(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理回路は、最小標準偏差に対応するX線エネルギーでのそれぞれの物質の吸収係数の値を要素にもつ行列を前記第1のデータに乗じることにより、前記第2のデータを生成する、請求項1に記載のデータ処理装置。
前記ノイズ除去処理は、ペナルティ付き加重最小二乗法(Peneralized Weighted Least Square:PWLS)である、請求項1に記載のデータ処理装置。
前記処理回路は、前記投影データに対して物質弁別処理を行ってサイノグラムを生成し、生成されたサイノグラムごとに再構成処理を行って、物質成分画像である前記第1のデータを生成する、請求項1に記載のデータ処理装置。
前記処理回路は、前記投影データに対して物質弁別処理を行ってサイノグラムを生成し、生成されたサイノグラムごとに再構成処理を行って、物質成分画像である前記第1のデータを生成する、請求項10に記載のX線CT装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
以下、添付図面を用いて、実施形態に係るデータ処理装置、X線CT装置及びデータ処理方法を詳細に説明する。
【0011】
まずはじめに、実施形態に係る背景について簡単に説明する。
【0012】
CTシステムおよびその方法は広く使用されており、特に医用イメージングおよび医用診断に使用されている。一般的に、CTシステムは、被験者の身体から1つ以上の断面スライスの画像を作成するものである。X線管等の放射線源が、身体を一方側から照射する。コリメータはX線ビームの角度範囲を制限でき、それにより、身体に作用する放射線は各身体断面スライスを画定する平面領域に実質的に制限される。身体の反対側にある少なくとも1つの検出器が、実質的にスライス面において身体を透過した放射線を受ける。身体を透過した放射線の減衰を、検出器から受信した電気信号を処理することによって測定する。
【0013】
CTサイノグラムは、検出器配列に沿った「空間」および一連の投影角度で行われる測定のスキャンの「時間/角度」の関数として身体を透過した減衰を示す。この空間次元は、X線検出器の1次元的な配列に沿った位置である。時間/角度次元は、時間の経過に応じて投影角度が等量ずつ増加し、線形的に変化する一連の投影角度で投影測定が行われることを表す、時間の関数として変化するX線投影角度である。身体における、ある特定のボリューム(例えば、脊椎)に起因する減衰は縦軸まわりに正弦波を描くが、ボリュームが回転の中心から遠くなるほど正弦波の振幅が大きく、正弦波の位相は回転軸に対するボリュームの角度位置を確定する。逆ラドン(Radon)変換または同等の画像再構成方法を行うことにより、サイノグラム中の投影データから画像が再構成され、再構成された画像は身体の1つの断面スライスに対応する。
【0014】
従来、エネルギー積分型検出器は、CT投影データを測定するために使用されてきた。現在では、最近の技術の進展により光子計数型検出器(Photon-Counting Detector:PCD)が、従来のエネルギー積分型検出器の実用的な代替選択肢となりつつある。PCDには、スペクトルCTの実行能力を含め多くの利点がある。PCDは、透過されたX線データのスペクトル上の性質を得るために、X線ビームをエネルギー成分すなわちスペクトルビンに分割し、各ビンの光子数をカウントする。スペクトルCTは、2つ以上のエネルギーレベルで送信されたX線の検出を伴うため、一般的には、二重エネルギーCTと定義されるものである。異なる物質は異なるX線スペクトル減衰を示すので、スペクトルCTからの投影データは、物質弁別を用いて物質成分に分解できる。その後、物質成分画像は物質成分サイノグラムから再構成できる。
【0015】
スペクトル分解された投影データを物質弁別した結果の1つとして、物質成分サイノグラムと物質成分画像との間に強いノイズ相関が導入される。このノイズの相関は、ノイズ除去に使用され、再構成された画像の画質を改善する。再構成された物質画像をノイズ除去することにより、画像の診断性が高まることが望ましい。物質成分画像をノイズ除去する従来の方法は、コンピュータ計算による集中的なものであるか、またはノイズの相関性質をノイズ除去の改善には利用しないものであった。
【0016】
実施形態に記載の方法は、ホワイトニング変換を用いることにより、スペクトルCTのノイズ除去を行う。従来のノイズ除去方法と比較して、本明細書に記載の方法は、コスト係数におけるノイズ共分散モデルをモデルとすることで、画質を改善する。この方法によれば、共分散モデリングを用いた統計ベースの反復的画像再構成方法と比較して、計算時間がより少なくて済む。さらに、実施形態に記載の方法によれば、単一エネルギーノイズを制御でき、またX線エネルギー関数としてより均一なノイズ特性を有する再構成画像およびサイノグラムデータを作成することができる。
【0017】
