(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施の形態が、説明される。
【0009】
(実施の形態1)
実施の形態1における電池は、正極と、負極と、電解液と、を備える。
【0012】
正極活物質は、空間群FM3−Mに属する結晶構造を有する下記の組成式(1)により表される化合物を含む。
Li
xMe
yO
αF
β・・・式(1)
【0013】
ここで、前記Meは、Mn、Co、Ni、Fe、Al、B、Ce、Si、Zr、Nb、Pr、Ti、W、Ge、Mo、Sn、Bi、Cu、Mg、Ca、Ba、Sr、Y、Zn、Ga、Er、La、Sm、Yb、V、Crからなる群より選択される少なくとも一種(すなわち、当該群より選択される一種または二種以上の元素)である。
【0014】
かつ、下記の条件、
1.7≦x≦2.2、
0.8≦y≦1.3、
1≦α≦2.5、
0.5≦β≦2、
を満たす。
【0015】
添加剤は、ジニトリル化合物、ジイソシアネート化合物、より選ばれる少なくとも一種である。
【0016】
以上の構成によれば、電解液と組成式(1)で表される正極活物質との界面において、副反応の発生が抑制される。このため、電池の信頼性(例えば、放電効率)を高めることができる。
【0017】
従来の電解液としては、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを混合させた非水溶媒に、リチウム塩が溶解されたものが提案されている。リチウム二次電池を充電する際には、正極活物質からLi
+が引き抜かれる。これに伴い、正極活物質の酸化力が高まる。このため、従来の正極活物質(例えば、LiCoO
2およびLiMnO
2などの空間群R3−Mで規定される層状構造を有する活物質)と上述の従来の電解液とを備える電池においては、正極活物質と電解液との界面において、副反応が起こり易い。その結果、Liを多く引き抜いた場合には、電池の信頼性は、不十分であった。
【0018】
一方で、実施の形態1における電解液と正極活物質とを備える電池であれば、副反応の発生が抑制される。この要因としては、下記が考えられる。
【0019】
すなわち、実施の形態1における電解液の添加剤である、ジニトリル化合物およびジイソシアネート化合物は、いずれも、ドナー性の高いニトリル基またはイソシアネート基を2つ有する。この2つのニトリル基またはイソシアネート基は、実施の形態1の正極活物質の表面に特異的に吸着する。これにより、実施の形態1の正極活物質の表面の副反応活性点と電解液との接触を防いでいると考えられる。このため、副反応の発生が抑制されると考えられる。
【0020】
また、実施の形態1の構成によれば、高容量の電池を実現できる。
【0021】
上述の化合物を含む正極活物質を用いて、例えばリチウムイオン電池を構成する場合、3.3V程度の酸化還元電位(Li/Li
+基準)を有する。また、概ね、220mAh/g以上の容量を有する。
【0022】
なお、上述の化合物は、組成式(1)においてxが1.7よりも小さい場合、利用できるLi量が少なくなる。このため、容量が不十分となる。
【0023】
また、上述の化合物は、組成式(1)においてxが2.2より大きい場合(言い換えれば、yが0.8よりも小さい場合)、利用できる遷移金属の酸化還元反応が少なくなる。この結果、酸素の酸化還元反応を多く利用することになる。これにより、結晶構造が不安定化する。このため、容量が不十分となる。
【0024】
また、上述の化合物は、組成式(1)においてαが1よりも小さい場合(言い換えれば、βが2よりも大きい場合)、電気陰性度の高いFの影響が強くなる。この結果、電子伝導性が低下する。このため、容量が不十分となる。
【0025】
また、上述の化合物は、組成式(1)においてαが2.5よりも大きい場合(言い換えれば、βが0.5よりも小さい場合)、電気陰性度の高いFの影響が弱まる。この結果、カチオン−アニオンの相互作用が低下する。これにより、Liが脱離した際に構造が不安定化する。このため、容量が不十分となる。
【0026】
また、実施の形態1における正極活物質においては、組成式(1)で表される化合物は、空間群FM3−Mに属する結晶構造(岩塩型の結晶構造)を有する。
【0027】
組成式(1)において、LiとMeの比率は、{Li
x/Me
y}で示される。
【0028】
ここで、1.7≦x≦2.2である。また、0.8≦y≦1.3である。
【0029】
したがって、LiとMeの比率は、理論的には、1.31≦{Li
x/Me
y}≦2.75であり、1よりも大きな値となる。
【0030】
すなわち、Me1原子あたりのLi原子数は、例えば、従来の正極活物質であるLiMnO
2に比べて、大きい。
【0031】
組成式(1)で表される化合物は、LiとMeが同じサイトに位置していると考えられる。
【0032】
このため、組成式(1)で表される化合物は、例えば、従来の正極活物質であるLiMnO
