特許第6793060号(P6793060)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ IHI運搬機械株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6793060-機械式駐車装置のパレット落下防止装置 図000002
  • 特許6793060-機械式駐車装置のパレット落下防止装置 図000003
  • 特許6793060-機械式駐車装置のパレット落下防止装置 図000004
  • 特許6793060-機械式駐車装置のパレット落下防止装置 図000005
  • 特許6793060-機械式駐車装置のパレット落下防止装置 図000006
  • 特許6793060-機械式駐車装置のパレット落下防止装置 図000007
  • 特許6793060-機械式駐車装置のパレット落下防止装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793060
(24)【登録日】2020年11月11日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】機械式駐車装置のパレット落下防止装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/28 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   E04H6/28 A
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-40811(P2017-40811)
(22)【出願日】2017年3月3日
(65)【公開番号】特開2018-145663(P2018-145663A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2020年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】曽我 隆之
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 義和
(72)【発明者】
【氏名】本島 貴之
(72)【発明者】
【氏名】池田 昌隆
(72)【発明者】
【氏名】保坂 憲一
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−059356(JP,A)
【文献】 米国特許第5267822(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/18 − 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が載るパレットを載せて移動路を移動するケージと、ケージ上に設置され前記パレットを水平に横行させる横行装置と、前記移動路に沿って配置され前記パレットを格納する格納棚とを備え、
前記横行装置は、水平に延び旋回鉛直軸を中心に旋回駆動される横行アームを有し、
前記パレットは、前記横行アームの旋回により、隣接する前記格納棚との間で水平に横行する、機械式駐車装置のパレット落下防止装置であって、
前記パレットは、移動路側の長手方向端部に長手方向に水平に延びるストッパピンを有し、
前記格納棚は、移動路側の長手方向端部に、係止位置において前記ストッパピンに当接して前記パレットの移動路側への移動を阻止し、解除位置において前記ストッパピンとの当接を解除する落下防止レバーを有し、
前記ケージは、前記横行アームの旋回により前記落下防止レバーを前記係止位置から前記解除位置に移動させるレバー解除装置を有する、機械式駐車装置のパレット落下防止装置。
【請求項2】
前記横行アームは、その下部に固定され鉛直方向に延びる解除ローラを有し、
前記レバー解除装置は、前記解除ローラと当接して揺動鉛直軸を中心に揺動する解除レバーと、前記解除レバーの揺動により隣接する移動路側に突出して前記落下防止レバーに当接し、これを前記係止位置から前記解除位置に移動する解除プッシャと、
前記解除レバーと前記解除プッシャを互いに連結して連動するコントロールケーブルと、を有する、請求項1に記載の機械式駐車装置のパレット落下防止装置。
【請求項3】
前記解除レバーは、前記ケージに固定された前記揺動鉛直軸を中心に回転可能な円板状又は半円板状のケーブル移動輪を有し、
