特許第6793348号(P6793348)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793348
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】バスケットおよび自転車
(51)【国際特許分類】
   B62J 9/21 20200101AFI20201119BHJP
   B62J 6/02 20200101ALI20201119BHJP
【FI】
   B62J9/21
   B62J6/02
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-205144(P2015-205144)
(22)【出願日】2015年10月19日
(65)【公開番号】特開2016-28957(P2016-28957A)
(43)【公開日】2016年3月3日
【審査請求日】2018年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】小川 満
(72)【発明者】
【氏名】藤原 敏治
【審査官】 福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−127682(JP,U)
【文献】 特開2011−189797(JP,A)
【文献】 実開昭56−049687(JP,U)
【文献】 実開昭63−114793(JP,U)
【文献】 特開2011−037365(JP,A)
【文献】 特開2012−158262(JP,A)
【文献】 米国特許第07023177(US,B1)
【文献】 特開2013−052725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 9/21
B62J 6/02 − 6/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車に備えられるバスケットであって、
バスケット本体の格子状の底部に、付属器具に接続されたコードを保持するコード保持部材と、開口部とが設けられ、
コード保持部材は、バスケット本体の底部の開口部に下方から対向する保持部本体と、保持部本体の一端部に設けられてバスケット本体の底部に結合する結合部とを有し、
保持部本体とバスケット本体の底部との間に、コードを保持するための保持空間が形成され、
コードをバスケット本体の底部と保持部本体との間から保持空間に出し入れ可能になることを特徴とするバスケット。
【請求項2】
自転車に備えられるバスケットであって、
バスケット本体の底部はコードの長さ方向に長い複数本の第1部材を有し、
バスケット本体の底部に、付属器具に接続されたコードを保持するコード保持部材と、付属器具を取り付ける取付部とが設けられ、
コードの長さ方向と直交する方向において、コード保持部材は取付部又は第1部材に対向しており、
コード保持部材は、バスケット本体の底部に下方から対向する保持部本体と、保持部本体の一端部に設けられてバスケット本体の底部に結合する結合部とを有し、
保持部本体とバスケット本体の底部との間に、コードを保持するための保持空間が形成され、
コードをバスケット本体の底部と保持部本体との間から保持空間に出し入れ可能になることを特徴とするバスケット。
【請求項3】
自転車に備えられるバスケットであって、
バスケット本体の底部はコードの長さ方向に直交する方向に長い複数本の第2部材を有し、
バスケット本体の底部に、付属器具に接続されたコードを保持するコード保持部材が設けられ、
コード保持部材は、バスケット本体の底部に下方から対向する保持部本体と、保持部本体の一端部に設けられてバスケット本体の底部に結合する結合部とを有し、
保持部本体とバスケット本体の底部との間に、コードを保持するための保持空間が形成され、
コードの長さ方向においてコード保持部材から近い位置にある第2部材の下端からバスケット本体の底部までの高さは、コードの長さ方向においてコード保持部材から遠い位置にある第2部材の下端からバスケット本体の底部までの高さよりも低く、
コードをバスケット本体の底部と保持部本体との間から保持空間に出し入れ可能になることを特徴とするバスケット。
【請求項4】
バスケット本体の底部とコード保持部材の保持部本体との間隔がコードの太さよりも広いことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のバスケット。
【請求項5】
バスケット本体の底部に、付属器具を取り付ける取付部が設けられ、
付属器具の取付位置は、バスケット本体の底部に対して、コードの長さ方向に変更可能であり、
コード保持部材の結合部と突部とが、コードの長さ方向に直交する方向において、対向していることを特徴とする請求項4に記載のバスケット。
【請求項6】
コード保持部材は、コードの長さ方向において、バスケット本体の底部に複数設けられ、
