特許第6793334号(P6793334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793334
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20201119BHJP
   F21V 11/06 20060101ALI20201119BHJP
   F21V 13/12 20060101ALI20201119BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20201119BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20201119BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20201119BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20201119BHJP
【FI】
   F21S2/00 350
   F21V11/06
   F21V13/12 300
   F21V17/00 501
   F21S2/00 330
   F21V5/00 320
   F21V5/04
   F21Y115:10 300
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-179695(P2016-179695)
(22)【出願日】2016年9月14日
(65)【公開番号】特開2018-45867(P2018-45867A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2019年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 良太
【審査官】 野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−006247(JP,A)
【文献】 特開2016−126947(JP,A)
【文献】 米国特許第04780799(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00−45/70
F21V 11/00、17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に開口部を有した筒状のケースと、
前記ケース内に収容される光源と、
透光性を有し、前記ケース内において前記開口部と前記光源との間に配置される光学部材と、
前記光源から前記光学部材を通じて放射された光の配光を制御する配光部材と、
両端が開口した中空筒状のホルダーと、
両端が開口した中空筒状の支持体と、
を備え、
前記配光部材は、複数の筒体を有し、前記複数の筒体の各々は、第1端及び第2端が開口した中空の筒状に形成されて、前記光源から前記開口部に向かう光の光軸に沿って延びる内側面を有し、
前記複数の筒体の各々の前記第1端は、前記光学部材と対向し、前記複数の筒体の各々の前記第2端は、前記開口部と対向し、
前記配光部材は、前記開口部と前記光学部材との間において、前記光学部材から所定の距離だけ離れるように配置されていて、
前記ホルダーは、前記配光部材が前記光学部材から前記所定の距離だけ離れた状態を保つように、前記配光部材を内部で保持し、
前記支持体の外側面は、前記開口部と前記光学部材との間における前記ケースの内側面を覆い、
前記支持体は、前記支持体の内部で前記ホルダーを着脱可能に支持する
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記所定の距離は、前記第1端から前記第2端までの距離以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記ホルダーは、径方向における外側に突出する突出部を有し、
前記支持体は、前記突出部が嵌まり合う溝部を有する

ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記複数の筒体の各々は、六角筒状に形成され、
前記配光部材は、前記複数の筒体が結合されたハニカム構造を有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に照明器具に関し、より詳細には筒状のケースから光を出射する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばスポットライトのように、筒状のケースから光を出射する照明器具が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に記載されるスポットライトは、キャップ状のグレアシールド(配光部材)を備える。
【0003】
このグレアシールドは、ランプの先端部を覆うように配置されて、ランプから放射された光が直接人の視界に入ることにより感じる不快な眩しさ(不快グレア)を低減させることができる。要するに、このスポットライトは、ランプから前方に照射される直接光をグレアシールドで遮って、リフレクタによる反射光のみが照明光として照射されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−251207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるスポットライトは、不快グレアを低減することはできても、ランプからの直接光が完全に遮られることになる。そのため、所定の入力電力における照明空間に照射される光束が減少(すなわち、発光効率の低下)してしまう問題があった。
