特許第6792966号(P6792966)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6792966
(24)【登録日】2020年11月11日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】電子内視鏡装置用の接続構造
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/04 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   A61B1/04 530
   A61B1/04 520
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-124000(P2016-124000)
(22)【出願日】2016年6月22日
(65)【公開番号】特開2017-225642(P2017-225642A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2019年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100183760
【弁理士】
【氏名又は名称】山鹿 宗貴
(72)【発明者】
【氏名】大瀬 浩司
(72)【発明者】
【氏名】西尾 潤二
【審査官】 牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−266885(JP,A)
【文献】 特開平07−184852(JP,A)
【文献】 特開2000−279381(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0184771(US,A1)
【文献】 特開2006−006529(JP,A)
【文献】 特開2016−083238(JP,A)
【文献】 特開2000−173718(JP,A)
【文献】 特開2001−332832(JP,A)
【文献】 特開2013−208187(JP,A)
【文献】 特開2002−136478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00− 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子スコープとプロセッサとを接続する電子内視鏡装置用の接続構造であって、
前記電子スコープは、
画像信号を出力する撮像素子と、
前記撮像素子と接続されたスコープ側回路と、
前記スコープ側回路の少なくとも一部を覆う金属製のシールド部材と、
を備え、
前記プロセッサは、
前記スコープ側回路に着脱可能に接続される接続回路と、
前記スコープ側回路から前記接続回路に伝送された前記画像信号を処理する一次回路と、
前記一次回路から出力される前記画像信号を処理する二次回路と、
前記一次回路と前記二次回路を直流電流に対して絶縁し、該一次回路から該二次回路へ前記画像信号を伝送する絶縁伝送手段と、
を備え、
前記シールド部材は、前記スコープ側回路と絶縁され
前記スコープ側回路は、
前記撮像素子を駆動制御し、該撮像素子から出力された画像信号を処理する駆動回路と、
前記駆動回路に接続され、前記画像信号を伝送する中継伝送回路と、
を備え、
前記中継伝送回路は、配線を有する複数の層を有する多層回路基板に実装されており、
前記複数の層のうち少なくとも一つの層は、前記シールド部材と電気的に接続されている、
接続構造。
【請求項2】
前記プロセッサは、金属製のフレームを更に備え、
前記シールド部材は、前記スコープ側回路及び前記接続回路を介して前記フレームに電気的に接続される、
請求項1に記載の接続構造。
【請求項3】
前記接続回路は、抵抗器とコンデンサを有するRC回路を備え、
前記シールド部材は、前記RC回路を介して前記フレームと電気的に接続される、
請求項2に記載の接続構造。
【請求項4】
前記撮像素子と前記スコープ側回路を接続する、前記画像信号を伝送する画像信号伝送配線及び該画像信号に対する基準電位を有する基準電位配線を更に備え、
前記基準電位配線は、
前記スコープ側回路及び前記接続回路を介して前記一次回路に電気的に接続され、
前記シールド部材とは絶縁されている、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の接続構造。
【請求項5】
前記スコープ側回路は、前記駆動回路と前記中継伝送回路を着脱可能に接続するコネクタを更に備え、
前記シールド部材は、
前記駆動回路の少なくとも一部を覆い、
前記コネクタが通される開口部を有し、
前記駆動回路と絶縁されている、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子内視鏡装置用の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