スペクトルCT画像のノイズ除去およびサイノグラムのノイズ除去のどちらも、ノイズを伴う測定値yから物質成分信号を回復するのに使用できる。ノイズ除去を効果的に行うために、ノイズ除去方法では、スペクトルCT画像またはサイノグラムにおけるノイズを除去すると同時に、所望の信号に対応するテクスチャおよびエッジを保存する。例えば、ノイズ除去は、次の式(1)によりにより与えられるペナルティ付き加重最小二乗(Penalized Weighted Least Square:PWLS)項のコスト係数を最小にするために、ノイズ除去問題を解くことにより達成できる。
【0019】
ここでΣ
y−1は測定値yの逆共分散行列であり、βはノイズ除去強度を制御するための正則化パラメータであり、Rは事前情報からの正則化項を表す。
【0020】
しかしながら、共分散Σ
yを正確に推定することは、スペクトルCT画像に対しては困難な可能性がある。結合された物質基底成分の測定値y上のPWLSコスト係数を用いたノイズ除去の困難を克服するために、実施形態に記載の方法は、正確な共分散モデルを必要としないノイズ除去を提供し、従来の並列計算アルゴリズムで容易に解決することができる。
【0021】
実施形態に記載の方法では、例えばホワイトニング変換を用いて、互いに無相関の正規直交基底に変換することにより、ノイズを伴う信号の相関除去を行う。次に、物質基底に変換して戻すための逆ホワイトニング変換を行う前に、ノイズ除去問題を無相関正規直交基底ごとに解く。ホワイトニング変換行列は、固有値分解により共分散行列から計算できる。
【0022】
以降図面を参照するが、複数の図面間において同一または対応する要素には同様の参照符号を付す。
図1は、第3世代ジオメトリで配置された複数のエネルギー積分型検出器および第4世代ジオメトリで配置された複数のPCDを有するCTスキャナの線源および検出器部分を示す。
図1は、CTスキャナシステムにおいて、所定の第3世代ジオメトリで配置されたX線検出器103と組み合わせて所定の第4世代ジオメトリでPCDを配置する実施形態を示す。この図は、寝台116に横になっているスキャンの対象である被検体OBJ、X線源112、コリメータまたはフィルタ114、X線検出器103、および光子計数型検出器PCD1〜PCDNの相対位置を示す。
【0023】
一実施形態において、X線源112、コリメータまたはフィルタ114は、ガントリに対して回転可能に取り付けられた回転フレーム110に固定して取り付けられ、PCDは、ガントリに固定して取り付けられた回転部材120に固定して取り付けられる。CTスキャナのガントリは、開放された開口115を備えており、被検体OBJを、X線源から出射されるX線の投影面に位置付けることができる。X線検出器103は、ガントリに対して回転可能に取り付けられた回転フレーム130に固定して取り付けられる。回転部材120および回転フレーム130は、X線検出器103をX線源112に直径方向に対向させたまま同時に回転可能であり、投影角度の進行によって被検体OBJの投影データを得る。1つの軸に沿って配置された投影角度および別の軸に沿って配置された投影データの空間次元で投影データを配置することにより、サイノグラムが作成される。
【0024】
スペクトルCTにおいて、多数のエネルギー成分を有する放射線が、被検体OBJの投影測定を行うために使用される。この投影測定は、一連の角度で行われ、それにより非スペクトルCTと同様の従来のCT画像再構成方法が可能となる。しかしながら、非スペクトルCTと異なり、スペクトルCTは、付加的情報(すなわち、スペクトル減衰情報)を生成し、それにより投影測定値を物質成分、通常は2つの物質成分に弁別することが可能である。物質弁別により2つの成分物質が生じるのは、イメージングされる被検体OBJを横切るX線ビームを減衰させる2つの支配的な相互作用メカニズムが存在するからである。これらの相互作用メカニズムは、コンプトン散乱および光電吸収である。スペクトル領域から物質領域への投影データのマッピングは、画像再構成処理の前か後のいずれかで行うことができる。しかしながら、ビームハードニングを考慮すると、再構成処理の前にスペクトル領域から物質領域への物質弁別を行うことが好ましい。ここでは、画像再構成処理の前に物質弁別を行うことについて説明する。
【0025】
X線の大部分が、イメージングされる被検体OBJの主要分子のK端をかなり上回るエネルギーを有している場合、従来の生体X線源イメージング被検体の場合のように、物質弁別問題は、上記で取り上げた2つの支配的な相互作用プロセスの存在と一致する2つのエネルギー成分だけを使用して解くことができる。したがって、スペクトルCTは「二重(デュアル)エネルギーCT」とも呼ばれ、物質弁別プロセスは「二重エネルギー分析」とも呼ばれる。ここで、スペクトルCTは、少なくとも二重エネルギーCTを含むが、2物質の弁別問題が、解に冗長性を持って決定されるように、3以上のエネルギー成分を有する投影測定も含む。引用によりその全体が本明細書に含まれる特許文献1で取り上げたように、より多くのエネルギー成分により提供される付加的情報は、ノイズバランシングおよび関連する方法において、画質を改善するために効果的に使用することができる。
【0026】
