特許第6792920号(P6792920)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6792920
(24)【登録日】2020年11月11日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】電源コンセント
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/633 20060101AFI20201119BHJP
   H01R 13/193 20060101ALI20201119BHJP
   H01R 13/20 20060101ALI20201119BHJP
   H01R 25/00 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   H01R13/633
   H01R13/193
   H01R13/20 A
   H01R25/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-66289(P2020-66289)
(22)【出願日】2020年3月13日
【審査請求日】2020年3月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520116148
【氏名又は名称】泊 玲菜
(72)【発明者】
【氏名】泊 玲菜
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−021109(JP,A)
【文献】 特開2009−032402(JP,A)
【文献】 実開平01−174885(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0197156(US,A1)
【文献】 米国特許第5551884(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/633
H01R 13/193
H01R 13/20
H01R 25/00 − 31/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略中空状のケース部と、前記ケース部内に配設した端子部と、前記端子部と協働すると共に前記ケース部から一部露出した刃受移動部と、で本体部を構成する電源コンセントであって、
前記端子部は、電源プラグの栓刃を挟持・開放自在とする導通挟持片を対向配置した挟持機構を備え、
前記刃受移動部は、前記栓刃を挿抜自在とする栓刃差込孔を形成すると共に前記刃受移動部を上下動自在に構成した移動機構を備え、
前記栓刃を前記栓刃差込孔に差し込む際、前記電源プラグと共に前記刃受移動部を押下すると前記挟持機構により前記導通挟持片が前記栓刃を挟持し、
前記栓刃を前記栓刃差込孔から抜き取る際、前記電源プラグと共に前記刃受移動部を更に押下すると前記挟持機構により前記導通挟持片が前記栓刃を開放するよう構成したことを特徴とする電源コンセント。
【請求項2】
前記刃受移動部は、上部に前記栓刃差込孔を形成すると共に下方開口の中空状に形成し、前記挟持機構は、前記刃受移動部の下方において前記刃受移動部により略囲繞するよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の電源コンセント。
【請求項3】
前記移動機構は、前記刃受移動部と、前記刃受移動部の下方に配設され前記刃受移動部に略係合する回転体と、前記刃受移動部と前記回転体とを略囲繞する前記ケース部に形成した移動規制部と、前記回転体を上方に向けて付勢する付勢部と、でオルタネイト機構を構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の電源コンセント。
【請求項4】
前記端子部は、前記導通挟持片を立設した固定端子台と、前記導通挟持片を立設した移動端子台と、帯状の薄板バネと、からなり、前記移動端子台は前記固定端子台に向けて進退自在に構成すると共に、前記薄板バネの一方の端部を前記刃受移動部の上部裏面に略固定し他方の端部を前記移動端子台に固定することで前記刃受移動部の上下動に協働して前記移動端子台が移動するよう構成した前記挟持機構を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電源コンセント。
【請求項5】
