特許第6793335号(P6793335)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793335
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】充電アダプタ
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20201119BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20201119BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   H02J7/00 303C
   H01M2/10 U
   B25F5/00 H
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-9762(P2017-9762)
(22)【出願日】2017年1月23日
(65)【公開番号】特開2018-121401(P2018-121401A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2019年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】岡田 昌彰
【審査官】 杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−110202(JP,A)
【文献】 特開2012−119109(JP,A)
【文献】 特開2015−082931(JP,A)
【文献】 独国実用新案第202015006622(DE,U1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0121783(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0380963(US,A1)
【文献】 国際公開第98/039831(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/142458(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
H01M 2/10
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動工具本体に着脱可能な第1装着部を有する第1バッテリパックを取り付けるための第1取付部と、
電動工具本体に着脱可能な第2装着部を有する第2バッテリパックを取り付けるための第2取付部と、
前記第1取付部に第1バッテリパックの第1装着部が取り付けられ、前記第2取付部に第2バッテリパックの第2装着部が取り付けられた状態で、第1バッテリパックを電源として第2バッテリパックを充電する充電制御部と、
前記充電制御部による充電を制御する処理部と、を備え
前記第1取付部および前記第2取付部は同一構造を有し、複数の公称電圧のバッテリパックを取付可能に構成されている、
ことを特徴とする充電アダプタ。
【請求項2】
前記第1取付部には、第1バッテリパックの第1装着部に設けられた電源端子および信号端子と接続する電源端子および信号端子が設けられ、
前記第2取付部には、第2バッテリパックの第2装着部に設けられた電源端子および信号端子と接続する電源端子および信号端子が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の充電アダプタ。
【請求項3】
前記処理部は、第1バッテリパックの二次電池に関する情報および第2バッテリパックの二次電池に関する情報にもとづいて、前記充電制御部による充電を制御する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の充電アダプタ。
【請求項4】
第1バッテリパックの電圧または電流を検出する第1検出部と、
第2バッテリパックの電圧または電流を検出する第2検出部と、をさらに備え、
前記処理部は、前記第1検出部の検出値および前記第2検出部の検出値にもとづいて、前記充電制御部による充電を制御する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の充電アダプタ。
【請求項5】
充電が終了したことを報知する報知部を、さらに備える、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の充電アダプタ。
【請求項6】
前記報知部は、充電の終了態様に応じて、報知態様を異ならせる、
ことを特徴とする請求項5に記載の充電アダプタ。
【請求項7】
前記報知部は、第1バッテリパックまたは第2バッテリパックの少なくとも一方の残容量を報知する、
