(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
様々な状況下において、物体の移動量を計測するのに際し、簡単な構成で正確な移動量を計測できるシステムや変位計が要求される。例えば、地盤の洗掘状態を検知するには、検知部として光学式または超音波式のセンサで空中から川底の状態を検知する方法が知られているが、洪水が生じる荒天や増水時には、大雨や濁流により光や超音波が妨害され正確な距離を検知することができない。
【0003】
そこで、川底(地盤)に複数のセンサを埋設し、川底が洗掘されてセンサが水流にさらされるのを直接検知する方法が、例えば、特許文献1そして特許文献2で提案されている。センサは洗掘の有無を検知するものであり、複数のセンサを鉛直方向で間隔をもった位置に埋設して、予め各センサを設置する深度を設定しておき、洗掘により露出することとなったセンサによって、洗掘の生じた深さを検知することができる。
【0004】
特許文献1では、鉛直方向に延びる検知部本体の下半部が地盤に埋設された状態で該検知部本体が立設されている。該検知部本体の下半部には、複数の感応部が鉛直方向で間隔をもった位置に配されており、該下半部の内部には、各感応部に対応する位置にAE(アコースティック・エミッション)センサが取り付けられている。該AEセンサは、地盤の洗掘で露出することとなった感応部が河川水との摩擦により生ずる超音波を検出するようになっている。
【0005】
また、特許文献2では、光ファイバに接続され互いに対向する発光部及び受光部を有するセンサが橋脚に取り付けられた状態で地盤内に複数埋設されている。該センサは、地盤の洗掘により発光部と受光部との間の土砂が不在となると、発光部からのレーザ光を受光部が検出するようになっている。
【0006】
このような特許文献1そして特許文献2の装置によれば、洗掘の深さを計測することができるが、洗掘の深度を計測するためには鉛直方向に間隔をもって複数のセンサを設置する必要がある。深度の検知精度はセンサ数に依存するので精度を高めるためには上記間隔を小さくしてセンサの数を多くする必要があり、その結果、設置費用が増大してしまう。
【0007】
また、センサを含む検知部を稼働させるためには電源が必要であるが、大雨や台風が来た場合は落雷等により検知部の電気部品が破損して検知機能が機能しなくなるおそれがある。さらに、送電環境が整備されていない山間部や奥地に橋梁が設置される場合には、検知部に電力を供給することが困難となる。
【0008】
特許文献3には、多数のセンサの設置や検知部への電源供給を要しない地滑り検知システムが開示されている。該地滑り検知システムは、光学式の回転センサを有する伸縮測定装置により地滑りを検知するようになっている。上記回転センサは、複数の磁性体(磁石)が周方向に配置された円盤状の回転体と、該回転体に近接して固定配置されたファラデ近接センサとを有しており、回転体の回転によって生じる磁場の変化をファラデ近接センサが検知することにより、回転体の回転数が得られるようになっている。上記伸縮測定装置は、ワイヤが巻回されたワイヤ巻取り部が回転センサの回転体とともに回転するようになっている。特許文献3の地滑り検知システムでは、山の斜面に埋設された移動杭にワイヤの先端が取り付けられており、地滑りにより移動杭が移動してワイヤを引っ張ると、ワイヤ巻取り部が回転してワイヤを繰り出し、このとき、回転体もワイヤ巻取り部とともに回転する。そして、ファラデ近接センサが回転体の回転によって生じる磁場の変化を検知することにより、回転体の回転数ひいては移動杭の移動量が得られる。
【0009】
このような地滑り検知システムの構成を洗掘検知システムに応用すれば、多数のセンサの設置による費用の増大を回避でき、また、検知部への電源を供給する必要もなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献3の回転センサは、周方向に複数の磁性体が配された回転体が移動することにより生じる磁場の変化をファラデ近接センサで検出する構成となっているので、ファラデ近接センサの性能(感度や反応速度等)によっては、磁場の変化を正確に検知できないおそれがある。また、磁場の強度は回転センサの設置環境(例えば、周囲の温度等)により変化するので、回転体の回転時に磁性体が所定の軌道上を移動しても、磁場の強度が一定にならず、磁場の変化を正確に検知できないおそれがある。このように磁場の変化を正確に検知できない場合には、特許文献3の地滑り検知システムの構成を洗掘検知システムに応用しても、正確な洗掘深度を得られない。
【0012】
かかる事情に鑑み、本発明は、複数のセンサを用いずに、費用を低減して、なおかつ正確な移動量を計測することを可能とする移動量計測システム及び変位計を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、上述の課題は、次の第一発明に係る移動量計測システム及び第二発明に係る変位計により解決される。