前記刃受移動部の外周面と近接して囲繞する前記ケース部の周側面は、少なくとも前記ケース部の上面とは異なる色彩で形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電源コンセント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源プラグを電源コンセントから抜き取りやすくした電源コンセントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電源コンセント(テーブルタップ等を含む)は、電源プラグが意図せず電源コンセントから抜けないような構造をしている。電源コンセント内部にある通電金具には、電源プラグの下端部にある穴に引っ掛ける釣鐘状の引っ掛けがあり、その構造が電源プラグを抜きにくくする仕組みとなっている。
【0003】
しかし、上記の構造では、電源プラグを外したいとき、力を入れて電源コンセントから外さないといけないので、高齢者や女性など力が弱い人にとって外しづらく、非常に不便なものだった。
【0004】
また、上記の通電金具において何度か電源プラグを抜き差しすることで、釣鐘状の引っ掛けが消耗してしまう。現状では、引き抜きやすい電源プラグの開発は多数開発されているが、電源コンセントに電源プラグが外しやすくなる構造を施してある技術はごく少数であった。
【0005】
特許文献1に記載されている技術では、電源コンセントなどに関しプラグ受口に差し込まれた電源プラグを押し釦の押下によって容易に抜き取る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平1−124678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
確かに、特許文献1に記載された技術は、電源コンセントなどに差し込まれた電源プラグが押し釦を押圧することでバネなどの伝達機構が働くので有効な技術である。
【0008】
しかしながら、固定された通電金具に強固に挟持された電源コンセントの栓刃を通電金具から解放するには押し釦を強く押圧しなければならず、特に垂直な壁面に設置された電源コンセントから電源プラグを抜去する際に押す力を伝達し難いという問題を有していた。
【0009】
また、電源コンセントに押し釦等の伝達機構を配設する必要があるため電源コンセントの小型化にも限界があった。
【0010】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、電源コンセントに対して電源プラグの押下操作だけで電源プラグを電源コンセントから抜去し易くした電源コンセントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上のような目的を達成するために、本発明は以下のようなものを提供する。
【0012】
請求項1に係る発明では、略中空状のケース部と、前記ケース部内に配設した端子部と、前記端子部と協働すると共に前記ケース部から一部露出した刃受移動部と、で本体部を構成する電源コンセントであって、前記端子部は、電源プラグの栓刃を挟持・開放自在とする導通挟持片を対向配置した挟持機構を備え、前記刃受移動部は、前記栓刃を挿抜自在とする栓刃差込孔を形成すると共に前記刃受移動部を上下動自在に構成した移動機構を備え、前記栓刃を前記栓刃差込孔に差し込む際、前記電源プラグと共に前記刃受移動部を押下すると前記挟持機構により前記導通挟持片が前記栓刃を挟持し、前記栓刃を前記栓刃差込孔から抜き取る際、前記電源プラグと共に前記刃受移動部を更に押下すると前記挟持機構により前記導通挟持片が前記栓刃を開放するよう構成したことを特徴とする電源コンセントを提供せんとする。
【0013】
請求項2に係る発明では、前記刃受移動部は、上部に前記栓刃差込孔を形成すると共に下方開口の中空状に形成し、前記挟持機構は、前記刃受移動部の下方において前記刃受移動部により略囲繞するよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の電源コンセントを提供せんとする。
【0014】
請求項3に係る発明では、前記移動機構は、前記刃受移動部と、前記刃受移動部の下方に配設され前記刃受移動部に略係合する回転体と、前記刃受移動部と前記回転体とを略囲繞する前記ケース部に形成した移動規制部と、前記回転体を上方に向けて付勢する付勢部と、でオルタネイト機構を構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の電源コンセントを提供せんとする。
