特許第6792697号(P6792697)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6792697フード・プロセッサー・ダンペン・システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792697
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】フード・プロセッサー・ダンペン・システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/08 20060101AFI20201116BHJP
   H02K 5/00 20060101ALI20201116BHJP
   H02K 5/24 20060101ALI20201116BHJP
   A47J 43/046 20060101ALI20201116BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20201116BHJP
   F16F 1/376 20060101ALI20201116BHJP
【FI】
   A47J43/08
   H02K5/00 A
   H02K5/24 Z
   A47J43/046
   F16F15/08 E
   F16F1/376
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-504137(P2019-504137)
(86)(22)【出願日】2017年7月21日
(65)【公表番号】特表2019-528100(P2019-528100A)
(43)【公表日】2019年10月10日
(86)【国際出願番号】US2017043367
(87)【国際公開番号】WO2018022464
(87)【国際公開日】20180201
【審査請求日】2019年6月4日
(31)【優先権主張番号】15/221,404
(32)【優先日】2016年7月27日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515346477
【氏名又は名称】キャップブラン ホールディングス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】CAPBRAN HOLDINGS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100111707
【弁理士】
【氏名又は名称】相川 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】サピア, コリン
【審査官】 川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0098299(US,A1)
【文献】 実開昭47−017109(JP,U)
【文献】 実開昭52−155779(JP,U)
【文献】 実開平03−099534(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/00−44/02
F16F 1/376
F16F 15/08
H02K 5/00
H02K 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フード・プロセッサーであって、
モーター・マウンティング天井は、複数のボルトで固定されたジョイントを介してモーターベースのハウジングに取り付けられ、該モーター・マウンティング天井から吊り下げられるモーターを当該フード・プロセッサーは含み、
ここで、各ボルトで固定されたジョイントは振動減衰ブロックにより囲まれており、
振動減衰ブロックは、上側部分、中間部分、下側部分、及び振動減衰ブロックの中央を通る垂直な孔によって規定され、
中間部分の外周は、上側部分及び下側部分よりも小さく、
上側部分及び下側部分の間にモーター・マウンティング天井が配置されるようにモーター・マウンティング天井が振動減衰ブロックに規定される凹部に受け取られ、
下側部分は、孔を取り囲む複数の花弁部材を含み、及び
当該フード・プロセッサーは、上側の位置及び下側の位置の間で作動する安全スイッチを含み、下側の位置にまで押されると、安全スイッチはモーターが作動することを許す、フード・プロセッサー。
【請求項2】
安全スイッチは、クッションゴムが取り付けられる上部部分を含む、請求項1のフード・プロセッサー。
