隔をあけて位置する複数のダイカッターラインを含み、前記ダイカッターラインは、引き伸ばされた後にダイカット開口を形成し、
前記複数のダイカットラインの相隣する2つのダイカットラインのピッチは異なっており、包装される物を包装する際に内層に取り囲まれるダイカットラインのピッチは、包装される物を包装する際に外層に取り囲まれるダイカットラインのピッチより小さいことを特徴とする完全リサイクル型の環境に優しい包装構造。
【請求項2】
前記平面構造は、第2の表面をさらに含み、前記保護層は、前記第1の表面と前記第2の表面との間に挟まれることを特徴とする請求項1に記載の完全リサイクル型の環境に優しい包装構造。
【請求項3】
前記ダイカッターラインは、弧線であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の完全リサイクル型の環境に優しい包装構造。
【請求項4】
前記保護層は、複数層のライナーを含み、前記複数層のライナーは、積層されて前記保護層を形成することを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載の完全リサイクル型の環境に優しい包装構造。
【請求項5】
前記平面構造は、第2の表面をさらに含み、前記保護層は、前記第1の表面の全体及び/または前記第2の表面に完全に重なり合っておらず、前記第1の表面及び/または前記第2の表面には、ベアエリアが留保されていることを特徴とする請求項4に記載の完全リサイクル型の環境に優しい包装構造。
【請求項6】
請求項1−5のいずれか一項に記載の完全リサイクル型の環境に優しい包装構造の製造方法であって、
少なくとも2つの原紙ロールを用意するステップS1と、
少なくとも1つの原紙ロールを選択して、それを展開してダイカット紙を形成し、且つ前記ダイカット紙を巻き取って使用に備えるステップS2と、
少なくとも1つの原紙ロール及び少なくとも1つのダイカット紙ロールを選択して、同じ方向に向かってそれを展開し、且つ前記ダイカット紙ロールを引き伸ばしてライナーシートを形成して、前記ライナーシートと広げられた原紙ロールのシートと重なり合って、平面構造シートを形成するステップS3と、
を含むことを特徴とする完全リサイクル型の環境に優しい包装構造の製造方法。
【請求項7】
前記ステップS3では、2つの原紙ロールを選択し、前記2つの原紙ロールが展開された後に形成された2つの原紙ロールシートは、それぞれ前記ライナーシートの両側に位置し、前記ライナーシートは、前記原紙ロールシートと重ね合わせられた後に前記2つの原紙ロールシートの間に位置することを特徴とする請求項6に記載の完全リサイクル型の環境に優しい包装構造の製造方法。
【請求項8】
前記ステップS3では、前記ダイカット紙ロールは、複数のロールがあり、複数の前記ダイカット紙ロールが引き伸ばされた後に複数のライナーシートを形成し、複数のライナーシートは、前記原紙ロールシートと重なり合い、且つ2つの前記原紙ロールシートの間に位置することを特徴とする請求項7に記載の完全リサイクル型の環境に優しい包装構造の製造方法。
【請求項9】
前記ステップS2に関わる原紙ロールを展開してダイカット紙を形成する方法は、具体的に原紙ロールを展開するステップS21と、原紙ロールの展開された部分をダイカットして、多列のダイカットラインを形成し、各列ダイカットラインは、ダイカットされた後に互いに間隔をあけて位置する複数のダイカッターラインを含むステップS22とを含み、
前記複数のダイカットラインの相隣する2つのダイカットラインのピッチが異なるように、包装される物の保護強度に応じて、当該包装される物を包装する際に内層に取り囲まれるダイカットラインのピッチは、当該包装される物を包装する際に外層に取り囲まれるダイカットラインのピッチより小さくすることを特徴とする請求項8に記載の完全リサイクル型の環境に優しい包装構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装の分野に関し、特に速達、郵便サービス及びロジスティクスの分野に関し、特に、完全に環境に優しい材料で作られた完全にリサイクルされた環境に優しい包装構造及び包装構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、物流、宅配便及び郵便などの分野で使用される包装材料は、特に緩衝構造を備えた包装構造において、緩衝材料Aは通常プラスチックプレートとプラスチックバブルA1を採用するが、プラスチックプレートとプラスチックバブルA1は紙包装構造の内壁と直接に粘着されることができず、熱成形方法によって、先ず紙包装構造の内壁にプラスチック薄膜Bを被覆した後に、プラスチックプレートとプラスチックバブルA1をプラスチック薄膜Bに接着させる。