【文献】
クレアの秘宝伝〜眠りの塔とめざめの石〜 個人的まとめ[online],2016年10月10日,主に「★基本仕様」、「★設定示唆」参照;[2020年8月7日アクセス],URL,http://bnerr.blog.fc2.com/blog-entry-277.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。
【0019】
[スロットマシンの構成]
図1は、本実施の形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筺体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筺体1a内部に並設されているリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。
図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L,2C,2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。
【0020】
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53,54が設けられている。また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、演出用スイッチ56などが設けられている。
【0021】
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L,2C,2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
【0022】
また、
図2に示すように、前面扉1bの内側には、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24などが設けられている。また、筺体1a内部には、前述したリール2L,2C,2Rを含むリールユニット2、電源ボックス100などが設けられている。
【0023】
電源ボックス100の前面には、
図3に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(メダルの払出率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0024】
前面扉1bは、店員などが所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39などは、キーを所持する店員などの者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
【0025】
後述する内部抽選、AT抽選などにおいては、遊技者にとっての有利度合いを示す設定値に応じた当選確率が用いられることにより、設定値に応じてメダルの払出率が変わるようになっている。設定値は、1〜6の6段階からなり、6が最も払出率(賭数設定に用いたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度合いが高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度合いが段階的に低くなる。たとえば、本実施の形態においては、設定値として「4」が設定されているときには払出率が1以上になる。なお、設定値として「4」が設定されているときには、設定値として「4」未満が設定されているときよりも、払出率が1以上になる確率が高いものであってもよい。また、設定値として「4」が設定されているときには払出率が1未満になる一方で、設定値として「4」以上が設定されているときには払出率が1以上になってもよい。
【0026】
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
【0027】
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
【0028】
また、メイン制御部41は、設定変更状態への制御を開始および終了を特定するためのコマンド、設定確認状態への制御を開始および終了を特定するためのコマンド、および、設定変更状態において設定された設定値を特定するためのコマンドをサブ制御部91へ送信する。
【0029】
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0030】
入賞ラインとは、リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するラインである。入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
【0031】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
【0032】
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。
図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。
図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板91、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
【0033】
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(
図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(
図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L,33C,33Rからの信号に基づき、リールモータ32L,32C,32Rを駆動制御する。
【0034】
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(
図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dなどを備えている。
【0035】
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出装置(
図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(
図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dなどを備えている。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(
図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
【0036】
図5および
図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。BB1、BB2は、ボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。