【0014】
<第一発明>
本発明に係る移動量計測システムは、物体の移動量を計測する。
【0015】
かかる移動量計測システムにおいて、本発明では、張力伝達部材が巻回され軸線まわりに回転可能な巻回体と、該巻回体と上記物体とを接続する上記張力伝達部材と、上記巻回体の回転量を計測する回転量計測装置と、光源からの光信号を送信信号として回転量計測装置へ送信する送信装置と、回転量計測装置からの光信号を受信信号として受信する受信装置と、光信号の通信路となる光ファイバケーブルとを備え、回転量計測装置は、
上記巻回体と同軸で該巻回体とともに回転する回転体と、該回転体の回転を鉛直方向の直動に変換する機構を介して回転体に
一時的に係合して往復直動する直動体と、該直動体の先端に取り付けられた磁性体と、直動体の運動方向の軸線上に配置され上記磁性体の移動に伴う磁場の変化を光信号の光強度の変化として検知する光強度検知部を有し、該光強度検知部は、ファラデ素子を有する光センサであり、該光センサは、光ファイバケーブルを介して送信装置および受信装置のそれぞれに接続されており、受信装置に接続された計数手段により該受信装置が受信した受信信号の光強度の変化に基づいて回転量計測装置の回転体の回転数を計数し、該回転体の回転数に基づいて巻回体の回転数を得、上記計数手段で得られた巻回体の回転数に基づいて物体の移動量を計測することを特徴としている。
【0016】
このような構成の本発明にあっては、物体の移動に伴って、巻回体が張力伝達部材を繰り出すか、あるいは巻き取る。回転量計測装置では、巻回体の回転に応じて回転する回転体の回転運動が鉛直方向での
直動体の往復動に変換され、該直動体の先端に取り付けられた磁性体の移動に伴う磁場の変化が、直動体の運動方向の軸線上に配置された光強度検知部により検知される。該光強度検知部は、ファラデ素子を有する光センサ(ファラデ素子センサ)であり、該ファラデ素子センサに対して磁性体が近接あるいは離間したときに磁場が変化すると該ファラデ素子センサからの出力信号の光強度が変化するので、この光強度の変化から上記磁性体の近接あるいは離間の回数に基づいて、直動体の往復動の回数ひいては回転体の回転量が得られ、さらには巻回体の回転量が得られる。そして、巻回体の回転量と張力伝達部材の巻き径から張力伝達部材の繰り出し量あるいは巻き取り量が算出され、物体の移動量が計測される。このように本発明では、回転量計測装置に設けられるファラデ素子センサは一つで済む。
【0017】
また、ファラデ素子センサは常に磁性体の往復動方向(鉛直方向)の軸線上に位置しているので、磁性体の往復動に伴う磁場の変化を連続的に計測でき、磁性体の近接又は離間を確実に検知することができる。つまり、本発明では、従来のような回転体とともに回転移動する磁性体の通過をセンサで検知する場合と比較して、回転体の回転量をひいては巻回体の回転量を高い精度で得られる。
【0018】
さらに、ファラデ素子センサは光ファイバケーブルが接続されているだけなので、電気部品を使用しておらず、電源(設備)を要しないとともに、落雷等の雷撃の影響を受ける虞れがない。このようにファラデ素子センサに対しては電源(設備)が不要なので、建設のイニシャルコスト、適用のランニングコストの低減を図ることができる。
【0019】
また、ファラデ素子センサと光ファイバケーブルは光学的に接続されているだけなので機械部品がないため、長期間使用しても故障する可能性が低く安定性が高い。
【0020】
さらには、本発明では、光信号を光ファイバケーブルで通信するための送信装置、受信装置、制御装置、分析装置等を設置する基地局を物体(移動量の計測対象)から数km〜数十km離間した遠隔地に設置することが可能となり、検知システムの運用の自由度が向上する。
【0021】
本発明において、受信装置は、第一受信器と第二受信器とを有しており、光ファイバケーブルは、送信信号を通信する送信路と受信信号を通信する受信路とを有しており、受信路は、第一受信器に接続される第一分岐受信路と第二受信路に接続される第二分岐受信路に分岐されており、第一分岐受信路および第二分岐受信路の少なくとも一方は、回転量計測装置からの受信信号の光強度を所定量だけ増減して調整可能となっており、第一受信器は、第一分岐受信路で通信される受信信号を受信し、第二受信器は、第二分岐受信路で通信され
第一受信機での受信信号とは異なる光強度の受信信号を受信し、計数手段は、第一受信器によって受信された受信信号および第二受信器によって受信された受信信号の両方の受信信号の光強度が該光強度に関する所定の条件を満たしたときに回転体の回転数を計数するように設定されていることとしてもよい。
【0022】
本発明では、光強度検知部としてのファラデ素子センサからの出力信号(受信信号)の光強度に対して閾値が予め設定されており、例えば、ファラデ素子センサからの受信信号の光強度が上記閾値を上回ったときあるいは下回ったときに、計数手段が回転体の回転数を計数する。
