(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記対向電極は、前記複数の画素電極の一に重畳する領域と、前記複数の画素電極の他の一に重畳する領域と、に亘って電気的に接続されていることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明のいくつかの実施形態に係る表示装置について詳細に説明する。なお、本発明の表示装置は以下の実施形態に限定されることはなく、種々の変形を行ない実施することが可能である。全ての実施形態においては、同じ構成要素には同一符号を付して説明する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上、実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。
【0012】
なお、本明細書中において、図面を説明する際の「上」、「下」などの表現は、着目する構造体と他の構造体との相対的な位置関係を表現している。本明細書中では、側面視において、後述する絶縁表面から半導体層に向かう方向を「上」と定義し、その逆の方向を「下」と定義する。本明細書および特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0013】
<第1実施形態>
図面を参照して、本実施形態に係る表示装置について説明する。特に、本実施形態に係る表示装置の外観の構成、回路構成、駆動方法、及び画素の構成について説明する。
[外観の構成]
図1は、本実施形態に係る表示装置100の外観の構成を説明する斜視図である。
図1を用いて、本実施形態に係る表示装置100の外観の構成について説明する。
【0014】
本実施形態に係る表示装置100は、アレイ基板102と、対向基板106と、複数の接続端子109とを有している。
【0015】
アレイ基板102は、少なくとも、第1基板104、複数の画素110を有している。
【0016】
第1基板104は、その表面に表示領域104a及び端子領域104bを有している。第1基板104は、複数の画素110の支持体としての役割を果たす。第1基板104の材料としては、ガラス基板、アクリル樹脂基板、アルミナ基板、ポリイミド基板等を用いることができる。
【0017】
複数の画素110は、第1基板104の表示領域104a内に配列されている。本実施形態においては、複数の画素110は、マトリクス状に配列されている。以下の説明においては、複数の画素110は、m行n列のマトリクス状に配列されているとして説明する。
【0018】
複数の画素110の各々は、発光画素110aと受光画素110bとの2種に分類される。発光画素110aは、画像の表示を担い、受光画素110bは、タッチ位置の検出を担う。複数の発光画素110aの各々は、
図1には示されていないが、発光素子を有している。複数の受光画素110bの各々は、
図1には示されていないが、受光素子を有している。受光素子は、入射した光によって生成されたキャリア対を検出する。受光素子は、光電変換素子と呼称する場合もある。尚、以下では、発光画素110aと受光画素110bとを区別しない場合は、両者をまとめて、「画素110」と呼称する。
【0019】
発光画素110a及び受光画素110bの各々の数及びレイアウトについては特に制限は無い。表示装置100の輝度及び均一性を確保する観点からは、発光画素110aの数が極力多く、均一に分布している程好ましい。また、タッチ位置の検出精度を確保する観点からは、受光画素110bの数が極力多く、均一に分布している程好ましい。但し、タッチ位置の検出のための解像度は、画像の表示のための解像度に比べれば低くてもよい。そのため、受光画素110bの比率は、発光画素110aの比率に比べて低くてもよい。
【0020】
対向基板106は、第2基板108を有している。第2基板108は、第1基板104と同様の基板を用いてもよい。第2基板108は、表示領域104aの上面に、第1基板104と対向するように設けられている。第2基板108は表示領域104aを囲むシール材112によって、第1基板104に固定されている。第1基板104に配置された表示領域104aは、第2基板108とシール材112とによって封止されている。尚、本実施形態に係る表示装置100は前述のような第2基板108を有しているが、板状の部材に限定されず、フィルム基材、樹脂等がコーティングされた封止基材に置換えられてもよい。
【0021】
対向基板106は、図示はしないが、カラーフィルタ、遮光層、偏光板、位相板等を更に有していてもよい。カラーフィルタは、複数の発光画素110aの各々に対向した位置に配置される。遮光層(ブラックマトリクスとも呼ばれる)は、複数の画素110の各々を区画する位置に配置される。偏光板及び位相板は、複数の画素110を覆い、対向基板106側に配置される。偏光板及び位相板は、表示装置100に入射した外光が、画素電極で反射することによる視認性の劣化を抑制するために配置される。
【0022】