リサイクルして再利用する時に、プラスチックプレートとプラスチックバブルA1を剥がした後、前記内壁からプラスチック薄膜Bを分離する必要がある。しかし、プラスチック薄膜Bは、極めて薄いため、それを前記内壁から分離することが難しく、リサイクルできないことを招く。例えば、市場で一般的に使用されているクラフト紙バブルバッグは、そのバッグ本体はクラフト紙であり、クラフト紙の一方側にはプラスチック薄膜Bが被覆されており、プラスチック薄膜Bの上には緩衝材としてのプラスチックバブルA1が設けられている。プラスチック薄膜Bを紙包装構造の内壁から分離できないため、プラスチックバブルA1も分離できず、クラフト紙バブルバッグをリサイクルできず、自然に分解できない、という問題を招くことによって、環境を汚染した。
【0003】
図2に示すように、他の場合では、緩衝材料として、回収可能な材料を粉砕又は切断して、粉末又は顆粒状のソフト構造Cに形成して、包装材料を製造する時に、これらの粉末状、顆粒状の材料を充填して緩衝構造とする。しかし、このような生産プロセスは、生産環境の空気中の粉末が大幅に超える問題を招き、且つ製造装置に対する要求も高く、従業員の健康に害をもたらした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術における包装構造の緩衝材料がリサイクルできず、環境を汚染し、労働環境が劣悪であるという問題点に鑑みてなされたものであり、完全リサイクル型の環境に優しい包装構造とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の実施形態に係る完全リサイクル型の環境に優しい包装構造は、紙製の平面構造により構成され、前記平面構造は、第1の表面及び前記第1の表面に積み重ねられた保護層を含み、前記保護層は、少なくとも一層のライナーを含み、前記ライナーは、紙素材がダイカットされた後に引き伸ばされて形成したメッシュ構造である。
【0006】
また、本発明の実施形態に係る完全リサイクル型の環境に優しい包装構造の製造方法は、少なくとも2つの原紙ロールを用意するステップS1と、少なくとも1つの原紙ロールを選択して、それを展開してダイカット紙を形成し、且つ前記ダイカット紙を巻き取って使用に備えるステップS2と、少なくとも1つの原紙ロール及び少なくとも1つのダイカット紙ロールを選択して、同じ方向に向かってそれを展開し、且つ前記ダイカット紙ロールを引き伸ばしてライナーシートを形成して、前記ライナーシートと広げられた原紙ロールのシートと重なり合って、平面構造シートを形成するステップS3と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明が開示した製造方法において、ライナー及び原紙ロールは、それぞれ紙素材により製造されるので、リサイクルする時に分離を必要とせず、従来技術の緩衝材料が分離されることができないことに起因する環境汚染の問題を克服した。また、本発明は、ライナーを緩衝材料として使用するので、従来技術が粉末状、顆粒状の軟らかい構造を緩衝材料として使用することに起因して、空気質が悪くなり、粉塵汚染のため労働環境が劣化になる問題を解決した。これと同時に、ライナーを緩衝材料とすることは、従来のプラスチックプレートとプラスチックバブルが緩衝材料として奏する緩衝効果を達成でき、包装構造の内部の品物が損害されないように保護する。また、本発明が採用したダイカット紙と第1の表面の材料が皆紙素材であるので、両者を混用することができ、材料準備工程は簡単であり、資材保管コストを低減することができる。また、本発明の方法を採用して包装構造を製造する時に、パディングシートの生産を含む原材料の生産全体は、皆コンベヤーの供給過程で実現され、引き伸ばし、ラミネート、型抜きの過程では、コンベヤーは常に供給状態にあり、生産効率が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の背景技術に係る包装構造を示す図である。