コードの長さ方向において隣り同士となる一方のコード保持部材の向きと他方のコード保持部材の向きとが互いに逆であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のバスケット。
【請求項7】
バスケット本体の底部は、コードの長さ方向に長い複数本の第1部材とコードの長さ方向に直交する方向に長い複数本の第2部材とからなる格子状の構造を有していることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のバスケット。
【請求項8】
バスケット本体の底部に着座部が設けられ、
着座部の下端からバスケット本体の底部までの高さがコード保持部材の下端からバスケット本体の底部までの高さよりも高く設定され、
バスケットを載置面に載置した際、バスケット本体が着座部を介して載置面に支持されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のバスケット。
【請求項9】
付属器具は照明器具であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のバスケット。
【請求項10】
上記請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のバスケットがハンドルの前方に備えられた自転車であって、
付属器具がバスケット本体の底部に取り付けられ、
バスケットを下方から支持する支持部材と付属器具とが、共通の締結具によって、バスケット本体の底部に締結されていることを特徴とする自転車。
【請求項11】
バスケットはハンドルと共に換向自在であり、
コード保持部材は、前後方向においてバスケット本体の底部に複数設けられているとともに、ハンドルステムを通る前後方向の中心線に対して少なくとも左右いずれか一方に配置され、
コードは、上記中心線に対し左右いずれか一方において、バスケット本体の底部を前後方向に配線され、最も後方に位置するコード保持部材とハンドルステムとの間で上記中心線に対し左右一方から左右他方へ湾曲し、ハンドルステムの左右他方を通って後方へ配線され、
最も後方に位置するコード保持部材は、結合部が上記中心線から近い側となり、突部が上記中心線から遠い側となるように、設けられていることを特徴とする請求項10記載の自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスケットおよびバスケットを備えた自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のバスケットを備えた自転車としては、例えば、下記特許文献1に記載されているものがある。これによると、ハンドルの前方にバスケットが備えられ、バスケットは複数本の細長い線材で構成されている。バスケットの底部には取付金具が設けられ、取付金具の先端部にヘッドライトが設けられている。
【0003】
ここで、図15図16に示すように、ヘッドライト101(付属器具)にはコード102が接続され、コード102は、結束バンド103によって、バスケット104の底部を構成している線材105に締結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−225974
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記の従来形式では、結束バンド103を用いてコード102をバスケット104の底部の線材105に締結しているため、部品点数が増え、コード102の配線作業に手間を要するといった問題がある。
【0006】
本発明は、照明器具等の付属器具のコードの配線作業が迅速かつ容易に行え、部品点数を減らすことができるバスケットおよび自転車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本第1発明は、自転車に備えられるバスケットであって、
バスケット本体の格子状の底部に、付属器具に接続されたコードを保持するコード保持部材と、開口部とが設けられ、
コード保持部材は、バスケット本体の底部の開口部に下方から対向する保持部本体と、保持部本体の一端部に設けられてバスケット本体の底部に結合する結合部とを有し、
保持部本体とバスケット本体の底部との間に、コードを保持するための保持空間が形成され、
コードをバスケット本体の底部と保持部本体との間から保持空間に出し入れ可能になるものである。
【0008】
これによると、コード保持部材が撓むことによって、コードをバスケット本体の底部と突部との間から保持空間に嵌め込むことができ、嵌め込み後、コード保持部材が撓んだ状態から元の形状に戻ることにより、コードが保持空間に保持される。この際、バスケット本体の底部と突部との間隔がコードの太さよりも狭いため、コードが不用意に保持空間からコード保持部材の外部へ脱落するのを防止することができる。これにより、付属器具のコードの配線作業を迅速かつ容易に行うことができる。また、結束バンド等の結束専用部材を別途使用する必要はないため、部品点数を削減することができる。