複数の接続端子109は、端子領域104b内に設けられている。複数の端子領域104bは、第1基板104の一端部、且つ第2基板108の外側に配置されている。複数の接続端子109には、映像信号を出力する機器や電源などと表示装置100とを接続する配線基板(図示せず)が配置される。配線基板と接続する複数の接続端子109との接点は、外部に露出している。
【0023】
以上、本実施形態に係る表示装置100の外観の構成について説明した。次いで、図面を参照して本実施形態に係る表示装置100の回路構成について説明する。
【0024】
[回路構成]
図2は、本実施形態に係る表示装置100の回路構成を説明する回路図である。
図3は、本実施形態に係る表示装置100が有する画素110の回路構成を説明する回路図である。
図3では、
図2の領域Aに示す隣接した発光画素110a及び受光画素110bに配置された回路を示している。
【0025】
本実施形態に係る表示装置100は、駆動回路と、複数の第1走査信号線120と、複数の第2走査信号線122と、複数の映像信号線128と、複数の検出信号線130と、複数の画素回路132とを備えている。
【0026】
駆動回路は、制御回路114、走査線駆動回路116及び映像線・検出線駆動回路118を含む。駆動回路は、複数の画素110の各々に設けられた画素回路132を駆動する。つまり、駆動回路は、複数の発光画素110aの発光を制御し、複数の受光画素110bの受光を検出する。
【0027】
制御回路114は、走査線駆動回路116及び映像線・検出線駆動回路118の動作を制御する。走査線駆動回路116は、複数の第1走査信号線120及び複数の第2走査信号線122に接続されている。映像線・検出線駆動回路118は、複数の映像信号線128及び複数の信号検出線に接続されている。
【0028】
複数の第1走査信号線120は、マトリクス状に配列された複数の画素110の、画素行毎に配置されている。但し、一つの画素行において受光画素110bのみが配列され、発光画素110aが配列されない場合は、当該画素行に第1走査信号線120は配置されなくてもよい。
【0029】
複数の第2走査信号線122は、マトリクス状に配列された複数の画素110の、画素行毎に配置されている。但し、一つの画素行において発光画素110aのみが配列され、受光画素110bが配列されない場合は、当該画素行に第2走査信号線122は配置されなくてもよい。
【0030】
複数の映像信号線128は、マトリクス状に配列された複数の画素110の、画素列毎に配置されている。但し、一つの画素列において受光画素110bのみが配列され、発光画素110aが配列されない場合は、当該画素列に映像信号線128は配置されなくてもよい。
【0031】
複数の信号検出線は、マトリクス状に配列された複数の画素110の、画素列毎に配置されている。但し、一つの画素列において発光画素110aのみが配列され、受光画素110bが配列されない場合は、当該画素列に信号検出線は配置されなくてもよい。
【0032】
複数の画素回路132の各々は、複数の画素110の各々に配置されている。複数の画素回路132の各々は、発光画素回路132a又は受光画素回路132bの2種に分類される。
【0033】
複数の発光画素回路132aの各々は、複数の発光画素110aの各々に配置され、複数の第1走査信号線120のいずれか及び複数の映像信号線128のいずれかに接続されている。複数の発光画素回路132aの各々は、少なくとも第1トランジスタ133、第2トランジスタ135、発光素子144及び保持容量148を含む。
【0034】
第1トランジスタ133は、所謂選択トランジスタとして機能する。すなわち、第1トランジスタ133は、オン・オフ動作により、映像信号線128と第2トランジスタ135のゲートとの導通状態を制御する。第1トランジスタ133は、ゲートが第1走査信号線120に接続され、ソースが映像信号線128に接続され、ドレインが第1ノードN1に接続されている。
【0035】
第2トランジスタ135は、所謂駆動トランジスタとして機能する。すなわち、発光素子144の発光輝度を制御するトランジスタである。第2トランジスタ135は、ゲートが第1ノードN1に接続され、ソースが電源電位線PVDDに接続され、ドレインが発光素子144のアノードに接続されている。
【0036】
保持容量148は、一端が第1ノードN1に接続され、他端が発光素子144のアノードに接続されている。
【0037】
発光素子144は、アノードが第2トランジスタ135のドレイン及び保持容量148の当該他端に接続され、カソードが共通電位線に接続されている。
【0038】
複数の受光画素回路132bの各々は、複数の受光画素110bの各々に配置され、複数の第2走査信号線122のいずれか及び複数の検出信号線130のいずれかに接続されている。複数の受光画素回路132bの各々は、少なくとも第3トランジスタ137及び受光素子146を含む。
【0039】
第3トランジスタ137は、受光を検出するためのスイッチとして機能する。すなわち、第3トランジスタ137は、オン・オフ動作により、検出信号線130と受光素子146のアノードとの導通状態を制御する。第3トランジスタ137は、ゲートが第2走査信号線122に接続され、ソースが受光素子146のアノードに接続され、ドレインが検出信号線130に接続されている。
