特許第6792956号(P6792956)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6792956管継手アッセンブリ及び管継手用回転止め具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792956
(24)【登録日】2020年11月11日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】管継手アッセンブリ及び管継手用回転止め具
(51)【国際特許分類】
   F16L 15/00 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   F16L15/00
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-79316(P2016-79316)
(22)【出願日】2016年4月12日
(65)【公開番号】特開2017-190805(P2017-190805A)
(43)【公開日】2017年10月19日
【審査請求日】2019年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000167325
【氏名又は名称】光陽産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(74)【代理人】
【識別番号】100153800
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 哲巳
(72)【発明者】
【氏名】浅川 正俊
(72)【発明者】
【氏名】田沢 祐三
(72)【発明者】
【氏名】寺村 朋晃
(72)【発明者】
【氏名】和田 徹也
【審査官】 西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公告第00859598(GB,A)
【文献】 特開2014−095412(JP,A)
【文献】 特開2009−156447(JP,A)
【文献】 米国特許第05350201(US,A)
【文献】 特開2015−068447(JP,A)
【文献】 特開2006−070452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 15/00
F16L 55/00
F16B 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体及び該本体の一端部に回転可能に連結されたナットを有する管継手と、
上記本体の上記一端部と上記ナットに跨ってそれらの外周に着脱可能に装着され、上記本体と上記ナットの相対回転を禁じる回転止め具と、を備え、
上記本体の上記一端部外周には、少なくとも一対の平坦な受面が形成されており、
上記回転止め具は、離間対向する一対の挟持部と、これら挟持部を連ねる連架部と、上記管継手をその径方向に挿通させるために上記一対の挟持部間に形成された間隙とを有し、各挟持部には幅方向に隣接して平坦な第1,第2当接面が形成され、上記一対の挟持部の上記第1当接面同士が対向し、上記第2当接面同士が対向しており、
上記回転止め具が上記管継手に装着された状態において、一対の上記第1当接面が上記ナットの一対の掛止面に当接するとともに、一対の上記第2当接面が上記本体の上記一対の受面に当接し、
上記管継手には、上記本体の上記一端部と上記ナットとの間に環状の嵌合溝が形成されており、
上記回転止め具の内周には、嵌合突起が形成され、一方の上記挟持部における上記第1当接面と上記第2当接面との間から上記連架部を経て他方の上記挟持部における上記第1当接面と上記第2当接面との間に至るまで連続して周方向に延びており、
上記回転止め具の上記管継手への装着状態において、上記嵌合突起が上記嵌合溝に嵌め込まれることを特徴とする管継手アッセンブリ。
【請求項2】
上記管継手において、上記一対の掛止面が互いに平行をなすとともに、上記一対の受面が互いに平行をなしており、
上記回転止め具において、一対の上記第1当接面が互いに平行をなすとともに、一対の上記第2当接面が互いに平行をなしていることを特徴とする請求項1に記載の管継手アッセンブリ。
【請求項3】
上記管継手の上記本体の端部の外周には、上記ナットの多角形状に対応した形状の多角部が形成され、この多角部は上記受面を複数対有することを特徴とする請求項1または2に記載の管継手アッセンブリ。
【請求項4】
上記回転止め具は上記一対の挟持部が互いに接近離間するように弾性変形可能であり、
上記嵌合突起の内周縁の中心角は、180°以上の角度範囲をなしており、上記嵌合突起の両端部が上記嵌合溝の底面に係止される一対の係止部として提供されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の管継手アッセンブリ。