【0006】
また、このスポットライトは、グレアシールドとランプとの間に十分なクリアランスが設けられているとは言えず、グレアシールド、又はグレアシールドと接触している部材がランプに起因する熱(輻射熱あるいは伝導熱)を受けやすかった。すなわち、グレアシールド等が熱により劣化して信頼性が低下するおそれがあった。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みてなされ、不快グレアを低減しつつ、発光効率の低下を抑えてさらに熱による信頼性の低下を抑制することができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る照明器具は、筒状のケースと、光源と、光学部材と、配光部材と、ホルダーと、支持体と、を備える。前記ケースは、一端に開口部を有する。前記光源は、前記ケース内に収容される。前記光学部材は、透光性を有し、前記ケース内において前記開口部と前記光源との間に配置される。前記配光部材は、前記光源から前記光学部材を通じて放射された光の配光を制御する。前記ホルダーは、両端が開口した中空筒状である。前記支持体は、両端が開口した中空筒状である。前記配光部材は、複数の筒体を有する。前記複数の筒体の各々は、第1端及び第2端が開口した中空の筒状に形成されて、前記光源から前記開口部に向かう光の光軸に沿って延びる内側面を有する。前記複数の筒体の各々の前記第1端は、前記光学部材と対向し、前記複数の筒体の各々の前記第2端は、前記開口部と対向する。前記配光部材は、前記開口部と前記光学部材との間において、前記光学部材から所定の距離だけ離れるように配置されている。前記ホルダーは、前記配光部材が前記光学部材から前記所定の距離だけ離れた状態を保つように、前記配光部材を内部で保持する。前記支持体の外側面は、前記開口部と前記光学部材との間における前記ケースの内側面を覆う。前記支持体は、前記支持体の内部で前記ホルダーを着脱可能に支持する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、不快グレアを低減しつつ、発光効率の低下を抑えてさらに光源に起因する輻射熱又は伝導熱による信頼性の低下を抑制することができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る照明器具の断面斜視図である。
図2図2は、同上の照明器具の外観を示す斜視図である。
図3図3は、同上の照明器具における要部が拡大された断面斜視図である。
図4図4は、同上の照明器具の一部が分解された断面斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る照明器具の変形例の断面図である。
図6図6は、同上の変形例の一部が分解された断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
(1)概要
以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、下記の構成に限定されることはなく、下記の構成以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、各図は、模式的な図であり、図1〜6中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0012】
本実施形態の照明器具1(以下、単に「照明器具1」という)は、図1に示すように、筒状のケース2と、光源3と、光学部材4と、配光部材5と、を備える。ケース2は、一端に開口部20を有する。つまり、ケース2は、軸方向における両端のうちの一端に開口部20を有する。
【0013】
光源3は、ケース2内に収容される。光学部材4は、透光性を有し、ケース2内において開口部20と光源3との間に配置される。配光部材5は、光源3から光学部材4を通じて放射された光の配光を制御する。要するに光源3、光学部材4及び配光部材5は、ケース2内においてこの順番で収容される。なお、本実施形態では、光学部材4はレンズ部40を有する。レンズ部40は、一例としてフレネルレンズである。
【0014】
配光部材5は、図1及び図3に示すように、複数の筒体50を有する。複数の筒体50の各々は、第1端50a及び第2端50bが開口した中空の筒状に形成されている。また、複数の筒体50の各々は、光源3から開口部20に向かう光の光軸L1に沿って延びる内側面50cを有する。言い換えると、配光部材5は、光軸L1に沿って貫通する複数の導光孔51を有する。
【0015】
複数の筒体50の各々の第1端50aは、光学部材4と対向する。複数の筒体50の各々の第2端50bは、開口部20と対向する。言い換えると、複数の導光孔51の入口は、光学部材4と対向し、複数の導光孔51の出口は、開口部20と対向する。つまり、光源3から放射された光は、光学部材4のレンズ部40を通って複数の導光孔51内に導入され、それからケース2の開口部20より出射される。配光部材5は、開口部20と光学部材4との間において、光学部材4から所定の距離D1だけ離れるように配置されている。
【0016】
なお、照明器具1は、配光部材5をケース2の内部で保持するホルダー6及びホルダー6を支持する支持体7を別途備えている。しかし、このような構造以外にも例えば、図5に図示される変形例(照明器具1A)のように、配光部材5Aは、第1弾性部材11及び第2弾性部材12によってケース2Aの内部で直接保持されてもよい。
【0017】
以下の説明では、図2に示すように、照明器具1が筒状のケース2から光を出射するスポットライトであることを想定する。また、以下の説明では、図2に示すように、照明器具1の光軸L1に平行な方向をz軸方向、光軸L1に垂直で互いに直交する2つの方向をx軸方向及びy軸方向と規定する。照明器具1のアーム200の長手方向は、y軸方向と平行である。
