特許第6793401号(P6793401)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793401
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】難治性白血病治療薬
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20201119BHJP
   A61K 31/573 20060101ALI20201119BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20201119BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   A61K31/519ZMD
   A61K31/573
   A61P35/02
   A61P43/00 121
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-505422(P2017-505422)
(86)(22)【出願日】2016年3月11日
(86)【国際出願番号】JP2016057795
(87)【国際公開番号】WO2016143896
(87)【国際公開日】20160915
【審査請求日】2019年3月1日
(31)【優先権主張番号】62/131,646
(32)【優先日】2015年3月11日
(33)【優先権主張国】US
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、「次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム」、「予後不良急性骨髄性白血病の幹細胞を標的とした低分子化合物の開発」委託研究開発、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】503359821
【氏名又は名称】国立研究開発法人理化学研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 文彦
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 頼子
【審査官】 六笠 紀子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/017659(WO,A1)
【文献】 特表2008−509911(JP,A)
【文献】 特表2014−508808(JP,A)
【文献】 Science Translational Medicine,2013年,5(181),p.126-140
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/33−33/44
WPI
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(式中、Arは、置換又は非置換のアリーレン基であり;
Arは、置換又は非置換のアリール基又は置換又は非置換のアラルキル基であり;
Lは、酸素原子、−NHCO−又は−CONH−である。)
で示される化合物、その塩又はそれらのプロドラッグ(ここで、プロドラッグは、C2−7−アシル基、C1−6−アルコキシ(C2−7アシル)基、C1−6−アルコキシカルボニル(C2−7−アシル)基、C1−6−アルコキシカルボニル基、C1−6−アルコキシ(C2−7−アルコキシカルボニル)基、(C2−7−アシルオキシ)メチル基、1−(C2−7−アシルオキシ)エチル基、(C2−7−アルコキシカルボニル)オキシメチル基もしくは1−〔(C2−7−アルコキシカルボニル)オキシ〕エチル基で置換された、水酸基又はアミノ基を有する化合物、又はC1−6−アルキル基、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル基、(C2−7−アシルオキシ)メチル基、1−(C2−7−アシルオキシ)エチル基、(C2−7−アルコキシカルボニル)オキシメチル基もしくは1−〔(C2−7−アルコキシカルボニル)オキシ〕エチル基で置換されたカルボキシル基を有する化合物である。)
を含有する組成物であって、デキサメタゾンと同時に、別々に、又は順次に投与することによって難治性白血病を治療するための組成物
【請求項2】
求項1に記載の式(I)で示される化合物、その塩又はそれらのプロドラッグデキサメタゾンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の式(I)で示される化合物が、7−[trans−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)シクロヘキシル]−5−(4−フェノキシフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(RK-20449)及びN−(4−(4−アミノ−7−((trans)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロヘキシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)フェニル)−3−フェニルプロパンアミド(RK-20693)の群から選択される少なくとも一つの化合物である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
難治性白血病が急性リンパ性白血病である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
