特許第6793128号(P6793128)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793128
(24)【登録日】2020年11月11日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】ローラベアリングアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/58 20060101AFI20201119BHJP
   F16C 19/36 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   F16C33/58
   F16C19/36
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-543704(P2017-543704)
(86)(22)【出願日】2014年11月3日
(65)【公表番号】特表2017-534037(P2017-534037A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(86)【国際出願番号】US2014063659
(87)【国際公開番号】WO2016072963
(87)【国際公開日】20160512
【審査請求日】2017年6月28日
【審判番号】不服2019-11892(P2019-11892/J1)
【審判請求日】2019年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】510099028
【氏名又は名称】コーヨー ベアリングス ノース アメリカ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エイブラハムソン、スコット
【合議体】
【審判長】 平田 信勝
【審判官】 田村 嘉章
【審判官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102005058149(DE,A1)
【文献】 特公昭37−14561(JP,B1)
【文献】 米国特許第4403813(US,A)
【文献】 特開平4−4312(JP,A)
【文献】 特開2008−240965(JP,A)
【文献】 スイス国特許発明第117835号明細書
【文献】 特開2001−65575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 19/00 - 19/56
F16C 33/30 - 33/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラベアリングアセンブリであって、
内輪軌道を画成している先細内側カップと、
外輪軌道を画成している先細外側カップであって、前記外輪軌道が円錐台形状の凸状の外形を有し、前記ローラベアリングアセンブリの長手方向中心軸線が前記円錐台形状の回転軸線によって画成され、前記凸状の外形が前記外輪軌道と前記ローラベアリングアセンブリの前記長手方向中心軸線が存在する中央平面との交差によって画成されている、先細外側カップと、
複数のストレートローラであって、各ストレートローラが前記内輪軌道及び前記外輪軌道と回転接触するように、前記先細内側カップと前記先細外側カップとの間に配置された複数のストレートローラであって、各ストレートローラが、第1端面、第2端面、及びそれらの間に延在する円筒形状の本体部を有する、複数のストレートローラと、
複数の対称なローラポケットを画成しているローラ保持具であって、各ローラポケットが、対応するストレートローラを受容し、各ローラポケットが、前記ローラベアリングアセンブリの前記長手方向中心軸線と交差するとともに前記対応するストレートローラの長手方向中心軸線の中間点と交差する旋回軸線の周りを各ストレートローラが、前記先細外側カップの前記先細内側カップに対する相対回転時の前記外輪軌道における速度差に起因して限定的に回転可能となるように、各対応するストレートローラの最大幅よりも大きな最大幅を有し、前記旋回軸線が、前記対応するストレートローラの前記長手方向中心軸線を横断している、ローラ保持具と
を備えるローラベアリングアセンブリ。
【請求項2】
前記内輪軌道が円錐台形状の表面によって画成されている、請求項1に記載のローラベアリングアセンブリ。
【請求項3】