【
図2】本発明の背景技術に係る包装構造を示す図である。
【
図3】本発明の環境に優しい包装構造の平面構造を示す図である。
【
図4】本発明のダイカット紙の構造を示す図である。
【
図5】本発明のダイカット紙がダイカットされて引き伸ばされた後に形成されたライナーの構造を示す図である。
【
図6】本発明のもう1種のダイカット紙の構造を示す図である。
【
図7】本発明の他の1種のダイカット紙の構造を示す図である。
【
図8】本発明の他の1種の複数のライナーを備えた保護層の構造を示す図である。
【
図9】本発明の多層ライナーの異なる配列方式を示す図である。
【
図10】本発明の多層ライナーの異なる配列方式を示す図である。
【
図11】本発明の平面構造により形成された包装構造を示す図である。
【
図12】本発明の平面構造が折り畳まれて形成されたバッグ本体の構造を示す図である。
【
図13】本発明の平面構造が折り畳まれて形成されたバッグ本体の構造を示す図である。
【
図14】本発明におけるライナーの重畳方式を示す図である。
【
図15】異なるライナーの重畳方式を備えた平面構造により形成されたバッグ本体を示す図である。
【
図16】本発明のカバー付きバッグ本体の構造を示す図である。
【
図17】本発明の包装構造の製造方法のフローチャートである。
【
図18】本発明の包装構造の製造方法のもう1種のフローチャートである。
【
図19】
図18に対応する包装構造の製造方法の可視化流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、具体的な実施形態及び明細書の図面を併せて参照しながら、本発明の技術提案について詳細に説明する。
【0010】
図3に示すように、本発明に係る包装構造100は、物流、宅配便及び郵便などの分野に用いられ、紙製の平面構造10により構成される。平面構造10は、第1の表面11と、第1の表面11に重ねて被覆された保護層12と、を含む。保護層12は、衝撃吸収の役割を果たす。第1の表面11は、保護層12を支持する役割を果たす。第1の表面11と保護層12が共同で作用することにより形成された平面構造10は、品物10の外部に包まれて、宅配便及び郵便小包の損傷を防ぐ。
【0011】
図4を参照すると、保護層12は、ライナー13をさらに含む。ライナー13は、ダイカット紙14を利用して紙材料を引き伸ばすことによって形成される網状構造である。
【0012】
本実施形態において、ダイカット紙14と第1の表面11は、同じ紙素材を採用している。これにより、包装構造100を製造して材料を準備する時に、さらに便利で迅速である。それは、第1の表面11の紙素材は、ダイカット紙14の紙素材と混合することができるからであり、材料準備のコストが削減された。勿論、実際の必要及び包まれた品物と宅配便の特性に応じて、別の実施形態において異なる紙素材を採用してもよい。例えば、第1の表面11はより頑丈なクラフト紙を採用するが、ダイカット紙14は普通の筆記用紙を採用してもよい。
【0013】
ダイカット紙14がダイカットされた後、複数列のダイカットライン141を形成する。各列のダイカットライン141は、ダイカットされた後に互いに間隔をあけて位置する複数のダイカッターライン142を含む。同じダイカット紙14においてダイカットした後に、複数列の互いに平行するダイカットライン141が形成される。相隣する2つのダイカットライン141の間の間隔距離は、同じである。この等間隔ダイカット方法は、ダイカット工程の難しさを軽減でき、コストも低減された。
【0014】
