特許第6792959号(P6792959)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6792959情報端末、通信端末、ライセンス移行システム、ライセンス移行方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792959
(24)【登録日】2020年11月11日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】情報端末、通信端末、ライセンス移行システム、ライセンス移行方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/10 20130101AFI20201119BHJP
【FI】
   G06F21/10
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-97797(P2016-97797)
(22)【出願日】2016年5月16日
(65)【公開番号】特開2017-207800(P2017-207800A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2019年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100149157
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 創史
(72)【発明者】
【氏名】山口 隆
(72)【発明者】
【氏名】田中 寛之
(72)【発明者】
【氏名】澤尻 晴彦
【審査官】 平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−265884(JP,A)
【文献】 特開2015−076822(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/132822(WO,A1)
【文献】 特開2015−169993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/10
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の他の情報端末と接続可能な通信端末と接続される情報端末であって、
前記通信端末から送信された前記通信端末が過去に接続した前記他の情報端末との接続履歴を受信する通信部と、
前記受信した前記接続履歴に基づいて、前記他の情報端末からライセンス移行条件を満たす情報端末を抽出するライセンス移行管理部とを備える情報端末。
【請求項2】
請求項1に記載の情報端末において、
前記ライセンス移行条件は少なくとも前記通信端末と前記他の情報端末とが接続された回数があらかじめ定めた回数以上である情報端末。
【請求項3】
請求項1に記載の情報端末において、
前記接続履歴にはライセンス移行処理中か否かを示すステータス情報が含まれ、
前記ライセンス移行管理部は、前記他の情報端末から前記ステータス情報がライセンス移行処理中を示す情報端末を抽出する情報端末。
【請求項4】
請求項1に記載の情報端末において、
車載ネットワークと接続される車載ネットワーク通信部と、
前記通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる接続管理部とをさらに備え、
前記接続管理部は、少なくとも前記車載ネットワーク通信部が前記車載ネットワークと接続されていることを条件として前記通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる情報端末。
【請求項5】
請求項1に記載の情報端末において、
当該情報端末の移動を検出する移動検出部と、
前記通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる接続管理部とをさらに備え、
前記接続管理部は、少なくとも前記移動検出部があらかじめ定めた量以上の移動を検出することを条件として前記通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる情報端末。
【請求項6】
請求項1に記載の情報端末において、
あらかじめ登録された登録地点の位置情報が格納される記憶部と、
当該情報端末の位置を検出する位置検出部と、
前記通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる接続管理部とをさらに備え、
前記接続管理部は、少なくとも前記位置検出部が検出した位置が前記登録地点の位置とあらかじめ定めた距離以内であることを条件として前記通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる情報端末。
【請求項7】
請求項1に記載の情報端末において、
当該情報端末の速度を検出する速度検出部と、
前記通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる接続管理部とをさらに備え、
前記接続管理部は、少なくとも前記速度検出部が検出する速度があらかじめ定めた速度以上であることを条件として前記通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる情報端末。
【請求項8】
複数の情報端末のそれぞれと接続可能な通信端末であって、
前記複数の情報端末との接続履歴を記憶する接続履歴記憶部と、
前記接続履歴記憶部から前記接続履歴を読みだして前記複数の情報端末のうち接続中の情報端末に送信する車載機接続履歴管理部とを備え、
前記車載機接続履歴管理部は、前記接続中の情報端末からの指令に基づき前記接続中の
情報端末との接続履歴を前記接続履歴記憶部に記憶させる通信端末。
【請求項9】
情報端末、通信端末、およびサーバから構成されるライセンス移行システムであって、
前記情報端末は、
1つまたは複数の他の情報端末と接続可能な通信端末と接続され、
前記通信端末から送信された前記通信端末が過去に接続した前記他の情報端末との接続履歴を受信する情報端末通信部と、
前記受信した前記接続履歴に基づいて、前記他の情報端末からライセンス移行条件を満たす情報端末を抽出するライセンス移行管理部とを備え、
前記情報端末通信部は、前記サーバに前記ライセンス移行条件を満たす情報端末から当該情報端末へライセンスを移行させるライセンス移行指令を送信し、
前記通信端末は、
複数の前記情報端末との接続履歴を記憶する接続履歴記憶部と、
前記接続履歴記憶部から前記接続履歴を読みだして前記複数の情報端末のうち接続中の情報端末に送信する車載機接続履歴管理部とを備え、
前記車載機接続履歴管理部は、前記接続中の情報端末からの指令に基づき前記接続中の情報端末との接続履歴を前記接続履歴記憶部に記憶させ、
前記サーバは、
前記情報端末とソフトウエアのライセンスの関係を示すライセンステーブルが格納されるサーバ記憶部と、
前記情報端末から受信する前記ライセンス移行指令に基づき前記ライセンステーブルを書き換えるライセンス管理部とを備えるライセンス移行システム。
【請求項10】
情報端末、通信端末、およびサーバにおいて実行されるライセンス移行方法であって、