【0023】
ところで、ファラデ素子センサからの出力信号は、その光強度が上記閾値を跨ぐように細かく変動する、いわゆるチャタリングを生じることがある。該チャタリングが生じた場合、上記受信信号の光強度は複数回にわたって閾値を上回るあるいは下回るので、例えば、回転体が一回しか回転していないにもかかわらず、計数手段が複数回分の回転数を計数してしまうおそれがある。
【0024】
本発明では、回転量計測装置からの受信信号の光強度が第一分岐受信路および第二分岐受信路の少なくとも一方で調整されるので、第一受信器で受信される第一の受信信号と第二受信器で受信される第二の受信信号とは光強度が異なることとなる。この結果、チャタリングが生じた場合、第一受信器と第二受信器とは、チャタリングしている受信信号を互いに異なるタイミングで受信することとなる。したがって、両方の受信信号の光強度に対して所定の条件を設定しておき、該両方の受信信号がその所定の条件を満たしたときにだけ計数手段が回転体の回転数を計数するようにすれば、チャタリングが生じたとしても、回転体の回転数を確実に一回分だけ計数することが可能となり、巻回体の回転量ひいては物体の移動量の計測の精度を向上させることができる。
【0025】
<第二発明>
本発明に係る変位計は、張力伝達部材が巻回され軸線まわりに回転可能な巻回体の回転量を計測する。
【0026】
かかる変位計において、本発明では、回転量検出装置は、
上記巻回体と同軸で該巻回体とともに回転する回転体と、該回転体の回転を鉛直方向の直動に変換する機構を介して回転体に
一時的に係合して往復直動する直動体と、該直動体の先端に取り付けられた磁性体と、直動体の運動方向の軸線上に配置され上記磁性体の移動に伴う磁場の変化を光信号の光強度の変化として検知する光強度検知部を有し、該光強度検知部は、ファラデ素子を有する光センサであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、以上のように、物体の移動に伴って、巻回体が張力伝達部材を繰り出すかあるいは巻き取り、この繰り出し量あるいは巻き取り量を回転量計測装置あるいは変位計で計測された巻回体の回転量から得ることにより、物体の移動量を計測することとしており、物体が移動した際には、巻回体の回転量と張力伝達部材の巻き径から張力伝達部材の繰り出し量あるいは巻き取り量を算出し、物体の移動量を計測できるので、回転量計測装置あるいは変位計に設けられる光センサが一つで済み経済的に有利であり、物体の移動量を連続的に計測でき正確に移動量を知ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面にもとづき、本発明の一実施形態を説明する。
【0030】
図1は洗掘検知システムとしての本実施形態装置の概要構成図、
図2は
図1装置の各検知ユニットの光ファイバケーブルの先端側における検知部分を示す図である。
【0031】
本実施形態装置は、
図1に見られるように、駅舎、保安区等に設置された監視基地局としての地盤洗掘監視装置10を有し、該地盤洗掘監視装置10は、光を送信そして受信する光送受信装置としての多数の検知ユニット11(
図1では4つの検知ユニット11A,11B,11C,11Dのみが示されている)と、各検知ユニットからの信号情報から洗掘深度を得る深度換算装置12と、これらを制御するとともに深度換算装置12からの出力を判定する制御装置13と、その結果を表示する表示装置14とを有している。上記制御装置13は、列車T等に連絡する無線連絡装置15に接続されている。
【0032】
各検知ユニット11A,11B,11C,11Dからは光ファイバケーブル16A,16B,16C,16D(必要に応じて「光ファイバケーブル16」と総称する)が延出していて、これらの光ファイバケーブル16A,16B,16C,16Dは、好ましい形態として、一つの幹線ケーブル17としてまとめられて、地盤洗掘を検知すべき河川等の橋梁の位置に向け延びていてそれらの先端が、ファラデ素子を用いた光センサ(ファラデ素子センサ)としてのファラデ近接センサ27A,27B,27C,27Dに接続されている。既述したように、検知ユニット11は多数設けられているので、一つの幹線ケーブル17には、それに対応する数だけの光ファイバケーブル16が挿通されている。
【0033】
図1に見られるように一つの幹線ケーブル17から順次引き出された光ファイバケーブル16A〜16Dのそれぞれは、
図2のごとく、橋梁Bの橋梁本体B1を支持する複数の橋梁支持体B2の位置にまで延びている(
図2では光ファイバケーブル16A,16Bのみを図示)。
図2では、光ファイバケーブル16A,16Bの先端が接続されているファラデ近接センサ27A,27Bが図示されている。また、幹線ケーブル17に複数の光ファイバケーブル16を挿通させるのに代えて、例えば、幹線ケーブル17に複数の光ファイバ心線を収容するとともに、光ファイバ心線を金属管に挿通させた光ファイバケーブル16を幹線ケーブル17から各橋梁支持体B2に対して分岐させることとしてもよい。
