(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。
図1は、カラオケ玩具10の構成を示す図である。カラオケ玩具10は、本体部11と複数の形象体21〜23を有する。本体部11は、ステージを模した厚板状に形成される。本体部11は、上面において、マイク玩具であるスタンドマイク12、固定部13、スピーカである音声出力部14を備える。スタンドマイク12は、固定部13に隣り合う前方側に配置される。固定部13には、いずれかの形象体21〜23が載置される。また、本体部11は、会話ボタン15、再生ボタン16及び停止・切替ボタン17を前方側に備える。
【0011】
会話ボタン15は、固定部13に載置された形象体21〜23の種類に応じて、予め記憶された会話データを再生させる機能を持つ。再生ボタン16は、選択された曲を再生させる機能を持つ。停止・切替ボタン17は、曲が停止中の場合は曲の選択を行い、曲が再生中の場合は曲を停止させる機能を持つ。
【0012】
図2は、固定部13から形象体21〜23を外した状態を示す図である。固定部13は、略円形の窪み状に形成され、底部に検出部18を備える。また、各形象体21〜23の底部には、QRコード(登録商標)等の二次元コード31が形成される。検出部18は、二次元コード31を読み取るためのカメラ等の撮像機能を備える。
【0013】
図3は、本体部11の構成を示す図である。本体部11は、制御部41、入力部42、記憶部43、検出部18、音声出力部14を備える。入力部42には、会話ボタン15、再生ボタン16、停止・切替ボタン17が含まれる。記憶部43は、音楽データテーブル51及び会話データテーブル52を予め記憶する。
【0014】
図4(a)は、記憶部43に記憶された音楽データテーブル51の構成を示す図である。音楽データテーブル51は、曲データ511及び識別情報512に対応して、歌声のみで伴奏がない歌唱データ(音声データ)513を記憶する。音楽データテーブル51に記憶される識別情報512は、形象体21〜23の各々と対応する。すなわち、本実施形態では、形象体21が識別情報512「A1」と、形象体22が識別情報512「A2」と、形象体23が識別情報512「A3」と対応する。
【0015】
また、歌唱データ513には、形象体21〜23の識別情報512が同じであっても、対応する曲データ511が異なる場合は、各曲データ511に対応して異なる歌のデータを記憶させておくことができる。例えば、識別情報512「A1」に対応する歌唱データ513は、曲データ511が曲「a1」である場合、歌「b1」が対応し、曲データ511が曲「a2」である場合、歌「b4」が対応する。
【0016】
図4(b)は、記憶部43に記憶された会話データテーブル52の構成を示す図である。会話データテーブル52は、識別情報521に対応して会話データ522を記憶する。なお、識別情報521には、音楽データテーブル51の識別情報512と同様に、形象体21〜23に対応した識別情報が記憶される。
【0017】
つぎにカラオケ玩具10の動作について説明する。まず、カラオケモードについて説明する。
図5は、カラオケ玩具10のタイミングチャートを示す図である。初期状態において、本体部11の固定部13には
図2のように、いずれの形象体21〜23も載置されておらず、曲の再生が行われていない。
【0018】
停止・切替ボタン17により曲データ511の曲「a1」が選曲されている場合において、使用者により再生ボタン16が押下されると、曲再生タイミングT1において、制御部41は、曲「a1」を再生する。また、曲再生タイミングT1で、制御部41は、音楽データテーブル51の曲データ511「a1」に対応する歌唱データ513の歌(音声)「b1」、「b2」、「b3」の再生を、曲「a1」の再生と同時に開始する。このとき、歌唱データ513の各歌「b1」、「b2」、「b3」は、本体部11の内部で再生(内部出力)される。
図2に示すように、固定部13に形象体21〜23が載置されず、検出部18が二次元コード31を検出しない場合、音声出力部14による外部出力Sb1,Sb2,Sb3は「OFF」状態のために音声の出力は行われない。よって、音声出力部14からは、曲「a1」のみが出力される。
【0019】