前記ケーブル移動輪の外縁には、前記コントロールケーブルの一端が固定され、前記ケーブル移動輪の回転により前記コントロールケーブルをその長さ方向に移動する、請求項2に記載の機械式駐車装置のパレット落下防止装置。
【請求項4】
前記落下防止レバーは、長手方向に水平に延びる回転軸を中心に前記係止位置と前記解除位置との間で揺動可能であり、前記係止位置に付勢されている、請求項1に記載の機械式駐車装置のパレット落下防止装置。
【請求項5】
前記落下防止レバーは、前記係止位置において前記ストッパピンに当接して前記パレットのケージ側への移動を阻止する凹溝と、
前記解除プッシャの移動路側への移動により、前記落下防止レバーを前記係止位置から前記解除位置に移動させる解除作動面と、
前記ケージから移動路側への前記パレットの水平移動により前記ストッパピンに当接して前記落下防止レバーを前記係止位置から前記解除位置に移動させるテーパ面と、を有する、請求項2に記載の機械式駐車装置のパレット落下防止装置。
【請求項6】
前記横行装置は、前記横行アームの内端部が固定され鉛直方向に延びる前記旋回鉛直軸を回転駆動する横行駆動装置と、前記横行アームの外端部に設けられ上方に延びる係合ドックと、を有し、
前記パレットは、その幅方向端部に長手方向に延び、断面が逆U字型のドックレールを有し、
前記係合ドックが前記ドックレールと係合した状態で、前記横行アームの旋回駆動により、隣接する前記格納棚との間で前記パレットを水平に横行させる、請求項1に記載の機械式駐車装置のパレット落下防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車装置のパレット落下防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばエレベータ式駐車装置では、車両の入庫時において、入出庫部で車両をパレット上に載せ、パレットをケージに載せて昇降路内を昇降し、昇降路に沿って配置された複数の棚の1つにパレットを移載して、棚上にパレットを収納する。
また、逆に車両の出庫時には、ケージを昇降させて目的とする棚で停止し、棚からケージ上にパレットを移載し、入出庫部までケージを昇降し、入出庫部で車両をパレットから出庫する。
【0003】
上述したエレベータ式駐車装置において、各パレットは、ケージと棚との間を水平に横行移動できるようになっている。そのため、入出庫時以外においてパレットが昇降路内に移動するのを防止するためにパレット保持装置が設けられている。
【0004】
上述したパレット保持装置は、例えば特許文献1,2に開示されている。
【0005】
特許文献1の「機械式立体駐車装置におけるパレット保持装置」は、棚のケージ側端部に水平軸を中心に揺動可能なストッパレバーを有する。ストッパレバーは、その棚側端部に固定され下降位置でパレットが昇降路内に移動するのを防止する規制部材と、ストッパレバーのケージ側端部に固定された解放部材と、を有する。解放部材は、ケージに設けられた解放ストライカと係合してその下降動作により規制部材を解放位置に揺動させてストッパピンとの係合を解放する。
【0006】
特許文献2の「機械式駐車装置のパレット保持装置」は、各格納棚に取り付けられパレットより下部で水平軸を中心に旋回可能なストッパ部材を備える。ストッパ部材は、直交する長短のストライカ部を有し、いずれか一方が上向きに位置するようになっている。長ストライカ部は、パレットの移動を防ぐように長く設定され、短ストライカ部は、パレットの移動を妨げないように短く設定されている。パレット取込時の旋回アームの回転により、旋回アームで長ストライカ部を旋回させて開位置にして取込み、パレット払出時の旋回アームの回転により、旋回アームで短ストライカ部を旋回させて払出後に閉位置にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−83073号公報
【特許文献2】特開平11−324381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のパレット保持装置では、ケージに設けられた解放ストライカを退避位置と突出位置の間で駆動する専用のアクチュエータが必要であった。
【0009】
また、特許文献1のパレット保持装置では、パレットを横行する棚よりも上方で、解放ストライカを退避位置から突出位置に移動させて、対象とする棚の高さで解放ストライカを介してケージを一旦固定位置に載せ替え、ケージの高さと水平を保持する。