【0009】
本第2発明は、自転車に備えられるバスケットであって、
バスケット本体の底部はコードの長さ方向に長い複数本の第1部材を有し、
バスケット本体の底部に、付属器具に接続されたコードを保持するコード保持部材と、付属器具を取り付ける取付部とが設けられ、
コードの長さ方向と直交する方向において、コード保持部材は取付部又は第1部材に対向しており、
コード保持部材は、バスケット本体の底部に下方から対向する保持部本体と、保持部本体の一端部に設けられてバスケット本体の底部に結合する結合部とを有し、
保持部本体とバスケット本体の底部との間に、コードを保持するための保持空間が形成され、
コードをバスケット本体の底部と保持部本体との間から保持空間に出し入れ可能になるものである。
本第3発明は、自転車に備えられるバスケットであって、
バスケット本体の底部はコードの長さ方向に直交する方向に長い複数本の第2部材を有し、
バスケット本体の底部に、付属器具に接続されたコードを保持するコード保持部材が設けられ、
コード保持部材は、バスケット本体の底部に下方から対向する保持部本体と、保持部本体の一端部に設けられてバスケット本体の底部に結合する結合部とを有し、
保持部本体とバスケット本体の底部との間に、コードを保持するための保持空間が形成され、
コードの長さ方向においてコード保持部材から近い位置にある第2部材の下端からバスケット本体の底部までの高さは、コードの長さ方向においてコード保持部材から遠い位置にある第2部材の下端からバスケット本体の底部までの高さよりも低く、
コードをバスケット本体の底部と保持部本体との間から保持空間に出し入れ可能になるものである。
本第4発明におけるバスケットは、バスケット本体の底部とコード保持部材の保持部本体との間隔がコードの太さよりも広いものである。
これによると、コード保持部材の保持空間に保持されているコードを、容易に、コードの長さ方向へ移動させることができる。これにより、付属器具の取付位置に応じて、コードを、容易に、コードの長さ方向へ調整することができる。このため、コードの配線作業をより一層迅速かつ容易に行うことができる。
【0010】
本第発明におけるバスケットは、バスケット本体の底部に、付属器具を取り付ける取付部が設けられ、
付属器具の取付位置は、バスケット本体の底部に対して、コードの長さ方向に変更可能であり、
コード保持部材の結合部と突部とが、コードの長さ方向に直交する方向において、対向しているものである。
【0011】
これによると、付属器具の取付位置をコードの長さ方向に変更する際、コード保持部材の保持空間に保持されているコードを、容易に、コードの長さ方向へ移動させることができる。このため、付属器具の取付位置を変更して最適な位置に調節する作業が迅速かつ容易に行える。
【0012】
本第発明におけるバスケットは、コード保持部材は、コードの長さ方向において、バスケット本体の底部に複数設けられ、
コードの長さ方向において隣り同士となる一方のコード保持部材の向きと他方のコード保持部材の向きとが互いに逆であるものである。
【0013】
これによると、コードが複数のコード保持部材の保持空間に保持されているとき、コードは、コードの長さ方向に直交する一方向へ移動しても、いずれかのコード保持部材の結合部に当接することで、上記一方向への移動が規制され、同様に、コードの長さ方向に直交する他方向へ移動しても、いずれか別のコード保持部材の結合部に当接することで、上記他方向への移動が規制される。
【0014】
これにより、コードが不用意に保持空間からコード保持部材の外部へ脱落するのを防止することができる。
本第発明におけるバスケットは、バスケット本体の底部は、コードの長さ方向に長い複数本の第1部材とコードの長さ方向に直交する方向に長い複数本の第2部材とからなる格子状の構造を有しているものである。
【0015】
本第発明におけるバスケットは、バスケット本体の底部に着座部が設けられ、
着座部の下端からバスケット本体の底部までの高さがコード保持部材の下端からバスケット本体の底部までの高さよりも高く設定され、
バスケットを載置面に載置した際、バスケット本体が着座部を介して載置面に支持されるものである。
【0016】
これによると、バスケットを床面や地面等の載置面に載置した際、コード保持部材が載置面から上方へ離間した状態で、バスケット本体が着座部を介して載置面に支持される。これにより、コード保持部材が載置面に当接せず、コード保持部材が載置面に押し付けられて変形や損傷する等の不具合を防止することができる。また、複数のバスケットを積み重ねた場合も同様に、コード保持部材の変形や損傷等を防止することができる。
【0017】
本第発明におけるバスケットは、付属器具は照明器具であるものである。
これによると、照明器具のコードの配線作業が迅速かつ容易に行える。
