(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792708
(24)【登録日】2020年11月10日
(45)【発行日】2020年11月25日
(54)【発明の名称】プリントヘッドのためのプライマ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20201116BHJP
【FI】
B41J2/165
B41J2/165 203
B41J2/165 401
B41J2/165 505
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-526285(P2019-526285)
(86)(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公表番号】特表2019-535558(P2019-535558A)
(43)【公表日】2019年12月12日
(86)【国際出願番号】US2017025284
(87)【国際公開番号】WO2018182674
(87)【国際公開日】20181004
【審査請求日】2019年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】ブティニャ,デイヴィッド
【審査官】
上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−291519(JP,A)
【文献】
特開2009−234263(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0195136(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0109367(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/165
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットプリンタのプリントヘッド構造のためのプライマ装置であって、
該プリントヘッド構造に気体の流れを供給するためのポンプと、
出口バルブと、
前記ポンプ及び前記出口バルブと流体的に連絡した状態で該ポンプと該出口バルブとの間に配設されたコントロールバルブと
を備えており、該出口バルブが、前記コントロールバルブが開いているときに前記プリントヘッド構造に供給される気体の流れの圧力を下げるための通気構造を含む、
プライマ装置。
【請求項2】
前記通気構造が、前記出口バルブ内の障害物を含み、該障害物が、大気及び前記コントロールバルブと流体的に連絡した状態にあるチャネルを含む、請求項1に記載のプライマ装置。
【請求項3】
前記チャネルが、前記出口バルブの内面と前記障害物の外面との間の界面に画定された細長くて曲がりくねった又は波状の導管であり、又は前記障害物の内部に配設されたらせん状又は渦巻き状のチャネルである、請求項2に記載のプライマ装置。
【請求項4】
前記障害物が、締まりばめにより又は前記出口バルブ内に接着されることにより該出口バルブ内に維持されたプラグ又は該出口バルブと一体的に成形されたプラグである、請求項2に記載のプライマ装置。
【請求項5】
前記コントロールバルブと流体的に連絡した状態で該コントロールバルブの下流側に配置された圧力リリーフバルブを更に含む、請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載のプライマ装置。
【請求項6】
前記圧力リリーフバルブが、前記コントロールバルブが開いている際の前記気体の流れの圧力よりも高いリリーフ圧を有する、請求項5に記載のプライマ装置。
【請求項7】
前記障害物が多孔質材料から形成されている、請求項2に記載のプライマ装置。
【請求項8】
インクジェットプリンタのプリントヘッド構造のためのプライマ装置内に少なくとも2つの別個の加圧された気体の流れを供給するための方法であって、
ポンプを使用して気体の流れを生成し、
前記ポンプと前記プライマ装置の出口バルブとに流体的に連絡した状態で該ポンプと該出口バルブとの間にコントロールバルブを配設し、該出口バルブが、前記プリントヘッド構造に供給される気体の流れの圧力を下げるための通気構造を含む、方法
【請求項9】
前記コントロールバルブを開き、これにより一定の割合の前記気体の流れが前記出口バルブの前記通気構造を通過し又は該通気構造から流出することを可能にすることを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
レギュレータを加圧し、及び、
該レギュレータから前記プリントヘッド構造へ加圧された気体の流れを供給し、これによりプリント流体の再循環を可能にする
