(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
載台昇降装置および下昇降装置の少なくとも一方の昇降枠における上部手前側に取り付けられたガイドローラが接触する摺動溝における手前側箇所の左右両側に、手前側ほど左右間隔が小さくなるように傾斜するテーパ面が形成され、
載台昇降装置および下昇降装置の少なくとも一方の昇降枠における下部背面側に取り付けられたガイドローラが接触する摺動溝における背面側箇所の左右両側に、背面側ほど左右間隔が小さくなるように傾斜するテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の駐輪装置。
【背景技術】
【0002】
限られたスペースに多数の自転車を効率よく格納できる駐輪装置として、自転車を上下2段で収納できるいわゆる2段式の駐輪装置はすでに広く知られている。この種の2段式の駐輪装置において上段の自転車収納箇所に楽に移動できる駐輪装置が、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
図22〜
図24に示すように、この駐輪装置80は、床面などの設置面に直立させた支柱81と、前後に延びて自転車Aを載せる載台(特許文献1では台車と表記)82と、支柱81に対して昇降自在に配置され、載台82に連結された載台昇降装置(特許文献1では可動装置と表記)83と、この載台昇降装置83に載台82を引き上げる載台引上げ力を付加する載台引上ばね(特許文献1ではベアリング車と表記)84と、載台昇降装置83の下方において支柱81に対して昇降自在に配置された下昇降装置(特許文献1では主可動装置と表記)85と、この下昇降装置85に、ほぼ自転車Aの重量に相当する引上げ力を付加する荷重引上ばね(特許文献1ではベアリング車と表記)86と、載台82上における支柱寄りの前側領域で前後に長く延びる姿勢で配設された振子台(特許文献1では振子と表記)87と、載台82に設置され、載台昇降装置83の上部位置と下部位置での係止(係留)を解除するハンドル88および引棒89などを備えている。
【0004】
図22に示すように、振子台87は、その後端部が、載台82に取り付けられた自転車案内枠90に揺動自在に取り付けられており、自転車Aが載せられていない状態では水平姿勢とされている。
図23に示すように、自転車Aが載台82および振子台87の前端部(奥端部)まで載せられると、振子台87の前側部分が下方に傾斜して、振子台87の前端部下方から突出する押棒91などを介して、下昇降装置85が、支柱81に取り付けられたストッパ92からの係止(係留)が解除されるよう構成されている。
【0005】
そして、自転車Aを載台82に載せた状態で、ハンドル88とともに引棒89を手前に引くことで、載台82に載台引上ばね84および荷重引上ばね86の引き上げ力が作用した状態で、
図24に示すように、自転車Aが載せられた載台82を、上段の自転車収納位置まで少ない力で楽に移動できる。
【0006】
また、自転車Aを載台82に載せていない状態では、下昇降装置85が、支柱81に取り付けられたストッパ92に係止(係留)されたままであるので、この状態で、ハンドル88とともに引棒89を手前に引くと、載台引上ばね84(載台82を引き上げる力)からの力だけが載台82に作用した状態で、自転車Aが載せられた載台82を、上段の自転車収納位置まで少ない力で楽に移動できる。
【0007】
このように、この駐輪装置80によれば、自転車Aを載台82に載せている状態では、載台82および自転車Aに対応する載台引上ばね84および荷重引上ばね86の引き上げ力が作用した状態で、載台82を楽に昇降でき、自転車Aが載台82に載っていない状態では、載台82に対応する載台引上ばね84の引き上げ力だけが作用した状態で、載台82を楽にかつ比較的安全に昇降できる。
【0008】
なお、載台昇降装置83や下昇降装置85には、支柱81に上部と下部において前後左右から摺接する多数(例えばそれぞれ24個)のローラがそれぞれ回動自在に取り付けられており、これらの多数のローラが支柱81に当接しながら、載台昇降装置83や下昇降装置85が昇降する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来構成の駐輪装置80によれば、自転車Aを載台82および振子台87の前端部(奥端部)まで押し込まないと、振子台87の前側部分が下方に傾斜する姿勢に切り換わらない構造であるため、子供用の自転車や小径車輪の自転車などの小型の自転車Aの場合には、自転車Aを載台82に載せても振子台87が傾斜姿勢に切り換わらないことがあった。この場合には、載台82に対して、荷重引上ばね86の引き上げ力が作用しない状態で、自転車Aが載った載台82を昇降させなければならず、取り扱う人に対して、大きな力を必要とすることとなる。
【0011】