前記情報端末は、
1つまたは複数の他の情報端末と接続可能な通信端末と接続され、
前記通信端末から送信された前記通信端末が過去に接続した前記他の情報端末との接続履歴を受信し、
前記受信した前記接続履歴に基づいて、前記他の情報端末からライセンス移行条件を満たす情報端末を抽出し、
前記サーバに前記ライセンス移行条件を満たす情報端末から当該情報端末へライセンスを移行させるライセンス移行指令を送信し、
前記通信端末は複数の前記情報端末との接続履歴を記憶する接続履歴記憶部を備え、
前記通信端末は、
前記接続履歴記憶部から前記接続履歴を読みだして前記複数の情報端末のうち接続中の情報端末に送信し、
前記接続中の情報端末からの指令に基づき前記接続中の情報端末との接続履歴を前記接続履歴記憶部に記憶させ、
前記サーバは、前記情報端末とソフトウエアのライセンスの関係を示すライセンステーブルが格納されるサーバ記憶部を備え
前記情報端末から受信する前記ライセンス移行指令に基づき前記ライセンステーブルを書き換えるライセンス移行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末、通信端末、ライセンス移行システム、およびライセンス移行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オンラインでのデジタルコンテンツの売買が広く行われている。ユーザがデジタルコンテンツを購入すると、たとえば購入処理を行った装置にライセンスが紐づけられ、その装置でデジタルコンテンツが利用できるようになる。ユーザが装置を買い替えると、ユーザは買い替え後の装置でも従前に購入したコンテンツを利用したいと考える場合が多い。このような場合に、買い替え後の装置にライセンスを移動させる仕組みが多数提案されている。
特許文献1には、各利用者が所有する利用権の内容を特定するライセンス情報を端末装置又は利用者ごとに対応付けられた記憶領域に記憶する個別記憶手段と、前記ライセンス情報を一時的に記憶しておくための一時記憶手段と、第1端末装置又は第1利用者から、前記利用権の移転を要求する旨の指示を取得すると、当該移転要求に係るライセンス情報に対応した鍵情報を生成し、前記第1端末装置又は第1利用者に送信する鍵情報生成手段と、前記移転要求に係るライセンス情報を前記個別記憶手段から前記一時記憶手段に移動させる第1権利移動手段と、第2端末装置又は第2利用者から前記鍵情報を取得すると、当該鍵情報に対応付けられたライセンス情報を、前記一時記憶手段から当該第2端末装置又は第2利用者に対応づけられた前記個別記憶手段の記憶領域に移動させる第2権利移動手段とを備えるライセンス管理サーバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−58657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている発明では、ライセンスが紐づけられていた装置が操作できない場合に簡便にライセンスを移行することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によると、情報端末は、1つまたは複数の他の情報端末と接続可能な通信端末と接続される情報端末であって、前記通信端末から送信された前記通信端末が過去に接続した前記他の情報端末との接続履歴を受信する通信部と、前記受信した前記接続履歴に基づいて、前記他の情報端末からライセンス移行条件を満たす情報端末を抽出するライセンス移行管理部とを備える。
本発明の第2の態様によると、通信端末は、複数の情報端末のそれぞれと接続可能な通信端末であって、前記複数の情報端末との接続履歴を記憶する接続履歴記憶部と、前記接続履歴記憶部から前記接続履歴を読みだして前記複数の情報端末のうち接続中の情報端末に送信する車載機接続履歴管理部とを備え、前記車載機接続履歴管理部は、前記接続中の情報端末からの指令に基づき前記接続中の情報端末との接続履歴を前記接続履歴記憶部に記憶させる。
本発明の第3の態様によると、サーバは、複数の情報端末のそれぞれと接続可能な通信端末と接続されるサーバであって、前記複数の情報端末と前記通信端末との接続履歴を記憶する接続履歴記憶部と、前記接続履歴記憶部から前記接続履歴を読みだして前記通信端末に送信する車載機接続履歴管理部とを備え、前記車載機接続履歴管理部は、前記通信端末からの指令に基づき前記通信端末と前記情報端末との接続履歴を前記接続履歴記憶部に記憶させる。
本発明の第4の態様によると、ライセンス移行システムは、情報端末、通信端末、およびサーバから構成されるライセンス移行システムであって、前記情報端末は、1つまたは複数の他の情報端末と接続可能な通信端末と接続され、前記通信端末から送信された前記通信端末が過去に接続した前記他の情報端末との接続履歴を受信する情報端末通信部と、
前記受信した前記接続履歴に基づいて、前記他の情報端末からライセンス移行条件を満たす情報端末を抽出するライセンス移行管理部とを備え、前記情報端末通信部は、前記サーバに前記ライセンス移行条件を満たす情報端末から当該情報端末へライセンスを移行させるライセンス移行指令を送信し、前記通信端末は、複数の前記情報端末との接続履歴を記憶する接続履歴記憶部と、前記接続履歴記憶部から前記接続履歴を読みだして前記複数の情報端末のうち接続中の情報端末に送信する車載機接続履歴管理部とを備え、前記車載機接続履歴管理部は、前記接続中の情報端末からの指令に基づき前記接続中の情報端末との接続履歴を前記接続履歴記憶部に記憶させ、前記サーバは、前記情報端末とソフトウエアのライセンスの関係を示すライセンステーブルが格納されるサーバ記憶部と、前記情報端末から受信する前記ライセンス移行指令に基づき前記ライセンステーブルを書き換えるライセンス管理部とを備える。
本発明の第5の態様によると、ライセンス移行方法は、情報端末、通信端末、およびサーバにおいて実行されるライセンス移行方法であって、前記情報端末は、1つまたは複数の他の情報端末と接続可能な通信端末と接続され、前記通信端末から送信された前記通信端末が過去に接続した前記他の情報端末との接続履歴を受信し、前記受信した前記接続履歴に基づいて、前記他の情報端末からライセンス移行条件を満たす情報端末を抽出し、前記サーバに前記ライセンス移行条件を満たす情報端末から当該情報端末へライセンスを移行させるライセンス移行指令を送信し、前記通信端末は複数の前記情報端末との接続履歴を記憶する接続履歴記憶部を備え、前記通信端末は、前記接続履歴記憶部から前記接続履歴を読みだして前記複数の情報端末のうち接続中の情報端末に送信し、前記接続中の情報端末からの指令に基づき前記接続中の情報端末との接続履歴を前記接続履歴記憶部に記憶させ、前記サーバは、前記情報端末とソフトウエアのライセンスの関係を示すライセンステーブルが格納されるサーバ記憶部と、前記情報端末から受信する前記ライセンス移行指令に基づき前記ライセンステーブルを書き換える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ライセンスが紐づけられていた装置が操作できない場合でも簡便にライセンスを移行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ライセンス移行システムの概要を示す図