ことを特徴とする請求項5または6に記載の充電アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具用のバッテリパックの充電アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電動工具用のバッテリパックを充電するためのコードレス充電器であって、互いに着脱可能なバッテリユニットとアダプタユニットにより構成されるコードレス充電器を開示する。バッテリパックは、工具本体に取り付けられた状態で外部に露出する充電器接続部を有し、アダプタユニットは、バッテリパックの充電器接続部と電気的に接続するためのパック接続部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−110202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工具本体に着脱可能なバッテリパックを備えたコードレスタイプの電動工具が普及している。工具本体は裏面にバッテリパックを取り付ける取付部を備え、取付部は、定められた公称電圧のバッテリパックのみが機械的に接続されるように構成されている。そのためユーザが工具本体を買い替える際に、新たに購入する工具本体がこれまで所有していたバッテリパックに対応しない場合には、新しい工具本体が要求する公称電圧のバッテリパックを購入する必要がある。
【0005】
しかしながら新しい工具本体には使用できなくても、電力供給能力に問題がないのであれば、古いバッテリパックを廃棄するのはもったいない。一般にバッテリパックの充電器は、バッテリパックの公称電圧に関係なく充電できるように構成されているため、古いバッテリパックを充電することに支障はない。本発明者は、古いバッテリパックを活用するための技術を模索した結果、古いバッテリパックのみならず、所有しているバッテリパックを有効活用するための技術を想到するに至った。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、バッテリパックを有効活用するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の充電アダプタは、電動工具本体に着脱可能な第1装着部を有する第1バッテリパックを取り付けるための第1取付部と、電動工具本体に着脱可能な第2装着部を有する第2バッテリパックを取り付けるための第2取付部と、第1取付部に第1バッテリパックの第1装着部が取り付けられ、第2取付部に第2バッテリパックの第2装着部が取り付けられた状態で、第1バッテリパックを電源として第2バッテリパックを充電する充電制御部と、充電制御部による充電を制御する処理部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バッテリパックを有効活用するための技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電動工具の側面図である。
図2】実施形態にかかる充電アダプタの外観構成例を示す図である。
図3】実施形態にかかる充電アダプタおよびバッテリパックの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、電動工具1の側面図である。電動工具1は、工具本体2と、二次電池を内蔵した着脱可能なバッテリパック10とを備える。工具本体2の外装を構成するハウジングは、有底筒形状の胴部3と、胴部3から下方に延出する把持部4と、把持部4の下方に形成される基部7とを有する。把持部4は、作業者が把持するグリップを形成し、把持部4の前面には作業者が操作する操作スイッチ5が設けられる。
【0011】
ハウジングの胴部3は、駆動部であるモータ、モータ回転を減速する減速機構、減速された回転数で回転する出力軸などの駆動伝達機構を収容する。胴部3の前方には、ドライバビットなどの先端工具を装着するための工具装着部6が設けられる。
【0012】
バッテリパック10は上面側に、工具本体2に着脱可能な装着部を有し、バッテリパック10の装着部が、基部7の裏面に設けられた取付部に機械的に取り付けられる。バッテリパック10の装着部には、正電圧端子および負電圧端子を含む電源端子と、信号端子が設けられ、また基部7の取付部にも、正電圧端子および負電圧端子を含む電源端子と、信号端子が設けられる。バッテリパック10の装着部が基部7の取付部に取り付けられると、正電圧端子同士、負電圧端子同士、信号端子同士が互いに接触して、電気的に接続される。これによりバッテリパック10は工具本体2に電力を供給し、また工具本体2に二次電池に関する情報を送信できるようになる。
【0013】
工具本体2の取付部は、所定の公称電圧のバッテリパック10の装着部にのみ取り付けられるように構成される。バッテリパック10の装着部の形状は、公称電圧ごとに定められ、したがって工具本体2に、要求する電圧と異なる公称電圧のバッテリパックを取り付けることはできない。そこで実施形態では、工具本体2に取り付けられないバッテリパックを有効活用するべく、かかるバッテリパックを電源として、工具本体2に取付可能なバッテリパックを充電する充電アダプタを提案する。なお実施形態の充電アダプタによれば電源とするバッテリパックは、工具本体2に取付可能なバッテリパックであってもよく、また充電されるバッテリパックを、工具本体2に取付不能なバッテリパックとすることも可能である。