【0040】
受光素子146は、アノードが第3トランジスタ137のソースに接続され、カソードが共通電位線に接続されている。
【0041】
以下では、発光画素回路132aと受光画素回路132bとを区別しない場合は、両者をまとめて、「画素回路132」と呼称する。
【0042】
以上、本実施形態に係る表示装置100の回路構成について説明した。次いで、図面を参照して本実施形態に係る表示装置100の駆動方法について説明する。
【0043】
[駆動方法]
図4は、本実施形態に係る表示装置100の駆動方法を説明する図である。本実施形態に係る表示装置100の駆動方法は、1フレーム期間において、発光画素走査期間と、受光画素走査期間とを含む。
【0044】
発光画素走査期間は、複数の発光画素110aの各々に、表示画像に応じた信号を書き込む期間である。具体的には、発光画素走査期間に表示装置100は以下に示す駆動を行う。
【0045】
発光画素走査期間において、走査線駆動回路116は、制御回路114から入力されるタイミング信号に応じて複数の画素行の各々に接続された第1走査信号線120を順番に選択し、選択した第1走査信号線120に接続された発光画素回路132aが含む第1トランジスタ133をオンにする電圧を印加する。
【0046】
発光画素走査期間において、映像線・検出線駆動回路118は、制御回路114から映像信号を入力され、走査線駆動回路116による第1走査信号線120の選択に合わせて、選択された画素行の映像信号に応じた電圧を複数の映像信号線128の各々に出力する。当該電圧は、選択された画素行にて、第1トランジスタ133を介して保持容量148に書き込まれる。第2トランジスタ135は、書き込まれた電圧に応じた電流を発光素子144に供給する。これにより、選択された第1走査信号線120に対応する発光画素110aの発光素子144が発光する。
【0047】
受光画素走査期間は、複数の受光画素110bの各々が、発光画素走査期間において受光したか否かを検出する期間である。発光画素走査期間において発光画素110aが発した光が、表示領域104aをタッチした指等の物体で散乱されると、当該散乱された光を当該発光画素110aの近傍に配置された受光画素110bが受光する。これに伴ってキャリアの対が生成され、当該受光素子146内に蓄積される。受光画素走査期間において、当該キャリアの対を検出することによって、タッチ位置を検出することができる。具体的には、受光画素走査期間に表示装置100は以下のような駆動を行う。
【0048】
受光画素走査期間において、走査線駆動回路116は、制御回路114から入力されるタイミング信号に応じて複数の画素行の各々を順番に選択する。このとき、走査線駆動回路116は、当該画素行の画素110に接続された第2走査信号線122に、第3トランジスタ137をオンにする電圧を出力する。
【0049】
受光画素走査期間において、映像線・検出線駆動回路118は、走査線駆動回路116による画素行の選択に合わせて、定電圧を複数の信号検出線の各々に出力する。当該定電圧は、選択された画素行において、第3トランジスタ137を介して受光素子146の一端に印加される。このとき、受光素子146内にキャリアの対が蓄積されていると、その内の正電荷が検出信号線130に流れ込み、映像線・検出線駆動回路118によって当該蓄積された電荷が読み出される。これによって、タッチ位置を検出することができる。
【0050】
以上、本実施形態に係る表示装置100の駆動方法について説明した。次いで、図面を参照して本実施形態に係る表示装置100が有する画素110の詳細な構成について説明する。
【0051】
[画素の構成]
図5は、本実施形態に係る表示装置100が有する画素110のレイアウトを説明する平面図である。
図6は、本実施形態に係る表示装置100が有する画素110の構成を説明する断面図である。
図14は、発光素子144及び受光素子146の層構造におけるエネルギーダイヤグラムを説明する図である。
【0052】
本実施形態に係る表示装置100は、複数の画素電極150と、複数の第1電極152と、バンク154と、第1有機層156と、第2有機層158と、第3有機層160と、対向電極162と、第2電極164とを備えている。
【0053】
図5において、画素電極150はそれぞれ、マトリクス状に配列された複数の画素110の内、赤の発光画素110aR、緑の発光画素110aG、青の発光画素110aBに配置されている。画素電極150は、発光素子144のアノードとして機能する層である。第1電極152はそれぞれ、受講画素110bに配置されている。本実施形態においては、マトリクス状に配列された複数の画素110は、
図5に示すように、2行2列に配列された4個の画素を一単位とし、それが更にマトリクス状に配列されている。
