特許第6792815号(P6792815)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792815
(24)【登録日】2020年11月11日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】熱交換器および熱交換器用のフィン
(51)【国際特許分類】
   F28F 1/32 20060101AFI20201119BHJP
   F28D 7/16 20060101ALI20201119BHJP
   F24H 9/00 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   F28F1/32 D
   F28F1/32 N
   F28F1/32 L
   F28D7/16 D
   F24H9/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-146176(P2016-146176)
(22)【出願日】2016年7月26日
(65)【公開番号】特開2018-17422(P2018-17422A)
(43)【公開日】2018年2月1日
【審査請求日】2019年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100120514
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 雅人
(72)【発明者】
【氏名】中村 明信
(72)【発明者】
【氏名】吉田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 吉伸
【審査官】 河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−198691(JP,A)
【文献】 特開2011−231993(JP,A)
【文献】 実開昭57−120882(JP,U)
【文献】 特開2015−123458(JP,A)
【文献】 特開2014−105951(JP,A)
【文献】 特開2001−185666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 1/32
F24H 9/00
F28D 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝熱管が挿通される孔が設けられているフィン本体部、およびこのフィン本体部に一体的に繋がって形成され、かつ前記孔をバーリング孔とするように前記孔の周縁部から前記フィン本体部の前方に向けて突出するバーリング部を有する複数のフィンを備えており、
これら複数のフィンは、前記伝熱管の軸長方向に並び、かつ互いに隣接する2つのフィンどうしは、一方のフィンの前記バーリング孔の基端側開口周縁部に、他方のフィンの前記バーリング部の先端部が当接する状態に設定されている、熱交換器であって、
前記各フィンの前記バーリング孔の基端側開口周縁部のうち、前記フィン本体部と前記バーリング部とが互いに交差して繋がっている曲げ部およびその近傍部の後面側領域には、前記フィン本体部の前記軸長方向の厚みが他の部分よりも小さくなるようにして、前記フィン本体部の前方側へ窪む凹状部が設けられ、かつこの凹状部には、周囲よりも前記前方側に位置するように段差を生じた状態で前記フィン本体部の後方側を向く平面部が形成されており、この平面部に他のフィンの前記バーリング部の先端部が当接する構成とされていることを特徴とする、熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換器であって、
前記フィン本体部のうち、前記バーリング孔の周縁部には、少なくとも1つの切欠き凹部が形成され、かつ前記バーリング部は、前記切欠き凹部の形成箇所に対応する分断部を有する非筒状に形成されており、
前記平面部は、前記切欠き凹部よりも前記バーリング孔のラジアル方向の幅が小さくされ、かつ前記切欠き凹部によって少なくとも1箇所が分断された形態とされている、熱交換器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の熱交換器であって、
前記各フィンは、ステンレス製である、熱交換器。
【請求項4】
伝熱管が挿通される孔が設けられているフィン本体部と、
このフィン本体部に一体的に繋がって形成され、かつ前記孔をバーリング孔とするように前記孔の周縁部から前記フィン本体部の前方に向けて突出するバーリング部と、
を備えている、熱交換器用のフィンであって、
前記バーリング孔の基端側開口周縁部のうち、前記フィン本体部と前記バーリング部とが互いに交差して繋がっている曲げ部およびその近傍部の後面側領域には、前記フィン本体部の前記伝熱管の軸長方向の厚みが他の部分よりも小さくなるようにして、前記フィン本体部の前方側へ窪む凹状部が設けられ、かつこの凹状部には、周囲よりも前記前方側に位置するように段差を生じた状態で前記フィン本体部の後方側を向く平面部が形成されていることを特徴とする、熱交換器用のフィン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるフィンアンドチューブ型の熱交換器、および熱交換器用のフィンに関する。