【0014】
以下、電源とするバッテリパックを「第1バッテリパック」、充電されるバッテリパックを「第2バッテリパック」と呼ぶ。第1バッテリパックおよび第2バッテリパックの公称電圧は異なってよいが、同じであってもよい。なお第1バッテリパックを電源として第2バッテリパックを充電するためには、第1バッテリパックの電池電圧の方が、第2バッテリパックの電池電圧よりも高いことが前提となる。
【0015】
第1バッテリパックおよび第2バッテリパックは、電動工具本体に着脱可能な装着部をそれぞれ有する。第1バッテリパックの装着部を「第1装着部」、第2バッテリパックの装着部を「第2装着部」と呼ぶと、両バッテリパックの公称電圧が同じであれば、第1装着部および第2装着部は同じ形状を有し、両バッテリパックの公称電圧が異なれば、第1装着部および第2装着部は異なる形状を有する。
【0016】
図2は、実施形態にかかる充電アダプタの外観構成例を示す。充電アダプタ30は、電源となる第1バッテリパックを取り付けるための第1取付部42と、充電される第2バッテリパックを取り付けるための第2取付部44を備える。第1取付部42および第2取付部44は同一構造を有し、様々な公称電圧のバッテリパックを取付可能に構成されている。
【0017】
筐体の表面には、充電に関する情報を報知するための報知部40が設けられる。報知部40は、1つ以上のLEDにより構成されてよく、また液晶パネルにより構成されてもよい。報知部40は情報表示機能に加えて、音声出力機能を有してもよい。報知部40は、充電に関する情報として、充電が終了したことや、第1バッテリパックまたは第2バッテリパックの少なくとも一方の残容量を報知してよい。
【0018】
図3は、実施形態にかかる充電アダプタおよびバッテリパックの機能ブロックを示す。充電アダプタ30は、第1バッテリパック10aからの電力により動作する。
【0019】
電源として用いられる第1バッテリパック10aは、複数の直列接続された電池セルから構成される二次電池12a、電池温度を検出する電池温度検出部14a、二次電池12aに関する情報を記憶する電池情報記憶部16aおよび情報出力部18aを備える。電池情報記憶部16aは、たとえば第1バッテリパック10aの識別情報(パックID)、二次電池12aの公称電圧、放電終止電圧、充電終止電圧などを記憶する。なお放電終止電圧および充電終止電圧は、二次電池保護のために定められた電池電圧の下限値および上限値である。情報出力部18aは、電池情報記憶部16aに記憶された情報および電池温度検出部14aの検出値を充電アダプタ30に出力する。
【0020】
同様に、充電される第2バッテリパック10bは、複数の直列接続された電池セルから構成される二次電池12b、電池温度を検出する電池温度検出部14b、二次電池12bに関する情報を記憶する電池情報記憶部16bおよび情報出力部18bを備える。電池情報記憶部16bは、たとえば第2バッテリパック10bのパックID、二次電池12bの公称電圧、放電終止電圧、充電終止電圧などを記憶する。情報出力部18bは、電池情報記憶部16bに記憶された情報および電池温度検出部14bの検出値を充電アダプタ30に出力する。
【0021】
第1バッテリパック10aは、電動工具本体に着脱可能な第1装着部26aを有する。第1バッテリパック10aを充電アダプタ30に取り付ける際、第1装着部26aが充電アダプタ30の第1取付部42に取り付けられる。第1装着部26aには、正電圧端子20aおよび負電圧端子22aからなる電源端子と、信号端子24aが設けられる。
【0022】
第2バッテリパック10bは、電動工具本体に着脱可能な第2装着部26bを有する。第2バッテリパック10bを充電アダプタ30に取り付ける際、第2装着部26bが充電アダプタ30の第2取付部44に取り付けられる。第2装着部26bには、正電圧端子20bおよび負電圧端子22bからなる電源端子と、信号端子24bが設けられる。
【0023】
充電アダプタ30は、第1取付部42および第2取付部44を有する。第1取付部42には、正電圧端子46および負電圧端子50からなる電源端子と、信号端子54が設けられる。第1取付部42に、第1バッテリパック10aの第1装着部26aが取り付けられると、正電圧端子20aおよび正電圧端子46、負電圧端子22aおよび負電圧端子50、信号端子24aおよび信号端子54が、互いに接触して電気的に接続される。
【0024】
第2取付部44には、正電圧端子48および負電圧端子52からなる電源端子と、信号端子56が設けられる。第2取付部44に第2バッテリパック10bの第2装着部26bが取り付けられると、正電圧端子20bおよび正電圧端子48、負電圧端子22bおよび負電圧端子52、信号端子24bおよび信号端子56が、互いに接触して電気的に接続される。
