特許第6793314号(P6793314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793314
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 19/02 20060101AFI20201119BHJP
   H01H 3/20 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   H01H19/02 B
   H01H3/20 B
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-30342(P2017-30342)
(22)【出願日】2017年2月21日
(65)【公開番号】特開2018-137110(P2018-137110A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2019年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水上 雅博
(72)【発明者】
【氏名】山中 正剛
【審査官】 北岡 信恭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−019113(JP,A)
【文献】 特開2004−342019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 3/00− 7/16
H01H 19/00−21/88
G05G 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転操作され、操作されていない状態では所定の保持位置で保持されるノブと、
前記ノブの回転軸の周方向における前記ノブの回転角度を検出する検出部と、
前記ノブの回転を規制する電磁ブレーキと、
前記ノブと前記電磁ブレーキとの間に設けられ、前記ノブと一体的に回転すると共に前記電磁ブレーキによって回転が規制される弾性部材と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記電磁ブレーキを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記ノブの周方向の現在位置が当該ノブの回転規制の対象位置でない場合は、前記電磁ブレーキを駆動せず、
前記ノブの周方向の現在位置が当該ノブの回転規制の対象位置にある場合は、前記ノブの回転方向、又は、前記ノブの周方向における前記保持位置から、前記弾性部材の変形により変位する前記ノブの回転角度に基づいて前記ノブの回転を規制するか否かを判定するように構成されており、
前記ノブの周方向の現在位置が当該ノブの回転規制の対象位置である場合であって、前記保持位置からの前記ノブの変位がない場合は、前記電磁ブレーキを駆動しないように構成されている、入力装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ノブの周方向の現在位置が当該ノブの回転規制の対象位置である場合であって、前記保持位置から前記ノブの回転の規制方向への前記ノブの変位がある場合は、前記電磁ブレーキを駆動するように構成されている、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記ノブの周方向の現在位置が当該ノブの回転規制の対象位置である場合であって、前記保持位置から前記ノブの回転の規制方向と反対方向への前記ノブの変位がある場合は、前記電磁ブレーキを駆動しないように構成されている、請求項1又は2に記載の入力装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関し、例えば、ノブ及びノブの回転を規制可能な電磁ブレーキを備える入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の入力装置として、例えば、特許文献1の力覚付与型入力装置は、操作ノブ、操作ノブの回転角を検出するロータリーエンコーダ、操作ノブの回転を阻止する電磁ブレーキ、及び操作ノブと電磁ブレーキとの間に介在する弾性部材を備えている。
【0003】
この操作ノブが所定の回転角度に達すると、電磁ブレーキにより操作ノブがロックされる。この電磁ブレーキにより操作ノブの回転が阻止された状態において操作ノブがさらに回転操作されると、弾性部材が撓み、回転ノブが回転する。この際に検出された操作ノブの回転方向が操作ノブの規制方向であれば、操作ノブのロックを継続させ、規制方向でなければ、操作ノブのロックを解除している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−19113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、弾性部材が設けられていない場合、所定の回転角度で規制方向の操作ノブが回転されると、操作ノブの回転が電磁ブレーキによりロックされる。このため、規制方向の回転後、直ぐにその反対方向へ操作ノブが回転された場合、この回転方向を素早く変える回転操作に対してロックの解除が間に合わない場合がある。このような場合、操作ノブが規制方向だけでなくその反対方向へも回転することができない状態になり、操作ノブの回転操作に対して違和感を操作者に与えてしまう。