【請求項3】
花弁部材は、半径方向に対称な態様で、配置される、請求項1のフード・プロセッサー。
【請求項4】
花弁部材は半球形状にある、請求項1のフード・プロセッサー。
【請求項5】
上側部分が線形ばね定数を有し、及び、下側部分が垂直に上に向かって増大する非線形ばね定数を有する、請求項1のフード・プロセッサー。
【請求項6】
モーターによって駆動される遠心ファンを含み、
前記遠心ファンは、
前記遠心ファンを駆動するモーターに接続されるシャフトと、
円形プレートを含むハブと、及び
複数の前向きブレードと、を含む、
請求項1に記載のフード・プロセッサー。
【請求項7】
モーターによって駆動される遠心ファンを含み、
前記モーターベースは、前記遠心ファンが複数のエア・インレットから空気を引き込むように前記エア・インレットから空気がファン・チャンバーに入るように導く通路を含む、
請求項1に記載のフード・プロセッサー。
【請求項8】
複数のエア・インレットは、前記モーターベースの底の左側及び右側に配置され、及び、複数のエア・アウトレットは、空気が一方向に流れることができるように、モータベースの裏側に配置される、
請求項1に記載のフード・プロセッサー。
【請求項9】
前記安全スイッチは、上側の位置及び下側の位置の間で可動であり、前記安全スイッチは、下側の位置に移動したときモーターが作動することを許し、
当該フード・プロセッサーは、
前記モーターベースの底に配置される複数のエア・インレットと、
前記モーターベースの側面に配置される複数のエア・アウトレットと、及び
前記モーターによって駆動される遠心ファンと、を含み、
複数のエア・インレット及び複数のエア・アウトレットの間の空気の流れがモーターへの熱の低減及び換気を提供する、
請求項1に記載のフード・プロセッサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コリン・サピア
弁護士整理番号16−05−7879PCT
[関連出願への相互参照]
[開示の分野]
本発明は、家庭用及び台所用電化製品に関する。より具体的には、本発明は、高速モーターを備えるフード・プロセッサーに関する。更により詳しくは、本発明は、高速モーターを備えるフード・プロセッサーのための防振システム及び空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景]
ミキサー、混合器、及びスライサーを含む電化家庭用フード・プロセッサーは、ありふれている。異なる種類の食品(フード)及び材料を処理(プロセス)することができる高性能フード・プロセッサーに対する需要が高まっている。700ワットを超えて作動する高出力モーターは、プレミアム・フード・プロセッサーにおいて使用される。そのようなフード・プロセッサーは、ユーザーの種々の好みに合うように、異なる速度サイクルをしばしば備えている。
【0003】
高出力モーターの1つの主な欠点は、それらが生成する振動及び騒音である。既存の高性能フード・プロセッサーは時には、モーターが高速で作動しているときに、望ましくないレベルで振動し、及び、かなりのレベルの騒音を発生する。この問題は、モーターが速度サイクルの変化を受けたときに増幅される。磁場の変化により、高速でのモーターの加速又は減速は、モーターの振動における更なる増加を引き起こす著しい上向又は下向きの衝動(インパルス)を生じさせるであろう。
【0004】
高性能フード・プロセッサーにとってのもう1つの挑戦は、高速モーターが大量の熱をしばしば発生することである。故に、既存の高性能フード・プロセッサーは、熱を消散させるために強力なファンをしばしば備えている。しかしながら、そのようなファンは通常騒々しく、そして、既存の換気設計は満足のいくものではなく、粉塵がモーターのハウジング内に容易に蓄積することを可能にし、その結果、熱の消散の効率は時間とともに低下する。
【発明の概要】
【0005】
[要約]
本発明の目的は、低レベルの振動を有する高性能フード・プロセッサーを提供することである。高速動作サイクルによって引き起こされる特定の振動に取り組むことも本発明の目的である。本発明の更なる目的は、フード・プロセッサーにおいて発生する騒音を減少させ、及び、効率的な熱の消散を提供する新規な換気システムを提供することである。
【0006】