本発明は上記課題を解決するもので、自転車の大きさに関わらず、自転車を載せた載台を確実に楽な状態で昇降させることができる駐輪装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明の駐輪装置は、設置面に立設させた支柱と、自転車を載せる載台と、載台に連結され、支柱に対して昇降自在に配置された載台昇降装置と、載台を引き上げる載台引上げ力を載台に付加する載台引上ばねと、載台昇降装置の下方において支柱に対して昇降自在に配置された下昇降装置と、下昇降装置に荷重引上げ力を付加する荷重引上ばねと、載台昇降装置の上部位置と下部位置での係止を解除する操作部と、載台上で回動自在に配設されて自転車の前輪が通過して載置可能な回動載体と、を備え、回動載体は、載台における前輪と後輪との間の位置に設けられた回動軸と、回動軸よりも支柱が配設されている前側に延びる前延部と、前延部に対して、くの字状に屈曲して回動軸よりも後側に延びる後延部と、を有し、前延部と後延部との接続箇所またはその近傍に回動軸が通され、載台および回動載体に自転車が載っていない非載置状態では、後延部が水平となる非載置姿勢となり、載台および回動載体の前延部に自転車が載っている載置状態では、前延部が水平となる載置姿勢に切り換わり、載台に自転車を載せることにより、回動載体が載置姿勢となって下昇降装置の下部位置での係止が解除され、この状態で操作部が解除用位置に移動されることにより、載台昇降装置の下部位置での係止が解除され、載台昇降装置と下昇降装置とが連動して、自転車が載せられた載台が上昇され
、載台昇降装置および下昇降装置の少なくとも一方の昇降装置に設けられた昇降枠には、側面視して、上部手前側位置と下部背面側位置とにより前後に対角線上となる配置で、支柱に接触するガイドローラが回転自在に取り付けられ、載台昇降装置および下昇降装置の少なくとも一方の昇降枠は、支柱に接触する4つのガイドローラにより、昇降自在に支持されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、自転車が例え小型のものであっても、自転車の前輪が、回動載体における前延部に載る位置まで押し込まれると、回動載体が載置姿勢に確実に切り換えられる。したがって、自転車の前輪が載台および回動載体に載せられると、載台引上げ力に加えて荷重引上げ力が確実に作用した状態で、自転車の乗った載台を、小さな力で楽に昇降させることができる。
また、この構成により、ガイドローラの数を最小限に抑えながら、載台昇降装置や下昇降装置を良好に昇降自在に案内することができる。
【0015】
また、本発明の駐輪装置は、載台昇降装置および下昇降装置の少なくとも一方の昇降枠における上部手前側に取り付けられたガイドローラが接触する摺動溝における手前側箇所の左右両側に、手前側ほど左右間隔が小さくなるように傾斜するテーパ面が形成され、載台昇降装置および下昇降装置の少なくとも一方の昇降枠における下部背面側に取り付けられたガイドローラが接触する摺動溝における背面側箇所の左右両側に、背面側ほど左右間隔が小さくなるように傾斜するテーパ面が形成されていることを特徴とする。
【0016】
この構成により、ガイドローラが摺動溝におけるテーパ面に当接することとなって、載台昇降装置や下昇降装置を、支柱に対して良好にセンタリング(中心合わせ)しながら、安定した状態で昇降させることができる。
【0017】
また、本発明の駐輪装置は、操作部が回転されることにより、載台昇降装置の下部位置での係止が解除されることを特徴とする。この構成により、簡単な操作で、載台昇降装置の下部位置での係止を解除することができる。
【0018】
また、本発明の駐輪装置は、載台昇降装置および載台の上昇時における上限位置を規制する上昇時上限位置規制部材と、
載台昇降装置および載台の上昇した時における下方移動を規制する上昇時下方規制部材とが、支柱に対してそれぞれ複数箇所の高さを選択して取付け可能とされていることを特徴とする。この構成により、上段の収納位置が設置場所などにより異なる場合でも、その収納箇所の状況に応じて、上昇時上限位置規制部材や上昇時下方規制部材の取付位置を変更するだけで済む。
【発明の効果】
【0019】
本発明の駐輪装置によれば、載台上で回動自在に配設されて自転車の前輪が通過して載置可能な回動載体を備え、回動載体は、載台における前輪と後輪との間の位置に設けられた回動軸と、回動軸よりも支柱が配設されている前側に延びる前延部と、前延部に対して、くの字状に屈曲して回動軸よりも後側に延びる後延部と、を有し、前延部と後延部との接続箇所またはその近傍に回動軸が通され、載台および回動載体に自転車が載っていない非載置状態では、後延部が水平となる非載置姿勢となり、載台および回動載体の前延部に自転車が載っている載置状態では、前延部が水平となる載置姿勢に切り換わるよう構成した。この構成により、自転車の前輪が載台および回動載体に載せることにより、載台引上げ力に加えて荷重引上げ力が確実に作用した状態で、自転車の乗った載台を小さな力で楽に昇降させることができ、駐輪装置としての信頼性を向上させることができる。
【0020】
