特許第6792810号(P6792810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792810
(24)【登録日】2020年11月11日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】ガラス製造装置
(51)【国際特許分類】
   C03B 3/02 20060101AFI20201119BHJP
   B65G 69/04 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   C03B3/02
   B65G69/04
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-95964(P2016-95964)
(22)【出願日】2016年5月12日
(65)【公開番号】特開2017-202956(P2017-202956A)
(43)【公開日】2017年11月16日
【審査請求日】2018年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168550
【弁理士】
【氏名又は名称】友廣 真一
(72)【発明者】
【氏名】松宮 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】北川 良弘
(72)【発明者】
【氏名】米沢 武大
(72)【発明者】
【氏名】金谷 仁
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】天山 和幸
【審査官】 田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/026254(WO,A1)
【文献】 実開昭63−046436(JP,U)
【文献】 国際公開第2010/150586(WO,A1)
【文献】 特開2005−154165(JP,A)
【文献】 特開昭63−040730(JP,A)
【文献】 特開2010−222217(JP,A)
【文献】 実開昭59−061244(JP,U)
【文献】 特公昭37−010437(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 3/00 − 3/02
B65G 69/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体原料を加熱してなる液状原料を貯留する加熱空間内に前記粉体原料を供給する供給部と、前記加熱空間内の前記粉体原料を前記液状原料の液面に沿って均す均し部材とを備えた原料供給装置であって、
前記均し部材が、前記加熱空間の内に進出可能かつ前記加熱空間の外に退避可能に設けられており、
前記均し部材が最も進出した状態で、前記均し部材の進出方向の先端面の下端が、前記液面より下方に位置するように構成され、
前記供給部の下方に設けられ、退避状態の前記均し部材の全体を格納する格納部を備え、
前記均し部材は、一対の板面が上下となるように配設された板状部材であり、
前記格納部は、前記加熱空間に開口し、前記均し部材の進退方向に沿って延びる筒状であり、
前記均し部材が前記粉体原料を均す動作を行う領域を、前記均し部材を熱から守るために他の領域から仕切る壁が、前記加熱空間に設けられていない原料供給装置と、
ガラス溶融炉とを備え、
前記粉体原料はガラス原料であり、
前記加熱空間は前記ガラス溶融炉の内部空間であることを特徴とするガラス製造装置。
【請求項2】
前記均し部材は、前記板面が進退方向に沿っていることを特徴とする請求項1に記載のガラス製造装置
【請求項3】
前記均し部材が、前記供給部より下方に配設されていることを特徴とする請求項2に記載のガラス製造装置
【請求項4】
前記均し部材は、進出方向の先端部が、進出方向に移行するに従って側面が漸次接近する形状を有することを特徴とする請求項2又は3に記載のガラス製造装置
【請求項5】
前記均し部材の進出方向が、水平方向に対して傾斜した方向に沿って下向きに変更可能であることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載のガラス製造装置
【請求項6】
前記均し部材の上下方向位置が変更可能であることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載のガラス製造装置
【請求項7】
前記格納部に、前記均し部材の進退用の開口部が設けられ、
前記均し部材が退避する際に前記均し部材上に堆積した前記粉体原料を擦り落とす擦り落し部材が、前記開口部に設けられていることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載のガラス製造装置
【請求項8】
前記均し部材が進出する際に、前記粉体原料を押圧して均すことを特徴とする請求項2〜7の何れか1項に記載のガラス製造装置
【請求項9】
前記均し部材が進出している間、前記供給部からの前記粉体原料の供給を停止することを特徴とする請求項8に記載のガラス製造装置
【請求項10】
前記均し部材が進出している間に、前記供給部から前記粉体原料を前記均し部材上に供給し、
