(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る出荷期限管理装置、出荷期限管理方法および出荷期限管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
商品の出荷期限を管理する際、従来は、商品ごとにしか出荷期限の設定をすることができなかった。このため、同一商品であっても取引先がどこであるかによって出荷期限が異なる場合には、これから出荷しようとしている商品が出荷期限を満たすか否かの判断処理を自動で行うことは出来なかった。
【0016】
そこで、本実施形態においては、例えば、入荷時に商品ロットごとの有効期限(食品の場合は賞味期限)を登録しておき、更に、前記有効期限に対する出荷期限を、取引先ごと、品種ごと、あるいは、取引先および品種の組合せごとに設定しておく。これにより、商品の出荷時に、出荷日と前記出荷期限とを比較して、前記出荷日の方が前記出荷期限より新しい日付である場合、または、前記出荷日と前記出荷期限とが同じ日付である場合に、警告またはエラーとする。また、本実施形態においては、例えば、在庫ロット管理別に、出荷可能な取引先一覧を取得できる。本実施形態においては、例えば、以下の3つのような管理ができる。
【0017】
一つ目に、商品ロット別に保持している有効期限に対して、出荷期限を日数または月数で指定して、出荷時に、出荷期限を過ぎていないか期限チェックできる。この場合の期限設定の例としては、有効期限を『商品:S01、ロット:20160701、有効期限:2021/12/31』とし、出荷期限を『商品:S01、指定月数:24、出荷期限:2019/12/31』とする等である。
【0018】
二つ目に、出荷期限の指定を、取引先ごとに、日数または月数で指定することができる。この場合の期限設定の例としては、ある取引先の出荷期限を『取引先:T01、指定月数:24、出荷期限:2019/12/31』とし、また、別の取引先の出荷期限を、『取引先:T02、指定月数:36、出荷期限:2018/12/31』とする等である。
【0019】
三つ目に、商品ロット別に、出荷が可能な取引先を一覧にして管理できる。この場合の例としては、『出荷日が2018/12/31である場合に、出荷可能な取引先は、T01とT02』、『出荷日が2019/12/31である場合に、出荷可能な取引先はT01のみ』とする等である。
【0020】
本発明の概要を、
図2を用いて以下に説明する。
図2は、本発明の概要を説明するための説明図である。
図2に示すように、ある商品に対しては、商品ロット単位で、賞味期限等の有効期限(
図2では、2016.12.31)が予め設定される。小売業者は、遅くともこの有効期限までに、卸売業者から商品を仕入れる必要があるが、実際の取引の場面では、ある程度の期間の余裕をもって、例えば、有効期限の半年前までに商品を仕入れておく必要がある。この期間の長さとしては、取引先ごと、商品の品種ごと、または、取引先・商品の品種の組合せごと、に異なる長さが設定されるが、例えば、この期間の長さが半年である場合には、
図2に示すように、卸売業者は、有効期限2016.12.31の半年前である2016.6.30までに商品を出荷する必要があり、これが、卸売業者にとっての出荷期限となる。本発明によれば、卸売業者が、この出荷期限以降(
図2では、2016.6.30以降)を出荷日(出荷予定日)として設定した場合、または、この出荷期限に出荷日が近づいている場合に、警告を表示して卸売業者に気づきを与えることができる。
図2の場合は、出荷日(2016.6.1)は、出荷期限(2016.6.30)以降には該当せず、かつ、まだ期間の余裕もあるため、警告の表示はされない。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0021】
[2.構成]
本実施形態に係る出荷期限管理装置100の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、出荷期限管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
出荷期限管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、出荷期限管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
出荷期限管理装置100は、
図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。出荷期限管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、出荷期限管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、出荷期限管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114を、表示部としてのモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0027】