人の食道や腸などの管腔内を観察するための内視鏡システムとして、撮像素子を有する電子スコープ及び電子スコープから出力された画像信号を処理するプロセッサを備える電子内視鏡装置が知られている。電子スコープは、先端側に撮像素子を搭載した挿入管と、挿入管の基端側に連結された接続部を有している。接続部には、撮像素子と接続されるスコープ側回路基板が含まれている。撮像素子は、スコープ側回路基板を介してプロセッサに接続されている。
【0003】
スコープ側回路基板は、撮像素子から出力された画像信号を処理やプロセッサへの伝送を行うための電子回路を含んでおり、これらの回路から電磁ノイズが放射される。電磁ノイズは、外部の電子機器に悪影響を与える虞があるため、接続部から電磁ノイズが漏れ出さないようにすることが望ましい。電子回路から放射される電磁ノイズを遮蔽する構成として、例えば特許文献1に記載のシールド構造が知られている。
【0004】
特許文献1のシールド構造では、電磁ノイズ源である部品が第1回路基板上に実装されている。また、第1回路基板上には、電磁ノイズ源である部品を覆うように金属製のシールドが配置されている。また、第1回路基板及び金属シールドは、第2回路基板を介してグラウンドに接続されている。これにより、部品で発生した電磁ノイズはシールドによって遮蔽されて、外部に電磁ノイズが漏れ出すことが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−80691
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電子内視鏡装置のプロセッサは、一次回路(患者側回路)と、その後段の二次回路を有している。電子スコープから出力された画像信号は、一次回路及び二次回路により順次処理される。電子内視鏡装置では、通常、二次回路が患者に電気的な影響を与えることを防止するために、一次回路と二次回路はアイソレータによって接続されており、直流電流に対して絶縁されている。これに対し、特許文献1では、第1回路基板とシールドが何れも、第2回路基板を介してグラウンドに接続されている。そのため、シールドをグラウンドに接続した状態で、第1回路基板と第2回路基板を直流電流に対して絶縁させることができなかった。
【0007】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電子スコープから放射される電磁ノイズを遮蔽すると共に、プロセッサの患者側回路とその後段の回路とを絶縁可能とする電子内視鏡装置用の接続構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る接続構造は、電子スコープとプロセッサとを接続する電子内視鏡装置用の接続構造であって、電子スコープは、画像信号を出力する撮像素子と、撮像素子と接続されたスコープ側回路と、スコープ側回路の少なくとも一部を覆う金属製のシールド部材と、を備え、プロセッサは、スコープ側回路に着脱可能に接続される接続回路と、スコープ側回路から接続回路に伝送された画像信号を処理する一次回路と、一次回路から出力される画像信号を処理する二次回路と、一次回路と二次回路を直流電流に対して絶縁し、一次回路から二次回路へ画像信号を伝送する絶縁伝送手段と、を備える。この構成において、シールド部材は、スコープ側回路と絶縁されている。
【0009】
このような構成によれば、シールド部材が、スコープ側回路と絶縁された状態でスコープ側回路を覆っているため、スコープ側回路で発生した電磁ノイズが外に漏れ出すことを防止することができる。また、スコープ側回路はシールド部材に対して電気的に独立しているため、シールド部材による電磁ノイズの遮蔽効果に影響を与えることなく、スコープ側回路と接続された一次回路と、その後段の二次回路を直流電流に対して絶縁することができる。
【0010】
また、本発明の一実施形態において、プロセッサは、例えば、金属製のフレームを更に備える。この場合、シールド部材は、スコープ側回路及び接続回路を介してフレームに電気的に接続される。
【0011】
また、本発明の一実施形態において、接続回路は、例えば、抵抗器とコンデンサを有するRC回路を備える。この場合、シールド部材は、RC回路を介してフレームと電気的に接続される。
【0012】
また、本発明の一実施形態において、接続構造は、例えば、撮像素子とスコープ側回路を接続する、画像信号を伝送する画像信号伝送配線及び画像信号に対する基準電位を有する基準電位配線を更に備える。この場合、基準電位配線は、スコープ側回路及び接続回路を介して一次回路に電気的に接続され、シールド部材とは絶縁されている。
【0013】
また、本発明の一実施形態において、スコープ側回路は、例えば、撮像素子を駆動制御し、撮像素子から出力された画像信号を処理する駆動回路と、駆動回路に接続され、画像信号を伝送する中継伝送回路と、駆動回路と中継伝送回路を着脱可能に接続するコネクタと、を備える。また、シールド部材は、駆動回路の少なくとも一部を覆い、コネクタが通される開口部を有し、駆動回路と絶縁されている。
【0014】
また、本発明の一実施形態において、中継伝送回路は、例えば、配線を有する複数の層を有する多層回路基板に実装されており、複数の層のうち少なくとも一つの層は、シールド部材と電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施形態によれば、電子スコープから放射される電磁ノイズを遮蔽すると共に、プロセッサの患者側回路とその後段の回路とを絶縁可能とする電子内視鏡装置用の接続構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態にかかる内視鏡システムのブロック図である。