【0006】
これに対して、上記特許文献1の力覚付与型入力装置では、電磁ブレーキにより操作ノブの回転が阻止された状態に弾性部材が撓むことにより操作ノブは回転し、この回転方向に応じて操作ノブのロックを判定している。これにより、回転方向を素早く変える回転操作がなされても、操作ノブの規制方向及びその反対方向の両方への回転が防止されることが軽減できる。このため、操作ノブの規制方向への回転を阻止し反対方向には回転を許容する壁が所定の回転角度に存在するかのような操作感を操作者に与えられる。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の力覚付与型入力装置では操作ノブの回転方向のみに基づいて操作ノブのロックを制御している。このため、例えば、操作ノブが規制方向へ回転される可能性がない又は低いような場合であっても、電磁ブレーキによる操作ノブのロックが行われ、電磁ブレーキの電磁石において電力が無駄に消費されてしまう。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、ノブの回転操作に対する操作者の違和感を軽減しつつ、消費電力の低減を図ることができる入力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様に係る入力装置は、回転操作され、操作されていない状態では所定の保持位置で保持されるノブと、ノブの回転軸の周方向におけるノブの回転角度を検出する検出部と、ノブの回転を規制する電磁ブレーキと、ノブと電磁ブレーキとの間に設けられ、ノブと一体的に回転すると共に電磁ブレーキによって回転が規制される弾性部材と、検出部の検出結果に基づいて電磁ブレーキを制御する制御部と、を備え、制御部は、ノブの周方向の現在位置がノブの回転規制の対象位置でない場合は、電磁ブレーキを駆動せず、ノブの周方向の現在位置がノブの回転規制の対象位置にある場合は、ノブの回転方向、又は、ノブの周方向における保持位置から、弾性部材の変形により変位するノブの回転角度に基づいてノブの回転を規制するか否かを判定するように構成されている。
【0010】
この構成によれば、例えば、操作者がノブを把持していない等の操作されていない場合には、ノブが保持位置で停止している。この場合、ノブが規制方向に回転される可能性がない又は低いことにより、ノブの回転を規制せずに電磁ブレーキを停止して、電磁ブレーキにおける消費電力を低減することができる。
【0011】
また、例えば、操作者がノブを把持して保持位置から規制方向へ変位させ停止させている場合には、ノブが規制方向に回転される可能性がある又は高いため、電磁ブレーキを駆動して、ノブの回転を予め規制しておく。一方、操作者がノブを把持して保持位置から規制方向の反対方向へ変位させ停止させている場合には、ノブが規制方向に回転される可能性がない又は低いため、電磁ブレーキを停止して、ノブの回転を予め可能にしておく。これにより、その後、ノブの回転方向を素早く変える回転操作がされた場合であっても、ノブの規制方向への回転を阻止し反対方向への回転を許容する壁が存在するかのように操作者に感じさせられ、ノブの回転操作に対する操作者の違和感を軽減することができる。
【0012】
入力装置では、制御部は、ノブの周方向の現在位置がノブの回転規制の対象位置である場合であって、保持位置からのノブの変位がない場合は、電磁ブレーキを駆動しないように構成されていてもよい。この構成によれば、ノブの回転規制の対象位置であっても、ノブが規制方向に回転される可能性がない又は低い場合には、電磁ブレーキを停止することにより、電磁ブレーキにおける消費電力を低減することができる。
【0013】
入力装置では、制御部は、ノブの周方向の現在位置がノブの回転規制の対象位置である場合であって、保持位置からノブの回転の規制方向へのノブの変位がある場合は、電磁ブレーキを駆動するように構成されていてもよい。この構成によれば、規制方向へのノブの回転を予め規制することにより、ノブが規制方向へ素早く回されても、ノブの回転を確実に防止して、操作者に違和感のない操作を行わせることができる。
【0014】
入力装置では、制御部は、ノブの周方向の現在位置がノブの回転規制の対象位置である場合であって、保持位置からノブの回転の規制方向と反対方向へのノブの変位がある場合は、電磁ブレーキを駆動しないように構成されていてもよい。この構成によれば、規制方向と反対方向へのノブの回転を予め許容することにより、ノブが反対方向へ素早く回転されても、ノブの回転が阻止されることなく、操作者に違和感のない操作を行わせることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上に説明した構成を有し、ノブの回転操作に対する操作者の違和感を軽減しつつ、消費電力の低減を図ることができる入力装置を提供することができるという効果を奏する。