【0018】
(2)詳細
(2.1)照明器具
照明器具1は、図2に示すように、器具本体100と、電源ボックス(不図示)と、器具本体100及び当該電源ボックスを連結するアーム200と、を備える。
【0019】
電源ボックスは、光源3に電力を供給する電源回路を内部に備える。電源回路は、外部電源(例えば商用電源)から供給された交流電力を直流電力に変換し、リード線を介して器具本体100に供給する。当該リード線の第1端は、電源回路に電気的に接続され、第2端は、器具本体100の光源3に電気的に接続されている。なお、当該リード線は、アーム200の内部に配置される。
【0020】
アーム200は、金属材料によって形成されている。アーム200は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成されてもよい。本実施形態のアーム200は、器具本体100及び上記電源ボックスに対して回転可能に取り付けられている。これにより、照明器具1の光軸L1の方向を調整することができる。
【0021】
器具本体100は、図1及び図4に示すように、光源3と、基台9と、反射部材10と、光学部材4と、配光部材5と、ホルダー6と、支持体7と、弾性部材8と、これらを内部に収容するケース2と、を備える。
【0022】
(2.1.1)光源
光源3は、例えば1又は複数のLED(Light emitting diode)を有するLEDモジュールであって、所定の光を放射状に出射する。光源3は、基台9のz軸方向正側の端面に取り付けられる。光源3は、図1に示すように、発光部30と基板31とを備える。本実施形態では、光源3は、LEDが基板31に直接実装されたCOB(Chip On Board)構造を有する。
【0023】
基板31は、LEDを実装するための実装基板であって、例えばセラミックス基板、樹脂基板、又はメタルベース基板等である。基板31は、例えば矩形板状に形成されている。基板31には、LEDを発光させるための直流電力を上記電源ボックスから受電する一対の電極端子と、複数のLED同士を電気的に接続するための所定のパターン導体とが形成されている。
【0024】
発光部30は、基板31に実装された1又は複数のLEDと、LEDを封止する封止部材とを有する。LEDは、発光素子の一例であり、本実施形態では単色の可視光を発するベアチップである。LEDは、例えば、青色光を発する青色LEDチップである。発光部30が複数のLEDを有する場合、複数のLEDが基板31にマトリックス状に配置されてもよい。
【0025】
上記封止部材として、例えば透光性を有する樹脂材が用いられる。本実施形態における封止部材は、LEDから放射された光を波長変換する波長変換材として蛍光体を含んでいる。封止部材は、例えば、シリコーン樹脂に蛍光体を分散させた蛍光体含有樹脂である。蛍光体粒子としては、LEDが青色光を発光する青色LEDチップである場合、白色光を得るために、例えばYAG系の黄色蛍光体が用いられてもよい。封止部材は、LEDを封止するように円形状に形成されている。
【0026】
(2.1.2)基台
基台9は、図1及び図4に示すように、光源3が取り付けられる部材である。基台9は、金属材料によって形成されている。基台9は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成されてもよい。本実施形態では、基台9は、光源3で発生した熱を放射するヒートシンクとしても機能する。基台9は、ネジ止め等によってケース2に固定される。
【0027】
(2.1.3)ケース
ケース2は、図1及び図4に示すように、略円筒形状に形成されていて、その内部には光源3が収容される。ケース2は、金属材料によって形成されている。ケース2は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成されてもよい。
【0028】
ケース2は、その軸方向における両端のうちの(z軸方向正側の)一端に開口部20を有する。ケース2の軸方向は、光軸L1と平行である。光源3から放射された光は、ケース2の開口部20を通じて外部に出射される。なお、ケース2内では、光源3から開口部20にわたって、反射部材10、光学部材4、配光部材5が光軸L1に沿って順に配置されている。
【0029】
また、ケース2は、図3に示すように、後述する支持体7の複数の凸部70が引掛けられる凹部21を有する。凹部21は、ケース2の開口部20付近の内側面において、ケース2の径方向における外方に窪んでいる。凹部21は、ケース2の内側面の周方向に沿って連続的に形成されている。
【0030】
(2.1.4)反射部材
反射部材10は、図1及び図4に示すように、光源3から放射された光を、光学部材4に向けて反射させるように構成されている。反射部材10は、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)などの硬質の白色樹脂材料から形成されている。なお、反射部材10の内側面には、アルミニウムなどの金属膜が設けられてもよい。
【0031】
反射部材10は、その軸方向における両端が開口した略円筒形状に形成されている。反射部材10の軸方向は、光軸L1と平行である。具体的には、反射部材10は、図1に示すように、光源3から放射された光が入射する入射口を有した第1端部10aと、光学部材4に向かって光が出射する出射口を有した第2端部10bと、を備える。光学部材4は、第2端部10bの周縁部において第2端部10bの出射口を覆うように取り付けられている。
【0032】