図5において、各画素110の周囲の破線は、画素電極150又は第1電極152を示している。また、各画素の周縁部は、バンク154の端部である。また、画素電極150及び第1電極152は、これらの下層に配置される画素回路とのコンタクト部を有するが、この図ではそれらを省略している。2行2列に配列された4個の画素110は、赤の発光画素110aR、緑の発光画素110aG、青の発光画素110aB及び受光画素110bを含む。複数の画素電極150は、赤の発光画素110aR、緑の発光画素110aG及び青の発光画素110aBに配置されている。
【0054】
画素電極150の材料としては、発光素子144が発した光を対向電極162側に反射させるために、反射率の高い金属層を含むことが好ましい。反射率の高い金属層としては、例えば銀(Ag)を用いることができる。
【0055】
第1電極152はそれぞれ、画素電極150に隣接し、画素電極150の各々と離間して設けられている。第1電極152は、受光素子146のアノードとして機能する層である。本実施形態においては、第1電極152の各々は、行方向には、青の発光画素110aBに配置された画素電極150に隣接し、かつ、青の発光画素110aBに配置された画素電極150と離間して設けられている。また、第1電極152の各々は、列方向には、緑の発光画素110aGに配置された画素電極150に隣接し、かつ、緑の発光画素110aGに配置された画素電極150と離間して設けられている。
【0056】
第1電極152の材料としては、上述の画素電極150の材料と同様のものを用いることができる。
【0057】
図6において、バンク154は、複数の画素電極150の各々の端部、複数の第1電極152の各々の端部、及び互いの間隙部を覆うように形成されている。バンク154の材料としては、絶縁材料を用いることが好ましい。絶縁材料としては、無機絶縁材料又は有機絶縁材料を用いることができる。無機絶縁材料と有機絶縁材料との組み合わせを用いてもよい。
【0058】
絶縁材料で形成されたバンク154が配置されることによって、画素電極150の端部において、対向電極162と画素電極150とが短絡することを防止することができる。更に、隣接する画素110間を確実に絶縁することができる。
【0059】
第1有機層156は、正孔注入層と正孔輸送層とのいずれか又は両方として機能する有機である。第1有機層156は、複数の画素電極150上、複数の第1電極152上、及びバンク154上に連続的に設けられている。第1有機層156のレイアウトとしては、例えば、複数の画素110(発光画素110a及び受光画素110bを含む)に共通して、表示領域104aに亘っていてもよい。
【0060】
第2有機層158は、電流が供給されると発光する発光層として機能する有機層である。第2有機層158は、第1有機層156上に、少なくとも複数の画素電極150と重畳する領域に設けられている。第2有機層158は、複数の第1電極152と重畳する領域には設けられなければよい。例えば、第2有機層158のレイアウトとしては、複数の画素電極150と重畳する領域を含んで連続して設けられ、複数の第1電極152と重畳する領域に開口部を有していてもよい。
【0061】
第3有機層160は、電子注入層と電子輸送層とのいずれか又は両方として機能する有機層である。第3有機層160は、第2有機層158上、第1電極152と重畳する第1有機層156上、及びバンク154と重畳する第1有機層156上に連続的に設けられている。第3有機層160のレイアウトとしては、例えば、複数の画素110(発光画素110a及び受光画素110bを含む)に共通して、表示領域104aに亘っていてもよい。
【0062】
対向電極162は、複数の画素電極150に重畳する第3有機層160上に設けられている。対向電極162は、発光素子144のカソードとして機能する層である。
【0063】
対向電極162の材料としては、発光素子144が発した光を透過させるため、及び受光素子146に光を入射させるために、透光性を有し、且つ導電性を有する材料が好ましい。具体的には、対向電極162の材料としては、ITO(酸化スズ添加酸化インジウム)やIZO(酸化インジウム・酸化亜鉛)等が好ましい。又は、対向電極162として、出射光が透過できる程度の膜厚を有する金属層を用いても良い。
【0064】
第2電極164は、第1電極152に重畳する第3有機層160上に設けられている。第2電極164は、受光素子146のカソードとして機能する層である。第2電極164の材料としては、上述の対向電極162の材料と同様のものを用いることができる。
【0065】
対向電極162及び第2電極164は、本実施形態のように、電気的に接続されていてもよい。本実施形態においては、表示領域104aに亘って共通して配置される電極が、対向電極162及び第2電極164を兼ねる。この場合、
図3に示した画素回路132において、発光素子144及び受光素子146のカソードには共通の電位が与えられる。
【0066】
以上説明したように、発光素子144は、画素電極150、第1有機層156、第2有機層158、第3有機層160、及び対向電極162の積層によって構成される。受光素子146は、第1電極152、第1有機層156、第3有機層160、及び第2有機層158の積層によって構成される。発光素子144及び受光素子146は、いずれもダイオード特性を有する。
【0067】
発光素子144及び受光素子146の層構造は、大まかに