【0034】
図2に見られるように、橋梁Bは、例えば鉄道橋であり、河川の上方に位置する橋梁本体B1と、河川の地盤に立設させてその上端で上記橋梁本体B1を支える支柱をなす橋梁支持体B2を有しており、上記橋梁本体B1と橋梁支持体B2の両者がなす隅部に検知ボックス20が支持されている。この検知ボックス20は、橋梁本体B1と橋梁支持体B2のいずれか一方で支持することもできる。
【0035】
上記各検知ユニット11A,11B,11C,11Dから延びる光ファイバケーブル16A,16B,16C,16Dの先端は、既述のごとく、ファラデ近接センサ27A,27B,27C,27Dに接続されていて、各光ファイバケーブル16A,16B,16C,16Dは橋梁Bの対応橋梁支持体B2にまで延びているが、
図2には、二つの光ファイバケーブル16A,16Bについてのみ図示されている。これら二つの光ファイバケーブル16A,16Bの先端が導入されているそれぞれの検知ボックス20は、内部構成が同一であるので、以下、光ファイバケーブル16Aが導入されている検知ボックス20について説明する。
【0036】
検知ボックス20内には、
図3(A),(B)に見られるように、張力伝達部材としてのワイヤ21が巻回され回転自在に支持された巻回体としてのドラム22と、該ドラム22の回転量を計測する変位計としての回転量計測装置23が設けられている。該回転量計測装置23は、該ドラム22とともに回転する回転体24と、該回転体24の回転を鉛直方向の直動に変換する機構を介して回転体24に接続されて往復直動する直動体25と、該直動体25の下端に取り付けられた磁性体26と、直動体25の運動方向(上下方向)の軸線上に配置され上記磁性体26の移動に伴う磁場の変化を光信号の光強度の変化として検知する光強度検知部としてのファラデ近接センサ27とを有している。
【0037】
上記ドラム22には、ワイヤ21が巻回されており、その巻回始端となる一端はドラム22に固定されず、他端は上記ドラム22から検知ボックス20外に延出しており、
図1に見られるように、錘としての垂下棒18が取り付けられている。該垂下棒18は、橋梁支持体B2に沿って上下方向に延びる棒状部材であり、川底となる地盤Pの上面(地盤面)P1上にその下端が位置している。該垂下棒18は、単に地盤面P1上に位置しているだけで、地盤内に埋設されているわけではない。該垂下棒18の材質としては例えばコンクリートや鋼材とすることができる。該垂下棒18は、橋梁支持体B2の側面に取り付けられた支持部材(図示せず)によって上下方向で移動可能に支持されていてもよい。例えば、支持部材を輪状部材で構成し、垂下棒18を該輪状部材に自由状態で挿通させておくことができる。このようにすると、垂下棒18が、濁流等の流量の増大や、流木等の浮遊物の接触等で流されたり、振動したり、外傷を受けたりすることがなくなる。
【0038】
上記ドラム22は、
図3(A)に見られるように胴部22A、フランジ部22B−1,22B−2そして軸部22C−1,22C−2を有していて、検知ボックス20内に設置された軸受収容部30A,30Bに収められた軸受31A,31Bにより回転自在に支持されている。上記ドラム22の両端に設けられたフランジ部22B−1,22B−2から突出する軸部22C−1,22C−2が対応する軸受31A,31Bによりそれぞれ支持されている。
【0039】
ドラム22はその胴部22Aにワイヤ21が巻回されていて、既述のように巻回始端となる一端がドラム22に固定されず、他端側がドラム22から垂下し、検知ボックス20の底壁に形成された窓部20Aを通って吊下し、上記底壁から垂下している。
【0040】
本実施形態では、ワイヤ21の巻回始端はドラム22に固定されていないので、台風や洪水により洗掘で垂下棒18が沈降するだけでなく、垂下棒18が流された場合はワイヤ21がドラム22から繰り出されきった後で、ワイヤ21はドラム22から抜けるのでドラム22がワイヤ21で引っ張られて破損する虞れがない。かくして、ドラム22を破損するのが防止される。
【0041】
また、復旧する際も、ドラム22にワイヤ21を巻回し直すだけでよいのでドラム22を設置し直す必要もないので、費用を抑制して復旧時間も短縮される。
【0042】
上記ドラム22の一方の軸部22C−2は、対応の軸受31Bから突出していて、その先端に回転体24が取り付けられていて、該回転体24が軸部22C−2と一体に回転するようになっている。
図3(B)に見られるように、回転体24はその外周面から突出する係合突起24Aを有している。直動体25は、