ことを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記コントロールバルブを駆動することにより前記出口バルブをバイパスすることを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
レギュレータを加圧し、及び、
該レギュレータから前記プリントヘッド構造へ加圧された気体の流れを供給し、これによりプリントヘッドのメンテナンス又は保守を可能にする
ことを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コントロールバルブ及び前記ポンプと流体的に連絡した状態で該コントロールバルブ及び該ポンプの下流側に圧力リリーフバルブを配設する
ことを更に含む、請求項8ないし請求項12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
インクジェットプリンタのためのプリントヘッド構造であって、該プリントヘッド構造がプライマ装置を含み、該プライマ装置が、
前記プリントヘッド構造に気体の流れを供給するためのポンプと、
出口バルブと、
前記ポンプと前記出口バルブとに流体的に連絡した状態で該ポンプと該出口バルブとの間に配設されたコントロールバルブと
を含み、前記出口バルブが、前記コントロールバルブが開いているときに前記プリントヘッド構造に供給される気体の流れの圧力を下げるための通気構造を含む、
プリントヘッド構造。
【請求項15】
請求項14に記載のプリントヘッド構造を含むインクジェットプリンティング装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
例えばインクジェットプリンティング装置といったプリンティング装置では、プリントヘッドのクリーニング動作及びメンテナンス動作のため又はプリント流体の再循環のためにプライマを使用することが可能である。例えば、プリントヘッドの保守は、プリントヘッドノズルの良好な健全性を改善し又は維持するために行うことが可能である。プリント流体の再循環は、例えば、顔料の沈殿を防止し又は低減させるために行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図5】一例による、プリントヘッド構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
特定の実施形態の様々な特徴は、単なる一例として幾つかの特徴を共に示す図面に関連して行う以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【0004】
以下の説明では、説明の目的のために、特定の例の多数の具体的な詳細について記載されている。本書において「一例」又はそれと同様の言語への言及は、その例に関連して説明した特定の特徴、構造、又は特性が、少なくともその一例に含まれるが、必ずしも他の例には含まれないことを意味する。
【0005】
例えば、インクジェットプリンタのプリントヘッド構造のためのプライマ装置を使用して、加圧された空気流を提供することができる。これは、例えば、マクロ再循環対応型(macro-reciculation enabled)プリントヘッドのように、プリントヘッドの保守(又はプリントヘッドのパージ)又はプリント流体の再循環に使用することができる。プリントヘッド構造は、2次元又は3次元プリンタで使用することができるものである。
【0006】
プリントヘッドの保守又はパージに使用するためのプライマの圧力は、比較的高く(例えば、35kPa、5psiのオーダーに)することが可能であるが、マクロ再循環対応型プリントヘッドで再循環を可能にするために使用される圧力は、比較的低く(例えば、14kPa、2psiのオーダーに)することが可能である。このため、同様の圧力が使用され又は利用可能であるシステムでは、保守がそれほど効果的でない一層低い圧力と、再循環が可能になる度に(例えば背圧が正になるため)プリントヘッドのノズルに液だれが生じ得る一層高い圧力との間でトレードオフが行われることになる。
【0007】
異なる空気圧を得るために、ポンプを異なる時間にわたって作動させることができる。例えば、エアポンプは増大する圧力曲線を有するため、エアポンプをより長く作動させることにより一層高い圧力に達することができる。しかし、エアポンプによって大きなばらつきがあり得るため、同量のポンプ作動時間は、2つの異なるプリンティングシステムで同じ圧力を与えるものとならない可能性がある。
【0008】