2よりも、Me1原子あたりに、より多くのLiを挿入および脱離させることが可能である。
【0033】
したがって、実施の形態1における電池用の正極活物質は、高容量のリチウムイオン電池を実現するのに、適している。
【0034】
空間群R3−Mで規定される層状構造では、Liを多く引き抜いた際に、層状を維持できずに構造崩壊する。
【0035】
一方で、本開示の化合物のような空間群FM3−Mで規定される岩塩型の結晶構造であれば、Liを多く引き抜いても、構造崩壊せずに、構造を安定に維持できる。これにより、高容量の電池を実現できる。
【0036】
また、実施の形態1における正極活物質は、上述の化合物を、主成分として、含んでもよい。
【0037】
以上の構成によれば、より高容量の電池を実現できる。
【0038】
ここで、「主成分」とは、実施の形態1の正極活物質が、例えば、90重量%以上の割合で、上述の化合物を含んでいる状態を意味する。
【0039】
なお、実施の形態1の正極活物質は、上述の化合物を主成分として含みながら、さらに、不可避的な不純物、または、上述の化合物を合成する際に用いられる出発原料および副生成物および分解生成物など、を含んでいてもよい。
【0040】
また、実施の形態1における正極活物質においては、上述の化合物は、組成式(1)において、x+y=α+β=3、を満たす化合物であってもよい。
【0041】
以上の構成によれば、より高容量の電池を実現できる。
【0042】
また、実施の形態1においては、Meは、Mn、Co、Ni、Fe、Al、B、Ce、Si、Zr、Nb、Pr、Ti、W、Ge、Mo、Sn、Bi、Cu、Mg、Ca、Ba、Sr、Y、Zn、Ga、Er、La、Sm、Yb、V、Crから選ばれる一種の元素であってもよい。
【0043】
もしくは、Meは、Mn、Co、Ni、Fe、Al、B、Ce、Si、Zr、Nb、Pr、Ti、W、Ge、Mo、Sn、Bi、Cu、Mg、Ca、Ba、Sr、Y、Zn、Ga、Er、La、Sm、Yb、V、Crから選ばれる2種以上の固溶体であってもよい。
【0044】
また、実施の形態1においては、組成式(1)におけるMeは、MnとCoとNiとFeから選ばれる一種の元素、または、NiとCoとMnとからなる固溶体、または、NiとCoとAlとからなる固溶体、のうちのいずれかであってもよい。
【0045】
以上の構成によれば、より高容量の電池を実現できる。
【0046】
また、実施の形態1においては、上述の化合物は、組成式(1)において、1.79≦x≦2.18、を満たす化合物であってもよい。
【0047】
以上の構成によれば、より高容量の電池を実現できる。
【0048】
また、実施の形態1においては、上述の化合物は、組成式(1)において、1.89≦x≦2、を満たす化合物であってもよい。
【0049】
以上の構成によれば、より高容量の電池を実現できる。
【0050】
また、実施の形態1においては、上述の化合物は、組成式(1)において、0.79≦β≦1、を満たす化合物であってもよい。
【0051】
以上の構成によれば、より高容量の電池を実現できる。
【0052】
また、実施の形態1においては、Meは、Mn、Co、Niからなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。
【0053】
以上の構成によれば、より高容量かつ信頼性の高い電池を実現できる。
【0054】
また、実施の形態1においては、Meは、MnとCoから選ばれる一種の元素であるか、または、NiとCoとMnとからなる固溶体であってもよい。
【0055】
以上の構成によれば、より高容量かつ信頼性の高い電池を実現できる。
【0056】
また、実施の形態1においては、化合物は、組成式(1)において、1.79≦x≦2.18、を満たし、0.82≦y≦1.21、を満たし、1.5≦α≦2.5、を満たし、0.5≦β≦1.5、を満たしてもよい。
【0057】
以上の構成によれば、より高容量かつ信頼性の高い電池を実現できる。
【0058】
また、実施の形態1においては、化合物は、組成式(1)において、x=2であり、y=1であり、1.5≦α≦2、を満たし、1≦β≦1.5、を満たしてもよい。
【0059】
以上の構成によれば、より高容量かつ信頼性の高い電池を実現できる。
【0060】
実施の形態1における電池は、例えば、リチウムイオン二次電池、非水電解質二次電池、など、として、構成されうる。
【0061】
すなわち、実施の形態1における電池において、例えば、負極は、リチウムを吸蔵および放出しうる(リチウムを吸蔵および放出する特性を有する)負極活物質またはリチウム金属を含んでもよい。
【0062】
図1は、実施の形態1における電池の一例である電池1000の概略構成を示す断面図である。
【0063】
図1に示されるように、電池1000は、正極21と、負極22と、セパレータ14と、ケース11と、封口板15と、ガスケット18と、を備えている。
【0064】
セパレータ14は、正極21と負極22との間に、配置されている。