図14に示すエネルギーバンド構造を有する。
図14は、第1有機層156、第2有機層158及び第3有機層のエネルギーギャップと、アノード及びカソードの伝導帯端部を模式的に示している。
【0068】
受光素子146は、発光層(EML)として機能する第2有機層158を有さず、第1有機層156及び第3有機層160が接している。受光素子146が第2有機層を有していると、光吸収によって発生した光励起子が電荷に分離されず、受光素子146の効率(信号強度)低下を招く。有機半導体のように誘電率の低い物質の内部で発生した励起子を効率良く電荷に分離するには、最高被占軌道(HOMO)・最低空軌道(LUMO)の異なる異種材料界面を利用した電荷分離が用いられる。第2有機層158はHOMO・LUMO準位の点から、受光素子146に挿入されることは好ましくない。
【0069】
第1有機層156及び第3有機層160の各々のHOMO及びLUMOは、可能な限り大きいことが好ましい。これらが小さすぎると、受光素子の効率(信号強度)低下を招く。第1有機層156のHOMO、第3有機層160のLUMOのギャップは受光素子146の開放端電圧の大きさに相当するため、ギャップが小さいことは受光素子146の効率低下を招く。
【0070】
ここで、各有機層の好ましい材料について説明する。そのために、先ず、タッチ位置を検出する大まかな流れを説明しておく。(1)発光素子144において、発光層として機能する第2有機層158が発光する。(2)第2有機層158が発した光が、表示装置100をタッチした指等の物体に散乱される。(3)散乱された光が、当該発光素子144の近傍に配置された受光素子146に入射する。(3)受光素子に入射した光は、当該受光素子146内でキャリア対を生成することによって、電気信号に変換される。(4)当該電気信号を検出することによって、タッチ位置を検出する。
【0071】
ここで、受光素子146が、発光素子144からの発光を検出するためには、発光素子144の発光スペクトルと、受光素子146の吸収スペクトルが、少なくとも一部の波長領域で重畳する必要がある。受光素子146において、第1有機層156及び第2有機層158のいずれか又は一方が光吸収層として機能する構成としてもよい。一方の層を光吸収層とした場合、他方の層は光吸収層でなくても構わない。
【0072】
第1有機層156を光吸収層とする場合、第1有機層156の具体的な材料としては、金属フタロシアニン、又はアセン等を含むものを用いることができる。中心金属の異なるフタロシアニンを適切に選択することで、青、緑、近赤外光の波長領域を効率的に吸収することができる。
【0073】
第3有機層160を光吸収層とする場合、第3有機層160の具体的な材料としては、フラーレン誘導体等を用いることができる。
【0074】
以上、本実施形態に係る表示装置100が有する画素110の構成について説明した。以上のような構成を有することによって、本実施形態に係る表示装置100は、以下のような作用及び効果を奏する。
【0075】
本実施形態に係る表示装置100は、画素電極150及び第1電極152は、同じ層に設けることができる。つまり、製造工程において、画素電極150及び第1電極152を、同一の材料を用い、同一のフォトリソグラフィ工程によって同時に形成することができる。
【0076】
更に、第1有機層156及び第3有機層160は、発光素子144及び受光素子146に共通して設けられる。つまり製造工程において、第1有機層156及び第3有機層160をパターニングする必要が無い。また、第2有機層158については、第1電極152に重畳する領域に配置されないよう、例えば、マスクを通した蒸着によって形成する。当該マスクは、少なくとも複数の画素電極150に対応する領域を開口する。または、当該マスクは、第1電極152に対応する領域を遮蔽する。
【0077】
更に、対向電極162及び第2電極164は、同じ層に設けることができる。つまり、製造工程において、対向電極162及び第2電極164を、同一の材料を用い、同一のフォトリソグラフィ工程によって同時に形成することができる。また、両者に共通の電位を与える回路構成とする場合は、フォトリソグラフィ工程を省略することができる。
【0078】
つまり、本実施形態に係る表示装置100においては、製造工程を大幅に増やすことをせず、表示装置100内に発光素子144及び受光素子146を形成することができる。よって、低コストで光検出によるタッチセンサを備えた表示装置100を提供することができる。
【0079】
<変形例>
本実施形態に係る表示装置100の一変形例について説明する。
【0080】
図7は、本変形例に係る表示装置190の画素110のレイアウトを説明する図である。
図7のI−I´間の断面構成については、
図6に示した断面構成と同様である。本変形例に係る表示装置190と、本実施形態に係る表示装置100とを比較すると、複数の画素110のレイアウトのみが異なっている。本変形例においては、マトリクス状に配列された複数の画素110は、