本発明の幾つかの実施例の一態様において、ミキサーは、モーター・ベース、及び、そのモーター・ベースに装脱可能に取り付けられた食品処理(フード・プロセッシング)ユニット、を含む。モーター・ベースは、食品処理(フード・プロセッシング)ユニットを受け取るためのウェル(well)を有する。ウェルの壁には幾つかの凹部があり、各凹部は、押されたときにモーターを作動させる(アクティベートする)安全スイッチを含む。クッションゴム(Rubber cushions)は、ミキサーの振動を減らすために凹部の内側に配置される。食品処理(フード・プロセッシング)ユニットが、モーター・ベースに挿入されるとき、ミキサーを作動させる(アクティベートする)ことができるように、食品処理ユニットには幾つかの突出部材が存在する。
【0007】
特定の実施例において、クッションゴムは逆にされたC字形であり、安全スイッチの一部として安全スイッチの上部部分に恒久的に取り付けられる。安全スイッチと結合されて、クッションゴムは、容器の突出部材がその中をスライドするチャネルを提供する。チャンネルの裏側はゴム製の壁である。挿入されると、クッションゴムは突出部材を取り囲む。クッションゴムは、次に、垂直方向、周方向及び半径方向に容器の振動減衰を提供する。
【0008】
本発明の幾つかの実施例のもう1つの態様において、モーターはモーター取り付け(マウンティング)天井に取り付けられ、そこから吊り下げられる。天井は幾つかのボルトで固定されたジョイントを通してモーターベースのハウジングに取り付けられている。ボルトで固定された各ジョイントは、振動ダンパーであるゴム製グロメットによって囲まれている。天井は、天井から吊り下げられたモーターによって引き起こされる天井の振動を効率的に低減するように、グロメットの上側部分及び下側部分の間に挟持される高さ(レベル)で配置される。
【0009】
グロメットはエラストマーから形成される。それは、上側外周を有する第1のリング形状の円筒形(シリンダー)である上側部分と、上側外周よりも小さい中間外周を有する第2のリング形状の円筒形(シリンダー)である中間部分と、第3のリング形状のシリンダー底面に取り付けられる複数の花弁部材及び第3のリング形状の円筒形(シリンダー)を更に備える、下側部分と、を含み、ここで、第3のリング形状の円筒形(シリンダー)は、中間の外周よりも大きい下側外周を有する。グロメットはまた、それを貫通する孔(bore)を有する。複数の花弁部材はその孔を囲む。
【0010】
好ましい実施例において、花弁部材は四半トーラス(クォータートーラス)(quarter torus)の形状である。クォータートーラス形状の花弁部材は、実質的に平坦な垂直な表面、実質的に平坦な水平な表面、及び、トーラス(torus)の湾曲したクォーター表面(curved quarter surface)によって規定される。花弁部材がその孔の高さまで延びるように、実質的に平坦な垂直な表面は、その孔を囲む。クォータートーラスの湾曲した外側表面は、グロメットの下部部分が逆ドーム形状に似るように、外側に向き及び下側に向くように配向される。グロメットの花弁部材の形状は、上向きの衝動を減衰させるように特別に設計される。各花弁部材は、上向きの方向において増大する水平方向の断面積を有する。それ故、グロメットの下部部分のばね定数は一様ではない。グロメットは、上に向かって剛性が高くなる。如何なる上向きの衝動に対しても、グロメットの剛性は、上向きの動きの始めではより弾力性が高い。そして、振動が上方向に動き続けると、グロメットがより非弾性的になるように、花弁部材の水平方向の断面積が増大する。グロメットの剛性における、弾力性のある状態から非弾性への変化は、モーターの振動によって引き起こされる上向きの力を減衰させるための効果的な方法である。
【0011】
本発明の幾つかの実施例の更にもう1つの側面において、ミキサーはまた新規な換気システムを含む。このシステムは、モーターベースの底に配置された複数のエア・インレット(air inlets)と、モーターベースの側面に配置された複数のエア・アウトレット(air outlets)と、モーターによって駆動される遠心ファン(centrifugal fan)とを有する。遠心ファンは、ファンを駆動するためにモーターに接続されたシャフトと、ファンの円形プレートから形成されるハブと、そのハブに取り付けられた一連の前向き湾曲ブレード(forward curved blades)とを含む。モーターベースは、ファン・チャンバーに入るように入口(インレット)から空気を導くための通路を提供する。空気は、遠心ファンのブレードに対して垂直に吹き降りてきて、曲がって(ターンをして)、そして、出口(アウトレット)を通って水平に出ていく。入口(インレット)は、モーターベースの底の左側及び右側に配置されるが、出口(アウトレット)は、モーターベースの裏側に配置される。入口(インレット)及び出口(アウトレット)の分離は、衝突する空気流れ(エアフロー)を避け、空気が一方向に流れることができるようにし、そして、ファンの近傍及び周りに埃(ダスト)が溜まることを減少させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