図2】ライセンス移行システムのハードウエア構成を示す図
図3】ライセンス移行システムの機能ブロック図
図4】接続履歴の一例を示す図
図5】ライセンステーブルの一例を示す図
図6】ライセンス移行処理時の表示部に表示される画面表示例を示す図
図7】アプリ実行部の動作を表すフローチャート
図8】接続管理部の動作を表すフローチャート
図9】ライセンス移行管理部の動作を表すフローチャート
図10】第2の実施の形態におけるライセンス移行システムの機能ブロック図
図11】拡張接続履歴の一例を示す図
図12】携帯端末ID管理部の動作を表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
以下、図1図9を参照して、情報端末である車載機の第1の実施の形態を説明する。
図1は、ライセンス移行システム9の概要を示す図である。ライセンス移行システム9は、車載機1と、携帯端末2と、サーバ3とから構成される。車載機1は車両7に搭載される。
車両7は、ロータリエンコーダ71と、GPS受信機72と、CANネットワーク73とを備える。ロータリエンコーダ71は、車両に取り付けられた車輪が所定の角度回転するたびに車速パルス信号を車載機1に出力する。GPS受信機72は、衛星航法システムを構成する複数の衛星から信号を受信し、受信した信号に基づく演算によりGPS受信機72の位置、すなわち緯度および経度を算出する。CANネットワーク73は車載ネットワークの1つであり、通信プロトコルとしてCAN(Controller Area Network)を用いるネットワークである。CANネットワーク73には、CANに対応する複数の機器が接続される。
【0009】
車載機1は、携帯端末2、ロータリエンコーダ71、GPS受信機72、およびCANネットワーク73と接続される。携帯端末2は車載機1と同じ車両7に搭載され、車載機1と接続される。さらに携帯端末2は、ネットワーク網Xを経由してサーバ3とも接続される。車載機1は、携帯端末2を介してサーバ3と通信が可能である。
【0010】
図2は、ライセンス移行システム9のハードウエア構成を示す図である。
車載機1は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、車載機記憶部14と、車載機通信部15と、表示部16と、入力部17と、CANインタフェース18Aと、GPS受信機インタフェース18Bと、エンコーダインタフェース18Cと、を備える。
CPU11は、ROM12に格納されたプログラムをRAM13に展開して実行することにより、後述する複数の機能を実現する。これらの機能は機能ブロックとして後に説明する。またCPU11は、車載機記憶部14に格納されたアプリケーション(以下、アプリ)もRAM13に展開して実行する。ROM12には、プログラムとそれぞれの車載機1に固有の識別子である車載機IDとが格納される。
【0011】
車載機記憶部14は、フラッシュメモリ、またはHDD(ハードディスクドライブ)から構成される。車載機記憶部14には、車載機1において実行される複数のアプリと、アプリのライセンス情報と、あらかじめ登録された登録地点の位置情報とが格納される。アプリ、およびライセンス情報はサーバ3から取得され、登録地点はユーザにより入力される。登録地点はたとえばユーザの自宅位置である。
車載機通信部15は、携帯端末2と接続され、携帯端末2と通信を行う。車載機通信部15は、接続ケーブルを用いた有線通信、または電波を用いた無線通信を行う。車載機通信部15は携帯端末2との接続の有無をCPU11に出力する。
【0012】
表示部16は、たとえば液晶ディスプレイであり、CPU11の動作指令に基づきユーザへ映像情報を提供する。入力部17は、たとえば1または複数のボタンであり、ユーザからの入力操作をCPU11へ伝達する。ただし表示部16と入力部17が一体となった液晶タッチパネルとして構成されてもよい。ユーザは、入力部17を用いて特定の位置、たとえば自宅位置を車載機記憶部14に記録する。この位置情報は、たとえばナビゲーションの目的地情報として利用することができる。
【0013】
CANインタフェース18Aは、車載機1を車両7のCANネットワーク73に接続するインタフェースである。車載機1はCANネットワーク73に接続された他の機器とCANインタフェース18Aを介して通信を行う。
GPS受信機インタフェース18Bは、車両7が備えるGPS受信機72と車載機1を接続するインタフェースである。車載機1はGPS受信機72からGPS受信機インタフェース18Bを介して現在位置の情報を取得する。
エンコーダインタフェース18Cは、車両7が備えるロータリエンコーダ71と車載機1を接続するインタフェースである。ロータリエンコーダ71は、車両7が一定距離進むごとに1パルスを出力するので、車載機1はロータリエンコーダ71の出力に基づき車両7の移動量を算出できる。
【0014】
携帯端末2は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、携帯端末記憶部24と、携帯端末通信部25と、携帯広域通信部25Aと、表示部26と、入力部27とを備える。CPU21は、ROM22に格納されたプログラムをRAM23に展開して実行することにより、後述する複数の機能を実現する。これらの機能は機能ブロックとして後に説明する。携帯端末記憶部24はフラッシュメモリである。携帯端末記憶部24には、後述する接続履歴が格納される。携帯端末通信部25は、有線通信、または無線通信により車載機1と通信を行う。携帯広域通信部25Aは、無線通信によりサーバ3と通信を行う。携帯広域通信部25Aは携帯電話網を利用してもよいし衛星通信を利用してもよい。表示部26は、たとえば液晶ディスプレイであり、CPU21の動作指令に基づきユーザへ映像情報を提供する。入力部27は、たとえば1または複数のボタンであり、ユーザからの入力操作をCPU21へ伝達する。ただし表示部26と入力部27が一体となった液晶タッチパネルとして構成されてもよい。
【0015】
サーバ3は、CPU31と、ROM32と、RAM33と、サーバ記憶部34と、サーバ通信部35とを備える。CPU31は、ROM32に格納されたプログラムをRAM33に展開して実行することにより、後述する複数の機能を実現する。これらの機能は機能ブロックとして後に説明する。サーバ記憶部34はHDD、またはフラッシュメモリである。サーバ記憶部34には、アプリデータベース、および後述するライセンステーブルが格納される。サーバ通信部35は、図1に示したネットワークXを介して携帯端末2と通信を行う。
【0016】
図3は、ライセンス移行システム9の機能ブロック図である。
車載機1は、論理的な構成としてアプリ実行部111と、アプリ起動管理部112と、接続管理部113と、ライセンス移行管理部114とを備える。これらの機能ブロックは、ROM12に格納されたプログラムをCPU11が実行することにより実現される。これらの主な動作は以下のとおりである。
【0017】
