特許第6793313号(P6793313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793313
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20201119BHJP
   H01L 31/0224 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   H01L31/04 570
   H01L31/04 262
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-249885(P2016-249885)
(22)【出願日】2016年12月22日
(65)【公開番号】特開2018-107210(P2018-107210A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年8月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】村上 洋平
(72)【発明者】
【氏名】入川 淳平
【審査官】 小林 幹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/046773(WO,A1)
【文献】 特表2011−505693(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0155398(US,A1)
【文献】 特開2015−065337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L31/02−31/078
H01L31/18−31/20
H01L51/42−51/48
H02S10/00−10/40
H02S30/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1太陽電池セルと、
前記第1太陽電池セルと第1方向に並んで配置される第2太陽電池セルと、
前記第2太陽電池セルと前記第1方向と交差する第2方向に並んで配置される第3太陽電池セルと、
前記第1太陽電池セルの中心を通る前記第2方向の直線と、前記第2太陽電池セルの中心を通る前記第2方向の直線との間に配置され、前記第1太陽電池セルと前記第2太陽電池セルを電気的に接続する第1接続部材と、
前記第2太陽電池セルの中心を通る前記第1方向の直線と、前記第3太陽電池セルの中心を通る前記第1方向の直線との間に配置され、前記第2太陽電池セルと前記第3太陽電池セルを電気的に接続する第2接続部材と、を備え、
前記第1太陽電池セル、前記第2太陽電池セルおよび前記第3太陽電池セルのそれぞれは、一主面上に第1導電型側電極および第2導電型側電極が設けられ、
前記第2太陽電池セルおよび前記第3太陽電池セルのそれぞれは、セル外周に沿って前記第2方向に延びる第1導電型側バスバー電極と、セル外周に沿って前記第2方向に延びる第2導電型側バスバー電極と、前記第1方向に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極と、前記第1方向に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極とを有し、
前記第2接続部材は、前記第2太陽電池セルの前記第1導電型側バスバー電極と、前記第3太陽電池セルの前記第2導電型側バスバー電極とに接続される太陽電池モジュール。
【請求項2】
第1太陽電池セルと、
前記第1太陽電池セルと第1方向に並んで配置される第2太陽電池セルと、
前記第2太陽電池セルと前記第1方向と交差する第2方向に並んで配置される第3太陽電池セルと、
前記第1太陽電池セルの中心を通る前記第2方向の直線と、前記第2太陽電池セルの中心を通る前記第2方向の直線との間に配置され、前記第1太陽電池セルと前記第2太陽電池セルを電気的に接続する第1接続部材と、
前記第2太陽電池セルの中心を通る前記第1方向の直線と、前記第3太陽電池セルの中心を通る前記第1方向の直線との間に配置され、前記第2太陽電池セルと前記第3太陽電池セルを電気的に接続する第2接続部材と、を備え、
前記第1太陽電池セル、前記第2太陽電池セルおよび前記第3太陽電池セルのそれぞれは、一主面上に第1導電型側電極および第2導電型側電極が設けられ、
前記第2太陽電池セルおよび前記第3太陽電池セルのそれぞれは、セル外周に沿って前記第2方向に延びる第1導電型側バスバー電極と、セル外周に沿って前記第2方向に延びる第2導電型側バスバー電極と、前記第1方向に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極と、前記第1方向に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極とを有し、
前記第2太陽電池セルの前記複数の第1導電型側フィンガー電極の一つは、セル外周に沿って前記第1方向に延在し、
前記第3太陽電池セルの前記複数の第2導電型側フィンガー電極の一つは、セル外周に沿って前記第1方向に延在し、
前記第2接続部材は、前記第2太陽電池セルの前記複数の第1導電型側フィンガー電極の一つと、前記第3太陽電池セルの前記複数の第2導電型側フィンガー電極の一つとに接続される太陽電池モジュール。
【請求項3】
第1太陽電池セルと、
前記第1太陽電池セルと第1方向に並んで配置される第2太陽電池セルと、
前記第2太陽電池セルと前記第1方向と交差する第2方向に並んで配置される第3太陽電池セルと、
前記第1太陽電池セルの中心を通る前記第2方向の直線と、前記第2太陽電池セルの中心を通る前記第2方向の直線との間に配置され、前記第1太陽電池セルと前記第2太陽電池セルを電気的に接続する第1接続部材と、
前記第2太陽電池セルの中心を通る前記第1方向の直線と、前記第3太陽電池セルの中心を通る前記第1方向の直線との間に配置され、前記第2太陽電池セルと前記第3太陽電池セルを電気的に接続する第2接続部材と、を備え、
前記第1太陽電池セル、前記第2太陽電池セルおよび前記第3太陽電池セルのそれぞれは、一主面上に第1導電型側電極および第2導電型側電極が設けられ、
前記第2太陽電池セルは、セル外周に沿って前記第1方向に延びる第1導電型側バスバー電極と、セル外周に沿って前記第2方向に延びる第2導電型側バスバー電極と、前記第1導電型側バスバー電極から延在する複数の第1導電型側フィンガー電極と、前記第2導電型側バスバー電極から延在する複数の第2導電型側フィンガー電極とを有し、
前記第3太陽電池セルは、セル外周に沿って前記第2方向に延びる第1導電型側バスバー電極と、セル外周に沿って前記第1方向に延びる第2導電型側バスバー電極と、前記第1導電型側バスバー電極から延在する複数の第1導電型側フィンガー電極と、前記第2導電型側バスバー電極から延在する複数の第2導電型側フィンガー電極とを有し、
前記第2接続部材は、前記第2太陽電池セルの前記第1導電型側バスバー電極と、前記第3太陽電池セルの前記第2導電型側バスバー電極とに接続される太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記第3太陽電池セルと前記第1方向に並び、前記第1太陽電池セルと前記第2方向に並んで配置され、一主面上に第1導電型側電極および第2導電型側電極が設けられる第4太陽電池セルと、
前記第3太陽電池セルと前記第4太陽電池セルを電気的に接続する第3接続部材と、をさらに備え、
前記第1太陽電池セルおよび前記第4太陽電池セルのそれぞれは、セル外周に沿って前記第2方向に延びる第1導電型側バスバー電極と、セル外周に沿って前記第2方向に延びる第2導電型側バスバー電極と、前記第1方向に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極と、前記第1方向に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極とを有し、
前記第1接続部材は、前記第1太陽電池セルの前記第1導電型側バスバー電極と、前記第2太陽電池セルの前記第2導電型側バスバー電極とに接続され、
前記第3接続部材は、前記第3太陽電池セルの前記第1導電型側バスバー電極と、前記第4太陽電池セルの前記第2導電型側バスバー電極とに接続される、請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