急性リンパ性白血病がMLL白血病である、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
難治性白血病が小児白血病である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
難治性白血病が治療抵抗性の白血病である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
次式(I):
【化2】
(式中、Arは、置換又は非置換のアリーレン基であり;
Arは、置換又は非置換のアリール基又は置換又は非置換のアラルキル基であり;
Lは、酸素原子、−NHCO−又は−CONH−である。)
で示される化合物、その塩又はそれらのプロドラッグ(ここで、プロドラッグは、C2−7−アシル基、C1−6−アルコキシ(C2−7アシル)基、C1−6−アルコキシカルボニル(C2−7−アシル)基、C1−6−アルコキシカルボニル基、C1−6−アルコキシ(C2−7−アルコキシカルボニル)基、(C2−7−アシルオキシ)メチル基、1−(C2−7−アシルオキシ)エチル基、(C2−7−アルコキシカルボニル)オキシメチル基もしくは1−〔(C2−7−アルコキシカルボニル)オキシ〕エチル基で置換された、水酸基又はアミノ基を有する化合物、又はC1−6−アルキル基、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル基、(C2−7−アシルオキシ)メチル基、1−(C2−7−アシルオキシ)エチル基、(C2−7−アルコキシカルボニル)オキシメチル基もしくは1−〔(C2−7−アルコキシカルボニル)オキシ〕エチル基で置換されたカルボキシル基を有する化合物である。)
とデキサメタゾンを含む難治性白血病治療用キット。
【請求項9】
請求項8に記載の式(I)で示される化合物が、7−[trans−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)シクロヘキシル]−5−(4−フェノキシフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(RK-20449)及びN−(4−(4−アミノ−7−((trans)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロヘキシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)フェニル)−3−フェニルプロパンアミド(RK-20693)の群から選択される少なくとも一つの化合物である、請求項8に記載のキット。
【請求項10】
難治性白血病が急性リンパ性白血病である、請求項8又は9に記載のキット。
【請求項11】
急性リンパ性白血病がMLL白血病である、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
難治性白血病が小児白血病である、請求項8又は9に記載のキット。
【請求項13】
難治性白血病が治療抵抗性の白血病である、請求項8〜12のいずれか1項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難治性白血病の治療薬に関する。
【背景技術】
【0002】
白血病の多くが根治されるようになった現在でも、未だに難治性(治療抵抗性)の白血病もまた多く存在する。例えば、MLL(myeloid/lymphoid or mixed-lineage leukemia)は11番染色体に乗っている遺伝子であり(11q23)、染色体転座によってAF4, AF9, ENLなどの遺伝子と融合することで、白血病を起こすことが知られ、MLL遺伝子再構成のある白血病 (MLL白血病)は難治性白血病の代表的な一つである。MLL白血病は、多くの患児が再発して、死亡する白血病として知られている。3年生存率がわずか3割であり、3人にふたりが死亡する。更に、MLL白血病の多くは、1歳以下の乳児期に発症する。このことから、MLL白血病に対する治療開発が望まれている。
【0003】
また、小児白血病において半数以上の患者が再発を来して、死の転帰を辿る。多くの小児科医が、本疾患の克服のため、現在市販されている薬剤を複数用いて、治療を実施しているものの、根治は極めて難しい状況である。
【0004】
白血病の治療においては、白血病の種類において推奨される治療薬は異なり、また治療の段階(寛解導入療法、維持療法)においても個別に異なっている。例えば小児急性リンパ性白血病の治療の寛解導入療法にはステロイド系抗炎症薬のプレドニゾロン又はデキサメタゾンが用いられている。
【0005】
最近において、急性骨髄性白血病(AML)に対して、白血病幹細胞増殖抑制効果を有し、治療又は再発抑制に有効な医薬組成物が開示されている(特許文献1、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2014/017659
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Science Translational Medicine, 2, 17ra9 (2010).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
難治性の白血病では多くの併用剤の組合せが試みられているが、根治は難しい。また、治療段階において様々な治療薬及び治療方法があり、根治を目指す上で適切に選択することも困難である。
【0009】
本発明は、前記の状況を鑑みてなされたものであり、難治性白血病の治療組成物、特にはMLL白血病又は小児白血病に有効な治療組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは前記課題を解決するため研究を重ねた結果、意外にも小児急性リンパ性白血病の治療で用いられるステロイド系抗炎症薬及び急性骨髄性白血病治療薬の組合せによって難治性白血病の白血病細胞の殺傷効率が著しく向上するとの知見を得た。