この載せ替え動作を、「ソフトランディング動作」と呼び、その機構を「ソフトランディング機構」と呼ぶ。
【0010】
このソフトランディング動作には、以下の問題点があった。
ケージを停止階に停止させる前に、「その停止高さよりも少し上の高さで停止」、「位置決めストッパの退避位置から支持位置への移動」、などの余分な動作を必要とする。また、逆に、停止階に停止した状態から、ケージを次の停止階に上昇又は下降させる前に、「停止高さから少し上の高さまでの上昇と停止」、「位置決めストッパの支持位置から退避位置へ移動」、などの余分な動作を必要とする。
そのため、ソフトランディング動作のために、車両の入出庫時間が長くなり、円滑性が低下する。
【0011】
さらに、特許文献1のパレット保持装置では、四隅に設けた解放ストライカを介してケージを固定位置に載せ替えるため、ケージが停止階に停止すると、ケージの両側に設けたストッパレバーが解放された状態となる。
そのため、パレット横行中に地震が発生すると、横行しない側に格納されたパレットがケージ側に移動し、横行中のパレットと干渉する可能性があった。また、駐車装置自体の継続運転ができなくなる可能性もあった。
【0012】
特許文献2のパレット保持装置は、専用のアクチュエータとソフトランディング動作が不要である利点を有する。
しかし、特許文献2のパレット保持装置では、ケージ上の旋回アームの中心軸に対応する、各棚のケージ側の中央部に、ストッパ部材を取り付ける必要がある。そのため、ストッパ部材及びこれを支持するフレームが、上下の棚の中間に位置することになり、横行する車両と干渉する可能性が生じる。そのため、各棚に、ストッパ部材及びこれを支持するフレームの高さに相当するデッドスペースが発生し、駐車装置全体の高さを増加させるか、格納する車両を車高の低い車両に限定する必要が生じる。
【0013】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、専用のアクチュエータとソフトランディング動作が不要であり、地震による誤作動がなく、上下のパレットの間にデッドスペースが存在しない機械式駐車装置のパレット落下防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、車両が載るパレットを載せて移動路を移動するケージと、ケージ上に設置され前記パレットを水平に横行させる横行装置と、前記移動路に沿って配置され前記パレットを格納する格納棚とを備え、
前記横行装置は、水平に延び旋回鉛直軸を中心に旋回駆動される横行アームを有し、
前記パレットは、前記横行アームの旋回により、隣接する前記格納棚との間で水平に横行する、機械式駐車装置のパレット落下防止装置であって、
前記パレットは、移動路側の長手方向端部に長手方向に水平に延びるストッパピンを有し、
前記格納棚は、移動路側の長手方向端部に、係止位置において前記ストッパピンに当接して前記パレットの移動路側への移動を阻止し、解除位置において前記ストッパピンとの当接を解除する落下防止レバーを有し、
前記ケージは、前記横行アームの旋回により前記落下防止レバーを前記係止位置から前記解除位置に移動させるレバー解除装置を有する、機械式駐車装置のパレット落下防止装置が提供される。
【発明の効果】
【0015】
上記本発明によれば、横行装置による横行アームの旋回により係止位置から解除位置に落下防止レバーを移動させるレバー解除装置をケージが有するので、パレット落下防止装置専用のアクチュエータが不要である。
【0016】
また、ソフトランディング機構でケージを停止階に停止させることなく、横行装置によりレバー解除装置を作動できるので、ソフトランディング動作が不要である。
【0017】
さらに、パレットが移動路側の長手方向端部にストッパピンを有し、格納棚が移動路側の長手方向端部に落下防止レバーを有するので、格納棚の長手方向端部以外には、上下の格納棚の移動路側の中間に位置する部材がなく、格納棚の上下のパレットの間にデッドスペースが存在しない。従って、横行する車両と落下防止レバーとが干渉するおそれがなく、駐車装置全体の高さを増加させることなく、車高の高い車両を格納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】エレベータ式駐車装置の実施形態を示す正面図である。
図2図1の昇降機構を示す斜視図である。
図3図2の模式的側面図である。
図4図3のA−A矢視図である。
図5図4のB−B矢視図である。
図6】解除レバーの説明図である。