【0015】
請求項4に係る発明では、前記端子部は、前記導通挟持片を立設した固定端子台と、前記導通挟持片を立設した移動端子台と、帯状の薄板バネと、からなり、前記移動端子台は前記固定端子台に向けて進退自在に構成すると共に、前記薄板バネの一方の端部を前記刃受移動部の上部裏面に略固定し他方の端部を前記移動端子台に固定することで前記刃受移動部の上下動に協働して前記移動端子台が移動するよう構成した前記挟持機構を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電源コンセントを提供せんとする。
【0016】
請求項5に係る発明では、前記刃受移動部の外周面と近接して囲繞する前記ケース部の周側面は、少なくとも前記ケース部の上面とは異なる色彩で形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電源コンセントを提供せんとする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、略中空状のケース部と、ケース部内に配設した端子部と、端子部と協働すると共にケース部から一部露出した刃受移動部と、で本体部を構成する電源コンセントであって、端子部は、電源プラグの栓刃を挟持・開放自在とする導通挟持片を対向配置した挟持機構を備え、刃受移動部は、栓刃を挿抜自在とする栓刃差込孔を形成すると共に刃受移動部を上下動自在に構成した移動機構を備え、栓刃を栓刃差込孔に差し込む際、電源プラグと共に刃受移動部を押下すると挟持機構により導通挟持片が栓刃を挟持し、栓刃を栓刃差込孔から抜き取る際、電源プラグと共に刃受移動部を更に押下すると挟持機構により導通挟持片が栓刃を開放するよう構成したことより、電源コンセントに対して電源プラグの押下操作だけで電源プラグを電源コンセントから容易に抜去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(a)は本実施形態に係る電源コンセントの刃受移動部の斜視説明図で、(b)は収納部に形成された移動規制部を説明する斜視説明図で、(c)は回転体の斜視説明図で、(d)は他の回転体を示す斜視説明図である。
図2】(a)は本実施形態に係る移動機構の刃受移動部が上方に位置する状態を示す正面透視説明図で、(b)は(a)の内部の状態を示す簡易透視説明図である。
図3】(a)は本実施形態に係る移動機構の刃受移動部が下方に位置する状態を示す正面透視説明図で、(b)は(a)の内部の状態を示す簡易透視説明図である。
図4】(a)は本実施形態に係る移動機構の刃受移動部を更に押下した状態を示す正面透視説明図で、(b)は(a)の内部の状態を示す簡易透視説明図である。
図5】(a)は本実施形態に係る移動機構の付勢部と端子部の位置関係を示す説明図で、(b)は(a)の他の付勢部を示す説明図である。
図6】(a)は本実施形態に係る挟持機構の移動端子台の簡易断面図で、(b)は移動端子台の動きを示す簡易説明図である。
図7】(a)、(b)は本実施形態に係る電源コンセントの他の例を示す斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る電源コンセントの要旨は、略中空状のケース部と、ケース部内に配設した端子部と、端子部と協働すると共にケース部から一部露出した刃受移動部と、で本体部を構成する電源コンセントであって、端子部は、電源プラグの栓刃を挟持・開放自在とする導通挟持片を対向配置した挟持機構を備え、刃受移動部は、栓刃を挿抜自在とする栓刃差込孔を形成すると共に刃受移動部を上下動自在に構成した移動機構を備え、栓刃を栓刃差込孔に差し込む際、電源プラグと共に刃受移動部を押下すると挟持機構により導通挟持片が栓刃を挟持し、栓刃を栓刃差込孔から抜き取る際、電源プラグと共に刃受移動部を更に押下すると挟持機構により導通挟持片が栓刃を開放するよう構成したことを特徴とする。すなわち、電源コンセントに対して電源プラグの押下操作だけで電源プラグを電源コンセントから容易に抜去することができる電源コンセントの提供を図ろうとするものである。
【0020】
以下、本発明に係る電源コンセントの一実施形態について図面を参照しながら説明する。また、本説明中において左右同一又は左右対称の構造や部品については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
【0021】
