特許第6793174号(P6793174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793174
(24)【登録日】2020年11月11日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】部品の制御分配システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20201119BHJP
   G04D 3/00 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   B65G47/14 101B
   G04D3/00
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-236990(P2018-236990)
(22)【出願日】2018年12月19日
(65)【公開番号】特開2019-112228(P2019-112228A)
(43)【公開日】2019年7月11日
【審査請求日】2018年12月19日
(31)【優先権主張番号】01589/17
(32)【優先日】2017年12月21日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク・シャルボネ
【審査官】 有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−059008(JP,A)
【文献】 特開2017−019623(JP,A)
【文献】 特開平04−256619(JP,A)
【文献】 特開2012−051659(JP,A)
【文献】 特開2010−093052(JP,A)
【文献】 特開2007−204202(JP,A)
【文献】 米国特許第05853078(US,A)
【文献】 特公昭48−032022(JP,B1)
【文献】 特開平06−115667(JP,A)
【文献】 特開平06−238584(JP,A)
【文献】 実開平05−026917(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00─47/20
G04D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
20mmよりも小さい大きさの軸対称である計時器用部品、の制御された分配のための制御分配システム(1)であって、
これらの計時器用部品、から作られる物の全体又は一部を自動的に組み立てる自動組み立て設備(100)のためのものであり、
壁(6)を有する囲い(4)がある振動ボウル(3)と、及び
前記計時器用部品(2)を前記自動組み立て設備(100)に分配するように設けられる連接式グリップアーム(10)と
を有し、
前記壁(6)は、前記振動ボウル(3)の回転軸のすぐ近くにて回転軸のまわりに延在しており、前記振動ボウル(3)内に前記計時器用部品がバルク状で配置され、
前記振動ボウル(3)には、前記振動ボウル(3)の基部と上側エッジ(7)の間にて前記壁(6)の内面に沿って延在している上り坂のらせん状の傾斜ランプ(5)があり、前記上側エッジ(7)は、前記傾斜ランプ(5)の出口(S)を形成しており、
前記計時器用部品(2)は、この傾斜ランプ(5)に沿って供給プラットホーム(8)、特に、スライド、の方へと動くことができ、前記連接式グリップアーム(10)によって把持される前に少なくとも1つの計時器用部品(2)が前記供給プラットホーム(8)上にて配置され、
前記供給プラットホーム(8)は、前記出口(S)に接続されているとともに前記計時器用部品(2)の姿勢を合わせる役割を有する溝を有しており前記振動ボウル(3)の前記囲い(4)の上又は内部に延在し、さらに前記上側エッジ(7)から前記振動ボウル(3)の回転軸まで半径方向に延在している
システム(1)。
【請求項2】
前記供給プラットホーム(8)には、第1の部分(9a)と第2の部分(9b)があり、特に、前記第1の部分(9a)の長さは、前記第2の部分(9b)の長さよりも大きい又は実質的に大きい
請求項に記載のシステム(1)。
【請求項3】
前記第1の部分(9a)には、支持体を形成する平坦な上面(11)があり、