【0025】
実施形態の充電アダプタ30によると、第1バッテリパック10aが備える第1装着部26aおよび第2バッテリパック10bが備える第2装着部26bを、そのまま充電アダプタ30の第1取付部42および第2取付部44に取り付けることができる。そのため第1バッテリパック10aおよび第2バッテリパック10bの構造に変更を加えることなく、充電アダプタ30は、第1バッテリパック10aを電源として第2バッテリパック10bを充電できる。
【0026】
充電制御部38は、第1取付部42に第1装着部26aが取り付けられ、第2取付部44に第2装着部26bが取り付けられた状態で、第1バッテリパック10aを電源として第2バッテリパック10bを充電する。充電制御部38は、トランジスタまたはMOS FETなどのスイッチング素子により構成され、処理部32は、充電制御部38による充電を制御する。
【0027】
第1検出部34は、二次電池12aの電池電圧を検出し、処理部32に供給する。第2検出部36は、二次電池12bの電池電圧を検出し、処理部32に供給する。なお実施形態では第1検出部34および第2検出部36が、それぞれ二次電池12a、二次電池12bの電池電圧を検出するが、別の例では、二次電池12a、二次電池12bの出力電流を検出してもよい。処理部32は、第1検出部34の検出値および第2検出部36の検出値にもとづいて、充電制御部38による充電を制御する機能をもつ。
【0028】
第1取付部42に第1バッテリパック10aが取り付けられると、情報出力部18aは電池情報記憶部16aに記憶された二次電池12aに関する情報を処理部32に出力する。処理部32は、二次電池12aに関する情報を、信号端子24aおよび信号端子54を介して取得する。取得した情報には、第1バッテリパック10aのパックID、二次電池12aの公称電圧、放電終止電圧、充電終止電圧が含まれる。
【0029】
同様に、第2取付部44に第2バッテリパック10bが取り付けられると、情報出力部18bは電池情報記憶部16bに記憶された二次電池12bに関する情報を処理部32に出力する。処理部32は、二次電池12bに関する情報を、信号端子24bおよび信号端子56を介して取得する。取得した情報には、第2バッテリパック10bのパックID、二次電池12bの公称電圧、放電終止電圧、充電終止電圧が含まれる。
【0030】
第1バッテリパック10aを電源として第2バッテリパック10bを充電するためには、二次電池12aの電池電圧が二次電池12bの電池電圧よりも高い必要がある。処理部32は、第1検出部34の検出値および第2検出部36の検出値にもとづいて、充電制御部38による充電を制御する。ここで第1検出部34により検出された電池電圧が第2検出部36により検出された電池電圧よりも低ければ、処理部32は、充電不能であると判定して、充電制御部38による充電を行わない。
【0031】
第1検出部34により検出された電池電圧が第2検出部36により検出された電池電圧よりも高い場合、処理部32は、充電制御部38のスイッチング素子を制御して充電を開始する。充電開始後、処理部32は、二次電池12aに関する情報および二次電池12bに関する情報にもとづいて、充電制御部38による充電を制御する。
【0032】
充電開始後、処理部32は、二次電池12bの電池電圧と二次電池12bの充電終止電圧を比較し、二次電池12bの電池電圧が充電終止電圧に到達すると、二次電池12bの充電完了を判定して、充電制御部38による充電を停止させる。
【0033】
なお充電中に処理部32は、二次電池12aの電池電圧と二次電池12aの放電終止電圧を比較する。二次電池12aの電池電圧が放電終止電圧まで下がると、処理部32は、充電制御部38による充電を強制停止させる。このとき二次電池12bは満充電となっていないが、処理部32は充電を強制停止させることで、二次電池12aの電池特性の劣化を防ぐ。
【0034】
また処理部32は、充電中に、電池温度検出部14aの検出値および電池温度検出部14bの検出値を監視する。電池温度検出部14aの検出値である二次電池12aの電池温度、電池温度検出部14bの検出値である二次電池12bの電池温度は、周期的に処理部32に出力されることが好ましい。処理部32は、二次電池12aまたは二次電池12bのいずれかの電池温度が所定の温度に達すると、充電制御部38による充電をただちに強制停止させる。これにより処理部32は、二次電池12aおよび/または二次電池12bの電池特性の劣化を防ぐ。
【0035】
報知部40は、充電が終了したことを報知する。処理部32は、充電が終了した場合に、報知部40を制御して、充電終了を報知させる。なお充電アダプタ30においては、上記したように様々な態様で充電が終了する。そのため報知部40は、充電の終了態様に応じて、報知態様を異ならせることが好ましい。たとえば報知部40は、LEDの発光色で充電の報知態様を異ならせてもよく、複数LEDを有する場合には充電の終了態様に応じて点灯させるLEDを異ならせてもよい。ユーザは、充電終了の報知態様により、充電がどのように終了したかを認識できる。