【0016】
本発明の上記目的、他の目的、特徴及び利点は、添付図面を参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る入力装置を概略的に示す斜視図である。
図2図1の入力装置の分解斜視図である。
図3図1の入力装置の断面図である。
図4図1の接続部材、弾性部材及びアーマチュアを示す斜視図である。
図5図1の軸体(突部)が中間位置に位置している場合の入力装置の断面図である。
図6図1の軸体(突部)が中間位置から変位している場合の入力装置の断面図である。
図7】入力装置をセレクタに適用した場合の図である。
図8図1の入力装置の制御部の構成を示すブロック図である。
図9図1の入力装置の動作方法の一例を示すフローチャートの一部である。
図10図9の電磁ブレーキ駆動中処理の一例を示すフローチャートである。
図11図9の電磁ブレーキ停止中処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、説明の便宜上、軸体に対しノブ側を上と称し、その反対を下と称する。ただし、入力装置の使用方向は任意であり、必ずしも軸体に対しノブが上に位置しているとは限らない。
【0019】
まず、実施の形態に係る入力装置10の構成について、図1を参照して説明する。入力装置10は、回転操作されるノブ20を備えている。
【0020】
ノブ20は、円柱等の柱形状であって、その回転軸が上下方向に延び、その下面が軸体30の上端に接続している。軸体30は、円柱等の柱形状であって、その回転軸がノブ20の回転軸と同じくして上下方向に延び、円筒等の筒形状の接続部材40、弾性部材50及び電磁ブレーキ60の各内側開口に貫通している。接続部材40は、その第1溝41に軸体30の突部31が嵌ることにより、回転軸の周方向に軸体30に固定されている。
【0021】
弾性部材50は、接続部材40の下面及び電磁ブレーキ60のアーマチュア61の上面に接続されているため、軸体30及び接続部材40を介してノブ20と電磁ブレーキ60との間に設けられている。電磁ブレーキ60は、弾性部材50、接続部材40及び軸体30を介してノブ20の回転を規制する。検出部70は、電磁ブレーキ60のヨーク62よりも下方に配置され、ノブ20の回転軸の周方向におけるノブ20の回転角度を検出している。
【0022】
次に、入力装置10の構成の詳細について、図2図6を参照して説明する。図2に示す軸体30の外周面には複数(この実施の形態では、4つ)の突部31が設けられており、4つの突部31は、軸体30の周方向に互いに均等な間隔を空けて配置されている。突部31は、上下方向に延びる板状体であって、軸体30の回転軸に対して放射線状に突出している。
【0023】
接続部材40の内周面には、4本の第1溝41が周方向に互いに均等な間隔を空けて設けられている。第1溝41は上下方向に延び、第1溝41の周方向の幅は軸体30の突部31の周方向の幅と等しい。このため、第1溝41には、接続部材40の内周面に対向する軸体30の外周面に設けられた突部31が嵌まる。これにより、上下方向に延びる回転軸を中心に回転する軸体30の突部31が接続部材40の第1溝41の縁と回転軸周りの周方向に係合するため、軸体30の回転に伴い接続部材40が回転する。
【0024】
弾性部材50は、その回転軸が軸体30の回転軸と同じくして、その上面が接続部材40の下面に接続されている。このため、弾性部材50は、接続部材40を介して軸体30と回転軸の周方向に固定されている。また、弾性部材50は、例えば、エラストマにより形成されており、回転軸の周方向に弾性を有する。このため、弾性部材50は、軸体30の回転に伴い接続部材40により回転力が弾性部材50に付与されて、回転軸の周方向に変形する。
【0025】
弾性部材50の内周面には、4本の第2溝51が周方向に互いに均等な間隔を空けて設けられている。第2溝51は、上下方向に延び、接続部材40の第1溝41と直線状に連続するように配置されている。このため、軸体30の突部31は、第1溝41及び第2溝51に嵌る。
【0026】
電磁ブレーキ60は、アーマチュア61及びヨーク62の他に、電磁石63をさらに有している。アーマチュア61、ヨーク62及び電磁石63のそれぞれは、その回転軸が軸体30の回転軸と同じくして、軸体30の周りを囲んでいる。
【0027】
アーマチュア61は、鉄などの磁性材料から成り、内周面には、4本の第3溝64が周方向に互いに均等な間隔を空けて設けられている。第3溝64が上下方向に延びて弾性部材50の第2溝51と連続するように、アーマチュア61の上面が弾性部材50の下面に接続されている。このため、軸体30の突部31は、第2溝51及び第3溝64に嵌る。