【背景技術】
【0002】
フィンアンドチューブ型の熱交換器としては、たとえば特許文献1,2に記載されているようなものがある。
これらの文献に記載された熱交換器は、バーリング孔が形成された複数のフィンと、これら複数のフィンのバーリング孔に挿通される伝熱管とを備えている。バーリング孔は、この孔の周縁部から略円筒状などのバーリング部が突出した構成であり、プレス加工により形成することが可能である。伝熱管挿通用の孔が、バーリング孔とされていれば、このバーリング孔に伝熱管を挿通させた際に、これらの嵌合状態を安定させて、各フィンが大きく傾斜しないようにすることが可能である。また、それらをロウ付けする際には、ロウ付け面積を大きくすることできるなどの利点も得られる。
【0003】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、改善すべき余地がある。
【0004】
すなわち、熱交換器の熱交換効率を高くするためには、複数のフィンの配列ピッチを所望の適切なピッチに設定する必要がある。ここで、複数のフィンを並べる場合、図6に示すように、互いに前後に隣接する2つのフィン1(1C,1D)のうち、一方のフィン1Cのバーリング孔11の基端側開口周縁部16に、他方のフィン1Dのバーリング部12の先端部を当接させれば、本来的には、フィン1の配列ピッチPを所望のピッチに設定することが可能である。
ところが、従来においては、バーリング孔11の基端側開口周縁部16は、プレス加工時における曲げ部に相当する箇所であって、その外面は適当な曲率半径Raの曲面である。一方、バーリング部12は、プレス成形によると、基端側よりも先端側の方が僅かながらも小径のテーパ状として形成される。このため、基端側開口周縁部16にバーリング部12の先端部を当接させた際には、この先端部が基端側開口周縁部16の内側に潜り込む現象を生じ易い。これでは、フィン1の配列ピッチPを所望の正確なピッチに設定することは困難である。とくに、フィン1をステンレス製とした場合には、その硬度が高く、前記した曲率半径Raが大きくなるために、前記した不具合は一層顕著となる。
【0005】
このようなことから、従来では、フィン1の配列ピッチPを設定するための手段として、櫛歯と称されるジグを利用し、このジグ上に複数のフィン1を並べることによって位置決めを図る手段も採用されている。ただし、このような手段は煩雑であって、生産性に劣り、熱交換器の製造コストの上昇要因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−109391号公報
【特許文献2】特開2011−231993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、フィンの配列ピッチを簡易な手段によって正確かつ適切に設定することが可能な熱交換器、および熱交換器用のフィンを提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明の第1の側面により提供される熱交換器は、伝熱管が挿通される孔が設けられているフィン本体部、およびこのフィン本体部に一体的に繋がって形成され、かつ前記孔をバーリング孔とするように前記孔の周縁部から前記フィン本体部の前方に向けて突出するバーリング部を有する複数のフィンを備えており、これら複数のフィンは、前記伝熱管の軸長方向に並び、かつ互いに隣接する2つのフィンどうしは、一方のフィンの前記バーリング孔の基端側開口周縁部に、他方のフィンの前記バーリング部の先端部が当接する状態に設定されている、熱交換器であって、前記各フィンの前記バーリング孔の基端側開口周縁部のうち、前記フィン本体部と前記バーリング部とが互いに交差して繋がっている曲げ部およびその近傍部の後面側領域には、前記フィン本体部の前記軸長方向の厚みが他の部分よりも小さくなるようにして、前記フィン本体部の前方側へ窪む凹状部が設けられ、かつこの凹状部には、周囲よりも前記前方側に位置するように段差を生じた状態で前記フィン本体部の後方側を向く平面部が形成されており、この平面部に他のフィンの前記バーリング部の先端部が当接する構成とされていることを特徴としている。
ここで、「フィン本体部の前方」とは、フィン本体部の前後厚み方向のうちの一方向であり、熱交換器自体の前方とは必ずしも一致しない。
本発明において、前記各フィンは、ステンレス製とすることができる。
【0010】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、複数のフィンの配列状態においては、互いに隣接する2つのフィンのうち、一方のフィンのバーリング孔の基端側開口周縁部に形成されている後方側を向く平面部に、他方のフィンのバーリング部の先端部を当接させるため、前記従来技術とは異なり、他方のフィンのバーリング部の先端部が、一方のフィンの基端側開口周縁部の内側に潜り込まないようにすることができる。したがって、フィンの配列ピッチを正確なピッチに設定することが可能である。フィンがステンレス製の場合、従来においては、バーリング孔の基端側開口周縁部の外面の曲率半径が大きくなることに起因して、フィンの配列ピッチを正確に規定することはより困難となっていたが、本発明によれば、そのような不具合も適切に解消することが可能である。また、フィンの配列ピッチを正確に設定するための手段として、従来のいわゆる櫛歯と称されるジグを用いる必要を無くし、熱交換器の生産性の向上、ならびに製造コストの低減を図ることができる。