図7に示すように、2行3列に配列された6個の画素110を一単位とし、それが更にマトリクス状に配列されている。2行3列に配列された6個の画素110は、赤の発光画素110aR、緑の発光画素110aG、青の発光画素aB及び受光画素110bを含む。ここで、2行3列に配列された6個の画素110の内、2個が赤の発光画素110aRであり、2個が緑の発光画素110aGであり、1個が青の発光画素110aBであり、1個が受光画素110bである。
【0081】
このように、特定の色の発光画素110aの一部を間引いて、それを受光画素110bに置き換えてもよい。尚、本実施形態においては、青の発光画素110aBを間引いたが、これに限られず、他の色の発光画素110aを間引いてもよい。更に、複数の発光画素110aと複数の受光画素110bとの比率、レイアウト等については、この例に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては2行3列に配置された6個の画素110の内の一つを受光画素110bとした。つまり、この例では、発光画素110aと受光画素110bとの比率は5:1である。しかし、タッチ検出のための最低限の解像度を得ることができれば、発光画素110aの比率を更に増加させてもよい。例えば、発光画素110aと受光画素110bとの比率が10:1程度であってもよく、100:1程度であってもよい。
【0082】
また、本実施形態においては、受光画素110bは発光画素110aに隣接する態様を示した。つまり、任意の受光画素110bは、行方向及び列方向に隣接する画素は発光画素であった。しかし、このようなレイアウトに限られるものではない。受光画素110bは、行方向又は列方向に、2個以上が連続して配置されても構わない。
【0083】
<第2実施形態>
本実施形態に係る表示装置の構成について説明する。
【0084】
図8は、本実施形態に係る表示装置200の画素110の構成を説明する断面図である。本実施形態に係る表示装置200と、第1実施形態に係る表示装置100とを比較すると、対向電極162及び第2電極164の構成が異なっている。本実施形態においては、対向電極162と第2電極164とは、電気的に分離されている。具体的には、発光画素110aと受光画素110bとを区画するバンク154に沿って、対向電極162と第2電極164とが分離されている。
【0085】
このような構成を有することによって、発光素子144のカソードと、受光素子146のカソードとに異なる電位を供給することができる。これによって、発光素子144のカソードと、受光素子146のカソードとの各々に適した電位を供給することができ、安定した表示装置200の駆動が可能になる。
【0086】
<第3実施形態>
図9は、本実施形態に係る表示装置300が有する画素110のレイアウトを説明する平面図である。
図10は、本実施形態に係る表示装置300が有する画素110の構成を説明する断面図である。本実施形態に係る表示装置300と、第1実施形態に係る表示装置100とを比べると、受光画素110bの構成及び受光画素110bのレイアウトが異なっている。以下では、第1実施形態に係る表示装置100と共通する構成については説明を省略する。
【0087】
本実施形態に係る表示装置300は、複数の画素電極150と、バンク154と、複数の第1電極152と、第1有機層156と、第2有機層158と、第3有機層160と、対向電極162と、第2電極164とを備えている。
【0088】
複数の画素電極150は、マトリクス状に配列されている。本実施形態においては、複数の発光画素110aがマトリクス状に配列され、複数の発光画素110aの各々に、画素電極150が配列されている。
【0089】
バンク154は、複数の画素電極150の各々の端部、及び互いの間隙部を覆うように形成されている。
【0090】
複数の第1電極152は、バンク154上に、複数の画素電極150とは互いに離間して形成されている。第1電極152は、受光素子146のアノードとして機能する層である。
【0091】
本実施形態においては、複数の画素電極150及び複数の第1電極152は、平面視においてバンク154を介して重畳する箇所を有する。
【0092】
第1有機層156は、複数の画素電極150上、第1電極152上、及びバンク154上に連続的に設けられている。第1有機層156のレイアウトとしては、例えば、複数の発光画素110aに共通して、表示領域104aに亘っていてもよい。
【0093】
第2有機層158は、第1有機層156上であって、複数の画素電極150と重畳する領域に設けられている。
【0094】
第3有機層160は、第2有機層158上、第1電極152と重畳する第1有機層156上、及びバンク154と重畳する第1有機層156上に連続的に設けられている。第3有機層160のレイアウトとしては、例えば、複数の発光画素110aに共通して、表示領域104aに亘っていてもよい。
【0095】
対向電極162は、複数の画素電極150の各々に対向し、第3有機層160上に設けられている。本実施形態においては、対向電極162は、複数の画素110に亘って電気的に接続されている。
【0096】
第2電極164は、複数の第1電極152の各々に対向し、第3有機層160上に設けられている。
【0097】