前記均し部材が退避する間に、前記均し部材上に供給された前記粉体原料を落下させて均すことを特徴とする請求項2〜7の何れか1項に記載のガラス製造装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱空間内の原料を液状原料の液面に沿って均す均し部材を備えた原料供給装置及びガラス製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばガラスの製造工程では、ガラス溶融炉内でガラス原料を加熱して溶融ガラスとする。ガラス原料を効率良く均一に溶融するためには、溶融炉内の溶融ガラス液面上においてガラス原料が均一に供給されることが好ましい。このような点を考慮し、ガラス溶融炉内に供給したガラス原料を、溶融ガラスの液面に沿って押圧して均すプッシャと呼ばれる部材を備えるガラス原料供給装置が開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。ガラス溶融炉内は極めて高温雰囲気であり、プッシャが高温雰囲気に長時間曝されると、変形や破損が生じ易くなる。そのため、従来のガラス溶融炉では、プッシャが原料を均す動作を行う領域は、プッシャを熱から守るために他の領域から壁で仕切られたドッグハウスと呼ばれる部屋となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0070252号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102013217189号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ガラス溶融炉の省スペース化や製造コスト削減の観点からは、このようなドッグハウスは設けないことが望ましい。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、粉体原料を均一に供給可能であり且つガラス溶融炉等の粉体処理装置の省スペース化と製造コスト削減が可能な原料供給装置及びガラス製造装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために創案された本発明の原料供給装置は、原料を加熱してなる液状原料を貯留する加熱空間内に前記原料を供給する供給部と、前記加熱空間内の前記原料を前記液状原料の液面に沿って均す均し部材とを備えた原料供給装置であって、前記均し部材が、前記加熱空間の内外に進退可能に設けられていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、均し部材で原料を液状原料の液面に沿って均すことにより、粉体原料を液状原料の液面上に均一に供給可能である。そして、この構成によれば、均し部材が加熱空間外に退避することにより、均し部材が加熱空間の熱から守られる。そのため、加熱空間を有する粉体処理装置の中に、均し部材を熱から守るための領域を設ける必要が無くなる。従って、この領域の分、粉体処理装置の省スペース化ができ、また、粉体処理装置の製造コストの削減ができる。
【0008】
上記の構成において、前記均し部材は、一対の板面が上下となるように配設された板状部材であり、前記板面が進退方向に沿っていてもよい。
【0009】
この構成によれば、均し部材自体やその動作に必要な空間を小さくすることができる。
【0010】
上記の構成において、前記均し部材が、前記供給部より下方に配設されていてもよい。
【0011】
この構成によれば、均し部材上又はその近くに原料が供給できるので、均し部材による均し動作を効率良く行うことができる。この構成は、均し部材が板状部材であることにより可能になる。
【0012】
上記の構成において、前記均し部材は、進出方向の先端部が、進出方向に移行するに従って側面が漸次接近する形状を有してもよい。
【0013】
この構成によれば、原料が均される際に移動する方向が多方向となるので、原料を効率良く均すことができる。
【0014】
上記の構成において、前記均し部材の進出方向が、水平方向に対して傾斜した方向に沿って下向きに変更可能であってもよい。
【0015】
この構成によれば、原料を下方で均すことが容易となる。
【0016】
上記の構成において、前記均し部材の上下方向位置が変更可能であってもよい。
【0017】
この構成によれば、原料を均す位置を上下方向で調整可能となる。
【0018】
上記の構成において、退避状態の前記均し部材を格納する格納部に、前記均し部材の進退用の開口部が設けられ、前記均し部材が退避する際に前記均し部材上に堆積した前記原料を擦り落とす擦り落し部材が、前記開口部に設けられていてもよい。
【0019】
この構成によれば、均し部材に堆積した原料を加熱空間内に戻すことで、原料の無駄を抑制できる。
【0020】
上記の構成において、前記均し部材が進出する際に、前記原料を押圧して均してもよい。
【0021】
この構成において、前記均し部材が進出している間、前記供給部からの前記原料の供給を停止してもよい。
【0022】
この構成によれば、均し部材に原料が堆積して無駄になることを抑制できる。
【0023】
上記の構成において、前記均し部材が進出している間に、前記供給部から前記原料を前記均し部材上に供給し、前記均し部材が退避する間に、前記均し部材上に供給された前記原料を落下させて均してもよい。
【0024】
この構成によれば、液状原料の液面に原料が直接供給される場合より、原料の落下距離を抑制できる。これにより、原料が液面から飛び散ったり、舞ったりすることを抑制でき、原料が炉壁等に付着したり、蒸散したりして無駄になることを抑制できる。
【0025】