前記内輪軌道が凹状の外形を有し、前記凹状の外形が前記中央平面と前記内輪軌道との交差によって画成されている、請求項1に記載のローラベアリングアセンブリ。
【請求項4】
ローラベアリングアセンブリであって、
先細内輪軌道を画成している内側カップと、
先細外輪軌道を画成している外側カップであって、前記先細外輪軌道が円錐台形状の凸状の外形を有し、前記ローラベアリングアセンブリの長手方向中心軸線が前記円錐台形状の回転軸線によって画成され、前記凸状の外形が前記先細外輪軌道と前記ローラベアリングアセンブリの前記長手方向中心軸線が存在する中央平面との交差によって画成されている、外側カップと、
内周、外周及びそれらの間に延在する円錐台形状の本体部を有するローラ保持具であって、前記本体部が複数の対称なローラポケットを画成している、ローラ保持具と、
前記内側カップと前記外側カップとの間に配置された複数のストレートローラと
を備え、
各ストレートローラが前記先細内輪軌道及び前記先細外輪軌道と回転接触するように、各ストレートローラが、前記ローラ保持具の対応するローラポケット内に配置され、各ストレートローラが、第1端面、第2端面、及びそれらの間に延在する円筒形状の本体部を有し、
各ローラポケットが、前記ローラベアリングアセンブリの前記長手方向中心軸線と交差するとともに対応するストレートローラの長手方向中心軸線の中間点と交差する旋回軸線の周りを各ストレートローラが、前記外側カップの前記内側カップに対する相対回転時の前記先細外輪軌道における速度差に起因して限定的に回転可能となるように、各対応するストレートローラの最大幅よりも大きな最大幅を有し、前記旋回軸線が、前記対応するストレートローラの前記長手方向中心軸線を横断している、ローラベアリングアセンブリ。
【請求項5】
前記内輪軌道が円錐台形状の表面によって画成されている、請求項4に記載のローラベアリングアセンブリ。
【請求項6】
前記内輪軌道が凹状の外形を有し、前記凹状の外形が前記中央平面と前記内輪軌道との交差によって画成されている、請求項4に記載のローラベアリングアセンブリ。
【請求項7】
前記内側カップ及び前記外側カップが、ドローンカップを更に含む、請求項4に記載のローラベアリングアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してローラベアリングアセンブリに関する。より具体的には、本発明は、テーパローラベアリングアセンブリが用いられることの多い用途に利用できるストレートローラを含むローラベアリングアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
軸線方向及び径方向両方の荷重に対応できるローラベアリングアセンブリが様々な用途に必要とされる。典型的には、これらの用途に用いられるローラベアリングアセンブリは、純粋な回転を可能とするように、一対の内輪軌道と外輪軌道との間に配置された、対応するベアリングアセンブリにおける長手方向中心軸線に対してそれぞれが対応しながら傾斜するか或いは先細って頂点で交わる複数のテーパローラを含む。このことから、これらのアセンブリは一般にテーパローラベアリングアセンブリと呼ばれる。テーパローラは一方の端部が他方に対して大きく、それらの端部の間に延在して円錐台形状の外面によって形成される本体部を含む。また、テーパローラの本体部の外面は、様々な用途に応じて形成されてもよい。想定されるように、こうしたテーパローラの製造は困難で時間を要することがあるため、製造費が高くなることがある。
【0003】
このことから、図9に示すようなベアリングアセンブリ10を利用することが望ましく、ベアリングアセンブリ10は、テーパローラに比べて割合簡単に製造され、ベアリングアセンブリの先細内側カップ12と先細外側カップ14との間のローラ保持具17内に回転可能に収容される、複数のストレートローラ20を利用する。図から分かるように、内側カップ12及び外側カップ14はそれぞれ内輪軌道16と外輪軌道18とを画成し、そのいずれも円錐台形状の表面によって画成される。また、図10Aを参照すると、ベアリングアセンブリ10が「静止」位置にあるときの円錐台形状の外輪軌道18の一部が、対応するストレートローラ20と共に示される。ベアリングアセンブリが「静止」しているということは、その先細内側カップ12と先細外側カップ14との間に相対回転が生じておらず、各ストレートローラ20の長手方向中心軸線24がベアリングアセンブリの長手方向中心軸線22と交差しながら、各ストレートローラ20はローラの全長に沿って円錐台形状の内輪軌道16及び円錐台形状の外輪軌道18の両方と接触しうることを意味する。