前記連接式グリップアーム(10)によって把持されるように前記支持体上を前記計時器用部品(2)が動くことができる
請求項に記載のシステム(1)。
【請求項4】
前記第1の部分(9a)は、前記ボウル(3)の鉛直方向の回転軸に対して半径方向に、特に、まっすぐに、延在しており、かつ、前記第1の部分(9a)の上面(11)は、前記振動ボウル(3)の前記上側エッジ(7)及び/又は前記振動ボウル(3)の前記囲い(4)の開口(12)を含む平面内にあるか、あるいは
前記振動ボウル(3)の前記上側エッジ(7)及び/又は前記振動ボウル(3)の前記囲い(4)の開口(12)を含む平面に平行又は実質的に平行な平面内にある
請求項に記載のシステム(1)。
【請求項5】
前記供給プラットホーム(8)の前記第1の部分(9a)には、実質的にその自由端にある分配領域(13)があり、
この分配領域(13)に前記計時器用部品(2)が、前記連接式グリップアーム(10)によって把持される前に、配置される
請求項2又は3に記載のシステム(1)。
【請求項6】
前記供給プラットホーム(8)の前記第1の部分(9a)には、前記分配領域(13)にある前記計時器用部品(2)の存在を検出する検出デバイス(14)がある
請求項に記載のシステム(1)。
【請求項7】
前記供給プラットホーム(8)の前記第2の部分(9b)には、リンク部分と2つのガイド部分(15)があり、該2つのガイド部分のそれぞれが前記リンク部分と鈍角を形成して、該第2の部分(9b)が台形の形の断面を形成する
請求項2〜6のいずれかに記載のシステム(1)。
【請求項8】
前記リンク部分は、前記第1の部分(9a)の下面に機械的に接続されている
請求項記載のシステム(1)。
【請求項9】
前記ガイド部分(15)は、前記計時器用部品(2)を前記振動ボウル(3)の前記囲い(4)の方に導くように形成されており、
少なくとも1つの計時器用部品(2)が、この供給プラットホーム(8)の前記第1の部分(9a)に当初存在しており前記第1の部分(9a)から排出される
請求項7又は8に記載のシステム(1)。
【請求項10】
前記振動ボウル(3)には、前記供給プラットホーム(8)の第1の部分(9a)の近くに形成された前記計時器用部品(2)を選別/選択する選別/選択デバイス(16)がある
請求項1〜のいずれかに記載のシステム(1)。
【請求項11】
前記振動ボウル(3)には、分配領域(13)の上に配置された少なくとも2つの計時器用部品(2)を分離する分離デバイス(17)がある
請求項1〜のいずれかに記載のシステム(1)。
【請求項12】
前記傾斜ランプ(5)には、前記計時器用部品(2)の進行の間にこの傾斜ランプ(5)上に前記計時器用部品(2)を維持する役割を果たす前記振動ボウル(3)の開口の方向に曲がっている又は実質的に曲がっている側方エッジ(20)がある
請求項1〜11のいずれかに記載のシステム(1)。
【請求項13】
少なくとも1つの計時器用部品から作られる物の全体又は一部の自動組み立て設備(100)であって、
請求項1〜12のいずれかに記載のシステム(1)を少なくとも1つ有する
自動組み立て設備(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品、特に、計時器用部品、の少なくとも1つから作られる物の全体又は一部の自動組み立て設備のための、部品、特に、計時器用部品、の制御された分配のための制御分配システム、及びこのような自動組み立て設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、部品を分配するシステムにおいて振動するボウルを用いることが知られている。この部品は、例えば、計時器の自動組み立て設備において用いられる計時器用部品である。このようなボウルは、伝統的には、一般的には軽く油を塗られた、前記の計時器用部品に対してこのボウルの鉛直方向の回転軸のまわりの回転運動を与える振動を発生させる支持体上にマウントされる。このような運動は、これらの計時器用部品をボウルの側壁にて形成された傾斜ランプに乗り上げさせ、この壁の頂上まで徐々に上がらせる。この構成において、この頂上に到来する部品は、ボウルの前記側壁に固定されつつ、この傾斜ランプの延長領域において形成された供給チャネル上に乗り上げることができる。この供給チャネルは、このボウルの鉛直方向の回転軸を含む面に垂直なこのボウルの周部の外壁に対する接線方向に平行な方向に長手方向にて延在している。このようなチャネルは、この壁の頂上にて形成されボウルの外側の方に延在している分配支持体を供給することを目的としており、このボウル上には、チャネルから到来しグリップアームによって把持されるべき部品が配置されており、計時器の全体又は一部の製造の前に、自動組み立て設備の組み立て装置に分配される。