その後、タイミングT2で、
図1に示すように、形象体21が固定部13に載置されると、制御部41は、検出部18により形象体21の二次元コード31を検出し、載置された形象体21の識別情報512を判定する。
図1では、形象体21に形成された二次元コード31を検出させているため、制御部41は、識別情報512が「A1」であると判定する。
【0020】
制御部41は、検出された識別情報512が「A1」であることから、タイミングT2で、音楽データテーブル51において曲データ511「a1」及び識別情報512「A1」に対応する歌唱データ513の歌「b1」の外部出力Sb1を、「ON」に切り替える。よって、音声出力部14からは、曲「a1」とともに、形象体21に対応する歌「b1」が出力される。
【0021】
したがって、形象体21がスタンドマイク12を通して曲の途中から唄い出すような動作を演出することができる。
【0022】
また、タイミングT3において、
図2に示すように、形象体21が固定部13から取り外されると、検出部18が形象体21の二次元コード31を検出できなくなるため、制御部41は、歌「b1」の外部出力Sb1を、「OFF」に切り替える。よって、音声出力部14からは、歌を除いた曲「a1」が継続して再生される。
【0023】
したがって、形象体21がスタンドマイク12から離れると、唄うのを止めるような動作を演出することができる。
【0024】
本体部11は、他の形象体22,23が固定部13に載置された場合も、同様に動作することができる。例えば、形象体21とは別体の形象体22が固定部13に載置されると、制御部41は、検出部18により形象体22の二次元コード31を検出し、載置された形象体22の識別情報512が「A2」であると判定する。
【0025】
制御部41は、検出された識別情報512が「A2」であることから、タイミングT4で、音楽データテーブル51において曲データ511「a2」及び識別情報512「A2」に対応する歌唱データ513の歌「b2」の外部出力Sb2を、「ON」に切り替える。よって、音声出力部14からは、曲「a1」とともに、形象体22に対応する歌「b2」が出力される。
【0026】
したがって、曲の途中で、形象体22を他の形象体21と入れ替えると、唄い手が途中で交代したような動作を演出することができる。
【0027】
また、タイミングT5において、形象体22が固定部13から取り外されると、検出部18が形象体22の二次元コード31を検出できなくなるため、制御部41は、歌「b2」の外部出力Sb2を、「OFF」に切り替える。よって、音声出力部14からは、再度、歌を除いた曲「a1」が継続して再生される。
【0028】
さらに、本体部11は、他の形象体23が固定部13に載置された場合も、形象体21及び形象体22を載置した場合と同様に動作する。タイミングT6で、形象体23が固定部13に載置されると、制御部41は、識別情報512が「A3」であると判定して、曲データ511「a1」及び識別情報512「A3」に対応する歌「b3」の外部出力Sb3を、「ON」に切り替える。また、タイミングT7で、形象体23が固定部13から取り外されると、制御部41は、歌「b3」の外部出力Sb3を「OFF」に切り替える。よって、音声出力部14からは、再度、歌を除いた曲「a1」が継続して再生される。
【0029】
曲停止タイミングT8で、曲「a1」が最後まで再生される、又は、使用者により停止・切替ボタン17が押下されると、曲「a1」の再生は停止する。また、曲停止タイミングT8で、制御部41は、曲データ511「a1」に対応する全ての歌唱データ513「b1」、「b2」、「b3」の内部出力を曲「a1」と同時に停止する。
【0030】
つぎに、おしゃべりモードについて説明する。初期状態において、本体部11の固定部13には、
図2のようにいずれの形象体21〜23も載置されておらず、曲の再生も行われていない。曲の再生が行われていない状態において、使用者が
図1のように形象体21を固定部13に載置して会話ボタン15を押下すると、制御部41は、おしゃべりモードを開始する。
【0031】