第1太陽電池セルと、
前記第1太陽電池セルと第1方向に並んで配置される第2太陽電池セルと、
前記第2太陽電池セルと前記第1方向と交差する第2方向に並んで配置される第3太陽電池セルと、
前記第1太陽電池セルの中心を通る前記第2方向の直線と、前記第2太陽電池セルの中心を通る前記第2方向の直線との間に配置され、前記第1太陽電池セルと前記第2太陽電池セルを電気的に接続する第1接続部材と、
前記第2太陽電池セルの中心を通る前記第1方向の直線と、前記第3太陽電池セルの中心を通る前記第1方向の直線との間に配置され、前記第2太陽電池セルと前記第3太陽電池セルを電気的に接続する第2接続部材と、を備え、
前記第1太陽電池セル、前記第2太陽電池セルおよび前記第3太陽電池セルのそれぞれは、一主面上に第1導電型側電極および第2導電型側電極が設けられ、
前記第2太陽電池セルおよび前記第3太陽電池セルのそれぞれは、前記第1方向に並ぶ複数のサブセルと、隣接するサブセルの境界に設けられる分離領域とを有し、前記第1導電型側電極は、前記複数のサブセルのうちの一端のサブセルに設けられ、前記第2導電型側電極は、前記複数のサブセルのうちの他端のサブセルに設けられ、隣接する二つのサブセルは、前記第1方向に延びる複数のサブ電極により接続され、
前記第2接続部材は、前記第2太陽電池セルの前記第1導電型側電極と、前記第3太陽電池セルの前記第2導電型側電極とに接続される太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記第3太陽電池セルと前記第1方向に並び、前記第1太陽電池セルと前記第2方向に並んで配置され、一主面上に第1導電型側電極および第2導電型側電極が設けられる第4太陽電池セルと、
前記第3太陽電池セルと前記第4太陽電池セルを電気的に接続する第3接続部材と、をさらに備え、
前記第3接続部材は、前記第3太陽電池セルの前記第1導電型側電極と、前記第4太陽電池セルの前記第2導電型側電極とに接続される、請求項5に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記第2接続部材は、前記第2太陽電池セルおよび前記第3太陽電池セルの少なくとも一方から前記第1方向に離れた位置を避けて配置される、請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記第2接続部材は、前記第2太陽電池セルの前記第2導電型側電極と重なる位置と、前記第3太陽電池セルの前記第1導電型側電極と重なる位置との少なくとも一方を避けて配置される、請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池セルは、複数のセルを接続することによりモジュール化される。裏面にn側電極およびp側電極が設けられるバックコンタクト型の太陽電池セルを用いる場合、セルの裏面側に配置される接続部材により隣接するセル間が接続される。セル間を接続する接続部材は、例えば、複数のフィンガー電極と交差するように設けられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2013/042683号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽電池セル間をより簡易な構造で接続できることが好ましい。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、セル間の接続構造を簡略化した太陽電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様の太陽電池モジュールは、第1太陽電池セルと、第1太陽電池セルと第1方向に並んで配置される第2太陽電池セルと、第2太陽電池セルと第1方向と交差する第2方向に並んで配置される第3太陽電池セルと、第1太陽電池セルの中心を通る第2方向の直線と、第2太陽電池セルの中心を通る第2方向の直線との間に配置され、第1太陽電池セルと第2太陽電池セルを電気的に接続する第1接続部材と、第2太陽電池セルの中心を通る第1方向の直線と、第3太陽電池セルの中心を通る第1方向の直線との間に配置され、第2太陽電池セルと第3太陽電池セルを電気的に接続する第2接続部材と、を備える。第1太陽電池セル、第2太陽電池セルおよび第3太陽電池セルのそれぞれは、一主面上に第1導電型側電極および第2導電型側電極が設けられる。
【0007】
本発明によれば、セル間の接続構造を簡略化した太陽電池モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る太陽電池モジュールの構造を示す上面図である。
図2】実施の形態に係る太陽電池モジュールの構造を示す断面図である。
図3】実施の形態に係る太陽電池モジュールの構造を示す下面図である。
図4】変形例に係る太陽電池モジュールの構造を示す下面図である。
図5】変形例に係る太陽電池モジュールの構造を示す下面図である。
図6】変形例に係る太陽電池モジュールの構造を示す下面図である。
図7】変形例に係る太陽電池セルの構造を示す下面図である。
図8】変形例に係る太陽電池モジュールの構造を示す下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。実施の形態は、一主面上に第1導電型側電極および第2導電型側電極が設けられる複数の太陽電池セルを接続した太陽電池モジュールである。この太陽電池モジュールは、第1太陽電池セルと、第1太陽電池セルと第1方向に並んで配置される第2太陽電池セルと、第2太陽電池セルと第1方向と交差する第2方向に並んで配置される第3太陽電池セルと、第1太陽電池セルの中心を通る第2方向の直線と、第2太陽電池セルの中心を通る第2方向の直線との間に配置され、第1太陽電池セルと第2太陽電池セルを電気的に接続する第1接続部材と、第2太陽電池セルの中心を通る第1方向の直線と、第3太陽電池セルの中心を通る第1方向の直線との間に配置され、第2太陽電池セルと第3太陽電池セルを電気的に接続する第2接続部材と、を備える。この態様によれば、いわゆるバックコンタクト型の太陽電池セル間を接続する接続部材をセルの中心間の位置に限定して配置することにより、セルと接続部材とが重なる範囲を小さくし、セル間の接続構造を簡略化できる。
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0011】
図1は、実施の形態に係る太陽電池モジュール100の構造を示す上面図である。太陽電池モジュール100は、第1セルストリング16と、第2セルストリング17と、第1セルストリング16と第2セルストリング17を電気的に接続する接続部材20(後述する第2接続部材20b)とを備える。
【0012】
第1セルストリング16は、第1方向(x方向)に並んで配置される複数の太陽電池セル10と、x方向に隣接する太陽電池セル10の間を接続する複数の接続部材20とを含む。第2セルストリング17は、第1方向(x方向)に並んで配置される複数の太陽電池セル10と、x方向に隣接する太陽電池セル10の間を接続する複数の接続部材20とを含む。第1セルストリング16と第2セルストリング17は、第1方向(x方向)と交差する第2方向(y方向)に間隔を空けて配置される。
【0013】
図示される例において、第1セルストリング16および第2セルストリング17に含まれる複数の太陽電池セル10は格子状に配置され、例えば、2×5のマトリックス状に配置される。本実施の形態において、第1方向と第2方向は互いに直交するが、変形例においては、第1方向に対して第2方向が斜めに交差してもよい。
【0014】
太陽電池セル10は、略矩形の外周形状を有し、四隅が隅切りされた八角形の外周形状を有する。太陽電池セル10の外周は、x方向及びy方向に延びる四本の長辺18と、各長辺18の間に設けられる四本の短辺19とにより構成される。
【0015】
太陽電池セル10は、いわゆるバックコンタクト型の太陽電池であり、図1に示される受光面11には電極が設けられない。太陽電池セル10の電極は、受光面11とは反対側の裏面12(図2図3参照)に設けられる。
【0016】
