特許第6793374号(P6793374)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6793374炭酸ガス発生装置と、ハウス内への炭酸ガス供給方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793374
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】炭酸ガス発生装置と、ハウス内への炭酸ガス供給方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/18 20060101AFI20201119BHJP
   A01G 7/02 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   A01G9/18
   A01G7/02
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-174531(P2016-174531)
(22)【出願日】2016年9月7日
(65)【公開番号】特開2018-38315(P2018-38315A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2019年8月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】391008294
【氏名又は名称】フルタ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】古田 成広
(72)【発明者】
【氏名】石垣 洋二
【審査官】 大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−147258(JP,U)
【文献】 実開昭54−110654(JP,U)
【文献】 特開2004−135639(JP,A)
【文献】 実開平07−044891(JP,U)
【文献】 特開2014−134368(JP,A)
【文献】 特開2011−242091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/02、 9/18
F24H 3/00− 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱型の外郭体は中板で上下部屋に区画し、前記下部屋に送風機を、前記上部屋に燃焼機をそれぞれ設けた炭酸ガス発生装置であって、
前記上部屋には、前記中板に載架した燃焼筒を収容するとともに、この上部屋の内周面とこの燃焼筒の外周面の間に空間を形成し、
前記上部屋の高さに対し、前記燃焼筒の上部開口部の高さを低くし、迂回通路を形成し、
前記空間と前記迂回通路を連通し、
前記外郭体には、第1空気吸込み口を開設し、
前記上部屋には、前記上部開口部を備えた前記燃焼筒を設け、
前記上部屋と前記下部屋との間には吸込み通路を形成するとともに、前記吸込み通路は、前記燃焼筒に併設し、かつ前記吸込み通路の第1開口部は、前記燃焼筒の前記上部開口部に開口し、前記吸込み通路の第2開口部は、前記送風機の吸込み口に開口し、
前記外郭体には、前記下部屋に貫通するハウス内の空気を吸込む第2空気吸込み口を形成するとともに、前記中板には、前記上下部屋に貫通する貫通孔を開設する構成とした炭酸ガス発生装置。
【請求項2】
前記第1空気吸込み口は、前記外郭体の側面に開設する構成とした請求項1に記載の炭酸ガス発生装置。
【請求項3】
前記燃焼筒と前記上部屋とに貫設したホースの吸込み口は、前記外郭体の正面に開設する構成とした請求項1に記載の炭酸ガス発生装置。
【請求項4】
前記燃焼筒の上部の何れかの面には、炭酸ガス吐出用の開口孔を開設する構成とした請求項1に記載の炭酸ガス発生装置。
【請求項5】
前記外郭体の天板の下側と、前記燃焼筒の前記上部開口部とのスペースに、迂回通路を形成し、前記迂回通路において、前記炭酸ガスは、前記第1空気吸込み口からの空気で、希釈、かつ降温されて前記吸込み通路に送る構成とした請求項1に記載の炭酸ガス発生装置。
【請求項6】
請求項1に記載の炭酸ガス発生装置を利用するハウス内への炭酸ガス供給方法であって、
前記燃焼筒で生成し、完全燃焼した炭酸ガスは、前記燃焼筒の前記上部開口部に向かって上昇し、前記上昇した前記炭酸ガスは、前記上部開口部に到る前に、前記燃焼筒の上側に設けた開口孔より、前記外郭体の内周面と前記燃焼筒の外周面とで形成される空間に到り、前記外郭体に設けた第1空気吸込み口から取込まれた空気の一部と混合し、第1希釈及び第1降温した炭酸ガスを生成し、