アプリ実行部111は、アプリ起動管理部112の指令に基づきアプリを実行する。ただし後述するように、いくつかのアプリはライセンスがなければ実行できない。このライセンスは車載機1に紐づけられ、サーバ3のライセンステーブルで管理される。アプリ起動管理部112は、ユーザの入力部17への入力に基づきアプリ実行部111にアプリを実行させる。またアプリ起動管理部112は、起動するたびにサーバ3に対してライセンス情報を要求し、ライセンス情報を取得する。接続管理部113は、接続された携帯端末2に所定の条件下で接続履歴記録指令を送信する。ライセンス移行管理部114は、接続された携帯端末2から接続履歴を取得し、表示部16と入力部17を用いてユーザとの対話形式でライセンスを移行させる。ただし上述するライセンスは、金銭等の支払いの対価として付与されるライセンスに限定されず、無料で付与されるライセンス、たとえばユーザ登録により付与されるライセンスや試用版のライセンスも含む。
【0018】
携帯端末2は、論理的な構成としてインターネット通信部211と、車載機接続履歴管理部212とを備える。これらの機能ブロックは、ROM22に格納されたプログラムをCPU21が実行することにより実現される。また携帯端末記憶部24には、後述する接続履歴241が格納される。インターネット通信部211は、携帯端末通信部25と携帯広域通信部25Aとを用いて、車載機1にサーバ3への通信路を提供する。すなわち車載機1はインターネット通信部211を利用することによりサーバ3とのデータの授受が可能となる。車載機接続履歴管理部212は、車載機1からの要求に応じて接続履歴241への記録、および接続履歴241の読出しを行う。接続履歴241は、車載機ごとの接続回数、および移行状態の記録である。
【0019】
サーバ3は、論理的な構成としてアプリ配信部311と、ライセンス管理部312とを備える。これらの機能ブロックは、ROM32に格納されたプログラムをCPU31が実行することにより実現される。またサーバ記憶部34には、多数のアプリが格納されるアプリデータベース341と、後述するライセンステーブル342とが格納される。ライセンステーブル342は、車載機ごとのライセンスの情報の記録である。ライセンス管理部312は、車載機1からのライセンス移行指令に基づきライセンステーブル342を書き換える。
【0020】
(接続履歴)
接続履歴241はたとえば、車載機1を特定する車載機IDと、接続回数と、移行に関するステータス情報である移行状態とを関連付けた複数の記録である。接続履歴241は車載機接続履歴管理部212により読み書きされる。
図4は接続履歴241の一例を示す図である。図4(a)に示す例では、車載機IDがAAA,BBB,CCC,DDDの4つの車載機1が記録されており、それぞれの接続回数は30回,1回,2回,5回である。接続回数はゼロから始まり、接続されるごとに1ずつ増加する。移行状態は「移行可能」が初期値であり、移行処理の進行に伴い「移行処理中」、「移行完了」となる。図4(a)〜(c)に示す例では、車載機ID「AAA」の移行処理が進行しており、それぞれ「移行可能」、「移行処理中」、「移行完了」と変化している。
【0021】
(ライセンステーブル)
ライセンステーブル342はたとえば、車載機1を特定する車載機IDと、アプリの名称と、ライセンス付与日と、有効期限とを関連付けた複数の記録である。
図5はライセンステーブル342の一例を示す図である。図5(a)に示すライセンステーブル342は、車載機IDがAAA,CCC,DDDの3つの車載機1のライセンスが記録されている。図5(b)は、後述する処理により車載機ID「AAA」のライセンスが車載機ID「BBB」に移行された例を示す図である。図5(a)と図5(b)を比較すると、図5(a)では「AAA」であった車載機IDが「BBB」に書き換えられている。すなわちライセンス移行とは、ライセンステーブル342における車載機IDの書き換えである。
【0022】
(接続管理部)
接続管理部113は、以下の5つの条件すべてを満たす場合に、携帯端末2に接続履歴記録指令を出力する。第1の条件は車載機1が携帯端末2と接続されていることである。接続管理部113は、車載機通信部15の出力に基づき携帯端末2と接続されているか否かを判断する。第2の条件は、車載機1が車両7のCANネットワーク73と接続されていることである。接続管理部113は、CANインタフェース18Aの出力に基づき携帯端末2と接続されているか否かを判断する。第3の条件は現在位置が登録地点周辺、たとえば登録地点から1km以内であることである。登録地点の位置情報はあらかじめユーザにより入力され車載機記憶部14に格納される。車両7の現在位置は、車両7が備えるGPS受信機72からGPS受信機インタフェース18Bを介して取得できる。第4の条件は、車両7が所定距離以上、たとえば10m以上移動したことである。車両7の走行距離の情報は、ロータリエンコーダ71の出力をエンコーダインタフェース18Cを介して取得できる。たとえばロータリエンコーダ71はタイヤが所定の角度回転するたびに、換言すると車両7が所定の距離進むたびにパルスを出力するので、エンコーダインタフェース18Cに入力されるパルス数をカウントすることで第4の条件を判断できる。第5の条件は車両7の移動速度が所定速度、たとえば時速20km以上よりも速いことである。車両7の移動速度は、単位時間あたりにエンコーダインタフェース18Cに入力されるロータリエンコーダ71のパルス数から算出できる。または、GPS受信機インタフェース18Bを介して取得できる車両7の自己位置と時刻の関係から車両7の速度を算出してもよい。
接続管理部113は、これら5つすべての条件を満たすと判断すると、携帯端末2に接続履歴記録指令を出力する。ただし1日に複数回の接続履歴が記録されることを防止するために、接続管理部113は同日中にすでに接続履歴記録指令を出力していた場合には、接続履歴記録指令を出力しない。この判断は、たとえば接続履歴記録指令を出力した日付を車載機記憶部14に記録し、記録された日付と現在の日付が同一か否かにより判断できる。接続履歴記録指令には、少なくとも当該車載機1の車載機IDが含まれる。
【0023】
(ライセンス移行管理部)
ライセンス移行管理部114は、携帯端末2に接続履歴取得指令を送信して接続履歴241を取得する。そして取得した接続履歴241から移行条件を満たす車載機1を抽出する。移行条件は、接続回数があらかじめ定めた回数、たとえば5回以上であり、なおかつ移行状態が「移行完了」ではないことである。移行条件を満たす車載機1が複数存在する場合は表示部16を用いてユーザへ問い合わせ、入力部17を使って回答を求める。移行条件を満たす車載機1が1つだけである場合におけるその車載機1、または移行条件を満たす車載機1が複数ありユーザの選択により特定された車載機1を以後、「移行元車載機」と呼ぶ。
【0024】
(ライセンス移行処理の画面表示)
図6(a)〜(e)は、ライセンス移行処理時の表示部16に表示される画面表示例を示す図である。ユーザが車載機1の入力部17を操作しライセンス移行処理の開始を選択すると、ライセンス移行管理部114がライセンス移行処理を開始する。ライセンス移行管理部114は、ライセンス移行が可能な車載機が少なくとも1つ存在するか否かを判断し、少なくとも1つ存在すると判断すると図6(a)に示す移行通知画面161が表示部16に表示される。ここでユーザにより「確認する」が選択されると次の画面表示に切り替わり、「キャンセル」または「後で再表示する」が選択されると移行処理が終了する。なお、「後で再表示する」が選択された場合は後ほど移行通知画面161を再表示するが、「キャンセル」が選択された場合は再表示しない。