図7】パレット落下防止装置の作動説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0020】
図1は、エレベータ式駐車装置100の実施形態を示す正面図である。
この図において、1は車両(例えば乗用車)、2は車両1を載せるパレット、3は移動路、4は格納棚、5は移動路3を移動するケージ、6は本体フレーム、7は本体フレーム6の上部に設置されたトラクション方式(摩擦駆動式)の巻上機である。
なおこの例では、移動路3は昇降路であり、ケージ5の移動は昇降である。
また、エレベータ式駐車装置100は、トラクション方式に限定されず、ドラム式であってもよい。
さらに、本発明はエレベータ式駐車装置100に限定されず、その他の機械式駐車装置にも適用することができる。
【0021】
図2は、図1の昇降機構を示す斜視図である。
図2において、エレベータ式駐車装置100は、複数(この例では4組)の吊ロープ12、カウンタウェイト14、及びケーブル16(エレベータケーブル)を備える。
【0022】
複数の吊ロープ12は、車両1を載せるケージ5を吊下げて鉛直上方に延び、昇降路3の上部から互いに同期して昇降される。
この例で、4組の吊ロープ12は、一端12aが車両1を載せるケージ5の四隅に固定され、ケージ5を吊下げて鉛直上方に延び、昇降路3の上部で上部シーブ8により反転して下方に延びる。吊ロープ12は、好ましくはワイヤロープである。
各組の吊ロープ12は、この図ではそれぞれ1本であるが、2本以上であるのがよい。2本以上で各組の吊ロープ12を構成することにより、上部シーブ8(滑車)の直径を小さくすることができる。
【0023】
図2において、上部シーブ8は、昇降路3の上部に固定された定滑車であり、この例では4つの第1シーブ8a、2つの第2シーブ8b、1つの第3シーブ8c、及び1つの第4シーブ8dからなる。上部シーブ8は、順にケージ5からカウンタウェイト14まで吊ロープ12を案内する。
この例で、第2シーブ8bと第3シーブ8cの間に位置する吊ロープ12を摩擦駆動する駆動シーブ9が設置されている。巻上機7は、駆動シーブ9を回転駆動する。
【0024】
図2において、カウンタウェイト14は、4組の吊ロープ12の他端12bに吊下げられ、上下に昇降する。カウンタウェイト14は、好ましくはケージ5の重量に車両1の有無時の重量配分(例えばパレット2の重量)を加味し、駆動負荷が小さくなる重量に設定する。
【0025】
ケーブル16は、動力線及び信号線であり、一端16aがケージ5に固定され、他端16bが昇降路3の後側内壁3aに固定され、中間部が下方に弛ませて吊下げられている。
【0026】
図3は、図2の模式的側面図であり、図4は、図3のA−A矢視図である。
【0027】
図4において、エレベータ式駐車装置100は、ケージ5、横行装置20、及び格納棚4を備える。
ケージ5は、車両1が載るパレット2を載せて昇降路3を昇降する。横行装置20は、ケージ上に設置されパレット2を水平に横行させる。格納棚4は、昇降路3に沿って配置されパレット2を格納する。
【0028】
図4において、横行装置20は、水平に延び旋回鉛直軸24aを中心に旋回駆動される横行アーム22を有する。パレット2は、横行アーム22の旋回により、隣接する格納棚4との間で水平に横行する。
【0029】
図4において、横行装置20は、横行駆動装置24と係合ドック26を有する。
横行駆動装置24は、横行アーム22の内端部が固定され鉛直方向に延びる旋回鉛直軸24aを回転駆動する。この例において、横行駆動装置24は、歯車減速機24bを介して旋回鉛直軸24aを回転駆動する。
係合ドック26は、横行アーム22の外端部に設けられ上方に延びる。
この図において、旋回鉛直軸24aは、ケージ5の幅方向及び長さ方向の中心Oと相違し、長さ方向の一方にシフトしている。
なおこの構成は必須ではなく、旋回鉛直軸24aを中心Oと同一又はその近傍に設置してもよい。
【0030】
パレット2は、その幅方向端部に長手方向に延び断面が逆U字型のドックレール2aを有する。
係合ドック26がドックレール2aと係合した状態で、横行アーム22の旋回により、パレット2は隣接する格納棚4との間で水平(図で上下方向)に横行する。
この図において、格納棚4は、その長手方向両端部に水平に延びる水平支持部材4aと、水平支持部材4aに固定され水平軸を中心に自由回転する複数のフリーローラ4bとを有する。
また、ケージ5は、その長手方向両端部に水平に延びる水平支持部材5aと、水平支持部材5aに固定され水平軸を中心に自由回転する複数のフリーローラ5bとを有する。