また、本説明中や図面中においては、電源プラグPの栓刃sと導通する端子部14や端子部14から外部に導通する配線等を適宜省略しているが、本発明に係る電源コンセント1が電源プラグPと通電状態に構成されることは言うまでもない。
【0022】
また、本発明におけるオルタネイト機構とは、刃受移動部24の押下操作毎に刃受移動部24の高さが交互に上下する機構と定義する。
【0023】
なお、本発明に係る電源コンセント1は、壁面等に設置されるものだけでなく、例えば、図7(a)に示すように本体部2の一部に栓刃sを突設したコンセントタップ100や図7(b)に示すように本体部2の一部から伸延させた電源ケーブルcの端部に電源プラグPを配設したテーブルタップ101等であってもよい。
【0024】
本発明の実施形態に係る電源コンセント1は、図1(a)〜(c)、図2(a)、(b)、図7(a)、(b)に示すように、略中空状のケース部3と、ケース部3内に配設した端子部14と、端子部14と協働すると共にケース部3から一部露出した刃受移動部24と、で本体部2を構成する電源コンセント1であって、端子部14は、電源プラグPの栓刃sを挟持・開放自在とする導通挟持片16を対向配置した挟持機構15を備え、刃受移動部24は、栓刃sを挿抜自在とする栓刃差込孔26を形成すると共に刃受移動部24を上下動自在に構成した移動機構23を備え、栓刃sを栓刃差込孔26に差し込む際、電源プラグPと共に刃受移動部24を押下すると挟持機構15により導通挟持片16が栓刃sを挟持し、栓刃sを栓刃差込孔26から抜き取る際、電源プラグPと共に刃受移動部24を更に押下すると挟持機構15により導通挟持片16が栓刃sを開放するよう構成している。
【0025】
また、移動機構23は、刃受移動部24と、刃受移動部24の下方に配設され刃受移動部24に略係合する回転体33と、刃受移動部24と回転体33と、を略囲繞するケース部3に形成した移動規制部5と、回転体33を上方に向けて付勢する付勢部39と、でオルタネイト機構を構成している。
【0026】
具体的には、刃受移動部24は、図1(a)に示すように、下方開口で略円筒状の中空状に形成した開口縁部に凹凸をなす山28と谷29を連続形成した刃受嵌合部27を有すると共に、上部25に矩形状の2つの栓刃差込孔26を穿設している。
【0027】
なお、本実施形態では刃受嵌合部27の山28と谷29を各々7つ形成している。
【0028】
刃受移動部24は、後述するケース部3に形成した収納部4内において上下動自在に構成しているが、収納部4内で回動せず、また、収納部4から上方に突出して脱落しないように略矩形ブロック状の回動規制部30を所定の厚みで周側面から外側に向けて突設している。
【0029】
なお、本実施形態では刃受移動部24の上部25を下部よりも小径に形成すると共に、ケース部3において収納部4の上方開口径を刃受移動部24の下部側が突出しない程度に形成することでも刃受移動部24の脱落防止を図っているが、刃受移動部24の回動や脱落の防止機構については本実施形態に限定されるものではない。
【0030】
また、回転体33は、図1(c)に示すように、刃受移動部24の直径と略同径に形成した上下開口の略円管状の回転本体34と、回転本体34の外周側面から外側に突出した回転凸部35と、で構成している。
【0031】
また、本実施形態では、回転凸部35は回転本体34の外周側面に等間隔で3箇所形成しており、回転凸部35は、回転本体34の下端から上方に伸延しつつ回転本体34の上端を越えて上方に突出した矩形ブロック状に形成し、突出したその上端部は回転本体34の厚みと同厚みで形成している。
【0032】
また、回転凸部35の上端部は、刃受移動部24に形成した刃受嵌合部27の傾斜と同角度の移動傾斜36を形成することで刃受嵌合部27と回転凸部35が略係合するよう形成している。
【0033】
また、本実施形態では、後述する付勢部39の上端と安定して当接するよう回転凸部35の下端周縁に幅広のフランジ38を形成している。
【0034】
なお、回転体33は、図1(d)に示すように、内周壁を上方に膨出して上部を閉塞した形状とした嵌合凸部37を備えた回転体33aであってもよい。
【0035】
ケース部3は、図1(b)に示すように、刃受移動部24と回転体33を内部に収納できるようケース部3の上部から下方中途部に向けて略円筒状に伸延する収納部4を形成すると共に、収納部4の内周側面から所定の厚みで内側に突出した移動規制部5を形成している。
【0036】