図3(B)に見られるように、回転体24の側方で該回転体24に隣接しており、上下方向に延びる棒状の可動部材28と、該可動部材28を収容するとともに上下方向で直動可能に支持する管状の収容部材29とを有している。可動部材28はその側面から回転体24へ向けて突出する被係合突起28Aを有している。また、可動部材28の下端には、例えば磁石等の磁性体26が取り付けられている。収容部材29には、直動する可動部材28の被係合突起28Aを案内するスリット状の案内溝(図示せず)が上下方向に延びて形成されている。
図3(B)に見られるように、被係合突起28Aは上記案内溝を貫通して収容部材の側面から突出しており、後述するように回転体24の係合突起24Aと係合可能となっている(
図4(A)ないし(C)参照)。
【0043】
上記可動部材28の直下には、ファラデ近接センサ27Aが配置され、検知ボックス20の底壁に取り付けられた支持体32により支持されている。上記ファラデ近接センサ27Aからは光ファイバケーブル16Aが検知ボックス20外に延びている。ファラデ素子は、磁場の強さによって直線偏光の偏波面を回転させて反射光の強度を変化させる特性があるので、このファラデ素子を用いたファラデ近接センサ27Aでは、後述するように、上下方向での磁性体26の往復動に伴う磁場の変動により、光信号の光強度の変化として検知する。
【0044】
図4(A)に見られるように、ドラム22に巻回されたワイヤ21が繰り出されてドラムが反時計回り方向に回転すると、該ドラム22とともに回転体24も反時計回り方向に回転する。回転体24が回転を開始すると、
図4(B)に見られるように、回転体24の係合突起24Aが直動体25の可動部材28の被係合突起28Aに対して下方から当接して係合することにより、当初最下位置(
図4(A)での位置)にあった可動部材28が上方へ移動して最上位置(
図4(B)での位置)にもたらされる。そして、
図4(C)に見られるように、さらに回転体24が回転して係合突起24Aが被係合突起28Aの位置を通過すると、係合突起24Aと被係合突起28Aとの係合状態が解除され、可動部材28が自由落下して最下位置に戻るようになっている。このようにして、ドラム22ひいては回転体24が一回回転する毎に、直動体25の可動部材28は最下位置と最上位置との間を一回往復動する。
【0045】
ファラデ近接センサ27Aは、
図4(A),(C)に見られるように可動部材28が最下位置にある状態で最も近接し、
図4(B)に見られるように、可動部材28が最上位置にある状態で最も離間する。該ファラデ近接センサ27Aは、可動部材28の上下方向での往復動に伴って磁性体26がファラデ近接センサ27Aに対して近接あるいは離間したときに生じる磁場の変化を光信号の光強度の変化として検知する。この光強度の変化は、一定の振幅そして周期をもって経時的に変化する正弦波信号として得られる。
【0046】
後述するように、ファラデ近接センサ27Aの出力信号(光信号)の光強度が変化から得られる磁性体26の近接あるいは離間の回数に基づいて、直動体25の往復動の回数ひいては回転体の回転量(回転数)が得られ、さらにはドラム22の回転量(回転数)が得られる。本実施形態では、回転体24の回転数を計数するための所定の閾値(以下、「光強度閾値」という)がファラデ近接センサ27Aからの光信号の光強度に対して予め設定されている。回転体24の回転数を計数と上記光強度閾値との関係については後述する。
【0047】
本実施形態のファラデ近接センサ27Aは常に磁性体26の往復動方向(鉛直方向)の軸線上に位置しているので、磁性体26の往復動に伴う磁場の変化を連続的に計測でき、磁性体26の近接又は離間を確実に検知することができる。つまり、本発明では、従来のような回転体とともに回転移動する磁性体の通過をセンサで検知する場合と比較して、回転体の回転量ひいては巻回体の回転量を高い精度で得られる。したがって、例えば、本実施形態によれば、例えば、回転量計測装置23の設置環境(周囲の温度等)により磁場の強度が変化するような場合でも、巻回体の回転量の計測を高い精度で行うことができる。
【0048】
本実施形態では、ファラデ近接センサ27には光ファイバケーブル16が接続されているため、光送受信装置を設置する監督基地局は橋梁支持体からは数kmから数十km離れた位置に設置することができるので、橋梁が設置される場所が山間部や奥地等であっても、橋梁から離れた場所で光送受信装置の設置が容易な場所に監督基地を設置することができ、遠隔地から橋梁支持体の洗掘の状況を確認することができる。また、検知ボックス20ではファラデ近接センサと光ファイバが接続されているだけなので、電気部品を使用しておらず、落雷等の雷撃の影響を受ける虞れがない。さらには、ファラデ近接センサと光ファイバは光学的に接続されているだけなので機械部品がないため、長期間使用しても故障する可能性が低く安定性が高い。
【0049】
次に、
図5に基づいて検知ユニット11の構成を説明する。検知ユニット11A,11B,11C,11Dは構成が同じであるので、ここでは検知ユニット11Aについて説明する。