【0036】
特に、電池温度が高温となったために充電が終了した場合には、電池温度が下がった後に、処理部32は充電を再実行する。そのため報知部40は、ユーザが他の態様の充電終了と区別できるように、充電を一時停止中であることを知らせることが好ましい。
【0037】
また処理部32は、充電中に第1バッテリパック10aまたは第2バッテリパック10bの少なくとも一方の残容量を報知部40から報知させてもよい。報知部40は、容量表示のインジケータを有し、二次電池12aまたは二次電池12bの少なくとも一方の残容量を表示してよい。報知部40が残容量を報知することで、ユーザは、充電状況を把握できるようになる。
【0038】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0039】
実施形態では、処理部32が、二次電池に関する情報として、パックID、公称電圧、放電終止電圧、充電終止電圧を取得することを説明した。変形例では、処理部32は二次電池に関する情報としてパックIDのみを取得し、図示しないデータベースから、パックIDに対応付けられた公称電圧等を取得してもよい。また処理部32は電池電圧にもとづいて、公称電圧等を取得してもよい。
【0040】
実施形態では、第1取付部42に取り付けられた第1バッテリパック10aを電源として第2取付部44に取り付けられた第2バッテリパック10bを充電することを説明した。変形例では、充電制御部38が双方向の充電を可能とするスイッチング素子を備え、処理部32が、充電方向を適宜設定できるようにしてもよい。この場合、ユーザは、第1バッテリパック10aおよび第2バッテリパック10bを第1取付部42および第2取付部44のいずれに取り付けてもよく、処理部32による制御により充電制御部38は、第1バッテリパック10aを電源として、第2バッテリパック10bを充電することが可能となる。
【0041】
本発明の一態様の概要は、次の通りである。
本発明のある態様の充電アダプタ(30)は、電動工具本体に着脱可能な第1装着部(26a)を有する第1バッテリパック(10a)を取り付けるための第1取付部(42)と、電動工具本体に着脱可能な第2装着部(26b)を有する第2バッテリパック(10b)を取り付けるための第2取付部(44)と、第1取付部(42)に第1バッテリパックの第1装着部(26a)が取り付けられ、第2取付部(44)に第2バッテリパックの第2装着部(26b)が取り付けられた状態で、第1バッテリパックを電源として第2バッテリパックを充電する充電制御部(38)と、充電制御部(38)による充電を制御する処理部(32)と、を備える。
【0042】
第1取付部(42)には、第1バッテリパック(10a)の第1装着部(26a)に設けられた電源端子(20a,22a)および信号端子(24a)と接続する電源端子(46,50)および信号端子(54)が設けられ、第2取付部(44)には、第2バッテリパック(10b)の第2装着部(26b)に設けられた電源端子(20b,22b)および信号端子(24b)と接続する電源端子(48,52)および信号端子(56)が設けられてよい。
【0043】
処理部(32)は、第1バッテリパックの二次電池(12a)に関する情報および第2バッテリパックの二次電池(12b)に関する情報にもとづいて、充電制御部(38)による充電を制御してよい。
【0044】
充電アダプタ(30)は、第1バッテリパックの電圧または電流を検出する第1検出部(34)と、第2バッテリパックの電圧または電流を検出する第2検出部(36)とをさらに備え、処理部(32)は、第1検出部の検出値および第2検出部の検出値にもとづいて、充電制御部(38)による充電を制御してよい。
【0045】
充電アダプタ(30)は、充電が終了したことを報知する報知部(40)をさらに備えてよい。報知部(40)は、充電の終了態様に応じて、報知態様を異ならせてよい。また報知部(40)は、第1バッテリパックまたは第2バッテリパックの少なくとも一方の残容量を報知してよい。
【符号の説明】
【0046】
10a・・・第1バッテリパック、10b・・・第2バッテリパック、12a,12b・・・二次電池、14a,14b・・・電池温度検出部、16a,16b・・・電池情報記憶部、18a,18b・・・情報出力部、20a,20b・・・正電圧端子、22a,22b・・・負電圧端子、24a,24b・・・信号端子、26a・・・第1装着部、26b・・・第2装着部、30・・・充電アダプタ、32・・・処理部、34・・・第1検出部、36・・・第2検出部、38・・・充電制御部、40・・・報知部、42・・・第1取付部、44・・・第2取付部、46,48・・・正電圧端子、50,52・・・負電圧端子、54,56・・・信号端子。
図1
図2
図3