【0004】
しかしながら、内側カップ12と外側カップ14との間に相対回転が生じると、各ストレートローラ20は、その長手方向中心軸線24を横断し且つベアリングアセンブリの長手方向中心軸線22と交差するようにその中間点から外方に延在する旋回軸線26(図9)周りに回転を始める。この、旋回軸線26周りの回転動作は、図10B及び図9から最もよく分かるように、内側カップ12及び外側カップ14における径方向位置に対する、ローラの表面の接線速度によって駆動される。なお、各ストレートローラ20の旋回軸線26周りの回転限度は、対応するローラ保持ポケット23の寸法によって制限される。各ストレートローラ20の、対応する旋回軸線26周りの回転は、その第1端面21がその第2端面23ほど外輪軌道18に沿って移動しないために発生する。例えば、ストレートローラ20が旋回軸線26周りに回転しないようにするためには、第2端面23は、図10Bに示すように、「高速経路」17が「低速経路」19よりも大きな円形経路であることから、第1端面21が低速経路19に沿って回転するよりも速く軌道の高速経路17に沿って回転する必要がある。勿論、これは、ストレートローラ20は全ての部分が同時に回転するため、不可能である。「中間経路」21は、外輪軌道18に沿って移動する各ストレートローラ20の中間点を表す経路である。
【0005】
図10B及び12を参照すると、ストレートローラ20の旋回軸線26周りの回転によって、円錐台形状の外輪軌道18は、ストレートローラの長手方向中心軸線24に対して凹状の外形を有するかのように機能する。この凹状の外形は、回転するストレートローラ20の長手方向中心軸線24を通過する平面と、ローラの第1端面21及び第2端面23が外輪軌道18と接触する点とによって画成される双曲線の円錐曲線である。図示のように、この構成はストレートローラ20に望ましくない端部荷重を引き起こし、それによってストレートローラに望ましくない応力が生じる。こうした端部荷重はスポーリングを引き起こし、許容できない時間枠におけるベアリングの故障を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術の構成及び方法の考察を認識しそれに対処する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るローラベアリングアセンブリの一実施例は、内輪軌道を画成する先細内側カップと、外輪軌道を画成し、外輪軌道が凸状の外形を有し、凸状の外形が外輪軌道とローラベアリングアセンブリの長手方向中心軸線が存在する中央平面との交差によって画成される先細外側カップと、各々が内輪軌道及び外輪軌道と回転接触するように細内側カップと先細外側カップとの間に配置された複数のストレートローラとを備え、各ストレートローラが、第1端面、第2端面及びそれらの間に延在する円筒形状の本体部を有する。
【0008】
本開示に係るローラベアリングアセンブリの他の実施例は、先細内輪軌道を画成する内側カップと、先細外輪軌道を画成し、先細外輪軌道が凸状の外形を有し、凸状の外形が先細外輪軌道とローラベアリングアセンブリの長手方向中心軸線が存在する中央平面との交差によって画成される外側カップと、内周、外周及びそれらの間に延在する円筒形状の本体部を有し、本体部が複数のローラポケットを画成するローラ保持具と、内側カップと外側カップとの間に配置された複数のストレートローラとを備え、各ストレートローラが先細内側軌道及び先細外側軌道と回転接触するように、各ストレートローラがローラ保持具の対応するローラポケット内に配置され、各ストレートローラが、第1端面、第2端面及びそれらの間に延在する円筒形状の本体部を有する。
【0009】
本明細書の一部に組み込まれ且つそれを構成する添付の図面は、本発明の1つ以上の実施例を示し、説明文と共に本発明の本質を説明する。
【0010】
本発明の、最良の態様を含む、当業者を対象とする完全且つ実施可能な開示が、以下のような添付の図面を参照する本明細書に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施例に係るローラベアリングアセンブリの断面図である。
図2A】ストレートローラが静止している、図1に示すローラベアリングアセンブリの外側カップ及びストレートローラの部分上面図である。