【0065】
正極21と負極22とセパレータ14とには、電解液が含浸されている。
【0066】
正極21と負極22とセパレータ14とによって、電極群が形成されている。
【0067】
電極群は、ケース11の中に収められている。
【0068】
ガスケット18と封口板15とにより、ケース11が閉じられている。
【0069】
正極21は、正極集電体12と、正極集電体12の上に配置された正極活物質層13と、を備えている。
【0070】
正極集電体12は、例えば、金属材料(アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金、など)で作られている。
【0071】
なお、正極集電体12を省略し、ケース11を正極集電体として使用することも可能である。
【0072】
正極活物質層13は、上述の実施の形態1における正極活物質を含む。
【0073】
正極活物質層13は、必要に応じて、例えば、導電剤、イオン伝導補助剤、結着剤、など、を含んでいてもよい。
【0074】
負極22は、負極集電体16と、負極集電体16の上に配置された負極活物質層17と、を備えている。
【0075】
負極集電体16は、例えば、金属材料(銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金、など)で作られている。
【0076】
なお、負極集電体16を省略し、封口板15を負極集電体として使用することも可能である。
【0077】
負極活物質層17は、負極活物質を含んでいる。
【0078】
負極活物質層17は、必要に応じて、例えば、導電剤、イオン伝導補助剤、結着剤、など、を含んでいてもよい。
【0079】
負極活物質として、金属材料、炭素材料、酸化物、窒化物、錫化合物、珪素化合物、など、が使用されうる。
【0080】
金属材料は、単体の金属であってもよい。もしくは、金属材料は、合金であってもよい。金属材料の例として、リチウム金属、リチウム合金、など、が挙げられる。
【0081】
炭素材料の例として、天然黒鉛、コークス、黒鉛化途上炭素、炭素繊維、球状炭素、人造黒鉛、非晶質炭素、など、が挙げられる。
【0082】
容量密度の観点から、珪素(Si)、錫(Sn)、珪素化合物、錫化合物、を好適に使用できる。珪素化合物および錫化合物は、それぞれ、合金または固溶体であってもよい。
【0083】
珪素化合物の例として、SiO
x(ここで、0.05<x<1.95)が挙げられる。また、SiO
xの一部の珪素を他の元素で置換することによって得られた化合物(合金又は固溶体)も使用できる。ここで、他の元素とは、ホウ素、マグネシウム、ニッケル、チタン、モリブデン、コバルト、カルシウム、クロム、銅、鉄、マンガン、ニオブ、タンタル、バナジウム、タングステン、亜鉛、炭素、窒素及び錫からなる群より選択される少なくとも1種である。
【0084】
錫化合物の例として、Ni
2Sn
4、Mg
2Sn、SnO
x(ここで、0<x<2)、SnO
2、SnSiO
3、など、が挙げられる。これらから選択される1種の錫化合物が、単独で使用されてもよい。もしくは、これらから選択される2種以上の錫化合物の組み合わせが、使用されてもよい。
【0085】
また、負極活物質の形状は特に限定されない。負極活物質としては、公知の形状(粒子状、繊維状、など)を有する負極活物質が使用されうる。
【0086】
また、リチウムを負極活物質層17に補填する(吸蔵させる)ための方法は、特に限定されない。この方法としては、具体的には、(a)真空蒸着法などの気相法によってリチウムを負極活物質層17に堆積させる方法、(b)リチウム金属箔と負極活物質層17とを接触させて両者を加熱する方法がある。いずれの方法においても、熱によってリチウムを負極活物質層17に拡散させることができる。また、リチウムを電気化学的に負極活物質層17に吸蔵させる方法もある。具体的には、リチウムを有さない負極22およびリチウム金属箔(正極)を用いて電池を組み立てる。その後、負極22にリチウムが吸蔵されるように、その電池を充電する。
【0087】
正極21および負極22の結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、など、が使用されうる。または、結着剤として、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、ヘキサジエン、からなる群より選択される2種以上の材料の共重合体が、使用されてもよい。さらに、上述の材料から選択される2種以上の材料の混合物が、結着剤として、使用されてもよい。
【0088】