記憶部106は、期間マスタとしての有効期限期間警告設定マスタ106aと、得意先マスタ106bと、現在庫ファイル106cと、を備えている。
【0028】
以下、各マスタおよび各データの詳細について説明するが、各項目の後ろに示すかっこ内の表記は、各項目の具体例のことであり、例えば、品種識別情報(品種コード)と記載した場合には、品種識別情報の具体例として、品種コードがあげられることを意味し、図には、この具体例を記載している。
【0029】
有効期限期間警告設定マスタ106aは、
図3に示すように、品種識別情報(品種コード)、取引先識別情報(取引先コード)および警告基準期間(期間警告日数)を紐づけて記憶する。有効期限期間警告設定マスタ106aは、これらの項目に加えて、例えば、
図3に示すように、期間警告設定区分、期間警告設定対象取引区分、期間警告連番、期間警告チェック区分、期間警告日数区分等の項目を含んでいてもよい。卸売業者等のオペレータ(以下、単に「オペレータ」という。)は、
図8に示す有効期限期間警告設定マスタの設定画面を通して、これらの項目を入力することができる。
【0030】
前記品種識別情報および前記取引先識別情報は、それぞれ、商品の品種および取引先(または得意先)を識別するためのコード情報、具体的名称等である。本実施形態における品種とは、ある商品を自社内で管理する際に、管理単位を同じくする括りのこと(例えば、「魚」という品種、「飲料」という品種等)である。なお、本明細書および図面において、「取引先」と「得意先」とは、同義の語として記載している。前記警告基準期間は、前記品種識別情報および前記取引先識別情報の組合せに応じて設定される期間である。この期間を表す際に用いる時間の単位は、特に制限されず、例えば、月単位、日数単位等があげられる。例えば、品種が魚および取引先X社の組合せについては、警告基準期間を30日とする、という様に設定可能である。
【0031】
前記期間警告設定区分は、どのような単位に対して設定された警告基準期間を商品の出荷時に参照して出荷管理を行うかを意味し、
図3に示すように、「0:取引先別警告、1:品種別警告、2:取引先別品種別警告」の区分を含む。本実施形態においては、オペレータは、2:取引先別品種別警告の項目を選択することとなり、この項目の選択時には、商品の品種および取引先の組合せごとに設定された警告基準期間を参照して、商品の出荷管理を行うこととなる。
【0032】
前記期間警告設定対象取引区分は、取引先の区分を意味し、「0:得意先、1:納入先、2:仕入先、3:品種(出庫)、4:品種(入庫)」の区分を含む。
【0033】
前記期間警告チェック区分は、前記警告基準期間以降に商品を出荷しようとした場合に、卸売業者等のオペレータに対して発せられる処理の種類を意味し、
図3に示すように、「0:しない、1:する(警告)、2:する(続行不可)、3:標準設定に従う」の区分を含む。前記警告基準期間以降に商品を出荷しようとした場合、0:しない選択時には、オペレータには何の処理も発せられず、1:する(警告)選択時には、オペレータに対する警告が表示され、2:する(続行不可)選択時には、オペレータがそれ以上の操作を行うことができなくなり、3:標準設定に従う選択時には、予め設定された前述の0、1、2のいずれかに関する処理がオペレータに発せられる。期間警告連番は、これらの区分に対して振られる番号であり、例えば、
図5の有効期限期間警告設定マスタにおいては、2:続行不可に対しては、期間警告連番0が振られ、1(警告)に対しては、期間警告連番1が振られ、0(しない)に対しては、期間警告連番2が振られている。
【0034】
前記期間警告日数区分は、
図3に示すように、前記警告基準期間を月数単位で指定できる「0:月数」の区分、および、前記警告基準期間を日数単位で指定できる「1:日数」の区分を含む。
【0035】
得意先マスタ106bは、
図3に示すように、例えば、得意先コード(取引先コードと同義)、得意先名(取引先名と同義)および有効期限期間警告チェック優先区分等の項目を含む。有効期限期間警告チェック優先区分は、「0:取引先優先、1:品種優先」の区分を含む。
【0036】
現在庫ファイル106cは、
図5および
図6の現在庫ファイルに示すように、品種識別情報(品種コード)、商品識別情報(商品コード)、ロット識別情報(ロット番号)、有効期限および引当可能数等の項目を含む。前記有効期限の詳細については、次段落において説明する。
【0037】
ここで、本実施形態においては、指定された基準日付から、予め設定された商品の前記有効期限までの長さを、実際期間と定義し、この実際期間の長さと、前記警告基準期間の長さと、を比較することにより、商品の出荷期限管理を行うことができる。前記基準日付としては、例えば、商品の出荷日、出荷予定日等があげられる。前記有効期限は、例えば、商品のロットごとに予め設定される期限であり、具体例としては、食品分野の場合、商品の消費期限、賞味期限等があげられ、医薬品分野の場合、使用期限等があげられる。前記実際期間の算出の例としては、前記基準日付が2016/6/30であり、前記有効期限が2016/12/31である場合、この間の日数である184日を実際期間とするという様に算出可能である。
【0038】
制御部102は、出荷期限管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0039】