【0011】
更に、本発明者らは詳細に検討し、免疫不全マウスにMLL白血病細胞を移植してデキサメタゾンとRK-20449の組合せを処置した後に、当該マウスからMLL白血病細胞を別の免疫不全マウスに二次移植しても当該細胞の増殖が殆ど確認できなかったことから、難治性白血病のより深い寛解状態(より多くの白血病細胞を殺すことができる)を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)下記薬剤(a)及び薬剤(b)を含有する難治性白血病治療組成物、
薬剤(a);次式(I):
【0013】
【化1】
(式中、Arは、置換又は非置換のアリーレン基であり;
Arは、置換又は非置換のアリール基又は置換又は非置換のアラルキル基であり;
Lは、酸素原子、−NHCO−又は−CONH−であり;
は、CHであり;
及びXは、それぞれCH及び窒素原子であり;
Yは、エチレン基であり;
mは、0であり;
及びZはXを含み、2個の窒素原子を環員に含む置換又は非置換の単環の複素環基である。)
で示される化合物、その塩又はそれらのプロドラッグ、
薬剤(b);ステロイド系抗炎症薬、
(2)前記薬剤(a)及び前記薬剤(b)を同時に、別々に、又は順次に投与する難治性白血病治療組成物、
(3)併用するための前記薬剤(a)と前記薬剤(b)を含む難治性白血病治療組成物、
(4)前記薬剤(a)を含み、前記薬剤(b)と併用することにより前記薬剤(b)の難治性白血病の治療効果を上昇させる組成物、
(5)前記薬剤(a)及び前記薬剤(b)を含む難治性白血病治療用キット組成物、
(6)前記薬剤(a)の化合物が、7−[trans−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)シクロヘキシル]−5−(4−フェノキシフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(RK-20449)及びN−(4−(4−アミノ−7−((trans)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロヘキシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)フェニル)−3−フェニルプロパンアミド(RK-20693)の群から選択される少なくとも一つの化合物である、(1)乃至(5)のいずれかに記載の組成物、
(7)前記薬剤(b)が、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、フルチカゾン及びヒドロコルチゾンの群から選択される少なくとも一つの剤である、(1)乃至(6)のいずれかに記載の組成物、
(8)難治性白血病が急性リンパ性白血病である、(1)乃至(7)のいずれかに記載の組成物、
(9)急性リンパ性白血病がMLL白血病である、(1)乃至(7)のいずれかに記載の組成物、
(10)難治性白血病が小児白血病である、(1)乃至(7)のいずれかに記載の組成物、
(11)前記薬剤(a)及び前記薬剤(b)を同時に、別々に、又は順次に投与する難治性白血病を治療する方法、
(12)前記薬剤(a)の化合物が、7−[trans−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)シクロヘキシル]−5−(4−フェノキシフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(RK-20449)及びN−(4−(4−アミノ−7−((trans)−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)シクロヘキシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル)フェニル)−3−フェニルプロパンアミド(RK-20693)の群から選択される少なくとも一つの化合物である、(11)記載の方法、
(13)前記薬剤(b)が、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、フルチカゾン及びヒドロコルチゾンの群から選択される少なくとも一つの剤である、(11)又は(12)記載の方法、
(14)難治性白血病が急性リンパ性白血病である、(11)乃至(13)のいずれかに記載の方法、
(15)急性リンパ性白血病がMLL白血病である、(11)乃至(13)のいずれかに記載の方法、
(16)難治性白血病が小児白血病である、(11)乃至(13)のいずれかに記載の方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によって、従来の難治性白血病の治療薬又は治療方法よりも、より深い寛解状態(より多くの白血病細胞を殺すことができる)を得ることができる。本発明によってもたらされる深い寛解状態から、難治性白血病の根治(例えば、5年以上経過しても再発を来さない)が見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】MLL白血病に対するヒト化マウスモデルを作製した。この白血病に対するkey drugのひとつがsteroid (dexamethasone)であるが、各症例において、折れ線で示すとおりsteroidに対する感受性は異なり、一旦きいたと思われる症例でも、ヒト化マウスモデルで再発が再現された。折れ線グラフは、横に時間(週)縦にヒト白血病細胞のマウス末梢血中におけるキメリズムを示す。