さらに、フィンのバーリング孔の基端側開口周縁部に形成される平面部は、周囲よりもフィン本体部の前方側に位置するように段差を生じた状態で形成されたものであるため、前記基端側開口周縁部へのプレス加工を施すことにより、前記平面部を容易に形成することが可能である。したがって、フィン自体の製造コストが大幅に上昇するといった不具合も回避することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、前記フィン本体部のうち、前記バーリング孔の周縁部には、少なくとも1つの切欠き凹部が形成され、かつ前記バーリング部は、前記切欠き凹部の形成箇所に対応する分断部を有する非筒状に形成されており、前記平面部は、前記切欠き凹部よりも前記バーリング孔のラジアル方向の幅が小さくされ、かつ前記切欠き凹部によって少なくとも1箇所が分断された形態とされている。
【0012】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、バーリング部は、分断部を有する非筒状とされているため、プレス加工などにより、いわゆる倒れなどの大きな歪みのない適切な形態に形成することが容易となる。また、バーリング孔の基端側開口周縁部に設けられる平面部は、切欠き凹部によって少なくとも1箇所が分断された形態であるため、プレス加工により、前記平面部をその周囲に対して段差を生じた状態とし、かつ歪みの少ない平面とすることも容易となる。したがって、フィンの加工製作コストを低減しつつ、フィンを所望の形状およびサイズに精度良く製作する上で、より好ましいものとなる。
【0013】
本発明の第2の側面により提供される熱交換器用のフィンは、伝熱管が挿通される孔が設けられているフィン本体部と、このフィン本体部に一体的に繋がって形成され、かつ前記孔をバーリング孔とするように前記孔の周縁部から前記フィン本体部の前方に向けて突出するバーリング部と、を備えている、熱交換器用のフィンであって、前記バーリング孔の基端側開口周縁部のうち、前記フィン本体部と前記バーリング部とが互いに交差して繋がっている曲げ部およびその近傍部の後面側領域には、前記フィン本体部の前記伝熱管の軸長方向の厚みが他の部分よりも小さくなるようにして、前記フィン本体部の前方側へ窪む凹状部が設けられ、かつこの凹状部には、周囲よりも前記前方側に位置するように段差を生じた状態で前記フィン本体部の後方側を向く平面部が形成されていることを特徴としている。
【0014】
このような構成の熱交換器用のフィンによれば、本発明の第1の側面により提供される熱交換器の構成要素として適切に用いることができ、前記熱交換器について述べたのと同様な効果が得られる。
【0015】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る熱交換器の一例を示す概略斜視図である。
図2図1のII−II要部断面図である。
図3図2のIII−III断面図である。
図4図2のIV−IV断面図である。
図5】(a)は、図2に示すフィンの要部拡大正面図であり、(b)は、図2に示すフィンの要部拡大背面図である。
図6】従来技術の一例を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
なお、理解の容易のため、以降の説明では、図6に示した従来技術と同一または類似の要素には、前記従来技術と同一の符号を用いることとする。
【0018】
図1に示す熱交換器Aは、プレート状の複数のフィン1、これら複数のフィン1に貫通する平面視蛇行状の伝熱管2、およびこれらを内部に収容する上下開口の矩形枠状のケース3を備えている。この熱交換器Aは、たとえば瞬間式給湯装置の構成要素として用いられ、バーナにより発生された燃焼ガスを複数のフィン1および伝熱管2に作用させることにより、伝熱管2内に供給される湯水が加熱される。
【0019】
なお、伝熱管2、各フィン1、およびケース3は、たとえばいずれもステンレス製とされ、耐食性などに優れたものとされている。ただし、それらの材質がこれに限定されないことは勿論である。
伝熱管2としては、断面楕円中空状の楕円管が用いられている。伝熱管2を縦長楕円状の姿勢に設定すれば、伝熱管2の水平方向の配列ピッチを狭くしつつ、伝熱管2の流路断面積については比較的大きくすることが可能である。ただし、伝熱管2の断面形状などがこれに限定されないことも勿論である。
【0020】
各フィン1は、図2および図3に示すように、伝熱管2が挿通される複数の孔11が所定間隔の横並び状に設けられているプレート状のフィン本体部10と、各孔11の周縁部からフィン本体部10の前方(図2の手前側)に向けて突出するバーリング部12とを備えている。したがって、各孔11は、バーリング孔11である。フィン本体部10には、熱回収量を多くするための手段として、複数の切り起こし部14が設けられている他、バーリング孔状の比較的小径の複数の貫通孔15も設けられている。
【0021】
