【実施例】
【0029】
(実施例1)
上記美容器の実施例について、
図1〜
図8を用いて説明する。
図1及び
図5に示すように、美容器1は、一対の軸部2を有するハンドル3と、一対のローラー4と、付勢手段5としてのばね部材51とを有している。一対のローラー4は、それぞれ軸部2に配設されると共に、軸部2の軸線A(
図3及び
図4参照)を中心に回転可能に支持されている。また、一対のローラー4は、
図4に示す互いの間隔dを変更可能に構成されている。ばね部材51は、一対のローラー4の間隔dを自然状態に戻すための付勢力を発生させることができるよう構成されている。また、美容器1は、
図8に示すように、一対のローラー4の間隔dの上限を規制する開閉規制手段としての規制プレート71及び規制ピン72を有している。
【0030】
図1及び
図2に示すように、美容器1は略U字状を呈するハンドル3を有している。ハンドル3の二股に分かれた先端には、一対のローラー4が互いに並んで配置されている。一対のローラー4は、それぞれ、ハンドル3の先端に設けられた軸部2を介して、ハンドル3に回転可能に支持されている。また、
図3に示すように、美容器1は、一対のローラー4の並び方向から見て略弧状を呈するように湾曲している。
【0031】
以下において、一対のローラー4の並び方向を「側方方向」、ローラー4とハンドル3との並び方向を「前後方向」ということがある。また、前後方向におけるローラー4側を「前方」といい、ハンドル3側を「後方」ということがある。また、美容器1を側方方向から見た時の略弧状形状における、凸形状側を「上方」といい、凹形状側を「下方」ということがある。これらの方向に関する記載は便宜上のものであり、美容器1を使用する際の実際の方向とは何ら関係がない。
【0032】
図1〜
図4に示すように、ハンドル3は、軸部2を支持する軸支持部31が、それよりも後方の把持部32の長手方向に対して斜め下方を向くように屈曲されている。つまり、
図2に示す上面視及び
図4に示す前面視において、ハンドル3の軸支持部31は、前方へ向かうにつれて側方方向における外側へ広がっている。また、便宜上図示しないが、軸支持部31にそれぞれ支持された軸部2は、軸支持部31とともに、前方へ向かうにつれて外側に広がるように延設されている。これにより、一対の軸部2は、自然状態において、ハンドル3側の基部から先端側(前方)へ向かうにつれて一対の軸線Aの間隔が広がる拡開状態となるよう配置されている。なお、本例の美容器1における一対の軸線Aのなす角θ(
図4参照)は70°である。一対の軸線Aのなす角θは、40〜120°の間で適宜設定することができ、50〜90°の範囲であることがより好ましい。
【0033】
また、
図3に示す側面視において、ハンドル3の軸支持部31は、把持部32の長手方向に対して斜め下方を向いている。そして、軸支持部31にそれぞれ配設された軸部2は、軸支持部31とともに斜め下方へ向けて延設されている(図示略)。そのため、ハンドル3の把持部32は、一対の軸線Aを含む平面Pに対して傾いている。
【0034】
図2及び
図3に示すように、軸部2を介してハンドル3に支持されるローラー4は、多数の三角形より構成される多面体であり、略球体状を呈している。ハンドル3とローラー4との間には、図示しないパッキンが設けられており、ハンドル3とローラー4との間から水分等が浸入することを防止できるよう構成されている。また、ローラー4の表面にはチタンめっきが施されており、電気伝導性を有している。ローラー4の表面は、後述する太陽電池パネル6と電気的に接続されている。なお、本例の美容器1は、自然状態における一対のローラー4の間隔d(
図4参照)が10mmとなるように構成されている。また、本例のローラー4は、軸線Aに垂直な断面における直径を、15〜60mmの範囲から適宜選択することができる。
【0035】
また、
図2、
図5〜
図6及び
図8に示すように、ハンドル3の後方には、ばね部材51及び開閉規制手段が設けられている。ばね部材51及び開閉規制手段の詳細については、後述する。
【0036】
図1、
図2及び
図5に示すように、ハンドル3は、軸部2をそれぞれ支持する一対のサブハンドル部33と、一対のサブハンドル部33を開閉可能に連結する連結部34とを有している。
図1及び