【0003】
しかし、このような計時器用部品を分配するシステムは、これらの部品が機能する形態を考えると信頼性を欠くことが多い。実際に、それらのシステムは、傾斜ランプ上の、又は供給チャネルにおいて、部品の過剰な蓄積に起因することがある不具合の影響を定期的に受ける。このような過剰な蓄積は、これらの軽く油が塗られた部品や不完全な幾何学的構成の部品によって発生するこのチャネルにおけるジャミングに起因している。このような状況では、システムを再び稼働させるために、手動介入が系統的に必要となる。
【0004】
さらに、このような分配システムにおいて、グリップアームによって正しく把持されない計時器用部品は、振動ボウルの外側に系統的に落ち、このことによって、このような計時器の製造コストの些細ではない増加をもたらす損失を発生させてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような状況で、本発明の目的の1つは、部品、特に、計時器用部品、の制御分配システムを構成する振動ボウルの信頼性を改善することによって従来技術の課題を克服することができるような制御分配システムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このために、本発明は、部品、特に、計時器用部品、の制御された分配のための制御分配システムに関し、これは、これらの部品、特に、計時器用部品、から作られる物の全体又は一部を自動的に組み立てる自動組み立て設備のためのものであり、
壁を有する囲いがある振動ボウルと、及び
前記部品を前記自動組み立て設備に分配するように設けられる連接式グリップアームと
を有し、
前記壁は、前記振動ボウルの回転軸のすぐ近くにて回転軸のまわりに延在しており、前記振動ボウル内に前記部品がバルク状で配置され、
前記振動ボウルには、前記振動ボウルの基部と上側エッジの間にて前記壁の内面に沿って延在している上り坂のらせん状の傾斜ランプがあり、前記上側エッジは、前記傾斜ランプの出口を形成しており、
前記部品は、この傾斜ランプに沿って供給プラットホーム、特に、スライド、の方へと動くことができ、前記連接式グリップアームによって把持される前に少なくとも1つの部品が前記供給プラットホーム上にて配置され、
前記供給プラットホームは、前記出口に接続されており前記振動ボウルの前記囲いの上又は内部にて延在している。
【0007】
以下の特徴を有する他の実施形態がある。
− 前記供給プラットホームは、前記振動ボウル内において鉛直方向の軸を中心とした半径方向に延在している。
− 前記供給プラットホームは、前記振動ボウル内において実質的に前記上側エッジから前記鉛直方向の軸まで延在している。
− 前記供給プラットホームは、鉛直方向の軸を中心とした半径方向に延在しており、かつ、前記傾斜ランプの前記出口と、前記鉛直方向の軸を中心としてこの出口の直径的に反対側にある前記上側エッジの領域との間に自由端がある。
− 前記供給プラットホームには、第1の部分と第2の部分があり、特に、前記第1の部分の長さは、前記第2の部分の長さよりも大きい又は実質的に大きい。
− 前記第1の部分には、支持体を形成する平坦な上面があり、前記連接式グリップアームによって把持されるように、前記支持体上を前記部品が動くことができる。
− 前記第1の部分は、半径方向に、特に、まっすぐに、延在しており、かつ、前記第1の部分の上面は、前記振動ボウルの上側エッジ及び/又は前記振動ボウルの囲いの開口を含む平面内にある。
− 前記第1の部分は、半径方向に、特に、まっすぐに、延在しており、かつ、前記第1の部分の上面は、前記振動ボウルの上側エッジ及び/又は前記振動ボウルの囲いの開口を含む平面に平行又は実質的に平行な平面内にある。