図5に見られるように、検知ユニット11Aは、光源41Aからの光信号を送信信号として回転量計測装置23のファラデ近接センサ27Aへ送信する送信装置41と、該ファラデ近接センサ27Aからの光信号を受信信号として受信する受信装置42と、受信装置42が受信した受信信号の光強度の変化に基づいて回転量計測装置23の回転体24の回転数を計数する計数手段としての計数装置43とを有している。また、受信装置42は、後述する二つの受信器42A,42Bを有している。
【0050】
検知ユニット11Aは、光ファイバケーブル16Aによってファラデ近接センサ27と接続されている。該光ファイバケーブル16Aは、検知ユニット11A内に設けられたスプリッタ44によって二本の光ファイバケーブルに分岐されており、送信装置41及び受信装置42にそれぞれ接続されている。送信装置41に接続されている光ファイバケーブルは、該送信装置41の光源41Aからの送信信号を通信するための送信路45として使用され、受信装置42に接続されている光ファイバケーブルは、ファラデ近接センサ27からの受信信号を通信するための受信路46として使用される。
【0051】
また、受信路46は、スプリッタ47によって、第一受信器42Aに接続される第一分岐受信路46Aと第二受信器42Bに接続される第二分岐受信路46Bに分岐されている。第一分岐受信路46Aには、スプリッタ47と第一受信器42Aとの間で第一減衰器48Aが接続されており、該第一減衰器48Aが受信信号の光強度を所定量だけ減衰させるようになっている。また、第二分岐受信路46Bには、スプリッタ47と第二受信器42Bとの間で第二減衰器48Bが接続されており、該第二減衰器48Bが受信信号の光強度を所定量だけ減衰させるようになっている。本実施形態では、第二減衰器48Bでの光強度の減衰量が第一減衰器48Aでの光強度の減衰量が大きくなっている。つまり、第二受信器42Bが受信する受信信号(以下、「第二減衰受信信号」という)は、第一受信器42A(以下、「第一減衰受信信号」という)が受信する受信信号よりも光強度が小さい。
【0052】
計数装置43は、第一受信器42A及び第二受信器42Bの両方に接続されており、第一減衰受信信号の光強度及び第二減衰受信信号の光強度の両方が、既述した光強度閾値、すなわちファラデ近接センサ27Aからの光信号の光強度に対して予め設定された所定の閾値を下回ったときに、回転体24の回転数を一回分だけ計数する。
図5に見られるように、該計数装置43には、深度換算装置12が接続されており、該深度換算装置12が、後述するように、計数装置43により計数された回転体24の回転数に基づいて洗掘深度を計測する。
【0053】
このように構成される本実施形態装置は次の要領で洗掘深度を計測する。まず、河川の増水により地盤Pが橋梁Bの橋梁支持体B2の基部位置にて洗掘されると、地盤Pが局部的に没するので、図
2にて二点鎖線で示されるように、地盤面P1上に位置していた垂下棒18はその自重により洗掘深さだけ降下する。すなわち、ワイヤ21は、垂下棒18の降下分だけ繰り出され、それに伴いドラム22が回転する。ドラム22の回転により該ドラム22の軸部22C−2に取り付けられている回転体24もドラム22と同一量だけ回転する。
【0054】
回転体24の回転は、既述したように、上下方向での直動体25の可動部材28の往復運動に変換され、可動部材28の磁性体26がファラデ近接センサ27Aに対して近接あるいは離間したときに生じる磁場の変化を該ファラデ近接センサ27Aが光信号の光強度の変化として検知する。
【0055】
ファラデ近接センサ27Aからの出力信号(受信信号)は、光ファイバケーブル16Aそして受信路46を経てから、スプリッタ47で分岐された第一分岐受信路46A及び第二分岐受信路46Bのそれぞれを伝搬する。既述したように、第一分岐受信路46Aを伝搬する受信信号は第一減衰器48Aで減衰し、第二分岐受信路46Bを伝搬する受信信号は第二減衰器48Bで減衰することにより、第一減衰受信信号と第二減衰受信信号とは、互いに異なる光強度となる。本実施形態では、既述したように、第二減衰受信信号の光強度が、第一減衰受信信号の光強度よりも小さくなる。
【0056】
本実施形態では、第二減衰器48Bによる光強度の減衰量が第一減衰器48Aによる光強度の減衰量よりも大きくなっており、第二受信器42Bで受信される第二受信信号の光強度は、第一受信器42Aで受信される第一受信信号の光強度よりも小さい。したがって、第二減衰受信信号は、第一減衰受信信号よりも早い時期に既述の光強度閾値を下回ることとなる。つまり、計数装置43は、第二減衰受信信号だけが光強度閾値を下回っていても、第一減衰受信信号が該光強度閾値をまだ下回っていないときには、回転体24の回転数を計数しない。そして、さらに時間が経過して第一減衰受信信号も光強度閾値を下回ったときに、初めて回転体24の回転数を一回分だけ計数する。
【0057】