図2】本発明の実施形態にかかる電子スコープとプロセッサの接続部分の概略図である。
図3】本発明の実施形態にかかる中継回路基板の断面図である。
図4】本発明の実施形態の変形例にかかる中継回路基板の断面図である。
図5】本発明の実施形態の変形例にかかる内視鏡システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、本発明の一実施形態として電子内視鏡装置を例に取り説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子内視鏡装置1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、電子内視鏡装置1は、医療用に特化された装置であり、電子スコープ100、プロセッサ200及びモニタ300を備えている。
【0019】
プロセッサ200は、一次回路210、二次回路220、アイソレータ230、操作パネル240、光源ユニット250を備えている。アイソレータ230は、一次回路210と二次回路220を、直流電流に対して絶縁する。アイソレータ230には、例えば、フォトカプラ、パルストランスを用いたアイソレータ、GMR(Giant Magneto Resistance)アイソレータ等が使用される。
【0020】
二次回路220は、システムコントローラ221、タイミングコントローラ222、メモリ223及び後段信号処理回路224を備えている。システムコントローラ221は、メモリ223に記憶された各種プログラムを実行し、電子内視鏡装置1全体を統合的に制御する。また、システムコントローラ221は、操作パネル240に接続されている。システムコントローラ221は、操作パネル240より入力される術者からの指示に応じて、電子内視鏡装置1の各動作及び各動作のためのパラメータを変更する。タイミングコントローラ222は、各部の動作のタイミングを調整するクロックパルスを電子内視鏡装置1内の各回路に出力する。
【0021】
光源ユニット250は、ランプ251、ランプ電源イグナイタ252、集光レンズ253を備えている。ランプ251は、ランプ電源イグナイタ252による始動後、照射光Lを射出する。ランプ251は、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ等の高輝度ランプである。また、ランプ251には、LED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)等の固体発光素子を使用してもよい。照射光Lは、主に可視光領域から不可視である赤外光領域に広がるスペクトルを持つ光(又は少なくとも可視光領域を含む白色光)である。
【0022】
ランプ251より射出された照射光Lは、集光レンズ253によりLCB(Light Carrying Bundle)102の入射端面に集光されてLCB102内に入射される。
【0023】
LCB102内に入射された照射光Lは、LCB102内を伝播する。LCB102内を伝播した照射光Lは、電子スコープ100の先端に配置されたLCB102の射出端面より射出され、配光レンズ104を介して被写体に照射される。照射光Lにより照射された被写体からの戻り光は、対物レンズ106を介して固体撮像素子108の受光面上で光学像を結ぶ。
【0024】
固体撮像素子108は、補色市松型画素配置を有する単板式カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。固体撮像素子108は、受光面上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積して、イエローYe、シアンCy、グリーンG、マゼンタMgの画像信号を生成し、生成された垂直方向に隣接する2つの画素の画像信号を加算し混合して出力する。なお、固体撮像素子108は、CCDイメージセンサに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやその他の種類の撮像装置に置き換えられてもよい。固体撮像素子108はまた、原色系フィルタ(ベイヤ配列フィルタ)を搭載したものであってもよい。
【0025】
電子スコープ100の接続部内には、ドライバ信号処理回路110が備えられている。ドライバ信号処理回路110には、照射光Lにより照射された被写体の画像信号が所定のフレームレートで固体撮像素子108より入力される。本実施形態において、フレームレートは、1/30秒である。ドライバ信号処理回路110は、固体撮像素子108より入力される画像信号に対して増幅処理等の所定の信号処理を施してプロセッサ200の一次回路210に出力する。
【0026】