図5に示すように、ダイカッターライン142とは、ナイフ型によりダイカットされる時に、ダイカット紙14の所定の位置に形成された窪み又はダイカット紙14を分離するナイフエッジを指す。ダイカッターライン142は、ダイカットライン141と間隔をあけて設けられている。即ち、ダイカッターライン142は、ダイカットされていない部分と間隔をあけて交互に設けられて、ダイカット紙14において断続線を形成する。ダイカッターライン142は、前記断続線の中のブレイクアウェイ部分であり、且つ引き伸ばされた後にダイカット開口143を形成する。ダイカット開口143は、菱形であり、前記ブレイクアウェイ部分の縁が両側へ移動されることにより形成される。また、ダイカット開口143は、ストレッチされた後のダイカット紙14において複数列の菱形の開口部を備えたメッシュ構造を形成する。前記メッシュ構造は、軟組織構造であり、且つ第1の表面11の上に重ねられて、保護的な役割を果たす。
【0015】
図6に示すように、本発明の別の実施形態において、相隣する2つのダイカットライン141のピッチは、異なっていてもよく、必要な保護強度に応じて差別化する。例えば、平面構造10がガラスなどの壊れ易い物を包む時に、ダイカットライン141は壊れ易い物をくるくると取り囲む必要がある。壊れ易い物の内層に取り囲まれた平面構造10のダイカットライン141のピッチは、壊れ易い物の外層に取り囲まれた平面構造10のダイカットライン141のピッチより小さい。これにより、保護強度を低下させずに、ダイカット回数をできるだけ減らして、コストを下げることができる。
【0016】
図7に示すように、本発明の別の実施形態では、ダイカットライン141は直線であるが、別の実施形態では、ダイカットライン141は弧線であってもよい。ダイカットライン141の形状にかかわらず、ダイカットライン141が互いに平行であることだけを保証する必要であり、引き伸ばされた場合、メッシュ構造を形成できればよい。
【0017】
図8に示すように、本発明の別の実施形態では、保護層12は、少なくとも2層以上のライナー13を含んでもよい。この場合、各層ライナー13は、何れもダイカット紙14を引き伸ばすことにより形成された軟らかいメッシュ構造である。複数層のライナー13は、積み重ねられて保護層12を形成し、その保護作用が1層のライナー13より大きく強められる。
【0018】
図9及び
図10に示すように、本実施形態では、複数層のライナー13を重ねて保護層12を形成する場合、複数の積み重ね方法を有する。例えば、垂直積み重ね方法がある。即ち、1層のライナー13の一列ダイカット開口143は、別の1層のライナー13のダイカット開口143に対して垂直するように配列される。また、クロスオーバー方法がある。即ち、1層のライナー13の一列ダイカット開口143は、別の1層のライナー13のダイカット開口143と互いに角度をなして配置される。また、位置ずれ積み重ね方法がある。即ち、1層のライナー13の一列ダイカット開口143は、別の1層のライナー13の相隣する2列のダイカット開口143の間に位置する。とにかく、積層された多層ライナー13のダイカット開口143の位置は、完全に重なり合っていない。これによって、形成された保護層12は、より軟らかい組織を有し、保護性能がさらに高められた。
【0019】
図11を参照すると、本発明の別の実施形態では、平面構造10は第2の表面15を含む。保護層12は、第2の表面15と第1の表面11との間に挟まれる。
【0020】
本実施形態では、第1の表面11と第2の表面15は、同じ材料からなり、且つ同じ役割を果たす。保護層12が第1の表面11と第2の表面15との間に設けられるため、軟質の保護層12が使用される過程で、梱包された物品や宅配便の部品と干渉し、脱落することが防止される。同時に、平面構造10の強度を高め、平面構造10の裂けなどの問題を防ぐことができる。
【0021】
図12及び
図13を参照すると、本発明の別の1種の包装構造100は、上記の平面構造10を折り畳み、縁を密封することによって形成された袋体である。このとき、平面構造10は、第1の表面11と保護層12を備えるかまたは第1の表面11、保護層12及び第2の表面15を備えるという2種の異なる実施形態を有する。
【0022】
具体的には、包装構造100は、平面構造10が折り畳まれた後、折り線に垂直な両側の縁を固定し、折り線の他端と平行な位置において開口部を留保する。これにより、包装袋の袋体が形成される。被包装物または郵便物は、前記開口部から袋体の中に入れられ後、保護層12により囲まれて保護される。