反射部材10は、第1端部10aから第2端部10bに向かって内径が漸次大きくなるように形成されている。要するに、第2端部10bの出射口の内径寸法は、第1端部10aの入射口の内径寸法よりも大きい。反射部材10は、上述のような構造を有することで、光源3から放射された光を光学部材4に向けて効率良く反射する。
【0033】
(2.1.5)光学部材
光学部材4は、透光性を有し、略円板状に形成されている。光学部材4には、光源3からの直接光、及び反射部材10からの反射光が入射される。光学部材4の軸方向は、光軸L1と平行である。光学部材4は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの透明樹脂材料、又はガラスなどの透明材料によって形成されている。
【0034】
光学部材4は、図1及び図3に示すように、レンズ部40を有する。本実施形態のレンズ部40は、一例としてフレネルレンズである。レンズ部40は、反射部材10からの光を集光してケース2の開口部20側に向けて効率良く出射する。なお、レンズ部40のような集光する機能は必須ではなく、光学部材4は、単に光源3を覆う透光性を有したカバー部材であってもよい。
【0035】
(2.1.6)配光部材
配光部材5は、光源3から光学部材4を通じて放射された光の配光を制御する。配光部材5は、図1及び図3に示すように、複数の筒体50を有する。複数の筒体50の各々は、第1端50a及び第2端50bが開口した中空の筒状に形成されている。また、複数の筒体50の各々は、光源3から開口部20に向かう光の光軸L1に沿って延びる内側面50cを有する。複数の筒体50の各々の第1端50aは、光学部材4と対向する。複数の筒体50の各々の第2端50bは、開口部20と対向する。
【0036】
本実施形態では、配光部材5は、図1及び図3に示すように、厚み方向に貫通する複数の導光孔51を有した略円板状の板材である。複数の導光孔51の入口は、光学部材4と対向する。複数の導光孔51の出口は、開口部20と対向する。配光部材5の厚み方向は、光軸L1と平行である。光源3から放射された光は、光学部材4を透過して配光部材5の複数の導光孔51を通り、ケース2の開口部20から外部に出射される。以下、配光部材5についてより詳細に説明する。
【0037】
配光部材5は、ケース2の開口部20から外部に突出することなくケース2内に収容されている。特に、本実施形態の配光部材5は、図1に示すように、開口部20と光学部材4との間において、光学部材4から所定の距離D1だけ離れるように配置されている。所定の距離D1は、例えば、各筒体50の第1端50aから第2端50bまでの距離以上であることが好ましい。
【0038】
また本実施形態では、配光部材5は、ハニカム構造を有する。すなわち、各筒体50は、六角筒状に形成され、その軸方向が光軸L1と平行となるように配置されている。上記ハニカム構造は、複数の筒体50が側方に結合して配列されることで形成されている。そのため、複数の導光孔51の各々は、配光部材5の厚み方向に沿って見たときに六角形状に形成されている。なお、図示例では、複数の導光孔51の各々は、厚み方向に沿って見たときに正六角形に形成されているが、正六角形に限定されない。例えば、複数の導光孔51は、平行六角形状の導光孔51を含んでいてもよい。
【0039】
本実施形態では、配光部材5は、一例としてアルミ箔を六角形の蜂巣状に成形したアルミハニカムコアから形成されている。このようなアルミハニカムコアは、比較的軽量で高い強度を有している。また、配光部材5の各筒体50の内側面50cは、例えばグレア抑制面として形成されている。グレア抑制面は、例えば、内側面50cを黒色に塗装した後に艶消し処理を施すことにより実現される。
【0040】
配光部材5は、上述のように、各々が光軸L1に沿って延びる内側面50cを有した複数の筒体50を備えることで、ユーザ(観測者)の目の方向に対する照明器具1の発光部分の立体角を小さくすることができる。その結果、効率良く不快グレアを抑制することができる。また、特許文献1に記載されるスポットライトのグレアシールドとは異なり、配光部材5は、光源3の直接光を遮る構成を有していないため、発光効率の低下を抑えることもできる。
【0041】
また、配光部材5は、開口部20から外部に突出することなくケース2内に収容されているため、照明器具1全体としての小型化にも貢献することができる。例えば特許文献1に記載されるスポットライトのフードのように、不快グレアを抑制するために配光部材5の代わりにケース2の開口部20に対して筒状のフードを連結させて光源3からの距離を稼ぐ構成も考えられる。しかし、このような構成では照明器具1全体の小型化を図ることはできない。この点で本実施形態の配光部材5が設けられることで、不快グレアを抑制しつつ、照明器具1全体の小型化を図ることもできる。また、フードを連結させる場合に比べて見栄えもよい。
【0042】
なお、配光部材5は、複数の筒体50の数を増やすほど、不快グレアの抑制を更に向上させることができる。また、配光部材5の厚み寸法を増やすほど、不快グレアの抑制を更に向上させることができる。
【0043】
ところで、一般的に光源の近くに配置される部材、あるいは当該部材と接触する部材は、光源に起因する輻射熱又は伝導熱によって温度が上昇しやすい。また、光源を覆う光学部材は、例えば光透過率が比較的高いアクリル樹脂等で形成されている場合があるが、アクリル樹脂は、相対的に熱に弱い。本実施形態の場合においても、配光部材5は、黒色のグレア抑制面を有しているため、光源3から放射された光を吸収して温度が上昇しやすい。例えば、光学部材4がアクリル樹脂により形成されていて、もし黒色のグレア抑制面を有する配光部材5が光学部材4と接触していると、配光部材5からの伝導熱により光学部材4が劣化するおそれがある。