図2に示すように、連結部34は、ハンドル3の後方、つまりローラー4と反対側の端部に配置されている。そして、サブハンドル部33は連結部34から前方へ向けて延設されており、側方方向に互いに並んで配置されている。このように、本例の美容器1は、一対の軸部2と連結部34とが、サブハンドル部33における互いに反対側の端部に設けられている。
【0037】
サブハンドル部33は、
図2に示すように略棒状を呈すると共に、構造的に剛性が高くなるよう、前後方向に垂直な断面が略楕円状を呈している。
【0038】
また、
図5に示すように、サブハンドル部33は、前後方向の全体にわたって延設されるベース部331と、ばね部材51を収容する下側ばね収容部332及び上側ばね収容部333と、上側ばね収容部333を覆うケース部334とを有している。下側ばね収容部332、上側ばね収容部333及びケース部334は、サブハンドル部33の後半部に配置されている。また、
図5及び
図7に示すように、下側ばね収容部332、上側ばね収容部333及びケース部334は、前後方向の両端において、ねじ335によりベース部331と締結されている。
【0039】
ベース部331は、電気絶縁性の樹脂より形成されている。また、
図2及び
図5に示すように、ベース部331は、ケース部334とハンドル3の軸支持部31との間に太陽電池パネル6を有している。太陽電池パネル6は、図示しないパッキンにより、ベース部331との間の隙間からの水分等の浸入を防止できるように組み付けられている。また、図には示さないが、同一のサブハンドル部33に設けられた太陽電池パネル6、ローラー4及びケース部334は互いに電気的に接続されている。そして、後述するように、太陽電池パネル6の起電力により、ローラー4と接触する人体肌に電流を流すことができるよう構成されている。
【0040】
上側ばね収容部333及び下側ばね収容部332は、電気絶縁性の樹脂より形成されている。
図6に示すように、上側ばね収容部333及び下側ばね収容部332は、互いに組み合わされた状態において、両者の間にばね部材51を収容するためのばね収容空間35が形成されるよう構成されている。
図2及び
図6に示すように、ばね収容空間35は、ハンドル3の開閉動作を行う際にばね部材51が大きな遊びがなく変形するように、ばね部材51のサイズに対応した寸法に形成されている。また、
図7に示すように、ばね収容空間35の後端部351は、後述する連結部34における筒状部材341の筒内空間342に連通している。これにより、ばね部材51は、
図2に示すように、連結部34を通過して一対のサブハンドル部33まで延設されている。
【0041】
ケース部334は、ABS樹脂より構成されている。また、ケース部334の表面にはクロムめっきが施されており、表面が電気伝導性を有している。そして、ケース部334の表面は、太陽電池パネル6と電気的に接続されている。
【0042】
図5及び
図6に示すように、一対のサブハンドル部33を連結する連結部34は、筒状部材341と、規制プレート71と、規制ピン72とを有している。規制プレート71及び規制ピン72は、一対のサブハンドル部33を連結する連結部34としての機能と、一対のローラー4の間隔dの上限を規制する開閉規制手段としての機能との双方の機能を有している。
【0043】
筒状部材341はエラストマーより構成されており、
図5及び
図7に示すように側方方向の両端に開口端部343を有している。各々の開口端部343にはサブハンドル部33の後端が挿入されている。また、筒状部材341の筒内空間342は、サブハンドル部33に組み付けられた状態において、ばね収容空間35と連通している。
【0044】
規制プレート71は、ハンドル3の後方端部における略U字形状に沿って配置されている。
図2及び
図8に示すように、規制プレート71は、筒状部材341内を通過する基部712と、基部712から各々のサブハンドル部33に向けて延設された腕部713とを有する金属板より構成されている。
図8に示すように、腕部713は、略四角形状のピン挿通穴711を前方端部に有すると共に、ピン挿通穴711よりも基部712側(後方)にボス挿通穴714を有している。
【0045】
図6及び
図8に示すように、ピン挿通穴711には、金属より構成された規制ピン72が貫通して配置されている。
図6に示すように、規制ピン72は、ピン挿通穴711よりも小さい外径を有する円柱状に形成されている。また、規制ピン72は、上下方向の端部がベース部331及びケース部334に固定されている。そのため、規制ピン72の位置は、ハンドル3の開閉動作に伴い、ピン挿通穴711の開口している範囲を限度として変更される(