図2】折れ線グラフは、横に時間(週)縦にヒト白血病細胞のマウス末梢血中におけるキメリズムを示す。WO2014/017659で開示されたように、成人のAMLに対してHCKとFLT3を阻害する化合物の有効性が突き止められている。その化合物の一つであるRK-20449でも、折れ線で示すとおり、単剤によるMLL白血病の根絶は容易ではない。
図3】折れ線グラフは、横に時間(週)縦にヒト白血病細胞のマウス末梢血中におけるキメリズムを示す。steroid (dexamethasone)単剤又はRK-20449単剤ではMLL白血病の根治は到底期待できる状況ではなかったが、SteroidとRK-20449の併用を行うことで、ここに示す4症例すべてにおいて、著明な薬効を認めた。縦軸は、末梢血中のヒト白血病細胞の割合を示すが、すべてにおいて、ほぼゼロである。
図4】Steroid (dexamethasone)とRK-20449の併用処置が骨髄(BM)におけるMLL白血病細胞(MLL-AF9 ALL cell)を根絶することを示す。末梢血中だけでなく、骨髄における薬効を調べたところ、単剤では、十分な治療効果でないものの、併用において、強い薬効を認めた。これは、単純に、steroidとRK-20449の薬効を足したものとは考えづらく、相乗効果があると考えられる。
図5】Steroid (dexamethasone)とRK-20449の併用処置が骨髄(BM)におけるMLL白血病細胞(MLL-AF9 ALL cell)を根絶することを示す。治療後の白血病ヒト化マウスの骨髄の染色の写真である。Steroid単剤で投与後も、このように骨髄中には褐色に染色されたヒト白血病細胞が多数存在する。しかし、併用療法にて、右に示すとおり、褐色に染色される白血病細胞はほとんど存在しない。
図6】治療後の白血病ヒト化マウスの肝臓、腎臓の染色の写真である。従来のkey drugとして用いられてきたsteroidでは、これらの浸潤を劇的に改善するには至らないが、steroid + RK-20449にて、骨髄ばかりでなく、肝臓・腎臓に浸潤した白血病細胞をも殺せることが分かった。
図7】Steroid (dexamethasone)とRK-20449の併用処置が骨髄(BM)におけるMLL白血病細胞(MLL-AF9 ALL cell)を根絶することを示す。免疫不全マウスにMLL白血病細胞(MLL-AF9 ALL cell)を移植(一次移植)してデキサメタゾンとRK-20449の組合せを処置した後に、当該マウスからMLL白血病細胞を別の免疫不全マウスに二次移植した結果のグラフである。デキサメタゾン単独処置とRK-20449単独処置を比較対象とした。二次移植においては、デキサメタゾン単独処置とRK-20449単独処置ではMLL白血病細胞が顕著な割合で存在した(移植後に細胞増殖した)が、併用処置(combination)においてはMLL白血病細胞の増殖は殆ど確認できなかった。このことから、一次移植において難治性白血病のより深い寛解状態(より多くの白血病細胞を殺すことができる)を得られていたことが示された。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を説明する。
(治療組成物)
本発明の治療組成物は、薬剤(a)として前記式(I)で示される化合物、及び薬剤(b)としてステロイド系抗炎症薬を組合せてなる組成物である。
【0017】
前記式(I)において、Arで表されるアリーレン基としては、例えば後述するアリール基から、環炭素原子の1個の水素原子を除去することにより生成される2価基が挙げられる。
【0018】
Arで表されるアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基が挙げられ、アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基が挙げられる。
【0019】
Ar又はArの置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基等の鎖状アルキル基、及びシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等のC1−6−アルキル基;ビニル基、アリル基等のC2−6−アルケニル基;エチニル基、プロパルギル基等のC2−6−アルキニル基;C2−6−アルキレン基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ヘテロアリール基;アセチル基、プロピオニル基等のC2−7−脂肪族アシル基;ベンゾイル基等の芳香族アシル基;水酸基;カルボニル基;カルボキシル基;シアノ基;ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基等のC1−6−アルコキシ基;ベンジル基等のアラルキル基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基;ニトロ基;アミノ基;C1−6−アルキルアミノ基;ジ(C1−6−アルキル)アミノ基等が挙げられ、Ar又はAr基は独立した複数の置換基で置換されていてもよい。
【0020】
、Z及びXで形成される単環の複素環基としては、例えばピペリジニル基、ピペラジニル基が挙げられる。
【0021】
、Z及びXで形成される単環の複素環基の置換基としては、C1−6−アルキル基、C2−6−アルケニル基、C2−6−アルキニル基、C1−3−アルキレン基、アリール基、ヘテロアリール基、C2−7−脂肪族アシル基、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、C1−6−アルコキシ基、ヒドロキシ−C1−6−アルキル基、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、ニトロ基、アミノ基、C1−6−アルキルアミノ基、ジ(C1−6−アルキル)アミノ基等が挙げられ、複素環基は独立した複数の置換基で置換されていてもよい。