パレット2は、その長手方向両端部がフリーローラ4b、5bに支持され、水平(図で上下方向)に横行する。
【0031】
図4において、係合ドック26の旋回位置をA,B,C,D,Eで示す。
旋回位置Aは、係合ドック26がドックレール2aと係合していない待機位置である。
係合ドック26が旋回位置A(待機位置)から旋回位置B(係合開始位置)まで旋回することで、係合ドック26が図で下側のパレット2のドックレール2aと係合する。
【0032】
係合ドック26が旋回位置Bから旋回位置D(ケージ上位置)まで図で右旋回することで、パレット2を図で下側からケージ上に横行させることができる。この動作を「パレット取り込み」と呼ぶ。
「パレット取り込み」の際、パレット2は、格納棚4に設けられたフリーローラ4bとケージ5に設けられたフリーローラ5bにより幅方向(図で上下方向)に案内される。
旋回位置Dで係合ドック26がドックレール2aと係合した状態で、パレット2はケージ5からはみだしておらず、そのままケージ5は昇降することができる。
パレット2を図で上側からケージ上に横行させる「パレット取り込み」の場合は、旋回方向が上記と逆方向(左旋回)となる。
【0033】
パレット2をケージ上から図で下側の格納棚4に横行させる場合は、係合ドック26が旋回位置Dでドックレール2aと係合した状態から、係合ドック26を図で左旋回することで、パレット2を図で下側の格納棚4に横行させることができる。この動作を「パレット払い出し」と呼ぶ。
係合ドック26が旋回位置Bまで旋回すると、ドックレール2aから係合ドック26が外れ、パレット2を格納棚4に残したままで、係合ドック26は旋回位置Aまで戻ることができる。
パレット2をケージ上から図で上側の格納棚4に横行させる「パレット払い出し」の場合は、旋回方向が上記と逆方向(右旋回)となる。
【0034】
図4において、本発明によるパレット落下防止装置30は、複数の落下防止レバー32を有する。
落下防止レバー32は、各格納棚4の移動路側(この例で昇降路側)の長手方向両端部にそれぞれ設けられている。従って、この例において、落下防止レバー32は、各格納棚4に2つずつ設けられ、それぞれ幅方向と長さ方向で勝手反対(対称)に構成されている。
【0035】
図5は、図4のB−B矢視図である。この図において、右側が格納棚4、左側がケージ5である。この図は、ケージ5が右側の格納棚4に対向してパレット2を横行する高さに停止している状態を示している。
【0036】
図5において、パレット2は、移動路側(この例で昇降路側)の長手方向端部に長手方向に水平に延びるストッパピン2bを有する。ストッパピン2bはこの例では平板形状であるが、その他の形状、例えば棒状であってもよい。
落下防止レバー32は、係止位置Fと解除位置Gの間を回転軸33を中心に図で上下に揺動可能であり、係止位置Fにおいてストッパピン2bに当接してパレット2の移動路側(昇降路側)への移動を阻止し、解除位置Gにおいてストッパピン2bとの当接を解除する。
また落下防止レバー32は、ばね34により係止位置Fに付勢されている。なお、格納棚4には、ストッパ4cが設けられ、ばね34による落下防止レバー32の回転を係止位置Fに保持するようになっている。
【0037】
図4において、本発明によるパレット落下防止装置30は、さらに複数のレバー解除装置40を有する。
レバー解除装置40は、ケージ5の幅方向両側に1組ずつ(計2組)が設けられている。レバー解除装置40は、横行アーム22の旋回により落下防止レバー32を係止位置Fから解除位置Gに移動させる機能を有する。
【0038】
図4において、横行アーム22は、その下部に固定され鉛直方向に延びる解除ローラ28を有する。
レバー解除装置40は、解除レバー42と解除プッシャ50を有する。
解除レバー42は、解除ローラ28と当接して揺動鉛直軸43を中心に揺動する。この例で2つのレバー解除装置40は、幅方向で勝手反対(対称)に構成されている。
この例で各解除レバー42に2つずつの解除プッシャ50が、昇降路側の長手方向両端部の落下防止レバー32に対向する位置に設けられている。また、長手方向両端部の2つの解除プッシャ50は、長手方向に勝手反対(対称)に構成されている。
【0039】
図5において、解除プッシャ50は、解除レバー42の揺動により隣接する格納棚側に突出してその落下防止レバー32に当接し、落下防止レバー32を係止位置Fから解除位置Gに移動する。