また、本実施形態では、移動規制部5は収納部4の内周側面に等間隔で3箇所形成しており、移動規制部5は、正面視で上辺を面一に水平に連接した2つの台形を結合した形状とし、下辺には移動傾斜36と同角度のスライド傾斜6とガイド傾斜7を形成しつつスライド傾斜6の上端とガイド傾斜7の下端を鉛直な規制壁8で連接している。
【0037】
また、移動規制部5の左右辺は鉛直に形成しており、隣接する移動規制部5の間隙を移動溝9として回転凸部35が上下摺動自在に略係合する程度の幅員で形成している。
【0038】
また、本実施形態では、移動規制部5の略中央部において収納部4内で刃受移動部24が回動せず上下移動可能なように、回動規制部30が上下摺動自在な略矩形箱状のガイド溝12を形成している。
【0039】
なお、ガイド溝12は、刃受移動部24に形成された回動規制部30の数だけ移動規制部5に形成され、また、ガイド溝12は、移動規制部5の上辺を越えるように上端を開放して形成しても良いが、その場合、収納部4から刃受移動部24が上方に脱落しないように、上述した収納部4の上方の開口径と刃受移動部24の下部の直径を考慮する等の脱落防止の構成を採用する。
【0040】
また、回転体33の直下には、図5(a)に示すように、回転体33を上方に向けて付勢する付勢部39として圧縮バネ40を1つ配設しており、圧縮バネ40は、回転本体34の直径に近似した直径で下端部をケース部3の下部に位置決めして載置し、上端部に回転本体34の下端面を当接載置している。
【0041】
圧縮バネ40は、後述する端子部14を囲繞するように配設されると共に、回転本体34が脱落しないように回転本体34にフランジ38を形成することや、回転本体34を厚く形成することや、回転本体34に脱落防止のガイドを設ける等することができる。
【0042】
なお、付勢部39は本実施形態に限定されず、例えば、図5(b)に示すように小型で小径の圧縮バネ41を複数配設する等、本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
【0043】
このように、上述した移動機構23は、電源プラグPの栓刃sを栓刃差込孔26に差し込む際、電源プラグPと共に刃受移動部24を押下すると刃受移動部24が下方に位置決めされ、栓刃sを栓刃差込孔26から抜き取る際、電源プラグPと共に刃受移動部24を更に押下すると刃受移動部24が上方の元の位置に戻る所謂オルタネイト機構を構成する。
【0044】
具体的には、電源コンセント1に電源プラグPを差し込む前、すなわち、刃受移動部24の上面がケース部3の上面と略面一の状態を示す図2(a)においては、刃受移動部24の刃受嵌合部27と回転体33の回転凸部35の移動傾斜36とが略係合しつつ回転凸部35が収納部4の移動溝9に位置した状態で上方に付勢している。
【0045】
この状態から電源プラグPの栓刃sを栓刃差込孔26に差し込むと、図3(a)に示すように、付勢部39に抗して刃受移動部24が押下され、回転体33も移動溝9内を下方に移動しながら回転凸部35の移動傾斜36が移動規制部5のスライド傾斜6まで到達することで、移動溝9から回転凸部35が脱落すると同時に移動傾斜36がスライド傾斜6に沿って左方に回転しつつ規制壁8と当接して停止する。
【0046】
すなわち、電源プラグPの差し込みにより刃受移動部24が下方に位置決めされ、刃受移動部24の上面がケース部3の上面よりも下方に位置する状態となる。
【0047】
従って、本実施形態に係る電源コンセント1では、刃受移動部24の外周面と近接して囲繞するケース部3の周側面は、少なくともケース部3の上面とは異なる色彩で形成することで刃受移動部24が押下状態であるか否かを認識し易くなる。
【0048】
また、この状態から栓刃sを栓刃差込孔26から抜き取る際、電源プラグPと共に刃受移動部24を更に押下すると、図4(a)に示すように、規制壁8により停止していた回転凸部35は移動傾斜36と刃受嵌合部27とが略係合しつつ回転体33が下方に移動しながら移動傾斜36がガイド傾斜7まで到達することで、移動傾斜36がガイド傾斜7に沿って移動溝9まで左方に回転して移動する。
【0049】
その後、付勢部39により回転凸部35が移動溝9の上方に向かって上昇する。すなわち、回転体33と刃受移動部24は、図2(a)に示すように、電源コンセント1に電源プラグPを差し込む前の状態に戻ることになる。
【0050】
次に、本実施形態に係る挟持機構15の構成について具体的に詳述する。
【0051】
端子部14は、図6(b)に示すように、電源プラグPの栓刃sを挟持・開放自在とする導通挟持片16を対向配置した挟持機構15を備えている。