二重エネルギー分析方法が使用できるのは、生体物質におけるX線の減衰が2つの物理的プロセス(すなわち、光電吸収およびコンプトン散乱)に支配されるからである。したがって、エネルギーの関数である減衰係数は、以下の式(2)の分解によって近似される。
【0028】
ここで、μ
PE(E,x,y)は光電効果による減衰であり、μ
C(E,x,y)はコンプトン減衰である。あるいは、この減衰係数は、高Z物質(すなわち、物質1)と低Z物質(すなわち、物質2)との分解に書き換えることができる。すなわち、次の式(3)が成り立つ。
【0030】
ここで、c
1(x,y)およびc
2(x,y)は、それぞれ第1と第2の基底画像である。検出されたスペクトルは、次の式(4)により与えられる。
【0032】
ここで、減衰係数μ
1およびμ
2は、X線エネルギーの既知の関数であり、吸収する被検体OBJが存在しない時に空気中を伝搬するX線に相当するスペクトルS
airもまた、例えば前回のキャリブレーションにより既知である。この検出されたスペクトルは、X線エネルギービン(例えば、5つのエネルギービンが使用でき、結合されたエネルギービンが約20keVから約160keVのエネルギースペクトルにわたるように、各ビンがそれぞれのエネルギーサブ帯域をカバーする)に粗粒化できる。m番目のエネルギービンの計数値N
mは、次の式(5)により与えられる。
【0034】
ここで、w
m(E)は、m番目のエネルギービンのエネルギーサブ帯域に対応する窓関数である。エネルギービンごとおよび投影角度ごとに、投影画像が取得され、N
m(X
i)となる。ここで、X
iは、検出器のi番目の画素に対応するX線検出器に沿った位置である。所与のエネルギービンに対し、一連の投影角度に対応する全投影画像の組み合わせは、同エネルギービンに対する投影データgである。
【0035】
画素ごとに少なくとも2つのエネルギービンが検出される場合、投影画像の画素ごとの投影長さL
1(X
i)およびL
2(X
i)は、検出されたエネルギースペクトルの上記の式、および各エネルギービンにおけるカウント数を用いて推定できる。エネルギー弁別されたX線カウントから第1および第2の物質成分に対応する投影長さへの変換を、物質弁別と呼ぶ。
【0036】
図2は、スペクトルCTを用いてノイズ除去された画像を再構成する方法200のフロー図を示す。
【0037】
方法200のステップ210において、スペクトル分解されたX線投影データが取得される。例えば、
図1および
図14は、X線投影データを取得するために使用されるCTスキャナを示す。さらに、X線投影データは、コンピュータで読み取り可能なメモリに保存およびメモリから読み出し可能である。
【0038】
方法200のステップ220において、投影データから投影長さL
1およびL
2が決定される。例えば、投影長さは、引用によりその全体が本明細書に含まれる特許文献1に記載の方法を使用して決定できる。
【0039】
方法200の処理230において、物質成分サイノグラムがノイズ除去される。
【0040】
方法200のステップ240において、物質成分サイノグラムから物質成分画像が再構成される。例えば、フィルタ補正逆投影法、逐次再構成法(例えば、代数的再構成法(Algebraic Reconstruction Method:ART)および全変動最小化正則化法)、フーリエ変換に基づく方法(例えば、直接フーリエ法)、および統計的な方法(例えば、最尤期待値最大化アルゴリズムに基づく方法)の1つを用いて画像を再構成できる。このように、ステップ210〜処理230により、後述の
図14の処理部1470は、複数のエネルギー成分を有する投影データ(複数の検出器要素(例えば光子計数型検出器PCD1〜PCDN)の検出結果に基づいて生成された複数のエネルギー成分を有する投影データ)に基づいて、物質弁別されたデータである第1のデータを生成する。物質弁別されたデータである第1のデータの例としては、例えば物質成分画像である。かかる場合、例えば、処理部1470は、投影データに対して物質弁別処理を行って、例えばステップ220に示されているようにサイノグラムを生成し、処理230に示されているようなノイズ除去処理を必要に応じて行ったあと、ステップ240に示されているように、生成されたサイノグラムごとに再構成処理を行って、物質成分画像である第1のデータを生成する。
【0041】
方法200の処理250において、物質成分画像がノイズ除去される。ある実施形態においては、処理250を行い、処理230は省略可能である。または、処理230を行い、処理250を省略することもできる。さらに、ある実施形態においては、処理250と処理230の両方を行うこともできる。
【0042】
方法200のステップ260において、物質成分画像の後処理が行われる。例えば、物質成分画像および減衰係数μ
1(E)およびμ
2(E)から、単一エネルギー画像が構成できる。ここで、単一エネルギー画像(単色X線画像)とは、例えば照射されるX線のスペクトルが、単一のエネルギーを持つX線であると仮定した場合に得られる画像に相当する画像を意味する。
【0043】
図3Aは、一実施形態による、処理250のフロー図を示す。
【0044】
処理250のステップ310において、物質成分画像が取得される。