【0028】
ヨーク62は、鉄などの磁性材料から成り、電磁石63の磁力を強める部材であって、電磁石63を収容する環状溝が設けられている。電磁石63は、導線のコイルから成り、外部からの通電により磁力を発生させる。電磁石63は、ヨーク62の環状溝に嵌り、上面がアーマチュア61の下面に対向している。
【0029】
検出部70は、軸体30の回転角度を検出する装置であって、主歯車71、第1歯車72、第2歯車73及び検出素子74を有している。主歯車71は、例えば、外周面に複数の歯が設けられた円板形状であって、回転軸が軸体30の回転軸と同じくして、その上面に軸体30の下端が接続されており、軸体30の回転に伴い主歯車71は回転する。
【0030】
第1歯車72及び第2歯車73は、外周面に複数の歯が設けられた円板形状であって、その径は互いに異なり、磁石が取り付けられている。第1歯車72及び第2歯車73は、各歯が主歯車71の歯に噛み合うように、主歯車71の側方に設けられており、主歯車71の回転に伴い回転する。
【0031】
検出素子74は、第1歯車72の磁石の磁場を検知する磁気抵抗素子から成り、第1歯車72の回転を検出する第1検出素子と、第2歯車73の磁石の磁場を検知する磁気抵抗素子から成り、第2歯車73の回転を検出する第2検出素子とから構成されている。この検出素子74によって検出された第1歯車72及び第2歯車73の回転に基づいて主歯車71ならびにこれに接続される軸体30の絶対的な回転角度が得られる。そして、この検出部70により検出された軸体30の回転角度に基づいて、軸体30に接続するノブ20の回転角度が得られる。
【0032】
なお、絶対的なノブ20の回転角度が必要ない場合、第1歯車72及び第2歯車73の両方は必要なく、そのいずれか一方のみが設けられていればよい。また、検出部70はこの構成に限定されず、ロータリーエンコーダなど公知の技術を用いてもよい。
【0033】
節度部80は、例えば、円筒形状及び角筒形状などの筒形状であって、その中心に設けられた開口を軸体30が貫通しており、軸体30は節度部80に対して回転する。この軸体30が所定角度回転する毎に、節度部80が軸体30に力などを発生させることによって、軸体30を介して操作者に節度感覚として付与される。
【0034】
節度部80は、例えばノッチに向かって付勢されたピンを備えている。このピンがノッチにはまり込んだ状態から、ノッチから外れた状態へ移行する際の力が節度感覚(クリック感)としてノブ20を回転させる人(操作者)の手に伝えられる。なお、節度部80は節度感覚を磁気を用いて発生させるものでもよい。
【0035】
また、本実施の形態では、ノブ20が把持されていない場合、及び、ノブ20が把持されていても回転されていない場合等のノブ20が操作されていないとき、節度部80は、ノブ20を所定の保持位置に軸体30を介して保持する。この所定の保持位置は、後述する複数のレンジ(P、R、N、D、S)のノブ20の各回転角度範囲のうちの所定の位置(例えば、回転角度範囲における周方向の中点)である。
【0036】
図3に示すように、電磁ブレーキ60のヨーク62の内径が軸体30の突部31の外径よりも大きく設定されている。これにより、ヨーク内の電磁石63に通電されず、電磁ブレーキ60が停止している場合、電磁石63及びヨーク62に対して軸体30は回転可能である。
【0037】
一方、電磁ブレーキ60のヨーク62は筐体100等に固定されているため、ヨーク62内の電磁石63に通電されている場合、電磁石63がその磁力により電磁石63と対向するアーマチュア61を引き付ける。このアーマチュア61が固定されることにより、アーマチュア61に接続する弾性部材50、接続部材40、軸体30及びノブ20の回転を規制される。ただし、弾性部材50がアーマチュア61と接続部材40との間で変形することにより、この範囲で接続部材40、軸体30及びノブ20は僅かに回転することができる。
【0038】
ここで、図4に示すように、回転軸の周方向において弾性部材50の第2溝51の幅及びアーマチュア61の第3溝64の幅は、接続部材40の第1溝41の幅よりも広い。また、図5に示すように、周方向において第1溝41の幅は軸体30の突部31の幅と等しい。このため、周方向において突部31と第2溝51及び第3溝64の各縁との間には間隙(遊び)が設けられる。
【0039】
ノブ20が操作されていないとき、周方向において突部31が第2溝51及び第3溝64の周方向の中心(中間位置)に位置するようにノブ20(図1)が配置される。このとき、ノブ20が所定の保持位置に位置し、弾性部材50は変形せず、突部31は中間位置に位置している。つまり、ノブ20が操作されていない状態(ノブ20に回転方向の力が加えられていない状態)で、ノブ20が保持位置に位置し、突部31が中間位置に位置するように、ノブ20及び軸体30は弾性部材50及びアーマチュア61に対して配置される。
【0040】