【0023】
図14に示すように、本発明の一実施形態では、保護層12は、第1の表面11の全体、または第1の表面11及び第2の表面15に完全に重なる。このとき、
図12及び
図13に示すように、折り畳まれ且つ縁が粘着固定された後の袋体の内壁には、保護層12が均一に配置されている。前記袋体の開口位置には、シール用のカバーが設けられていない。
【0024】
図15及び
図16に示すように、本発明の別の実施形態では、保護層12は、第1の表面11の全体、または第1の表面11及び第2の表面15に完全に重なり合っていない。第1の表面11、または第1の表面11と第2の表面15には、ベアエリア101が留保されている。このとき、ベアエリア101は、折り畳まれる時に、必要な折畳領域の外側に位置し、且つ折り畳まれた後、新たに形成された袋体の開口部を塞ぐためのカバーとして機能する。
【0025】
本発明の上記の実施形態では、第1の表面11、第2の表面15及び保護層12は、何れもリサイクル可能な環境に優しい材料で作製される。
【0026】
図17及び
図19を参照すると、本発明は、完全リサイクル型の環境に優しい包装構造100の製造方法をさらに提供する。当該製造方法は、以下のステップを含む。
【0027】
ステップS1:少なくとも2つの紙製の原紙ロールを準備する。
【0028】
このステップでは、準備された原材料は、少なくとも2つの原紙ロールを含む。つまり、準備された原材料は全てロール材である。選択される原紙ロールの材料は、同じであってもよく、または異なるニーズに応じて同じでなくてもよい。ただし、選択される原紙ロールは、リサイクル可能で環境に優しい材料でなければならない。例としては、リサイクル可能であり、分解可能な環境に優しい紙材料が挙げられる。
【0029】
ステップS2:1つの原紙ロールを選択し、展開した後にダイカット紙を形成し、且つ前記ダイカット紙を巻いて使用に備える。
【0030】
このステップでは、紙製の原紙ロールから1つの原紙ロールを選択する。全ての原紙ロールの紙材料が完全に同じであるため、ランダムに選択できる。この場合、包装構造を製造して材料を準備する時に、さらに便利で迅速であり、原紙ロールを混用することができ、材料準備のコストを削減できる。
【0031】
勿論、上記のステップでは、実際の必要及び包まれた品物と宅配便の特性に応じて、異なる紙材料の2種類の原紙ロールを準備することができ、この2種類の原紙ロールを互いに区別して、普通の原紙ロールとダイカット紙としての特別な原紙ロールとを区分する。この場合、原紙ロールを選択する時に、マークされた特殊な原紙ロールからのみ選択できる。
【0032】
具体的には、ステップS2は、以下のサブステップを含む。
【0033】
ステップS21では、原紙ロールを展開する。本ステップでは、ローラーを回転させることにより展開を実現する。このとき、原紙ロールは、前記ローラーの回転に伴って広げられる。
【0034】
ステップS22:原紙ロールの展開された部分をダイカットして、多列のダイカットラインを形成する。各列ダイカットラインは、ダイカットされた後に互いに間隔をあけて位置する複数のダイカッターラインを含む。
【0035】
このステップでは、ダイカッターでダイカットする時に、原紙ロールは段階的に展開され、毎回少なくとも1つのダイカッターの長さを展開する。展開した後、ダイカッターで原紙ロールを切断する。再び展開し後に再び切断する。このようにして、全ての原紙ロールが完全に展開され、及び切断を完成するまで前記操作を繰り返して、ダイカット紙を形成し、且つこのダイカット紙を巻き戻して使用に備える。
【0036】
ここで、ダイカットした後、複数のダイカットラインが互いに平行に配置され、隣接する2つのダイカットラインの間の距離は同じである。この等間隔ダイカット方法は、ダイカット工程の難しさを軽減し、コストを削減できる。
【0037】