− 前記供給プラットホームの前記第1の部分には、実質的にその自由端にある分配領域があり、この分配領域に前記部品が、前記連接式グリップアームによって把持される前に、配置される。
− 前記供給プラットホームの前記第1の部分は、前記分配領域にある前記部品の存在を検出する検出デバイスを有する。
− 前記供給プラットホームの前記第2の部分には、リンク部分と2つのガイド部分がある。
− 前記リンク部分は、前記第1の部分の下面に機械的に接続されている
− 前記ガイド部分は、前記部品を前記振動ボウルの囲いの方に導くように形成されており、少なくとも1つの部品が、この供給プラットホームの前記第1の部分に当初存在しており前記第1の部分から排出される。
− 前記振動ボウルには、前記供給プラットホームの第1の部分の近くに形成された前記部品を選別/選択する選別/選択デバイスがある。
− 前記振動ボウルは、前記分配領域の上に配置された少なくとも2つの部品を分離する分離デバイスを有する。
− 前記部品は、特に、ミリメートル級の大きさの軸対称の物から選ばれる部品である。
− 前記傾斜ランプには、前記部品の進行の間にこの傾斜ランプ上に前記部品を維持する役割を果たす前記振動ボウルの開口の方向に曲がっている又は実質的に曲がっている側方エッジがある。
【0008】
本発明は、さらに、少なくとも1つの部品、特に、計時器用部品、から作られる物の全体又は一部の自動組み立て設備であって、前記の部品の制御分配システムを少なくとも1つ有するものに関する。
【0009】
このような特徴のおかげで、振動ボウルにおける、部品、特に、計時器用部品、の循環を改善することができ、また、供給チャネルを不要として、カバーされていない供給プラットホームを設けることによって、これらの部品の選別を最適化することができる。また、供給プラットホーム上を進行し連接式グリップアームによって把持されなかった部品の系統的な復帰のおかげで、これらの部品の損失や損傷が抑えられ又は実際上なくなる。
【0010】
図面を参照しながら例(これに制限されない)としてのみ与えられるいくつかの実施形態を読むことによって、本発明の他の特徴や利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の1つの実施形態に係る、計時器の全体又は一部の自動組み立て設備のための計時器用部品の制御分配システムに関連する概略図である。
図2】本発明の実施形態に係る分配システムの振動ボウルの第1の変種の実施形態について上方から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る分配システムの振動ボウルの第2の変種の実施形態について上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、部品2、特に、計時器用部品2、の制御分配システム1は、振動ボウル3と、連接式グリップアーム10と、さらには、このシステム1の機能に全体的又は部分的に関わる制御ユニット20とを有する。
【0013】
本発明の本実施形態において、分配される部品2は、計時器用部品2である。なお、このシステム1によって任意のタイプの部品を分配することができることを理解することができるであろう。この部品が、特に、ミリメートル規模の大きさの物、特に、20mmよりも小さい大きさの物、である場合である。このようなシステム1は、自動組み立て設備100の装置に、又は計時器の全体又は一部の自動組み立てラインに、計時器用部品2を分配するように設けられる。なお、このシステム1において分配される計時器用部品2は、好ましくは、ミリメートル的規模の、特に、20mmよりも小さい、大きさの軸対称である物である。
【0014】
このシステム1において、ボウル3には、このボウル3の上側エッジ7によって形成される開口12において開いている囲い4がある。このボウル3には、このボウル3の囲い4にアクセスすることを可能とする開口12がある平面に垂直又は実質的に垂直である鉛直方向の回転軸がある。この構成において、囲い4には、例えば、前記計時器用部品2がバルク状で配置される皿の全体的な形態を与えるように、回転軸のすぐ近くにて回転軸のまわりに延在する壁6がある。このボウル3は、ここでは詳細に説明しない電気機械的要素によって、このボウル3の固定されたペデスタルに対して振動するようにされている。