また、本発明の駐輪装置によれば、載台昇降装置および下昇降装置の少なくとも一方の昇降装置に設けられた昇降枠に、側面視して、上部手前側位置と下部背面側位置とに、支柱に接触するガイドローラが回転自在に取り付けられ、載台昇降装置および下昇降装置の少なくとも一方の昇降枠は、支柱に接触する4つのガイドローラにより、昇降自在に支持されていることにより、ガイドローラの数を最小限に抑えながら、載台昇降装置や下昇降装置を良好に昇降自在に案内することができる。これにより、ガイドローラの数を最小限に抑えることができるため、製造コストを抑えることができる。また、ガイドローラによる支柱に接触する面積も小さくすることができて、ガイドローラによる接触抵抗も小さくすることができ、ひいては、載台を引き上げる載台引上げ力や下昇降装置への荷重引上げ力も小さいもので済ますことができる。
【0021】
また、本発明の駐輪装置によれば、載台昇降装置および下昇降装置の少なくとも一方の昇降枠における上部手前側に取り付けられたガイドローラが接触する摺動溝における手前側箇所の左右両側に、手前側ほど左右間隔が小さくなるように傾斜するテーパ面を形成し、載台昇降装置および下昇降装置の少なくとも一方の昇降枠における下部背面側に取り付けられたガイドローラが接触する摺動溝における背面側箇所の左右両側に、背面側ほど左右間隔が小さくなるように傾斜するテーパ面を形成したことにより、ガイドローラがテーパ面に当接することとなって、載台昇降装置や下昇降装置を、支柱に対して良好にセンタリング(中心合わせ)しながら、安定した状態で昇降させることができる。また、ガイドローラによる支柱に接触する面積も最小限に済ますことができるため、ガイドローラによる接触抵抗も最小限に抑えることができ、ひいては、載台を引き上げる載台引上げ力や下昇降装置への荷重引上げ力も最小限に抑えることが可能となる。また、ガイドローラによる支柱に接触する面積も最小限に済ますことができるため、ガイドローラによる接触抵抗も最小限に抑えることができ、ひいては、載台を引き上げる載台引上げ力や下昇降装置への荷重引上げ力も最小限に抑えることが可能となる。
【0022】
また、本発明の駐輪装置によれば、操作部が回転されることにより、載台昇降装置の下部位置での係止が解除されるよう構成することにより、極めて簡単な操作で、載台昇降装置の下部位置での係止を解除することができて、便利となる。
【0023】
また、本発明の駐輪装置によれば、載台昇降装置および載台の上昇時における上限位置を規制する上昇時上限位置規制部材と
載台昇降装置および載台の上昇した時における下方移動を規制する上昇時下方規制部材とが、支柱に対してそれぞれ複数箇所の高さを選択して取付け可能とすることにより、上段の収納位置が設置場所などにより異なる場合でも、その収納箇所の状況に応じて、上昇時上限位置規制部材や上昇時下方規制部材の取付位置を変更するだけで済み、駐輪装置自体を変えなくて済み、ひいては製造コストを低減化できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施の形態に係る駐輪装置の右側面図であり、一部は切り欠いて右側面断面図としている。
【
図2】同駐輪装置の右側面図で、自転車を載せていない非載置状態を示しており、一部は切り欠いて右側面断面図としている。
【
図3】同駐輪装置の右側面図で、自転車を載せた状態を示しており、一部は切り欠いて右側面断面図としている。
【
図4】同駐輪装置の右側面図で、自転車を載せて上段の自転車収納箇所に移動させた状態を示しており、一部は切り欠いて右側面断面図としている。
【
図5】同駐輪装置の右側面図で、自転車を載せずに上段の自転車収納箇所に移動させた状態を示しており、一部は切り欠いて右側面断面図としている。
【
図6】同駐輪装置における支柱、載台昇降枠およびその近傍の平面断面図である。
【
図7】同駐輪装置における支柱、下昇降枠およびその近傍の平面断面図である。
【
図8】同駐輪装置の下部前側箇所の右側面図で、自転車を載せていない非載置状態を示す。
【
図9】同駐輪装置の上部の右側面図で、自転車非載置状態を示す。
【
図10】同駐輪装置の下部前側箇所の右側面要部拡大図で、非載置状態を示す。
【
図11】同駐輪装置の下部前側箇所の要部拡大平面断面図である。
【
図12】同駐輪装置の下部後側箇所の右側面図で、自転車非載置状態を示す。
【
図13】同駐輪装置のハンドルなどの正面図である。
【
図14】同駐輪装置の下部前側箇所の右側面要部拡大図で、非載置状態を示す。
【
図15】同駐輪装置の下部前側箇所の右側面図で、自転車を下段の自転車収納箇所に載り入れた載置状態を示す。
【
図16】同駐輪装置の下部前側箇所の右側面要部拡大図で、載置状態を示す。
【
図17】同駐輪装置の下部後側箇所の右側面図で、操作部を操作した状態を示す。
【
図18】同駐輪装置の下部前側箇所の右側面要部拡大図で、操作部を操作した状態を示す。
【
図19】同駐輪装置の上部箇所の右側面図で、自転車を上段の自転車収納箇所に上昇させた状態を示す。
【
図20】同駐輪装置の下部前側箇所の右側面要部拡大図で、載置状態を示す。
【
図21】同駐輪装置の上部箇所の右側面図で、自転車を載せない非載置状態で載台などを上段の自転車収納箇所に上昇させた状態を示す。
【
図22】同従来の駐輪装置の側面図で、載台に自転車を載せつつある状態を示す。
【
図23】同従来の駐輪装置の側面図で、載台に自転車を載せた状態を示す。
【