前記課題を解決するために創案された本発明のガラス製造装置は、上記の構成の原料供給装置と、ガラス溶融炉とを備え、前記原料はガラス原料であり、前記加熱空間は前記ガラス溶融炉の内部空間であることを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、ガラス製造装置において、上記構成の原料供給装置の作用及び効果を享受できる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明によれば、粉体原料を均一に供給可能であり且つガラス溶融炉等の粉体処理装置の省スペース化と製造コスト削減が可能な原料供給装置及びガラス製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態に係るガラス製造装置を示す概略断面図である。
図2図1の右側から見た原料供給装置の概略正面図である。
図3】均し部材の平面図であり、(A)が本実施形態、(B),(C)が変形例である。
図4】均し部材の内部構造の一例を示す概略断面図である。
図5図1の拡大図であり、均し部材が最も進出した状態を示す概略断面図である。
図6】均し部材が退避した状態を示す概略断面図である。
図7】原料供給装置の動作を説明するための概略断面図である。
図8】原料供給装置の動作を説明するための概略断面図である。
図9】原料供給装置の動作を説明するための概略断面図である。
図10】原料供給装置の動作を説明するための概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための形態について図面に基づき説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係るガラス製造装置を示す概略断面図である。図1に示すように、ガラス製造装置1は、原料供給装置2と、ガラス溶融炉3とを備える。ガラス溶融炉3の内部空間(加熱空間S)は、ガラス原料Rを加熱してなる液状原料(溶融ガラスM)を貯留する。
【0031】
原料供給装置2は、加熱空間S内にガラス原料Rを供給する供給部4と、加熱空間S内のガラス原料Rを溶融ガラスMの液面Lに沿って均す均し部材(板状部材5)とを備える。板状部材5は、加熱空間Sの内外に進退可能に設けられている。
【0032】
また、原料供給装置2は、供給部4を駆動するための第1駆動部6a、退避状態の板状部材5を格納する格納部7、板状部材5を進退させるために駆動する第2駆動部6b、第1駆動部6aを支持する支持部8を備える。支持部8には、車輪8aが取り付けられており、これにより、原料供給装置2は、移動可能である。また、図示例では、原料供給装置2は、載置台9上に載置され固定されている。
【0033】
ガラス溶融炉3の炉壁3aには、貫通孔3bが設けられており、原料供給装置2の供給部4と格納部7における加熱空間Sの側が、挿入された状態である。格納部7における加熱空間Sの側の端部には、板状部材5が進退の際に通過する進退用の開口部7aが設けられている。
【0034】
供給部4は、ガラス原料Rを排出する供給口4aを加熱空間Sの側の端部に有する直線状パイプ4bと、パイプ4b内にガラス原料Rを投入するためのホッパ4cと、第1駆動部6aの駆動で回転することにより、ホッパ4cから投入されたガラス原料Rを供給口4aまで搬送するスクリュー4dとを備える。パイプ4bの加熱空間Sの側は、水冷機構4eにより水冷されている。
【0035】
供給部4の供給口4aにおけるパイプ4bの中心軸の液面Lからの高さは、例えば100〜400mmである。
【0036】
板状部材5は、一対の板面5aが上下となるように配設された平板状であり、板面5aが進退方向に沿っている。板状部材5は、供給部4より下方に配設されており、図2に示すように、格納部7の開口部7aは、供給部4の供給口4aの下方に位置する。
【0037】
図3(A)に示すように、本実施形態では、板状部材5は、平面視で進退方向が長手となる矩形状であり、全体の形状は、ブロック形状(直方体形状)である。板状部材5における4つの側面5bは、平面である。
【0038】
しかし、板状部材5の形状は、これに限定されることなく、図3(B)や図3(C)に示すように、板状部材5は、進出方向の先端部5cが、進出方向に移行するに従って側面5bが漸次接近する形状を有してもよい。図3(B)の図示例では、先端部5cの漸次接近する側面5bは平面であり、先端部5cは、平面視で台形状である。図3(C)の図示例では、先端部5cの漸次接近する側面5bは進行方向に凸である曲面であり、先端部5cは、平面視で半円状である。
【0039】
板状部材5の材料としては、耐熱性を有するものであれば、特に限定されること無く、例えば、金属、耐火物等が挙げられる。板状部材5の材料として、金属を使用する場合には、例えば図4に示すように、板状部材5を水冷構造とすることが容易である。図4の図示例では、板状部材5を二重構造とし、矢印で示すように、下側の給水口5dから給水し、板状部材5の内部に水を流した後、上側の排水口5eから排水する。
【0040】
板状部材5の長手方向の寸法は、例えば400〜600mmである。板状部材5の幅方向の寸法は、例えば150〜250mmである。板状部材5の厚さは、例えば50〜100mmである。
【0041】
板状部材5の進出方向は、水平方向に対して傾斜した方向に沿って下向きに変更可能であり、図1の図示例は、そのように変更した状態である。しかし、この状態に限定されず、板状部材5の進出方向は、水平方向に沿っていてもよく、水平方向に対して傾斜した方向に沿って上向きになるようにしてもよい。
【0042】