【0045】
処理250の処理330において、ホワイトニング変換Wが計算される。
【0046】
図3Bは、処理330のフロー図を示す。
【0047】
処理330のステップ332において、第1および第2の物質成分の再構成画像のパッチ間で、共分散行列が決定される。例えば、第1および第2の物質成分に対応する再構成画像が、それぞれRI
(1)(i,j,k)およびRI
(2)(i,j,k)により与えられる場合、ここでi=1、2・・・、N
i、j=1、2・・・、Nj、およびk=1、2・・・、N
kは画像のインデックスであり、その後、インデックスi
1≦i≦i
2、j
1≦j≦j
2、およびk
1≦k≦k
2に対応するパッチ間の共分散行列は、次の式(6)により与えられる。
【0049】
ここで、行列要素は、平均を差し引いたものの積の期待値を用いて計算される。期待値は、次の式(7)を用いて計算できる。
【0051】
また、平均は、次の式(8)により与えられる。
【0053】
または、共分散行列Σ
xは、エネルギービンごとに再構成画像間で計算でき、エネルギービン共分散行列Σ
xに対し変換を行うことで、物質成分共分散行列Σ
aを生成できる。エネルギービン共分散行列Σ
xから物質成分共分散行列Σ
aへの変換は、次の式(9)により与えられる。
【0055】
ここで、行列Kの要素は、次の式(10)により与えられる。
【0057】
f
j(E)は、エネルギーに依存する物質減衰係数を示す。式(11)は、エネルギースペクトルS(E)及び検出器応答D(E)から計算される、系の重み付け関数である。
【0059】
処理330のステップ334において、共分散行列Σ
aが(対角行列Λで表される)固有値および(行列Φの列で表される)固有ベクトルに分解される。共分散行列Σ
aを用いて、固有値と固有ベクトルが、以下の式(12)を解くことにより得られる。
【0061】
ここで、行列Φは共分散行列Σ
aを対角行列にするための変換行列であり、Φの列は共分散行列の固有ベクトルであり、Λは固有値を対角要素として有する対角行列である。
【0062】
処理250のステップ340において、ホワイトニング変換が、W=Λ
−1/2Φ
T
として計算され、物質成分画像RI
(m)(i、j、k)が、以下の式(13)により、無相関基底の画像U
(m)(i、j、k)に変換される。
【0064】
すなわち、処理部1470は、ステップ340において、第1のデータを無相関基底に変換する処理、例えばホワイトニング変換を第1のデータに対して行って第2のデータを生成する。ホワイトニング変換は、処理330で示されているように、物質弁別されたデータである第1のデータの共分散行列Σ
aの固有値及び固有ベクトルに基づいて定められる。なお、処理部1470は、ステップ340の変換を、パッチごとに行う。
【0065】
処理250のステップ350において、無相関基底の画像U
(m)(i、j、k)にノイズ除去が適用される。例えば、ローパスフィルタリングを用いて、画像U
(1)およびU
(2)がノイズ除去される。ここで、画像U
(1)およびU
(2)は、それぞれ異なるローパスフィルタパラメータを用いてフィルタ処理される。換言すると、処理部1470は、ステップ350において、ステップ340において生成された第2のデータに対してノイズ除去処理を行って第3のデータを生成する。
【0066】
ある実施形態においては、無相関基底の画像が、ペナルティ付き加重最小二乗法(Peneralized Weighted Least Square:PWLS)アルゴリズム等の反復的ノイズ除去アルゴリズムを用いて、以下の式(14)を反復的に解くことによりノイズ除去される。
【0068】
すなわち、処理部1470は、ペナルティ付き加重最小二乗法を用いてノイズ除去処理を行う。ここで、D
−1は対角行列であり、何らかの統計的重み付け行列であり得る。β
1およびβ
2は、無相関基底においてノイズ除去された画像U
(1)およびU
(2)の正則化強度を制御する2つのパラメータである。
【0069】
ある実施形態においては、正則化項が、以下の式(15)の関数により与えられるように、等方的二次正則化を使用できる。
【0070】
【数15】
ここで、Δ
1およびΔ
2は、正規直交基底におけるノイズ除去された画像U
(1)およびU
(2)の近傍の画素の差である。
【0071】
ある実施形態においては、正則化項が、以下の式(16)の関数により与えられるように、異方的二次正則化を使用できる。
【0073】
ここで、Δ
1およびΔ
2は、正規直交基底におけるノイズ除去された画像U
(1)およびU
(2)の近傍の画素の差であり、Δ
1およびΔ
2は入力画像U
(1)およびU
(2)(例えば、ノイズを伴うデータ)からの近傍の画素の差であり、δ
(1)およびδ
(2)は2つの無相関基底に対応するエッジ保存パラメータである。換言すると、処理部1470は、二次正則化を用いてノイズ除去処理を行う。なお、これらの例からわかるように、処理部1470は、無相関基底の各成分間で異なるノイズ除去パラメータを用いてノイズ除去処理を行っても良い。
【0074】