接続部材20は、太陽電池セル10の裏面側に設けられ、太陽電池セル10の裏面の電極に接続される。第1接続部材20aは、第1セルストリング16の一端にてx方向に並んで配置される第1太陽電池セル10aと第2太陽電池セル10bを接続する。第2接続部材20bは第1セルストリング16の一端に配置される第2太陽電池セル10bと第2セルストリング17の一端に配置される第3太陽電池セル10cを接続する。第2太陽電池セル10bと第3太陽電池セル10cは、y方向に並んで配置される。第3接続部材20cは、第2セルストリング17の一端にてx方向に並んで配置される第3太陽電池セル10cと第4太陽電池セル10dを接続する。
【0017】
接続部材20は、板状ないしシート状の部材であり、銅(Cu)やアルミニウム(Al)、銀(Ag)といった導電性の高い材料で構成される。接続部材20は、例えば、銅箔やアルミ(Al)箔といった金属箔である。接続部材20は、導電層と絶縁層の積層体で構成されてもよく、例えば、フレキシブル基板やリジッド基板といった樹脂材料の基板と、基板上に形成される配線層とを有してもよい。
【0018】
接続部材20は、接続する二つの太陽電池セル10の中心間に配置される。例えば、第1接続部材20aは、第1太陽電池セル10aの中心14aを通るy方向の直線と、第2太陽電池セル10bの中心14bを通るy方向の直線との間の領域W1内に設けられる。第2接続部材20bは、第2太陽電池セル10bの中心14bを通るx方向の直線と、第3太陽電池セル10cの中心14cを通るx方向の直線との間の領域W2内に設けられる。第3接続部材20cは、第3太陽電池セル10cの中心14cを通るy方向の直線と、第4太陽電池セル10dの中心14dを通るy方向の直線との間の領域W3内に設けられる。したがって、接続部材20は、接続する二つの太陽電池セル10が隣接する方向(x方向またはy方向)と直交する方向(y方向またはx方向)に延びる直線であって、一方の太陽電池セルの中心を通る直線と、他方の太陽電池セルの中心を通る直線との間の位置に設けられる。
【0019】
接続部材20は、接続する二つの太陽電池セル10が設けられる領域から離れた位置を避けて設けられる。ここで、接続する二つの太陽電池セル10が設けられる領域とは、一方の太陽電池セルが設けられる領域と、他方の太陽電池セルが設けられる領域と、双方の太陽電池セルに挟まれる領域とを含む領域のことをいう。例えば、第1接続部材20aは、第1太陽電池セル10aおよび第2太陽電池セル10bが設けられる領域内に配置され、第1太陽電池セル10aおよび第2太陽電池セル10bの少なくとも一方からy方向に離れた位置にはみ出ないように設けられる。
【0020】
図2は、実施の形態に係る太陽電池モジュール100の構造を示す断面図であり、図1のA−A線断面に対応する。太陽電池モジュール100は、第1保護部材50と、第2保護部材52と、第1封止部材54と、第2封止部材56とをさらに備える。第1保護部材50、第2保護部材52、第1封止部材54および第2封止部材56は、セルストリング16,18を封止して複数の太陽電池セル10を保護する。
【0021】
太陽電池セル10は、光電変換部13と、第1導電型側電極30と、第2導電型側電極40とを有する。光電変換部13は、半導体基板と、半導体基板の一主面上の第1導電型領域に設けられる第1導電型半導体層と、半導体基板の一主面上の第1導電型領域とは異なる第2導電型領域に設けられる第2導電型半導体層とを含む。第1導電型側電極30は、光電変換部13の第1導電型半導体層上に設けられ、第2導電型側電極40は、光電変換部13の第2導電型半導体層上に設けられる。本実施の形態では、第1導電型がn型であり、第2導電型がp型である場合を示すが、第1導電型がp型であり、第2導電型がn型であってもよい。
【0022】
第1保護部材50は、太陽電池モジュール100の受光面側に配置される。第1保護部材50として、透光性および遮水性を有するガラス板や、透光性プラスチック板等を用いることができる。第1保護部材50の厚さは、例えば、1mm〜10mmである。第2保護部材52は、太陽電池モジュール100の裏面側に配置される。第2保護部材52として、ガラス板やポリエチレンテレフタラート(PET)等の樹脂基板等を用いることができる。第2保護部材52の厚さは、例えば、50μm〜200μmである。なお、第1保護部材50は、フッ素系樹脂やPET系樹脂のフィルムであってもよく、厚さが10μm〜1mmであってもよい。
【0023】
第1封止部材54は、第1保護部材50とセルストリング16,18の間に設けられる。第2封止部材56は、第2保護部材52とセルストリング16,18の間に設けられる。第1封止部材54および第2封止部材56は、第1保護部材50と第2保護部材52の間でセルストリング16,18を封止する。第1封止部材54および第2封止部材56として、例えば、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)や、PVB(ポリビニルブチラール)、ポリイミド等の樹脂フィルムを用いることができる。第1封止部材54および第2封止部材56の厚さは、例えば、100μm〜800μmである。第2封止部材56には、入射した光を拡散させるためのチタニア(TiO)やアルミナ(Al)などの粒子が含まれてもよい。
【0024】
図3は、実施の形態に係る太陽電池モジュール100の構造を示す下面図である。図3は、太陽電池モジュール100に含まれる複数の太陽電池セル10のうち、第1太陽電池セル10a、第2太陽電池セル10b、第3太陽電池セル10cおよび第4太陽電池セル10dの裏面12の構造を示す。図示される四つの太陽電池セル10a,10b,10c,10dは、それぞれ同様の構造を有する。
【0025】
第1太陽電池セル10aは、裏面12に設けられる第1導電型側電極30aと第2導電型側電極40aとを有する。第1導電型側電極30aは、n側電極であり、第1太陽電池セル10aのn型半導体層上のn型領域に設けられる。第2導電型側電極40aは、p側電極であり、第1太陽電池セル10aのp型半導体層上のp型領域に設けられる。図面の分かりやすさのため、図3では第1導電型側電極30aにハッチングを付している。
【0026】
第1導電型側電極30aは、第1導電型側バスバー電極31aと、複数の第1導電型側フィンガー電極32aとを有する。第1導電型側バスバー電極31aは、第1太陽電池セル10aのセル外周に沿ってy方向に延在し、第2太陽電池セル10bと隣接する長辺に沿って設けられる。複数の第1導電型側フィンガー電極32aは、第1導電型側バスバー電極31aからx方向に延在し、y方向に間隔を空けて配置される。
【0027】
第2導電型側電極40aは、第2導電型側バスバー電極41aと、複数の第2導電型側フィンガー電極42aとを有する。第2導電型側バスバー電極41aは、第1太陽電池セル10aのセル外周に沿ってy方向に延在し、第2太陽電池セル10bと隣接する長辺とは反対側の長辺に沿って設けられる。複数の第2導電型側フィンガー電極42aは、第2導電型側バスバー電極41aからx方向に延在し、y方向に間隔を空けて配置される。
【0028】
複数の第1導電型側フィンガー電極32aと複数の第2導電型側フィンガー電極42aは、y方向に交互に配置されている。複数の第2導電型側フィンガー電極42aのうちy方向の両端に配置される二つの第2導電型側フィンガー電極42aは、第1太陽電池セル10aの外周に沿って設けられる。一方、複数の第1導電型側フィンガー電極32aは、第2導電型側フィンガー電極42aよりもセルの内側に配置される。
【0029】
第2太陽電池セル10bは、第1太陽電池セル10aと同様、第1導電型側電極30bと第2導電型側電極40bとを有する。第1導電型側電極30bは、セル外周に沿ってy方向に延びる第1導電型側バスバー電極31bと、x方向に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極32bとを有する。第2導電型側電極40bは、セル外周に沿ってy方向に延びる第2導電型側バスバー電極41bと、x方向に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極42bとを有する。第2太陽電池セル10bの四つの長辺のうち、第1太陽電池セル10aと隣接する長辺には第2導電型側バスバー電極41bが設けられ、第3太陽電池セル10cと隣接する長辺には第2導電型側フィンガー電極42bが設けられる。
【0030】