図8、矢印101)。
【0046】
また、
図7に示すように、ボス挿通穴714には、ケース部334に立設されたボス336が挿入されている。そのため、規制プレート71は、ボス336に対して一定の位置に保持される。また、ハンドル3を開閉する際に、サブハンドル部33がボス336を中心として回動する(
図8、矢印102)。
【0047】
ばね部材51は、
図2及び
図5〜
図7に示すように、略U字状に屈曲された金属棒より構成されており、サブハンドル部33のばね収容空間35と、筒状部材341の筒内空間342との双方を通過するように配置されている。また、ばね部材51は、ハンドル3の開閉動作に伴って変形し、ばね部材51が変形した状態においては、自然状態に戻る方向に付勢され、ばね収容空間35の壁面を押圧する。これにより、ばね部材51の付勢力は、サブハンドル部33を介して一対のローラー4に伝達される。
【0048】
次に、本例の美容器1の開閉規制手段の動作について、美容器1の使用方法と共に説明する。美容器1を使用する際、使用者は、サブハンドル部33のケース部334を手のひらに接触させつつ、太陽電池パネル6に光が入射するようにして把持部32を把持する。そして、
図3に示すように、把持部32が肌面8に沿うようにして一対のローラー4を肌面8に押し当てる。このようにローラー4を押し当てることにより、一対の軸線Aを含む平面Pが肌面8に対して傾斜した状態となる。
【0049】
一対のローラー4を肌面8に当接させた状態から、一対のローラー4を押し当てる力をさらに強くすることにより、ばね部材51の付勢力に抗してハンドル3が開き(
図8、矢印102)、一対のローラー4の間隔dを押し広げることができる(
図4、矢印100)。本例の美容器1における一対の軸部2は、一対のローラー4の間隔dが自然状態から変更された状態及び自然状態のいずれの状態においても、ハンドル3側の基部から先端側へ向かうにつれて一対の軸線Aの間隔が広がる拡開状態を維持するよう構成されている。すなわち、本例の美容器1は、常に、拡開状態となるよう構成されている。
【0050】
このとき、規制プレート71及び規制ピン72は、以下のようにして開閉規制手段として機能する。サブハンドル部33の内部においては、ベース部331及びケース部334に固定された規制ピン72が、ハンドル3が自然状態から開く(
図8、矢印102)につれて側方方向の外方に移動する(
図8、矢印101)。そして、規制ピン72がピン挿通穴711の端縁に当接すると、それ以上ハンドル3を開くことができなくなる。
【0051】
本例の美容器1における規制プレート71及び規制ピン72は、サブハンドル部33を開閉させた際に、一対のローラー4の間隔dを1〜50mmの範囲内で変更できるように設計されている。一方、本例の美容器1は、ベース部331がABS樹脂より構成されている。そのため、一対のローラー4を肌面8に押し当てる力を大きくすることにより、サブハンドル部33を弾性変形させて一対のローラー4の間隔dを上記特定の範囲よりも広げることができる。本例の美容器1においては、実用上、サブハンドル部33を弾性変形させた場合における一対のローラー4の間隔dの最大値は65mmである。
【0052】
一対のローラー4を肌面8に当接させた状態において、美容器1をローラー4側からハンドル3側へ向かう方向へ移動させることにより、
図3及び
図4に示すように美容効果を得たい部分が一対のローラー4の間に巻き込まれ、肌面8が上記一対のローラー4により摘み上げられるように変形する。
【0053】
この時、美容器1を移動させると共に、ハンドル3を閉じる方向に力をかけることにより、一対のローラー4の間に挟みこまれた部分にかかる押圧力を大きくすることができる。
【0054】
また、ローラー4が肌面8と接触し、かつ、ハンドル3のケース部334が手のひらと接触している間は、太陽電池パネル6、ローラー4、ケース部334及び人体を含む閉回路が形成される。そのため、太陽電池パネル6の起電力により、ローラー4と接触する人体肌に電流を流すことができる。
【0055】
次に、本例の作用効果について説明する。
【0056】
美容器1は、互いの間隔dを変更可能に構成された一対のローラー4と、付勢手段5としてのばね部材51とを有している。そのため、美容器1は、顔や腕等の比較的起伏の大きい部分から腹部等の比較的起伏の小さい部分まで好適に使用することができるものとなる。
【0057】