【0052】
具体的には、端子部14は、導通挟持片16aを立設した固定端子台18と、導通挟持片16bを立設した移動端子台19と、帯状の薄板バネ20と、からなり、移動端子台19は固定端子台18に向けて進退自在に構成すると共に、薄板バネ20の一方の端部を刃受移動部24の上部25裏面に略固定し、他方の端部を移動端子台19に固定することで刃受移動部24の上下動と協働して移動端子台19が移動する挟持機構15を構成する。
【0053】
なお、内周壁を上方に膨出して上部を閉塞した形状とした嵌合凸部37を備えた上述の回転体33aを用いる場合は、薄板バネ20の一方の端部は回転体33aの上部裏面に略固定すればよい。
【0054】
対向する導通挟持片16a,16bは、各々上部を外側に傾斜を設けて屈曲させた矩形板状の金属材料で形成し、移動端子台19に立設した導通挟持片16bには、電源プラグPの栓刃sの先端部近傍に穿設された抜け止め用の孔と係合する凸部17を内側に向けて突設している。
【0055】
凸部17は、上部を略直角とし下方に傾斜した正面視略直角三角形状に形成しており、このように形成することで、電源コンセント1から電源プラグPを抜去する際、電源プラグPと共に刃受移動部24を押下せず、一般的な電源コンセントのようにそのまま電源プラグPを引き抜いても栓刃sの抜け止め用の孔から凸部17が外れやすいため端子部14に負荷を与えることがない。
【0056】
また、凸部17は、上述の形状とは逆に、下部を略直角とし上方に傾斜した正面視略直角三角形状に形成してもよく、このように形成することで、電源コンセント1から電源プラグPを抜去する際、電源プラグPと共に刃受移動部24を押下せず、一般的な電源コンセントのようにそのまま電源プラグPを引き抜いても栓刃sの抜け止め用の孔に凸部17が強く係合し外れないようにして正しい使用方法を守らせることもできる。
【0057】
なお、凸部17の形状は本実施形態に限定されず、半円球状であったり等、種々の変形・変更が可能である。
【0058】
固定端子台18と移動端子台19は、図2(b)や図5(a)に示すように、ケース部3の下部側から上方に突設した基台部10の上面に配設し、固定端子台18は基台部10に固定され、移動端子台19は図6(a)に示すように、断面視逆T字状に形成して基台部10に形成した同じく断面視逆T字状の空間11内に前後摺動自在に配設している。
【0059】
また、薄板バネ20は、図2(b)に示すように、刃受移動部24や回転体33の周面側に湾曲するよう配設することで、上述した挟持機構15の全体が刃受移動部24の下方において刃受移動部24によりコンパクトに略囲繞される。
【0060】
このように構成した挟持機構15は、刃受移動部24が上方に位置すれば、薄板バネ20が移動端子台19を固定端子台18に向けて押し出すことはなく対向する導通挟持片16a,16bは所定の間隙を保持し、刃受移動部24が下方に位置すれば、薄板バネ20が移動端子台19を固定端子台18に向けて押し出して、対向する導通挟持片16a,16bが栓刃sを挟持可能に近接する。
【0061】
従って、上述した移動機構23と協働する挟持機構15は、電源プラグPの栓刃sを栓刃差込孔26に差し込む際、電源プラグPと共に刃受移動部24を押下すると刃受移動部24が下方に位置決めされると共に導通挟持片16a,16bが栓刃sを挟持し、栓刃sを栓刃差込孔26から抜き取る際、電源プラグPと共に刃受移動部24を更に押下すると刃受移動部24が上方の元の位置に戻ると共に導通挟持片16a,16bが栓刃sを開放する。
【0062】
具体的には、電源コンセント1に電源プラグPを差し込む前、すなわち、刃受移動部24の上面がケース部3の上面と略面一の状態を示す図2(b)においては、対向する導通挟持片16a,16bは離反しており、この状態から電源プラグPの栓刃sを栓刃差込孔26に差し込むと、図3(b)に示すように、刃受移動部24が押下され、対向する導通挟持片16a,16bが栓刃sを挟持したまま保持する。
【0063】
また、この状態から栓刃sを栓刃差込孔26から抜き取る際、電源プラグPと共に刃受移動部24を更に押下すると、図4(b)に示すように、移動機構23が動作して刃受移動部24が上昇し、その後、図2(b)に示すように、対向する導通挟持片16a,16bが栓刃sを開放して電源コンセント1に電源プラグPを差し込む前の状態に戻ることになる。
【0064】