【0015】
このボウル3には、このボウル3の基部と上側エッジ7の間にて前記壁6の内面に沿って延在している上り坂のらせん状の傾斜ランプ5がある。このようなランプ5は、好ましくは、この壁6と一体的な部品として作られる。具体的には、この傾斜ランプ5には、このボウル3の基部に形成された入口と、及びこのボウル3の上側エッジ7にある出口Sとがある。このような傾斜ランプ5は、基部からこの傾斜ランプ5の出口Sの方に計時器用部品2が確実に進行することに貢献している。計時器用部品2は、当初この振動ボウル3内にバルク状で入れられ、傾斜ランプ5は、供給プラットホーム8へと続く。より正確には、電気機械的要素によって、振動ボウル3に対してその回転軸のまわりの振動運動を与えることが可能になる。これによって、振動ボウル3に収容された計時器用部品2を、この供給プラットホーム8の方に、特に、1つずつ、移動させることができる。なお、振動ボウル3の回転軸に垂直な傾斜ランプ5についての断面は、線形的ではない。実際に、この傾斜ランプ5には、囲い4にアクセスすることを可能とする振動ボウル3の開口12の方向に曲がっている又は実質的に曲がっている側方エッジがある。このような曲がった側方エッジ20は、この傾斜ランプ5上における計時器用部品2の進行の間に、計時器用部品2をこの傾斜ランプ5上に維持する役割を果たすことを目的としている。
【0016】
この振動ボウル3において、スライドとも呼ばれる供給プラットホーム8は、傾斜ランプ5から到来する計時器用部品2を受けて、計時器の全体又は一部の自動組み立て設備100における分配の前に、期待された姿勢になっていない計時器用部品2の選択/選別の役割を果たすように振動ボウル3において構成している。計時器用部品2が期待された姿勢になっていれば計時器用部品2が連接式グリップアーム10によって最適に把持されることの確実性が増す。
【0017】
このような供給プラットホーム8は、好ましくは、傾斜ランプ5の出口Sに固定された付加的な部品であり、振動ボウル3の壁に垂直又は実質的に垂直な角度を形成している。このボウル3において、この供給プラットホーム8は、この振動ボウル3の囲い4の上又は囲い4内にて延在している。より正確には、このプレゼンテーション要素は、この振動ボウル3において振動ボウル3の回転軸に対して半径方向に延在している。すなわち、このプレゼンテーション要素は、この振動ボウル3において実質的に上側エッジ7から前記回転軸まで半径方向に延在している。また、このプレゼンテーション要素は、この振動ボウル3内において回転軸に対して半径方向に延在しており、かつ、傾斜ランプ5の出口Sと、回転軸を中心としてこの出口Sの直径的に反対側にある上側エッジ7の領域との間に自由端がある。したがって、この構成において、この供給プラットホーム8の本体の全体が、このボウル3の囲い4の上又は囲い4の内部に配置されていることがわかるであろう。
【0018】
このような供給プラットホーム8は、この振動ボウル3の機能の文脈内において異なる機能を有する第1及び第2の部分9a、9bを有する。この構成において、第1の部分9aは、第2の部分9bの長さよりも大きい又は実質的に大きい長さを有する。
【0019】
この第1の部分9aは、好ましくは長方形の断面を有する、上面と下面があるプレートである。この上面と下面は、好ましくは、平坦である。具体的には、上面は、支持体を形成し、この支持体上を、傾斜ランプ5から到来する計時器用部品2が、グリップアーム10によって把持されるようにするために、動くことができる。なお、このような上面には、この上面にて長手方向に延在している溝が形成されていることができ、これによって、グリップアーム10による計時器用部品2の把持の前に、計時器用部品2の姿勢を合わせる役割を果たす。このような上面は、半径方向に、特に、まっすぐに、延在しており、かつ、外側面は、前記振動ボウル3の上側エッジ7及び/又は前記振動ボウル3の囲い4の開口12を含む平面内にある。変種の実施形態の1つにおいて、この上面は、前記振動ボウル3の上側エッジ7、及び/又は前記振動ボウル3の囲い4の開口12、を含む平面に平行又は実質的に平行な平面内に含まれる。この第1の部分9aには、連接式グリップアーム10によって把持されることになる部品のポジショニングをする領域が設けられた自由端がある。