【0025】
移行通知画面161においてユーザにより「確認する」が選択され、ライセンス移行が可能な車載機が複数、たとえば2つの場合は図6(b)に示す移行元車載機選択画面162が表示部16に表示される。移行元車載機選択画面162には、移行可能な複数の車載機1のIDが表示される。
移行通知画面161においてユーザにより「確認する」が選択され、ライセンス移行が可能な車載機が1つのみの場合、または移行元車載機選択画面162において、ユーザがいずれかの車載機IDを選択すると、図6(c)に示す移行実行確認画面163が表示部16に表示される。移行実行確認画面163において、ユーザにより移行の実行を意味する「はい」が選択されると、ライセンス移行管理部114によりライセンスの移行が実行され、図6(d)に示す処理待ち画面164が表示された後に、図6(e)に示す移行完了通知画面165が表示される。
【0026】
(アプリ実行部のフローチャート)
図7は、アプリ実行部111の動作を表すフローチャートである。アプリ実行部111はアプリ起動管理部112からアプリケーションの起動指令を受けると、図7により動作が表されるプログラムを実行する。以下では、起動指令の対象となったアプリを「起動対象アプリ」と呼ぶ。
ステップS311では、起動対象アプリがダウンロード済みか否か、換言すると車載機記憶部14に格納されているか否かを判断する。ダウンロード済みと判断する場合はステップS313に進み、ダウンロード済みではないと判断するとステップS312に進みサーバ3からそのアプリをダウンロードし、ステップS313に進む。
ステップS313では、起動対象アプリがライセンスが必要か否かを判断する。ライセンスの要否は、たとえばそれぞれのアプリに記録されている。ライセンスが必要と判断する場合はステップS314に進み、ライセンスが不要と判断する場合はステップS315に進む。
【0027】
ステップS314では、車載機記憶部14に格納されているライセンス情報を参照し、起動対象アプリのライセンスの有無を判断する。起動対象アプリのライセンスがあると判断する場合はステップS315に進み、起動対象アプリのライセンスがないと判断する場合はステップS316に進む。
ステップS315では起動対象アプリをRAM13に読み込んで実行し、図7のフローチャートを終了する。ステップS316ではライセンスがないのでアプリを実行できない旨のエラーを表示部16に表示して図7のフローチャートを終了する。
【0028】
(接続管理部のフローチャート)
図8は、接続管理部113の動作を表すフローチャートである。接続管理部113は、車載機1の起動時、または起動後に所定時間、たとえば2時間が経過するごとに図8により動作が表されるプログラムを実行する。
ステップS331では、車載機通信部15の出力に基づき、携帯端末2と接続されているか否かを判断し、接続されていると判断する場合はステップS332に進み、接続されていないと判断する場合は図8のフローチャートを終了する。
【0029】
ステップS332では、CANインタフェース18Aの出力に基づき、車載機1がCANネットワーク73と接続されているか否かを判断し、接続されていると判断する場合はステップS333に進み、接続されていないと判断する場合は図8のフローチャートを終了する。
ステップS333では、GPS受信機インタフェース18Bを介して得られるGPS受信機72の出力、および車載機記憶部14に格納された登録地点の位置情報に基づき、車載機1の現在位置が登録地点からあらかじめ定めた距離以内であるか否かを判断する。所定距離以内であると判断する場合はステップS334に進み、所定距離より遠いと判断する場合は図8のフローチャートを終了する。
【0030】
ステップS334では、エンコーダインタフェース18Cを介して得られるロータリエンコーダ71の出力に基づき、あらかじめ定めた距離以上移動しているか否かを判断する。所定距離以上移動していると判断する場合はステップS335に進み、所定距離移動していないと判断する場合は図8のフローチャートを終了する。ただし、あらかじめ定めた距離を移動するまでステップS334に留まってもよい。
ステップS335では、エンコーダインタフェース18Cを介して得られるロータリエンコーダ71の出力に基づき、車両7の車速があらかじめ定めた速度以上であるか否かを判断する。車速があらかじめ定めた速度以上であると判断する場合はステップS336に進み、所定距離移動していないと判断する場合は図8のフローチャートを終了する。ただし、あらかじめ定めた車速に達するまでステップS335に留まってもよい。
ステップS336では、車載機通信部15を介して車載機接続履歴管理部212に接続履歴の記録指令を出力する。ただし前述のとおり、同日中にすでに接続履歴記録指令を出力していた場合には、接続履歴記録指令を出力しない。この判断は、たとえば接続履歴記録指令を出力した日付を車載機記憶部14に記録し、記録された日付と現在の日付が同一か否かにより判断できる。以上で図8のフローチャートを終了する。
【0031】
(ライセンス移行管理部のフローチャート)
図9は、ライセンス移行管理部114によるライセンス移行処理を示すフローチャートである。ユーザが入力部17を用いて車載機1にライセンス移行処理指令、たとえばメニュー画面において「ライセンス移行」を選択すると、ライセンス移行管理部114は図9により動作が表されるプログラムを実行する。
【0032】
ステップS351では、車載機1が接続されている携帯端末2の車載機接続履歴管理部212に接続履歴取得指令を送信して接続履歴241を要求し、車載機接続履歴管理部212から接続履歴241を取得する。続くステップS352では、ステップS351において取得した接続履歴241を参照し、移行条件を満たす他の車載機が存在するか否かを判断する。たとえば、接続回数が5回以上であり、ステータスが「移行完了」ではなく、なおかつライセンス移行管理部114においてライセンス移行処理を実行中の当該車載機1以外の他の車載機が存在するか否かを判断する。条件を満たす他の車載機が存在すると判断する場合はステップS353に進み、条件を満たす他の車載機が存在しないと判断する場合は図9のフローチャートを終了する。
【0033】
ステップS353では、条件を満たす他の車載機のステータスが「移行処理中」であるか否かを判断する。ステータスが「移行処理中」であると判断する場合はステップS354に進み、ステータスが「移行処理中」ではない、すなわち「移行可能」であると判断する場合はステップS356に進む。
ステップS354では、サーバ3へ移行処理が完了したか否かの問い合わせを送信し、回答を受信する。続くステップS355ではその回答が処理完了であるか否かを判断する。処理完了であると判断する場合は図9のフローチャートを終了し、処理完了ではないと判断する場合はステップS356に進む。
【0034】