なお、挟持機構15の構成は本実施形態に限定されず、また、挟持機構15を構成する薄板バネ20や導通挟持片16の形状や、移動端子台19の摺動構造についても本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。
【0065】
以上、説明したように本実施形態に係る電源コンセント1は構成しており、略中空状のケース部3と、ケース部3内に配設した端子部14と、端子部14と協働すると共にケース部3から一部露出した刃受移動部24と、で本体部2を構成する電源コンセント1であって、端子部14は、電源プラグPの栓刃sを挟持・開放自在とする導通挟持片16を対向配置した挟持機構15を備え、刃受移動部24は、栓刃sを挿抜自在とする栓刃差込孔26を形成すると共に刃受移動部24を上下動自在に構成した移動機構23を備え、栓刃sを栓刃差込孔26に差し込む際、電源プラグPと共に刃受移動部24を押下すると挟持機構15により導通挟持片16が栓刃sを挟持し、栓刃sを栓刃差込孔26から抜き取る際、電源プラグPと共に刃受移動部24を更に押下すると挟持機構15により導通挟持片16が栓刃sを開放するよう構成したことより、電源コンセント1に対して電源プラグPの押下操作だけで電源プラグPを電源コンセント1から容易に抜去することができる。
【0066】
また、刃受移動部24は、上部に栓刃差込孔26を形成すると共に下方開口の中空状に形成し、挟持機構15は、刃受移動部24の下方において刃受移動部24により略囲繞するよう構成したことより、本体部2をコンパクトに形成することができる。
【0067】
また、移動機構23は、刃受移動部24と、刃受移動部24の下方に配設され刃受移動部24に略係合する回転体33と、刃受移動部24と回転体33とを略囲繞するケース部3に形成した移動規制部5と、回転体33を上方に向けて付勢する付勢部39と、でオルタネイト機構を構成したことより、部品点数が少ないシンプルな構成でありながら電源コンセント1に対して電源プラグPの押下操作だけで電源プラグPを電源コンセント1から容易に抜去することができる。
【0068】
更に、端子部14は、導通挟持片16を立設した固定端子台18と、導通挟持片16を立設した移動端子台19と、帯状の薄板バネ20と、からなり、移動端子台19は固定端子台18に向けて進退自在に構成すると共に、薄板バネ20の一方の端部を刃受移動部24の上部25裏面に略固定し他方の端部を移動端子台19に固定することで刃受移動部24の上下動に協働して移動端子台19が移動するよう構成した挟持機構15を備えることより、部品点数が少ないシンプルな構成でありながら電源プラグPの栓刃sを容易に挟持・開放することができる。
【0069】
しかも、刃受移動部24の外周面と近接して囲繞するケース部3の周側面は、少なくともケース部3の上面とは異なる色彩で形成したことより、刃受移動部24が押下状態であるか否か、すなわち、電源プラグPに電気が通電しているか否かを容易に認識することができる。
【0070】
以上、本発明の本実施形態に係る電源コンセント1の好ましい実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
s 栓刃
P 電源プラグ
1 電源コンセント
2 本体部
3 ケース部
5 移動規制部
10 手指刺激部
14 端子部
15 挟持機構
16 導通挟持片
18 固定端子台
19 移動端子台
20 薄板バネ
23 移動機構
24 刃受移動部
26 栓刃差込孔
33 回転体
39 付勢部
【要約】
【課題】電源コンセントに対して電源プラグの押下操作だけで電源プラグを電源コンセントから抜去し易くした電源コンセントを提供する。
【解決手段】本発明に係る電源コンセント1は、ケース部3と、端子部14と、端子部14と協働する刃受移動部24と、で本体部2を構成する電源コンセント1であって、端子部14は、電源プラグPの栓刃sを挟持・開放自在とする導通挟持片16を対向配置した挟持機構15を備え、刃受移動部24は、栓刃sを挿抜自在とする栓刃差込孔26を形成すると共に刃受移動部24を上下動自在に構成した移動機構23を備え、栓刃sを栓刃差込孔26に差し込む際、電源プラグPと共に刃受移動部24を押下すると挟持機構15により導通挟持片16が栓刃sを挟持し、栓刃sを栓刃差込孔26から抜き取る際、電源プラグPと共に刃受移動部24を更に押下すると挟持機構15により導通挟持片16が栓刃sを開放するよう構成したことを特徴とする。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7