第3太陽電池セル10cは、第1太陽電池セル10aと同様、第1導電型側電極30cと第2導電型側電極40cとを有する。第1導電型側電極30cは、セル外周に沿ってy方向に延びる第1導電型側バスバー電極31cと、x方向に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極32cとを有する。第2導電型側電極40cは、セル外周に沿ってy方向に延びる第2導電型側バスバー電極41cと、x方向に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極42cとを有する。第3太陽電池セル10cの四つの長辺のうち、第2太陽電池セル10bと隣接する長辺には第2導電型側フィンガー電極42cが設けられ、第4太陽電池セル10dと隣接する長辺には第1導電型側バスバー電極31cが設けられる。
【0031】
第4太陽電池セル10dは、第1太陽電池セル10aと同様、第1導電型側電極30dと第2導電型側電極40dとを有する。第1導電型側電極30dは、セル外周に沿ってy方向に延びる第1導電型側バスバー電極31dと、x方向に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極32dとを有する。第2導電型側電極40dは、セル外周に沿ってy方向に延びる第2導電型側バスバー電極41dと、x方向に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極42dを有する。第4太陽電池セル10dの四つの長辺のうち、第3太陽電池セル10cと隣接する長辺には第2導電型側バスバー電極41dが設けられる。
【0032】
第1接続部材20aは、第1太陽電池セル10aおよび第2太陽電池セル10bの対向する長辺に沿って設けられ、x方向に短く、y方向に長い形状を有する。第1接続部材20aのy方向の長さは、例えば、第1太陽電池セル10aおよび第2太陽電池セル10bの長辺の長さと同程度である。第1接続部材20aは、第1太陽電池セル10aの第1導電型側バスバー電極31aと、第2太陽電池セル10bの第2導電型側バスバー電極41bとに接続される。第1接続部材20aは、第1太陽電池セル10aの第1導電型側バスバー電極31aの少なくとも一部と、第2太陽電池セル10bの第2導電型側バスバー電極41bの少なくとも一部とに重なるように設けられる。一方で、第1接続部材20aの金属箔や導電層は、第1太陽電池セル10aの第2導電型側フィンガー電極42aおよび第2太陽電池セル10bの第1導電型側フィンガー電極32bと重ならないように設けられる。
【0033】
第3接続部材20cは、第1接続部材20aと同様、第3太陽電池セル10cおよび第4太陽電池セル10dの対向する長辺に沿って設けられ、x方向に短く、y方向に長い形状を有する。第3接続部材20cは、第3太陽電池セル10cの第1導電型側バスバー電極31cと、第4太陽電池セル10dの第2導電型側バスバー電極41dとに接続される。第3接続部材20cは、第3太陽電池セル10cの第1導電型側バスバー電極31cの少なくとも一部と、第4太陽電池セル10dの第2導電型側バスバー電極41dの少なくとも一部とに重なるように設けられる。一方で、第3接続部材20cの金属箔や導電層は、第3太陽電池セル10cの第2導電型側フィンガー電極42cおよび第4太陽電池セル10dの第1導電型側フィンガー電極32dと重ならないように設けられる。
【0034】
第2接続部材20bは、第2太陽電池セル10bの第1導電型側バスバー電極31bと、第3太陽電池セル10cの第2導電型側バスバー電極41cとに接続される。第2接続部材20bは、第2太陽電池セル10bの第1導電型側バスバー電極31bおよび第3太陽電池セル10cの第2導電型側バスバー電極41cに沿って設けられ、x方向に短く、y方向に長い形状を有する。第2接続部材20bは、第2太陽電池セル10bの中心14bを通るx方向に延びる直線と、第3太陽電池セル10cの中心14cを通るx方向に延びる直線との間の領域W2内に設けられる。したがって、第2接続部材20bのy方向の長さは、第2太陽電池セル10bおよび第3太陽電池セル10cの中心14b,14cの間の距離よりも短く、例えば、第2太陽電池セル10bまたは第3太陽電池セル10cの長辺の長さよりも短い。
【0035】
第2接続部材20bは、第2太陽電池セル10bおよび第3太陽電池セル10cが設けられる領域内に配置され、第2太陽電池セル10bおよび第3太陽電池セル10cの少なくとも一方からx方向に離れた位置にはみ出ないように設けられる。第2接続部材20bは、図示されるように、第2太陽電池セル10bの短辺19bおよび第3太陽電池セル10cの短辺19cと交差するように設けられる。第2接続部材20bは、第2太陽電池セル10bおよび第3太陽電池セル10cのフィンガー電極32b,32c,42b,42cと重なる位置を避けて設けられる。その結果、第2接続部材20bのx方向の幅は、第2接続部材20bおよび第3接続部材20cの短辺19b,19cよりも短い。
【0036】
本実施の形態によれば、第1セルストリング16と第2セルストリング17とを接続する第2接続部材20bを上述のように配置することにより、セルストリング間の接続構造を簡略化できる。また、太陽電池セル10が配置される領域内に第2接続部材20bを設けることで、太陽電池モジュール100の外形寸法をできるだけ小さくし、モジュールの設置面積あたりの発電量であるモジュール発電効率を向上できる。
【0037】
比較例として、第2太陽電池セル10bと第3太陽電池セル10cを接続する接続部材が第2太陽電池セル10bおよび第3太陽電池セル10cからx方向にはみ出るように設けられた場合、x方向にはみ出した分だけモジュールの外形寸法が大きくなってしまう。その結果、上述の実施の形態よりもモジュールの設置面積が大きくなり、モジュール発電効率が低下してしまう。
【0038】
別の比較例として、国際公開第2013/042683号に示されるように、第2太陽電池セル10bおよび第3太陽電池セル10cにわたってフィンガー電極32b,42b,32c,42cの全てと交差するように接続部材を設ければ、モジュール外形寸法の増大を防ぐことができるかもしれない。しかしながら、この比較例では複数のフィンガー電極と交差するように接続部材が設けられるため、一方の導電型側のフィンガー電極と接続されつつ、他方の導電型のフィンガー電極とは非接続となる接続構造にしなければならず、接続構造が複雑化する。具体的には、非接続とする他方の導電型のフィンガー電極との間に絶縁層を設ける必要が生じる。また、第2太陽電池セル10bおよび第3太陽電池セル10cの一端から他端まで接続部材が延在するため、接続部材が延在する範囲にわたってモジュールの厚さ(z方向の高さ)が増加してしまう。
【0039】
一方、本実施の形態によれば、接続される二つの太陽電池セル10の中心14の間に限定されて接続部材20が配置されるため、太陽電池セル10と接続部材20とが重なる範囲を小さくできる。また、接続部材20が太陽電池セル10のバスバー電極と重なるように配置され、フィンガー電極と重ならないように配置されるため、フィンガー電極との間に絶縁層を設ける必要がなくなり、接続構造を簡略化できる。したがって、本実施の形態に係る太陽電池モジュール100によれば、接続構造の簡略化による製造コストの低減と、モジュール発電効率の向上とを両立させることができる。
【0040】
本実施の形態の一態様は次の通りである。ある態様の太陽電池モジュール(100)は、
第1太陽電池セル(10a)と、
第1太陽電池セル(10a)と第1方向(x方向)に並んで配置される第2太陽電池セル(10b)と、
第2太陽電池セル(10b)と第1方向(x方向)と交差する第2方向(y方向)に並んで配置される第3太陽電池セル(10c)と、
第1太陽電池セル(10a)の中心(14a)を通る第2方向(y方向)の直線と、第2太陽電池セル(10b)の中心(14b)を通る第2方向(y方向)の直線との間に配置され、第1太陽電池セル(10a)と第2太陽電池セル(10b)を電気的に接続する第1接続部材(20a)と、
第2太陽電池セル(10b)の中心(14b)を通る第1方向(x方向)の直線と、第3太陽電池セル(10c)の中心(14c)を通る第1方向(x方向)の直線との間に配置され、第2太陽電池セル(10b)と第3太陽電池セル(10c)を電気的に接続する第2接続部材(20b)と、を備え、