【0037】
特別リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」が停止する。「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」は、特別リプレイに当選しているときにのみ無効ライン上に停止可能であって、特別リプレイに当選していないときにはいずれのライン上にも停止されない図柄の組合せである。
【0038】
図7は、移行出目の図柄組合せを示す図である。移行出目は、
図14に示す左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、右下がりベルあるいは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0,2,3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
【0039】
図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、
図9は、遊技状態およびRTの概要を示す図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(
図9の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される。
【0040】
BB1およびBB2のいずれかに当選したときには、RT4に制御される。BB1およびBB2のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においては、RT1およびRT3中よりも高く、RT0およびRT2中よりも低い確率(
図9の上図の再遊技役欄の数値参照)でリプレイに当選する。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、
図5で説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT3へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類ごとに定められている。
【0041】
図10および
図11は、遊技状態ごとに抽選対象役(以下、当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。
図10および
図11に示す判定値数は、設定値が「1」に設定されているときの判定値数を示す。複数種類の抽選対象役には、設定値が大きくなるほど判定値数が多くなるように定められた抽選対象役(たとえば、強・弱スイカ、強・弱・中段チェリー、ボーナス1〜12など)が含まれる。
【0042】
図9および
図11に示すように、特別リプレイは、RT2およびRT4に制御されているときに抽選対象役となるように定められている。
図6に示すように、特別リプレイがRT2中に入賞したときには上乗せ抽選が行われ、特別リプレイがRT4中に入賞したときには設定示唆演出が行われる。上乗せ抽選および設定示唆演出については後述する。
【0043】
また、ボーナス中においては、たとえば、中段ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率(64000/65536)で当選するように定められている。また、中段ベルは、操作タイミングにかかわらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率で中段ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
【0044】
図12は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。抽選対象役のうちボーナス1〜ボーナス12は、BB1またはBB2と弱チェリーやベルなどの所定の入賞役が同時に読み出されて当選し得る役である。また、
図10で示したように、ボーナス1〜ボーナス12は、異なる判定値数が定められている。このため、遊技者にとっての有利度であって、同時当選役に当選したときにBB1またはBB2が実際に同時当選している割合(以下、信頼度ともいう)が、ボーナス6や12などに含まれる中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベル(以下、中段ベルともいう)が最も低くなるように、判定値数が定められている。
【0045】
図13および
図14は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役ごとに、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せを入賞ラインLNに停止させるリール制御が行なわれる。
【0046】
また、同時当選役に当選しているときには、当該同時当選役に当選していないときと異なるリール制御が行われ得る。たとえば、弱スイカに当選しているときには、中段スイカよりも右下がりスイカあるいは上段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われるのに対し、強スイカに当選しているときには、右下がりスイカおよび上段スイカのいずれよりも中段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。また、弱チェリーあるいは強チェリーが当選しているときには、下段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われ、中段チェリーが当選しているときには、中段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。これにより、リール2L,2C,2Rが停止したときの図柄の組合せから、チェリーかスイカか、弱か強か、あるいは、中段チェリーか否かなどを推定可能となり、ボーナス当選あるいはAT当選に対する期待感を異ならせることができる。
【0047】
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを設定(内部抽選)するための内部抽選処理(
図10〜
図12など参照)が行われる。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。BB1、BB2の当選フラグについては、当選したBBに入賞するまで持ち越される一方、BB1、BB2以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無にかかわらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
【0048】
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L,2C,2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(