[図面の簡単な説明]
本教示は、以下の図に関連して、以下の詳細な記述を参照することによってよりよく理解され得る。ここで、それらは以下の通りである。
【0013】
図1図1は、本発明の一実施例によるフード・プロセッサーの斜視図を示す。
【0014】
図2図2は、本発明の一実施例による安全メカニズムを示すフード・プロセッサーの内覧図(内部ビュー)を示す。
【0015】
図3図3は、本発明の一実施例によるフード・プロセッサーの振動を低減するためのクッションゴム・メカニズムを示す。
【0016】
図4図4は、本発明のもう1つの実施例によるフード・プロセッサーの振動を低減するためのもう1つのクッションゴム・メカニズムを示す。
【0017】
図5図5は、本発明の更にもう1つの実施例によるフード・プロセッサーの振動を低減するための更にもう1つのクッションゴム・メカニズムを示す。
【0018】
図6図6は、図3に示されるクッションゴム・メカニズム及び安全スイッチの分離ビューである。
【0019】
図7図7は、図4に示されるクッションゴム・メカニズム及び安全スイッチの分離ビューである。
【0020】
図8図8は、本発明の一実施例による、モーターがどのように取り付けられているかを示すフード・プロセッサーの内覧図(内部ビュー)である。
【0021】
図9図9は、本発明の一実施例による振動減衰ブロックの斜視図である。
【0022】
図10図10は、図9に示される振動減衰ブロックの反転図である。
【0023】
図11図11は、図9に示される振動減衰ブロックの縦断面図である。
【0024】
図12図12は、図9に示される振動減衰ブロックの底面図である。
【0025】
図13図13は、本発明の一つの実施例によるフード・プロセッサーの換気システムを示す。
【0026】
図14図14は、図13に示される換気システムのエアフロ―を図解するフード・プロセッサーの底面図である。
【0027】
図15図15は、図13に示す換気システムを示すフードプロセッサーの内部概略図である。
【0028】
図16図16は、図13に示される換気システムを示すフード・プロセッサーの内部斜視図である。
【0029】
[実施例の詳細な説明]
以下の記述は、本発明の一般的な原理を説明する目的でなされたものであり、限定的な意味で解釈されるべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによって最もよく決定される。
【0030】
本発明は、本発明の実施例が示されている、添付の図面を参照して以下でより十分に記述されるであろう。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態において具現化されてもよいが、ここにおいて、説明される実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、この開示が徹底的かつ完全であり、そして、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供されている。
【0031】
本発明の典型的な実施例は、本発明の理想化された実施例を参照して、ここにおいて記述されている。従って、例えば、製造技術及び/又は公差の結果として、図の形状からの変形は、予期されるべきである。従って、本発明の実施例は、ここにおいて示される領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば、製造からの結果として生じる形状におけるずれを含むべきである。
【0032】
図面を参照すると、図1は、本発明の実施例による典型的なミキサー100の斜視図に関する。ミキサー100は、モーターベース102と、及び、モーターベース102に取り外し可能に取り付けられたトップ装着食品処理(フード・プロセッシング)ユニット104と、を含む。モーターベース102は、食品処理ユニット104を受け取るためのウェル(well)120を有する。モーター・カップリング134は、食品処理ユニット104のブレード118を駆動するためにウェル120の中心に配置されている。ウェル120の壁には幾つかの凹部136があり、各凹部136は、押されたときにモーターを作動させる(アクティベートする)安全スイッチ132を含む。クッションゴム150もまた、以下で更に詳細に記述される方法でミキサー100の振動を低減するように、凹部136の内側に配置される。