図24】同従来の駐輪装置の側面図で、自転車を載せた載台を上昇させた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態に係る駐輪装置を図面に基づき説明する。なお、以下においては、説明上、自転車のハンドルを持って駐輪装置に自転車を格納する際に向かう方向を前方(あるいは前側)、これと逆方向を後方(あるいは後側)、この状態で両側方となる向き(格納した自転車に対して両側方となる向き)を横方向(あるいは左右方向)と称し、前方に向けて見た場合に左側、右側となる方向を左側、右側と称する。但し、後述する載台昇降装置や下昇降装置などについては、後方側が向かって手前側となり、前方側が向かって背面側となるため、それぞれ手前側、背面側(あるいは奥側)などとも称することがある。
【0026】
図1〜
図5などにおいて、1は自転車、10は本発明の実施の形態に係る駐輪装置、2は駐輪装置10が設置される床面などの設置面である。この駐輪装置10は、自転車1を上下2段で収納できるいわゆる2段式の駐輪装置(駐輪設備)において、自転車1を上段の自転車収納箇所に収納するもの(上段収納用駐輪装置)である。
【0027】
なお、
図1に示す駐輪装置(駐輪設備)では、下段の収納箇所に、左右に延びるスライドレール51A、51B上を横方向(左右)に移動自在の載台(いわゆるラック)52などを備えた駐輪装置(下段収納用駐輪装置)50が設けられている場合を示している。そして、上段の自転車収納箇所に自転車1を収納する際には、下段の自転車収納箇所に収納している載台52および自転車を左右に避けるなどして、本実施の形態に係る駐輪装置10の載台(いわゆるラック)12箇所およびその近傍に、自転車1の出し入れ用空間を確保した状態で自転車1を載せる。但し、このような、横スライド式の駐輪装置50が設けられている場合が好適であるが、この場合に限るものではなく、駐輪装置50が他の構造であったり、駐輪装置50が設けられていなかったりしてもよいことは申すまでもない。また、駐輪装置(下段収納用駐輪装置)50を有していることは、本実施の形態の駐輪装置10に必須の構成要件ではないため、
図1でのみ図示し、他の図では省略している。
【0028】
図1〜
図5などに示すように、本実施の形態に係る駐輪装置10は、設置面2に立設させた支柱11と、自転車1を載せる載台12と、載台12に連結され、支柱11に対して昇降自在に配置された載台昇降装置7と、載台12を引き上げる載台引上げ力を載台12に付加する載台引上ばね14と、載台昇降装置7の下方において支柱11に対して昇降自在に配置された下昇降装置8と、下昇降装置8に荷重引上げ力を付加する荷重引上ばね16と、載台昇降装置7の上部位置と下部位置での係止を解除する操作部17と、載台12上で回動自在に配設されて自転車1の前輪1aを載置可能な回動載体31などを備えている。
【0029】
そして、概略的な動作としては、
図2に示すように空車の状態(非載置状態)から、
図3に示すように、載台12に自転車1を載せることにより、回動載体31が載置姿勢となって下昇降装置8の下部位置での係止が解除され、この状態で操作部17が解除用位置に移動されることにより、載台昇降装置7の下部位置での係止が解除され、載台昇降装置7と下昇降装置8とが連動して、
図4に示すように、自転車1が載せられた載台12が上昇されて上段の自転車収納箇所に収納されるように構成されている。
【0030】
この駐輪装置10の各構成要素について、以下に詳しく説明する。
図1〜
図5などに示すように、支柱11は、鉛直線に沿うように設置面に立設された状態で固定されている。支柱11には、載台昇降装置7と下昇降装置8とが上下にスライド自在(摺動自在)に配設されている。
【0031】
図6、
図8などに示すように、載台昇降装置7は、平面視して略四角枠形状の載台昇降枠13やガイドローラ18、19などを備えている。載台昇降枠13は、上下に長い略長方形状の左右の側面板13aと、これらの側面板13aの背面部側辺(前辺部)を連結する背面板13bと、左右の側面板13aにおける後側上端部同士と後側下端部同士とをそれぞれ連結してする連結支持ロッド13cなどを有しており、載台昇降装置7の載台昇降枠13には載台(いわゆるラック)12が後方に延びる姿勢で取り付けられている。
【0032】
図6に示すように、載台昇降枠13における左右の側面板13aの手前側位置(後方側位置)と背面側位置(前方側位置)とには、支柱11に接触するガイドローラ18、19が、左右の側面板13aより横方向内側に突出するように取り付けられた支持軸20を中心として回転自在に取り付けられている。但し、
図8に示すように、側面視して、手前側位置(後方側位置)のガイドローラ18は載台昇降枠13の上部だけに取り付けられ、背面側位置(前方側位置)のガイドローラ19は載台昇降枠13の下部だけに取り付けられている。すなわち、ガイドローラ18、19は、側面視して、上部手前側位置と下部背面側位置との、前後に対角線上となる配置で回転自在に取り付けられ、載台昇降装置7の載台昇降枠13には、それぞれ2つのガイドローラ18、19(合計4つのガイドローラ)が取り付けられている。なお、ガイドローラ18、19は、側面視して円形で外周面が平坦な一般的な形状とされている。
【0033】
