特許第6793435号(P6793435)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フットマーク株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6793435-バッグ 図000002
  • 特許6793435-バッグ 図000003
  • 特許6793435-バッグ 図000004
  • 特許6793435-バッグ 図000005
  • 特許6793435-バッグ 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793435
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】バッグ
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/04 20060101AFI20201119BHJP
   A45F 3/02 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   A45F3/04 300
   A45F3/02 420
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-128127(P2017-128127)
(22)【出願日】2017年6月29日
(65)【公開番号】特開2019-10249(P2019-10249A)
(43)【公開日】2019年1月24日
【審査請求日】2019年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】594056100
【氏名又は名称】フットマーク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100095348
【弁理士】
【氏名又は名称】柿本 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】白川 純也
【審査官】 土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3038534(JP,U)
【文献】 特開平11−103920(JP,A)
【文献】 実開平01−097727(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3164382(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3030054(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3071340(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0108726(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/00,3/02,3/04,3/12
A45C 1/00 −15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背中に背負うタイプのバッグにおいて、
少なくとも1つのコンパートメントと;
前記コンパートメント内の荷物を保持するベルト状の保持部材とを備え、
前記保持部材は、概ね水平方向に延びて、荷物を左右両側から保持することを特徴とするバッグ。
【請求項2】
前記保持部材は、前記コンパートメントの内面の背中側の部分に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のバッグ。
【請求項3】
前記保持部材は、上下方向にスライド可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のバッグ。
【請求項4】
前記保持部材は、第1及び第2の端部を有し、
前記第1及び第2の端部同士を面ファスナーで連結することによって、荷物を固定する構造であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のバッグ。
【請求項5】
前記保持部材は、前記コンパートメントの高さ方向の中心よりも下側に配置されることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のバッグ。
【請求項6】
前記保持部材を構成するベルトは、荷物を固定するのに十分な幅を有し、当該荷物を左右両側から包み込むように保持することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のバッグ。
【請求項7】
前記保持部材を構成するベルトの幅は、A4サイズの書類の縦方向の長さの半分以上であることを特徴とする請求項に記載のバッグ。
【請求項8】
前記コンパートメントは、上下方向で2つに仕切られ、又は、独立した2つのコンパートメントとして構成され、
前記保持部材が、少なくとも上側のコンパートメントに設けられていることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のバッグ。
【請求項9】
前記コンパートメントは、上下方向で2つに仕切られ、又は、独立した2つのコンパートメントとして構成され、
前記保持部材が、少なくとも下側のコンパートメントに設けられていることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のバッグ。
【請求項10】
当該バッグの背面には、前記保持部材に対応する位置付近にクッションパッドが設けられていることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックパック等の背中に背負うタイプのバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