制御部102は、機能概念的に、(1)所定の条件を満たす警告基準期間を、前記期間マスタから取得する期間取得手段としての期間取得部102aと、(2)指定された基準日付から予め設定された商品の有効期限までの実際期間を算出する期間算出手段としての期間算出部102bと、(3)当該算出した実際期間の長さが、当該取得した警告基準期間の長さと比較して、短いもしくは同じ、または、長い、のいずれであるかを判別する判別手段としての判別部102cと、(4)前記判別手段が、前記算出した実際期間の長さが、当該取得した1つの警告基準期間と比較して、短いもしくは同じであると判別した場合に、警告を表示する警告表示手段としての警告表示部102dと、(5)前記判別手段が前記長いと判別した警告基準期間と紐づく取引先識別情報を、前記期間マスタから取得する取引先取得手段としての取引先取得部102eと、を備えている。これらのうち、警告表示部102dおよび取引先取得部102eは、任意の構成要素であるが、制御部102に含まれることが好ましい。なお、各部が実行する処理の詳細については、以下の[3.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0040】
[3.処理の具体例]
以下、本実施形態に係る処理の具体例について、
図4〜
図7および
図9〜
図11を用いて説明する。
図4は、本実施形態に係る処理の処理フローの一例を示す図である。
図5は、本実施形態に係る出荷日期限管理の一例を示す図である。
図6および
図7は、本実施形態に係る出荷可能取引先一覧の取得の一例を示す図である。
図9は、売上入力画面の一例を示す図である。
図10は、出荷可能取引先の検索画面(抽出画面)の一例を示す図である。
図11は、出荷可能取引先一覧の表示画面の一例を示す図である。
【0041】
本実施形態に係る処理の概要を、
図4を用いて説明する。
図4に示すように、有効期限期間警告設定マスタ106a、得意先マスタ106bおよび現在庫ファイル106cならびに売上入力データを参照した処理により、出荷予定日が出荷期限以降である場合、または、出荷予定が出荷期限に近づいている場合、にエラーチェックすることができる。また、出荷可能取引先一覧を表示したデータイメージを作成することができる。
【0042】
本実施形態に係る処理の詳細を、以下に説明する。本実施形態に係る処理は、大別すると、出荷日期限管理と、出荷可能取引先一覧の取得と、の2つに分かれるため、以下、この順で詳細に説明する。
【0043】
[3−1.出荷日期限管理]
最初に、出荷日期限管理について、主に
図5を用いて詳細に説明する。
【0044】
(期間取得処理)
期間取得部102aは、所定の条件を満たす警告基準期間を、有効期限期間警告設定マスタ106aから取得する。
【0045】
具体的には、前記所定の条件を満たす警告基準期間として、指定された品種識別情報(品種コード)および指定された取引先識別情報(取引先コード)と紐づく1つの警告基準期間(期間警告日数)を取得する。すなわち、
図5の「1−1.」の売上データイメージに示すように、オペレータが、
図9の売上入力画面を通して、品種コードとして、HS00000001を指定し、取引先コードとして、TK00000001を指定したとする。
図5の有効期限期間警告設定マスタ106aを参照すると、HS00000001およびTK00000001と紐づく期間警告日数は、150日である(なお、本実施形態においては、期間警告チェック区分として、1:(警告)が指定されていると仮定する)。
【0046】
(期間算出処理)
期間算出部102bは、指定された基準日付から予め設定された商品の有効期限までの実際期間を算出する。
【0047】
具体的には、前記予め設定された商品の有効期限が、
図5の現在庫ファイル106cに示すように、有効期限2016/12/31であるとする。また、前記指定された基準日付は、
図5の「1−1.」の売上データイメージの場合は、出荷日2016/6/30、
図5の「1−2.」の売上データイメージの場合は、出荷日2016/8/31、
図5の「1−3.」の売上データイメージの場合は、出荷日2016/11/30である。それぞれの売上データイメージについて、出荷日から有効期限までの実際期間を算出すると、「1−1.」については、184日、「1−2.」については、122日、「1−3.」については、31日となる。
【0048】
(判別処理および警告表示処理)
判別部102cは、当該算出した実際期間の長さ(184日、122日、31日)が、当該取得した警告基準期間の長さ(150日)と比較して、短いもしくは同じ、または、長い、のいずれであるかを判別する。そして、警告表示部102dは、判別部102cが短いもしくは同じであると判別した場合に、警告を表示する。
【0049】
具体的に、
図5の「1−1.」の場合は、当該算出した実際期間の長さ(184日)は、当該取得した警告基準期間の長さ(150日)と比較して、長いため、警告は表示されない。
図5の「1−2.」の場合は、当該算出した実際期間の長さ(122日)は、当該取得した警告基準期間の長さ(150日)と比較して、短いため、警告が表示される。