図13、
図14など参照)。リール2L,2C,2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(
図5〜
図7など参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、
図8で示した状態に制御する。
【0049】
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役などの当選フラグ)の消去など)が行われる。また、BB1、BB2のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(
図8、
図9など参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
【0050】
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると設定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
【0051】
メイン制御部41は、非AT中においては、特定の抽選対象役(本実施の形態では、
図12に示すベル、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、BB1、BB2)が当選した場合に、ATに制御するか否かを設定するAT抽選処理を行う。AT抽選処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。なお、特定の抽選対象役は、内部抽選においてBB1、BB2、同時当選役である例について説明するが、これに限らず、同時当選役の一部を含むものであってもよく、またBB1またはBB2と同時当選し得ない入賞役を含むものであってもよい。
【0052】
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを設定するとともに、ATに制御すると設定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数を設定する。ATゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶する。また、メイン制御部41は、ATを開始するタイミングを抽選する。メイン制御部41は、たとえば、AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始すること(ATを開始するタイミング)を乱数値の抽選により設定する。
【0053】
AT抽選においてATに制御すると設定される信頼度やATに制御するときに設定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベルが最も低くなるようにAT抽選が行われる。また、AT抽選においてATに制御すると設定される信頼度、および、ATに制御するときに設定されるATゲーム数の期待値は、同じ特定の抽選対象役に当選しているときであっても、当該特定の抽選対象役がBB1またはBB2と同時当選していないとき(たとえば、強チェリー当選時)よりも、BB1またはBB2と同時当選しているとき(たとえば、BB1+強チェリー当選時)の方が高くなるようにAT抽選が行われる。
【0054】
サブ制御部91は、後述する内部当選コマンドおよびAT抽選時コマンドにより、特定の抽選対象役に当選したこと、AT当選したこと、ATの当選または非当選、ATゲーム数、AT開始タイミングを特定する。ATを開始するタイミングの抽選(AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始することの抽選)で設定されたAT開始タイミングが32ゲーム経過後と設定されたなら31ゲーム間は、前兆演出(AT当選を煽る演出)を実行し、AT当選を報知する。
【0055】
メイン制御部41は、BB当選せずにAT当選しているときにはAT開始タイミングとなったときに、ATフラグを設定してATに制御する。一方、メイン制御部41は、BB当選とともにAT当選しているときには、BB入賞してボーナスが終了したときにATフラグを設定し、ボーナス終了後の次のゲームからATに制御する。ここで、ATへの制御は、たとえばAT開始タイミングが10ゲームと設定されている場合には、10ゲームが0ゲームとなったタイミングで制御されるようにしてもよいし、0ゲームとなった次のゲームのタイミングで制御されるようにしてもよい。
【0056】
ATフラグは、RAM41cの所定領域において記憶し、ATゲーム数が0に到達したときにクリアされる。メイン制御部41は、ATフラグに基づいてAT中であるか否かを特定する。AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される結果、RT2に制御可能となる。AT開始後におけるATゲーム数の減算は、たとえば、RT0において特殊リプレイに当選(減算開始契機が成立)した次のゲームから開始する。BB終了後に開始されるATについても同様である。これにより、メイン制御部41は、設定したATゲーム数にわたりAT+RT2に制御可能となる。
【0057】
メイン制御部41は、AT中においては、特別の抽選対象役(本実施の形態では、特別リプレイ)が当選した場合に、ATゲーム数を上乗せするか否かを設定する上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
【0058】
上乗せ抽選では、ATゲーム数を上乗せするか否かを設定するとともに、上乗せすると設定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数に上乗せする上乗せゲーム数を設定する。設定された上乗せゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶されているATゲーム数に加算される。これにより、メイン制御部41は、ATに制御するゲーム数を上乗せする。
【0059】
サブ制御部91は、上乗せ抽選が行われたときには、上乗せ当選したか否かを示唆する上乗せ示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。上乗せ示唆演出としては、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出など、どのようなものであってもよい。
【0060】
[ゲームの流れ]
ここで、
図8および
図9を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。まず、RT4およびボーナス以外のRT0〜RT3におけるゲームの流れを説明する。RT0〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。
【0061】