小学生、中学生、高校生等の児童・生徒は、多くの教科書を毎日学校に持って行くため、カバンがどうしても重くなってしまう。また、社会人においても、膨大な資料やノートパソコン等の重たい荷物をカバンに入れて通勤する場合が多い。そのため、手提げカバンではなく、リュックタイプのカバン(バックパック)を使用するケースが増えてきている。
【0003】
しかしながら、バッグの中に教科書、ノート、上履き、体育着等をバランス良く整頓して収容するのは容易ではない。また、重たい教科書、ノート、書類、ノートパソコン等は、バックの中で動いてしまい、最初は整理して収容していても、途中で中身がばらばらになってしまう。特に、大きなコンパートメントを有するバックパックの場合には、その傾向が強い。バッグの中で収容物が動くと、背負っている使用者にとって不快なだけでなく、重心の偏り、変動によりバランスが不安定になり、歩き難くなる場合がある。特に、身体の小さな子供の場合には、子供自身がバランスを崩してよろけたり、転んでしまう危険すらある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、荷物を安定的に収容可能なバック提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、背中に背負うタイプのバッグにおいて、少なくとも1つのメインコンパートメントと;前記メインコンパートメントの内面に固定され、収容される荷物を保持するベルト状の保持部材とを備えている。
【0006】
前記保持部材は、前記メインコンパートメントの内面の背中側の部分に固定することができる。
【0007】
前記保持部材は、第1及び第2の端部を有し、前記第1及び第2の端部同士を面ファスナーで連結することによって、荷物を固定する構造とすることができる。
【0008】
前記保持部材は、前記メインコンパートメントの下側に配置することができる。
【0009】
前記保持部材を構成するベルトは、荷物を固定するのに十分な幅を有することが好ましい。例えば、ベルトの幅は、A4サイズの書類の縦方向の長さの半分以上とする。
【0010】
前記メインコンパートメントは、上下で2つに仕切られ、又は、独立した2つのコンパートメントとして構成され、
前記保持部材が、少なくとも上側のコンパートメントに設けられる構造を採用することができる。
【0011】
前記メインコンパートメントは、上下で2つに仕切られ、又は、独立した2つのコンパートメントとして構成され、
前記保持部材が、少なくとも下側のコンパートメントに設けられる構造を採用することができる。
【0012】
バッグ本体部の一側面から上面に連続的に延びるファスナーが形成され、
前記ファスナーを開くことにより、前記メインコンパートメントへの荷物の出し入れが可能となる。この時、前記ファスナーは、前記バッグ本体部の上面において、斜め対角線方向に延びることが好ましい。
【0013】
当該バッグの背面には、前記保持部材に対応する位置付近にクッションパッドを設けることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施例に係るバックパックの構造を示す正面図、左側面図、右側面図、上面図、底面図、背面図である。
図2図2は、本発明の実施例に係るバックパックの構造を示す正面図、右側面図、上面図であり、上側のフラップ(蓋)を開いた状態を示す。上面図においては、フラップを省略して示す。
図3図3は、本発明の実施例に係るバックパックの構造を示す背面図である。
図4図4は、本発明の実施例に係るバックパックの主要部であるバッグ内部の構造を示し、(A)が簡易斜視図、(B)が上面図、(C)が正面図である。
図5図5(A)、(B)は、本発明の他の実施例に係るバックパックの内部の構造を示す正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明について、通学用のバックパックを例に採って説明する。なお、本発明は、通学用のバッグに限らず、ビジネス用のバッグや、アウトドア用のリュック等にも適用できるものである。
【0016】
図1に示すように、本発明の実施例に係るバックパックは、概ね箱形のバッグ本体10と;バッグ本体10の背面上部に取り付けられたショルダーストラップ12と;バッグ本体10の背面下部に取り付けられ、ショルダーストラップ12と連結される調整ストラップ14と;バッグ本体10の上面を覆う上面フラップ16と;バッグ本体10の背面上縁部に固定された上部持ち手18と;バッグ本体10の前面中央付近に縦方向に延びる前面持ち手20と;バッグ本体10の背面下側に設けられた2つのクッションパッド32とを備えている。
【0017】
ここで、バッグ本体10は、柔軟なナイロン生地を縫製することによって成形され、メインのコンパートメントの他に、奥行きの浅い表面側のコンパートメント(ポケット)、底部付近に設けられたカバー収納コンパートメント26とを備えている。バッグ本体10の左側面には、ペットボトル等の小物を収納できるオープンタイプのポケット24が設けられている。また、カバー収納コンパートメント26には、バッグ全体を覆うカバーが収納されている。カバー(図示せず)は、雨の日にバッグが濡れないようにバッグ全体を覆うものであり、一端がカバー収納コンパートメント26の内面に固定され、バッグ本体10の前面側から引き出して、バッグ全体を覆うように使用する。
【0018】
ショルダーストラップ12は、ナイロン生地を縫製することによって成形され、クッション性を持たせるために内部にスポンジ等のクッション材を入れることができる。なお、図1においては、ショルダーストラップ12の下側部分を省略して示す。クッションパッド32は、後述する保持ベルト100に対応する位置(高さ)に固定される。これによって、教科書等の固い荷物が使用者の背中に当たっても痛くないように工夫されている。