保守動作を実行する場合、該保守動作は、ノズルを清掃するとき又はプリントヘッドをパージするときに一貫性のない結果をもたらす可能性がある。プリントヘッドを介した再循環を可能にする場合、圧力が適切に調整されていないと、レギュレータを開くのに十分な高さの圧力が生成されず、このため再循環が行われない可能性がある。しかし、圧力が高すぎると、プリントヘッドのノズルからインクが垂れ出る可能性がある。更に、異なる期間にわたるエアポンプの作動は、低圧モードでは一定の圧力を提供しない可能性があり、このため、特定の時間にわたり同じ圧力を維持する(例えば、3秒間にわたりプライマ圧力14kPaで作動させる)ことが不可能となる。
【0009】
エアポンプの作動期間を変更する代わりに、パルス幅変調(PWM)技術を使用してエアコンプを制御して該ポンプに供給される電力を変更することが可能である。すなわち、異なるPWMパーセンテージでポンプを作動させることにより、異なる空気圧を得ることができる。しかし、上述のように、ポンプ間で性能のばらつきが存在し得る。例えば、2つのポンプを50%の出力で1秒間にわたって運転すると、各ポンプ毎に異なる圧力が生じ得る。更に、プリンティング装置の如何なる制御システムもPWMポンプ制御を使用することができなければならず、これは常にそうであるとは限らない。すなわち、プライマ装置で使用される回路基板(例えば、プリント回路制御基板)は、PWM制御のための設備を含まない可能性がある。更に、PWM制御式ポンプは定常状態に達さない可能性がある。例えば、リリーフバルブの存在下では、定常状態は高圧モードについてのみ達成することが可能である。
【0010】
一例によれば、プライマ装置は、プリントヘッド構造に空気流を供給するためのポンプと、出口バルブと、該ポンプ及び該出口バルブと流体的に連絡した状態で該ポンプと該出口バルブとの間に配設されたコントロールバルブとを含み、該出口バルブは、該コントロールバルブが開いているときに該プリントヘッド構造に供給される空気流の圧力を下げるための通気構造を含む。該コントロールバルブは、例えば、2つのポート(入口と出口)を含むノーマルオープン(NO)ソレノイドバルブとすることが可能である。一般に、少なくとも2つのポートを有する任意のバルブを使用して回路を開閉させることが可能である。例えば、双安定(bi-stable)バルブを使用することが可能である。更に、リリーフバルブを配設することが可能である。
【0011】
図1aは、一例によるプライマ装置の概略図である。プライマ装置100は、ポンプ101、出口バルブ106、及びコントロールバルブ105を含むよう示されている。
【0012】
図1bは、一例によるプライマ装置の概略図である。エアポンプ101aは、作動時に導管又はパイプ103a内に正の空気圧を提供することが可能である。NOソレノイドバルブ等のコントロールバルブ105a及び出口バルブ106aは、互いに直列に接続され、並びに該コントロールバルブ105a及び該出口バルブ106a、ポンプ101a、及び大気が流体的に連絡するよう配設されている。
【0013】
システム内の圧力を所定の最大値に制御し又は制限するためにリリーフバルブ107aを配設することが可能である。
図1bの例では、リリーフバルブ107aを使用して加圧空気を流出可能とすることより、所定の閾値圧力を超える過度の圧力を軽減させ/解放することが可能である。一般に、リリーフバルブ107aは、閾値圧力を超えたときに自己通気し(self-vent)、これにより該リリーフバルブの閾値又は該閾値を僅かに下回る定常圧力を維持する。
【0014】
かかる2つのプライマ装置は、その各々がプリンティング装置の複数のプリントヘッドのそれぞれ異なるサブセットのために働くよう配設することが可能である。第2のかかる装置が
図1bに示されており、該装置は符号「a」を「b」に置き換えた上述のものと同一の構成要素を有するものであるが、1つ又は3つ以上のかかる装置を配設することが可能であることが理解されよう。
【0015】
一例によれば、出口バルブ106aは、コントロールバルブ105aが開いておりエアポンプ101aが作動しているときに導管111aを介してプリントヘッド構造に供給される空気流の圧力を下げるための通気構造を含む。
【0016】
該通気構造は、出口バルブを通る空気流を妨げるための障害物を含むことが可能である。一例では、通気構造は、大気と流体的に連絡している出口バルブ内のプラグ又はプラグタイプの障害物である。該障害物は、空気が該障害物を介して流れるときに圧力差を生じさせ、その結果として装置内を流れる圧力が低下する。したがって、2つの異なる圧力のうちの一方でプリントヘッドに空気流を供給することが可能となり、該2つの異なる圧力は、コントロールバルブ105aが閉じている場合の(リリーフ(又はリリース)バルブ107aの作動圧力によって画定される最大圧力までの)比較的高い圧力と、コントロールバルブ105aが開いている場合の(出口バルブ106aの動作によって画定される)比較的低い圧力である。
【0017】