また、システムコントローラ221は、アイソレータ230を介して、電子スコープ100に備えられたメモリ112にアクセスし、電子スコープ100の固有情報を読み出す。メモリ112に記録される電子スコープ100の固有情報には、例えば、固体撮像素子108の画素数や感度、動作可能なフレームレート、型番等が含まれる。なお、図1では、図面を簡略化するため、システムコントローラ221とメモリ112を繋ぐ信号線の図示を省略している。
【0027】
システムコントローラ221は、メモリ112から読み出した電子スコープ100の固有情報に基づいて各種演算を行い、制御信号を生成する。システムコントローラ221は、生成された制御信号を用いて、プロセッサ200に接続されている電子スコープ100に適した処理がなされるようにプロセッサ200内の各種回路の動作やタイミングを制御する。
【0028】
タイミングコントローラ222は、システムコントローラ221によるタイミング制御に従って、ドライバ信号処理回路110にクロックパルスを供給する。ドライバ信号処理回路110は、タイミングコントローラ222から供給されるクロックパルスに従って、固体撮像素子108をプロセッサ200側で処理される映像のフレームレートに同期したタイミングで駆動制御する。また、ドライバ信号処理回路110は、固体撮像素子108から出力された画素信号に対して増幅処理等の信号処理を施して、プロセッサ200の一次回路210に出力する。
【0029】
一次回路210は、前段信号処理回路211を備えている。前段信号処理回路211は、ドライバ信号処理回路110より1フレーム周期で入力される画素信号に対してデモザイク処理、マトリックス演算、Y/C分離等の所定の信号処理を施して画像信号を生成する。画像信号は、アイソレータ230を介して二次回路220の後段信号処理回路224に入力される。
【0030】
後段信号処理回路224は、一次回路210より入力された画像信号を処理してモニタ表示用の画面データを生成し、生成されたモニタ表示用の画面データを所定のフォーマットの映像信号に変換する。変換された映像信号は、モニタ300に出力される。これにより、被写体のカラー画像がモニタ300の表示画面に表示される。
【0031】
このように、本実施形態では、一次回路210と二次回路220が、アイソレータ230によって接続されている。これにより、一次回路210と二次回路220が直流電流に対して絶縁される。そのため、二次回路220が、一次回路210及び電子スコープ100を介して患者の人体に電気的な影響を与えることが防止される。
【0032】
次に、電子内視鏡装置1のうち、電子スコープ100とプロセッサ200の接続部分の構造について説明する。図2は、電子スコープ100とプロセッサ200の接続部分の概略図である。
【0033】
電子スコープ100は、ライトガイドチューブ121及び接続部122を有している。ライトガイドチューブ121内には、固体撮像素子108に接続された複数の配線130やLCB102(図2では不図示)が通されている。配線130には、固体撮像素子108に駆動電圧を印加するための配線、画像信号を伝送するための配線、画像信号の基準電圧が印加される配線(所謂、シグナルグラウンド)が含まれる。ライトガイドチューブ121のプロセッサ200側の端部は、接続部122に取り付けられている。接続部122は、プロセッサ200に対して着脱可能に接続される。
【0034】
接続部122内には、スコープ側回路基板140が備えられている。スコープ側回路基板140は、ドライバ信号処理回路110を備える親基板140aと、中継回路基板140bを含んでいる。親基板140aと中継回路基板140bは、複数の端子を備える中継コネクタ142によって接続されている。また、親基板140aと固体撮像素子108は配線130によって接続されている。
【0035】
親基板140aは、金属製のシールド部材150によって覆われている。シールド部材150には、配線130を通す開口151及び中継コネクタ142を通す開口152が設けられている。これらの開口151、152の径は、配線130や中継コネクタ142を通すために必要最低限の大きさに設定されている。シールド部材150は、シールド配線153によって中継回路基板140bと接続されている。
【0036】
図3は、中継回路基板140bの断面図である。中継回路基板140bは、多層配線構造を有するプリント配線基板である。配線を有する各配線層L1〜L4は、絶縁性の接着剤B1〜B3によって接着されている。また、中継回路基板140bの表面は、絶縁性のフィルムF1、F2で覆われている。接着剤B1〜B3やフィルムF1〜F2は、例えば、樹脂材料のものが使用される。本実施形態では、配線層L1〜L4は、3つの信号層L1〜L3と1つのシールド層L4を含んでいる。
【0037】
中継回路基板140bには、配線層間を接続する複数のビアV1〜V5が形成されている。図3において、ビアV1〜V5は、中継回路基板140bを貫通するように形成されており、内部に導電性の部材C1〜C5が配置されている。導電性の部材C1〜C5は、例えば、金属製のハトメ、導電性のメッキ又は導電性ペースト等である。
【0038】
ビアV1は、信号層L1の配線と信号層L2の配線を電気的に接続している。ビアV2は、信号層L1の配線と信号層L3の配線を電気的に接続している。ビアV3は、信号層L1の配線とシールド層L4の配線を電気的に接続している。ビアV4は、信号層L2の配線とシールド層L4の配線を電気的に接続している。ビアV5は、信号層L3の配線とシールド層L4の配線を電気的に接続している。