正極21および負極22の導電剤としては、グラファイト、カーボンブラック、導電性繊維、フッ化黒鉛、金属粉末、導電性ウィスカー、導電性金属酸化物、有機導電性材料、など、が使用されうる。グラファイトの例としては、天然黒鉛および人造黒鉛が挙げられる。カーボンブラックの例としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックが挙げられる。金属粉末の例としては、アルミニウム粉末が挙げられる。導電性ウィスカーの例としては、酸化亜鉛ウィスカーおよびチタン酸カリウムウィスカーが挙げられる。導電性金属酸化物の例としては、酸化チタンが挙げられる。有機導電性材料の例としては、フェニレン誘導体が挙げられる。
【0089】
セパレータ14としては、大きいイオン透過度および十分な機械的強度を有する材料が使用されうる。このような材料の例としては、微多孔性薄膜、織布、不織布、など、が挙げられる。具体的に、セパレータ14は、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンで作られていることが望ましい。ポリオレフィンで作られたセパレータ14は、優れた耐久性を有するだけでなく、過度に加熱されたときにシャットダウン機能を発揮できる。セパレータ14の厚さは、例えば、10〜300μm(又は10〜40μm)の範囲にある。セパレータ14は、1種の材料で構成された単層膜であってもよい。もしくは、セパレータ14は、2種以上の材料で構成された複合膜(または、多層膜)であってもよい。セパレータ14の空孔率は、例えば、30〜70%(又は35〜60%)の範囲にある。「空孔率」とは、セパレータ14の全体の体積に占める空孔の体積の割合を意味する。「空孔率」は、例えば、水銀圧入法によって測定される。
【0090】
実施の形態1における電解液は、添加剤を含む。
【0091】
電解液全体に対する、添加剤の含有量は、0.05wt%以上、かつ、5wt%以下、であってもよい。
【0092】
以上の構成によれば、より高容量かつ信頼性の高い電池を実現できる。
【0093】
電解液に含まれる添加剤としては、例えば、ジニトリル化合物、ジイソシアネート化合物、など、が用いられうる。
【0094】
ジニトリル化合物としては、ニトリル基を2個有する化合物であれば、特に制限なく用いることができる。ジニトリル化合物としては、例えば、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルアジポニトリル、3−メチルアジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、アゼラニトリル、および、これらの誘導体等が、用いられうる。
【0095】
特に、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリルを用いれば、より信頼性の高い電池を実現できる。
【0096】
以上のように、添加剤は、ジニトリル化合物を含んでもよい。
【0097】
このとき、ジニトリル化合物の1分子中に含まれる炭素数は、4〜8個であってもよい。
【0098】
以上の構成によれば、より高容量かつ信頼性の高い電池を実現できる。
【0099】
また、ジニトリル化合物の1分子中に含まれる炭素数は、6〜8個であってもよい。
【0100】
以上の構成によれば、より高容量かつ信頼性の高い電池を実現できる。
【0101】
また、ジニトリル化合物は、アジポニトリル、ピメロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。
【0102】
以上の構成によれば、より高容量かつ信頼性の高い電池を実現できる。
【0103】
ジイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2個有する化合物であれば特に制限なく用いることができる。ジイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HMDIと称することがある)、2−メチルヘキサメチレンジイソシアネート、3−メチルヘキサメチレンジイソシアネート、および、これらの誘導体等が、用いられうる。
【0104】
以上のように、添加剤は、ジイソシアネート化合物を含んでもよい。
【0105】
このとき、ジイソシアネート化合物の1分子中に含まれる炭素数は、4〜8個であってもよい。
【0106】
以上の構成によれば、より高容量かつ信頼性の高い電池を実現できる。
【0107】
また、ジイソシアネート化合物の1分子中に含まれる炭素数は、6〜8個であってもよい。
【0108】
以上の構成によれば、より高容量かつ信頼性の高い電池を実現できる。
【0109】
また、ジイソシアネート化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネートであってもよい。
【0110】
以上の構成によれば、より高容量かつ信頼性の高い電池を実現できる。
【0111】
なお、実施の形態1における電解液は、リチウム塩を、さらに含んでもよい。
【0112】
非水溶媒に溶解させるリチウム塩としては、LiClO
4、LiBF
4、LiPF
6、LiN(SO
2F)
2、LiN(SO
2CF
3)