設定変更状態が終了した後において、RT3に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT3ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT3においてナビ演出が実行されることがないため、RT3において左ベル1〜4などのベルのうちのいずれかに当選すると、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出される(
図14参照)。よって、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
【0062】
RT1では、昇格リプレイに入賞することにより、RT0に移行する。昇格リプレイに入賞するためには、
図13で示したように、リプレイGR1〜6のいずれかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
【0063】
また、RT0に制御された場合でも、当該RT0への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、
図11および
図13で示したように、RT0では、リプレイGR11〜13に当選する可能性があり、このときには2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に転落してしまう。
【0064】
さらに、RT0で左ベル1〜4などのベルのうちいずれかに当選した場合において、所定のリール(
図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。また、
図11および
図13で示したように、RT0では、リプレイGR21〜23に当選する可能性があり、このときに、所定のリール(
図13に示す特殊リプレイを入賞させるためのリール)を第1停止すると特殊リプレイが入賞してRT2に制御される可能性がある。しかし、RT2に制御された場合でも、左ベル1〜4などのベルのうちいずれかに当選したときには、所定のリール(
図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
【0065】
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、リプレイGR1〜6のいずれかに当選したときに、昇格リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行させることができる。RT0では、リプレイGR11〜13のいずれかに当選したときに、通常リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT0を維持することができる。また、RT0では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT0を維持させることができる。さらに、RT0では、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに、特殊リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、特殊リプレイ入賞によりRT2に移行させることができる。
【0066】
RT2では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。
【0067】
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT2に制御されるように、かつRT2が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT2において消化されることとなる。なお、ATはATゲーム数が0になると終了する。ATのゲーム数は、RT2+AT(本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT2においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。)に制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT0でリプレイGR21〜23のいずれかに当選し、特殊リプレイが入賞可能となったゲームの次ゲームからカウント開始される。これにより、実質的にはARTでATゲーム数分のゲームを消化するとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。
【0068】
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT2への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT2中は、非AT中であるため、前述したように左第1停止される。一方、中ベル1〜4または右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときには、左第1停止すると第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、ARTが終了した後のRT2中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
【0069】
次に、BB1あるいはBB2に当選した後のゲームの流れについて説明する。いずれのRTに制御されているかにかかわらず、BB1あるいはBB2に当選したときには、
図8で示したとおり、RT4へ制御される。また、BB当選ゲーム終了後の次ゲームにおいて当選示唆演出が実行されてBB当選している旨が報知されて、遊技者はBB1あるいはBB2に当選したことを把握することができる。BB入賞が発生すると、対応するボーナスに移行されて、所定の終了枚数払出されたときに終了して、RT3へ移行される。
【0070】
[設定示唆演出について]
スロットマシン1のサブ制御部91は、設定されている設定値に応じて、設定値を示唆する設定示唆演出を実行するための処理を行う。サブ制御部91は、設定変更状態において設定された設定値を特定するための設定コマンドに基づき、当該設定コマンドから特定される設定値と同じ値をRAM91cに格納しており、当該値からRAM41cに記憶されている設定値(以下では、「現在設定値」ともいう)を特定する。また、設定示唆演出のパターンは、パターンA〜パターンDを含む(
図18〜
図20参照)。パターンA〜パターンDの設定示唆演出は、それぞれ、キャラA〜キャラDが表示される演出である。たとえば、パターンCの設定示唆演出は、キャラCが表示される演出である(
図16(A)の「設定示唆演出実行の箇所」など参照)。
【0071】
[モードについて]
図15は、本実施の形態のモード選択画面の一例を説明するための図である。
図15の例では、AT開始時設定示唆モード、AT中ボーナス当選時設定示唆モード、およびAT駆け抜け時設定示唆モードのうちから、遊技者が選択可能である。AT開始時設定示唆モードは、ATが開始されたときに、設定示唆演出が実行されるモードである。AT中ボーナス当選時設定示唆モードは、AT中にボーナス当選したときに、設定示唆演出が実行されるモードである。AT駆け抜け時設定示唆モードは、ATが駆け抜けたときに、設定示唆演出が実行されるモードである。ここで、「ATが駆け抜ける」とは、「AT中にボーナス状態に制御されないこと」をいう。モード選択画面の表示タイミングについては、