この突部31が中間位置にある場合、周方向における突部31の一方端とこれに対向する第2溝51及び第3溝64の各縁との間の一方間隙の幅と、突部31の他方端とこれに対向する第2溝51及び第3溝64の各縁との間の他方間隙の幅とは等しい。例えば、各間隙の幅は、2.5度である。
【0041】
一方、図6に示すように、ノブ20(図1)に操作され保持位置から回転すると、弾性部材50が変形して、軸体30の突部31が中間位置から周方向に変位する。この突部31が中間位置から変位している場合、一方間隙の幅と他方間隙の幅とが異なる。そして、弾性部材50の変形によって突部31が第3溝64の縁に当たるまで軸体30が回転することができる。
【0042】
そして、図5に示すように、ノブ20(図1)に力が加えられなくなると、弾性部材50の弾性力(復元力)により軸体30が周方向に回転して、軸体30の突部31が機構的中心位置である中間位置に戻り、ノブ20が保持位置に保持される。
【0043】
次に、入力装置10を、操作者の操作によって車両の変速機(図示せず)に対してレンジを入力するためのセレクタに適用した場合について、図7を参照して説明する。この場合、例えば、入力装置10は、車両のケース101に設けられている。但し、入力装置10の用途及び設置場所はこれに限定されない。
【0044】
入力装置10のノブ20はケース101の表面から突出しており、その他はケース101内に収容されている。ケース101の表面には、レンジを示す表示102が設けられている。
【0045】
表示102は、例えば、P、R、N、D及びSとノブ20の周囲のケース101に記されており、ノブ20の周方向に等間隔に配置されている。操作者によってノブ20が回転操作がされることにより、レンジがP(パーキング)、R(リバース、後進)、N(ニュートラル)、D(ドライブ、前進)及びS(スポーツ)のいずれかのレンジに設定される。そして、各レンジにノブ20の回転角度の範囲が割り当てられている。
【0046】
次に、入力装置10に備えられる制御部90について、図8を参照して説明する。制御部90は、検出部70の検出結果に基づいて電磁ブレーキ60及びレンジの切り換えを制御する装置であって、CPU(プロセッサ)等の演算部91と、ROM及びRAM等の記憶部92とを備え、電磁ブレーキ60及び検出部70、並びに変速機の制御部103に電気的に接続されている。なお、制御部90は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。
【0047】
記憶部92には、電磁ブレーキ60及びレンジの切り換えを制御する基本プログラム、並びに各種固定データ等の情報が記憶されている。演算部91は、記憶部92に記憶された基本プログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、各種動作を制御する。
【0048】
例えば、制御部90は、検出部70から出力された軸体30の回転角度をノブ20の回転角度として、これに予め対応付けられているレンジを判定する。そして、制御部90がレンジを変速機の制御部103へ出力し、変速機のレンジが設定される。また、制御部90は、レンジに予め設定された電磁ブレーキ60の駆動又は停止情報に基づいて電磁ブレーキ60を制御する。
【0049】
次に、入力装置10の動作方法について、図9図11を参照して説明する。この入力装置10の動作方法は制御部90により制御され、この制御は所定の時間間隔で繰り返し行なわれる。なお、以下の説明では、反時計回り方向を回転角度が減少する方向と称し、時計回り方向を回転角度が増加する方向と称する。
【0050】
まず、図9に示すように、制御部90は、ノブ20により設定されているレンジが電磁ブレーキ60の対象位置であるか否かを判定する(ステップS1)。つまり、検出部70により検出されたノブ20の回転角度(周方向の現在位置)が、電磁ブレーキ60の対象位置(所定の対象角度)であるか否かが判定される。この電磁ブレーキ60の対象位置は車両の走行状態及びレンジの配列等により予め設定されている。
【0051】
例えば、レンジがNレンジに設定されている状態で車両が前進走行している場合、NレンジからDレンジへ切り換えるノブ20の回転は許容されるが、NレンジからRレンジへ切り換えるノブ20の回転は禁止されている。この場合、前進走行時にはNレンジが電磁ブレーキ60の対象位置になり、ノブ20の回転角度がNレンジに相当する所定の対象角度であると、ノブ20により設定されているレンジが電磁ブレーキ60の対象位置であると判定される。一方、ノブ20の回転角度がNレンジに相当する所定の対象角度でないと、ノブ20により設定されているレンジが電磁ブレーキ60の対象位置でないと判定される。なお、この場合、NレンジからRレンジへ切り換えるノブ20の回転方向が規制方向になり、NレンジからDレンジへ切り換えるノブ20の回転方向が規制方向ではない方向になる。
【0052】