さらに、線形平滑フィルタ、異方的拡散法、非局所平均、および非線形フィルタを含む、多くの空間領域ノイズ除去方法が、無相関基底における画像に適用できる。
【0075】
線形平滑フィルタは、ローパスフィルタまたは平滑処理を表すマスクで元の画像を畳み込むことにより、ノイズを除去する。例えば、ガウシアンマスクは、ガウス関数により決定される要素を含む。この畳み込みにより、各画素の値をその近隣の値とより近く一致させられる。一般に、平滑フィルタは、各画素をその画素および近隣の画素の平均値、すなわち重み付け平均に設定する。ガウシアンフィルタでは、可能な重みの組み合わせは一つしかない。周囲より有意に高いまたは低い画素強度値は、近隣の領域にわたって広げられ平均化されるので、不都合なことには、平滑フィルタは画像をぼやけさせてしまう傾向がある。鮮明な境界は曖昧になる。一般に、局所線形フィルタ法は、均一性が局所的な近隣において見られると想定し、したがって、画像に均一性を与え、病変や器官の境界等の不均一な特徴を隠してしまう傾向がある。
【0076】
異方的拡散法は、熱方程式と同様な平滑偏微分方程式によって画像を展開させることにより、鮮明なエッジを保存しつつ、ノイズを除去する。拡散係数が空間的に不変である場合、この平滑化は線形ガウシアンフィルタと同等になるが、エッジの存在により拡散係数が異方性を持つ場合は、画像のエッジがぼやけることなくノイズが除去される。
【0077】
メジアンフィルタは、非線形フィルタの一例であり、適切に設計された場合は、非線形フィルタはエッジを保存し、ぼけを避けることも可能である。メジアンフィルタは、例えば、画像の各画素を評価し、近隣の画素を強度によって分類し、順序づけた強度の一覧から画素の元の値を中央値(メジアン)に替えることにより動作する。メジアンフィルタは、順位条件付き順位選択(Rank-Conditioned Rank-Selection:RCRS)フィルタの一例である。例えば、メジアンフィルタおよび他のRCRSフィルタは、有意なぼけを生じさせるアーチファクトを導入することなく、画像からゴマ塩ノイズを除去するために適用される。
【0078】
非局所平均フィルタリングにおいては、画素の重み付け平均をその空間的近傍に対して行うよりもむしろ、画素は画像内のパッチ間の類似度に従って重み付け平均が決定される。したがって、近隣の画素だけでなく、画像内の全画素の非局所的平均に基づいてノイズが除去される。特に、一画素の重み付け量は、その画素の近くの中心に置かれた小パッチと、ノイズ除去された画素の周辺の中心に置かれた別の小パッチとの間の類似度に基づく。
【0079】
処理250のステップ360において、無相関基底においてノイズ除去された画像は、ホワイトニング変換の逆変換を用いて物質成分基底に変換して戻される。換言すると、処理部1470は、第3のデータに対して、処理330の変換の逆変換を行って第4のデータを生成する。
【0080】
ホワイトニング変換および逆ホワイトニング変換は、全体画像に行うよりもむしろ、それぞれ全体画像のパッチに対して行うことができる。したがって、ホワイトニング変換は、画像を横切って空間的に変異する。さらに、処理330ならびにステップ340、350、および360は、物質成分画像のパッチに対して区分的に行うことができる。
【0081】
図3Bに示す処理330を用いて決定されるホワイトニング変換Wの代替として、サロゲートホワイトニング変換が
図3Cに示す処理330’を用いて計算できる。したがって、処理250は、処理330の代わりに処理330’を用いて行うことができる。
【0082】
処理330’のステップ337において、物質成分基底画像が結合されることで、X線エネルギーの臨床的に関連する範囲(例えば、約20keVから140keVの範囲)内で単一エネルギー画像が生成される。
【0083】
処理330’のステップ338において、小パッチを用いて、単一エネルギー画像ごとに標準偏差が計算され、X線エネルギーの関数としての背景ノイズ標準偏差を表す曲線が生成される。この曲線は、その曲線の最も低い値に対応するX線エネルギーを決定するために使用される。例えば、
図4Aは、背景ノイズ標準偏差を表す曲線の一例を示し、最小ノイズに対応するX線エネルギーE
minは、
図4Aに示す縦破線によって示される。
【0084】
図4Bは、第1および第2の物質として骨と水を用いたゼロ平均物質成分画像のクラスタプロットを示す。プロットにおいて、画素ごとに、水画像の画素値は縦軸に沿った値を決定し、骨画像の対応する画素は横軸に沿った値を決定する。
図4B中の灰色の破線矢に対応する軸は、共分散行列の最小の固有値に対応する固有ベクトルの方向に沿って向けられており、この方向は、
図4Aにおけるノイズ最小値に対応するX線エネルギーE
minでの第1および第2の吸収係数μ
1(E
min)およびμ
2(E
min)を用いて推定可能である。
図4Cおよび
図4Dは、それぞれ筋肉(水)および骨に対する吸収係数μ
1(E)およびμ
2(E)の例を示す。したがって、
図4A、
図4C、および
図4Dを用いて、X線エネルギーE
minでの吸収係数μ
1(E
min)およびμ
2(E
min)の値を求めることができる。