ステップS356では、ライセンス移行の意思確認を行う表示画面を表示部16に表示する。この表示画面はたとえば前述の図6(a)における符号161で示す画面である。続くステップS357ではユーザの入力が移行を実行するものであるか否かを判断する。ユーザの入力が移行の実行を示すもの、たとえば「確認する」であったと判断する場合はステップS358に進み、ユーザの入力が移行を実行しないものであった、たとえば「キャンセル」や「後で再表示する」であったと判断する場合は図9のフローチャートを終了する。
【0035】
ステップS358では、条件を満たす他の車載機が2以上存在するか否かを判断し、2以上存在すると判断する場合はステップS359に進み、1つしか存在しないと判断する場合はその車載機を移行元車載機として記憶してステップS360に進む。ステップS359では、条件を満たす複数の他の車載機、およびいずれかを選択させる表示画面を表示部16に表示する。この表示画面はたとえば前述の図6(b)における符号162で示す画面である。そしてユーザが選択した車載機を移行元車載機として記憶してステップS361に進む。
【0036】
ステップS360では、移行元車載機を示し移行処理の実行を確認する表示画面を表示部16に表示する。この表示画面はたとえば前述の図6(c)における符号163で示す画面である。続くステップS361ではユーザの入力が移行を実行するものであるか否かを判断する。ユーザの入力が移行を実行を示すもの、たとえば「はい」であったと判断する場合はステップS362に進み、ユーザの入力が移行を実行しないものであった、たとえば「いいえ」であったと判断する場合は図9のフローチャートを終了する。
【0037】
ステップS362では、車載機接続履歴管理部212に移行元車載機のステータスを「移行処理中」に変更させる。また、ライセンスの移行処理中であることを示す表示画面を表示部16に表示する。この表示画面はたとえば前述の図6(d)における符号164で示す画面である。続くステップS363では、サーバ3へライセンス移行指令を送信する。続くステップS364では、サーバ3からライセンス移行完了通知を受信する。続くステップS365では、車載機接続履歴管理部212に移行元車載機のステータスを「移行完了」に変更させる。続くステップS366では、ライセンスの移行が完了したことを示す移行完了通知の画面を表示部16に表示する。この表示画面はたとえば前述の図6(e)における符号165で示す画面である。以上で図9のフローチャートを終了する。
【0038】
上述した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)情報端末、すなわち車載機1は、1つまたは複数の他の情報端末と接続可能な通信端末、すなわち携帯端末2と接続される。車載機1は、携帯端末2から送信された携帯端末2が過去に接続した他の車載機1との接続履歴である接続履歴241を受信する車載機通信部15と、受信した接続履歴241に基づいて、他の情報端末からライセンス移行条件を満たす情報端末を抽出するライセンス移行管理部114とを備える。
車載機1は、携帯端末2と車載機1の接続履歴に基づいてライセンス移行条件を満たす情報端末を抽出するので、ユーザに認証情報などを入力させる必要がなくユーザにとって簡便である。すなわち、ライセンスが紐づけられていた装置が操作できない場合でも簡便にライセンスを移行することができる。これは、ユーザが携帯端末2を持ち歩くので携帯端末2が個人を特定する手段になりえる点に着目し、その携帯端末2との接続履歴に基づき車載機1は携帯端末2のユーザの所有物である可能性を判断するものである。ユーザは従前に使用していた車載装置に関する情報を入力する必要がない。なお、ライセンスの所有者であることを示すために、ユーザにIDとパスワードを入力させる方式も考えられるが、ユーザにとって入力が煩雑なだけでなくそれらを記憶、もしくは記録・管理する負担が大きいという問題がある。
【0039】
(2)ライセンス移行管理部114が判断するライセンス移行条件は、通信端末と他の情報端末とが接続された回数があらかじめ定めた回数以上であることを必須の条件とする。車載機1のユーザが友人や知人を車両7に同乗させ、同乗者の通信端末を車載機1と接続させた場合でも、それらの通信端末との接続回数は比較的少ない。その一方で、車載機1のユーザが所有する携帯端末2の車載機1との接続回数は回数が多いことが想定される。そのため、接続回数を評価することによりライセンス移行元の車載機1の所有者にライセンスを移行させることができる。
【0040】
(3)接続履歴241にはライセンス移行処理中か否かを示すステータス情報、すなわち移行状態が含まれ、ライセンス移行管理部114は、他の情報端末からステータス情報がライセンス移行処理中を示す情報端末を抽出する。そのため、図9のステップS363〜S364に示すライセンス移行処理中に車載機1の電源が消失した等の理由でライセンス移行処理が中断された場合でも、適切に処理を再開することができる。
【0041】
(4)車載機1は、車載ネットワークと接続される車載ネットワーク通信部、すなわちCANインタフェース18Aと、通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる接続管理部113とを備え、接続管理部113は、少なくとも車載ネットワーク通信部が車載ネットワークと接続されていることを条件として通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる。
そのため、車載機1が店頭でデモンストレーション用に設置されている場合に、来店者が車載機1と来店者の携帯端末2を接続することにより接続履歴を記録させることを防止できる。店頭に置かれた車載機1はCANとは接続されないからである。これにより、店頭の車載機1と紐づけられたライセンスを来店者が所有する車載機1へ移転させることを防止する。
【0042】
(5)車載機1は、当該情報端末の移動を検出する移動検出部、すなわちエンコーダインタフェース18Cと、通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる接続管理部113とを備え、接続管理部113は、少なくとも移動検出部があらかじめ定めた量以上の移動を検出することを条件として通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる。
店頭に置かれた車載機1はロータリエンコーダ71と接続されないので、上記(4)と同様に接続履歴の記録を防止できる。
【0043】
(6)車載機1は、あらかじめ登録された登録地点の位置情報が格納される車載機記憶部14と、当該情報端末の位置を出力する位置検出部、すなわちGPS受信機インタフェース18Bと、通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる接続管理部113とを備え、接続管理部113は、少なくとも位置検出部が出力した位置が登録地点の位置とあらかじめ定めた距離以内であることを条件として通信端末に当該情報端末との接続履歴を記録させる。
店頭に置かれた車載機1は移動しないので、上記(4)と同様に接続履歴の記録を防止できる。また、車載機1のユーザ以外の他人が登録地点から離れた場所で車両に同乗した際に、当該他人が所有する通信端末を車載機1に接続しても、その通信端末に接続履歴が記録されないようにすることができる。これにより、車載機1と紐づけられたライセンスを他人が別の車載機へ不正に移転させることを防止できる。