また、美容器1は、一対のローラー4の間隔dが広がった状態においては、付勢手段5による付勢力が各々のローラー4に作用し、一対のローラー4が互いに近づく方向に付勢される。そのため、一対のローラー4に押圧される部分の肌の血行が促進されたり、新陳代謝を活性化するなどの効果が期待でき、ひいては肌を美しくする等の美容効果を期待できる。
【0058】
また、美容器1は、開閉規制手段としての規制プレート71及び規制ピン72を有している。そのため、美容器1は、一対のローラー4の間隔dが過度に広くなることを確実に防止でき、美容器1の破損を確実に防止できる。
【0059】
また、一対の軸部2は、常に、ハンドル3側の基部から先端側に向かうにつれて一対の軸線Aの間隔が広がる拡開状態となるよう配置されている。つまり、美容器1は、自然状態において上記拡開状態が実現されることにより、使用者にとってより扱い易いものとなる。また、一対のローラー4の間隔dが自然状態から変更された状態において上記拡開状態が実現されることにより、一対のローラー4の間に挟まれた部分において体感する押圧力を適度に大きくでき、より優れた美容効果を期待できる。
【0060】
また、ハンドル3は、軸部2をそれぞれ支持する一対のサブハンドル部33と、一対のサブハンドル部33を連結する連結部34とを有している。そして、一対の軸部2と連結部34とが、サブハンドル部33における互いに反対側の端部に設けられている。そのため、使用者は、サブハンドル部33の開閉の度合いを調節することにより、一対のローラー4の間隔dを変更し、美容効果を得たい部分に加わる押圧力を容易に調節することができる。その結果、美容器1の扱い易さをより向上させることができると共に、より優れた美容効果を期待できる。
【0061】
また、ハンドル3は、一対の軸線Aを含む平面Pに対して傾いている。さらに、本例においては、規制プレート71及び規制ピン72は、サブハンドル部33を開閉させた際に、一対のローラー4の間隔dを1〜50mmの範囲で変更できるように設計されている。一対のローラー4の間隔dを適切な範囲に保つことにより、上述した肌の摘み上げによる作用を確実に体感させることができる。その結果、より優れた美容効果を期待できる。
【0062】
また、ローラー4は、略球体形状を呈している。そのため、ローラー4による押圧力が集中し易くなり、使用者が体感する押圧力が十分に大きくなりやすい。また、一対のローラー4を肌に押し付けつつ回転させる動作をよりスムーズに行うことができ、美容器1の扱い易さをより向上させることができる。
【0063】
また、ハンドル3は太陽電池パネル6を有しており、太陽電池パネル6の起電力により、ローラー4と接触する人体肌に電流を流すことができるよう構成されている。そのため、美容器1の使用により、より優れた美容効果を期待できる。
【0064】
また、本例においては、同一のサブハンドル部33に設けられた太陽電池パネル6、ローラー4及びケース部334が互いに接続されているため、各々のサブハンドル部33ごとに人体肌を含む閉回路を形成することができる。その結果、ローラー4及びケース部334と人体肌との接触が不良となることを抑制できる。それ故、美容器1は、より優れた美容効果を期待できる。
【0065】
また、本例のサブハンドル部33は、前後方向の断面が略楕円形であるため、構造上、高い剛性を有する。そして、サブハンドル部33は、金属板よりなる規制プレート71により補強され、規制プレート71を有しない場合に比べてより高い剛性を有する。これらの構成を具備することにより、美容器1は、サブハンドル部33が弾性変形した場合にも、一対のローラー4により美容効果を得たい部分に加わる押圧力を十分に大きくすることができる。
【0066】
サブハンドル部33の剛性が過度に低い場合には、美容効果を得たい部分を一対のローラー4により押圧しようとすると、サブハンドル部33が撓むおそれがある。そのため、場合によってはハンドル3の開閉動作を行っても一対のローラー4の間隔dが十分に狭められず、美容効果を得たい部分に加わる押圧力が十分に体感できなくなるおそれがある。一方、本例の美容器1は、上記の構成を有することにより、かかる問題を回避でき、ハンドル3の開閉動作により美容効果を得たい部分に加わる押圧力を十分に大きくすることができる。以上の結果、美容器1は、体感できる押圧力を十分に大きくでき、より優れた美容効果を期待できる。
【0067】
以上のように、美容器1は、身体各部に好適に使用できると共に、優れた美容効果を期待できる。