第1太陽電池セル(10a)、第2太陽電池セル(10b)および第3太陽電池セル(10c)のそれぞれは、一主面(裏面12)上に第1導電型側電極(30)および第2導電型側電極(40)が設けられる。
【0041】
第2太陽電池セル(10b)および第3太陽電池セル(10c)のそれぞれは、セル外周に沿って第2方向(y方向)に延びる第1導電型側バスバー電極(31b,31c)と、セル外周に沿って第2方向(y方向)に延びる第2導電型側バスバー電極(41b,41c)と、第1方向(x方向)に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極(32b,32c)と、第1方向(x方向)に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極(42b,42c)とを有し、
第2接続部材(20b)は、第2太陽電池セル(10b)の第1導電型側バスバー電極(31b)と、第3太陽電池セル(10c)の第2導電型側バスバー電極(41c)とに接続されてもよい。
【0042】
第2接続部材(20b)は、第2太陽電池セル(10b)および第3太陽電池セル(10c)の少なくとも一方から第1方向(x方向)に離れた位置を避けて配置されてもよい。
【0043】
第2接続部材(20b)は、第2太陽電池セル(10b)の第2導電型側電極(40b)と重なる位置と、第3太陽電池セル(10c)の第1導電型側電極(30c)と重なる位置との少なくとも一方を避けて配置されてもよい。
【0044】
第3太陽電池セル(10c)と第1方向(x方向)に並び、第1太陽電池セル(10a)と第2方向(y方向)に並んで配置され、一主面(裏面12)上に第1導電型側電極(30d)および第2導電型側電極(40d)が設けられる第4太陽電池セル(10d)と、
第3太陽電池セル(10c)と第4太陽電池セル(10d)を電気的に接続する第3接続部材(20c)と、をさらに備え、
第1太陽電池セル(10a)および第4太陽電池セル(10d)のそれぞれは、セル外周に沿って第2方向(y方向)に延びる第1導電型側バスバー電極(31a,31d)と、セル外周に沿って第2方向(y方向)に延びる第2導電型側バスバー電極(41a,41d)と、第1方向(x方向)に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極(32a,32d)と、第1方向(x方向)に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極(42a,42d)とを有し、
第1接続部材(20a)は、第1太陽電池セル(10a)の第1導電型側バスバー電極(31a)と、第2太陽電池セル(10b)の第2導電型側バスバー電極(41b)とに接続され、
第3接続部材(20c)は、第3太陽電池セル(10c)の第1導電型側バスバー電極(31c)と、第4太陽電池セル(10d)の第2導電型側バスバー電極(41d)とに接続されてもよい。
【0045】
(変形例1)
図4は、変形例に係る太陽電池モジュール200の構造を示す下面図であり、上述の実施の形態の図3に対応する。本変形例では、第2太陽電池セル110bおよび第2接続部材120bの構成が上述の実施の形態と異なる。上述の実施の形態では、第2太陽電池セル10bのセル外周に沿って第2導電型側フィンガー電極42bが設けられるのに対し、本変形例では、第2太陽電池セル110bのセル外周に沿って第1導電型側フィンガー電極132bが設けられる。以下、本変形例に係る太陽電池モジュール200について、上述の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0046】
太陽電池モジュール200は、第1太陽電池セル10aと、第2太陽電池セル110bと、第3太陽電池セル10cと、第4太陽電池セル10dと、第1接続部材20aと、第2接続部材120bと、第3接続部材20cとを備える。第1太陽電池セル10a、第3太陽電池セル10c、第4太陽電池セル10d、第1接続部材20aおよび第3接続部材20cは、上述の実施の形態と同様に構成される。
【0047】
第2太陽電池セル110bは、裏面112に設けられる第1導電型側電極130bおよび第2導電型側電極140bを有する。第1導電型側電極130bは、セル外周に沿ってy方向に延びる第1導電型側バスバー電極131bと、x方向に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極132bとを有する。第2導電型側電極140bは、セル外周に沿ってy方向に延びる第2導電型側バスバー電極141bと、x方向に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極142bとを有する。第1太陽電池セル10aと隣接する第2太陽電池セル110bの長辺には、第2導電型側バスバー電極141bが設けられる。
【0048】
複数の第1導電型側フィンガー電極132bのうちy方向の両端に配置される二つの第1導電型側フィンガー電極132bは、第2太陽電池セル110bの外周に沿って設けられる。一方、複数の第2導電型側フィンガー電極142bは、第1導電型側フィンガー電極132bよりもセルの内側に配置される。したがって、第3太陽電池セル10cと隣接する第2太陽電池セル110bの長辺には、第1導電型側フィンガー電極132bが設けられる。
【0049】
第2接続部材120bは、第2太陽電池セル110bおよび第3太陽電池セル10cの対向する長辺に沿って設けられ、y方向に短く、x方向に長い形状を有する。第2接続部材120bは、例えば、x方向の長さが第2太陽電池セル110bおよび第3太陽電池セル10cの長辺の長さと同程度となるように設けられる。さらなる変形例では、第2接続部材120bのx方向の長さが第2太陽電池セル110bおよび第3太陽電池セル10cの長辺の長さよりも短くてもよく、セルの長辺の長さの2/3以下、1/2以下、または、1/3以下であってもよい。第2接続部材120bのx方向の長さを短くする場合、第2太陽電池セル110bの第1導電型側バスバー電極131bおよび第3太陽電池セル10cの第2導電型側バスバー電極41cの近くに第2接続部材120bを配置することが好ましい。
【0050】
第2接続部材120bは、第2太陽電池セル110bの第1導電型側フィンガー電極132bと、第3太陽電池セル10cの第2導電型側フィンガー電極42cとに接続される。第2接続部材120bは、第2太陽電池セル110bの第1導電型側フィンガー電極132bの少なくとも一部と、第3太陽電池セル10cの第2導電型側フィンガー電極42cの少なくとも一部とに重なるように設けられる。一方で、第2接続部材120bは、第2太陽電池セル110bの第2導電型側フィンガー電極142bおよび第3太陽電池セル10cの第1導電型側バスバー電極31cと重ならないように設けられる。
【0051】
第2接続部材120bは、上述の実施の形態と同様、第2太陽電池セル110bの中心114bを通ってx方向に延びる直線と、第3太陽電池セル10cの中心14cを通ってx方向に延びる直線との間の領域W2内に設けられる。また、第2接続部材120bは、第2太陽電池セル110bおよび第3太陽電池セル10cが設けられる領域内に配置され、第2太陽電池セル110bおよび第3太陽電池セル10cからx方向に離れた位置にはみ出ないように設けられる。
【0052】
本変形例においても、上述の実施の形態と同様の効果を奏することができる。本変形例によれば、第2太陽電池セル110bおよび第3太陽電池セル10cの対向する長辺に沿って、それぞれのセルに導電型の異なるフィンガー電極が設けられるため、導電型の異なるフィンガー電極に沿って第2接続部材120bを配置できる。これにより、セル間の接続構造を簡略化できる。
【0053】
ある態様の太陽電池モジュール(200)において、
第2太陽電池セル(110b)および第3太陽電池セル(10c)のそれぞれは、セル外周に沿って第2方向(y方向)に延びる第1導電型側バスバー電極(131b,31c)と、セル外周に沿って第2方向(y方向)に延びる第2導電型側バスバー電極(141b,41b)と、第1方向(x方向)に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極(132b,32c)と、第1方向(x方向)に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極(142b,42c)とを有し、