【請求項5】
管継手の本体と該本体の一端部に回転可能に連結されたナットとの相対回動を禁じるために用いられる回転止め具において、
離間対向する一対の挟持部と、これら一対の挟持部を連ねる連架部と、上記管継手をその径方向に挿通させるために上記一対の挟持部間に形成された間隙とを有し、
各挟持部には幅方向に隣接して平坦な第1,第2当接面が形成され、上記一対の挟持部の上記第1当接面同士が対向し、上記第2当接面同士が対向しており、
上記管継手への装着状態において、一対の上記第1当接面が上記ナットの一対の掛止面に当接するとともに、一対の上記第2当接面が上記本体の上記一端部に形成された一対の受面に当接し、
上記一対の挟持部及び上記連架部の内周には、嵌合突起が形成され、一方の上記挟持部における上記第1当接面と上記第2当接面との間から上記連架部を経て他方の上記挟持部における上記第1当接面と上記第2当接面との間に至るまで周方向に連続しており、
上記管継手への装着状態において、上記嵌合突起が、上記管継手に環状に形成された嵌合溝に嵌め込まれることを特徴とする管継手用回転止め具。
【請求項6】
対の上記第1当接面が互いに平行をなすとともに、一対の上記第2当接面が互いに平行をなしていることを特徴とする請求項5に記載の管継手用回転止め具。
【請求項7】
上記一対の挟持部が互いに接近離間するように弾性変形可能であり、
上記嵌合突起の内周縁の中心角は、180°以上の角度範囲をなしており、上記嵌合突起の両端部が一対の係止部として提供され、
上記管継手への装着状態において、上記一対の係止部が上記嵌合溝の底面に係止されることを特徴とする請求項5または6に記載の管継手用回転止め具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手本体とこの管継手本体の一端部に回転可能に連結されたナットとの相対回転を、必要に応じて禁じることができる管継手アッセンブリ及び回転止め具に関する。
【背景技術】
【0002】
回転可能なナット付きの管継手は、例えばガス管をガス機器に接続する場合に用いられる。この管継手によれば、管継手本体を回さずにナットだけを回してガス機器のホースエンドに接続することができるので、接続作業を簡略化できる。
上記管継手の接続状態において管継手本体はガス機器に対して回転可能であるため、後述するように、管継手本体の回転を禁じることが求められる場合がある。
【0003】
特許文献1には、L字形の本体と、この本体の一端部に回転可能に連結されたナットを有する管継手と、回転止め具が開示されている。この回転止め具は、板金により形成され、ナットの多角形状に合致した形状の第1取付部と、差し込み凹部が形成された第2取付部とを有している。第1取付部がナットに回転不能に取り付けられ、第2取付部が差し込み凹部を介してナットから離れた本体の他端部に取り付けられることにより、ナットと本体の相対回転が禁じられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−70452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の回転止め具は、第1取付部と第2取付部が離れているため、構造が複雑な上、管継手への取付けが煩雑であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、管継手アッセンブリは、本体及び該本体の一端部に回転可能に連結されたナットを有する管継手と、上記本体の上記一端部と上記ナットに跨ってそれらの外周に着脱可能に装着され、上記本体と上記ナットの相対回転を禁じる回転止め具と、を備え、上記本体の上記一端部外周には、少なくとも一対の平坦な受面が形成されており、上記回転止め具は、離間対向する一対の挟持部と、これら挟持部を連ねる連架部と、上記管継手をその径方向に挿通させるために上記一対の挟持部間に形成された間隙とを有し、各挟持部には幅方向に隣接して平坦な第1,第2当接面が形成され、上記一対の挟持部の上記第1当接面同士が対向し、上記第2当接面同士が対向しており、上記回転止め具が上記管継手に装着された状態において、上記一対の第1当接面が上記ナットの一対の掛止面に当接するとともに、上記一対の第2当接面が上記本体の上記一対の受面に当接することを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、管継手の本体とナットの相対回転を禁じるために、回転止め具の間隙に管継手の本体及びナットを挿通させて、各挟持部の第1、第2当接面をそれぞれナットの掛止面及び本体の受面に当接させればよく、回転止め具の管継手への取り付けを容易化できる。また、互いに対向する一対の挟持部にそれぞれ第1、第2当接面を隣接して形成したので、回転止め具の構造を簡素化できる。
【0008】