【0068】
(実施例2)
本例は、部品点数を低減しつつ、剛性を高めたサブハンドル部36を有する美容器1の例である。なお、図には示さないが、本例の美容器1の外形は実施例1と同一である。
【0069】
図9に示すように、サブハンドル部36は、ベース部361と、ばね収容部362と、ケース部363との3つの部品から構成されている。ばね収容部362及びケース部363は、ベース部361の後半部に配置されており、ねじ(図示略)によりベース部361に締結されている。なお、
図9においては、便宜上、ローラー4、規制ピン72及びねじ等の記載を省略している。
【0070】
図9及び
図10に示すように、ベース部361は、ばね収容部362が重ね合わされる部分に、剛性を高めるためのリブ364を有している。これにより、ベース部361自身の剛性を高め、ひいてはサブハンドル部36の剛性をより高めることができる。
【0071】
ばね部材51が収容されるばね収容空間35は、ベース部361とばね収容部362との間に形成される。
図11に示すように、本例のばね収容空間35は、ばね収容部362に、ばね部材51のサイズに対応した凹部を設けることにより形成されている。
【0072】
また、本例においては、
図11に示すように、ばね収容部362の後端、すなわち、連結部34に挿入された状態で互いに対面する部分に、開閉規制手段として機能する規制凸部365が設けられている。
【0073】
規制凸部365は、前後方向の略中央部に設けられた頂部366が自然状態において互いに当接するように構成されている。また、規制凸部365は、頂部366から前後方向へ向かうにつれて、側方方向の外方へ後退する傾斜面367(367a、367b)を有している。傾斜面367a及び367bは、
図11に示すように、自然状態において互いに離間するように配置されている。
【0074】
このように構成された規制凸部365は、以下のようにして開閉規制手段として機能する。すなわち、ハンドル3を開くと、規制プレート71のボス挿通穴714(図示略)に挿入されたボス368を中心として一対のサブハンドル部36が回動する(
図11、矢印103)。このとき、サブハンドル部36の回動に伴い、規制凸部365における後方側の傾斜面367aが互いに接近し、やがて傾斜面367a同士が当接する。そして、
図12に示す、後方側の傾斜面367a同士が当接した状態を限界として、それ以上ハンドル3を開くことができなくなる。このように、傾斜面367a同士が当接する位置を上限としてハンドル3の開閉動作が規制されることにより、一対のローラー4の間隔dの変更し得る範囲の上限が規制される。
【0075】
なお、本例においては、規制凸部365における前方側の傾斜面367bにより、ハンドル3を閉じる際の下限が規制される。すなわち、上述と同様に、ハンドル3を閉じると、サブハンドル部36が回動すると共に、前方側の傾斜面367bが互いに接近する。そして、ハンドル3を閉じる動作を継続すると、やがて傾斜面367bが当接し、前方側の傾斜面367b同士が当接した状態を限界として、それ以上ハンドル3を閉じることができなくなる。このように、傾斜面367b同士が当接する位置を下限としてハンドル3の開閉動作が規制されることにより、一対のローラー4の間隔dの変更し得る範囲の下限が規制される。
【0076】
また、図には示さないが、本例においては、規制プレート71の腕部713の長さが、実施例1に比べて3倍程度に長くなっている。腕部713を長くすることにより、サブハンドル部36の剛性をより高めることができる。
【0077】
その他は実施例1と同様である。なお、
図9〜
図12において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に説明のない限り実施例1と同様の構成要素等を示す。
【0078】
本例のように、サブハンドル部36にリブ364を有するベース部361を用い、規制プレート71の腕部713をより長くすることにより、サブハンドル部36の剛性をより高めることができる。
【0079】
なお、実施例1及び実施例2には、開閉規制手段として、規制プレート71及び規制ピン72を用いた構成や、サブハンドル部36に規制凸部365を設けた構成を説明したが、これ以外の構成を採用することも可能である。例えば、一対のサブハンドル部36を鎖等で連結することにより、一対のサブハンドル部36の開閉可能な範囲を鎖の伸びる範囲内に規制する構成がある。