本第10発明は、上記第1発明から第発明のいずれか1項に記載のバスケットがハンドルの前方に備えられた自転車であって、
付属器具がバスケット本体の底部に取り付けられ、
バスケットを下方から支持する支持部材と付属器具とが、共通の締結具によって、バスケット本体の底部に締結されているものである。
【0018】
これによると、共通の締結具によって、支持部材と付属器具とをバスケット本体の底部に締結することができるため、部品点数を削減し、自転車の軽量化を図ることができる。
本第11発明における自転車は、バスケットはハンドルと共に換向自在であり、
コード保持部材は、前後方向においてバスケット本体の底部に複数設けられているとともに、ハンドルステムを通る前後方向の中心線に対して少なくとも左右いずれか一方に配置され、
コードは、上記中心線に対し左右いずれか一方において、バスケット本体の底部を前後方向に配線され、最も後方に位置するコード保持部材とハンドルステムとの間で上記中心線に対し左右一方から左右他方へ湾曲し、ハンドルステムの左右他方を通って後方へ配線され、
最も後方に位置するコード保持部材は、結合部が上記中心線から近い側となり、突部が上記中心線から遠い側となるように、設けられているものである。
【0019】
これによると、例えば、ハンドルを左右一方向へ換向した際、ハンドルと共にバスケットが左右一方向へ換向し、コードが左右他側方へ引っ張られることがある。この場合、コードが最も後方に位置するコード保持部材の結合部に当接することにより、最も後方に位置するコード保持部材からコードが不用意に脱落するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によると、照明器具等の付属器具のコードの配線作業が迅速かつ容易に行える。また、結束バンド等の結束専用部材を別途使用する必要はないため、部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態におけるバスケットを備えた自転車の前部の側面図である。
図2】同、自転車の前部の斜視図であり、バスケットの左右一側方を斜め下から見た様子を示す。
図3】同、自転車の前部の斜視図であり、バスケットの左右他側方を斜め下から見た様子を示す。
図4】同、自転車に備えられたバスケットの底部の拡大斜視図である。
図5】同、バスケットの底面図である。
図6】同、バスケットと照明器具と支持部材との連結部分の断面図である。
図7】同、バスケットと照明器具と支持部材との連結部分の分解斜視図である。
図8】同、バスケット単体を載置面に載置したときの正面図である。
図9】同、バスケットを備えた自転車の前部の平面図である。
図10】同、バスケットの底パネルの一部拡大底面図である。
図11】同、バスケットの底パネルの一部拡大平面図である。
図12図10におけるX−X矢視図である。
図13図10におけるY−Y矢視図である。
図14図11におけるZ−Z矢視図である。
図15】従来の自転車に備えられたバスケットの前底部の拡大断面図である。
図16図15におけるX−X矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1図4に示すように、1は電動自転車であり、ハンドル2の前方にはバスケット3が備えられている。バスケット3は、ヘッドパイプ4に設けられた連結金具5に取り付けられており、ハンドル2と共に左右へ換向自在である。
【0023】
また、前輪7の中心に設けられた前ハブ8のハブ軸には、バスケット3を下方から支持する支持部材9が前輪7を跨いで設けられている。さらに、バスケット3の底部前側には照明器具11(付属器具の一例)が設けられている。
【0024】
図1図3図5に示すように、バスケット3は、前パネル14と後パネル15と左右一対の側パネル16,17と底パネル18(底部の一例)とを有する樹脂(プラスチック等)製のバスケット本体3aからなり、上面が開放された四角箱状の部材である。
【0025】
底パネル18は、前後方向Aに細長い複数本の第1部材21と左右方向Bに細長い複数本の第2部材22とからなる格子状の構造を有している。これにより、底パネル18には、第1部材21と第2部材22とで囲まれた四角形状の開口部25が複数形成されている。同様に、前パネル14と後パネル15と側パネル16,17は、細長い複数本の部材が斜めに交差した格子状の構造を有している。
【0026】
また、底パネル18は、左右方向Bにおける中央部に、平板状の取付部23を前後方向Aにわたって有している。取付部23は照明器具11を取り付けるためのものであり、取付部23の前部には、前後方向Aに長い長穴24が形成されている。尚、取付部23は、ハンドル2を前向きにした際、ハンドルステム6を通る前後方向Aの中心線47上に位置する。
【0027】
図6図7に示すように、照明器具11は、前照灯27と、前照灯27の背後に設けられた取付用金具28とを有している。取付用金具28には、前後一対のねじ孔29と、下向きに窪んだ凹部30とが形成されている。尚、凹部30は、両ねじ孔29間に位置して、左右方向Bにわたって形成されている。