フィン1は、ステンレス板に、いわゆる順送の手法でプレス加工を施していくことにより製造されたものであり、バーリング孔11もプレス加工(いわゆるバーリング孔加工)により形成されている。したがって、バーリング部12は、フィン本体部10に対して曲げ部bを介して一体的に繋がっている(図3の部分拡大図を参照)。図3に示すように、バーリング孔11の基端側開口周縁部16には、フィン本体部10の後方側を向く平面部18が形成されている。この平面部18は、その周囲に位置するフィン本体部10の後面部10aよりもフィン本体部10の前方側に位置し、周囲に対して段差Laを生じた状態に形成されている。この平面部18は、バーリング孔11の基端側開口周縁部16をプレスすることにより形成可能である。
【0022】
図5(a)によく表われているように、フィン本体部10のうち、バーリング孔11の周縁部の上下2箇所には、正面視において上方または下方に窪んだ形態の切欠き凹部17が形成されている。この切欠き凹部17が形成された箇所にはバーリング部12は形成されておらず、バーリング部12は、上下2箇所の分断部12bを介して左右2つの部分12aに分割された非筒状となっている。
【0023】
一方、図5(b)に示すように、バーリング孔11のラジアル方向における平面部18(網点模様部分)の幅Lbは、切欠き凹部17の同方向における幅Lc(奥行き幅)以下とされている。このため、平面部18も、バーリング部12と同様に、切欠き凹部17の位置で左右2つの部分18aに分割された形状となっている。
【0024】
複数のフィン1は、バーリング孔11に伝熱管2が挿通された状態で伝熱管2の軸長方向に並べられている。この場合、図3に示すように、互いに隣接する2つのフィン1(1A,1B)どうしは、一方のフィン1Aの平面部18に他方のフィン1Bのバーリング部12の先端部が当接するように設定されている。各フィン1は伝熱管2に対し、ロウ付けなどの手段を用いて固定接合される。
【0025】
次に、前記した熱交換器Aの作用について説明する。
【0026】
まず、図3に示した複数のフィン1の配列状態においては、既述したように、互いに隣接する2つのフィン1(1A,1B)どうしは、一方のフィン1Aの平面部18に、他方のフィン1Bのバーリング部12の先端部が当接した状態に設定されている。このため、図6に示した従来技術とは異なり、バーリング部12の先端部が、バーリング孔11の基端側開口周縁部16の内側に潜り込む虞はない。その結果、フィン1の配列ピッチPを所望の正確なピッチに設定することができる。フィン1の配列ピッチPを設定する手段として、櫛歯と称されるジグを用いる必要はない。また、前記した平面部18は、プレス加工によって容易に形成することが可能であり、製造コストが大きく上昇するといったこともない。
【0027】
バーリング部12は、分断部12bを介して左右2つの部分12aに分割されているため、プレス加工により、このバーリング部12の形成も容易かつ適切に行なうことが可能である。本実施形態とは異なり、バーリング部12を分断部12bが設けられていない筒状に形成する場合には、バーリング部12に歪みを生じ易く、その形態を所望の形態に仕上げることは難しい。バーリング部12が楕円状の場合には、円形状の場合よりも、より難しくなり、いわゆる倒れなどの大きな歪みを生じ易くなるが、本実施形態によれば、そのような不具合を解消することが可能である。
【0028】
加えて、平面部18は、切欠き凹部17を介して左右2つの部分18aに分割されているため、基端側開口周縁部16にプレス加工を施して平面部18を形成する場合に、前記
した段差Laを大きくし、平面部18を比較的広い面積で、かつ歪みなどが少ない精度の良い平面状態に仕上げることも容易化される。
【0029】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る熱交換器、および熱交換器用のフィンの各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
【0030】
上述の実施形態では、フィン1のバーリング孔11の周縁部に、切欠き凹部17を上下2箇所設けているが、本発明はこれに限定されず、切欠き凹部17をそれ以上の数で設けた構成や、切欠き凹部17を1箇所のみ設けた構成とすることもできる。さらには、切欠き凹部17を設けることなく、バーリング部12を分断部12bが設けられていない筒状に形成するとともに、平面部18をその正面視においてリング状の形態に形成した構成とすることもできる。
フィンや伝熱管の材質がステンレスに限定されない他、伝熱管は楕円管以外のものにし得ることは既に述べたとおりである。バーリング孔11の形状やサイズは、伝熱管の形状やサイズなどに対応させて適宜変更すればよい。
本発明に係る熱交換器は、給湯装置の構成要素以外の用途に用いることが可能であり、その具体的な用途や使用の仕方は限定されない。したがって、伝熱管内に供給される流体や、伝熱管およびフィンに作用する熱媒体の具体的な種類なども限定されない。
【符号の説明】
【0031】
A 熱交換器
b 曲げ部
La 段差
1 フィン
10 フィン本体部
11 バーリング孔(孔)
12 バーリング部
12b 分断部
17 切欠き凹部
16 基端側開口周縁部(バーリング孔の)
18 平面部
2 伝熱管
図1
図2
図3
図4
図5
図6