【0033】
食品処理ユニット104は、一対のねじ山を介してブレード・ベース108と取り外し可能に係合する細長い容器106を含む。当業者が認識するように、食品処理ユニット104は異なる種類及びサイズのものであり得、各ミキサー・ユニットは、幾つかの食品処理ユニット104と一緒に販売され得る。容器106の周囲には、モーターベース102に配置された安全スイッチ132を作動させる(アクティベートする)ための安全アクチュエータとして作用する幾つかの突出部材110がある。突出部材110が容器106上に配置されているので、(容器106のカバー無しの)裸のブレード・ベース108がモーターベース102のウェル120内に挿入されるときに、安全スイッチ132は、ミキサー100の電源を入れるために押されないであろう。
【0034】
図2は、本発明の一実施例による安全スイッチ132の構造を強調したモーターベース102の内覧図を示す。安全スイッチ132は、モーター・マウント天井280の近くに取り付けられ、及び、より高い位置からより低い位置へ移動することができる垂直ロッド構造である。それが外力によってその下側の位置に押されない限り、バネ202によって付勢されているので、それは当然その上側の位置にある。マイクロスイッチ164は、安全スイッチ132の底部に配置される。安全スイッチ132を押すことで、マイクロスイッチ164を作動させて(アクティベートして)、次に、モーターベース102内のモーター210の回路を閉じる。従って、モーター210の回路は、安全スイッチ132が押されていないときは開いており、安全スイッチ132が押されているときは閉じている。モーターベース102は、全ての安全スイッチ132が押されたときにのみモーター210の回路が閉じられるように、2つ以上の安全スイッチ132を有することができる。
【0035】
安全スイッチ132は、モーターの作動中に容器106の突出部材110によって押され、及び、モーター・マウント天井280の近くに取り付けられているので、モーターの振動に敏感である。モーター自体によって引き起こされる振動及びブレード118の高速回転によって引き起こされる遠心力によって引き起こされる振動のため、モーター210が高出力モーターである場合、振動は特に強い。過剰な振動によって引き起こされる突出部材110及び安全スイッチ132の損傷は、長期間の使用にわたって生じ得る。それ故、これらの領域における振動の減衰は、食品処理ユニットの全体的な有効性に対して重要である。幾つかの好ましい実施例において、システム全体の振動を低減するため、クッションゴム220は、安全スイッチ132のトップの周りに配置されている。
【0036】
図3−5は、本発明の異なる実施例において使用される異なるタイプのクッションゴムを図解する。幾つかの実施例において、クッションゴムは、凹部136内に存在する別々のユニットである。他の実施例において、クッションゴムは、システムの直接的な減衰を供給できるように、安全スイッチの一部である。
【0037】
例えば、図4において、クッションゴム410は、逆C字形であり、そして、安全スイッチ420の一部として安全スイッチ420の上部部分に恒久的に取り付けられる。安全スイッチ420と結合して、クッションゴム410は、容器106の突出部材110がその中をスライドするためのチャネル415を提供する。チャネル415の奥部はゴム壁416を含む。挿入されると、クッションゴム410は、容器106の突出部材110を囲む。クッションゴム410は、ゴム壁412及び413を通って垂直方向に、ゴム壁418を通って円周方向に、そしてゴム壁416を通って半径方向に容器106の減衰を供給する。クッションゴム410自体が安全スイッチ132の一部であるので、それはまた、壁412、413、416、及び418を介して垂直方向、半径方向及び円周方向において、安全スイッチ132の減衰を供給する。図7は、本発明の実施例によるクッションゴム410の設計を用いた安全スイッチ132の分離図を示す。
【0038】