また、図7に示すようにノブ20の周りにレンジが配列されている場合、配列の反時計回りの端に設けられたPレンジについては時計回りへのノブ20の回転は許容されるが、反時計回りへのノブ20の回転は禁止されている。これと同様に、配列の時計回りの端に設けられたSレンジについては反時計回りのノブ20の回転は許容されるが、時計回りのノブ20の回転は禁止されている。このように、配列の端に設けられたレンジは電磁ブレーキ60の対象位置になり、ノブ20の回転角度がPレンジ又はSレンジに相当する所定の対象角度であると、ノブ20により設定されているレンジが電磁ブレーキ60の対象位置であると判定される。一方、ノブ20の回転角度がPレンジ及びSレンジに相当する所定の対象角度でないと、ノブ20により設定されているレンジが電磁ブレーキ60の対象位置でないと判定される。なお、この場合、Pレンジ及びSレンジについてノブ20の回転が禁止された方向(規制方向)にエンドストップが設定されている。
【0053】
ステップS1の処理において、レンジが電磁ブレーキ60の対象位置でなければ(NO)、制御部90は、電磁ブレーキ60が駆動中か否かを判定する(ステップS2)。ここで、電磁ブレーキ60が駆動中でなければ(ステップS2:NO)、処理を終了する。一方、電磁ブレーキ60が駆動中であれば(ステップS2:YES)、電磁ブレーキ解除処理を実行する(ステップS3)。この解除処理では、例えば、電磁ブレーキ60への通電を停止する。これにより、電磁ブレーキ60を駆動させる必要がないレンジに設定されている場合、電磁ブレーキ60を駆動させないことにより、電磁ブレーキ60の電磁石63の消費電流及び電磁石63のコイルの温度上昇を低減することができる。
【0054】
一方、ステップS1の処理において、レンジが電磁ブレーキ60の対象位置であれば(YES)、制御部90は、電磁ブレーキ60が駆動中か否かを判定する(ステップS4)。ここで、電磁ブレーキ60が駆動中であれば(ステップS4:YES)、電磁ブレーキ駆動中処理を実行する(ステップS5)。これに対し、電磁ブレーキ60が駆動中でなければ(ステップS4:NO)、電磁ブレーキ停止中処理を実行する(ステップS6)。
【0055】
そして、図9のステップS5の電磁ブレーキ駆動中処理では、図10に示すように、制御部90は、ノブ20が回転中であるか否かを判定する(ステップS51)。ここでは、電磁ブレーキ60が駆動中であるため、電磁ブレーキ60の電磁石63によりアーマチュア61が固定されているが、アーマチュア61と接続部材40との間の弾性部材50が変形して、接続部材40に接続する軸体30及びノブ20が僅かに回転することができる。このため、制御部90は、検出部70からの検出結果(ノブ20の回転角度)に基づき時間差を有する少なくとも2回の回転角度が異なっているか否かを判定する。そして、これが異なっていれば、制御部90はノブ20が回転中であると判定する(ステップS51:YES)。
【0056】
続いて、制御部90は、ノブ20の回転角度の増減に応じてノブ20の回転方向を求め、この回転方向が規制方向か否かを判定する(ステップS52)。例えば、反時計回りにエンドストップが設定されているPレンジにおいてノブ20が反時計回りに回転操作されると、ノブ20の回転角度が減少するため、制御部90は回転方向が規制方向であると判定し(ステップS52:YES)、処理を終了する。これにより、電磁ブレーキ60の駆動が続行され、弾性部材50の変形による回転以外の規制方向への回転が電磁ブレーキ60により規制されるため、操作者は回転を阻止する壁(エンドストップ)が規制方向に存在するかのように感じることができる。
【0057】
一方、例えば、Pレンジにおいてノブ20が時計回りに回転操作されると、ノブ20の回転角度が増加するため、制御部90は回転方向が規制方向でないと判定し(ステップS52:NO)、電磁ブレーキ解除処理を実行する(ステップS53)。これにより、電磁ブレーキ60の駆動が停止され、ノブ20の回転が可能になる。このように、弾性部材50の変形によるノブ20の回転に続いて、電磁ブレーキ60の駆動停止によるノブ20の回転が行われるため、これらが一連の動きとして操作者に感じられる。このため、例え、規制方向の回転後に直ぐに反対方向へ回転する素早い操作がなされても、操作者は違和感なくノブ20の回転操作を行うことができる。
【0058】
ステップS51の処理において、制御部90は、検出部70により検出されたノブ20の回転角度に基づき時間差を有する少なくとも2回の回転角度が異なっていなければ、ノブ20が回転中でないと判定する(NO)。
【0059】
続いて、制御部90は、保持位置からのノブ20の変位があるか否かを判定する(ステップS54)。例えば、操作者がノブ20を操作していない場合、ノブ20には回転方向に力が作用しないため、ノブ20は保持位置に位置する。また、図5に示すように、弾性部材50の復元力によりノブ20に接続する軸体30の突部31は電磁ブレーキ60のアーマチュア61の第3溝64の周方向の中心角度である中間位置に位置している。このため、制御部90は、予め記憶部92に記憶された所定の保持位置(角度)と、検出部70により検出された軸体30の回転角度とを比較する。