また、前記上部開口部に到った炭酸ガスは、前記第1空気吸込み口より取込まれた他部の空気と混合し、第2希釈及び第2降温した炭酸ガスを生成し、
前記第1希釈及び前記第1降温した炭酸ガスと、前記第2希釈及び前記第2降温した炭酸ガスとを、前記上部開口部で混合し、混合炭酸ガスは、前記下部屋に備えた前記送風機の吸引で、前記吸込み通路の上側の第1開口部より、前記吸込み通路に導き、熱交換し、第3降温を生成し、前記第3降温した炭酸ガスは、前記吸込み通路の下側の第2開口部から、前記送風機の内部に到り、前記送風機の吐出口から前記ダクトに供給するハウス内への炭酸ガス供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸ガス発生装置に関し、詳細には、本装置で、炭酸ガスを、適温、かつ適濃度(適濃とする)にし、ハウスのダクトに供給できる炭酸ガス発生装置と、ハウス内への炭酸ガス供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭酸ガス発生装置に関し、特開2014−121290号公報(文献(1))とか、特開2004−135639号公報(文献(2))に記載の構造がある。これらの発明は、外郭体(外装)に設けた多数個の空気取入れ孔と、外郭体に設けた缶体(燃焼筒)に、バーナと燃焼空気吸込み口とを備え、燃焼筒で生成した燃焼ガスと、外郭体の空気取入れ孔から導入した空気とを混合し、高温の炭酸ガスを生成するとともに、この高温の炭酸ガスを、外郭体の吹出し口より、直接ハウス内に供給するか、又はダクトを経由して供給する構造である。この文献(1)では、炭酸ガスが高温であることから、ハウス内作物に悪影響、例えば、萎凋化と黄化により、葉が枯死及び落葉し、併せて、茎と葉柄の維菅束は褐変し、かたく木化する。そして、太い根の初期には外見上さしたる変化が見られず、部分的に維菅束が褐変している程度であるが、末期には根全体の維菅束に褐変が及ぶとされている。またダクトの損傷等の悪影響が云われている。その改良として、近時、炭酸ガス発生装置に、送風装置を近接して付設した、高温の炭酸ガスの降温と、ダクトによる局所への炭酸ガスの搬送方法が、脚光を浴びている。
【0003】
【特許文献1】特開2014−121290号公報
【特許文献2】特開2004−135639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
炭酸ガス発生装置に、送風装置を付設した炭酸ガスの供給方法は、高温の炭酸ガスの降温と、ダクトによる局所への搬送として有効である。
【0005】
この場合、二つの装置を、近接併設(付設)することは、両装置の目的より必須である。しかしながら、この近接併設は、ハウスのスペースの関係と、人・物の移動、作業等の面において、少なからず、悪影響がある。また、経済面においても問題視されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑み、本発明では、下記のような事柄を目的に、請求項1〜請求項を開示する。
【0007】
「A」 本発明では、炭酸ガス発生装置と送風装置との一体化を達成する。これにより、装置の小型化を達成すること、経済面の課題解決を図ること、等を目的とする。
【0008】
「B」 本発明では、炭酸ガス発生装置と送風装置との一体化を達成する。これにより、ハウス内の移動の自由化と、作業の迅速化等を図ること、等を目的とする。
【0009】
「C」 本発明では、燃焼ガスと空気との混合で、炭酸ガスを生成する。これにより、萎凋化の回避を図ることと、作物の効率的な生育と、収穫量の拡充とを図ること、等を目的とする。
【0010】
「D」 本発明では、燃焼筒に併設して吸込み通路を形成する。これにより、炭酸ガス(炭酸ガス)と空気との熱交換が図れる。
【0011】
「E」 本発明では、燃焼筒に併設して、上部屋から下部屋に向かった吸込み通路を形成する。これにより、炭酸ガスと空気との熱交換と、炭酸ガスの降温化を確保し、前記「D」の効果を確実にすることを目的とする。
「F」 本発明では、少なくとも、下部屋の第2空気吸込み口より、外郭体内に、空気を取込む構成である。これにより、炭酸ガス、及び/又は、炭酸ガスと空気との熱交換の促進と、燃焼機の空冷化等に寄与することを目的とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明は、箱型の外郭体は中板で上下部屋に区画し、下部屋に送風機を、上部屋に燃焼機をそれぞれ設けた炭酸ガス発生装置であって、