図3は、凹部136内にあるが、モーターベース102又は安全スイッチ320のいずれにも恒久的に取り付けられていないクッションゴム310の例を提供する。図7は、クッションゴム310及び安全スイッチ320の分離図を示す。安全スイッチ320は、クッションゴム310に対して動くことができる。容器106の突出部材110が凹部136のソケット内に滑り込み始めると、クッションゴム310は比較的静止したままでいるところ、安全スイッチ320をテーパーエッジ322を介して下方に押す。従って、突出部材110は、クッションゴム310の壁312及び安全スイッチ320のトップ・エッジの間に挿入されるであろう。取り囲むクッションゴム310は、安全スイッチ及び容器106の減衰を提供する。左底部材318は床330の真下にあるところ、クッションゴム310の露出部分315及び左底部材318は、露出部分315がモーターベース102の内部の外側にあるときにクッションゴム310が凹部136から取り外されるのを防止する(図3参照)。これら2つの部分は垂直方向及び円周方向の両方向において振動を軽減する。クッションゴム310が凹部136内にあるとしても、それは、モーターベース102に恒久的に固定されていない。クッションゴム310の位置決めにおける柔軟性は、振動の減衰を高める。
【0039】
ここで図8を参照すると、それは、幾つかの実施例による高出力モーター210の取り付けを示すモーターベース102の内覧図(内部ビュー)である。高出力モーター210は1200ワットで作動する。しかし、好ましい実施例において、高出力モーター210は、1700ワット以上で作動することができる。その高出力モーター210は、適切な減衰が無いと、著しいレベルの騒音及び振動を発生させるような高速で回転する。モーター210は、モーター・マウント天井280に取り付けられ、及び、吊り下げられている。モーター・マウント天井280は、幾つかのボルトで固定されたジョイントを介してモーターベース102のハウジングに取り付けられている。各ボルトで固定されたジョイントは、振動減衰ブロックである、ゴム製のグロメット810によって囲まれている。モーター・マウント天井280は、グロメット810の上側部分及び下側部分の間に挟まれるレベルに配置され、それにより、グロメット810は、以下において詳細に論じられるであろう方法において、モーター・マウント天井280から吊り下げられたモーター210によって引き起こされるモーター・マウント天井280の振動を効率的に低減する。
【0040】
図9−12は、グロメット810の一実施例の異なる図を示している。図9は、グロメット810がモーターベース102の内側のモーター・マウント天井280の近くに配置されているときのその配向を示している。図10はグロメット810の反転された向きを示している。グロメット810は、一般に円筒形であり、3つの主要領域を含む。それは、その中心に孔850を有し、図8に示されるボルトで固定されたジョイントが、グロメット810によって囲まれるように、ボルトが通るためのチャネルを提供する。グロメット810の幾つかの部分が以下において更に詳細に説明されるところ、グロメット810は、単一片のゴム又は弾性特性を有する如何なるエラストマーから実際に作られるように、単一金型によって最良に作られる。グロメット810の各部分の正確な形状及び寸法は、ミキサー100の設計及びモーター210の振動に依存して、変わり得ることを、当業者は認識するであろう。
【0041】
グロメット810の3つの主要領域は、一般に、上側部分860、中間部分820、及び下側部分830として定義される。上側部分860は、ゴムブッシュと同様に機能するリング形状の円筒形(シリンダー)である。その内周862は、グロメット810の高さを貫通する孔850の直径を規定する。上側部分860も外周864を有する。中間部分820はもう1つのリング形状の円筒形(シリンダー)である。その内部周囲は、グロメット810の縦断面図である、図11において最もよく示されるように、内部周囲862と同じサイズである。中間部分820の外周825は、上側部分860及び下側部分830の外周よりも小さいので、より小さい中間部分820は凹部822を形成する。凹部822は、図8に最もよく示されているように、モーター・マウント天井280が上側部分860及び下側部分830の間に挟まれるための空間を提供する。この特定の実施例において、グロメット810は一般に円形であるところ、グロメット810の各部分が正方形のような他の形状であり得ることを当業者は理解するであろう。
【0042】