【0022】
Arとしては、1,4−フェニレン基、2−メトキシ−1,4−フェニレン基、3−メトキシ−1,4−フェニレン基、2,5−ピリジレン基が好ましい。
【0023】
Arとしては、フェニル基、フルオロフェニル基、ピリジル基、メチルインドリル基、フェネチル基、が好ましく、フェニル基、1−メチル−2−インドリル基、フェネチル基が更に好ましい。
【0024】
Lとしては、酸素原子、−NHCO−が好ましい。
【0025】
がCHでありXが窒素原子のとき、Z、Z及びXで形成される複素環基としては、
次式(a):
【0026】
【化2】
(式中、Rは、水素原子、C1−6−アルキル基、C2−7−脂肪族アシル基、ヒドロキシ−C1−6−アルキル基又はC1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル基であり、nは0であり、Xは前記と同義である。)
で示されるピペラジニル基が好ましい。
【0027】
式(a)で表されるピペラジニル基のRとしては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好ましい。
【0028】
式(a)で表されるピペラジニル基としては、ピペラジノ基、4−メチル−1−ピペラジニル基、4−tert−ブチル−1−ピペラジニル基が好ましい。
【0029】
が窒素原子でありXがCHのとき、Z、Z及びXで形成される複素環基としては、前記式(a)で表されるピペラジニル基においてXと結合する窒素原子をCHに置換した基が好ましく、ピペリジン−4−イル基が特に好ましい。
【0030】
前記式(I)で示される化合物の塩としては、薬学的に許容される塩が好ましく、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、ピロ硫酸、メタリン酸等の無機酸、又はクエン酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、コハク酸、スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸)、アミノ酸(例えば、グルタミン酸)等の有機酸との塩が挙げられる。また、前記式(I)で示される化合物がフェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸性置換基を有する場合には、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、リジン塩、アルギニン塩として用いることもできる。
【0031】
本明細書において「プロドラッグ」とは、生物系に投与した場合に、自発的な化学反応の結果として、又は触媒する酵素若しくは代謝反応により、一般式(I)の化合物を生ずる全ての化合物を示す。水酸基又はアミノ基において使用されるプロドラッグを構成する基としては、例えば、C2−7−アシル基、C1−6−アルコキシ(C2−7アシル)基、C1−6−アルコキシカルボニル(C2−7−アシル)基、C1−6−アルコキシカルボニル基、C1−6−アルコキシ(C2−7−アルコキシカルボニル)基、(C2−7−アシルオキシ)メチル基、1−(C2−7−アシルオキシ)エチル基、(C2−7−アルコキシカルボニル)オキシメチル基、1−〔(C2−7−アルコキシカルボニル)オキシ〕エチル基等が挙げられ、C2−7−アシル基、C1−6−アルコキシカルボニル基が好ましい。カルボキシル基において使用されるプロドラッグを構成する基としては、例えば、C1−6−アルキル基、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル基、(C2−7−アシルオキシ)メチル基、1−(C2−7−アシルオキシ)エチル基、(C2−7−アルコキシカルボニル)オキシメチル基、1−〔(C2−7−アルコキシカルボニル)オキシ〕エチル基等が挙げられ、C1−6−アルキル基、C1−6−アルコキシ−C1−6−アルキル基が好ましい。
【0032】
前記式(I)で示される化合物の詳細、製造方法は、WO2014/017659に記載されている。
【0033】
前記式(I)で示される化合物、その塩又はそれらのプロドラッグ(以下「化合物(I)」という。)は、急性骨髄性白血病において白血病幹細胞増殖抑制効果又は白血病幹細胞の殺傷能を示すが、本発明においては、前記薬剤(b)の難治性白血病の治療効果を著しく向上させることに寄与する。
【0034】
本発明に係る薬剤(b)はステロイド系抗炎症薬である。ステロイド系抗炎症薬としては特に限定されないが、好ましくはデキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、フルチカゾン又はヒドロコルチゾンであり、より好ましくはデキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン又はメチルプレドニゾロンであり、特に好ましくはデキサメタゾンである。
【0035】
本発明の組成物によれば、従来の難治性白血病の治療薬又は治療方法より、より深い寛解状態(より多くの白血病細胞を殺すことができる)を得ることができる。本発明によってもたらされる深い寛解状態から、難治性白血病の根治が見込まれる。本文において、「根治」とは、白血病の病状が改善されて寛解に至り、長期間(例えば5年以上)を経過しても再発を来さない状態のことを指す。
【0036】
本発明の治療組成物は、治療の補助として他の白血病の治療又は再発抑制剤、免疫賦活剤などと併用してもよいが、本発明の効果は前記薬剤(a)及び薬剤(b)の組合せによって達成され得るものである。