図5の「1−3.」の場合も、当該算出した実際期間の長さ(31日)は、当該取得した警告基準期間の長さ(150日)と比較して、短いため、警告が表示される。ここで、本実施形態においては、期間警告チェック区分として、1:(警告)が指定されていると前述したが、仮に、2(続行不可)が指定されている場合には、
図5の有効期限期間警告設定マスタ106aを参照すると、警告基準期間の長さは90日である。
図5の「1−3.」の場合のように、当該算出した実際期間の長さ(31日)が、当該取得した警告基準期間の長さ(90日)と比較して、短い場合には、オペレータは、それ以上の操作を行うことができなくなる。
【0050】
なお、本項目では、前記実際期間の長さと、前記警告基準期間の長さと、を比較するという期間の長さ同士の比較について説明したが、本実施形態は、これには限定されず、例えば、
図5の「1−2.」の場面のように、出荷日(出荷予定日)が、出荷期限に近づいている場合には、警告を表示し、
図5の「1−3.」の場面のように、出荷日(出荷予定日)が、出荷期限以降である場合には、続行不可を表示するという、時点同士の比較としてもよい。出荷日(出荷予定日)が、出荷期限以降である場合の
図5の「1−3.」の場面について具体的に説明する。出荷期限は、現在庫ファイル106cに含まれる有効期限から、有効期限期間警告設定マスタ106aに含まれる期間警告日数を引くことにより、算出できる。例えば、有効期限が2016/12/31であり、期間警告日数が90日(有効期限期間警告設定マスタの警告チェック区分は2(続行不可)の場合)である場合、出荷期限は、2016/10/2となる。そして、
図5の「1−3.」の売上データイメージに示すように、出荷日は2016/11/30であり、これは出荷期限である2016/10/2以降に該当するため、続行不可が表示されることとなる。
【0051】
このように、本実施形態に係る出荷期限管理装置100によれば、例えば、出荷予定日から商品の有効期限までの実際期間が、商品の品種および取引先の組合せごとに設定された警告基準期間と比較して、短いもしくは同じ場合に、警告を表示できる。このため、本実施形態に係る出荷期限管理装置100によれば、商品の品種だけではなく、取引先がどこであるかということも考慮して、出荷期限の管理を行うことができる。
【0052】
[3−2.出荷可能取引先一覧の取得]
次に、出荷可能取引先一覧の取得について、主に
図6および
図7を用いて詳細に説明する。
【0053】
(期間取得処理)
期間取得部102aは、所定の条件を満たす警告基準期間を、有効期限期間警告設定マスタ106aから取得する。
【0054】
具体的には、前記所定の条件を満たす警告基準期間として、指定された品種識別情報(品種コード)と紐づくすべての警告基準期間(期間警告日数)を取得する。すなわち、
図6の「2−1.」の「出荷日と商品の指定」の表に示すように、オペレータが、
図10の出荷可能得意先の検索画面(抽出画面)を通して、品種コードとして、HS00000001を指定する。
図6の有効期限期間警告設定マスタ106aを参照すると、HS00000001と紐づく期間警告日数は、90日、60日および30日の3つである。
【0055】
(期間算出処理)
期間算出部102bは、指定された基準日付から予め設定された商品の有効期限までの実際期間を算出する。
【0056】
具体的には、前記予め設定された商品の有効期限が、
図6の現在庫ファイル106cに示すように、有効期限2016/12/31であるとする。また、前記指定された基準日付は、
図6の「2−1.」の場合は、出荷日2016/6/30、
図6の「2−2.」の場合は、出荷日2016/10/31、
図7の「2−3.」の場合は、出荷日2016/11/30である。「2−1.」〜「2−3.」それぞれについて、出荷日から有効期限までの実際期間を算出すると、「2−1.」については、184日となり、「2−2.」については、61日となり、「2−3.」については、31日となる。
【0057】
(判別処理および得意先取得処理)
判別部102cは、当該取得した期間警告日数(90日、60日、30日)すべてに関して、当該算出した実際期間の長さ(184日、61日、31日)が、当該取得した期間警告日数の長さと比較して、短いもしくは同じ、または、長い、のいずれであるかを判別する。そして、取引先取得部102eは、判別部102cが前記長いと判別した期間警告日数と紐づく取引先識別情報(取引先コード)を、有効期限期間警告設定マスタ106aから取得する。
【0058】
具体的に、
図6の「2−1.」の場合、当該算出した実際期間の長さ(184日)は、当該取得した期間警告日数(90日、60日、30日)のうち、90日、60日、30日のすべてに対して長い。このため、取引先取得部102eは、有効期限期間警告設定マスタ106aから、90日と紐づく取引先コードとして、TK00000001を取得し、60日と紐づく取引先コードとして、TK00000002を取得し、30日と紐づく取引先コードとして、TK00000003を取得する。そして、
図6の「2−1.」の出荷可能得意先一覧に白塗りで示す3つの取引先TK00000001、TK00000002およびTK00000003が、出荷可能な取引先として、