まず、制御部41は、検出部18により形象体21の二次元コード31を検出して、形象体21の識別情報を判定する。制御部41は、判定した識別情報が会話データテーブル52に記憶された識別情報521と一致する場合、その識別情報521と対応する会話データ522を読み出して、音声出力部14から出力させる。例えば、判定した識別情報が形象体21の識別情報521「A1」である場合、制御部41は、会話データ522「c1」を読み出して、音声出力部14から出力させる。
【0032】
したがって、形象体21がステージに立ち、スタンドマイク12を介しておしゃべりするような動作を演出することができる。
【0033】
なお、会話データ522は、一つの識別情報521に対して複数備えてもよい。この場合、制御部41は、会話ボタン15が押下される度に異なる会話データ522をランダムに又は順番に音声出力部14から再生することができる。
【0034】
以上、本実施形態のカラオケ玩具10によると、形象体21〜23をステージを模した本体部11の上に立たせることで、形象体21〜23に再生中の曲にあわせた歌を唄わせることができる。また、形象体21〜23を置き換えると、歌の唄い手を交代させることができ、演奏中の曲にあわせて曲の続きから次の唄い手であるいずれかの形象体21〜23に唄わせることができる。
【0035】
また、唄い手を切り替える際に、音声出力部14からの外部出力を「ON」又は「OFF」に切り替えることによって、続きから唄わせる構成としたため、唄い出し位置を探す処理が必要なく、制御部41に対する処理負荷を低減させることができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は実施形態によって限定されることはなく、種々の形態で実施することができる。例えば、記憶部43は、歌唱データ513とともに、曲データ511及び識別情報512に対応した、伴奏データをさらに備えてもよい。伴奏データとしては、曲に合わせた楽器等の演奏パートを予め記憶することができる。例えば、形象体のひとつを固定部13に載置させると、制御部41は、その形象体に対応した伴奏を、選択された曲とともに再生させる。よって、形象体による歌唱の他に、曲にあわせた合奏を演出することができる。このように、カラオケ玩具10は、形象体に対応する音声である歌や伴奏を、記憶部43に記憶させておき、曲の進行位置に応じて出力することができる。また、歌唱データ513は、歌とともに伴奏を伴ったデータとしてもよい。
【0037】
また、固定部13及び検出部18は、複数備えてもよい。この場合、例えば、複数の固定部13に異なる形象体21〜23をそれぞれ載置させると、各形象体21〜23に対応する複数の歌唱データ513に記憶される歌を、再生中の曲にあわせて出力させることができる。よって、複数の形象体21〜23による重唱や斉唱といった様々な歌唱形態を演出することができる。また、音楽データテーブル51が上述した伴奏データを予め備えることにより、複数の形象体21〜23によって歌と演奏とを組み合わせて出力させることもできる。
【0038】
また、本実施形態では二次元コード31を用いた場合について説明したが、形象体21〜23は、二次元コード31の代わりに、バーコード等の一次元コードや、カラーバーコードを形成してもよい。
【0039】
また、形象体21〜23は、それぞれ位置や数の異なる凹凸部を識別情報として備えてもよい。この場合、検出部18は、その凹凸部の位置や数を検出するスイッチや近接センサとすることができる。また、形象体21〜23は、内部にRFID(Radio Frequency IDentification)を備えており、検出部18がそのRFIDの識別情報を読み取る構成としてもよい。
【0040】
また、本体部11は、曲や歌等を出力する際の音量を、多段階又は無段階に可変するボリューム調整部を備えてもよい。制御部41は、曲再生タイミングT1で外部出力される曲や、タイミングT2,T4,T6で外部出力が「ON」に切り替えられた歌を、予め調節した音量で出力することができる。
【0041】
また、本体部11は、内部出力されている歌唱データ513を外部出力に切り替える方法として、音声出力部14の前段に音声合成部を備えて、その音声合成部に対して内部出力される曲及び各歌を個別に入力させてもよい。例えば、音声合成部は、入力された曲及び各歌のON又はOFFを、制御部41が判定した識別情報512に応じて個別に制御することができる。