下側部分830は、もう1つのリング形状の円筒形(シリンダー)832と、及び、そのリング形状の円筒形(シリンダー)832の表面上に円周方向に対称的に配置された複数の花弁部材840と、を含む。図面において、下側部材830の外周及び上側部材860の外周がサイズにおいて似ているように見えるところ、当業者であれば、凹部チャネルがグロメット810に備えられるように中間部分820よりも大きい限りは、これら2つの外周は同じサイズである必要はないことは、理解するであろう。花弁部材840は、孔850を囲み、そして、以下で更に詳細に説明される方法において、振動の強化された低減を供給する。複数の花弁部材840は、図10に最もよく示されている花弁形状の支持体を形成する。花弁部材840は、半径方向に対称に配置されるのが好ましい。言い換えれば、各花弁部材840は、リング形状の円筒形(シリンダー)832の周の反対側に互いに向き合う対応物を有する。
【0043】
好ましい実施例において、花弁部材840は、おおよそ、クォータートーラスの形状である。それらの形状は、図10及び11に最もよく示されている。クォータートーラスは、概して、実質的に平坦な垂直面と、実質的に平坦な水平面と、トーラスの湾曲した四半表面(クォーター表面)によって規定され得る。実質的に平坦な水平面は、リング形状の円筒形(シリンダー)832の表面上に配置される。実質的に平坦な垂直面は、花弁部材840が孔850の高さに渡って延びるように、孔850を取り囲む。クォータートーラスの湾曲した外面は、図10に最もよく示されるように、グロメット810の下側部材がドーム形状に似るように、外向きかつ下向きに向けられている。花弁部材840の形状及び配向がこの特定の好ましい実施例に対して詳細に記述されているところ、当業者は、花弁部材840が、半球形、三角形及び長方形のような他の形状であり得ることを理解するであろう。好ましい実施例において、花弁部材の水平方向の断面積は、上に向って(即ち、リング形状円筒形(シリンダー)832に向かって)増加している。例えば、図に示されているクォータートーラス花弁部材840に対して、その水平断面積は、図12に示されるように、花弁部材840の先端の最小サイズから水平方向全領域845まで増大する。水平断面積におけるこの変化は、以下に更に詳細に論じられるような方法で、振動低減を高める。
【0044】
グロメット810は、垂直方向、半径方向及び円周方向において、著しい振動低減を提供する。モーター・マウント天井280は、円周方向凹部822に挿入され、そして、全てボルトで固定されたジョイントで、リング形状の円筒形(シリンダー)832及び860の間に挟まれるので、グロメット810は、モーター・マウント天井280の下に吊り下げられているモーター210の垂直振動を著しく減衰させる。両方のリング形状の円筒形(シリンダー)832及び860は、一様な水平方向の断面積を有しているので、それらは、撓みに対して線形のばね定数を提供する。従って、モーター・マウント天井280は、水平方向及び垂直方向の両方向において、一様であり安定した減衰を受け取る。
【0045】
幾つかの実施例による、ミキサー100において使用されるモーター210に対して、ミキサー100は、変化する速度サイクルを含む特徴を備えている。従って、高出力モーター210の動作は、急激な上昇、下降、及び定常速度を含むことになるであろう。加速及び減速は、異なる下向きの衝動(インパルス)及び上向きの衝動(インパルス)を生み出す。ダウンロード衝動(インパルス)は、ミキサー100の重量の反力によって釣り合わされるので、通常、上向きの衝動(インパルス)は特に強いが、上向きの衝動(インパルス)を相殺するのに十分な支持が頂部にはない。
【0046】
グロメット810の花弁部材840の特別な形状は、上向きの衝動を更に減少させるように特別に設計されている。図9−12に示される好ましい実施例において、花弁部材840は、クォータートーラス形状をしており、そして、増大する水平方向の断面積を有する。花弁部材840は、クォータートーラス形状であるので、それらの先端は三角形の形状を有する花弁部材と比較して比較的平坦で滑らかである。比較的滑らかな先端は、ボルトがグロメット810に接触してグロメット810により均一に力を加えるのに十分な平坦な表面を提供する。各花弁部材840は、リング形状の円筒形(シリンダー)832に向かって増大する水平方向の断面積を有する。故に、グロメット810の下側部材のばね定数は均一ではない。グロメット810は、上方に向かって次第に剛性が高くなる。如何なる上向きの衝動に対して、グロメット810の剛性は、上向きの動きの開始時により弾力的である。その後、振動が上向きに動き続けると、花弁部材840の水平方向の断面積が増大し、そして、グロメット810がより非弾性的になる。グロメット810は、断面積が大きくなるので、上向きの力がリング形状の円筒形(シリンダー)832に達すると、更により硬くなり圧縮されにくくなる。従って、グロメット810の下側部材830は、垂直に上方向に向かって増加する不均一なばね定数を有する。グロメット810の弾性から非弾性への剛性における変化は、上向き衝撃力(upward shock forces)を減少させるための効果的な方法である。