対向電極162及び第2電極164は、本実施形態のように、電気的に接続されていてもよい。本実施形態においては、対向電極162及び第2電極164は、表示領域104aに亘って共通して配置される電極によって構成される。この場合、
図2に示した画素回路132において、発光素子144及び受光素子146のカソードには共通の電位が与えられる。
【0098】
以上説明したように、発光素子144は、画素電極150、第1有機層156、第2有機層158、第3有機層160、及び対向電極162の積層によって構成される。受光素子146は、第1電極152、第1有機層156、第3有機層160、及び第2有機層158の積層によって構成される。更に、本実施形態において受光素子146は、バンク154の上に設けられる点で第1実施形態に係る表示装置100と異なっている。
【0099】
このような構成を有することによって、表示装置300の開口率を低下させずに、タッチセンサを形成することができる。
【0100】
<第4実施形態>
本実施形態に係る表示装置の構成について説明する。
【0101】
図11は、本実施形態に係る表示装置400の画素110の構成を説明する断面図である。本実施形態に係る表示装置400と、第3実施形態に係る表示装置300とを比較すると、対向電極162及び第2電極164の構成が異なっている。本実施形態においては、対向電極162と第2電極164とは、電気的に分離されている。具体的には、発光画素110aと受光画素110bとを区画するバンク154に沿って、対向電極162と第2電極164とが分離されている。
【0102】
このような構成を有することによって、発光素子144のカソードと、受光素子146のカソードとに異なる電位を供給することができる。これによって、発光素子144のカソードと、受光素子146のカソードとの各々に適した電位を供給することができ、安定した表示装置400の駆動が可能になる。
【0103】
<第5実施形態>
本実施形態に係る表示装置について説明する。
[回路構成]
図12は、本実施形態に係る表示装置500の回路構成を説明する回路図である。本実施形態に係る表示装置500は、第1実施形態に係る表示装置100と比べると、画素回路132の構成及び駆動方法が異なっている。
図13は、本実施形態に係る表示装置500が有する画素110の回路構成を説明する回路図である。
図13では、
図12の領域Aに示す隣接した発光画素110a及び受光画素110bに配置された回路を示している。以下では、本実施形態に係る表示装置500の回路構成及び駆動方法について説明する。
【0104】
本実施形態に係る表示装置500は、駆動回路と、複数の第1走査信号線120と、複数の第2走査信号線122と、複数の第3走査信号線124と、複数の第4走査信号線126と、複数の映像信号線128と、複数の検出信号線130と、複数のリセット電源線127と、複数の画素回路132とを備えている。
【0105】
これらの内、駆動回路と、複数の第1走査信号線120と、複数の第2走査信号線122と、複数の映像信号線128と、複数の検出信号線130とは、第1実施形態に係る表示装置100において説明した構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0106】
複数の第3走査信号線124は、マトリクス状に配列された複数の画素110の、画素行毎に配置されている。但し、一つの画素行において発光画素110aのみが配列され、受光画素110bが配列されない場合は、当該画素行に第3走査信号線124は配置されなくてもよい。
複数の第4走査信号線126は、マトリクス状に配列された複数の画素110の、画素行毎に配置されている。但し、一つの画素行において発光画素110aのみが配列され、受光画素110bが配列されない場合は、当該画素行に第4走査信号線126は配置されなくてもよい。
【0107】
複数のリセット電源線127は、マトリクス状に配列された複数の画素110の、画素行毎に配置されている。但し、一つの画素行において発光画素110aのみが配列され、受光画素110bが配列されない場合は、当該画素行にリセット電源線127は配置されなくてもよい。
【0108】
複数の画素回路132は、発光画素回路132a又は受光画素回路132bの2種に分類される。第1実施形態に係る表示装置100と比較すると、受光画素回路132bの構成のみが異なるため、受光画素回路132bの構成について説明する。
【0109】
複数の受光画素回路132bの各々は、受光画素110bに配置され、複数の第2走査信号線122のいずれか、複数の第3走査信号線124のいずれか、複数の第4走査信号線126のいずれか、複数の検出信号線130のいずれか及び複数のリセット電源線127のいずれかに接続されている。受光画素回路132bは、少なくとも第3トランジスタ137、第4トランジスタ139、第5トランジスタ141、第6トランジスタ143及び受光素子146を含む。
【0110】