【0039】
中継回路基板140bの信号層L1に近い面には、中継コネクタ142が取り付けられている。3つの信号層L1〜L3は、ビアV1、V2や中継コネクタ142を介して親基板140aと接続される。また、シールド層L4の配線は、シールド配線143を介してシールド部材150と接続される。
【0040】
中継回路基板140bのシールド層L4に近い面の一部には、接続領域141aが形成されている。接続領域141aには、複数のコンタクトピンP1〜P4が形成されている。コンタクトピンP1〜P3はそれぞれ、ビアV3〜V5によって信号層L1〜L3の配線と接続されている。コンタクトピンP4は、シールド層L4の配線と接続されている。
【0041】
図2を参照して、プロセッサ200の接続部分について説明する。プロセッサ200は、接続回路基板260を有している。接続回路基板260には、複数の端子を有する着脱コネクタ261が取り付けられている。電子スコープ100がプロセッサ200に装着されると、中継回路基板140bの複数のコンタクトピンP1〜P4が、着脱コネクタ261の複数の端子と接触する。また、接続回路基板260は、抵抗器とコンデンサを有するRC回路(並列RC回路)262を介して、プロセッサ200のフレームグラウンドFGと接続されている。フレームグラウンドFGは、プロセッサ200の金属製のフレームであり、例えば、プロセッサ200の筐体201やシャーシ等の一部である。なお、固体撮像素子108に接続されたシグナルグラウンドは、フレームグラウンドFGには接続されていない。
【0042】
着脱コネクタ261の複数の端子のうち、信号層L1〜L3のコンタクトピンP1〜P3と接触する端子は、接続回路基板260を介して一次回路210に接続される。これにより、固体撮像素子108は、親基板140a、中継回路基板140b及び接続回路基板260を介して一次回路210に接続される。また、一次回路210は、アイソレータ230を介して二次回路220に接続されている。
【0043】
また、着脱コネクタ261の複数の端子のうち、シールド層L4のコンタクトピンP4と接触する端子は、RC回路262を介してフレームグラウンドFGに接続されている。これにより、シールド部材150は、中継回路基板140b、接続回路基板260及びRC回路262を介してフレームグラウンドFGに接続される。
【0044】
固体撮像素子108と一次回路210とを繋ぐ配線と、シールド部材150とフレームグラウンドFGとを繋ぐ配線は、何れも中継回路基板140bと接続回路基板260を通っている。しかし、これらの配線は互いに独立して配置されている。そのため、シールド部材150の電位は、ドライバ信号処理回路110の駆動状態によらず、フレームグラウンドFGと同じ電位に保たれる。これにより、シールド部材150は、親基板140aに対してファラデーゲージとして働く。
【0045】
親基板140aに備えられたドライバ信号処理回路110は、固体撮像素子108から出力された画像信号を高速で処理する必要があるため、電磁ノイズを発生させやすい。この電磁ノイズは、電子内視鏡装置1の周囲の電子機器の動作に悪影響を与えるおそれがある。しかし、親基板140aをシールド部材150で覆い、シールド部材150を親基板140aとは独立した電位とすることにより、ドライバ信号処理回路110で発生した電磁ノイズをシールド部材150で遮蔽することができる。
【0046】
また、本実施形態では、シールド部材150は、フレームグラウンドFGに接続されている。そのため、シールド部材150の内部で発生した電磁ノイズや外部からシールド部材150に向かって入射された電磁ノイズにより、シールド部材150に静電気が溜まってしまうことを防止することができる。これにより、シールド部材150に溜まった静電気の放電によって周囲の電子回路の動作が悪影響を受ける、或いは、人体が放電によるショックを受けてしまうことを防止することができる。
【0047】
また、本実施形態では、固体撮像素子108に接続される配線の系統と、シールド部材150とフレームグラウンドFGを接続する配線の系統とが、独立に設けられている。そのため、シールド部材150をフレームグラウンドFGに接続した状態で、固体撮像素子108に接続される配線が接続される一次回路210と、その後段の二次回路220とを直流電流に対して絶縁可能とすることができる。
【0048】
また、本実施形態のシールド部材150は、固体撮像素子108に接続された配線130や中継コネクタ142を通すための開口151、152を有している。この開口151、152の径が大きい場合、ドライバ信号処理回路110で発生した電磁ノイズが開口151、152を通って外側に漏れ出す虞がある。しかし、本実施形態では、各開口151、152の径は、配線130や中継コネクタ142を通すために必要最低限の大きさに設定されている。そのため、開口151、152から漏れ出す電磁ノイズを最小限に抑えることができる。
【0049】