【0085】
処理330’のステップ339において、サロゲートホワイトニング変換が、式(17)により与えられる。
【0087】
ここで、αは規格化パラメータである。換言すると、処理部1470は、最小標準偏差に対応するX線エネルギーでのそれぞれの物質の吸収係数の値を要素をもつ行列を第1のデータに乗じることにより、第2のデータを生成する。
【0088】
図6は、4つのシナリオに対するエネルギー関数としての、単一エネルギー画像の標準偏差のプロットを示す。4つのシナリオは、(1)元のノイズ、画像のノイズ除去を行わずに標準偏差を示す、(2)β
1≠0およびβ
2≠0、ホワイトニング変換後に両方の無相関基底がノイズ除去される、(3)β
1≠0およびβ
2=0、大きいほうの固有値に対応する無相関基底のみがノイズ除去される、および(4)β
1≠0およびβ
2≠0、小さいほうの固有値に対応する無相関基底のみがノイズ除去される、である。
【0089】
フィルタ処理されていない画像の標準偏差曲線は、凹形を有する。この凹形は、大きいほうの固有値に対応する無相関基底のみがノイズ除去された時に構成され、小さいほうの固有値に対応する無相関基底のみがノイズ除去された時に凹形が平坦化される。正則化パラメータβ
1およびβ
2の相対値の選択を通して、標準偏差曲線が平坦化されると同時に、β
1≠0およびβ
2≠0の曲線で示すように、全X線エネルギーに対応する標準偏差が減少する。
【0090】
図6Aは、等方的二次正則化を用いた、ノイズを伴う画像およびフィルタ処理された画像の第1の物質基底に対するシミュレーション結果を示す。
【0091】
図6Bは、等方的二次正則化を用いた、ノイズを伴う画像およびフィルタ処理された画像の第2の物質基底に対するシミュレーション結果を示す。
【0092】
図7A、
図7B、および
図7Cは、
図6Aおよび
図6Bの画像から得られた、それぞれ50keV、75keV、および135keVのX線エネルギーに対する単一エネルギー画像を示す。
図7A、
図7B、および
図7Cはそれぞれ、ノイズを伴う画像を左側に示し、フィルタ処理された画像を右側に示す。フィルタ処理された画像は、等方的二次正則化を用いて得られた。
【0093】
図8Aは、異方的二次正則化を用いた、ノイズを伴う画像およびフィルタ処理された画像の第1の物質基底に対するシミュレーション結果を示す。
【0094】
図8Bは、異方的二次正則化を用いた、ノイズを伴う画像およびフィルタ処理された画像の第2の物質基底に対するシミュレーション結果を示す。
【0095】
図9A、
図9B、および
図9Cは、
図8Aおよび
図8Bの画像から得られた、それぞれ50keV、75keV、および135keVのX線エネルギーに対する単一エネルギー画像を示す。
図9A、
図9B、および
図9Cはそれぞれ、ノイズを伴う画像とフィルタ処理された画像を示す。フィルタ処理された画像は、異方的二次正則化を用いて得られた。
【0096】
図10は、一実施形態による、処理230のフロー図を示す。
【0097】
処理230のステップ1010において、物質成分画像が取得される。
【0098】
処理230の処理1030において、共分散行列が物質成分サイノグラムg
(1)(X、Y、θ)とg
(2)(X、Y、θ)との間のものであることを除いて、処理330のホワイトニング変換と同様に、ホワイトニング変換Wが計算される。
【0099】
処理230のステップ1040において、ステップ340と同様に、ホワイトニング変換が計算される。ホワイトニング変換は、式(18)として計算され、物質成分サイノグラムg
(m)(X,Y,θ)は、式(19)により、無相関基底画像gu
(m)(X,Y,θ)に変換できる。
【0102】
処理230のステップ1050において、方法250のステップ350と同様に、ノイズ除去が無相関基底のサイノグラムに適用される。
【0103】
処理230のステップ1060において、無相関基底におけるノイズ除去された画像が、処理250のステップ360と同様に、ホワイトニング変換の逆数を用いて、物質成分基底に変換して戻される。
【0104】
以上をまとめると、
図10に示されたケースでは、ステップ220において、処理部1470は、複数のエネルギー成分を有する投影データに基づいて、物質弁別されたデータを生成する。ここで、物質弁別されたデータは、物質成分サイノグラムである。続いて、処理部1470は、物質成分サイノグラムを無相関基底に変換する処理を物質成分サイノグラムに対して行って無相関基底のサイノグラムデータを生成する。続いて、処理230に示されているように、処理部1470は、無相関基底のサイノグラムデータに対してノイズ除去処理を行ってノイズ除去された無相関基底のサイノグラムデータを生成する。続いて、処理部1470は、ノイズ除去された無相関基底のサイノグラムデータに対して、前述の変換の逆変換を行って、ノイズ除去された物質成分サイノグラムデータを生成する。続いて、処理部1470は、ステップ240において、ノイズ除去された物質成分サイノグラムごとに、再構成処理を行って、物質成分画像を生成する。処理部1470は、必要に応じて、ステップ240〜260の処理を行う。