好ましくは、上記管継手において、上記一対の掛止面が互いに平行をなすとともに、上記一対の受面が互いに平行をなしており、上記回転止め具において、上記一対の第1当接面が互いに平行をなすとともに、上記一対の第2当接面が互いに平行をなしている。
【0009】
好ましくは、上記管継手の上記本体の上記一端部の外周には、上記ナットの多角形状に対応した形状の多角部が形成され、この多角部は上記受面を複数対有する。
上記構成によれば、回転止め具を管継手に装着するために、第1当接面に当接するナットの掛止面と、第2当接面に当接する本体の受面とを位置合わせするとき、本体とナットとの相対回転量を少なくすることができる。
【0010】
好ましくは、上記管継手には、上記本体の端部と上記ナットとの間に環状の嵌合溝が形成されており、上記回転止め具の内周には、少なくとも上記一対の挟持部の上記第1当接面と上記第2当接面との間に嵌合突起が形成されており、上記回転止め具の上記管継手への装着状態において、上記嵌合突起が上記嵌合溝に嵌め込まれている。
上記構成によれば、回転止め具の嵌合突起が嵌合溝に嵌め込まれることにより、回転止め具が、管継手に対して軸線方向において位置決めされ、同方向にずれることが防止される。
【0011】
好ましくは、上記回転止め具は上記一対の挟持部が互いに接近離間するように弾性変形可能であり、上記嵌合突起は、上記回転止め具の内周において、上記一方の挟持部から上記連架部を経て他方の挟持部に至るまで180°の角度範囲を超えて連続して周方向に延びており、その両端部が上記嵌合溝の底面に係止される一対の係止部として提供されている。
上記構成によれば、嵌合突起の両端部の係止部が嵌合溝の底面に引っ掛かる形で嵌合溝に嵌め込まれることになるので、回転止め具の管継手からの抜け落ちが防止される。また、周方向に延びる嵌合突起により補強されているので、回転止め具の拡径が抑制され、回転止め具の管継手からの抜け落ちをより一層確実に防止できる。
【0012】
本発明の他の態様は、管継手の本体と該本体の一端部に回転可能に連結されたナットとの相対回動を禁じるために用いられる回転止め具において、離間対向する一対の挟持部と、これら一対の挟持部を連ねる連架部と、上記管継手をその径方向に挿通させるために上記一対の挟持部間に形成された間隙とを有し、各挟持部には幅方向に隣接して平坦な第1,第2当接面が形成され、上記一対の挟持部の上記第1当接面同士が対向し、上記第2当接面同士が対向しており、上記管継手への装着状態において、上記一対の第1当接面が上記ナットの一対の掛止面に当接するとともに、上記一対の第2当接面が上記本体の上記一端部に形成された一対の受面に当接することを特徴とする。
【0013】
好ましくは、上記一対の第1当接面が互いに平行をなすとともに、上記一対の第2当接面が互いに平行をなしている。
【0014】
好ましくは、上記回転止め具は上記一対の挟持部が互いに接近離間するように弾性変形可能であり、上記回転止め具の内周には、上記第1当接面と上記第2当接面との間を通る嵌合突起が、上記一方の挟持部から上記連架部を経て他方の挟持部に至るまで180°の角度範囲を超えて周方向に連続して形成されており、上記嵌合突起の両端部が一対の係止部として提供され、上記回転止め具の上記管継手への装着状態において、上記嵌合突起が、嵌合溝に嵌め込まれ、上記一対の係止部が上記嵌合溝の底面に係止される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、管継手本体とナットの相対回転を禁じるための回転止め具を容易に管継手に取付けることができるとともに、回転止め具の構造を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係る管継手アッセンブリを、管継手と回転止め具とを分離した状態で示す側面図である。
図2】同管継手アッセンブリを示す側面図である。
図3】同管継手アッセンブリを示す正面図である。
図4】同管継手アッセンブリを示す底面図である。
図5図3のV矢視断面図である。
図6図5のVI矢視断面図である。
図7】上記回転止め具を示す図であって、図7(A)はその正面図、図7(B)は底面図、図7(C)は図7(A)のC矢視断面図である。
図8】同実施形態において、回転止め具が装着された管継手を介してガスコードを接続した状態のガス機器を、台所キャビネットに設置する工程を示す図である。
図9】台所キャビネットに設置されたガス機器を、ガスコードを介してガス配管に接続した状態を示す図である。
図10】比較例であって、回転止め具を装着しない管継手を介してガスコードを接続した状態のガス機器を、台所キャビネットに設置する工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の第1実施形態を、図1図8を参照して説明する。この実施形態は、本発明を、ガス配管とガス機器とを接続する際に用いられるガス用管継手に適用したものである。勿論、本発明は、ガス用管継手に限定されるものではない。