2、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)、など、を用いることができる。リチウム塩は、これらからなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。
【0113】
リチウム塩として、LiPF
6を用いることで、イオン伝導率または信頼性を向上させることができる。
【0114】
電解液中のリチウム塩のモル含有量は、特に制限はないが、0.5mol/L以上、かつ、2.0mol/L以下であってもよい。
【0115】
なお、実施の形態1における電解液は、非水溶媒を、さらに含んでもよい。
【0116】
電解液に含まれる非水溶媒は、カーボネート、カルボン酸エステル、エーテル、ニトリル、からなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよい。
【0117】
以上の構成によれば、より高容量かつ信頼性の高い電池を実現できる。
【0118】
このとき、電解液は、フルオロエチレンカーボネートを、さらに含んでもよい。
【0119】
以上の構成によれば、より高容量かつ信頼性の高い電池を実現できる。
【0120】
電解液に含まれる非水溶媒としては、例えば、環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状カルボン酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、鎖状ニトリル、環状エーテル、鎖状エーテル、など、が用いられうる。
【0121】
環状溶媒と鎖状溶媒を適切な比率で混合させることで、電解液のイオン伝導率を向上させることができる。
【0122】
カーボネート又はカルボン酸エステルを用いることで、信頼性を向上させることができる。
【0123】
前記環状炭酸エステルには、エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、及びこれらの誘導体等を用いることができ、これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0124】
エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートからなる群の少なくとも一つを用いることで、電解液のイオン導電率を向上させることができる。
【0125】
フルオロエチレンカーボネートを含ませることで、負極上での安定性を向上させることができる。
【0126】
前記鎖状炭酸エステルには、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等を用いることができる。これらの水素基の一部はフルオロ基で置換されていても良い。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0127】
前記環状カルボン酸エステルには、γ−ブチロラクトン、γ―バレロラクトン等が挙げられる。これらの水素基の一部はフルオロ基で置換されていても良い。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0128】
鎖状カルボン酸エステルには、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート等が挙げられる。これらの水素基の一部はフルオロ基で置換されていても良い。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0129】
前記鎖状ニトリルとしては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、イソブチロニトリル、ピバロニトリル等を用いることができる。これらの水素基の一部はフルオロ基で置換されていても良い。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0130】
前記環状エーテルとしては1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等を用いることができる。これらの水素基の一部はフルオロ基で置換されていても良い。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0131】
前記鎖状エーテルとしては、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等を用いることができる。これらの水素基の一部はフルオロ基で置換されていても良い。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0132】
なお、実施の形態1における電池は、コイン型、円筒型、角型、シート型、ボタン型、扁平型、積層型、など、種々の形状の電池として、構成されうる。
【0133】
<化合物の作製方法>