第3トランジスタ137は、受光を検出するためのスイッチとして機能する。すなわち、第3トランジスタ137は、オン・オフ動作により、第4トランジスタのゲートと受光素子146のアノードとの導通状態を制御する。第3トランジスタ137は、ゲートが第2走査信号線122に接続され、ソースが受光素子146のアノードに接続され、ドレインが第2ノードN2に接続されている。
【0111】
第4トランジスタ139は、受光素子146内で生成されたキャリアの信号を、電流として増幅するために設けられる。すなわち、受光素子146内で生成されたキャリアに応じた電圧がゲートに印加されると、当該電圧に応じた電流をソース・ドレイン間に流すことができる。第4トランジスタ139は、ゲートが第2ノードN2に接続され、ソースが第5トランジスタ141のドレインに接続され、ドレインが電源電位線に接続されている。
【0112】
第5トランジスタ141は、増幅された信号を検出するためのスイッチとして機能する。すなわち、第5トランジスタ141は、オン・オフ動作により、検出信号線130と第4トランジスタ139のソースとの導通状態を制御する。第5トランジスタ141は、ゲートが第3走査信号線124に接続され、検出信号線130に接続され、ドレインが第4トランジスタ139のソースに接続されている。
【0113】
第6トランジスタ143は、受光素子146内で生成されたキャリアを放出するためのスイッチとして機能する。すなわち、第6トランジスタ143は、オン・オフ動作により、リセット電源線127と第2ノードN2との導通状態を制御する。第6トランジスタ143は、ゲートが第4走査信号線126に接続され、ソースがリセット電源線127に接続され、ドレインが第2ノードN2に接続されている。
【0114】
受光素子146は、アノードが第3トランジスタ137のソースに接続され、カソードが共通電位線に接続されている。
【0115】
以上、本実施形態に係る表示装置500の回路構成について説明した。次いで、本実施形態に係る表示装置500の駆動方法について説明する。
【0116】
[駆動方法]
本実施形態に係る表示装置500の駆動方法は、第1実施形態に係る表示装置100と同様に、1フレーム期間において、発光画素走査期間と、受光画素走査期間とを含む。
【0117】
発光画素走査期間は、複数の発光画素110aの各々に、表示画像に応じた信号を書き込む期間である。具体的な駆動方法は第1実施形態において説明したものと同様であるため、ここでは省略する。
【0118】
受光画素走査期間は、複数の受光画素110bの各々が、発光画素走査期間において受光したか否かを検出する期間である。具体的には、受光画素走査期間に表示装置500は以下のような駆動を行う。
【0119】
受光画素走査期間において、走査線駆動回路116は、制御回路114から入力されるタイミング信号に応じて複数の画素行の各々を順番に選択する。このとき、走査線駆動回路116は、当該画素行の画素110に接続された第2走査信号線122に、第3トランジスタ137をオンにする電圧を出力する。
【0120】
受光素子146が光を吸収して受光素子146内にキャリアの対が蓄積されている場合、第3トランジスタ137がオンになると、当該キャリア対の内の正電荷が第2ノードN2に流れ込んで蓄積される。これによって、第4トランジスタ139のゲートに、第2ノードN2に蓄積された正電荷の量に応じた正電圧が印加される。
【0121】
次いで、走査線駆動回路116は、当該画素行の画素110に接続された第3走査信号線124に、第5トランジスタ141をオンにする電圧を出力する。
【0122】
第5トランジスタ141がオンになると、第4トランジスタ139のゲートに印加された正電圧に応じた電流が、第4トランジスタ139のソース・ドレイン間を流れる。つまり、第4トランジスタ139を流れる電流として、映像線・検出線駆動回路118によって受光素子146に蓄積されていた電荷が読み出される。これによって、タッチ位置を検出することができる。
【0123】
次いで、第2ノードN2に蓄積されていた電荷を放出し、受光素子146を待機状態に戻す。走査線駆動回路116は、当該画素行の画素110に接続された第4走査信号線126に、第6トランジスタ143をオンにする電圧を出力する。第6トランジスタ143をオンになると、リセット電源線127から、第2ノードN2にリセット電位が供給される。これによって、第2ノードN2に蓄積されていた電荷は放出される。ここで、リセット電圧は、受光素子146に逆方向電圧を印加する電圧であり、共通電位線を基準として例えば−5Vである。
【0124】
以上、本実施形態に係る表示装置500の回路構成及び駆動方法について説明した。本実施形態に係る表示装置500の回路構成及び駆動方法によれば、光検出に係る信号を増幅することができる。これによって、光検出に係る信号の比を、ノイズの比に比べて増大させることができ、タッチ検出の精度向上した表示装置500を提供することができる。
【0125】
以上、本発明の好ましい態様を説明した。しかし、これらは単なる例示に過ぎず、本発明の技術的範囲はそれらには限定されない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の変更が可能であろう。よって、それらの変更も当然に、本発明の技術的範囲に属すると解されるべきである。