勿論、別の実施形態では、隣接する2つのダイカットラインの間の距離は異なっていてもよい。この場合、所要の保護強度に応じて異なる方法で対応する。例えば、平面構造10がガラスなどの壊れやすい製品を包むために使用される場合、壊れやすい製品の周りをループする必要があり、壊れやすい製品の内層を取り囲む平面構造の中のダイカットラインの間隔は、外層を取り囲む平面構造のダイカットラインの間隔よりも小さくなる。このようにして、保護強度を低下させずに、ダイカットの回数をできるだけ減らして、コストを削減することができる。
【0038】
ダイカットラインとは、ダイカッターでダイカットした後に、ダイカット紙の所定の位置に形成されたくぼみ、またはダイカット紙を分離するダイカットラインを指す。ダイカッターラインは、ダイカットラインの上にあり、且つ間隔を空けて設けられている。つまり、ダイカッターラインは、ダイカットされていない部分と間隔をあけて交互に設けられて、ダイカット紙において断続線を形成する。ダイカッターライン142は、前記断続線の中のブレイクアウェイ部分である。
【0039】
ステップS33では、1つの原紙ロールと1つのダイカット紙ロールを選択して、同じ方向へ展開し、且つ前記ダイカット紙ロールを引き伸ばしてライナーシートを形成し、このライナーシートを展開されている原料シートと重ね合わせる。これにより、平面構造シートが形成される。
【0040】
具体的には、前記ダイカット紙ロールを引き伸ばす時に、先ずダイカット紙ロールを展開する。展開端の展開速度は、展開端から離れている一端の展開速度と異なる。具体的には、展開端の展開速度は、展開端から離れている一端の展開速度よりも遅い。この場合、展開端から離れている一端は、ダイカット紙を引き伸ばし、前記ダイカッターラインが引き伸ばされてダイカット開口を形成する。ダイカット開口は、菱形であり、前記ブレイクアウェイ部分の縁が両側へ移動されることにより形成される。ストレッチされた後のダイカット紙において複数列の菱形の開口部を備えたメッシュ構造を形成する。前記メッシュ構造は、軟組織構造であり、保護的な役割を果たして、ライナーシートを形成した。
【0041】
上記のステップでは、ライナーシートが展開された原紙ロールと重なることは、幾つかの状況を含む。
【0042】
まず、ライナーシートの縁はギザギザであり、平面構造の第1の表面と補強層としての原料シートの縁とを完全に揃えることを保証できず、接着剤の使用には適しない。それは、接着剤を塗布する方法は、接着剤の均一性を確保できないからである。
【0043】
このステップでは、スプレー方式でライナーシートと原料シートの両面に接着剤を均一に塗布する。前記接着剤は、樹脂接着剤である。プレスする時に、原料シートを加熱して、前記樹脂接着剤を接着に必要な温度に達させる必要があることに注意されたい。熱圧着されない時に、樹脂接着剤が接着性を持たないため、生産ラインで作業できる。折り畳む前に接着剤をスプレーするので、接着剤の性質が変わって粘着できないことを心配する必要がない。
【0044】
また、この実施形態では、樹脂接着剤をスプレーする方法は、ライナーシートと原料シートとの両側の接着剤が均一であることを保証できる。同時に、熱プレスの方法は、ライナーシートと原料シートを緊密にプレスして、樹脂の接着剤の固定に有利となり、固定強度を向上させることができる。
【0045】
次に、ライナーの任意の位置に間隔をあけて接着剤をスプレーして、エッジに沿って部分的にスプレーする必要がなく、ライナーが原紙ロールから分離することを防止できれば良い。この任意スプレー方法を採用することによって、接着剤がスプレーされる位置を除いて、他の部分のライナーは柔らかい状態にあり、保護効果がより強くなる。
【0046】
本発明の別の実施形態では、前記ステップS3は、1つの原紙ロール及び少なくとも2つのダイカット紙ロールを選択し、且つ全てのダイカット紙ロールを引き伸ばして、複数のライナーシートを形成した後、複数のライナーシートと展開された原紙ロールとを重ね合わせて、平面構造のシートを形成する。
【0047】
この実施形態では、複数のダイカット紙ロールが広げられた後、いずれも展開された原紙ロールの同じ側に配置される。即ち、複数のライナーシートが互いに積層され、且つ共に原紙ロールの上面に重なる。本実施形態は、ライナーシートの数を増やし、平面構造に製造された後により優れる保護効果を有する同時に、製造プロセスにおいて、展開されるダイカット紙ロールのみを追加する必要があり、低コストが低く、効率が高くなる。