この図において、解除プッシャ50は、1対の平行リンク52a,52b、プッシャ本体54、及びばね56を有する。
【0040】
1対の平行リンク52a,52bは、1対の水平軸57を介して水平支持部材5aに固定され、かつ1対の水平軸58を介してプッシャ本体54に固定されている。1対の水平軸57と1対の水平軸58の軸間距離は同一であり、水平軸57と水平軸58の軸間距離も同一である。また、この例で1対の水平軸57はパレット2の横行方向に水平に位置する。
この構成により、プッシャ本体54を常に水平に保持したままで、プッシャ本体54を格納棚側に突出した突出位置Hと復帰位置I(図に示す位置)に移動することができる。
【0041】
この例で、平行リンク52aの水平軸57より下方の下端には、コントロールケーブル49の端部が固定され、コントロールケーブル49の移動により、プッシャ本体54を突出位置Hと復帰位置Iの間で移動するようになっている。
【0042】
コントロールケーブル49は、細長い中空パイプとその内側に挿入されたケーブルからなる。中空パイプは、ケージ内の所定の経路に沿って固定されており、ケーブルは中空パイプの内側に沿ってその長さ方向に移動可能になっている。コントロールケーブル49は、例えば自転車のブレーキケーブルと同様のものである。
【0043】
また、この例で、ばね56が平行リンク52bと水平支持部材5aとの間に設置され、平行リンク52bを常に復帰位置I側に付勢している。
【0044】
図4において、解除レバー42と解除プッシャ50は、コントロールケーブル49により互いに連結され、連動するようになっている。すなわち、単一の解除レバー42には2本のコントロールケーブル49の一端が固定され、その2本の他端は同じ格納棚4に隣接する2つの解除プッシャ50にそれぞれ固定されている。
従って、コントロールケーブル49による解除レバー42の移動と解除プッシャ50の移動とが、連動するようになっている。
【0045】
図6は、解除レバー42の説明図であり、図4の下側の解除レバー42を示している。
この図において、解除レバー42は、ケージ5の上面に固定された揺動鉛直軸43を中心に回転可能な円板状又は半円板状のケーブル移動輪41を有する。
ケーブル移動輪41の外縁には、2本のコントロールケーブル49の一端が固定され、ケーブル移動輪41の回転によりコントロールケーブル49をその長さ方向に移動するようになっている。
【0046】
この図において、解除レバー42はさらに、第2駆動レバー44、第1駆動レバー45、及びばね46を有する。
【0047】
第2駆動レバー44と第1駆動レバー45は、この図において、実線で示す位置が解除プッシャ50の復帰位置I、破線で示す位置が解除プッシャ50の突出位置Hである。
第2駆動レバー44は、その末端部がケーブル移動輪41に固定され、復帰位置Iにおいてパレット2の長さ方向(図で右方)に水平に延びる平板状の部材であり、その先端部に補助鉛直軸48を有する。
【0048】
第1駆動レバー45は、その末端部が補助鉛直軸48を介して第2駆動レバー44に連結され、補助鉛直軸48を中心に回転可能である。また第1駆動レバー45は、復帰位置Iにおいてパレット2の幅方向内側(図で上方)に水平に延びる平板状の部材であり、その先端部は解除ローラ28の回転軌跡上に位置する。
【0049】
ばね46の両端は、第1駆動レバー45の中間部と第2駆動レバー44の末端部にそれぞれ固定された引張りばねである。
第2駆動レバー44には、ストッパ47aが固定されており、第2駆動レバー44と第1駆動レバー45がなす角度が所定の角度(この例では約90°)より小さくならないようになっている。
また、ケージ5の上面には、ストッパ47bが固定されており、復帰位置Iにおいて第2駆動レバー44が所定の復帰位置I(この例でパレット2の長さ方向)に位置するようになっている。
【0050】
上述した構成により、横行アーム22が図で下側に旋回すると、解除ローラ28は、待機位置aから作動開始位置bを経て作動終了位置cまで水平に旋回する。
作動開始位置bにおいて、解除ローラ28が第1駆動レバー45の先端部に接触し、作動終了位置cまで解除レバー42を揺動鉛直軸43を中心に揺動させ、作動終了位置cにおいて解除レバー42から離れる。
作動開始位置bから作動終了位置cまでの解除レバー42の揺動により、ケーブル移動輪41が図で左回転し、この回転によりコントロールケーブル49をその長さ方向(図でH方向)に移動する。
【0051】