上部屋には、中板に載架した燃焼筒を収容するとともに、上部屋の内周面と燃焼筒の外周面の間に空間を形成し、
上部屋の高さに対し、燃焼筒の上部開口部の高さを低くし、迂回通路を形成し、
空間と迂回通路を連通し、
外郭体には、第1空気吸込み口を開設し、
上部屋には、上部開口部を備えた燃焼筒を設け、
上部屋と下部屋との間には吸込み通路を形成するとともに、吸込み通路は、燃焼筒に併設し、かつ吸込み通路の第1開口部は、燃焼筒の上部開口部に開口し、吸込み通路の第2開口部は、送風機の吸込み口に開口し、
外郭体には、下部屋に貫通するハウス内の空気を吸込む第2空気吸込み口を形成するとともに、中板には、上下部屋に貫通する貫通孔を開設する構成とした炭酸ガス発生装置。
【0013】
従って、前述した、下記の目的を達成できる。
【0014】
「A」 炭酸ガス発生装置と送風装置との一体化を達成する。これにより、装置の小型化を達成すること、経済面の課題解決を図ること、等を目的とする。
【0015】
「B」 炭酸ガス発生装置と送風装置との一体化を達成する。これにより、ハウス内の移動の自由化と、作業の迅速化等を図ること、等を目的とする。
【0016】
「C」 炭酸ガスと空気との混合で、適温、かつ適度の濃度(適濃)の炭酸ガスを生成する。これにより、萎凋化の回避を図ることと、作物の効率的な生育と、収穫量の拡充とを図ること、等を目的とする。
【0017】
「D」 燃焼筒に併設して吸込み通路を形成する。これにより、炭酸ガスと空気との熱交換が図れる。
【0018】
「E」 燃焼筒に併設して、上部屋から下部屋に向かった吸込み通路を形成する。これにより、炭酸ガスとハウス内の空気との熱交換と、炭酸ガスの降温化を確保し、前記「D」の効果を確実にすることを目的とする。
「F」 少なくとも、下部屋の第2空気吸込み口より、外郭体内に、ハウス内の空気を取込む構成である。これにより、炭酸ガス、及び/又は、燃焼ガスと空気との熱交換の促進と、燃焼機の空冷化等に寄与することを目的とする。
【0021】
請求項の発明は、第1空気吸込み口は、外郭体の側面に開設する構成とした炭酸ガス発生装置である。
【0022】
従って、前述した、請求項1の特徴の他に、下記の目的を達成できる。
」 燃焼ガスと空気との混合が図れることと、燃焼ガスから炭酸ガスの生成(変換)に有効である。
【0023】
請求項の発明は、燃焼筒と上部屋とに貫設したホースの吸込み口は、外郭体の正面に開設する構成とした炭酸ガス発生装置である。
【0024】
従って、前述した、請求項1の特徴の他に、下記の目的を達成できる。
」 ダクトへの損傷回避と、ハウスへの炭酸ガスの確実な供給が図れる。
【0025】
請求項の発明は、燃焼筒の上部の何れかの面には、炭酸ガス吐出用の開口孔を開設する構成とした炭酸ガス発生装置である。
【0026】
従って、前述した、請求項1の特徴の他に、下記の目的を達成できる。
」 燃焼ガスと空気との効率的で、かつ確実な混合が図れることと、ダクトへの損傷回避と、ハウスへの炭酸ガスの確実な供給が図れる。
【0030】
請求項の発明は、外郭体の天板の下側と、燃焼筒の上部開口部とのスペースに、迂回通路を形成し、迂回通路において、炭酸ガスは、第1空気吸込み口からの空気で、希釈、かつ降温されて、吸込み通路に送る炭酸ガス発生装置である。
【0031】
従って、前述した、請求項1の特徴の他に、下記の目的を達成できる。
」 迂回通路により、炭酸ガス、及び/又は、燃焼ガスと空気との熱交換の促進にさらに寄与することを目的とする。
【0032】
請求項の発明は、請求項1に記載の炭酸ガス発生装置を利用するハウス内への炭酸ガス供給方法であって、
燃焼筒で生成した炭酸ガスは、燃焼筒の上部開口部に向かって上昇し、上昇した炭酸ガスは、上部開口部に到る前に、燃焼筒の上側に設けた開口孔より、外郭体の内周面と燃焼筒の外周面とで形成される空間に到り、外郭体に設けた第1吸込み口から取込まれた空気の一部と混合し、第1希釈及び第1降温した炭酸ガスを生成し、
また、上部開口部に到った炭酸ガスは、第1空気吸込み口より取込まれた他部の空気と混合し、第2希釈及び第2降温した炭酸ガスを生成し、
第1希釈及び第1降温した炭酸ガスと、第2希釈及び第2降温した炭酸ガスとを、上部開口部で混合し、混合炭酸ガスは、下部屋に備えた送風機の吸引で、吸込み通路の上側の第1開口部より、吸込み通路に導き、熱交換し、第3降温を生成し、第3降温した炭酸ガスは、吸込み通路の下側の第2開口部から、送風機の内部に到り、送風機の吐出口から前記ダクトに供給するハウス内への炭酸ガス供給方法である。
【0033】
従って、前述した、下記の目的を達成できる。
【0034】