【0044】
これに対して、本実施形態の配光部材5は、光学部材4から所定の距離D1だけ離れるように配置されている。言い換えれば、配光部材5は、光学部材4と接触することなく配置されている。さらに、配光部材5は、特許文献1に記載されるスポットライトのグレアシールドとは異なり、光源3との間に光学部材4が配置されており、十分に光源3から離されて配置されていると言える。したがって、光源3に起因する輻射熱又は伝導熱によって配光部材5、光学部材4等が劣化することを抑えることができる。すなわち、輻射熱又は伝導熱による信頼性の低下を防ぐことができる。
【0045】
(2.1.7)支持体
支持体7は、図1図3及び図4に示すように、両端が開口した中空筒状の部材であり、ケース2の内側に配置される。支持体7は、一例として略円筒形状に形成されている。支持体7は、その内部においてホルダー6を着脱可能に支持するように構成されている。支持体7の軸方向は、光軸L1と平行である。支持体7は、例えば、ポリカーボネート又はPBTなどの樹脂材料によって形成されている。支持体7は、ケース2内の光学部材4よりも光出射側(z軸方向正側)の位置において、支持体7の外側面がケース2の内側面を覆うように配置される。つまり、支持体7の外側面は、開口部20と光学部材4との間におけるケース2の内側面を覆う。
【0046】
支持体7の外径寸法は、ケース2の内径寸法よりも若干小さい。また、支持体7の内径寸法は、反射部材10の第2端部10bの出射口の内径寸法と略等しい。支持体7は、z軸方向負側におけるその周縁端が光学部材4と接触するように配置されている。また、支持体7は、z軸方向正側におけるその周縁端がケース2の開口部20よりも外側に突出しないように配置されている。
【0047】
支持体7は、図3及び図4に示すように、その外側面に複数の凸部70(図3では1つのみ図示)を備える。複数の凸部70は、支持体7の径方向における外方に突出する。支持体7は、複数の凸部70がケース2の凹部21に引っ掛けられることにより、ケース2に保持される。複数の凸部70は、支持体7の外側面の周方向に沿って等間隔で配置されている。なお、複数の凸部70の代わりに、フランジ状に突出する連続的な凸部が設けられていてもよい。
【0048】
さらに、支持体7は、図3及び図4に示すように、その外側面に複数の接触部71(図3では1つのみ図示)を備える。複数の接触部71は、支持体7の径方向における外方に突出する。複数の接触部71は、凸部70よりもz軸方向負側に設けられている。複数の接触部71は、支持体7の外側面の周方向に沿って等間隔で配置されている。なお、複数の接触部71の代わりに、フランジ状に突出する連続的な接触部が設けられていてもよい。
【0049】
接触部71は、凸部70がケース2の凹部21に引っ掛けられた状態において、ケース2の内側面と接触するように形成されている。各接触部71の突出量は、凸部70の突出量よりも若干少ない。支持体7は、複数の接触部71とケース2の内側面との間に生じる摩擦力により、ケース2に対して強固に保持される。
【0050】
支持体7の内側面(光軸L1側の面)は、黒色のグレア抑制面として形成されている。すなわち、ケース2の内側面のうち光学部材4より光出射側の部分は、支持体7のグレア抑制面で覆われる。これにより、ケース2の内側面におけるグレアが抑制される。グレア抑制面は、例えば、支持体7の内側面を黒色に塗装して艶消し処理を施すことにより実現される。あるいは、グレア抑制面は、黒色に塗装した面、又は、黒色の部材からなる面に、シボ加工を施すことによって実現されてもよい。なお、本実施形態の支持体7は、図4に示すように、その内側面に、グレアをさらに抑制するための複数の段部72を備える。
【0051】
また、支持体7は、図3及び図4に示すように、その内側面に溝部73と複数の突起74(図3では1つのみ図示)とを備える。溝部73は、支持体7のz軸方向負側における周縁端において、径方向の外方へ窪むように形成されている。溝部73は、支持体7の周方向に沿って連続的に設けられている。複数の突起74は、光軸L1側に向かって突出する。複数の突起74は、溝部73よりもz軸方向正側において、溝部73に沿って等間隔で配置されている。
【0052】
ホルダー6が支持体7内に収容されたときに後述するホルダー6の突出部61が溝部73に嵌まり合うことで、ホルダー6が支持体7内において着脱可能に取り付けられる。また、突出部61が溝部73に嵌まり合うと同時に、複数の突起74がホルダー6の外側面にある凹所62に入り込むため、ホルダー6が支持体7に対して強固に保持される。
【0053】
(2.1.8)ホルダーと弾性部材
ホルダー6は、図1図3及び図4に示すように、両端が開口した中空筒状の部材であり、ケース2の内側に配置される。ホルダー6は、一例として略円筒形状に形成されている。ホルダー6は、配光部材5が光学部材4から所定の距離D1だけ離れた状態を保つように、配光部材5を内部で保持する。ホルダー6は、支持体7内に着脱可能に取り付けられる。ホルダー6は、支持体7内に取り付けられたとき、ホルダー6の外側面が支持体7の内側面を覆うように配置される。ホルダー6の軸方向は、光軸L1と平行である。以下、ホルダー6についてより詳細に説明する。
【0054】
ホルダー6は、図1及び図3に示すように、z軸方向における両端部として、第1端部6aと、第2端部6bと、を備える。第1端部6aは、z軸方向負側の端部であって、光学部材4と対向する。第2端部6bは、z軸方向正側の端部であって、開口部20と隣接する。第1端部6aは、光学部材4を透過した光が入射する入射口を有する。第2端部6bは、光が出射する出射口を有する。