第2太陽電池セル(110b)の複数の第1導電型側フィンガー電極(132b)の一つは、セル外周に沿って第1方向(x方向)に延在し、
第3太陽電池セル(10c)の複数の第2導電型側フィンガー電極(42c)の一つは、セル外周に沿って第1方向(x方向)に延在し、
第2接続部材(120b)は、第2太陽電池セル(110b)の複数の第1導電型側フィンガー電極(132b)の一つと、第3太陽電池セル(10c)の複数の第2導電型側フィンガー電極(42c)の一つとに接続されてもよい。
【0054】
(変形例2)
図5は、変形例に係る太陽電池モジュール300の構造を示す下面図であり、上述の実施の形態の図3に対応する。本変形例では、第2太陽電池セル210b、第3太陽電池セル210cおよび第2接続部材220bの構成が上述の実施の形態と異なる。具体的には、第2太陽電池セル210bおよび第3太陽電池セル210cの対向する長辺に沿ってバスバー電極が設けられ、第2太陽電池セル210bおよび第3太陽電池セル210cのフィンガー電極がL字状に形成される。以下、本変形例に係る太陽電池モジュール300について、上述の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0055】
太陽電池モジュール300は、第1太陽電池セル10aと、第2太陽電池セル210bと、第3太陽電池セル210cと、第4太陽電池セル10dと、第1接続部材20aと、第2接続部材220bと、第3接続部材20cとを備える。第1太陽電池セル10a、第4太陽電池セル10d、第1接続部材20aおよび第3接続部材20cは、上述の実施の形態と同様に構成される。
【0056】
第2太陽電池セル210bは、裏面212に設けられる第1導電型側電極230bおよび第2導電型側電極240bを有する。第1導電型側電極230bは、セル外周に沿ってx方向に延びる第1導電型側バスバー電極231bと、第1導電型側バスバー電極231bからy方向に延びた後にx方向に延びてL字状に構成される複数の第1導電型側フィンガー電極232bとを有する。第2導電型側電極240bは、セル外周に沿ってy方向に延びる第2導電型側バスバー電極241bと、第2導電型側バスバー電極241bからx方向に延びた後にy方向に延びてL字状に構成される複数の第2導電型側フィンガー電極242bとを有する。第1太陽電池セル10aと隣接する第2太陽電池セル210bの長辺には、第2導電型側バスバー電極241bが設けられる。第3太陽電池セル210cと隣接する第2太陽電池セル210bの長辺には、第1導電型側バスバー電極231bが設けられる。
【0057】
第3太陽電池セル210cは、第2太陽電池セル210bと同様に構成され、裏面212から見て第2太陽電池セル210bを時計回りに90度回転させた電極配置を有する。第3太陽電池セル210cは、第1導電型側電極230cと、第2導電型側電極240cとを有する。第1導電型側電極230cは、セル外周に沿ってy方向に延びる第1導電型側バスバー電極231cと、第1導電型側バスバー電極231cからx方向に延びた後にy方向に延びてL字状に構成される複数の第1導電型側フィンガー電極232cとを有する。第2導電型側電極240cは、セル外周に沿ってx方向に延びる第2導電型側バスバー電極241cと、第2導電型側バスバー電極241cからy方向に延びた後にx方向に延びてL字状に構成される複数の第2導電型側フィンガー電極242cとを有する。第2太陽電池セル210bと隣接する第3太陽電池セル210cの長辺には、第2導電型側バスバー電極241cが設けられる。第4太陽電池セル10dと隣接する第3太陽電池セル210cの長辺には、第1導電型側バスバー電極231cが設けられる。
【0058】
第2接続部材220bは、上述の変形例に係る第2太陽電池セル110bと同様、第2太陽電池セル210bおよび第3太陽電池セル210cの対向する長辺に沿って設けられ、y方向に短く、x方向に長い形状を有する。第2接続部材220bは、第2太陽電池セル210bの第1導電型側バスバー電極231bと、第3太陽電池セル210cの第2導電型側バスバー電極241cとに接続される。第2接続部材220bは、第2太陽電池セル210bの第1導電型側バスバー電極231bの少なくとも一部と、第3太陽電池セル210cの第2導電型側バスバー電極241cの少なくとも一部とに重なるように設けられる。一方で、第2接続部材220bは、第2太陽電池セル210bの第2導電型側フィンガー電極242bおよび第3太陽電池セル210cの第1導電型側バスバー電極231cと重ならないように設けられる。第2接続部材220bは、第2太陽電池セル210bおよび第3太陽電池セル210cの中心214b,214cの間の領域W2に配置される。
【0059】
本変形例によれば、上述の実施の形態および変形例と同様の効果を奏することができる。また、本変形例によれば、第2太陽電池セル210bおよび第3太陽電池セル210cのバスバー電極231b,241cに第2接続部材220bが接続されるため、フィンガー電極同士を接続する場合と比べて集電効率を高めることができる。これにより、太陽電池モジュール300の発電効率を向上させることができる。
【0060】
ある態様の太陽電池モジュール(300)において、
第2太陽電池セル(210b)は、セル外周に沿って第1方向(x方向)に延びる第1導電型側バスバー電極(231b)と、セル外周に沿って第2方向(y方向)に延びる第2導電型側バスバー電極(241b)と、第1導電型側バスバー電極(231b)から延在する複数の第1導電型側フィンガー電極(232b)と、第2導電型側バスバー電極(241b)から延在する複数の第2導電型側フィンガー電極(242b)とを有し、
第3太陽電池セル(210c)は、セル外周に沿って第2方向(y方向)に延びる第1導電型側バスバー電極(231c)と、セル外周に沿って第1方向(x方向)に延びる第2導電型側バスバー電極(241c)と、第1導電型側バスバー電極(231c)から延在する複数の第1導電型側フィンガー電極(232c)と、第2導電型側バスバー電極(241c)から延在する複数の第2導電型側フィンガー電極(242c)とを有し、
第2接続部材(220b)は、第2太陽電池セル(210b)の第1導電型側バスバー電極(231b)と、第3太陽電池セル(210c)の第2導電型側バスバー電極(241c)とに接続されてもよい。
【0061】
第2太陽電池セル(210b)の複数の第1導電型側フィンガー電極(232b)および複数の第2導電型側フィンガー電極(242b)のそれぞれは、第1方向(x方向)に延びる部分と第2方向(y方向)に延びる部分とを有してもよい。
【0062】
第3太陽電池セル(210c)の複数の第1導電型側フィンガー電極(232c)および複数の第2導電型側フィンガー電極(242c)のそれぞれは、第1方向(x方向)に延びる部分と第2方向(y方向)に延びる部分とを有してもよい。
【0063】
(変形例3)
図6は、変形例に係る太陽電池モジュール400の構造を示す下面図であり、上述の変形例に係る図5に対応する。本変形例では、第2太陽電池セル310bおよび第3太陽電池セル310cのフィンガー電極がx方向およびy方向の双方に対して斜めの方向に延びる点で上述の変形例と相違する。以下、本変形例に係る太陽電池モジュール400について、上述の変形例との相違点を中心に説明する。
【0064】
太陽電池モジュール400は、第1太陽電池セル10aと、第2太陽電池セル310bと、第3太陽電池セル310cと、第4太陽電池セル10dと、第1接続部材20aと、第2接続部材320bと、第3接続部材20cとを備える。第1太陽電池セル10a、第4太陽電池セル10d、第1接続部材20aおよび第3接続部材20cは、上述の実施の形態と同様に構成される。
【0065】