図2B】ストレートローラが動作している、図1に示すローラベアリングアセンブリの外側カップ及びストレートローラの部分上面図である。
図3図1に示すローラベアリングアセンブリのローラ保持具及び対応するストレートローラの部分図である。
図4図2Aに示すローラベアリングアセンブリの、4−4線に沿った部分断面図である。
図5図2Bに示すローラベアリングアセンブリの、5−5線に沿った部分断面図である。
図6図1に示すローラベアリングアセンブリの断面図における指定部分の拡大図である。
図7】ストレートローラが静止している、本開示に係るローラベアリングアセンブリの第2実施例の部分断面図である。
図8】ストレートローラが動作している、本開示に伴う図7に示すローラベアリングアセンブリの第2実施例の部分断面図である。
図9】従来技術におけるローラベアリングアセンブリの断面図である。
図10A】ストレートローラが静止している、図9に示す従来技術におけるローラベアリングアセンブリの外側カップ及びストレートローラの部分上面図である。
図10B】ストレートローラが動作している、図9に示す従来技術におけるローラベアリングアセンブリの外側カップ及びストレートローラの部分上面図である。
図11図9に示す従来技術におけるローラベアリングアセンブリのローラ保持具及び対応するストレートローラの部分図である。
図12図10Bに示す従来技術におけるローラベアリングアセンブリの、12−12線に沿った部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書及び図面において参照符号を繰り返し使用することで、本開示に係る本発明の同一又は類似の特徴又は要素を表すようになっている。
【0013】
ここで、その1つ以上の例示が添付の図面に示される、本発明の好適な実施例を詳細に参照する。各例示は本発明の非限定の説明によって提供される。つまり、当業者にとって、本発明においてその範囲及び趣旨から逸脱することなく修正例及び変形例を作ることができることは明らかであろう。例えば、一実施例の一部として示され或いは説明された特徴が、更なる実施例を生み出すために他の実施例に用いられてもよい。これによって、本発明は、付属の請求項及びその均等物の範囲内で、そうした修正例及び変形例を網羅するようになっている。
【0014】
図面を参照すると、図1図6に示すように、本発明に係るローラベアリングアセンブリ100の実施例は、先細内側カップ110と、先細外側カップ130と、それらの間に配置され、複数のローラポケット178を画成するローラ保持具170と、それぞれが、対応するローラポケット178内に回転可能に受容される複数のストレートローラ150とを含む。ローラ保持具170及びストレートローラ150が内側カップ110と外側カップ130との間に回転可能に受容されることで、各ストレートローラ150は、内側カップ110及び外側カップ130によってそれぞれ画成される内輪軌道118と外輪軌道138との間に回転可能に受容され、且つ内輪軌道118及び外輪軌道138と回転接触する。なお、図示のような内側カップ110及び外側カップ130がドロンカップ(シェル形カップ)の技術を用いて構成されても、代替実施例における内側カップ及び外側カップは精密接地のカップであってもよい。また、図1に示すように、中央軸孔182を画成する内側カラー180が内側カップ110の径方向内方に配置され、外側カラー184が外側カップ130の径方向外方に配置されることにより、ベアリングアセンブリの設置が容易になる。
【0015】
図3を参照すると、図示の実施例において、ローラ保持具170は、環状第1端部材172と、環状第2端部材174と、それらの間に延在する複数の長尺の中央部材176とを含み、こうして複数のローラポケット178を形成する。また、図1を参照すると、第2端部材174が第1端部材172よりも大きな直径を有することから、中央部材176は第1端部材172と第2端部材174との間に円錐台形状に延在する。ストレートローラ150は、対応するローラポケット178内に回転可能に受容され、各ストレートローラ150は、第1端面152と、第2端面154と、その間に延在する円筒形状の本体部とを含む。ローラ保持具170のローラポケット178の寸法は、後に詳述されるように、内側カップ110と外側カップ130とが互いに相対回転しながら、対応するストレートローラ150の対応する旋回軸線160(図1)周りの回転限度を制限するように選択される。なお、図3に示すローラポケット178の寸法は、例示のみの目的で、ストレートローラ150がそこで回転可能な程度に拡大されている。