【0028】
支持部材9と照明器具11とは、共通の締結具33によって、バスケット本体3aの底パネル18の取付部23に締結されている。締結具33は、前後一対のねじ34と、締結用ホルダー36とを有している。締結用ホルダー36には前後一対の貫通孔37が形成されている。
【0029】
締結用ホルダー36がバスケット3の内側において取付部23の内面(上面)に当て付けられ、照明器具11の取付用金具28が下方から取付部23の外面(下面)に当て付けられ、支持部材9の上端部が取付用金具28の凹部30に嵌め込まれ、ねじ34が、上方から締結用ホルダー36の貫通孔37と取付部23の長穴24とに挿通され、取付用金具28のねじ孔29に螺合している。これにより、支持部材9の上端部が取付用金具28と取付部23との間に挟まれた状態で、取付用金具28が取付部23に取り付けられて固定される。
【0030】
尚、図6の仮想線で示すように、ねじ34を緩めることにより、照明器具11の取付位置を、長穴24に沿って、前後方向Aに変更することができる。
また、バスケット本体3aの底パネル18の四隅部には、下方に突出する着座部39が設けられている。図8に示すように、バスケット3を電動自転車1から取り外して単体の状態で床面や地面等の平坦な載置面40に載置した際、バスケット本体3aが着座部39を介して床面40に支持される。
【0031】
照明器具11の前照灯27の左右一方寄りの部分にはコード43が接続されている。
バスケット本体3aの底パネル18の下面には、コード43を保持する複数のコード保持部材44a,44b,45a,45bが一体的に設けられている。このうち、図4図5に示すように、一組のコード保持部材44a,44bは、上記中心線47に対して左右一方に設けられているとともに、前後方向A(コード43の長さ方向の一例)において複数個(図4図5では2個)設けられている。また、一組のコード保持部材45a,45bは、上記中心線47に対して左右他方に設けられているとともに、前後方向Aにおいて複数個(図4図5では2個)設けられている。
【0032】
図1図4図9に示すように、コード43は、一方の前後一組のコード保持部材44a,44bによって底パネル18の下面に保持されており、上記中心線47に対し左右一方において、底パネル18の下面を前後方向Aに配線され、最も後方に位置するコード保持部材44bとハンドルステム6との間で上記中心線47に対し左右一方から反対側の左右他方へ湾曲し、ハンドルステム6の左右他方を通って後方へ配線されている。
【0033】
図10図12図14に示すように、前方に位置する両コード保持部材44a,45aはそれぞれ、バスケット本体3aの底パネル18に下方から対向する薄板状の保持部本体48と、保持部本体48の一端部に設けられて底パネル18の第1部材21に一体的に結合する結合部49と、保持部本体48の他端部に設けられて底パネル18に向って上向きに突出する突部50とを有している。
【0034】
同様に、図10図11図13図14に示すように、後方に位置する両コード保持部材44b,45bはそれぞれ、バスケット本体3aの底パネル18に下方から対向する薄板状の保持部本体48と、保持部本体48の一端部に設けられて底パネル18の取付部23に一体的に結合する結合部49と、保持部本体48の他端部に設けられて底パネル18に向って上向きに突出する突部50とを有している。
【0035】
結合部49と突部50とは、左右方向B(コード43の長さ方向に直交する方向の一例)において、相対向している。
図12図13に示すように、これら各コード保持部材44a,44b,45a,45bは、結合部49と突部50との間で且つ保持部本体48と底パネル18の第2部材22との間に、コード43を保持するための保持空間51が形成されている。
【0036】
底パネル18を構成する第2部材22と各コード保持部材44a,44b,45a,45bの保持部本体48との上下間隔Cはコード43の直径D(コード43の太さの一例)よりも僅かに広く設定されている。
【0037】
また、底パネル18を構成する第2部材22と突部50との上下間隔Eはコード43の直径Dよりも狭く設定されている。図12の仮想線および図13の仮想線で示すように、コード保持部材44a,44b,45a,45bが弾性変形して弓なりに撓むことによって、上下間隔Eが拡大され、コード43を底パネル18と突部50との間から保持空間51に出し入れ可能になる。
【0038】
また、図10図11に示すように、前後方向Aにおいて隣り同士となる前方のコード保持部材44a(一方のコード保持部材の一例)の向きと後方のコード保持部材44b(他方のコード保持部材の一例)の向きとが左右方向Bにおいて互いに逆であり、同様に、前方のコード保持部材45aの向きと後方のコード保持部材45bの向きも左右方向Bにおいて互いに逆である。
【0039】