図6などに示すように、支柱11は、平面視して概略的には矩形枠形状とされているが、両側面における手前寄り箇所と背面寄り箇所とに、内側に凹状に窪んで、ガイドローラ18、19および後述するガイドローラ24、25が摺動する摺動溝21、22が上下に直線状に延びるように形成されている。ここで、載台昇降装置7の上部手前側箇所に取付けられたガイドローラ18が摺動する摺動溝21における手前側箇所の左右両側に、手前側(後方側)ほど左右間隔が小さくなるように傾斜するテーパ面21aが形成され、このテーパ面21aに、ガイドローラ18が接触(摺接)するよう構成されている。また、載台昇降装置7の下部背面側箇所に取付けられたガイドローラ19が摺動する摺動溝22における背面側箇所の左右両側に、背面側ほど左右間隔が小さくなるように傾斜するテーパ面22aが形成され、このテーパ面22aに、ガイドローラ19が接触(摺接)するよう構成されている。さらに、載台昇降装置7の背面板13bには、補助取付部材23を介して、載台引上ばね14の下端部が取り付けられている。
【0034】
図7、
図8などに示すように、下昇降装置8は、平面視して略四角枠形状の下昇降枠15と、後述するガイドローラ24、25、下ロック台30などを備えている。下昇降枠15は、載台昇降枠13と同様に、左右の側面板15aと、これらの側面板15aの背面部側辺(前辺部)を連結する背面板15bと、左右の側面板15aにおける後側上端部同士と後側下端部同士とをそれぞれ連結してする連結支持ロッド15cなどを有しているが、側面板15aは上下の長さは短く、側面視して、側面板15aが略正方形状(
図8参照)とされている。また、載台昇降装置7のガイドローラ18、19と同様な配置構成で下昇降装置8のガイドローラ24、25が配設されており、下昇降枠15の上部手前側箇所に取付けられたガイドローラ24が、摺動溝21のテーパ面21aに接触(摺接)し、下昇降枠15の下部背面側箇所に取付けられたガイドローラ25が、摺動溝22のテーパ面22aに接触(摺接)するよう構成されている。下昇降枠15の背面板15bには、補助取付部材26A、26Bを介して、荷重引上ばね16の下端部が取り付けられている。また、下昇降枠15の後面部に、下昇降装置8の下ロック台30などが取り付けられている。
【0035】
図9などに示すように、支柱11の上端部の上方に、載台引上ばね14と荷重引上ばね16とが設けられている。支柱11の上端部の上方には、ばね収納枠27が取り付けられ、このばね収納枠27の内部に、1つの載台引上ばね14と、2つの荷重引上ばね16とが配設されている。載台引上ばね14は、所定の力で引き上げる定荷重ばねで構成され、載台12を引き上げる載台引上げ力(詳しくは、載台12とこの載台12に取り付けられている部品とを合わせた重量(あるいはこの重量より若干少なめの重量)にほぼ釣り合う力を引き上げる載台引上げ力)を、載台昇降装置7を介して、載台12に付加する。荷重引上ばね16も所定の力で引き上げる定荷重ばねで構成され、これらの2つの荷重引上ばね16により、ほぼ、自転車1の平均重量(あるいはこの重量より若干少なめの重量)に釣り合う荷重引上げ力を、下昇降装置8を介して、下ロック台30に付加する。なお、
図9における29Aおよび29Bは、載台昇降装置7の上昇時上限位置を規制する上昇時上限位置規制部材としての上部クッションおよびクッション取付材であり、これらの上部クッション29Aおよびクッション取付材29Bは上下方向の2箇所の高さを選択して取付け可能である。また、後述する
上部ストッパ材
49(図9参照:載台昇降装置7の上昇時の下方移動を規制する上昇時下方規制部材)も上下方向の2箇所の高さを選択して取付け可能である。また、
図6〜
図9などに示すように、ばね収納枠27の背面領域および支柱11の背面側領域は背面カバー28で覆われて、載台引上ばね14や荷重引上ばね16が外部に露出しないように保護されている。
【0036】
図8、
図12などに示すように、載台12は、載台昇降装置7の下端部前辺部に固定された連結枠12aと、この連結枠12aより前方に延びるように取り付けられて、自転車1が載せられる載台本体12bと、載台本体12bの後端部に取り付けられた後端枠12cと、自転車の前部側を案内する案内枠12dなどから構成されている。連結枠12aは、正面視して下方が開放されたコ字状の縦断面形状とされて、前後に延びて載台12の前部寄り部分を構成している。載台本体12bは、正面視して上方が開放された断面コ字状の縦断面形状とされて、前後に延びて載台12の主要部分を構成している。後端枠12cはその上面が後側ほど下方となるように傾斜して、自転車1を載り入れる際に、自転車1を載り入れ易くなるよう案内するとともに、自転車1が載台本体12bに載せられると、自転車1が単体で後方に移動して落ちることなどを防止する。案内枠12dは、載台本体12bの後端部から前方に向けて緩やかに上方に傾斜して載台昇降装置7の上下方向中間部に連結された第1案内枠12daと、載台本体12bの前側寄り箇所から前方に向けて比較的大きい角度で上方に傾斜して載台昇降装置7の上端部に連結された第2案内枠12dbと、第1案内枠12daや第2案内枠12dbの前端寄り箇所より上方に逆U字形状に延びる第3案内枠12dcと、載台本体12bに固定され、上下に延びて第1案内枠12daの中間部を支持するとともに後述する第1連動軸33や第2連動軸43を下方から受ける第4案内支持枠12ddなどから構成され、自転車1を載せた際に自転車1の前輪1aなどを良好に案内して保持するよう構成されているが、このような構成に限るものではない。