【0044】
(7)車載機1は、当該情報端末の速度を検出する速度検出部、すなわちエンコーダインタフェース18Cと、携帯端末2に当該情報端末との接続履歴を記録させる接続管理部113とを備える。接続管理部113は、少なくとも速度検出部が検出する速度があらかじめ定めた速度以上であることを条件として携帯端末2に当該情報端末との接続履歴を記録させる。車両7の速度情報は様々な場面で利用されるので、入手が容易である。
【0045】
(8)通信端末、すなわち携帯端末2は、複数の情報端末のそれぞれと接続可能である。
複数の情報端末との接続履歴である接続履歴241を記憶する接続履歴記憶部、すなわち携帯端末記憶部24と、接続履歴記憶部から接続履歴を読みだして複数の情報端末のうち接続中の情報端末に送信する車載機接続履歴管理部212とを備え、車載機接続履歴管理部212は、接続中の情報端末からの指令に基づき接続中の情報端末との接続履歴を接続履歴記憶部に記憶させる。そのため、携帯端末2は接続履歴を記録し、記録した接続履歴を車載機1に送信することができる。
【0046】
(9)ライセンス移行システム9は、車載機1、携帯端末2、およびサーバ3から構成される。車載機1は、サーバ3にライセンス移行条件を満たす情報端末から当該情報端末へライセンスを移行させるライセンス移行指令を送信する。サーバ3は、情報端末とソフトウエアのライセンスの関係を示すライセンステーブル342が格納されるサーバ記憶部34と、情報端末から受信するライセンス移行指令に基づきライセンステーブルを書き換えるライセンス管理部312とを備える。
そのため、車載機1と携帯端末2の接続履歴に基づき、ユーザによる簡便な操作でサーバ3のライセンステーブル342を書き換えることができる。
【0047】
(変形例1)
接続管理部113は、図8のフローチャートに示したように、携帯端末2と接続されていることに加えて、CANネットワーク73への接続、現在位置が登録された位置からあらかじめ定められた距離以内、所定距離以上の移動、車速が所定速度以上という4つの条件全てを満たす場合に携帯端末2へ接続履歴記録指令を出力した。しかしこれらの少なくとも1つを満たす場合に接続履歴記録指令を出力してもよいし、接続されたことのみを条件に接続履歴記録指令を出力してもよい。
【0048】
(変形例2)
第1の実施の形態では、接続管理部113は図8のステップS336において、接続履歴記録指令を出力した日付を車載機記憶部14に記録し、記録された日付と現在の日付が異なる場合に接続履歴記録指令を出力した。すなわち、日付の切り替わる午前0時を境界として同日か否かを判断した。しかし、接続履歴記録指令を出力した時刻も記録し、午前0時以外の時刻、たとえば車両を運転する機会が少ないと推測される早朝の時刻を境界として同日か否かを判断してもよい。また前回、接続履歴記録指令が出力されてから所定の時間、たとえば8時間、24時間、48時間が経過したことを図8のステップS336における接続履歴記録指令を出力する条件としてもよい。 また、図8のステップS336では無条件に接続履歴記録指令を出力し、ライセンス移行管理部114において同様の判断を行ってもよい。すなわち、車載器接続履歴管理部212が接続履歴241にそれぞれの接続履歴が記録された日時も併せて記録する。そしてライセンス移行管理部114は、車載器接続履歴管理部212から受信した接続履歴241に記録されたそれぞれの接続履歴の日時に基づき、接続された回数を評価する。たとえば同日中に複数回の接続履歴が記録されていても、その同日中の複数の接続履歴は合計で1回と評価する。
【0049】
(変形例3)
上述した第1の実施の形態では、ライセンス移行管理部114が判断するライセンス移行条件の1つは、接続回数があらかじめ定めた回数以上であることであった。しかし、接続回数の絶対数ではなく相対比率で評価してもよい。すなわち、接続履歴241に記載されたそれぞれの車載機の接続回数の総和に対する、それぞれの車載機の接続回数の比率を評価してもよい。
【0050】
(変形例4)
車両7が備える車載ネットワークはCANに限定されず、LIN(Local Interconnect Network)、MOST(Media Oriented System Transport)、FlexRayなどを備えてもよい。そして接続管理部113は、図8のステップS332の判断に代えて、LINなどと接続されているか否かを判断してもよい。
【0051】
(変形例5)
車載機1はGPS受信機72を内蔵してもよい。また車載機1はGPS受信機インタフェース18Bを備える代わりにCANインタフェース18Aを経由してGPS受信機72から位置情報を取得してもよい。また車載機1はエンコーダインタフェース18Cを備える代わりにCANインタフェース18Aを経由してロータリエンコーダ71から車速パルス信号を受信してもよい。
【0052】
(変形例6)
ライセンステーブル342は、付与日、または有効期限の少なくとも一方がなくてもよい。すなわちライセンステーブル342は少なくとも、車載機IDとライセンス対象アプリケーションの情報が格納されればよい。
(変形例7)
第1の実施の形態における車載機1が備える機能を車両に搭載されない機器、たとえば汎用の計算機が備えてもよい。また、携帯端末2が備える機能を他の機器、たとえばTCU(Telematics Communication Unit)が備えてもよい。
【0053】
(変形例8)
車載器接続履歴管理部212は、車載機1に送信する接続履歴241から当該車載器に関する情報を削除してもよい。たとえば携帯端末2に格納される接続履歴241が図4(a)に示すものである場合、車載機IDが「AAA」である車載機1から接続履歴取得指令を受信した場合は、接続履歴241から車載機IDが「AAA」である行を削除し、削除後の接続履歴241を送信してもよい。
【0054】
(第2の実施の形態)
図10図12を参照して、情報端末である車載機の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、サーバに接続履歴が保存される点で、第1の実施の形態と異なる。
【0055】
(ハードウエア構成)
第2の実施の形態に係るライセンス移行システム9Aのハードウエア構成は第1の実施の形態と同様である。ただしそれぞれのROMに格納されるプログラム、およびそれぞれの記憶部に格納される情報が異なる。具体的な相違点を機能ブロック図で説明する。
【0056】
(機能ブロック)
図10は、第2の実施の形態におけるライセンス移行システム9Aの機能ブロック図である。車載機1Aが備える機能ブロックは第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。
携帯端末2Aは、論理的な構成としてインターネット通信部211と、携帯端末ID管理部213とを備える。また携帯端末記憶部24には、サーバ3Aへの認証に用いる認証情報242が格納される。インターネット通信部211は第1の実施の形態と同様である。携帯端末ID管理部213は、後述する拡張接続履歴に関する車載機1とサーバ3Aの処理の中継を行う。
【0057】