【0016】
図6から最もよく分かるように、内側カップ110は、環状内側フランジ112と、環状外側フランジ114と、それらの間に延在する円錐台形状の本体部116とを含む。本体部116の円錐台形状の内面が内側カラー180と隣接するのに対して、本体部116の円錐台形状の外面がローラベアリングアセンブリ100の内輪軌道118を画成する。同様に、外側カップ130は、環状内側フランジ132と、環状外側フランジ134と、それらの間に延在する円錐台形状の本体部136とを含む。そして、本体部136の円錐台形状の外面も外側カラー184と隣接する。しかしながら、外側カップの本体部136の内面によって画成される、ベアリングアセンブリ100の外輪軌道138は、円錐台形状の表面では画成されない。むしろ、外輪軌道138は、ベアリングアセンブリの長手方向中心軸線101が存在する任意の平面である、回転しているベアリングアセンブリ100の対称面と、外側カップ130の外輪軌道138との交差によって画成されるように、凸状の外形を画成する。こうして、図2A及び図4に示すように、ストレートローラ150が、内側カップ110と外側カップ130との間に相対的な動作がなく且つストレートローラ150の長手方向中心軸線158がローラベアリングアセンブリ100の長手方向中心軸線101と交差する「静止」位置にあるとき、ストレートローラ150はその全長に沿って内輪軌道118と接触する。しかしながら、外輪軌道138の凸状の外形に伴い、ストレートローラ150は、中間部分であるその全長の一部のみに沿って外輪軌道と接触する。
【0017】
しかしながら、内側カップ110と外側カップ130との間に相対回転が生じると、各ストレートローラ150は、その長手方向中心軸線158を横断し且つベアリングアセンブリの長手方向中心軸線101と交差するようにその中間点から外方に延在する旋回軸線160(図1)周りに回転を始める。この、旋回軸線160周りの回転動作は図2B及び図5から最もよく分かる。なお、図3に示すように、各ストレートローラ150の旋回軸線160周りの回転限度は、対応するローラポケット178の寸法によって制限される。先述のように、各ストレートローラ150の、対応する旋回軸線160周りの回転は、その第1端面152がその第2端面154ほど外輪軌道138に沿って移動しないために発生する。例えば、ストレートローラ150が旋回軸線160周りに回転しないようにするためには、第2端面154は、図2Bに示すように、「高速経路」142が「低速経路」144よりも大きな円形経路であることから、第1端面152が低速経路144に沿って回転するよりも速く軌道の高速経路142に沿って回転する必要がある。これは、ストレートローラ150は全ての部分が同時に回転するため勿論不可能である。「中間経路」146は、外輪軌道138に沿って移動する各ストレートローラ150の中間点を表す経路である。
【0018】
図2B及び図5を参照すると、先述した図9図12に示す従来技術のベアリングアセンブリ10とは異なり、凸状の外輪軌道130は、各ストレートローラ150が旋回軸線160周りに回転することによって、ストレートローラの長方向中心軸線158に対して真っ直ぐな外形を有するかのように機能する。具体的には、開示のローラベアリングアセンブリ100の各ストレートローラ150の中間部分が、旋回軸線160周りに回転しながら外輪軌道138との接触を維持するのに対して、従来技術のベアリングアセンブリの各ストレートローラ20の中間部分は外輪軌道18との接触を失うため、ローラへの端部荷重を引き起こす。こうして、開示のストレートローラ150の回転によって、その端部が外輪軌道138と接触することで、各ストレートローラ150のより多くの部分が、ストレートローラが図2A及び図4に示す静止位置にあるときよりも外輪軌道138と接触する。従って、開示のベアリングアセンブリ100の凸状の外輪軌道138によってストレートローラの端部荷重が軽減されることで、スポーリングが減少する。
【0019】
本発明の1つ以上の好適な実施例が先に説明されたが、当業者は、本発明においてその範囲及び趣旨から逸脱することなく様々な修正及び変形を行えることが理解されるであろう。本発明は、付属の請求項及びその均等物の範囲内及び趣旨内で、そうした修正例及び変形例を網羅するようになっている。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12