一例では、出口バルブ105a内のプラグ等の障害物は、コントロールバルブ105aが開いておりエアポンプ101aが駆動された場合に空気流が出口バルブ106aを通過する際に高い圧力降下を生じさせる幾何学的形状を有している。一例では、プラグの表面に波状のチャネルを配設し、該チャネルにより出口バルブ106aを通る空気流を妨げることが可能である。他のチャネル形状を使用することも可能である。例えば、ジグザグ形状又はらせん状のチャネルを使用することが可能である。一例では、プラグの外縁部の周り又は該プラグの内部を通る1つ以上の別個のチャネルを配設することが可能である。例えば、らせん状又は渦巻き状のチャネルをプラグ又は障害物の内部に配設することが可能である。代替的な例では、圧力降下を生じさせるのに十分な多孔質の直径を有する多孔質材料を障害物として使用することが可能である。空気流が存在しない場合(アイドル位置)、出口バルブ106aの両側の圧力は同一、すなわち大気圧となる。
【0018】
エアポンプの状態(オン又はオフ)及びコントロールバルブの状態(開又は閉)を変更することにより、単一のプライマ装置は、プリント装置内のメンテナンス及び再循環に適した圧力で空気流を供給することが可能である。すなわち、1つの装置で2つの異なる圧力の空気流を生成することが可能である。
【0019】
一例によれば、駆動される構成要素の状態に応じてレギュレータ109a,109b内で異なる圧力を達成するための組み合わせは以下の通りである。
【0021】
したがって、一例によれば、高圧モードを作動させるために、コントロールバルブ105a(105b)及びエアポンプ101a(101b)の両方が駆動される。初期の加圧勾配(ramp)の後、圧力はリリーフバルブ107a(107b)の圧力に達して通気が行われることになる。この時点で、圧力はバルブ107a(107b)のリリーフ圧に対応する値に維持されることになる。
【0022】
低加圧モードでは、エアポンプ101a(101b)のみが駆動される。こうすることにより、レギュレータ109a(109b)は加圧されるが、空気は出口バルブを通って流れ、該出口バルブの入口ポートと出口ポートとの間で圧力降下が生じる。これにより、コントロールバルブ105a(105b)が駆動される(すなわち、閉じられる)構成よりも低い定常圧力が生成される。
【0023】
両方の加圧モード(高圧及び低圧)において、圧力は(リリーフバルブによる高圧モード及び出口バルブによる低圧モードにおいて)、圧力が上昇する際に初期の圧力勾配の後に定常状態に達する。これら2つの圧力は、プライマ装置を設計する際に(例えば、一層高い開口圧を有するリリーフバルブを選択して)調整することが可能であるが、製造後には、全ては同一の又は非常に類似した性能を有することになる。このため、エアポンプの駆動期間は考慮すべき事項ではない。
【0024】
更に、一例によるプライマ装置は、既存の制御機構がコントロールバルブ及びエアポンプを独立して駆動することができるため、他のプライマ装置を使用するプリンティング装置に見られるプリント回路基板(PCB)と互換性を有することが可能である。
【0025】
一例によれば、出口バルブのため、低圧モード作動中には、圧力勾配は一層小さい勾配を有することになる(加圧時に圧力勾配を減少させる通気構造を通る流れが存在する)。このため、このモード中に、その空気圧を使用して、プリントヘッドを通るプリント流体(インク等)の再循環を可能にするために、例えばバッグ等のレギュレータを膨張させ又は加圧することが可能である。圧力スパイクのない一層穏やかな(すなわち、より小さい)圧力勾配を得ることは、大きな圧力勾配又は圧力スパイクが存在する場合に生じ得るプリントヘッドのノズルを介したインクの漏出を防止することを可能とする。
【0026】
図2は、一例による通気構造の概略図である。より詳細には、
図2は、一例による出口バルブ内の通気構造の断面図である。
図2の例では、通気構造は、出口バルブにおける大気へと通気する部分に障害物201を提供する。出口205の内面と該障害物201の外面との間の界面208にはチャネル209が配設されている。該チャネル209は、コントロールバルブ105a(105b)を介して大気及び導管103a(103b)と流体的に連絡している。このため、エアポンプからの空気は、障害物の入口側203から該チャネルを通って出口側205へと流れることが可能である。それ故、該チャネルを通過する空気は、入口側203から出口側205へと通気され、該出口側205で大気中に移動することが可能である。
【0027】
図1bを参照すると、入口側203は、コントロールバルブ105a(105b)がオフ(開放)の際に導管103a(103b)から空気流を受け取る。空気流が通気構造内のチャネルを通って大気へと通過する際に、障害物の構造的な構成の結果として入口側203と出口側205との間で圧力降下が生じ、これにより、入口側203から出口側205への出口バルブ207を通る空気流が低減される。
【0028】