図16で説明する。
【0072】
モード選択画面が表示された場合には、遊技者の選択操作により、カーソルを移動させて、遊技者の決定操作により、カーソルが位置しているモードが決定されることにより、該モードが設定される。選択操作として、たとえば、左ストップスイッチが操作されるとカーソルが上に移動し、右ストップスイッチが操作されるとカーソルが下に移動する。また、決定操作は、中ストップスイッチへの操作である。モードが設定されると、メイン制御部41のRAMおよびサブ制御部91のRAMそれぞれに、該設定されたモードを特定可能なモードフラグが格納される。該モードフラグにより、メイン制御部41およびサブ制御部91は、設定されているモードを認識できる。このようなモード選択画面を表示することにより、遊技者の嗜好に応じたモードを遊技者に選択させることができる。
【0073】
[各モードのタイミングチャートについて]
次に、
図15で説明した各モードについてのタイミングチャートについて説明する。
図16および
図17は、該タイミングチャートを説明するための図である。
図16(A)は、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定された場合において、AT中にボーナス当選しなかった場合を説明するための図である。
【0074】
また、抽選対象役が当選することにより実行されたAT抽選が実行された場合には、連続演出が実行される。該連続演出は、たとえば、味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出である。該連続演出が終了したときには、該AT抽選の結果を報知するAT抽選結果演出が実行される。このように、AT抽選結果演出の前に、連続演出を実行することにより、AT抽選の結果に対して期待感を抱かせることができる。
【0075】
該AT抽選においてAT当選した場合には、AT抽選結果演出として、AT当選報知演出が実行される。AT当選報知演出とは、たとえば、「WIN」という文字を表示する演出である。また、該AT抽選においてAT非当選した場合には、AT抽選結果演出として、AT非当選報知演出が実行される。AT非当選報知演出とは、たとえば、「LOSE」という文字を表示する演出である。
【0076】
図16(A)に示すように、AT抽選が実行され、該AT抽選によりAT当選した場合には、連続演出が実行される。該連続演出が終了したときには、AT抽選結果演出としてAT当選報知演出(WINの文字の表示)が実行される。該AT当選報知演出は所定時間(たとえば、5秒間)実行され、その後、モード選択画面が実行される。なお、
図16、および
図17でのモード選択画面は、「モードを選んでね!」という文字のみを示し、選択肢については記載を省略している。
【0077】
図16(A)は、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定された場合を示す。AT当選報知演出が実行されたゲームの次のゲームからATに制御される。
図16(A)の例では、該AT中に、ボーナス当選しなかった場合を示している。その後、該ATに制御されるATゲーム数(AT残りゲーム数)が0になることにより、ATが終了する。該ATが終了したとき、たとえば、該ATの最終ゲームの終了に関連するタイミング(たとえば、第3停止時)で、AT終了演出(図示せず)が実行される。AT終了演出は、たとえば、ATが終了した旨、およびAT中に付与されたメダル枚数などを報知する演出である。
【0078】
該AT終了演出が所定時間(たとえば、5秒間)実行されたときに、設定示唆演出が実行される。なお、設定示唆演出が実行されるタイミングは、AT終了演出が終了したタイミングに限られず、ATの最終ゲームの次のゲームの開始に関連するタイミングとしてもよい。該タイミングとは、ATの最終ゲームの次のゲームを開始させるためのベット操作としてもよく、レバーオン操作(スタートスイッチ7への操作)としてもよい。また、
図16(A)では、キャラCを表示させるパターンCでの設定示唆演出が実行されていることを示している。
【0079】
図16(B)は、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定された場合を示す。また、
図16(B)の例では、該AT中に、ボーナス当選し、該ボーナスが入賞することにより該ボーナスに対応するボーナス状態に制御された場合を示している。本実施の形態では、AT中にボーナス当選した場合には、該ボーナス当選したゲームでのATゲーム数が保留される。該ボーナス当選したゲームからボーナス状態が終了するまでの期間では、ATゲーム数は減算されない。その後、ボーナス状態終了時のゲームから、ATに復帰するとともに該保留されたATゲーム数の減算が開始される。
【0080】
その後、該ATが終了しても、設定示唆演出は実行されない。このように、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されている場合において、AT中にボーナス当選して該ボーナスが入賞したときには、設定示唆演出は実行されない。また、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されており、AT中にボーナス当選したが、AT中に該ボーナスが入賞しなかった場合にも設定示唆演出は実行されない。このように、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されており、ATが終了したときに設定示唆演出が実行されない場合には、AT中にボーナス当選したことを遊技者に示唆することになる。なお、変形例として、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されており、AT中にボーナス当選したが、AT中に該ボーナスが当選しなかった場合には設定示唆演出を実行するようにしてもよい。このような変形例であれば、AT中にボーナス当選したことを遊技者に示唆しないようにすることができる。
【0081】
また、
図16(B)において、設定示唆演出が実行されない代わりとなる代替演出を実行するようにしてもよい。ここで、代替演出は、設定示唆演出により示唆される設定値とは異なる事項を示唆する演出である。設定値と異なる事項とは、遊技者の有利度合いに関する事項であることが好ましい。たとえば、設定値と異なる事項とは、代替演出が実行されたときに終了したAT以降の状態としてもよい。たとえば、該状態として、通常状態と、高確状態とがある。高確状態は、AT抽選のAT当選確率が通常状態よりも高い状態である。代替演出は、高確状態に制御されるか否か(または、高確状態に制御されているか否か)を示唆する演出としてもよい。このような構成によれば、設定示唆演出が実行されないことによる遊技者の落胆を軽減できる。
【0082】