【0055】
ホルダー6は、図1図3及び図4に示すように、第2端部6b付近において、配光部材5を保持するための第1保持溝60を有する。第1保持溝60は、配光部材5が光学部材4から所定の距離D1だけ離れるように、ホルダー6の内側面に設けられている。第1保持溝60は、ホルダー6の内側面において、ホルダー6の径方向の外方へ窪むように形成されている。第1保持溝60は、ホルダー6の周方向に沿って連続的に設けられている。第1保持溝60は、断面矩形状に窪んでいる。第1保持溝60のz軸方向における寸法(幅寸法)は、配光部材5の厚み寸法よりも若干大きい。略円板状の配光部材5は、その周縁部が周方向にわたって第1保持溝60に嵌め合わされることで、ホルダー6に保持される。
【0056】
ホルダー6は、第2端部6bがケース2の開口部20よりも外側に突出しないように配置されている。図1示すように、第2端部6bの端面63と支持体7の周縁端の端面75とは、開口部20から外部に露出する面であるため、互いに略面一であることが好ましい。この場合、見栄えのよい照明器具1を提供することができる。
【0057】
また、ホルダー6は、図3及び図4に示すように、径方向における外側に突出する突出部61を有する。突出部61は、支持体7の溝部73と嵌まり合うように構成されている。突出部61は、第1端部6aの外側面に設けられている。突出部61は、フランジ状に第1端部6aの周方向に沿って連続的に設けられている。
【0058】
ホルダー6は、図3に示すように、第1端部6a付近において、弾性部材8を保持するための第2保持溝64を有する。第2保持溝64は、ホルダー6の内側面において、第1端部6aよりもz軸方向正側に設けられている。第2保持溝64は、ホルダー6の内側面において、ホルダー6の径方向の外方へ窪むように形成されている。第2保持溝64は、ホルダー6の周方向に沿って連続的に設けられている。第2保持溝64は、断面円弧状に窪んでいる。弾性部材8は、第2保持溝64に嵌め合わされることで、ホルダー6の内部で保持される。なお、ホルダー6の、第2保持溝64が形成されている内側面とは反対側の外側面には、支持体7の複数の突起74が入り込むための凹所62が設けられている。
【0059】
ホルダー6は、エラストマー(例えばシリコーン樹脂)によって形成されている。この場合、ホルダー6を弾性変形させることができる。そのため、配光部材5をホルダー6に取り付ける際には、例えば第2端部6bの出射口が拡がるように第2端部6bを撓ませながら、配光部材5の周縁部をホルダー6の第1保持溝60に容易に嵌め込むことができる。
【0060】
弾性部材8は、支持体7に対するホルダー6の保持状態をより安定化するためのものである。弾性部材8は、例えば金属材料などによって略C字状に形成されて弾性変形し得る。弾性部材8は、図4に示すように、一対の把持部80と、3つの凸部81と、を備える。なお、図4では、弾性部材8は斜視図として示されて、一方、他の構成部材(例えば、ケース2、配光部材5、ホルダー6及び支持体7等)は斜視断面図として示されている。
【0061】
C字状の弾性部材8の両端は、内側(光軸L1側)へ折り曲げられており、この折り曲げられた部分が、一対の把持部80に相当する。なお、把持部80は必須ではない。
【0062】
また、弾性部材8が3箇所で部分的に内側へ略三角形状に窪むように折り曲げられており、これらの折り曲げられた部分が、3つの凸部81に相当する。なお、凸部81は必須ではない。凸部81の数も特に限定されるものではない。
【0063】
一対の把持部80は、弾性部材8の取付け及び取外しの際に、作業者が弾性部材8を弾性変形させるために把持する部分である。作業者は、例えば一対の把持部80が互いに接近するように指で一対の把持部80に力を加えると、弾性部材8の径寸法が小さくなるように弾性変形させることができる。
【0064】
3つの凸部81は、弾性部材8をホルダー6の内部に挿入する際に、弾性部材8の位置を調整するために用いられる部分である。作業者は、例えば指などで弾性部材8の周方向に沿っていずれかの凸部81に力を加えることで、ホルダー6の第2保持溝64内における弾性部材8の位置を調整することができる。
【0065】
(2.2)取付手順
以下、配光部材5をケース2側へ取り付ける手順を説明する。作業者は、一例として、ホルダー6をケース2内の支持体7に取り付けてから、弾性部材8をホルダー6の第2保持溝64に嵌め合わせて、その後に配光部材5をホルダー6の第1保持溝60に嵌め合わせてもよい。
【0066】
この場合、作業者は、まずホルダー6をその径方向における内側へ弾性変形させながらケース2内へ挿入して、ホルダー6の突出部61を支持体7の溝部73に嵌め込む。次に、弾性部材8をその径寸法が小さくなるように指で力を加えることにより弾性変形させた状態で、ホルダー6の内部に挿入する。そして、ホルダー6の内部の所定の位置で弾性部材8に加えていた力を解除することで、弾性部材8を弾性復帰させて第2保持溝64に嵌め合わせる。
【0067】
第2保持溝64内の弾性部材8は、ホルダー6を内側から外側(支持体7及びケース2側)に押す状態が維持される。したがって、溝部73に嵌まり合った突出部61とともに、ホルダー6がより安定的に支持体7に保持される。最後に、作業者は、ホルダー6の第2端部6bをz軸方向正側へ撓ませながら、配光部材5をホルダー6の第1保持溝60に嵌め込むことで、配光部材5がホルダー6に保持される。
【0068】