【0037】
図8などに示すように、載台12の載台本体12bにおける前後方向中央部より若干前側寄り箇所に、自転車1の前輪1aを載置可能な回動載体31が回動自在に配設されている。回動載体31は、載台12における自転車1の前輪1aと後輪1bとが配設される箇所の間に設けられた回動軸31aと、回動軸31aよりも支柱11が配設されている前側に延びる前延部31bと、前延部31bに対して、くの字状に屈曲して回動軸31aよりも後側に延びる後延部31cと、を有し、前延部31bと後延部31cとの接続箇所に(またはその近傍に)固着された回動軸31aが、載台本体12bに対して横に挿通されている。
【0038】
回動軸31aは、載台本体12bから左側に突出され、この回動軸31aの左端部には回動アーム32が固着されて、回動載体31と回動アーム32とが、回動軸31aを中心として一体的に回動するようよう構成されている。さらに、回動アーム32の下端部には、載台12の下方左側領域(
図11参照)で前後方向に延びて略前後方向に移動自在の第1連動軸33が連結されているとともに、この第1連動軸33には、載台12の前端部下方左側領域で前後方向に延びて略前後方向に移動自在に設けられたロック解除用伝達部材34が連結されている。なお、
図10、
図11における35は、ロック解除用伝達部材34を前方に付勢する第1前付勢ばねである。また、
図8、
図10などに示すように、この実施の形態では、第1連動軸33の前端部とロック解除用伝達部材34とを連結する連結ナット33a、33bに少し空動き部分を有する状態で連結されているが、この構成に限るものではない。また、
図11における、12aaおよび34aは、ロック解除用伝達部材34を前後にスライド自在に案内するねじ軸および長孔で、ロック解除用伝達部材34は連結昇降枠13の連結支持ロッド13cによっても前後にスライド自在に案内されている。
【0039】
図8、
図10などに示すように、ロック解除用伝達部材34の前部には下方に突出する連動ロッド36が設けられ、この連動ロッド36は、下ロック台30に形成された長孔30aを通して、下ロック台30の内部で前後に移動自在に取り付けられた下部スライド部材37に係合可能とされている。すなわち、載台12が、下ロック台30上に載った状態で配置されている場合には、下部スライド部材37に形成された丸孔37aに連動ロッド36が挿入されて、ロック解除用伝達部材34と下部スライド部材37とが前後方向に連動する。なお、下部スライド部材37は第2前付勢ばね38により常時前側に付勢されている。また、
図10などにおける40は、下ロック台30上に貼り付けられて、載台12に対して当接する際の衝撃を和らげる緩衝板であり、必要に応じて設ければよい。
【0040】
下部スライド部材37は、下ロック台30より前方(支柱11側)に突出自在とされ、支柱11の下部に取り付けられた下部ストッパ材39の下部下ストッパ39aに下方から係脱自在とされている。すなわち、載台12に自転車1が載っていない非載置状態(詳しくは、載台12における回動載体31の前延部31bに自転車1の前輪1aが載っていない場合)には、
図8に示すように、第1前付勢ばね35の付勢力により、
図8において実線で示すように、回動載体31の後延部31cが載台12に接する水平姿勢(非載置姿勢)となるとともに、第1連動軸33やロック解除用伝達部材34、連動ロッド36を介して、下部スライド部材37が前寄りの位置となり、下部ストッパ材39の下部下ストッパ39aに下方から係合して(係止されて)、下ロック台30や下昇降枠15などからなる下昇降装置8が上昇しないように阻止されている。
【0041】
図12などに示すように、載台12の後端部右側には、横支持軸41aを中心として斜め下側に回転自在な操作部(操作ハンドル)41が設けられ、操作部41には、回動アーム42が固着されて、操作部41と回動アーム42とが、横支持軸41aを中心として一体的に回動するようよう構成されている。なお、
図13に示すように、操作部(操作ハンドル)41には、ロックを解除する操作を行う際の、操作部(操作ハンドル)41の操作する向き(例えば奥側に押す)が矢印などで示されている。
【0042】
回動アーム42の下端部には、載台12の下方右側領域で前後方向に延びて略前後方向に移動自在の第2連動軸43が連結されているとともに、この第2連動軸43には、
図11、
図14に示すように、載台12の前端部下方左側領域で前後方向に延びて略前後方向に移動自在に設けられた操作スライド部材44が連結されている。なお、45は、操作スライド部材44を前方に付勢する第2前付勢ばねである。また、
図11における、12abおよび44aは、操作スライド部材44を前後にスライド自在に案内するねじ軸および長孔で、操作スライド部材44は連結昇降枠13の連結支持ロッド13cによっても前後にスライド自在に案内されている。
【0043】