このような本実施形態では、仮にファラデ近接センサ27Aからの受信信号(出力信号)でチャタリングが生じた場合には、第二受信器42Bが第一受信器42Aよりも早くチャタリング状態の第二減衰受信信号を受信する。チャタリング状態にあるときの受信信号の光強度は、回転体24が一回しか回転していないにもかかわらず、光強度閾値を複数回下回ることとなる。しかし、計数装置43は、第二受信器42Bがチャタリング状態の第二減衰受信信号を受信していても、第一受信器42Aがチャタリング状態の第一減衰受信信号をまだ受信していないときには、回転体24の回転数を計数しない。そして、第一受信器42Aがチャタリング状態の第一減衰受信信号を受信してその光強度が光強度閾値を下回ったときに、初めて回転体24の回転数を一回分だけ計数する。したがって、本実施形態では、チャタリングが生じたとしても、計数装置43が誤って複数回分の回転数を計数することがなく、回転数を確実に一回分だけ計数することができるので、ドラム22の回転量ひいては地盤の洗掘深度の計測の精度を向上させることができる。
【0058】
また、本実施形態では、第一減衰器48Aでの光強度の減衰量と第二減衰器48Bでの光強度の減衰量は、第一減衰受信信号におけるチャタリング状態の期間と第二減衰受信信号におけるチャタリング状態の期間とが重複することがないように、十分な差をもった減衰量として予め設定されている。したがって、第一減衰器48A及び第二減衰器48Bの両方が同時にチャタリング状態の減衰受信信号を受信することが回避され、回転体24の回転数をより正確に計数することが可能となる。
【0059】
計数装置43からの出力信号、すなわち回転体24の回転数を示す信号は深度換算装置12へ送られる。深度換算装置12は、上記回転数をドラム22の直径およびワイヤ21の巻き径から該ワイヤ21の繰り出し長さに換算することにより洗掘深度を計測する。さらに、該洗掘深度を示す信号は深度換算装置12から制御装置13へ送られる。そして、該制御装置13が、算出された洗掘深度を予め設定された危険深さを示す許容値と比較し、許容値を超え危険状態であると判定したときには、その判定結果を表示装置14が表示する。また、無線連絡装置15は、上記判定結果に対応する無線信号を列車Tあるいは保安区へ向けて送信し、該列車Tの乗務員に報知するようにすることができる。この結果、列車Tを適宜停止させることにより、事故を未然に防止する。
【0060】
本実施形態では、第一減衰受信信号及び第二減衰受信信号の両方の受信信号が光強度閾値を下回ることを、計数装置が回転体の回転数を計数するための条件としたが、これに代えて、例えば、第一減衰受信信号及び第二減衰受信信号の両方の受信信号が上記光強度閾値を上回ることを条件としてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、分岐受信路46A,46Bにそれぞれ減衰器48A,48Bを設けることにより受信信号を減衰させることとしたが、これに代えて、例えば、減衰器を設けることなく、互いに異なる反射率の光ファイバケーブル同士を接続することにより分岐受信路46A,46Bのそれぞれを形成し、光ファイバケーブル同士の接続点にて受信信号が減衰するようにしてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、第一受信器42Aで受信される受信信号及び第二受信器42Bで受信される受信信号の両方が減衰していることとしたが、これに代えて、いずれか一方の受信信号のみが減衰していることとしてもよい。すなわち、第一受信器42A及び第二受信器42Bが受信する受信信号の光強度が互いに異なるようになっていればよい。
【0063】
本実施形態では、複数の橋梁支持体の検知ボックスに至る光ファイバケーブルのそれぞれに対応して複数の検知ユニットを設ける例を図示したが、検知ユニットを複数とせずに、各光ファイバケーブルに対して共通として一つだけ設けて、この共通な検知ユニットが各光ファイバケーブルに順次切り替わり接続されるようにしてもよい。こうすることで検知ユニットを設けることに関してコストの大幅低減が可能となる。
【0064】
本実施形態では、本発明を、該河川等の地盤の洗掘深度を得る洗掘検知システムに適用した例について説明したが、本発明は、本実施形態に示された例に限らず、移動する物体の移動量を計測するための種々の変形が可能である。このとき、例えば、既述した実施形態の回転量計測装置23(
図3(A)参照)のような、張力伝達部材が巻回され軸線まわりに回転可能な巻回体の回転量を計測する変位計を用いることで各変形例が可能となる。
【0065】
第一の変形例では、本発明は、フェンス等で仕切られた敷地等内への侵入を監視するための侵入監視システムに適用されている。