第2太陽電池セル310bは、裏面312に設けられる第1導電型側電極330bおよび第2導電型側電極340bを有する。第1導電型側電極330bは、セル外周に沿ってx方向に延びる部分およびy方向に延びる部分を含むL字状の第1導電型側バスバー電極331bと、第1導電型側バスバー電極331bから斜めの方向に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極332bとを有する。第2導電型側電極340bは、セル外周に沿ってx方向に延びる部分およびy方向に延びる部分を含むL字状の第2導電型側バスバー電極341bと、第2導電型側バスバー電極341bから斜めの方向に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極342bとを有する。複数の第1導電型側フィンガー電極332bおよび複数の第2導電型側フィンガー電極342bは、x方向およびy方向に対して斜めの方向に延在し、例えば、x方向に対して45度の方向に延在する。第1太陽電池セル10aと隣接する第2太陽電池セル310bの長辺には、第2導電型側バスバー電極341bが設けられる。第3太陽電池セル310cと隣接する第2太陽電池セル310bの長辺には、第1導電型側バスバー電極331bが設けられる。
【0066】
第3太陽電池セル310cは、第2太陽電池セル310bと同様に構成され、裏面312から見て第2太陽電池セル310bを時計回りに90度回転させた電極配置を有する。第3太陽電池セル310cは、第1導電型側電極330cと、第2導電型側電極340cとを有する。第1導電型側電極330cは、セル外周に沿ってx方向に延びる部分およびy方向に延びる部分を含むL字状の第1導電型側バスバー電極331cと、第1導電型側バスバー電極331cから斜めの方向に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極332cとを有する。第2導電型側電極340cは、セル外周に沿ってx方向に延びる部分およびy方向に延びる部分を含むL字状の第2導電型側バスバー電極341cと、第2導電型側バスバー電極341cから斜めの方向に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極342cとを有する。複数の第1導電型側フィンガー電極332cおよび複数の第2導電型側フィンガー電極342cは、x方向およびy方向に対して斜めの方向に延在し、例えば、x方向に対して45度の方向に延在する。第2太陽電池セル310bと隣接する第3太陽電池セル310cの長辺には、第2導電型側バスバー電極341cが設けられる。第4太陽電池セル10dと隣接する第3太陽電池セル310cの長辺には、第1導電型側バスバー電極331cが設けられる。
【0067】
第2接続部材320bは、上述の変形例に係る第2太陽電池セル210bと同様、第2太陽電池セル310bおよび第3太陽電池セル310cの対向する長辺に沿って設けられ、y方向に短く、x方向に長い形状を有する。第2接続部材320bは、第2太陽電池セル310bの第1導電型側バスバー電極331bと、第3太陽電池セル310cの第2導電型側バスバー電極341cとに接続される。
【0068】
本変形例によれば、上述の実施の形態および変形例と同様の効果を奏することができる。また、本変形例によれば、上述の変形例2と比べて第2太陽電池セル310bおよび第3太陽電池セル310cのフィンガー電極の平均長さを短くし、フィンガー電極の集電効率を高めることができる。これにより、太陽電池モジュール400の発電効率を向上させることができる。
【0069】
ある態様の太陽電池モジュール(400)において、
第2太陽電池セル(310b)は、セル外周に沿って第1方向(x方向)に延びる第1導電型側バスバー電極(331b)と、セル外周に沿って第2方向(y方向)に延びる第2導電型側バスバー電極(341b)と、第1導電型側バスバー電極(331b)から延在する複数の第1導電型側フィンガー電極(332b)と、第2導電型側バスバー電極(341b)から延在する複数の第2導電型側フィンガー電極(342b)とを有し、
第3太陽電池セル(310c)は、セル外周に沿って第2方向(y方向)に延びる第1導電型側バスバー電極(331c)と、セル外周に沿って第1方向(x方向)に延びる第2導電型側バスバー電極(341c)と、第1導電型側バスバー電極(331c)から延在する複数の第1導電型側フィンガー電極(332c)と、第2導電型側バスバー電極(341c)から延在する複数の第2導電型側フィンガー電極(342c)とを有し、
第2接続部材(320b)は、第2太陽電池セル(310b)の第1導電型側バスバー電極(331b)と、第3太陽電池セル(310c)の第2導電型側バスバー電極(341c)とに接続されてもよい。
【0070】
第2太陽電池セル(310b)の複数の第1導電型側フィンガー電極(332b)および複数の第2導電型側フィンガー電極(342b)のそれぞれは、第1方向(x方向)および第2方向(y方向)に対して斜めの方向に延びてもよい。
【0071】
第3太陽電池セル(310c)の複数の第1導電型側フィンガー電極(332c)および複数の第2導電型側フィンガー電極(342c)のそれぞれは、第1方向(x方向)および第2方向(y方向)に対して斜めの方向に延びてもよい。
【0072】
(変形例4)
図7は、変形例に係る太陽電池セル410の構造を示す下面図であり、太陽電池セル410の裏面412を示す。本変形例では、一つの太陽電池セル410が複数のサブセル471,472,473,474により構成され、隣接するサブセル間に分離領域461,462,463が設けられる点で上述の実施の形態と相違する。以下、本変形例について、上述の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0073】
太陽電池セル410は、第1方向(x方向)に並ぶ複数のサブセル471〜474を有する。複数のサブセル471〜474は、同一の半導体基板上に形成され、隣接するサブセルの境界に分離領域461,462,463が設けられる。図示する例では、x方向に順に第1サブセル471、第2サブセル472、第3サブセル473および第4サブセル474が並んで設けられる。本変形例では、四つのサブセルが設けられるが、さらなる変形例においては、サブセル数が三以下であってもよいし、五以上であってもよい。
【0074】
各サブセル471〜474には、n型領域とp型領域がy方向に交互に設けられる。各サブセルのn型領域上には、第1導電型側電極430または第1導電型側サブ電極455が設けられ、各サブセルのp型領域上には、第2導電型側電極440または第2導電型側サブ電極456が形成される。各分離領域461〜463には、隣接するサブセルのn型領域とp型領域を分離する分離構造が設けられる。分離領域に設けられる分離構造は、絶縁材料層であってもよいし、分離溝であってもよい。
【0075】
太陽電池セル410は、裏面412に設けられる電極構造として、第1導電型側電極430と、第2導電型側電極440と、第1サブ電極451と、第2サブ電極452と、第3サブ電極453とを有する。第1導電型側電極430は、第4サブセル474に設けられており、セル外周に沿ってy方向に延びる第1導電型側バスバー電極431と、x方向に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極432とを有する。第2導電型側電極440は、第1サブセル471に設けられており、セル外周に沿ってy方向に延びる第2導電型側バスバー電極441と、x方向に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極442とを有する。第1サブ電極451は、第1サブセル471と第2サブセル472とを接続する。第2サブ電極452は、第2サブセル472と第3サブセル473とを接続する。第3サブ電極453は、第3サブセル473と第4サブセル474とを接続する。
【0076】
サブ電極451,452,453のそれぞれは、第1導電型側サブ電極455と、第2導電型側サブ電極456と、分離領域接続サブ電極457とを有する。第1導電型側サブ電極455は、各サブセル471〜474のn型領域上に形成される。第2導電型側サブ電極456は、各サブセル471〜474のp型領域上に形成される。分離領域接続サブ電極457は、分離領域461,462,463上に設けられ、第1導電型側サブ電極455と第2導電型側サブ電極456を接続する。
【0077】
第1サブ電極451は、第1サブセル471の第1導電型側サブ電極455と、第2サブセル472の第2導電型側サブ電極456とを含む。第2サブ電極452は、第2サブセル472の第1導電型側サブ電極455と、第3サブセル473の第2導電型側サブ電極456とを含む。第3サブ電極453は、第3サブセル473の第1導電型側サブ電極455と、第4サブセル474の第2導電型側サブ電極456とを含む。