操作スライド部材44は、載台12(詳しくは載台12の連結枠12a)より前方(支柱11側)に突出自在とされ、下部ストッパ材39の下部上ストッパ39bに下方から係脱自在とされている。そして、操作部41を操作していない状態では、
図14に示すように、操作スライド部材44が前寄りの位置となり、下部ストッパ材39の下部上ストッパ
39bに下方から係合(係止)して、載台昇降装置7や載台12が上昇しないように阻止する。なお、下部ストッパ材39の下部下ストッパ39aや下部上ストッパ39bは、下面が水平面とされて支柱11から後方(手前側)に突出されている一方、上面側が下方ほど突出するように(すなわち、上方ほど後方(手前側)への支柱11からの突出量が少なくなるように)傾斜されている。
【0044】
なお、下部ストッパ材39の下部下ストッパ39aや下部上ストッパ39bは、下昇降装置8や載台昇降装置7や載台12などを下段位置に保持する(規制する)ために設けられているが、
図9などに示すように、支柱11の上部(詳しくは、支柱11の後面部上部)には、下昇降装置8や載台昇降装置7や載台12などを上位置(上段位置)に保持する(規制する)ために、上部ストッパ材49が取り付けられている。上部ストッパ材49の上部下ストッパ49aや上部上ストッパ49bは、上面が水平面とされて支柱11から後方(手前側)に突出されている一方、下面側が上方ほど突出するように(すなわち、下方ほど後方(手前側)への支柱11からの突出量が少なくなるように)傾斜されている。
【0045】
上記構成において、自転車1を駐輪装置10に収納する際には、先ず、
図3に示すように、載台12上に自転車1を載り入れる(自転車1の載置状態)。これにより、
図15の実線部に示すように、自転車1の前輪1aが回動載体31の回動載体31上に載り上げて回動載体31がa方向に回動し、回動載体31の前延部31bが水平となる載置姿勢に切り換わる。この結果、第1連動軸33やロック解除用伝達部材34、連動ロッド36を介して、下部スライド部材37が後寄りの位置となって下部ストッパ材39の下部下ストッパ39aから離脱した状態(
図16参照、下昇降装置8の下部位置での係止が解除された状態)となる。
【0046】
この状態で、操作部17を操作して、例えば、
図17に示すように、操作部17の上部側を一時的に奥側(前方)に押し倒す(解除用位置に移動させる)ことにより、回動アーム42を介して、
図18に示すように、第2連動軸43および操作スライド部材44が後方に移動し、操作スライド部材44が下部ストッパ材39の下部上ストッパ39bから離脱し、載台昇降装置7の下部位置での係止が解除される。
【0047】
これにより、載台昇降装置7および下昇降装置8を介して、載台12に、載台引上ばね14の載台引上げ力と、荷重引上ばね16の荷重引上げ力との両方の引き上げ力が加えられ、載台12を軽い力で上昇させることができる。載台12が上昇されて、操作スライド部材44や下部スライド部材37が、上部ストッパ材49が取り付けられている箇所に達すると、上部ストッパ材49の上部上ストッパ49bにおける下側の傾斜面で、一時的に後退して通過した後、載台昇降装置7および載台12などが下方に移動しようとしても、上部ストッパ材49の上部下ストッパ49aにおける上側の水平に突出している面で操作スライド部材44が係止されて、下降することが阻止され、この結果、
図19、
図4に示すように、自転車1を載せた載台12が上段位置で良好に保持される。
【0048】
上段に収納した自転車1を下す際には、上方に移動した操作部17を操作して、操作部17の上部側を一時的に奥側(前方)に押し倒す(解除用位置に移動させる)。これにより、第2連動軸43および操作スライド部材44が後方に移動して、操作スライド部材44が上部ストッパ材49の上部上ストッパ49bから離脱し、載台昇降装置7の下部位置での係止が解除される。したがって、この状態から操作部17を持つなどして載台12を下降させることで、自転車1を楽に(容易に)下ろすことができる。そして、操作スライド部材44が、下部ストッパ材39が取り付けられている箇所に達すると、操作スライド部材44は、下部ストッパ材39の下部上ストッパ39bにおける下側の傾斜面で一時的に後退して通過した後に前方に突出して下部上ストッパ39bの水平に突出している面に下方から係止し、載台昇降装置7および載台12などが上昇しようとしても阻止され、この結果、
図20、
図3に示すように、自転車1を載せた載台12が下段位置で良好に保持される。
【0049】
なお、載台12に自転車1を載せていない状態で、載台12を下段から上段に移動する際には、下段にある載台12の操作部17を操作して、操作部17の上部側を一時的に奥側(前方)に押し倒す(解除用位置に移動させる)。この際には、載台12に自転車1が載せられていないため、
図2に示すように、回動載体31はその後延部31cが水平となる非載置姿勢となっており、
図10に示すように、下昇降装置8においては、下部スライド部材37が下部スライド部材37の下部下ストッパ39aに係止している。したがって、操作部17を操作して上昇させると、
図5に示すように、載台昇降装置7および載台12には載台引上ばね14の載台引上げ力が作用して軽い力で楽に載台12を上昇させることができるが、下昇降装置8は下段位置に留まったままである。したがって、荷重引上げ力が載台12に作用して急激に上昇することはなく、載台12を安全に上昇させることができ、