図6(A)は、この第一の変形例に係る侵入監視システムの概要図である。変位計240はフェンスFの下方位置に設けられている。該変位計240の巻回体(図示せず)に巻回された張力伝達部材としてのワイヤ221の一端側部分は巻回体から引き出された後に、横方向に延出してから変向ローラ251で上方へ変向され、フェンスFの上端縁部に接続されている。この第一の変形例では、変位計240は、巻回体がワイヤ221を巻き取る方向(以下、「巻取方向」という)に該巻回体を付勢するような機構(図示せず)が設けられており、ワイヤ221の上記一端側部分が弛まないように該ワイヤ221に対して常に若干の張力が加えられている。
【0066】
侵入者がフェンスFを乗り越えようとしたとき、その侵入者の体重でフェンスFの上縁部が高さhだけ
図6(A)に見られるように下方へ撓む。その結果、巻回体が上記巻取方向へ回転し、ワイヤ221が上記フェンスFの上縁部の撓み量(移動量)に応じた長さだけ上記巻回体に巻き取られ、既述の実施形態と同じ要領で、この巻回体の回転量が変位計240によって計測される。そして、光ファイバケーブル(図示せず)によって変位計240と接続された侵入監視装置(図示せず)が、巻回体の回転量をワイヤ221の巻取量ひいてはフェンスの上縁部の撓み量に換算することにより撓み量を計測することができる。該侵入監視装置は、例えば、換算された撓み量が所定量よりも大きい場合に、敷地内への侵入があったことを検知し、警報等を発するようにすることもできる。
【0067】
第二の変形例では、本発明は、例えば山等の斜面の地滑りの発生を監視するための地滑り監視システムに適用されている。
図6(B)は、この第二の変形例に係る地滑り監視システムの概要図である。変位計340は斜面の上部に設けられており、該変位計340からは張力伝達部材としてのワイヤ321の一端側部分が斜面に沿って下方へ延びている。該ワイヤ321の一端には、錘325が取り付けられており、該錘325は斜面上に配されている。
【0068】
上記斜面で地滑りが発生すると、錘325が土砂とともに下方へ移動し、あるいは土砂の崩落により錘325の自重により下方へ移動し、巻回体(図示せず)が回転して該巻回体からワイヤ321が繰り出される。その結果、既述の実施形態と同じ要領で、この巻回体の回転量が変位計340によって計測される。そして、光ファイバケーブル(図示せず)によって変位計340と接続された地滑り監視装置(図示せず)が、巻回体の回転量をワイヤ321の繰り出し量(長さ)ひいては錘325の移動量に換算することにより該移動量を計測することができる。該地滑り監視装置は、例えば、換算された移動量が所定の移動量よりも大きい場合に、地滑りが発生したことを検知し、警報等を発するようにすることもできる。
【0069】
第三の変形例では、本発明は、河川等の水面の位置(以下、単に「水位」という)を監視する水位監視システムに適用されている。
図6(C)は、この第三の変形例に係る水位監視システムの概要図である。変位計440は河川敷等に設置されている。該変位計440の巻回体(図示せず)に巻回され張力伝達部材としてのたワイヤ421の一端側部分は、上方へ延出してから変向ローラ451,452で横方向そして下方へ変向され、水面に向けて垂下している。該ワイヤ421の一端には、フロート425が取り付けられており、該フロート425は水面上に浮いている。この第三の変形例では、既述した第一の変形例と同様に、変位計440は、巻回体がワイヤ421を巻き取る方向(巻取方向)に回転するような機構(図示せず)が設けられており、ワイヤ421の上記一端側部分が弛まないように該ワイヤ421に対して常に張力が加えられている。
【0070】
河川の水位が上昇した場合には、フロート425の位置も上昇するので、巻回体が上記巻取方向へ回転し、ワイヤ421がフロート425の上昇分に応じた長さだけ上記巻回体に巻き取られる。その結果、既述の第一の変形例と同じ要領で、この巻回体の回転量が変位計440によって計測される。そして、光ファイバケーブル(図示せず)によって変位計440と接続された水位監視装置(図示せず)が、巻回体の回転量をワイヤ421の巻取量ひいてはフロート425そして水位の上昇量に換算することにより該上昇量を計測することができる。該水位監視装置は、例えば、換算された上昇量が所定量よりも大きい場合に、警報等を発するようにすることもできる。
【0071】
また、河川の水位が下降した場合には、フロート425の位置も下降するので、巻回体が回転し該巻回体からワイヤ421が繰り出される。その結果、既述の実施形態と同じ要領で、この巻回体の回転量が変位計440によって計測される。そして、該変位計440に光ファイバケーブルによって接続された水位監視装置が、巻回体の回転量をワイヤ421の繰り出し量(長さ)ひいてはフロート425そして水位の下降量に換算することにより該下降量を計測することができる。該水位監視装置は、例えば、換算された下降量を報知するようにすることもできる。
【0072】
第三の変形例では、河川等の水位を監視する例を説明したが、上記水位監視装置によれば、例えば、タンク内に貯留された液体の液面の上昇および下降を監視することもできる。