さらに、後方のコード保持部材44b,45bはそれぞれ、結合部49が上記中心線47から近い側となり、突部50が上記中心線47から遠い側となるように、設けられている。
【0040】
尚、各コード保持部材44a,44b,45a,45bはそれぞれ、底パネル18の開口部25に下方から対向する位置に設けられている。
また、着座部39の下端から底パネル18を構成する第2部材22までの高さH1がコード保持部材44a,44b,45a,45bの下端から底パネル18を構成する第2部材22までの高さH2よりも高く設定されている。
【0041】
また、図10図12に示すように、バスケット3の取付部23には、傾斜した切欠部53が形成されており、切欠部53は左右方向Bにおいてコード保持部材44a,45aに対向する箇所のみに位置している。さらに、図10図13に示すように、バスケット3の第1部材21には、傾斜した切欠部54が形成されており、切欠部54は左右方向Bにおいてコード保持部材44b,45bに対向する箇所のみに位置している。
【0042】
以下、上記構成における作用を説明する。
図12の仮想線および図13の仮想線で示すように、一方の前後一組のコード保持部材44a,44bを撓ませて上下間隔Eを拡大することによって、コード43を底パネル18の第2部材22と突部50との間から各コード保持部材44a,44bの保持空間51に嵌め込むことができる。嵌め込み後、コード保持部材44a,44bが撓んだ状態から実線で示した元の形状に戻ることにより、コード43が各コード保持部材44a,44bの保持空間51に保持される。この際、上下間隔Eがコード43の直径Dよりも狭いため、コード43が不用意に保持空間51からコード保持部材44a,44bの外部へ脱落するのを防止することができる。これにより、コード43の配線作業を迅速かつ容易に行うことができる。また、結束バンド等の結束専用部材を別途使用する必要はないため、部品点数を削減することができる。
【0043】
また、図10に示すように、コード43は、左右一方向B1へ移動しても、前方のコード保持部材44aの結合部49に当接することで、上記左右一方向B1への移動が規制され、同様に、左右他方向B2へ移動しても、後方のコード保持部材44bの結合部49に当接することで、上記左右他方向B2への移動が規制される。これにより、コード43が不用意に一方の前後一組のコード保持部材44a,44bの各保持空間51から外部へ脱落するのを防止することができる。
【0044】
また、図6に示すように、ねじ34を緩めることにより、照明器具11を長穴24に沿って前後方向A(コード43の長さ方向)に移動させ、照明器具11の取付位置を前後方向Aに変更することができる。この際、図12図13に示すように、底パネル18の第2部材22とコード保持部材44a,44bの保持部本体48との上下間隔Cはコード43の直径Dよりも僅かに広く設定されているため、保持空間51に保持されているコード43を、容易に、前後方向Aへ移動させることができる。これにより、照明器具11の取付位置に応じて、コード43を、容易に、前後方向Aへ調整することができ、このため、照明器具11の取付位置を変更して最適な位置に調節する作業が迅速かつ容易に行える。
【0045】
また、図9の仮想線で示すように、ハンドル2を左右一方向B1(右方向)へ換向した際、ハンドル2と共にバスケット3が左右一方向B1(右方向)へ換向し、コード43が左右他側方B2(左方向)へ引っ張られることがある。この場合、コード43が最も後方に位置するコード保持部材44bの結合部49(図11参照)に当接することにより、コード43が最も後方位置のコード保持部材44bから不用意に脱落するのを防止することができる。
【0046】
また、図10図12に示すように、バスケット3の取付部23に切欠部53が形成されているため、切欠部53とコード保持部材44a,45aとの間を通してコード43を出し入れできる。この際、切欠部53は傾斜しているため、コード43は、切欠部53によって出し入れ方向に案内され、スムーズに出し入れされる。
【0047】
同様に、図10図13に示すように、バスケット3の第1部材21に切欠部54が形成されているため、切欠部54とコード保持部材44b,45bとの間を通してコード43を出し入れできる。この際、切欠部54は傾斜しているため、コード43は、切欠部54によって出し入れ方向に案内され、スムーズに出し入れされる。
【0048】
また、図6に示すように、共通の締結具33(すなわちねじ34と締結用ホルダー36)によって、支持部材9と照明器具11とをバスケット本体3aの底パネル18に締結することができるため、部品点数を削減し、電動自転車1の軽量化を図ることができる。
【0049】
また、図8に示すように、電動自転車1から取り外した単体のバスケット3を床面や地面等の平坦な載置面40に載置した際、各コード保持部材44a,44b,45a,45bが載置面40から上方へ離間した状態で、バスケット3が着座部39を介して載置面40に支持される。これにより、各コード保持部材44a,44b,45a,45bが載置面40に当接せず、コード保持部材44a,44b,45a,45bが載置面40に押し付けられて変形や損傷する等の不具合を防止することができる。