図2に示す例では、障害物201はプラグという形のものである。該プラグは、締まりばめを使用することにより、出口バルブ207に接着することにより、又は出口バルブ207と一体的に成形することにより、所定位置に維持することが可能である。
図2の例では、チャネル209は、障害物の外側にわたって波状(sinuous)経路をとり、これにより空気が流れることができる細長い曲がりくねった(winding)導管209が形成される。チャネル209は、大気への空気流を妨げ、このため、出口バルブ207の入口側203と出口側205との間に圧力差が形成される。すなわち、空気流がチャネル209を通過する際に、該空気流の圧力の低下が生成される。
【0029】
図2の例では、チャネルの寸法は、約0.5mm×0.4mmであり、プラグの長手方向にわたるチャネルの長さは約24mmである。複数の180°の転回(及び滑らかな転回)は、空気流に対する更なる抵抗を生み出す。
【0030】
チャネル209(又は2つ以上存在する場合には複数のチャネル)は、プラグの外面に存在する必要はない。一例では、1つ又は複数のチャネルをプラグ内に画定することが可能である。
【0031】
出口バルブ207の2つの側(入口/出口)間の圧力の低下は、コントロールバルブ105a(105b)が駆動された(すなわち、閉じた)際のプライマ装置内の空気流の圧力よりも低い定常圧力を生成するものとなる。かかる安定した比較的低圧の空気流は、プリント流体の再循環に使用することが可能である。コントロールバルブが駆動されると、その結果として生じる比較的高い圧力は、上述のようにプリントヘッドの保守に適している。
【0032】
図3aないし
図3dは、一例によるプラグの概略図である。
図3aは一例によるプラグを片側から示し、
図3bは、チャネルの幾何学形状の視覚化を可能にするために
図3aのプラグを別の側から示す概略図である。両図において、チャネル209は該チャネルの入口303及び出口301と共に見える。
【0033】
図3cは、
図3a及び
図3bのプラグを別の側から見たチャネルが見える図であり、
図3dは、
図3aないし
図3cのプラグの斜視図である。
【0034】
上述のように、1つ又は複数のチャネルの幾何学形状は異なることが可能であり、1つ又は複数のチャネルは、障害物の内部に配設することが可能であり、及び/又は
図3に示すように障害物の外側に配設することが可能である。
【0035】
図4aないし
図4dは、一例による方法のフローチャートを示している。
図4aには、プリントヘッド構造のためのプライマ装置内に2つの別個の空気流を供給する方法が示されている。ブロック400で、コントロールバルブが、プライマ装置のエアポンプと出口バルブとの間に該エアポンプ及び該出口バルブと流体的に連絡した状態で配設される。該出口バルブは、プリントヘッド構造に供給される空気流の圧力を低下させるための通気構造を含む。ブロック450で、エアポンプを使用して空気流が生成される。ブロック490で、プライマ装置内の少なくとも2つの別個の加圧された空気流がプリントヘッド構造に供給される。
図4bは、ブロック420でコントロールバルブを開く追加のステップを含み、これにより、一定の割合の空気流が出口バルブの通気構造を介して通過し又は漏出することが可能となる。
図4cは、ブロック440で、コントロールバルブ及びエアポンプと流体的に連絡した状態で該コントロールバルブ及び該エアポンプの下流側に配置された圧力リリーフバルブを配設するステップを含む。
図4dは、ブロック400でエアポンプと出口バルブとの間にコントロールバルブを配設し、ブロック420でコントロールバルブを開き、ブロック450でエアポンプを使用して空気流を生成し、ブロック460でレギュレータを加圧し、ブロック470で加圧した空気流を供給し、及びブロック490で2つの別個の空気流を供給するステップを含むフローチャートを示している。
【0036】
図5は、一例によるプライマ装置100を含むプリントヘッド構造500の概略図である。
【0037】
本書では、方法、装置、及びそれらに関連する特徴を幾つかの特定の例に関して説明したが、本開示の思想から逸脱することなく、様々な修正、変更、省略、及び置換を行うことが可能である。特に、1つの例の1つの特徴又はブロックを他の例の特徴/ブロックと組み合わせること又はそれにと置換することが可能である。更に、本書では、空気流及びエアポンプ等について言及したが、任意の気体又は流体物質を使用できることは明らかである。
【0038】
「含む」なる用語は、請求項に記載した要素以外の要素の存在を排除するものではなく、「1つの」なる用語は複数を排除するものではなく、単一のプロセッサその他の装置が、請求項に記載する幾つかの装置の機能を実施することが可能である。
【0039】
任意の従属形式の請求項の特徴は、任意の独立形式の請求項又は他の従属形式の請求項の特徴と組み合わせることが可能である。