【0048】
また、本発明の他の実施形態では、前記ステップS3は、2つの原紙ロール及び少なくとも1つのダイカット紙ロールを選択して、全てのダイカット紙ロールを引き伸ばして、複数のライナーシートを形成した後、前記複数のライナーシートを2つの展開された原紙ロールの間に位置させ、且つ複数のライナーシートと前記2つの原紙ロールとを重ね合わせて、平面構造のシートを形成する。
【0049】
このステップでは、形成された平面構造は、第1の表面、第2の表面及び前記第1の表面と前記第2の表面との間に挟まれた少なくとも1つのライナーからなる保護層を含むので、さらに強固で丈夫であり、衝撃吸収効果がさらに好ましく、且つ別の1層の原紙ロールを追加する工程コストも低くなる。勿論、この場合、前記第1の表面と前記第2の表面との間の保護層は、複数層のライナーを含んでもよい。
【0050】
図18及び
図19に示すように、本発明の製造方法は、平面構造を有する袋体を形成する方法、即ちステップS4をさらに含む。
【0051】
ステップS4では、平面構造シートの送り方向と垂直な方向に沿って間隔を置いて接着剤を塗布した後、送り方向に沿って折り畳んで、接着剤の塗布位置を合わせて、プレス加工して、接着剤を固化させる。その後、接着剤が塗布された位置に対してカッティングして、袋体を形成する。
【0052】
このステップでは、平面構造のシートを一回送ると共に送り方向と垂直して間隔を空けて接着剤を塗布し、塗布位置は切断された後に折畳位置とプレス位置になり、カッティングされた後の平面構造の両側は、相隣する2つの塗布位置である。塗布位置は、折り畳まれてホットプレス加工された後に、互いに粘着固定されて袋体を形成する。
【0053】
本発明の1つの実施形態では、前記ライナーシートは前記原紙ロールシートと完全に重なり、折り畳まれた時に、折り線はライナーシートの長さ方向の中心線上に位置する。この場合、折り畳まれた袋体の内壁は、前記ライナーシートにより被覆されている。前記袋体の開封位置には、その開口を閉鎖するための構造が設けられていない。
【0054】
また、本発明の別の実施形態では、前記ライナーシートは前記原紙ロールシートと完全には重なり合っていない。前記原紙ロールシートの長さ方向に沿って延びる縁には、ベアエリア101が留保されている。前記平面構造シートは、前記ライナーシートの長さ方向に沿って折り畳まれる。折り畳まれた後、前記ベアエリア101は、前記袋体の開口を覆うために使用される。
【0055】
ここで、シール用の接着剤はカバーの内側に塗布され、且つ剥離紙で覆われているが、剥離紙が剥がされると、前記カバーを直接に折り畳んで、前記袋体の開口を覆うことができる。
【0056】
本発明が開示した製造方法において、包装構造の保護層が採用したライナーシート及び原紙ロールは、皆リサイクル可能な、環境に優しい材料からなり、且つライナーは緩衝効果を有する保護層として機能する。これにより、本発明は、従来技術が粉末状、顆粒状からなる柔らかい構造を採用して緩衝材料とすることに起因する環境汚染、悪い空気質などの技術問題を克服できると共に、複数層のライナーを緩衝材料として使用することは従来のプラスチックシート及びプラスチックバブルの緩衝効果を達成して、内部品物が損害されないことを保証することができる。また、本発明の方法で包装構造を製造する時に、原料及びライナーの製作は、皆コンベヤーで実現され、複層重畳、折畳、接着、ダイカットの過程において、コンベヤーが常に供給状態にあり、生産効率がより高い。
【0057】
上記の実施形態は、本発明の技術提案を説明するためのものであり、本発明の保護範囲を制限するためのものではない。当業者にとって、本発明の実施形態の主旨に基づいて、具体的な実施形態及び適用範囲を変更又は置き換えることができる。この置換え及び変更も、本発明の技術提案の保護範囲を逸脱しない。
【符号の説明】
【0058】
10 平面構造
11 第1の表面
12 保護層
13 ライナー
14 ダイカット紙
15 第2の表面
100 包装構造
101 ベアエリア
141 ダイカットライン
142 ダイカッターライン
143 ダイカット開口