【0078】
図8は、変形例に係る太陽電池モジュール500の構造を示す下面図である。太陽電池モジュール500は、第1太陽電池セル410aと、第2太陽電池セル410bと、第3太陽電池セル410cと、第4太陽電池セル410dと、第1接続部材420aと、第2接続部材420bと、第3接続部材420cとを備える。太陽電池セル410a,410b,410c,410dは、図7に示す太陽電池セル410と同じ構造を有し、複数のサブセルがx方向に並ぶように配置されている。
【0079】
太陽電池セル410a〜410dのそれぞれは、一端のサブセルに設けられる第1導電型側電極430a,430b,430c,430dと、他端のサブセルに設けられる第2導電型側電極440a,440b,440c,440dとを有する。各太陽電池セルの第1導電型側電極430a,430b,430c,430dは、セル外周に沿ってy方向に延びる第1導電型側バスバー電極431a,431b,431c,431dと、x方向に延びる複数の第1導電型側フィンガー電極432a,432b,432c,432dとを有する。各太陽電池セルの第2導電型側電極440a,440b,440c,440dは、セル外周に沿ってy方向に延びる第2導電型側バスバー電極441a,441b,441c,441dと、x方向に延びる複数の第2導電型側フィンガー電極442a,442b,442c,442dとを有する。
【0080】
第1太陽電池セル410aの第1導電型側電極430aが設けられるサブセル(第4サブセル474a)は、第2太陽電池セル410bの第2導電型側電極440bが設けられるサブセル(第1サブセル471b)とx方向に隣接するように配置される。第2太陽電池セル410cの第1導電型側電極430bが設けられるサブセル(第4サブセル474b)は、第3太陽電池セル410cの第2導電型側電極440cが設けられるサブセル(第1サブセル471c)とy方向に隣接するように配置される。第3太陽電池セル410cの第1導電型側電極430cが設けられるサブセル(第4サブセル474c)は、第4太陽電池セル410dの第2導電型側電極440dが設けられるサブセル(第1サブセル471d)とx方向に隣接するように配置される。
【0081】
第1接続部材420aは、第1太陽電池セル410aと第2太陽電池セル410bの対向する長辺に沿ってy方向に延在し、第1太陽電池セル410aの第1導電型側バスバー電極431aと、第2太陽電池セル410bの第2導電型側バスバー電極441bとに接続される。第3接続部材420cは、第3太陽電池セル410cと第4太陽電池セル410dの対向する長辺に沿ってy方向に延在し、第3太陽電池セル410cの第1導電型側バスバー電極431cと、第4太陽電池セル410dの第2導電型側バスバー電極441dとに接続される。
【0082】
第2接続部材420bは、第2太陽電池セル410bの第1導電型側電極430bと、第3太陽電池セル410cの第2導電型側電極440cとに接続される。図示する例において、第2接続部材420bは、第2太陽電池セル410bの第1導電型側バスバー電極431bと第1導電型側フィンガー電極432bの双方に接続されるとともに、第3太陽電池セル410cの第2導電型側バスバー電極441cと第2導電型側フィンガー電極442cの双方に接続される。さらなる変形例においては、第2接続部材420bがバスバー電極431b,441cのみに接続されてもよいし、フィンガー電極432b,442cのみに接続されてもよい。
【0083】
第2接続部材420bは、第2太陽電池セル410bの第4サブセル474bおよび第3太陽電池セル410cの第1サブセル471cに重なるように配置され、それ以外のサブセルと重なる位置を避けて配置される。第2接続部材420bは、第2太陽電池セル410bのサブ電極(第2サブ電極452bや第3サブ電極453bなど)と重ならないように配置され、第3太陽電池セル410cのサブ電極(第1サブ電極451cや第2サブ電極452cなど)と重ならないように配置される。また第2接続部材420bは、第2太陽電池セル410bの中心414bを通ってx方向に延びる直線と、第3太陽電池セル410cの中心414cを通ってx方向に延びる直線との間の領域W2内に配置される。
【0084】
本変形例によれば、複数のサブセル471〜474を有する太陽電池セルを用いることにより、第2太陽電池セル410bの第1導電型側電極430bと第3太陽電池セル410cの第2導電型側電極440cとを隣接する位置に配置できる。これにより、簡易な構造の第2接続部材420bを用いて、第2太陽電池セル410bと第3太陽電池セル410cとを接続することができる。これにより、上述の実施の形態および変形例と同様の効果を奏することができる。
【0085】
図8の本変形例および図3の実施の形態では、第1セルストリング16と第2セルストリング17を接続する第2接続部材420b(20b)のx方向の幅が図4図6の他の変形例に比べて小さく、第2接続部材420b(20b)の抵抗損失の増大を考慮する必要がある。しかし、本変形例では、複数のサブセル471〜474を有する太陽電池セル410を用いることで一つのサブセルあたりの短絡電流が小さくなるため、太陽電池セル410全体の短絡電流も小さくなる。その結果、本変形例に係る第2接続部材420bの抵抗損失の影響は、図3の実施の形態に係る第2接続部材20bの抵抗損失の影響よりも小さい。本変形例では、太陽電池セル410の短絡電流が小さくなるものの、直列接続された複数のサブセル471〜474を含むために開放電圧が大きくなるため、太陽電池セル410の全体としての出力電力量の顕著な低下は見られない。
【0086】
ある態様の太陽電池モジュール(500)において、
第2太陽電池セル(410b)および第3太陽電池セル(410c)のそれぞれは、第1方向(x方向)に並ぶ複数のサブセルと、隣接するサブセルの境界に設けられる分離領域とを有し、第1導電型側電極(430b,430c)は、複数のサブセルのうちの一端のサブセルに設けられ、第2導電型側電極(440b,440c)は、複数のサブセルのうちの他端のサブセルに設けられ、隣接する二つのサブセルは、第1方向(x方向)に延びる複数のサブ電極により接続され、
第2接続部材(420b)は、第2太陽電池セル(410b)の第1導電型側電極(430b)と、第3太陽電池セル(410c)の第2導電型側電極(440c)とに接続されてもよい。
【0087】
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態および変形例の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。
【0088】
上述の実施の形態および変形例では、第2接続部材が接続する二つの太陽電池セルが設けられる領域から第1方向(x方向)に離れた位置にはみ出さないように設けられる場合について示した。さらなる変形例においては、第2接続部材の一部が接続する二つの太陽電池セルよりも第1方向(x方向)にはみ出すように設けられてもよい。
【0089】
上述の実施の形態および変形例では、第2接続部材が第2太陽電池セルの第2導電型側電極上および第3太陽電池セルの第1導電型側電極上を避けて設けられる場合について示した。さらなる変形例では、第2接続部材の一部が第2太陽電池セルの第2導電型側電極上および第3太陽電池セルの第1導電型側電極上の少なくとも一方に重なるように設けられてもよい。この場合、第2接続部材とこれらの電極との間に絶縁層が配置されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
10…太陽電池セル、10a…第1太陽電池セル、10b…第2太陽電池セル、10c…第3太陽電池セル、10d…第4太陽電池セル、14a,14b,14c,14d…中心、20…接続部材、20a…第1接続部材、20b…第2接続部材、20c…第3接続部材、30…第1導電型側電極、31…第1導電型側バスバー電極、32…第1導電型側フィンガー電極、40…第2導電型側電極、41…第2導電型側バスバー電極、42…第2導電型側フィンガー電極、100…太陽電池モジュール。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8