このようにして、ホルダー6は、配光部材5が光学部材4から所定の距離D1だけ離れた状態を保つように、配光部材5を内部で保持することができる。特に、ホルダー6は、支持体7に対して着脱可能に取り付けられる構造を有しているため、実際に照明器具1を利用するユーザでも、用途に合わせて容易に配光部材5を取り付けたり、取り外したりすることができる。例えば、不快グレアの抑制が不要である照明空間に照明器具1が配置される場合には、ユーザが適宜に配光部材5のみを、あるいはホルダー6と合わせて配光部材5を取り外すことができる。
【0069】
(3)変形例
以下、上述した照明器具1(以下、単に「基本例」とよぶ)に対する変形例として照明器具1Aについて図5及び図6を参照しながら説明する。ただし、基本例と同じ構成要素については同じ参照符号を付与して適宜に説明を省略する。
【0070】
照明器具1Aは、基本例における配光部材5を保持するホルダー6、及びホルダー6を支持する支持体7を備えていない点で、基本例と異なる。すなわち、照明器具1Aは、照明器具1のホルダー6及び支持体7の代わりに、図5及び図6に示すように、一対の第1弾性部材11及び第2弾性部材12を備える。また、照明器具1Aのケース2Aは、第1弾性部材11及び第2弾性部材12をそれぞれ直接保持するための第1凹部25及び第2凹部26を備える。
【0071】
照明器具1Aの器具本体100Aは、光源3と、基台9と、反射部材10と、光学部材4と、配光部材5Aと、第1及び第2弾性部材11,12と、これらを内部に収容するケース2Aと、を備える。
【0072】
配光部材5Aは、基本例の配光部材5と同様にハニカム構造を有する。すなわち、配光部材5Aは、複数の筒体50を有する。言い換えると、配光部材5Aは、厚み方向に貫通する複数の導光孔51を有する。配光部材5Aの厚み寸法は、基本例の配光部材5の厚み寸法と略同じである。ただし、配光部材5Aの外径寸法は、基本例の配光部材5の外径寸法よりも大きい。言い換えると、配光部材5Aの筒体50の数は、基本例の配光部材5の導光孔51の数よりも多い。
【0073】
ケース2Aの第1凹部25は、光学部材4よりもz軸方向正側におけるケース2Aの内側面において、ケース2Aの径方向の外方へ窪むように形成されている。第1凹部25は、ケース2Aの周方向に沿って連続的に設けられている。第1凹部25は、例えば断面矩形状に窪んでいる。第1凹部25のz軸方向における寸法(幅寸法)は、第1弾性部材11の厚み寸法よりも若干大きい。第1弾性部材11は、その周方向にわたって第1凹部25に嵌め合わされることで、ケース2Aの内部で保持される。
【0074】
ケース2Aの第2凹部26は、第1凹部25よりもz軸方向正側におけるケース2Aの内側面において、ケース2Aの径方向の外方へ窪むように形成されている。第2凹部26は、ケース2Aの開口部20付近に設けられている。第2凹部26は、ケース2Aの周方向に沿って連続的に設けられている。第2凹部26は、例えば断面矩形状に窪んでいる。第2凹部26のz軸方向における寸法(幅寸法)は、第2弾性部材12の厚み寸法よりも若干大きい。第2弾性部材12は、その周方向にわたって第2凹部26に嵌め合わされることで、ケース2Aの内部で保持される。光軸L1の方向における第1凹部25及び第2凹部26間の距離は、配光部材5Aの厚み寸法よりも若干大きい。
【0075】
第1及び第2弾性部材11,12は、配光部材5Aが光学部材4から所定の距離D1だけ離れるように、それらの間で配光部材5Aを保持する。第1及び第2弾性部材11,12は、互いに同形及び同寸法であり、例えば金属材料などによって略C字状に形成されて弾性変形し得る。
【0076】
第1弾性部材11は、図6に示すように、3つの支持突起11aを備える。同様に、第2弾性部材12は、図6に示すように、3つの支持突起12aを備える。なお、図6では、第1及び第2弾性部材11,12は斜視図として示されて、一方、他の構成部材(例えば、ケース2A及び配光部材5A等)は斜視断面図として示されている。
【0077】
第1及び第2弾性部材11,12の外径は、第1及び第2弾性部材11,12がそれぞれ第1凹部25及び第2凹部26内に収まったときに弾性復帰力によりケース2Aを外方に押す程度に、ケース2Aの内径よりも若干大きい。
【0078】
第1弾性部材11は、3箇所で部分的に内側へ略三角形状に窪むように折り曲げられており、これらの折り曲げられた部分が、3つの支持突起11aに相当する。同様に、第2弾性部材12は、3箇所で部分的に内側へ略三角形状に窪むように折り曲げられており、これらの折り曲げられた部分が、3つの支持突起12aに相当する。
【0079】
第1及び第2弾性部材11,12間に配置された配光部材5Aは、3つの支持突起11a及び3つの支持突起12aによって、z軸方向正側及び負側への移動が規制される。支持突起11a及び支持突起12aの数は、特に限定されるものではない。支持突起11a及び支持突起12aの数は、多いほど安定的に配光部材5Aを支持することができる。一方で、支持突起11a及び支持突起12aの数が多すぎると、これらの支持突起が光源3からの光を遮る要因となり得るため、図示例のようにそれぞれ3つ程度が望ましい。
【0080】
なお、支持突起11a及び支持突起12aは、第1及び第2弾性部材11,12をそれぞれケース2Aの内部に挿入する際に、これらの弾性部材の位置を調整するための機能も有する。作業者は、例えば指などで第1弾性部材11の周方向に沿っていずれかの支持突起11aに力を加えることで、ケース2Aの第1凹部25内の第1弾性部材11の位置を調整することができる。
【0081】
このような変形例においても、基本例と同様に、不快グレアを低減しつつ、発光効率の低下を抑えてさらに光源3に起因する輻射熱又は伝導熱による信頼性の低下を抑制することができる。
【0082】