【0060】
比較の結果、軸体30の回転角度が保持位置と一致していれば、制御部90は、保持位置からのノブ20の変位がないと判定し(ステップS54:NO)、電磁ブレーキ解除処理を実行する(ステップS53)。これにより、電磁ブレーキ60の駆動が停止され、ノブ20の回転が可能になる。このような操作者がノブ20を回転しない状況では、電磁ブレーキ60によりノブ20の回転を規制する必要がなく、電磁ブレーキ60の駆動を停止する。これにより、電磁ブレーキ60の電磁石63の消費電流及び電磁石63のコイルの温度上昇を低減することができる。
【0061】
一方、例えば、電磁ブレーキ60の駆動中であっても、操作者がノブ20を把持し回転方向に力を作用させると、弾性部材50の変形によってノブ20は回転方向に僅かに変位することができる。このため、軸体30の回転角度が保持位置と一致していなければ、制御部90は、保持位置からのノブ20の変位があると判定する(ステップS54:YES)。
【0062】
そして、制御部90は、軸体30の回転角度と保持位置の角度との比較結果から変位の方向が規制方向か否かを判定する(ステップS55)。ここで、変位の方向が規制方向であれば(ステップS55:YES)、制御部90は処理を終了する。これにより、電磁ブレーキ60の駆動が続行され、弾性部材50の変形による回転以外の規制方向への回転が電磁ブレーキ60により規制される。このように、規制方向にノブ20の変位がある場合には、ノブ20が規制方向へ回転する可能性が高く、また、突部31と第3溝64の規制方向の縁との間隙(ノブ20の回転範囲)が狭いため、電磁ブレーキ60を駆動させておく。これにより、ノブ20が素早く規制方向へ回転した場合であっても、反応遅れを防止し、ノブ20の回転を確実に阻止することができる。
【0063】
これに対し、変位の方向が規制方向でなければ(ステップS55:NO)、制御部90は電磁ブレーキ解除処理を実行する(ステップS53)。これにより、電磁ブレーキ60の駆動が停止され、ノブ20の回転が可能になる。このような操作者がノブ20を把持して変位させている場合であっても、規制方向と反対方向へノブ20を変位させている場合、ノブ20が規制方向へ回転する可能性が低い。よって、電磁ブレーキ60を駆動させないことにより、電磁ブレーキ60の電磁石63の消費電流及びコイルの温度上昇を低減することができる。また、規制方向と反対方向へノブ20を変位させているときには、突部31と第3溝64の規制方向の縁との間隙が広いため、ノブ20が素早く規制方向へ回転しても、突部31が第3溝64の規制方向の縁に至るまでの間にノブ20の回転を判定して電磁ブレーキ60を駆動して、ノブ20の回転を阻止することができる。
【0064】
さらに、図9のステップS6の電磁ブレーキ停止中処理では、図11に示すように、制御部90は、ノブ20が回転中であるか否かを判定する(ステップS61)。この電磁ブレーキ60が停止している場合、電磁ブレーキ60のアーマチュア61の回転が阻止されていないため、アーマチュア61に接続するノブ20は回転することができる。また、アーマチュア61が回転していない場合であっても、アーマチュア61とノブ20との間の弾性部材50が変形してノブ20が回転することができる。
【0065】
このため、検出部70により検出されたノブ20の回転角度に基づきノブ20が回転中であれば(ステップS61:YES)、制御部90は、ノブ20の回転角度の増減に応じたノブ20の回転方向が規制方向か否かを判定する(ステップS62)。この回転方向が規制方向でなければ(ステップS62:NO)、処理を終了する。これにより、電磁ブレーキ60の停止が継続され、ノブ20の回転が引き続き可能になる。
【0066】
一方、回転方向が規制方向であれば(ステップS62:YES)、電磁ブレーキ駆動処理を実行する(ステップS63)。この駆動処理では、電磁ブレーキ60の通電を行うことにより、ノブ20の回転が阻止される。これにより、弾性部材50の変形による回転以外の規制方向への回転が電磁ブレーキ60により規制されるため、操作者は回転を阻止する壁が規制方向に存在するかのように感じることができる。
【0067】
ステップS61の処理において、ノブ20が回転中でなければ(NO)、制御部90は、保持位置からのノブ20の変位があるか否かを判定する(ステップS64)。例えば、操作者がノブ20を操作していない場合には、軸体30が保持位置にある。この場合、制御部90は保持位置からのノブ20の変位がないと判定し(ステップS64:YES)、処理を終了する。このような電磁ブレーキ60によりノブ20の回転を規制する必要がない場合には、電磁ブレーキ60の駆動を停止することにより、電磁ブレーキ60の電磁石63の消費電流及びコイルの温度上昇を低減することができる。
【0068】