【0105】
図11Aは、ホワイトニング変換後で、ノイズ除去前の無相関基底における模擬サイノグラムを示す。
図11Aのサイノグラムは、共分散行列の小さいほうの固有値に対応する。
【0106】
図11Bは、
図11Aから得られたノイズ除去後の模擬サイノグラムを示す。
【0107】
図12Aは、ホワイトニング変換後で、ノイズ除去前の無相関基底における模擬サイノグラムを示す。
図12Aのサイノグラムは、共分散行列の大きいほうの固有値に対応する。
【0108】
図12Bは、
図12Aから得られたノイズ除去後の模擬サイノグラムを示す。
【0109】
図11Bおよび
図12Bにおけるノイズ除去は、例えば、二次または非二次、等方的なまたは異方的な、およびエッジを保存する正則化項を有する反復的PWLSアルゴリズムを用いて行うことができる。
【0111】
図14は、第3世代ジオメトリで配置されたエネルギー積分型検出器および第4世代ジオメトリで配置されたPCDの両方を有するCTスキャナを示す。
図14は、CTスキャナシステムにおいて、所定の第3世代ジオメトリで配置されたX線検出器103と組み合わせて所定の第4世代ジオメトリでPCDを配置する実施形態を示す。この図は、X線源112、コリメータまたはフィルタ114、X線検出器103、および光子計数型検出器PCD1〜PCDNの相対位置を示す。
【0112】
図14は、X線投影データを収集し、記憶し、処理し、提供するための回路機構およびハードウェアも示す。これらの回路機構およびハードウェアは、処理部1470、ネットワーク制御部1480、メモリ1478、およびデータ収集システム1476を備える。
【0113】
別の一実施形態では、CTスキャナは、PCDを備えるがX線検出器103は備えない。
【0114】
データ収集の際に、X線源112およびX線検出器103がガントリ1440に収容され、それぞれ回転フレーム110および130の周囲を回転すると、PCDおよびX線検出器103のそれぞれが、透過した放射X線を検出する。光子計数型検出器PCD1〜PCDNは、送出された放射X線を間欠的に検出し、各所定のエネルギービンについて光子数を示す計数値を別々に出力する。一方で、X線検出器103が回転すると、X線検出器103の検出器素子は、送出された放射X線を連続的に検出し、検出した信号を出力する。一実施形態において、X線検出器103は、検出器ユニットの表面に所定のチャネル方向およびセグメント方向で密に配置された複数のエネルギー積分型検出器を有する。
【0115】
一実施形態において、X線源112、PCD、およびX線検出器103は、半径の異なる3つの所定の円形経路を集合的に形成する。PCDが第2の円形経路(回転部材120)に沿って疎に配置されるのに対し、少なくとも1つのX線源112が第1の円形経路(回転フレーム110)に沿って回転する。さらに、X線検出器103は、第3の円形経路130に沿って移動する。第1の円形経路、第2の円形経路(回転部材120)、および第3の円形経路(回転フレーム130)は、ガントリ1440に回転可能に取り付けられた環状リングによって決定される。
【0116】
CTスキャナにおいて、所定の第3世代ジオメトリで配置された検出器と組み合わせて所定の第4世代ジオメトリでPCDを配置するには、他にもいくつか別の実施形態がある。
【0117】
一実施形態において、X線源112は、単一のエネルギー源とする選択ができる。別の一実施形態において、X線源112は、所定の高レベルエネルギーおよび所定の低レベルエネルギーで放射X線を曝射するkVスイッチング機能を実行するように構成される。さらに別の一実施形態において、X線源112は、広範囲なX線エネルギースペクトルを曝射する単一の線源である。さらに他の一実施形態において、X線源112は、複数のX線エミッタを備え、各エミッタは空間的にもスペクトル的にも相異なる。
【0118】
X線検出器103は、光電子増倍管またはアバランシェフォトダイオードを用いたシンチレータ素子等のエネルギー積分型検出器を使用して、放射X線とシンチレータ素子とが相互作用して起こるシンチレーション現象の結果生じるシンチレーション光子を検出することができる。シンチレータ素子は、結晶構造のもの、有機液体、可塑性物質、または知られている他の任意のシンチレータであってよい。
【0119】
PCDは、テルル化カドミウム(CdTe)、テルル化カドミウム亜鉛(CZT)、シリコン(Si)、ヨウ化水銀(HgI
2)、およびヒ化ガリウム(GaAs)等の半導体をベースにした直接的なX線照射検出器であってよい。
【0120】
CTスキャナは、PCDおよびX線検出器103からの投影測定結果を、データ収集システム1476、処理部1470、メモリ1478、ネットワーク制御部1480へ送信するデータチャネルを備える。データ収集システム1476は、検出器からの投影データの収集、デジタル化、および経路指定を制御する。データ収集システム1476はさらに、環状の回転フレーム110および130の回転を制御するX線撮影制御回路機構を備える。一実施形態において、データ収集システム1476はさらに、寝台116の動き、X線源112の作動、およびX線検出器103の作動を制御する。データ収集システム1476は、集中型のシステムであってよいが、分散型のシステムであってもよい。一実施形態において、データ収集システム1476は処理部1470と統合される。処理部1470は、投影データからの画像の再構成、投影データの再構成前処理、および画像データの再構成後処理等の機能を実行する。処理部1470は、本明細書に記載の機能および方法も実行する。処理部1470は、処理回路の一例である。