また、この変形例においては、基本例と違ってホルダー6及び支持体7を備えていないことから、基本例の配光部材5の外径寸法に比べて配光部材5Aの外径寸法を増やすことができる。要するに、基本例のケース2に比べてケース2Aの外形寸法を変えることなく、配光部材5Aの筒体50の数を、基本例の筒体50の数よりも増やすことができるため、より効果的に不快グレアの低減を行うことができる。
【0083】
(3.1)変形例の取付手順
以下、配光部材5Aをケース2A側へ取り付ける手順を説明する。作業者は、一例として、第1弾性部材11をケース2A内に取り付けて、配光部材5Aをケース2A内に挿入し、最後に第2弾性部材12をケース2A内に取り付けてもよい。
【0084】
この場合、作業者は、まず、第1弾性部材11をその径寸法が小さくなるように指で力を加えることにより弾性変形させた状態で、ケース2Aの内部に挿入する。そして、ケース2Aの内部の所定の位置で第1弾性部材11に加えていた力を解除することで、第1弾性部材11を弾性復帰させて第1凹部25に嵌め合わせる。
【0085】
続いて、作業者は、配光部材5Aをケース2Aの内部に挿入して、第1弾性部材11の3つの支持突起11aの上に載せ置く。最後に、作業者は、第2弾性部材12をその径寸法が小さくなるように指で力を加えることにより弾性変形させた状態で、ケース2Aの内部に挿入する。そして、ケース2Aの内部の所定の位置で第2弾性部材12に加えていた力を解除することで、第2弾性部材12を弾性復帰させて第2凹部26に嵌め合わせる。その結果、配光部材5Aがケース2A内部で保持される。
【0086】
このようにして、第1及び第2弾性部材11,12は、配光部材5Aが光学部材4から所定の距離D1だけ離れた状態を保つように、配光部材5Aを保持することができる。特に、第1及び第2弾性部材11,12は、ケース2Aに対して着脱可能に取り付けられる構造を有しているため、実際に照明器具1Aを利用するユーザでも、用途に合わせて容易に配光部材5Aを取り付けたり、取り外したりすることができる。例えば、不快グレアの抑制が不要である照明空間に照明器具1Aが配置される場合には、ユーザが適宜に配光部材5、第1及び第2弾性部材11,12を取り外すことができる。
【0087】
(4)利点
以上説明したように、第1の態様に係る照明器具(1,1A)は、筒状のケース(2,2A)と、光源3と、光学部材4と、配光部材(5,5A)と、を備える。ケース(2,2A)は、一端に開口部20を有する。光源3は、ケース(2,2A)内に収容される。光学部材4は、透光性を有し、ケース(2,2A)内において開口部20と光源3との間に配置される。配光部材(5,5A)は、光源3から光学部材4を通じて放射された光の配光を制御する。
【0088】
配光部材(5,5A)は、複数の筒体50を有する。複数の筒体50の各々は、第1端50a及び第2端50bが開口した中空の筒状に形成されて、光源3から開口部20に向かう光の光軸L1に沿って延びる内側面50cを有する。複数の筒体50の各々の第1端50aは、光学部材4と対向し、複数の筒体50の各々の第2端50bは、開口部20と対向する。配光部材(5,5A)は、開口部20と光学部材4との間において、光学部材4から所定の距離D1だけ離れるように配置されている。この構成によれば、不快グレアを低減しつつ、発光効率の低下を抑えてさらに光源3に起因する輻射熱又は伝導熱による信頼性の低下を抑制することができる。
【0089】
第2の態様に係る照明器具(1,1A)に関して、第1の態様において、所定の距離D1は、第1端50aから第2端50bまでの距離以上であることが好ましい。この構成によれば、光源3に起因する輻射熱又は伝導熱による信頼性の低下をさらに抑制することができる。
【0090】
第3の態様に係る照明器具1は、第1の態様又は第2の態様において、さらに、両端が開口した中空筒状のホルダー6を備えることが好ましい。ホルダー6は、配光部材5が光学部材4から所定の距離D1だけ離れた状態を保つように、配光部材5を内部で保持することが好ましい。この構成によれば、配光部材5が光学部材4から所定の距離D1だけ離れた状態をより安定的に保つことができる。
【0091】
第4の態様に係る照明器具1は、第3の態様において、さらに、両端が開口した中空筒状の支持体7を備えることが好ましい。支持体7の外側面は、開口部20と光学部材4との間におけるケース2の内側面を覆うことが好ましい。支持体7は、支持体7の内部でホルダー6を着脱可能に支持することが好ましい。この構成によれば、ホルダー6とともに配光部材5の取り付け及び取り外しを適宜に行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0092】
第5の態様に係る照明器具1に関して、第4の態様において、ホルダー6は、径方向における外側に突出する突出部61を有することが好ましい。支持体7は、突出部61が嵌まり合う溝部73を有することが好ましい。この構成によれば、支持体7に対するホルダー6の取り付け及び取り外し作業をさらに容易とすることができる。
【0093】
第6の態様に係る照明器具(1,1A)に関して、第1〜第5の態様のいずれかにおいて、複数の筒体50の各々は、六角筒状に形成されることが好ましい。配光部材(5,5A)は、複数の筒体50が結合されたハニカム構造を有することが好ましい。この構成によれば、配光部材(5,5A)による不快グレアの抑制をさらに向上させることができる。
【符号の説明】
【0094】
1,1A 照明器具
2,2A ケース
20 開口部
3 光源
4 光学部材
5,5A 配光部材
50 筒体
50a (筒体の)第1端
50b (筒体の)第2端
50c (筒体の)内側面
6 ホルダー
61 突出部
7 支持体
73 溝部
D1 所定の距離
L1 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6