【0037】
薬剤(a)及び薬剤(b)の剤形は、当業者において適宜変更し得るものである。
【0038】
(治療対象)
本発明の治療対象は、通常哺乳動物である。哺乳動物としては、例えばマウス、ラット、ハムスター、モルモット等のげっ歯類やウサギ等の実験動物;ブ夕、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ミンク等の家畜;イヌ、ネコ等のペット;ヒト、サル、カニクイザル、アカゲザル、マーモセット、オランウータン、チンパンジー等の霊長類を挙げることができる。本発明の治療対象は、好ましくはヒトである。
【0039】
(対象疾患)
本発明の対象疾患は、難治性白血病である。本明細書において、難治性白血病は、治療抵抗性の白血病の意味でもあり、初期治療の既存治療薬での症状改善が困難な白血病の他、再発が起きやすい白血病も含まれる。その例としては、急性リンパ性白血病(ALL)又は急性骨髄性白血病(AML)などが挙げられ、好ましくは急性リンパ性白血病(ALL)、より好ましくはMLL(myeloid/lymphoid or mixed-lineage leukemia)白血病である。MLL白血病は、変異型MLL遺伝子を有する白血病細胞が認められる白血病であり、変異型としてAF4、AF9、ENLなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
難治性白血病の別の例としては、好ましくは小児白血病であり、より好ましくは小児ALL白血病、より好ましくは小児MLL白血病である。
【0041】
(治療組成物の投与量、製剤化)
以下、治療組成物の投与量及び製剤化について説明する。
【0042】
化合物(I)はそのまま、あるいは慣用の製剤担体と共にヒト及び非ヒト動物に投与することができる。投与形態としては、特に限定がなく、必要に応じ適宜選択して使用され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、徐放性製剤、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤等の経口剤、注射剤、坐剤、塗布剤、貼付剤等の非経口剤が挙げられる。
【0043】
経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。
【0044】
この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。
【0045】
結合剤としては、例えばデンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴールが挙げられる。
【0046】
崩壊剤としては、例えばデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
【0047】
界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート80が挙げられる。
【0048】
滑沢剤としては、例えばタルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0049】
流動性促進剤としては、例えば軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムが挙げられる。
【0050】
注射剤は常法に従って製造され、希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、オリーブ油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等を用いることができる。更に必要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよい。また、注射剤は安定性の点から、バイアル等に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水分を除去し、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもできる。更に、必要に応じて適宜、等張化剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤等を加えてもよい。
【0051】
その他の非経口剤としては、外用液剤、軟膏等の塗布剤、貼付剤、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、常法に従って製造される。
【0052】
本発明の製剤は、剤形、投与経路等により異なるが、1日1〜数回から1〜数回/週〜月の投与が可能である。
【0053】
経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人で化合物(I)の重量として1〜200mgを、1日数回に分けての服用が適当である。
【0054】
非経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人で化合物(I)の重量として1日1〜50mgの静注、点滴静注、皮下注射、筋肉注射が適当である。
【0055】
ステロイド系抗炎症薬の投与量は、当該薬剤が薬効を発揮する範囲であれば、特に制限はないが、本発明によれば、化合物(I)との組み合わせにより相乗効果が得られるので、通常使用される投与量よりも低い用量で使用することもできる。
【0056】
薬剤(a)である化合物(I)は、薬剤(b)であるステロイド系抗炎症薬と組合せて投与されるが、その方法として、両薬剤を同一の製剤中に含有させてもよく、2つの別個の製剤に含有させて、同時に、別々に、又は順次に、必要に応じて所定の間隔をおいて投与してもよい。