【0018】
この実施形態の管継手アッセンブリAは、図1図6に示すように、管継手10と回転止め具20を備えている。管継手10は、本体11とこの本体11に回転可能に連結されたナット12を有している。
【0019】
ナット12は、スパナ等の工具を掛けるため工具掛け部12aと、これより小径の嵌合凸部12b(図5にのみ示す)を軸方向に隣接して一体に有している。工具掛け部12aは六角形状(多角形状)をなし、平行をなす三対の平坦な掛止面12xを有している。
【0020】
本体11は、略L字形に形成されており、入口側端部と出口側端部の軸線が互いに直交している。本体11の入口側端部はプラグ部11aとなっている。図5に示すように、本体11の出口側端部には、ナット12の嵌合凸部12bが回転可能に嵌め込まれている。なお、本体11の出口側端部の内周と嵌合凸部12bの外周に形成された環状溝にはCリング13が嵌め込まれており、ナット12の本体11に対する軸方向移動が禁じられている。
【0021】
本体11の出口側端部には、ナット12の工具掛け部12aの六角形状に対応する六角部11b(多角部)が形成されている。この六角部11bは互いに平行をなす三対の平坦な受面11xを有している。
【0022】
管継手10は、本体11の出口側端部とナット12の工具掛け部12aとの間に、環状の嵌合溝15を有している。嵌合溝15は、本体11の受面11xとナット12の掛止面12xとを隔てている。
【0023】
回転止め具20は、図1図6に示すように、管継手10の本体11の出口側端部とナット12とに跨って着脱可能に装着されて、本体11とナット12の相対回転を禁じるものである。
【0024】
図7(A)に示すように、回転止め具20は、C字形状ないしはU字形状をなし、樹脂により形成されている。回転止め具20は、離間して対向する一対の挟持部21,21、これら挟持部21,21を連ねる連架部22、及び一対の挟持部21,21間に形成された間隙23を有している。
【0025】
図7(B)及び図7(C)に示すように、各挟持部21には幅方向(回転止め具20の軸方向、図7(C)の左右方向)に隣接して平坦な第1,第2当接面25,26が形成されている。図7(B)に示すように、一対の挟持部21,21において、第1当接面25,25同士が平行をなして対向するとともに、第2当接面26,26同士が平行をなして対向している。
【0026】
回転止め具20の内周には、嵌合突起27が、一方の挟持部21から連架部22を経て他方の挟持部21に至るまで連続して周方向に延びて形成されている。各挟持部21において、嵌合突起27は、第1当接面25と第2当接面26との間に位置している。
【0027】
嵌合突起27は、回転止め具20の内周において180°の角度範囲を超えて形成されており、嵌合突起27の両端部は係止部27a,27aとなっている。図6に示すように、対向する係止部27a,27a同士の離間距離Lは、ナット12における嵌合溝15の底面15aの径Dより小さく、回転止め具20が管継手10に装着されたとき、係止部27a,27aは嵌合溝15の底面15aに係止される。
【0028】
次に、図1図6を参照してこの実施形態の管継手アッセンブリAの組み立てについて説明する。
先ず、図1に示すように、管継手10の本体11の六角部11bの各受面11xと、管継手10のナット12の各掛止面12xとが、面一になるようにナット12又は本体11を回転させる。この位置合わせにおいて、本体11とナット12との相対回転量は60°未満であり、少なくて済む。
【0029】
次に、回転止め具20を管継手10の出口側端部の径方向から管継手10に近づけ、管継手10を回転止め具20の間隙23に挿通させる。このとき、挟持部21の第1、第2当接面25,26を、ナット12の掛止面12x及び本体11の受面11xと平行にする。
【0030】
上記回転止め具20の装着時に嵌合突起27を嵌合溝15に嵌め込む。図6に示すように、係止部27a,27a間の距離Lが、嵌合溝15の底面15aの径Dより小さいので、一対の係止部27aは嵌合溝1bの底面15aに突き当たるが、回転止め具20を押し込むことにより、回転止め具20が弾性変形し、一対の係止部27a,27aは、一旦互いに遠ざかった後で再び元の離間距離に戻る。このようにして、図4及び図6に示すように係止部27aは嵌合溝15の底面15aに係止され、回転止め具20の管継手10への装着が完了する。この装着作業は回転止め具20を管継手10に向かって押し込むだけであるので、簡単である。
【0031】
図4に示すように、回転止め具20が管継手10に装着された状態において、一対の第1当接面25,25がナット12の一対の掛止面12x,12xに当接するとともに、一対の第2当接面26,26が本体11の一対の受面11x,11xに当接するため、本体11とナット12の相対回転が禁じられる。
【0032】