作動終了位置cにおいて解除ローラ28が解除レバー42から離れると、コントロールケーブル49は復帰位置I側に付勢されているので、解除レバー42は、揺動鉛直軸43を中心に図で右方向に揺動し、ストッパ47bにより復帰位置Iに復帰する。
【0052】
なお例えば払い出し時において、解除ローラ28が図で左旋回して待機位置aに戻る際、解除ローラ28が第1駆動レバー45の図で左側面に当接する。この場合、後述する図7(C)に示すように、解除プッシャ50は作動せず復帰位置Iに保持される。
そのため、この例では、第1駆動レバー45が補助鉛直軸48を中心に図で右方向に揺動して解除ローラ28から退避し、解除ローラ28による逆方向の作動力を受けないようになっている。
【0053】
なお、解除レバー42はこの例に限定されず、解除ローラ28と当接して揺動鉛直軸43を中心に揺動し、コントロールケーブル49をその長さ方向(図でH方向)に移動できる限りで、その他の構造であってもよい。
【0054】
図7は、パレット落下防止装置30の作動説明図である。
この図において、(A)はパレット落下防止時、(B)はパレット取り込み時、(C)はパレット払い出し時を示している。
図7(A)において、落下防止レバー32は、凹溝32a、解除作動面32b、及びテーパ面32cを有する。
【0055】
パレット落下防止時(A)に、凹溝32aは、係止位置Fにおいてストッパピン2bに当接してパレット2のケージ側への移動を阻止する。
パレット取り込み時(B)に、解除作動面32bは、解除プッシャ50の格納棚側への移動により、落下防止レバー32を係止位置Fから解除位置Gに移動させる。
パレット払い出し時(C)に、テーパ面32cは、ケージ5(図で左側)から格納棚側へのパレット2の水平移動によりストッパピン2bに当接して落下防止レバー32を係止位置Fから解除位置Gに移動させる。
【0056】
上述した本発明の実施形態によれば、横行装置20による横行アーム22の旋回により係止位置Fから解除位置Gに落下防止レバー32を移動させるレバー解除装置40をケージ5が有するので、パレット落下防止装置専用のアクチュエータが不要である。
【0057】
また、ソフトランディング機構でケージ5を停止階に停止させることなく、横行装置20によりレバー解除装置40を作動できるので、ソフトランディング動作が不要である。
【0058】
さらに、パレット2が移動路側の長手方向端部にストッパピン2bを有し、格納棚4が移動路側の長手方向端部に落下防止レバー32を有するので、格納棚4の長手方向端部以外には、上下の格納棚4の移動路側の中間に位置する部材がなく、格納棚4の上下のパレット2の間にデッドスペースが存在しない。従って、横行する車両1と落下防止レバー32とが干渉するおそれがなく、駐車装置全高を増加させることなく、車高の高い車両1を格納することができる。
【0059】
また、上述したように、本発明はエレベータ式駐車装置100に限定されず、その他の機械式駐車装置にも適用することができる。
【0060】
なお本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
A,B,C,D,E 旋回位置、F 係止位置、G 解除位置、H 突出位置、
I 復帰位置、1 車両(乗用車)、2 パレット、2a 係合溝、
2b ストッパピン、3 昇降路、3a 後側内壁、4 格納棚、
4a 水平支持部材、4b フリーローラ、4c ストッパ、5 ケージ、
5a 水平支持部材、5b フリーローラ、6 本体フレーム、7 巻上機、
8 上部シーブ、8a,8b,8c,8d シーブ、9 駆動シーブ、
12 吊ロープ、12a 一端、12b 他端、14 カウンタウェイト、
16 ケーブル、16a 一端、16b 他端、20 横行装置、
22 横行アーム、24 横行駆動装置、24a 旋回鉛直軸、
24b 歯車減速機、26 係合ドック、28 解除ローラ、
30 パレット落下防止装置、32 落下防止レバー、32a 凹溝、
32b 解除作動面、32c テーパ面、33 回転軸、34 ばね、
40 レバー解除装置、42 解除レバー、41 ケーブル移動輪、
43 揺動鉛直軸、44 第2駆動レバー、45 第1駆動レバー、
46 ばね、48 補助鉛直軸、49 コントロールケーブル、
50 解除プッシャ、52a,52b 平行リンク、54 プッシャ本体、
56 ばね、57,58 水平軸、100 エレベータ式駐車装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7