【0057】
なお、本文中で挙げられた特許及び特許出願明細書を含む全ての刊行物に記載された内容は、本明細書での引用により、その全てが明示されたと同程度に本明細書に組み込まれるものである。
【実施例】
【0058】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
【0059】
(材料および方法)
NOD. Cg-Prkdcscid Il2rgtmlWjl/Sz (NOD/SCID/IL2rgnull, NSG)マウスは、Il2rg遺伝子座の完全ヌル変異をNOD. Cg-Prkdcscid (NOD/SCID)系統と戻し交雑することによって、The Jackson Laboratory(米国メーン州Bar Harbor)で開発された(Shultz,L. D. et al.,Multiple defects in innate and adaptive immunologic function in NOD/LtSz-scid mice. J. Immuno1. 154, 180-191 (1995))。マウスを、理研及びThe Jackson Laboratoryの動物施設で、各施設でInstitutional Animal Committeesによって確立されたガイドラインに従って、照射した食物及び酸性化した水を用いて飼育し、規定された細菌叢のもとで維持した。
【0060】
NSGマウスの新生仔期に1.5Gの放射線照射をしたのち、患者由来MLL白血病細胞(MLL-AF9)を移植した。末梢血中にヒト白血病細胞が出現したことをフローサイトメトリーにてhCD45+CD19+の存在で確認したのち、dexamethasone 70mg/kg IP daily, RK-20449 30mg/kg IP BID (1日2回)、またはその両者にて、当該マウス(白血病ヒト化マウス)の治療を実施した。
【0061】
治療を実施したのち、マウスを安楽死させ、骨髄におけるヒト白血病細胞の頻度をフローサイトメトリーにて定量した。同時に、大腿骨の1本をPFAにて固定して、5uMの薄切切片を作製した。さらに、hCD45に対する抗体とDABを用いて、ヒト白血病細胞の局在を褐色に染色した。
【0062】
この白血病に対するkey drugのひとつがsteroid (dexamethasone)であるが、各症例において、図1の折れ線で示すとおりsteroidに対する感受性は異なり、一旦きいたと思われる症例でも、ヒト化マウスモデルで再発が再現された(図1)。
【0063】
WO2014/017659で開示されたように、成人のAMLに対してHCKとFLT3を阻害する化合物の有効性が突き止められている。その化合物の一つであるRK-20449でも、図2の折れ線で示すとおり、単剤によるMLL白血病の根絶は容易ではない(図2)。
【0064】
steroid (dexamethasone)単剤又はRK-20449単剤ではMLL白血病の根治は到底期待できる状況ではなかったが、Steroid + RK-20449の併用を行うことで、ここに示すMLL-AF9の4症例すべにおいて、著明な薬効を認めた。図3の縦軸は、末梢血中のヒト白血病細胞の割合を示すが、すべてにおいてほぼゼロである(図3)。
【0065】
また、別のMLLのタイプであるMLL-ENL、MLL-AF4、さらにMLL陰性だが乳児で発症した患者の、各種白血病細胞を同様にNSGマウスに移植し、マウス末梢血にヒト白血病細胞の出現を認めた後に前述と同じ治療を施し、Steroid及びRK-20449の併用の効果をヒト白血病細胞の血液中のキメリズムによって調べた。その結果、MLL-AF9の場合と同様に、Steroid及びRK-20449の併用によって白血病細胞の顕著な殺傷効果を確認した。
【0066】
MLL-AF9のケースの白血病ヒト化マウスについて、引き続き末梢血中だけでなく骨髄における薬効を調べたところ、単剤では、十分な治療効果でないものの、併用において、強い薬効を認めた(図4)。これは、単純に、steroidとRK-20449の薬効を足したものとは考えづらく、相乗効果があると考えられる。
【0067】
Steroid単剤で投与後も、このように骨髄中には褐色に染色されたヒト白血病細胞が多数存在する。しかし、併用療法にて、右に示すとおり、褐色に染色される白血病細胞はほとんど存在しない(図5)。
【0068】
従来のkey drugとして用いられてきたsteroidでは、これらの浸潤を劇的に改善するには至らないが、steroid + RK-20449にて、骨髄ばかりでなく、肝臓・腎臓に浸潤した白血病細胞をも殺せることが分かった(図6)。
【0069】
最後に、骨髄中に残存しているヒト白血病細胞をsortingにて純化し、新生仔NSGマウスに二次移植を実施した。
【0070】
免疫不全マウスにMLL白血病細胞(MLL-AF9 ALL cell)を移植(一次移植)してデキサメタゾンとRK-20449の組合せを処置した後に、当該マウスからMLL白血病細胞を別の免疫不全マウスに二次移植した結果のグラフである。デキサメタゾン単独処置とRK-20449単独処置を比較対象とした。二次移植においては、デキサメタゾン単独処置とRK-20449単独処置ではMLL白血病細胞が顕著な割合で存在した(移植後に細胞増殖した)が、併用処置(combination)においてはMLL白血病細胞の増殖は殆ど確認できなかった。このことから、一次移植において難治性白血病のより深い寛解状態(より多くの白血病細胞を殺すことができる)を得られていたことが示された。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7