一方、例えば、ノブ20が回転中でなくても、操作者がノブ20を把持し回転方向に力を作用させていると、軸体30が保持位置からずれて、制御部90はノブ20が保持位置から変位していると判定する(ステップS64:YES)。
【0069】
そして、制御部90は、軸体30の回転角度と保持位置の角度との比較結果から変位の方向が規制方向か否かを判定する(ステップS65)。ここで、変位の方向が規制方向であれば(ステップS65:YES)、電磁ブレーキ駆動処理を実行する(ステップS63)。この駆動処理により、ノブ20の回転が阻止される。このように、ノブ20が回転中でなくても、規制方向にノブ20が変位し停止している場合には、ノブ20が規制方向へ回転する可能性が高く、また、弾性部材50の変形によるノブ20の回転範囲が狭いため、電磁ブレーキ60を駆動させておく。これにより、ノブ20が素早く規制方向へ回転した場合であっても、反応遅れを防止し、ノブ20の回転を確実に阻止することができる。
【0070】
これに対し、変位の方向が規制方向でなければ(ステップS65:NO)、制御部90は処理を終了する。これにより、電磁ブレーキ60の停止が継続され、ノブ20の回転が引き続き可能になる。
【0071】
このような入力装置10では、制御部90は、ノブ20が回転中でない場合、ノブ20の回転軸の周方向における保持位置から、弾性部材50の変形により変位するノブ20の回転角度に基づいてノブ20の回転を規制するか否かを判定する。
【0072】
例えば、ノブ20が保持位置で停止している場合、及び、ノブ20が保持位置からノブ20の回転の規制方向と反対方向へ変位し停止している場合等、ノブ20が規制方向へ回転される可能性がない又は低い。このような場合に、電磁ブレーキ60を停止することにより、電磁ブレーキ60における消費電力の低減及びコイルの温度上昇の低減を図ることができる。
【0073】
一方、例えば、ノブ20が保持位置からノブ20の回転の規制方向へ変位し停止している場合、ノブ20が規制方向へ回転される可能性が高い上、弾性部材50の変形によるノブ20の回転範囲が狭い。このような場合には、電磁ブレーキ60を予め駆動しておくことにより、ノブ20の回転に対する反応遅れを防止し、操作者に対して違和感のない操作を提供することができる。
【0074】
また、制御部90は、ノブ20が回転中である場合、ノブ20の回転角度に基づくノブ20の回転方向に応じてノブ20の回転を規制するか否かを判定する。例えば、操作者が間違ってエンドストップ側の規制方向にノブ20を回転し、回転が規制された後、直ぐに、規制方向と反対方向へノブ20を回転することがある。このような素早い操作であっても、弾性部材50の変形によりノブ20が回転している間にノブ20の回転の規制が判定することにより、両方向への回転が規制されることが防止される。これにより、操作者は、一方への回転が規制され他方への回転が許容される壁が存在するかのように感じ、違和感なく入力装置10を操作することができる。
【0075】
さらに、制御部90は、ノブ20の回転角度が所定の対象角度でない場合、電磁ブレーキ60を駆動しない。例えば、エンドストップが設定されているレンジ等の電磁ブレーキ60の対象位置(所定の対象角度)以外にノブ20が回転された場合には、電磁ブレーキ60を駆動させる必要がないため、電磁ブレーキ60を停止することにより、電磁ブレーキ60における消費電力の低減及びコイルの温度上昇の低減を図ることができる。
【0076】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態では、弾性部材50が接続部材40と電磁ブレーキ60のアーマチュア61との間に設けられていたが、弾性部材50の配置はノブ20と電磁ブレーキ60との間であればこれに限定されない。例えば、軸体30がその回転軸方向に分割されており、この分割された軸体30の間に弾性部材50が設けられていてもよい。
【0077】
上記の実施の形態では、レンジが電磁ブレーキ60の対象位置でない場合(ステップS1:NO)、制御部90は、電磁ブレーキ60の駆動判定を行い(ステップS2)、電磁ブレーキ60が駆動中であれば(ステップS2:YES)、電磁ブレーキ解除処理を実行した(ステップS3)。ただし、レンジが電磁ブレーキ60の対象位置でない場合、通常、電磁ブレーキ60が停止しているため、ステップS2及びS3の処理を省略してもよい。
【0078】
なお、上記全実施の形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせてもよい。上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の入力装置は、ノブの回転操作に対する操作者の違和感を軽減しつつ、消費電力の低減を図ることができる入力装置等として有用である。
【符号の説明】
【0080】
10 :入力装置
20 :ノブ
50 :弾性部材
60 :電磁ブレーキ
70 :検出部
90 :制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11