サーバ3Aは、論理的な構成としてアプリ配信部311、およびライセンス管理部312に加えて、車載機接続履歴管理部313と、認証情報発行部314とを備える。またサーバ記憶部34には、アプリデータベース341、およびライセンステーブル342に加えて、拡張接続履歴343と、認証情報データベース344とが格納される。アプリ配信部311、およびライセンス管理部312の動作は第1の実施の形態と同様である。車載機接続履歴管理部313は、第1の実施の形態における携帯端末2の車載機接続履歴管理部212に相当し、車載機1の動作指令に基づく拡張接続履歴343への接続履歴の記録、および拡張接続履歴343の読み出しを行う。認証情報発行部314は、携帯端末2の認証情報を生成し認証情報データベース344に記録する。拡張接続履歴343には、第1の実施の形態における接続履歴241に含まれる情報に加えて、携帯端末2との組み合わせ情報も記録される。認証情報データベース344には、認証情報発行部314が生成した情報であって、複数の携帯端末2の認証情報が格納される。
【0058】
(携帯端末ID管理部)
携帯端末ID管理部213は、車載機1Aから接続履歴記録指令を受信するとサーバ3Aに接続履歴記録指令を送信し、車載機1から接続履歴取得指令を受信するとサーバ3Aに接続履歴取得指令を送信する。ただしサーバ3Aへ送信する情報には、認証情報242に含まれる携帯端末IDおよびパスワードを追加する。
【0059】
(車載機接続履歴管理部)
車載機接続履歴管理部313と、第1の実施の形態における携帯端末2の車載機接続履歴管理部212との相違点は、認証情報データベース344を用いた認証を行う点と、携帯端末2のIDも記録する点である。すなわち車載機接続履歴管理部313は、携帯端末2Aから、携帯端末ID,パスワード、車載機ID、記録指令を含む接続履歴記録指令を受信すると、認証情報データベース344、および受信した携帯端末IDとパスワードを用いて認証を行う。そして認証に成功すると、車載機接続履歴管理部313は、拡張接続履歴343における受信した携帯端末IDと車載機IDとの組み合わせの接続回数を1増加させる。また携帯端末2から、携帯端末ID,パスワード、車載機ID、読出し指令を含む接続履歴読出し指令を受信すると、上述したように認証を行い、認証に成功すると拡張接続履歴343をサーバ記憶部34から読みだして携帯端末2Aに送信する。
【0060】
(認証情報発行部)
サーバ3の認証情報発行部314は、携帯端末2Aから認証情報の発行要求を受信すると、携帯端末IDとパスワードを新たに生成する。そして認証情報発行部314は、要求元の携帯端末2に生成したIDとパスワードを送信するとともに、認証情報データベース344に生成したIDとパスワードを記録する。認証情報発行部314は、発行要求を受けるたびに異なる携帯端末IDを生成する。
【0061】
(拡張接続履歴)
サーバ3に格納される拡張接続履歴343はたとえば、携帯端末2Aを特定する携帯端末IDと、車載機1を特定する車載機IDと、接続回数と、移行状態とを関連付けた複数の記録である。拡張接続履歴343は車載機接続履歴管理部212により読み書きされる。
図11は、拡張接続履歴343の一例を示す図である。図11に示す例では、3つの携帯端末ID:P−GG,P−HH,P−II、および4つの車載機ID:AAA,BBB,CCC,DDDの接続履歴が示されている。図11に示す例では、たとえば携帯端末ID「P−GG」の携帯端末2には、車載機ID「AAA」の車載機1が30回接続され、車載機ID「BBB」の車載機1が1回接続されたことが示されている。
【0062】
(フローチャート)
図12は、携帯端末2Aが車載機1Aから接続履歴取得指令または接続履歴記録指令を受信すると実行するプログラムの動作を表すフローチャートである。以下に説明するフローチャートの各ステップの実行主体は携帯端末2AのCPU21である。このフローチャートでは車載機1から受信する接続履歴取得指令および接続履歴記録指令を「制御文」と呼ぶ。
ステップS371では、携帯端末記憶部24に認証情報242が保存されているか否かを判断する。認証情報242が保存されていると判断する場合はステップS373に進み、認証情報242が保存されていないと判断する場合はステップS372に進む。
ステップS372では、サーバ3へ認証情報の新規発行を要求し、サーバ3Aから認証情報を受信する。この認証情報とは、携帯端末IDとパスワードである。これらを認証情報242として携帯端末記憶部24に保存し、ステップS373に進む。
ステップS373では、認証情報242と、車載機1Aから受信した制御文とをサーバ3Aに送信する。
【0063】
上述した第2の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)サーバ3Aは、複数の車載機1Aのそれぞれと接続可能な携帯端末2Aと接続される。サーバ3Aは、複数の情報端末と通信端末との接続履歴である拡張接続履歴343を記憶する接続履歴記憶部、すなわちサーバ記憶部34と、接続履歴記憶部から接続履歴を読みだして通信端末に送信する車載機接続履歴管理部313とを備える。車載機接続履歴管理部313は、通信端末からの指令に基づき通信端末と情報端末との接続履歴を接続履歴記憶部に記憶させる。そのため、サーバ3Aは接続履歴を記録し、記録した接続履歴を携帯端末2Aに送信することができる。
【0064】
(第2の実施の形態の変形例1)
携帯端末IDは、携帯端末2のROMに記録されている値を使用してもよいし、携帯端末2Aが生成した値を使用してもよい。また、携帯端末2Aが生成した生成値をサーバ3Aに送信し、サーバ3Aの認証情報発行部314が受信した生成値に基づき携帯端末IDを決定してもよい。
【0065】
(第2の実施の形態の変形例2)
ライセンステーブル342、ライセンステーブル342、拡張接続履歴343は、それぞれ異なるサーバに保存されてもよい。たとえば次のように第1〜第3のサーバに保存されてもよい。すなわち、第1のサーバはライセンステーブル342が保存される第1記憶部およびアプリ配信部311を備える。第2のサーバは、ライセンステーブル342が保存される第2記憶部およびライセンス管理部312を備える。第3のサーバは、拡張接続履歴343および認証情報データベース344が保存される第3記憶部、車載機接続履歴管理部313、および認証情報発行部314を備える。
【0066】
プログラムにより実現される機能の一部または全部がハードウエア回路やFPGAにより実現されてもよい。
上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1、1A … 車載機
2、2A … 携帯端末
3、3A … サーバ
9 … ライセンス移行システム
14 … 車載機記憶部
15 … 車載機通信部
18A … CANインタフェース
18B … GPS受信機インタフェース
18C … エンコーダインタフェース
24 … 携帯端末記憶部
25 … 携帯端末通信部
34 … サーバ記憶部
113 … 接続管理部
114 … ライセンス移行管理部
212 … 車載機接続履歴管理部
213 … 携帯端末ID管理部
241 … 接続履歴
312 … ライセンス管理部
313 … 車載機接続履歴管理部
342 … ライセンステーブル
343 … 拡張接続履歴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12