「A」 炭酸ガス発生装置と送風装置との一体化を達成する。これにより、装置の小型化を達成すること、経済面の課題解決を図ること、等を目的とする。
【0035】
「B」 炭酸ガス発生装置と送風装置との一体化を達成する。これにより、ハウス内の移動の自由化と、作業の迅速化等を図ること、等を目的とする。
【0036】
「C」 燃焼ガスと空気との混合で、炭酸ガスを生成する。これにより、萎凋化の回避を図ることと、作物の効率的な生育と、収穫量の拡充とを図ること、等を目的とする。
【0037】
「D」 燃焼筒に併設して吸込み通路を形成する。これにより、燃焼ガス(炭酸ガス)と空気との熱交換が図れる。
【0038】
「E」 燃焼筒に併設して、上部屋から下部屋に向かった吸込み通路を形成する。これにより、炭酸ガスと空気との熱交換と、炭酸ガスの降温化を確保し、前記「D」の効果を確実にすることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1-1】炭酸ガス発生装置の側面図
図1-2】図1−1の要部の端面し、一部欠截した模式図
図2-1】炭酸ガス発生装置の制御盤を外した正面図
図2-2】図2−1の要部の端面図
図3】炭酸ガス発生装置の横断面図で、併せて外郭体と、中筒と燃焼機との関係を説明する図
図4-1】炭酸ガス発生装置のハウスへの設置であり、畝間にダクトを配置した一例を示した模式図
図4-2】炭酸ガス発生装置のハウスへの他の設置であり、棚下にダクトを配置した一例を示した模式図
図5図1−2を利用し、燃焼ガスと、空気と炭酸ガスとの流れを示した断面模式図
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の好ましい、一実施例を説明する。
【0041】
図1−2と図2−2等に示した炭酸ガス発生装置Aは、ハウスHの妻面H1に隣設して配置する。炭酸ガス発生装置Aを説明すると、炭酸ガス発生装置Aは、箱型の外郭体1でなり、この外郭体1は、略上下の真中に設けた中板2を介して(区画して)上下部屋3a・3bとなっている。この下部屋3bには、送風機6を配備する。また、上部屋3aには、中板2に燃焼筒7を載架し、外郭体1の内周面1dと燃焼筒7の外周面7dとの間に空間9を形成する。この上部屋3aの高さに対して、燃焼筒7の上部開口部700の高さを低くし(差高30を形成し)、迂回通路8を形成する。即ち、上部開口部700の上部であって、上部屋3aの内周面3a−1(外郭体1の内周面1d)で囲繞された部位である。そして、この上部屋3aには、燃焼筒7の裏面7e側に併設するようにして吸込み通路10を形成する。この吸込み通路10の第1・第2開口部10a、10bは、上部開口部700と中板2に開口した送風機6の吸込み口600にそれぞれ開口する。図中11は燃焼機で、燃焼筒7の底部(中板2)に設けられている。そして、この燃焼機11の差込み口1100には、外郭体1外に開口するホース12が差込み支持される。図中14は燃焼空気と燃料とで燃焼するバーナを示す。図中1eは、外郭体1の天板を示す。
【0042】
そして、図1−2と図2−2等において、燃焼筒7には、複数個の開口孔20(丸穴を開口する。この開口孔20は、上部屋3aと燃焼筒7の燃焼室701とに繋がる。この一例では、燃焼筒7の上部で、かつ左右側面7a、7bと正面7cに開口し、迂回通路8(上部屋3a)に繋がるように開口する。また、外郭体1には、ハウスHと上下部屋3a、3bとに開口する第1空気吸込み口21が開口されている。従って、例えば、ハウスH内の空気の一部を、第1空気吸込み口21を経由し(第1空気吸込み口21より入った空気の一部は)、外郭体1の内周面1dと燃焼筒7の外周面7dとで形成される空間9の上部に送られる。送られた空気の一部は、燃焼筒7の開口孔20から吐出される炭酸ガスXと混合される。この空気の一部と炭酸ガスXとの混合で、この炭酸ガスXの第1希釈、及び第1降温を行い、第1希釈と第1降温した炭酸ガスX1が生成される。この第1希釈、及び第1降温された炭酸ガスX1は、例えば、燃焼筒7の上部開口部700から迂回通路8に導く、この際に、炭酸ガスX1は、第1空気吸込み口21から吸込んだ空気の他部と混合される。この空気の他部と炭酸ガスX1との混合で、この炭酸ガスX1の第2希釈、及び第2降温を行い、第2希釈、及び第2降温した炭酸ガスX2が生成される。尚、第2空気吸込み口22は、外郭体1の下部で、かつ左右側面1a、1bと正面1cに開口し、この一例では、下部屋3bに繋がるように開口する。この第2空気吸込み口22は、中板2の複数個の貫通孔200から、上部屋3a、及び/又は、空間9に導き、燃焼筒7、又は吸込み通路10等の冷却に役立てる。又は第1空気吸込み口21からの一部、及び/又は、他部の空気との混合に役立てるとともに、吸込み通路10を流下する(流れる)第2希釈、及び第2降温された炭酸ガスX2との熱交換で、第3降温された炭酸ガスX3が生成される。即ち、適温で適濃の炭酸ガスYが生成される。