回転止め具20の嵌合突起27が嵌合溝15に嵌め込まれることにより、回転止め具20が、管継手10に対して本体11とナット12との隣接方向に位置決めされ、同方向にずれることが防止される。
【0033】
嵌合突起27は周方向に連続して延びていて回転止め具20を補強している。そのため、挟持部21による管継手10の挟持力が強化される。また、挟持部21,21間の距離が広がり難くなり、嵌合突起27の一対の係止部27aの嵌合溝15の底面15aへの係止状態を良好に維持でき、回転止め具20の管継手10からの抜け落ちが防止される。
【0034】
上記管継手アッセンブリAは、例えば図8図9に示すように、ビルトインガスコンロ1(ガス機器)を、台所キャビネット2に設置する際に用いられる。このキャビネット2内には、その背板2aに沿って垂直にガス管3が延びており、その上端にはガス栓4が取り付けられている。ガス栓4はプラグ部4aを有している。
【0035】
ガスコンロ1の設置前に、上記管継手10のナット12を回してガスコンロ1のホースエンド1aに螺合する。この管継手10のガスコンロ1への接続状態では、管継手10の本体11は回動可能である。この本体11のプラグ部11aを略水平にし図8の紙面の手前側に向けた状態で、前述したように回転止め具20を管継手10に装着して、本体11の回転を禁じる。
【0036】
次に、管継手10のプラグ部11aに、ガスコード5のソケット5aを接続する。ガスコンロ1のキャビネット2への設置に先立って、ガスコード5をガスコンロ1に接続するのは次の理由による。ガスコンロ1の設置後にガスコード5を管継手10に接続する場合、作業者がキャビネット2内で上を見ながらガスコードを接続しなければならず、作業が煩雑になるからである。なお、このガスコード5の接続作業は回転止め具20の装着作業に先立って行ってもよい。
【0037】
次に、図8に示すように、ガスコンロ1を持ち上げキャビネット2の上部開口に設置する。具体的には、ガスコンロ1の後部を高くした状態で、ガスコンロ1の前面の上部に形成された係合凹部1bをキャビネット2の前板2bの上端の係合部2cに係合させた状態で、この係合箇所を中心にしてガスコンロ1の後部を降ろし、キャビネット2の背板2aの上端に載せる。
【0038】
上記設置作業において、管継手10のプラグ部11aに接続されているソケット5aは回転止め具20により略水平に維持され、このソケット5aから垂れ下がるガスコード5は、キャビネット2の背板2aと略平行になっているので、設置作業の際に、これらソケット5a及びガスコード5がキャビネット2の背板2aに引っ掛かる不都合を避けることができる。
【0039】
上記ガスコンロ1のキャビネットへの設置作業が完了した後、ガスコード5の他方の端に設けられたソケット5bを、ガス栓4のプラグ4aに接続する。これにより、ガスコンロ1のガス配管3への接続作業が完了する。
【0040】
上記回転止め具20による作用への理解を助けるために、回転止め具20を用いずにガスコンロ1を設置する比較例について、図10を参照しながら説明する。
管継手10の本体11は回転可能であるため、ガスコード5の重さによりプラグ部11a(図示せず)は下方を向く。設置工程の途中ではガスコンロ1は後部を高くして傾いているため、プラグ部11aは後方に突出することになる。その結果、プラグ部11aに接続されたソケット5a及びガスコード5は、キャビネット1の後方に張り出してしまう。作業者は、ソケット5a及びガスコード5がキャビネット2の背板2aに引っ掛からないように留意することが必要となり、設置作業が煩雑になるのである。
【0041】
なお、本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において各種の変形例を採用することができる。
上記実施形態では、ナットの各掛止面とこれらに隣接する本体の六角部(多角部)の受面とを位置合わせして隣接する掛止面と受面が面一になるようにしたが、掛止面と受面とに段差を設けてもよい。この場合、掛止面及び受面に対応させて、回転止め具の第1、第2当接部間に段差を設ける。
本体の端部外周の受面は、少なくとも一対形成されていればよい。
ナット及び多角部の形状は、六角形に限られず、互いに平行をなす複数対の平坦な面を有していれば、その他の多角形状にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、回転可能なナット付きの管継手に適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
A 管継手アッセンブリ
10 管継手
11 本体
11b 六角部(多角部)
11x 受面
12 ナット
12x 掛止面
15 嵌合溝
15a 底面
20 回転止め具
21 挟持部
22 連架部
23 間隙
25 第1当接面
26 第2当接面
27 嵌合突起
27a 係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10