また、本実施形態では、中継回路基板140bが、シールド部材150と電気的に接続されたシールド層L4を有している。このシールド層L4は、シールド部材150と同様に、電磁ノイズを遮蔽する効果を有する。また、中継回路基板140bは、中継コネクタ142を通すための開口152を、外側から塞ぐように配置されている。そのため、仮に、開口152から電磁ノイズが漏れ出したとしても、この電磁ノイズをシールド層L4で遮蔽することができる。
【0050】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本発明の実施形態に含まれる。
【0051】
例えば、中継回路基板140bは、図3に示す構成に限定されない。図4は、上述の実施形態の変形例における中継回路基板140bの断面図である。中継回路基板140bには、図3に示すビアV1、V2の代わりに、ビアV6、V7が形成されている。また、ビアV6、V7の内部には、内部に導電性の部材C6、C7が配置されている。図3に示されるビアV1、V2がシールド層L4を含む中継回路基板140bを貫通するように形成されているのに対し、図4に示されるビアV6、V7は、シールド層L4を貫通していない。
【0052】
シールド層L4にビアによる貫通穴が形成されている場合、中継コネクタ142が通される開口152から出てきた電磁ノイズが、貫通穴を通って外側に漏れ出す場合がある。しかし、図4に示す構成では、中継コネクタ142付近において、シールド層L4に貫通穴が形成されていない。そのため、仮に、開口152から電磁ノイズが漏れ出したとしても、この電磁ノイズをシールド層L4で確実に遮蔽することができる。
【0053】
また、上述の実施形態の別の変形例では、中継回路基板140bがシールド層L4を含んでいなくてもよい。例えば、中継コネクタ142の大きさが小さく、それに合わせて開口152の径が小さい場合、開口152から漏れ出す電磁ノイズの量は少なくなる。そのため、漏れ出す電磁ノイズの量が少ない場合は、中継回路基板140bにシールド層L4を形成しなくても、電磁ノイズが外部の電子機器に悪影響を与えることはない。この場合、シールド配線153は、直接、着脱コネクタ261に接続されてもよく、中継回路基板140bを介して着脱コネクタ261に接続されてもよい。
【0054】
また、上述の実施形態では、シールド部材150は、スコープ側回路基板140のうち、親基板140aのみを覆っているが、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、シールド部材150は、親基板140aと中継回路基板140bの両方を覆っていてもよい。この場合、シールド部材150には、着脱コネクタ261を通すための開口が形成される。また、シールド部材150が、親基板140aと中継回路基板140bの両方を覆っている場合、親基板140aと中継回路基板140bを、一つの回路基板としてもよい。
【0055】
また、上述の実施形態では、ドライバ信号処理回路110は親基板140aに設けられているが、本発明の実施形態はこの構成に限定されない。図5は、本発明の実施形態の変形例における電子内視鏡装置1のブロック図である。本変形例では、ドライバ信号処理回路110は、プロセッサ200の一次回路210に設けられている。また、電子スコープ100には中継回路111が設けられている。中継回路111は、電子スコープ100の親基板140aに設けられている。中継回路111は、固体撮像素子108とドライバ信号処理回路110の間で送受される信号を中継する。
【0056】
また、上述の実施形態では、電子スコープ100がプロセッサ200に装着されると、シールド部材150は、フレームグラウンドFGに電気的に接続されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、シールド部材150は、フレームグラウンドFGに接続されず、電気的に浮いた状態であってもよい。シールド部材150が電気的に浮いていたとしても、親基板140aと絶縁されている限り、シールド部材150はファラデーゲージとして働く。そのため、親基板140aで発生した電磁ノイズをシールド部材150で遮蔽することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 電子内視鏡装置
100 電子スコープ
102 LCB
104 配光レンズ
106 対物レンズ
108 固体撮像素子
110 ドライバ信号処理回路
111 中継回路
112 メモリ
121 ライトガイドチューブ
122 接続部
130 配線
140 スコープ側回路基板
140a 親基板
140b 中継回路基板
142 中継コネクタ
143 シールド配線
150 シールド部材
151 開口
152 開口
200 プロセッサ
201 筐体
210 一次回路
211 前段信号処理回路
220 二次回路
221 システムコントローラ
222 タイミングコントローラ
223 メモリ
224 後段信号処理回路
230 アイソレータ
240 操作パネル
250 光源ユニット
251 ランプ
252 ランプ光源イグナイタ
253 集光レンズ
260 接続回路基板
261 着脱コネクタ
262 RC回路
300 モニタ
図1
図2
図3
図4
図5