【0020】
この供給プラットホーム8において、第2の部分9bには、リンク部分と2つのガイド部分15がある。この第2の部分9bには、2つのガイド部分15のそれぞれがリンク部分と鈍角を形成しているような実質的に台形の形の断面がある。この構成において、リンク部分は、供給プラットホーム8の第1の部分9aの下面に機械的に接続されており、ガイド部分15は、このプラットホーム8から排出された一又は複数の計時器用部品2を、特に、下で説明する選別デバイスによって、導くために設けられる。これらのガイド部分15によって、このような条件の下で、囲い4内におけるこれらの部品2の姿勢を合わせることが系統的に可能になる。これは、プラットホーム8の側方とは関係なく行われ、部品2が去って、この囲い4に到達することになる。
【0021】
この供給プラットホーム8において、第1の部分9aの下面は、溶接、接着結合又はネスティングによって第2の部分9bのリンク部分に機械的に接続されている。代替実施形態の1つにおいて、この下面は、これらの第1及び第2の部分9a、9bが一体鋳造されたユニットを形成するように、このリンク部分と一体的な部品として作られていることができる。
【0022】
上記のように、振動ボウル3は、さらに、供給プラットホーム8の分配領域13内に配置された計時器用部品2の存在を検出する検出デバイス14を有する。このような検出器14は、例えば、少なくとも1つの真空圧センサー及び/又は少なくとも1つの光センサーを有する。この存在検出器14は、好ましくは、供給プラットホーム8に、特に、この分配領域に、配置される。
【0023】
このボウル3は、プラットホームの入口の第1の部分9aの近くに位置している計時器用部品2を選別/選択する選別/選択デバイス16を有する。この第1の部分9aに対するこのような選別/選択デバイス16の構成によって、この第1の部分9aがその上面11から、姿勢が正しくない一又は複数の計時器用部品2を排出することができる。これによって、計時器用部品2が分配領域13に位置しているときにグリップアーム10が計時器用部品2を最適に把持することを確実にすることができる。このような選別/選択デバイス16は、エアコンプレッサーに接続されたエアノズルのような流体を放射/スプレーする少なくとも1つの要素を有する。このボウル3において、分配領域13の上流、特に、傾斜ランプ5の出口Sと上面のミドル部の間に位置している第1の部分9aの上面にわたって計時器用部品2によってカバーされるトラベル区画において、2つのエアノズルが配置されている。
【0024】
ボウル3は、さらに、グリップアーム10による把持の前に、分配領域13に配置された計時器用部品2を保護する保護デバイスを有する。この保護デバイスは、さらに、エアコンプレッサーに接続されたエアノズルのような流体を放射/スプレーする少なくとも1つの要素を有する。この振動ボウル3において、このエアノズルは、好ましくは、上面に隣接する分配領域13の前側に配置された上面の部分の近くにあり、これによって、計時器用部品2が分配領域13内に配置されているときに空気流をこの部分にスプレー/放射することができる。
【0025】
この振動ボウル3は、さらに、分配領域13の上に配置された少なくとも2つの計時器用部品2を分離する分離デバイス17を有することができる。この分離デバイス17は、固定されたアームにマウントされた少なくとも2つのフレキシブルな要素を、これらのフレキシブルな要素をこの分配領域13の上に位置させることを目的として、有する。図3に示しているボウル3の変種の実施形態において、このボウル3には、3つのフレキシブルな要素があることができ、それらの自由端は、その自由端の間のギャップが計時器用部品2の体積よりも小さい又は実質的に小さいように配置され、これによって、全体的又は部分的に被覆された油っぽい物質のおかげで互いに接着しているかもしれないこれらの計時器用部品2のうちの2つを分離する。これに関連して、グリップアーム10によって把持された計時器用部品2は、自動組み立て設備100において分配され、他の計時器用部品2は、振動ボウル3の囲い4の方に導かれる。