図11の画面のように表示される。
【0059】
図6の「2−2.」の場合、当該算出した実際期間の長さ(61日)は、当該取得した期間警告日数(90日、60日、30日)のうち、60日、30日の2つに対して長い。取引先取得部102eは、有効期限期間警告設定マスタ106aから、60日と紐づく取引先コードとして、TK00000002を取得し、30日と紐づく取引先コードとして、TK00000003を取得する。そして、
図6の「2−2.」の出荷可能得意先一覧に白塗りで示す2つの取引先TK00000002およびTK00000003が、出荷可能な取引先として、
図11の画面のように表示される。
【0060】
図7の「2−3.」の場合、当該算出した実際期間の長さ(31日)は、当該取得した期間警告日数(90日、60日、30日)のうち、30日のみに対して長い。取引先取得部102eは、
図6に示す有効期限期間警告設定マスタ106aから、30日と紐づく取引先コードとして、TK00000003を取得する。そして、
図7の「2−3.」の出荷可能得意先一覧に白塗りで示すように、取引先TK00000003のみが、出荷可能な取引先として、
図11の画面のように表示される。
【0061】
なお、本項目では、前記実際期間の長さと、前記警告基準期間の長さと、を比較するという期間の長さ同士の比較について説明したが、本実施形態は、これには限定されず、例えば、出荷日(出荷予定日)より後の出荷期限を有する取引先を一覧で表示するという、時点同士の比較としてもよい。出荷期限は、前述のとおり、現在庫ファイル106cに含まれる有効期限から、有効期限期間警告設定マスタ106aに含まれる期間警告日数を引くことにより、算出できる。例えば、
図6および
図7の例では、有効期限が2016/12/31であり、期間警告日数は、取引先コードTK00000001については90日、取引先コードTK00000001については60日、取引先コードTK00000001については30日である。前述のとおり、出荷期限は、有効期限から期間警告日数を引くことにより算出できるため、取引先コードTK00000001についての出荷期限は2016/10/2、取引先コードTK00000002についての出荷期限は2016/11/1、取引先コードTK00000003についての出荷期限は2016/12/1となる。そして、例えば、
図6の「2−2.」の場合、出荷日は2016/10/31であり、これより後の出荷期限2016/11/1を有する取引先コードTK00000002および出荷期限2016/12/1を有する取引先コードTK00000003が、出荷可能な取引先として一覧で表示される。
【0062】
このように、本実施形態に係る出荷期限管理装置100によれば、例えば、ある出荷予定時点において出荷可能な取引先を一覧で取得することができため、卸売業者等は、出荷可能な取引先を迅速に把握することができる。更に、本実施形態に係る出荷期限管理装置100によれば、例えば、ある出荷予定時点において、取引先Aに対しては出荷不可能だが、取引先Bに対しては出荷可能であるということを正確に把握できるため、商品の破棄等による無駄がなくなり、本発明は、環境保護の観点、コスト管理の観点等から見ても非常に優れた発明であるといえる。
【0063】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0064】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0065】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0066】
また、出荷期限管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0067】
例えば、出荷期限管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて出荷期限管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0068】
また、このコンピュータプログラムは、出荷期限管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0069】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明したような処理又は処理方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0070】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0071】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0072】
また、出荷期限管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、出荷期限管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0073】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。