以下に、実施の形態1の正極活物質に含まれる上述の化合物の製造方法の一例が、説明される。
【0134】
組成式(1)で表される化合物は、例えば、次の方法により、作製されうる。
【0135】
Liを含む原料、Fを含む原料、および、Meを含む原料を用意する。例えば、Liを含む原料としては、Li
2O、Li
2O
2等の酸化物、LiF、Li
2CO
3、LiOH等の塩類、LiMeO
2、LiMe
2O
4等のリチウム複合遷移金属酸化物、など、が挙げられる。また、Fを含む原料としては、LiF、遷移金属フッ化物、など、が挙げられる。Meを含む原料としては、Me
2O
3等の各種の酸化状態の酸化物、MeCO
3、MeNO
3等の塩類、Me(OH)
2、MeOOH等の水酸化物、LiMeO
2、LiMe
2O
4等のリチウム複合遷移金属酸化物、など、が挙げられる。例えば、MeがMnの場合には、Mnを含む原料としては、Mn
2O
3等の各種の酸化状態の酸化マンガン、MnCO
3、MnNO
3等の塩類、Mn(OH)
2、MnOOH等の水酸化物、LiMnO
2、LiMn
2O
4等のリチウム複合遷移金属酸化物、など、が挙げられる。
【0136】
これらの原料を、組成式(1)に示したモル比となるように、原料を秤量する。
【0137】
これにより、組成式(1)における「x、y、α、および、β」を、組成式(1)で示す範囲において、変化させることができる。
【0138】
秤量した原料を、例えば、乾式法または湿式法で混合し、10時間以上メカノケミカルに反応させることで、組成式(1)で表される化合物を得ることができる。例えば、ボールミルなどの混合装置を使用することができる。
【0139】
用いる原料、および、原料混合物の混合条件を調整することにより、実質的に、組成式(1)で表される化合物を得ることができる。
【0140】
前駆体にリチウム遷移金属複合酸化物を用いることで、各種元素のミキシングのエネルギーを、より低下させることができる。これにより、より純度の高い、組成式(1)で表される化合物が、得られる。
【0141】
得られた組成式(1)で示される化合物の組成は、例えば、ICP発光分光分析法および不活性ガス溶融−赤外線吸収法により決定することができる。
【0142】
また、粉末X線分析によって結晶構造の空間群を決定することにより、組成式(1)で示される化合物を同定することができる。
【0143】
以上のように、実施の形態1のある一様態における正極活物質の製造方法は、原料を用意する工程(a)と、原料をメカノケミカルに反応させることにより正極活物質を得る工程(b)と、を包含する。
【0144】
また、上述の工程(a)は、LiおよびFを含む原料とMeを含む原料とを、Meに対してLiが1.31以上2.33以下のモル比となる割合で混合し、混合原料を調整する工程を、包含してもよい。
【0145】
このとき、上述の工程(a)は、原料となるリチウム遷移金属複合酸化物を、公知の方法で作製する工程を、包含してもよい。
【0146】
また、上述の工程(a)においては、Meに対してLiが1.7以上2.0以下のモル比となる割合で混合し、混合原料を調整する工程を、包含してもよい。
【0147】
また、上述の工程(b)においては、ボールミルを用いてメカノケミカルに原料を反応させる工程を、包含してもよい。
【0148】
以上のように、組成式(1)で表される化合物は、前駆体(例えば、LiF、Li
2O、酸化遷移金属、リチウム複合遷移金属、など)を、遊星型ボールミルを用いて、メカノケミカルの反応をさせることによって、合成され得る。
【0149】
このとき、前駆体の混合比を調整することで、より多くのLi原子を含ませることができる。
【0150】
一方、上記の前駆体を固相法で反応させる場合は、より安定な化合物に分解される。
【0151】
すなわち、前駆体を固相法で反応させる作製方法などでは、空間群FM3−Mに属する結晶構造を有し、かつ、組成式(1)で表される化合物を、得ることはできない。
【実施例】
【0152】
<実施例1>
[正極活物質の合成]
LiFとLiMnO
2をLiF/LiMnO
2=1.0/1.0モル比でそれぞれ秤量した。
【0153】
得られた原料を、適量のφ3mmのジルコニア製ボールと共に、45ccジルコニア製容器に入れ、アルゴングローブボックス内で密閉した。
【0154】
アルゴングローブボックスから取り出し、遊星型ボールミルで、600rpmで30時間処理した。
【0155】
得られた化合物に対して、粉末X線回折測定を実施した。
【0156】
測定の結果が、
図2に示される。
【0157】
得られた化合物の空間群は、FM3−Mであった。
【0158】
また、得られた化合物の組成を、ICP発光分光分析法および不活性ガス溶融―赤外線吸収法により求めた。
【0159】
その結果、得られた化合物の組成は、Li
2MnO
2Fであった。
【0160】
[正極板の作製]