【0047】
グロメット810の特別な形状はまた、水平方向における振動を減少させる。モーター・マウント天井280をモーターベース102に固定するボルトが、孔850を介して円筒形(シリンダー状)のグロメット810によって囲まれているので、ボルトのラッピングは、半径方向及び円周方向の両方向において振動を低減する。そのような振動低減は、花弁部材840の存在によって更に高められる。例えば、図に示されている特定のタイプの花弁部材840に対して、各花弁部材840は、その花弁部材840の対称的なアレンジメントにより、振動の方向に関係なく、半径方向における防振を提供する。外側を向いた湾曲面を備えるクォータートーラスは、ボルトからの振動を更に減少させる配置を提供する。
【0048】
グロメット810を備えるミキサー100は、高速であっても、そして、高出力で速度を変えるときでも、振動において顕著な減少を示す。グロメットのばね定数の要求を満たすようにエラストマーの適切なデュロメータを選択することによって、モーターの出力、速度及び動作サイクルに応じてモーター210の振動を効果的にコントロールすることができることを、当業者は理解するであろう。
【0049】
次に図13−16を参照すると、本発明の一実施例によるミキサー100は、新規な換気及び騒音低減システムを含む。換気システムは、モーターベース102の底に配置される複数の空気入口(エア・インレット)740と、モーターベース102の側面に配置される複数の空気出口(エア・アウトレット)750と、モーター210によって駆動される遠心ファン700と、を含む。図13−16における矢印は、モーターベース102のハウジングに入る及びから出る空気の流れ方向を示している。空気の流れは、モーター210への熱の低減及び換気を提供する。
【0050】
好ましい実施例によれば、遠心ファン700は、ファンを駆動するためモーター210に接続されるシャフト710と、ファン700の円形プレートであるハブ780と、及び、そのハブ780に取り付けられた一連の前向き湾曲ブレード720と、を含む。モーターベース102は、遠心ファン700が入口(インレット)740から空気を引き込むように、ファン・チャンバー770に入るため入口(インレット)740から空気を導くための通路を供給する。空気は、遠心ファン700のブレード720に垂直に吹き降りて、曲がって(ターンして)、出口(アウトレット)750を通って水平に出る。図14の向きにおいて示されるように、740の入口(インレット)は、モーターベース102の底の左側及び右側の両側に配置され、一方、出力750は、モーターベース102の裏側に配置される。入口(インレット)740及び出口(アウトレット)750の分離は、空気が単一方向に流れることを可能にし、空気流(エアフロ―)の衝突及び妨害を防ぎ、そして、システムの換気を改善する。そのような遠心ファン・システムの使用はまた、モーターの熱消散を改善しつつ、減少させた騒音レベル特性を提供する。このファン・システム及び空気流(エアフロ―)設計はまた、粒子に敏感であるため、そのシステムはファン・チャンバー770の内部及びブレード720及びハブ780の上の塵埃(ダスト)の堆積を防止する。
【0051】
本発明の実施例のこれまでの記述は、説明及び記述を目的として提示されてきた。網羅的であること、又は、本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、多くの修正及び変形が可能である。本明細書に記述されている数値は例示の目的のためだけであり、本発明を厳密な数に限定するものとして理解されるべきではない。本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、ここに添付される特許請求の範囲及びその特許請求の範囲と均等なものによって規定されることを意図している。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16