【0026】
なお、選別/選択デバイスと保護デバイスにおいて空気を使用することによって、計時器用部品2を損傷させずに動かすことができる。
【0027】
このシステム1において、図示しているように、連接式グリップアーム10が、計時器用部品2を前記自動組み立て設備100に分配するように設けられる。
【0028】
このシステム1は、さらに、制御ユニット20を有しており、この制御ユニット20は、ボウル3に、特に、選別デバイス、分離デバイス17(振動ボウル3の変種に依存する)、存在検出器14、保護デバイス及び電気機械的要素のようなこのボウル3の部品に、接続している。この制御ユニット20は、さらに、連接式グリップアーム10に、そして、このシステム1の計時器用部品2をデバイスに3に供給する供給デバイスに、接続されている。このような制御ユニット20は、コンピューターであることができ、ハードウェア及びソフトウェアの資源、特に、メモリー素子と相互作用する少なくとも1つのプロセッサー、を有することができる。この制御ユニット20は、自動組み立て設置100において計時器用部品2を分配する文脈内において、振動ボウル3とグリップアーム10の部品をモニタリングするコンピュータープログラムを実装する命令を実行することができる。
【0029】
これに関連して、このシステム1によって、計時器用部品2の制御された分配のための方法を実装することができる。この方法は、分配されるべき軽く油が塗られた計時器用部品2を振動ボウル3の囲い4内に配置するステップを有する。このステップの間に、制御ユニット20は、振動ボウル3に計時器用部品2を供給する供給デバイスをモニタリングする。次に、振動ボウル3の機能ステップの間に、制御ユニット20は、電気機械的要素をアクティブ化して、これによって、振動ボウル3をその固定されたペデスタルに対して振動させて、この傾斜ランプ5に沿って、計時器用部品2が、好ましくは1つずつ、供給プラットホーム8の上面11上に到来するまで、計時器用部品2を移動させる。これらの計時器用部品2のトラベルの区画上における出口Sとこのトラベルの半分までとの間に形成された上面上にて、これらの計時器用部品2は、振動ボウル3の選別/選択デバイス16から到来する空気流に露出される。これは、連接式グリップアーム10による把持の前に、計時器用部品2の中で正しい姿勢でないものを分離することを目的としている。そして、このような状況でこの上面から排出される計時器用部品2は、供給プラットホーム8のガイド部分15によってボウル3の囲い4の方へと系統的に導かれる。一方、まだ上面上にあり、したがって、正しい姿勢である計時器用部品2は、振動の効果によって分配領域13の方に1つずつ運ばれる。これに関連して、計時器用部品2が分配領域13に到達すると、存在検出器14は、この領域13における計時器用部品2のポジショニングを特定し、このために制御ユニット20に信号を送信する。そして、この制御ユニット20は、連接式グリップアーム10によるこの部品2の把持のプロセスをトリガーさせる。これは、自動組み立て設備100における部品2の分配の前であって、分配領域13の近くに配置された上面11の部分に空気流を放射/スプレーする保護デバイスがトリガーされる前に行われる。これによって、この部分から、把持プロセスの間に分配領域13の方に導かれることになりそうないずれの計時器用部品2をも排出する。なお、好ましいことに、この計時器用部品2のこのような把持は、振動ボウル3の囲い4の上又は内部で行われる。このことによって、計時器用部品2が落ちてしまっても、その部品2が常にこの囲い4に戻るようにすることができる。
【符号の説明】
【0030】
1 制御分配システム
2 部品
3 振動ボウル
4 囲い
5 傾斜ランプ
6 壁
7 上側エッジ
8 供給プラットホーム
9a 第1の部分
9b 第2の部分
10 連接式グリップアーム
11 上面
12 開口
13 分配領域
14 検出デバイス
15 ガイド部分
16 選別/選択デバイス
17 分離デバイス
20 側方エッジ
100 自動組み立て設備
S 出口
図1
図2
図3