【0019】
図3に示すように、ショルダーストラップ12は、左右一体に成形されており、中間部分がバッグ本体10の上部に連結されている。この中間部分(上端部)に一定の幅を持たせてバッグ本体10に固定することにより、ショルダーストラップ12の耐久性が向上するとともに、背負ったときの左右方向のブレが少なく安定感が増すものである。ショルダーストラップ12は、また、中間部分(上端部)から湾曲しつつ外側に広がるように延び、肩周りを包み込むように使用者の背中にフィットする構造となっている。
【0020】
バッグ本体10の前面の右側には、上述した表面側のコンパートメント(ポケット)を開閉するファスナー28が設けられ、当該コンパートメント(ポケット)に対して荷物の出し入れができるようになっている。バッグ本体10の右側面には、上縁部からカバー収納コンパートメント26まで達するファスナー30が設けられ、メインコンパートメントを開閉できるようになっている。なお、ファスナー30は後述するようにバッグ本体10の上面にも連続的に延びている(図2参照)。
【0021】
図2に示すように、バッグ本体10上面には、右側面に形成されたファスナー30から連続的に延びる上面ファスナー部36が設けられている。この1本のファスナー(30,36)によって、バッグ本体10のメインコンパートメントが大きく開くようになっている。このファスナー36は、バッグ本体10の上面においては右側手前から左側後方に向かって対角線状に延びており、開口部を大きくする工夫がなされている。
なお、メインコンパートメントを開閉するためのファスナーの位置としては、バッグ本体10の右側面の下端から上方に延び、上面を幅方向に横断し、更に左側面の上端から下端に延びるように設ける等、他の形態を採用することもできる、
【0022】
上面フラップ16は、内側に設けられた面ファスナー(雄又は雌)42が、バッグ本体10の前面に設けられた面ファスナー(雌又は雄)44と接着可能となっている。上面フラップ16の内側には、メッシュ状の収納ポケット38が設けられ、ファスナー40によって開閉可能となっている。
【0023】
図4は、本実施例に係るバックパックのメインコンパートメント内部の様子を示し、(A)が主要部品である保持ベルト100の簡易斜視図、(B)がメインコンパートメントを上からの除いた様子を示す上面図、(C)がメインコンパートメント内部の背面側を正面から観察した様子を示す。メインコンパートメント内部の背面側には、メッシュ状の内部ポケット106と、保持ベルト100が設けられている。
【0024】
内部ポケット106は、メインコンパートメントの高さ方向の中心よりも上側の位置に設けられている。一方、保持ベルト100は、メインコンパートメントの高さ方向の中心よりも下側の位置に設けられている。
【0025】
保持ベルト100は、主に、教科書やノート、ノートパソコン等の比較的重い荷物を固定するために使用することが好ましく、例えば、A4サイズの教科書の少なくとも半分を覆う程度の幅(高さ)を有するように設計される。本実施例においては、保持ベルト100によって固定される荷物の下端は、メインコンパートメントの底部に接触する場合が多い。保持ベルト100の端部には、面ファスナー102,104が取り付けられ、荷物の厚さ、大きさに応じて、端部をずらして調整しながら固定できるようになっている。保持ベルト100の裏側の対応する位置に、上述したクッションパッド32が配置される。
【0026】
保持ベルト100は、伸縮性を持たないナイロン、綿、ポリエステル等の生地で成形することもできるが、伸縮性のある生地で成形することもできる。保持ベルト100に伸縮性を持たせることで、固定すべき荷物の大きさの許容範囲を広げることができる。また、荷物を優しく保持できるため、帽子、野球のグラブ、靴等の潰したくない荷物を固定する場合に好都合である。なお。保持ベルト100の上から別のベルトで更に締め付けるように構成することも可能である。
【0027】
図4に示す例においては、保持ベルト100の位置は固定されているが、これに限定されるものではない。例えば、保持ベルト100を上下方向にスライド可能とし、使用者の好きな場所に移動させた後に、バッグ本体10の内面に対して面ファスナー等で固定して使用することができる。
【0028】
図5(A)、(B)は、本発明の他の実施例に係るバックパックの内部の構造を示す正面図である。ここに示した例は、保持ベルト100の配置に関する変形例である。
(A)図の例では、メインコンパートメントを仕切り部材108によって上下に2分割し、下側の空間に保持ベルト100を固定したものである。例えば、下側の空間に比較的重たい教科書等を収納し、上側の空間には潰れやすいものを収納する際に便利である。なお、メインコンパートメントの分割は、完全に別個の2つのコンパートメントを単純に重ねるようにして達成することもできる。
【0029】
他方、(B)図の例では、メインコンパートメントを仕切り部材108によって上下に2分割し、上側の空間に保持ベルト100を固定したものである。例えば、上側の空間に比較的重たい教科書等を収納し、下側の空間には軽い荷物を収納するような使用形態が想定される。この場合には、バッグの重心が上にくるため、当該バッグを背負ったときに肩への負荷が軽減されるというメリットがある。なお、(B)図のような場合には、クッションパッド32を保持ベルト100に対応する高さに追加するか、移動させることができる。
【0030】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲に示された技術的思想の範疇において変更可能なものである。
図1
図2
図3
図4
図5