次に、70質量部の上述の化合物と、20質量部のアセチレンブラックと、10質量部のポリフッ化ビニリデンと、適量のN−メチル−2−ピロリドンとを、混合した。これにより、正極合剤スラリーを得た。
【0161】
15μmの厚さのアルミニウム箔で形成された正極集電体の片面に、正極合剤スラリーを塗布した後、105℃真空中で乾燥した。この正極合剤スラリーを乾燥および圧延することによって、正極活物質層を備えた厚さ90μmの正極板を得た。
【0162】
[非水電解液の調整]
エチレンカーボネート(以下、ECと称する)(CAS番号:96−49−1)とエチルメチルカーボネート(以下、EMCと称する)(CAS番号:623−53−0)との混合溶媒(体積比20:80)に、リチウム塩として1.0mol/LのLiPF
6(CAS番号:21324−40−3)を溶解させ、さらに添加剤として2wt%のアジポニトリル(CAS番号:111−69−3)を溶解させて、非水電解液とした。アジポニトリルでは、前記ジニトリル化合物の1分子中に含まれる炭素数は、6個である。
【0163】
[シート電池の作成]
図3は、実施例1における電池の概略構成を示す断面図である。
【0164】
図4は、実施例1における電池の概略構成を示す斜視図である。
【0165】
実施例1におけるシート電池においては、極板群は、外装4に収容されている。極板群は、正極21と負極22とセパレータ14とを有する。正極21は、正極集電体12および正極活物質層13(正極合剤層)によって構成されている。正極活物質層13は、正極集電体12の上に形成されている。正極21と負極22とがセパレータ14を介して対向している。これにより、極板群が形成されている。
【0166】
正極集電体12には正極タブリード1cが接続されている。負極22には負極タブリード2cが接続されている。正極タブリード1c及び負極タブリード2cは、それぞれ、外装4の外まで延びている。
【0167】
正極タブリード1cと外装4との間には、熱溶着樹脂が配置されている。負極タブリード2cと外装4との間には、熱溶着樹脂が配置されている。
【0168】
図5は、実施例1における正極板の概略構成と製造方法を示す図である。
【0169】
図6は、実施例1における負極板の概略構成と製造方法を示す図である。
【0170】
図7は、実施例1における電池の概略構成を示す斜視図である。
【0171】
正極板は、
図5の通り加工した。
図5の通り、電極合剤面積は4cm
2である。
【0172】
また、負極板は、
図6の通り加工した。負極には、厚み300μmのリチウム金属箔を用いた。
【0173】
正極と負極は、
図6に示すようにセパレータ(ポリプロピレン製、厚み30μm)を介して対向させた。次に、120×120mmの正方形に切り取ったアルミラミネート(厚み100μm)を折りたたんで120mmの端面を230℃で熱封止し、120×60mmの筒状にした。60mmの端面から
図7の通り対向させた電極群を入れ、
図3のように、アルミラミネートの端面とタブリードの熱溶着樹脂の位置を合わせて230℃で熱封止した。次に、ラミネートの封止されていない側から非水電解液を露点−60℃のドライエアー中で0.35cc注液した。注液後、0.06MPaの真空下で15分間静置し、電極合剤内部に電解液を含浸させた。最後に、注液した側のラミネートの端面を230℃で熱封止した。
【0174】
以上により、実施例1のリチウム二次電池を得た。
【0175】
<実施例2>
添加剤であるアジポニトリルの添加濃度が、0.2wt%である。
【0176】
これ以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を得た。
【0177】
<実施例3>
添加剤として、アジポニトリルの代わりに、ピメロニトリル(CAS番号:646−20−8)を用いた。ピメロニトリルでは、前記ジニトリル化合物の1分子中に含まれる炭素数は、7個である。
【0178】
これ以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を得た。
【0179】
<実施例4>
添加剤として、アジポニトリルの代わりに、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HMDIと称する)(CAS番号:822−06−0)を用いた。ヘキサメチレンジイソシアネートの1分子中に含まれる炭素数は、8個である。
【0180】
これ以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を得た。
【0181】
<実施例5>
非水電解液に用いる非水溶媒として、ECとEMCの混合溶媒の代わりに、ECとフルオロエチレンカーボネート(以下、FECと称する)(CAS番号:114435−02−8)とEMCとの混合溶媒(体積比10:10:80)を用いた。
【0182】
これ以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を得た。
【0183】