図21に示すように、載台12および載台昇降装置7は上段位置で保持される。なお、この状態から自転車1を載せていない載台12を下降させる際には、操作部17を操作することで、載台12などを下段位置に楽に移動させることができる。
【0050】
上記構成によれば、自転車1が例え小型のものであっても、自転車1の前輪1aが、回動載体31における前延部31bに載る位置まで押し込まれると、回動載体31が
図15において実線で示すような載置姿勢に確実に切り換えられる。したがって、自転車1の前輪1aが載台12および回動載体31に載せられると、載台引上げ力に加えて荷重引上げ力が確実に作用した状態で、自転車1の乗った載台を、小さな力で楽に昇降させることができ、駐輪装置1としての利便性が良好となるだけでなく、信頼性を向上させることができる。
【0051】
また、上記構成においては、載台昇降装置7および下昇降装置8に設けられた昇降枠13、15に、側面視して、上部手前側位置と下部背面側位置とに、支柱11に接触するガイドローラ18、19、24、25、が回転自在に取り付けられ、各昇降枠13、15は、支柱11に接触する4つのガイドローラ18、19(または4つのガイドローラ24、25)により、昇降自在に支持されていることにより、ガイドローラ18、19、24、25の数を最小限に抑えながら、載台昇降装置7や下昇降装置8を良好に昇降自在に案内することができる。すなわち、載台に下向きの荷重が作用した状態では、ガイドローラ18、19だけで支柱11に良好に接触した状態で載台12などを支持できる。これにより、ガイドローラ18、19、24、25の数を最小限に抑えることができるため、製造コストを抑えることができる。また、ガイドローラ18、19、24、25による支柱11に接触する面積も小さくすることができるので、ガイドローラ18、19、24、25による接触抵抗も小さくすることができ、ひいては、載台12を引き上げる載台引上げ力や下昇降装置8への荷重引上げ力も小さいもので済ますことができる。なお、このような構成を載台昇降装置7および下昇降装置8における一方の昇降装置だけに設けても、上記利点を得ることができる。
【0052】
また、上記構成においては、載台昇降装置7および下昇降装置8の昇降枠13、15における上部手前側に取り付けられたガイドローラ18、24が接触する摺動溝21における手前側箇所の左右両側に、手前側ほど左右間隔が小さくなるように傾斜するテーパ面21aを形成し、昇降枠13、15における下部背面側に取り付けられたガイドローラ19、25が接触する摺動溝22における背面側箇所の左右両側に、背面側ほど左右間隔が小さくなるように傾斜するテーパ面22aを形成したことにより、ガイドローラ18、19、24、25がテーパ面21a、22aに当接することとなって、載台昇降装置7や下昇降装置8を、支柱11に対して良好に自動的にセンタリング(中心合わせ)しながら、安定した状態で昇降させることができる。また、ガイドローラ18、19、24、25による支柱11に接触する面積も最小限に済ますことができるため、ガイドローラ18、19、24、25による接触抵抗も最小限に抑えることができ、ひいては、載台12を引き上げる載台引上げ力や下昇降装置8への荷重引上げ力も最小限に抑えることが可能となる。また、ガイドローラ18、19、24、25による支柱11に接触する面積も最小限に済ますことができるため、ガイドローラ18、19、24、25による接触抵抗も最小限に抑えることができ、ひいては、載台12を引き上げる載台引上げ力や下昇降装置8への荷重引上げ力も最小限に抑えることが可能となる。したがって、載台引上ばね14や荷重引上ばね16として、小型のものや安価なものですますことができて、ひいては、駐輪装置10の省スペース化や製造コストの低減化を図ることができる。また、上記実施の形態では、荷重引上ばね16として小型のものを2つ設けているため、大型のものを設ける場合よりも、小型のものや安価なものですますことができる利点を有するがこれに限るものではない。
【0053】
また、上記構成においては、操作部17が回転されることにより、載台昇降装置7の下部位置での係止が解除されるよう構成しているので、極めて簡単な操作で、載台昇降装置7の下部位置での係止を解除することができて、便利となる。すなわち、例えば、上記した従来構成の駐輪装置80においては、ハンドル88を握った後にさらに、引棒89を持って、さらに引棒89を手前に引く、すなわち合わせて3つの動作が必要となる。これに対して、本実施の形態では、操作部17を握ってそのまま、押し込むだけの操作で済むため、手間が省けて利便性が向上する。
【0054】
また、本実施の形態では、載台昇降装置7の上昇時上限位置を規制する上部クッション29Aおよびクッション取付材29Bや、下部ストッパ材39を上下方向の2箇所の高さを選択して取付け可能であるため、その収納箇所の状況に応じて、上部クッション29Aおよびクッション取付材29Bや、下部ストッパ材39の取付位置を変更するだけで済む利点がある。なお、選択できる取付位置を3箇所以上設けてもよいが、これに限るものではない。