【0050】
また、図8の仮想線で示すように、電動自転車1から取り外した単体のバスケット3を上下複数段に積み重ねた場合においても、上段のバスケット3の各コード保持部材44a,44b,45a,45bが下段のバスケット3の底パネル18の上面(内面)から上方へ離間した状態で、上段のバスケット3が着座部39を介して下段のバスケット3の底パネル18の上面に支持される。これにより、上段のバスケット3の各コード保持部材44a,44b,45a,45bが下段のバスケット3の底パネル18の上面に当接せず、上段のバスケット3のコード保持部材44a,44b,45a,45bが下段のバスケット3の底パネル18に押し付けられて変形や損傷する等の不具合を防止することができる。
【0051】
また、金型を用いて射出成型により樹脂製のバスケット3を製作する際、図10図11図14に示すように、各コード保持部材44a,44b,45a,45bは底パネル18の開口部25に下方から対向する位置に設けられるため、各コード保持部材44a,44b,45a,45bの成型にスライドを設ける必要がなく、食い切りで各コード保持部材44a,44b,45a,45bを成型することができるため、金型の構造を簡素化することができる。
【0052】
上記実施の形態では、図2図4図9図10の実線,図11の実線に示すように、コード43は、前照灯27の左右一方寄りの部分に接続され、一方の前後一組のコード保持部材44a,44bによって底パネル18の下面に保持されており、上記中心線47に対し左右一方において、底パネル18の下面を前後方向Aに配線され、最も後方に位置するコード保持部材44bとハンドルステム6との間で上記中心線47に対し左右一方から反対側の左右他方へ湾曲し、ハンドルステム6の左右他方を通って後方へ配線されている。しかしながら、コード43の配線形態は上記の配線形態に限定されるものではなく、例えば、上記の配線形態に対して左右反対の配線形態であってもよい。この場合、図10の仮想線および図11の仮想線に示すように、コード43は、前照灯27の左右他方寄りの部分に接続され、他方の前後一組のコード保持部材45a,45bによって底パネル18の下面に保持されており、上記中心線47に対し左右他方において、底パネル18の下面を前後方向Aに配線され、最も後方に位置するコード保持部材45bとハンドルステム6との間で上記中心線47に対し左右他方から反対側の左右一方へ湾曲し、ハンドルステム6の左右一方を通って後方へ配線されている。
【0053】
上記実施の形態では、バスケット3を電動自転車1に備えているが電動駆動装置を備えていない非電動式の自転車に備えてもよい。
上記実施の形態では、図5に示すように、複数のコード保持部材44a,44b,45a,45bを、底パネル18の前後方向Aにおける2箇所に設けているが、3箇所以上に設けてもよい。
【0054】
上記実施の形態では、図5に示すように、複数のコード保持部材44a,44b,45a,45bを、上記中心線47に対して左右両方に振り分けて設けているが、上記中心線47に対して左右いずれか片方のみに設けてもよい。また、複数のコード保持部材44a,44b,45a,45bを上記中心線47上(すなわち底パネル18の左右方向Bにおける中央部分)に設けてもよい。
【0055】
上記実施の形態では、図1に示すように、照明器具11をバスケット3に取り付けているが、照明器具11を自転車1のフレームの前ホーク10に設け、照明器具11のコード43をコード保持部材44a,44b,45a,45bでバスケット3の底パネル18に保持してもよい。
【0056】
上記実施の形態では、付属器具の一例として照明器具11を挙げたが、照明器具11に限定されるものではなく、照明器具11以外の付属器具であってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 電動自転車
3 バスケット
3a バスケット本体
6 ハンドルステム
9 支持部材
11 照明器具(付属器具)
18 底パネル(バスケット本体の底部)
21 第1部材
22 第2部材
23 取付部
33 締結具
39 着座部
40 載置面
43 コード
44a,44b,45a,45b コード保持部材
47 ハンドルステムを通る前後方向の中心線
48 保持部本体
49 結合部
50 突部
51 保持空間
A 前後方向(コードの長さ方向)
B 左右方向(コードの長さ方向に直交する方向)
C 底パネルとコード保持部材の保持部本体との上下間隔
D コードの直径(コードの太さ)
E 底パネルとコード保持部材の突部との上下間隔
H1 着座部の下端から底パネルの下面までの高さ
H2 コード保持部材の下端から底パネルの下面までの高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16