【0043】
従って、ハウスH内の空気の一部を、第1空気吸込み口21で空間9に吸込み、開口孔20から、炭酸ガスXと混合し、第1希釈と第1降温とが図られ、第1希釈、及び第1降温された炭酸ガスX1が生成される。その後、前記第1希釈、及び第1降温された炭酸ガスX1は、燃焼筒7の上部開口部700から迂回通路8に到るが、この際に、炭酸ガスX1は、第1空気吸込み口21から吸込んだ空気の他部との混合で、第2希釈、及び第2降温が図られ、第2希釈、及び第2降温された炭酸ガスX2が生成される。その後、吸込通路10に到り、第2空気吸込み口22から吸込まれた空気との熱交換により、第3降温が図れる。第3降温された炭酸ガスX3は、適温で適濃(適宜濃度)の炭酸ガスYとなる。送風機6の吸引力で、機内に吸込んだ後、その供給口13よりダクト15に送られる。このダクト15は棚下とか、畝間に配備される。炭酸ガスYは、ダクト15の細孔(図4−1参照)とか、分岐ダクト15aと細孔、又は吹出口を利用して、作物とかハウスH内に送られる(図4−2参照)。図中16は制御盤である。
【0044】
また、第2空気吸込み口22は、外郭体1の下部で、かつ左右側面1a、1bと正面1cに開口し、この一例では、下部屋3bに繋がるように開口する。この第2空気吸込み口22は、中板2の複数個の貫通孔200から、上部屋3aに至り、燃焼筒7とか吸込み通路10の冷却に役立てるとともに、前記第3降温に役立てる。また、下部屋3bには、送風機6が配備されているので、第2空気吸込み口22からの空気で、送風機6と内部の図示しないモータ等の過熱防止にも有効である。
【0045】
次に、図5に示した断面模式図を利用して、第1希釈、及び第1降温された炭酸ガスXlと、第2希釈、及び第2降温された炭酸ガスX2と、空気と炭酸ガスXとの流れを説明すると、燃焼筒7で生成し、完全燃焼した炭酸ガスXは、燃焼筒7の上部開口部700に向かって上昇(イ)し、上昇した炭酸ガスXは、上部開口部700に到る前に、外郭体1の第1空気吸込み口21から取込まれた空気の一部で、かつ上部開口部700に形成した開口孔20より取込まれた空気と混合し(ロ)、炭酸ガスXの第1希釈、及び第1降温を行う(ハ)。そして、第1希釈、及び第1降温された炭酸ガスX1は、燃焼筒7の上部開口部700の上で、かつ外郭体1の高さと、上部開口部700の開口位置高さとの差高30で形成された迂回通路8において、第1空気吸込み口21から取込まれた空気の他部と混合し、炭酸ガスX1の第2希釈、及び第2降温を行う(ニ)。第2希釈、及び第2降温された炭酸ガスX2は、下部屋3bに備えた送風機6の吸引で、吸込み通路10の上側の第1開口部10aより(ホ)、吸込み通路10内に導き、第2空気吸込み口22からの空気との間接接触で第3降温された炭酸ガスX3は、吸込み通路10の下側の第2開口部10bから(へ)、送風機6の内部に導き、送風機6の供給口13からダクト15等に供給されるハウスH内に向かって、適温で適濃の炭敵ガスYとして供給、及び/又は、配送される(ト)。
【0046】
前述した各構造は、本発明の好ましい一例の説明である。従って、本発明は上述した各実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造とか、同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0047】
1 外郭体
1a 側面
1b 側面
1c 正面
1d 内周面
1e 天板
2 中板
200 貫通孔
3a 上部屋
3a−1 内周面
3b 下部屋
6 送風機
600 吸込み口
7 燃焼筒
7a 側面
7b 側面
7c 正面
7d 外周面
7e 裏面
700 上部開口部
701 燃焼室
8 迂回通路
9 空間
10 吸込み通路
10a 第1開口部
10b 第2開口部
11 燃焼機
1100 差込み口
12 ホース
13 供給口
14 バーナ
15 ダクト
15a 分岐ダクト
16 制御盤
20 開口孔
21 第1空気吸込み口
22 第2空気吸込み口
30 差高
A 炭酸ガス発生装置
X 炭酸ガス
X1 第1希釈と第1降温された炭酸ガス
X2 第2希釈と第2降温された炭酸ガス
X3 第3降温された炭酸ガス
Y 適温で適濃の炭酸ガス
H ハウス
H1 妻面



図1-1】
図1-2】
図2-1】
図2-2】
図3
図4-1】
図4-2】
図5