【0121】
投影データの再構成前処理には、検出器キャリブレーション、検出器非線形性、極性効果、ノイズバランシング、および物質弁別についての補正を含めることができる。
【0122】
再構成後処理には、必要に応じて、画像のフィルタリングと平滑化、ボリュームレンダリング処理、および画像の差分処理を含めることができる。画像再構成処理は、フィルタ補正逆投影、反復的画像再構成法、または確率的画像再構成法を用いて行うことができる。処理部1470およびデータ収集システム1476のいずれもが、例えば、投影データ、再構成画像、キャリブレーションのデータおよびパラメータ、およびコンピュータプログラムを記憶させるためにメモリ1478を使用できる。
【0123】
処理部1470は、離散論理ゲートとして、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、またはその他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)としての実装が可能な中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)を備えることができる。FPGAまたはCPLDとしての実施形態は、超高速集積回路設計用ハードウェア記述言語(VHSIC (Very High Speed Integrated Circuit) Hardware Description Language:VHDL)、Verilog、または他のどのようなハードウェア記述言語でプログラムされてもよく、そのプログラムコードはFPGAまたはCPLD内部の電子メモリに直接記憶されてもよいし、別の電子メモリに記憶されてもよい。さらに、メモリは、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のように不揮発性であってよい。メモリは、スタティックRAM(Random Access Memory)、ダイナミックRAM等のように揮発性とすることもでき、その場合、電子メモリだけでなくFPGAまたはCPLDとメモリとの間の連携を管理するマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ等の処理部を設けてもよい。
【0124】
代替として、再構成処理部におけるCPUは、本明細書に記載の機能を実施するコンピュータ可読な命令の集合を含むコンピュータプログラムを実行してよく、そのプログラムは、上述の非一時的な電子メモリやハードディスクドライブ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュドライブ、または他の任意の既知の記憶媒体に記憶されている。さらに、それらのコンピュータ可読な命令は、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、オペレーティングシステムの一部、またはそれらの組み合わせとして提供され、オペレーティングシステム等のオペレーティングシステムと連携して実行される。さらに、CPUは、命令を実行するために並行して協調して動作する複数のプロセッサとして実装することもできる。
【0125】
一実施形態において、再構成画像はディスプレイに表示することができる。ディスプレイは、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、または当業者が知る他の任意のディスプレイでよい。
【0126】
メモリ1478は、ハードディスクドライブ、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)ドライブ、DVDドライブ、フラッシュドライブ、RAM、ROM、または当業者が知る他の任意の電子記憶装置でよい。
【0127】
ネットワーク制御部1480により、CTスキャナの各部間のインターフェースをとることができる。また、ネットワーク制御部1480により、外部ネットワークとのインターフェースをとることができる。当然のことながら、外部ネットワークは、インターネット等の公共ネットワーク、LANもしくはWAN等の専用ネットワーク、またはその組み合わせであってよく、PSTNまたはISDNのサブネットワークを含んでもよい。また、外部ネットワークは、有線であってもよいし、無線であってもよい。
【0128】
以上のように、少なくとも一つの実施形態のデータ処理装置によれば、ノイズ除去を効果的に行うことができる。
【0129】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。