図5に示す板状部材5の進出方向の水平方向に対する傾斜角度αは、水平方向に対して下側を正とすると、0°〜20°が好ましく、2°〜15°がより好ましく、5°〜10°が最も好ましい。傾斜角度αが0°未満の場合も、20°を超える場合も、ガラス原料Rを十分に均すことができない可能性がある。
【0043】
なお、本実施形態では、板状部材5の進退方向は、供給部4のパイプ4bの軸方向に対して平行となるように構成されており、板状部材5の進出方向の水平方向に対する傾斜角度を変更する際には、供給部4のパイプ4bの軸方向の水平方向に対する傾斜角度も同様に変更される。しかし、これに限定されず、板状部材5の進退方向の傾斜角度を、供給部4のパイプ4bの軸方向の傾斜角度と独立して変更可能としてもよいし、供給部4のパイプ4bの軸方向が傾斜しないようにしてもよい。
【0044】
また、板状部材5の上下方向位置も変更可能である。なお、板状部材5の上下方向位置は、供給部4の上下方向位置とは、独立して変更可能である。
【0045】
板状部材5の進退のストローク量は可変であり、最大値は、例えば200〜300mmである。また、板状部材5の進退の速度も可変であり、最大値は、例えば200〜400mm/sである。
【0046】
板状部材5が進退する頻度は、例えば1分間に0.5〜1.5回である。板状部材5が格納部7内の退避位置に停止している時間は、例えば30〜110秒である。板状部材5が格納部7の開口部7aから進出している(退避動作の時も含む)時間は、例えば5〜10秒である。
【0047】
図5に示すように、板状部材5が最も進出した状態で、板状部材5の進出方向の先端面の下端は、液面Lより下方に位置することが好ましい。板状部材5が最も進出した状態における板状部材5の進出方向の先端面の下端と液面との距離dは、5〜50mmが好ましく、10〜40mmがより好ましく、20〜30mmが最も好ましい。距離dが5mm未満の場合も50mmを超える場合も、ガラス原料Rを十分に均すことができない可能性がある。
【0048】
図6に示すように、板状部材5が退避する際に板状部材5上に堆積したガラス原料Rを擦り落とす擦り落し部材10が、格納部7の開口部7aに設けられている。格納部7内の板状部材5の退避位置(停止位置)では、板状部材5の進出方向の先端部5cは、擦り落し部材10よりも内側に位置する。また、図2に示すように、擦り落し部材10は、板状部材5における図で左右の側面5bに付着したガラス原料Rも擦り落とすことが可能なようにコ字状となっている。また、擦り落し部材10の上側のパイプ4bの周囲には、貫通孔3bを塞ぐためのカバー11が配設されている。
【0049】
以上のように構成された原料供給装置2の動作について、次に説明する。
【0050】
原料供給装置2の動作は2通りあり、それぞれについて以下詳述する。
【0051】
1つ目の動作の場合、まず、図7に示すように、板状部材5が退避している間に、供給部4からガラス原料Rを溶融ガラスMの液面上に供給する。
【0052】
次に、板状部材5が進出する。すると、図8に示すように、ガラス原料Rが、板状部材5の進出方向の先端部5cに押圧されて、液面Lに沿って広がって均される。なお、板状部材5が進出している間、供給部4からのガラス原料Rの供給を停止する。
【0053】
2つ目の動作の場合、まず、図9に示すように、板状部材5が進出している間に、供給部4からガラス原料Rを板状部材5上に供給する。
【0054】
次に、板状部材5が退避する。すると、図10に示すように、板状部材5上に供給されたガラス原料Rが、擦り落し部材10に押されて、又は、板状部材5の傾斜によって連続して落下する。これにより、ガラス原料Rが液面Lに沿って均される。
【0055】
以上のように構成された本実施形態のガラス製造装置1及び原料供給装置2では以下の効果を享受できる。
【0056】
板状部材5でガラス原料Rを溶融ガラスMの液面Lに沿って均すことにより、ガラス原料Rを溶融ガラスMの液面L上に均一に供給可能である。板状部材5が加熱空間S外に退避することにより、板状部材5が加熱空間Sの熱から守られる。そのため、ガラス溶融炉3の中に、板状部材5を熱から守るための領域を設ける必要が無くなる。従って、この領域の分、ガラス溶融炉3の省スペース化ができ、また、ガラス溶融炉3の製造コストの削減ができる。すなわち、本実施形態のガラス製造装置1及び原料供給装置2によれば、ガラス原料Rを溶融ガラスMの液面L上に均一に供給可能であり且つガラス溶融炉3の省スペース化と製造コスト削減が可能なガラス製造装置1及び原料供給装置2を提供することができる。
【0057】
本発明は、上記実施形態に限定されるものでは無く、その技術的思想の範囲内で、様々な変形が可能である。例えば、図1の図示例では、原料供給装置2が1台しか設置されていないが、1つのガラス溶融炉3に対して、複数の原料供給装置2を設置してもよい。
【0058】
また、例えば、上記実施形態では、原料供給装置2は、ガラス溶融炉3に使用されていたが、その他の粉体処理装置に使用されてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 ガラス製造装置
2 原料供給装置
3 ガラス溶融炉
4 供給部
5 板状部材(均し部材)
5a 板面
5b 側面
5c 先端部
7 格納部
7a 開口部
10 擦り落し部材
L 液面
M 溶融ガラス(液状原料)
R ガラス原料
S 加熱空間
α 傾斜角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10