<実施例6>
非水電解液に用いる非水溶媒として、ECとEMCの混合溶媒の代わりに、FECとメチル3,3,3−トリフルオロプロピオネート(以下、FMPと称する)(CAS番号:18830−44−9)との混合溶媒(体積比20:80)を用いた。
【0184】
これ以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を得た。
【0185】
<実施例7>
正極活物質として、Li
2MnO
2Fの代わりに、空間群FM3−Mに属する結晶構造を有するLi
2Ni
0.33Co
0.33Mn
0.33O
2Fを用いた。
【0186】
これ以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を得た。
【0187】
なお、正極活物質Li
2Ni
0.33Co
0.33Mn
0.33O
2Fは、原料として、LiNi
0.33Co
0.33Mn
0.33O
2を用いた。これ以外は、Li
2MnO
2Fの合成と同様の手順で合成した。
【0188】
<実施例8>
正極活物質として、Li
2MnO
2Fの代わりに、空間群FM3−Mに属する結晶構造を有するLi
2CoO
2Fを用いた。
【0189】
これ以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を得た。
【0190】
なお、正極活物質Li
2CoO
2Fは、原料として、LiCoO
2を用いた。これ以外は、Li
2MnO
2Fの合成と同様の手順で合成した。
【0191】
<実施例9>
正極活物質として、Li
2MnO
2Fの代わりに、空間群FM3−Mに属する結晶構造を有するLi
2MnO
1.5F
1.5を用いた。
【0192】
これ以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を得た。
【0193】
なお、正極活物質Li
2MnO
1.5F
1.5は、原料として、Li
2OとLiFとMnOとMn
2O
3とを、Li
2O/LiF/MnO/Mn
2O
3=1/6/2/1のモル比で、用いた。これ以外は、Li
2MnO
2Fの合成と同様の手順で合成した。
【0194】
<比較例1>
非水電解液にアジポニトリルを溶解させかった。
【0195】
これ以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を得た。
【0196】
<比較例2>
非水電解液にアジポニトリルを溶解させなかった。
【0197】
これ以外は、実施例7と同様にして、リチウム二次電池を得た。
【0198】
<比較例3>
非水電解液にアジポニトリルを溶解させなかった。
【0199】
これ以外は、実施例8と同様にして、リチウム二次電池を得た。
【0200】
<比較例4>
非水電解液にアジポニトリルを溶解させなかった。
【0201】
これ以外は、実施例9と同様にして、リチウム二次電池を得た。
【0202】
<比較例5>
正極活物質として、Li
2MnO
2Fの代わりに、空間群R3−Mに属する結晶構造を有するLiCoO
2を用いた。正極活物質LiCoO
2は、公知の手法を用いて合成した。
【0203】
これ以外は、実施例1と同様にして、リチウム二次電池を得た。
【0204】
[電池の評価]
上記に従って作製した電池は、評価の際、80×80cmのステンレス板(厚み2mm)でラミネートの上から電極板を挟み、コの字型のクランプで0.2MPa加圧した。また、評価はすべて25℃の恒温槽中で行った。
【0205】
まず、正極に電解液を完全に含浸させる目的で、0.1mAの一定電流で充電・放電を2サイクル繰り返した。充電は電池電圧4.7Vで、放電は電池電圧1.5Vで、それぞれ終止し、充電と放電の間は20分間開回路にて静置した。
【0206】
次に、同様の条件で、もう1サイクル充電・放電を行い、この3サイクル目の放電効率(放電容量を充電容量で除した値)を信頼性の指標とした。
【0207】
これらの結果は、正極活物質重量当りの放電容量の結果と合わせて、表1に示される。
【0208】
【表1】
【0209】
表1に示されるように、実施例1〜6の電池の放電効率は、比較例1の電池の放電効率と比較して高い。
【0210】
この理由としては、実施例1〜6の電池では、比較例1の電池と比較して、副反応が起こりにくい正極活物質/非水溶媒界面が形成されていることが考えられる。
【0211】
同様に、実施例7、実施例8、実施例9の電池では、それぞれ比較例2、比較例3、比較例4、比較例5の電池と比較して放電効率が高い。
【0212】
また、実施例1〜9の電池の放電容量は、比較例5の放電容量と比較して大きい。
【0213】
加えて、実施例4と実施例5の比較から、本開示による電解液に更にFECを含むことにより、更なる放電効率の向上が確認された。
【0214】
以上の結果から、本開示によるリチウム二次電池は、高い容量と高い放電効率(信頼性)とを有することがわかった。