図17(A)は、AT開始時設定示唆モードが設定された場合を示す。AT開始時設定示唆モードが設定されたときには、ATが開始されたときに、設定示唆演出は実行される。また、本実施の形態では、ATが開始されるときに、モード選択画面が表示される。したがって、本実施の形態では、モード選択画面が表示されて、AT開始時設定示唆モードが設定された場合には、該AT開始時設定示唆モードが設定された旨の画面(たとえば、カーソルが光る画面)が所定時間(たとえば、3秒間)が表示された後に、設定示唆演出が実行される。
【0083】
図17(B)は、AT中ボーナス当選時設定示唆モードが設定された場合を示す。AT開始時設定示唆モードが設定されたときには、AT中にボーナス当選したときに設定示唆演出は実行される。換言すれば、該設定示唆演出は、ボーナス当選したことを報知する演出でもある。なお、AT中ボーナス当選時設定示唆モードが設定された場合において、AT中にボーナス当選ときには、該ボーナス当選した旨を報知するボーナス当選報知演出を所定時間(たとえば、5秒間)実行し、その後、設定示唆演出を実行するようにしてもよい。
【0084】
[設定示唆演出の精度について]
本実施の形態の設定示唆演出は、あくまで、現在設定値を示唆する演出であり、現在設定値を確定的に報知する演出ではない。本実施の形態では、設定されたモードに応じて、設定示唆演出の精度は異なる。設定示唆演出の精度は、該設定値示唆演出の内容の正確性を示すものである。
【0085】
本実施の形態では、AT中ボーナス当選時設定示唆モードが設定されたときに実行される設定示唆演出の精度が最も高く、次に、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されたときに実行される設定示唆演出の精度が高く、AT開始時設定示唆モードが設定されたときに実行される設定示唆演出の精度が最も低い。
【0086】
つまり、AT中ボーナス当選時設定示唆モードが設定されたときに実行される設定示唆演出の精度>AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されたときに実行される設定示唆演出の精度>AT開始時設定示唆モードが設定されたときに実行される設定示唆演出の精度、となる。
【0087】
このような順序で精度が定められている理由は、AT中ボーナス当選時設定示唆モードが設定されたときに設定示唆演出が実行される確率が最も低く、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されたときに設定示唆演出が実行される確率が次に低く、AT開始時設定示唆モードが設定されたときに設定示唆演出が実行される確率が最も高いからである。
【0088】
このように、設定示唆演出が実行される確率に応じて、該設定示唆演出の精度が異なる。具体的には、設定示唆演出が実行される確率が低くなるほど、該設定示唆演出の精度は高くなるように設定されている。
【0089】
次に、各モードが設定されたときにおいて、設定示唆演出が実行される確率について説明する。また、ATゲーム数を「A」とする。また、1ゲームにおいて、ボーナス当選確率は約0.1%であり(
図10参照)、ボーナス当選しない確率(ボーナス非当選確率)は、約99.9%となる。また、ボーナス当選確率は、現在設定値に応じて異なり、現在設定値が2、3,4,5、6になるにつれて、ボーナス当選確率は高くなる。また、AT中は、通常、RT0、RT1、RT2のうちのいずれかのRTに制御されるが、これらのRTのうちのいずれのRTにおいても、同一の現在設定値であれば、ボーナス当選確率は同一となるように設定されている。また、いずれのRTにおいても、現在設定値に関わらずボーナス当選確率<ボーナス非当選確率という関係は成立する。つまり、AT中は、現在設定値に関わらずボーナス当選確率<ボーナス非当選確率という関係は成立する。
【0090】
また、AT中ボーナス当選時設定示唆モードが設定されたときに設定示唆演出が実行される確率Xはたとえば以下の通りである。
【0091】
X=(0.001)+(0.999
1×0.001)+(0.999
2×0.001)・・・+(0.999
A−1×0.001)
この式の右辺の1項目(0.001)は、ATの1ゲーム目でボーナス当選する確率を示す。この式の右辺の2項目(0.999
1×0.001)は、ATの2ゲーム目でボーナス当選する確率を示す。この式の右辺の3項目(0.999
2×0.001)は、ATの3ゲーム目でボーナス当選する確率を示す。この式の右辺の最終項(0.999
A−1×0.001)は、ATの最終ゲーム目でボーナス当選する確率を示す。また、この式は以下の式(1)と等価である。
【0092】
X=(0.001)×(1+0.999
1+0.999
2・・・+0.999
A−1)
(1)
また、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されたときに設定示唆演出が実行される確率Yは以下の通りである。
【0093】
Y=0.999
A (2)
また、AT開始時設定示唆モードが設定されたときに設定示唆演出が実行される確率Zは以下の通りである。
【0094】
Z=1 (3)
式(1)〜(3)からも明らかなように、X<Y<Zとなる。なお、式(1)〜式(3)はあくまで一例であり、他の式により、X、Y、およびZを算出するようにしてもよい。
【0095】
[設定示唆演出パターン決定用テーブルについて]
次に、設定示唆演出パターン決定用テーブルについて説明する。
図18〜
図20はそれぞれ設定示唆演出用パターンを決定するための設定示唆演出パターン決定用テーブルを説明するための図である。設定示唆演出パターン決定用テーブルは、サブ制御部91のROM91bの所定領域に格納されている。また、本実施の形態では、サブ制御部91は、設定示唆演出を実行するときに(該設定示唆園の実行の直前で)、該実行する設定示唆演出の設定示唆演出用パターンを決定する。なお、設定示唆演出のパターンを決定するタイミングは、該設定示唆演出の実行よりも前のタイミングであれば、如何なるタイミングであってもよい。
【0096】
図18〜
図20はそれぞれ、AT中ボーナス当選時設定示唆モードが設定されたときの設定示唆演出のパターンを設定するためのテーブル、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されたときの設定示唆演出のパターンを設定するためのテーブル、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されたときの設定示唆演出のパターンを設定するためのテーブルを示したものである。
【0097】
また、
図18〜
図20に示すように、各モードについて、電断復帰したときに用いられる(a)電断復帰テーブルと、設定変更されたときに用いられる(b)設定変更後テーブルと、通常時に用いられる(c)通常テーブルとを含む。
【0098】
また、電断復帰されたときにおいて、設定変更を伴わないときと、設定変更を伴うときとが含まれる。電断復帰されたときであって設定変更を伴わなかったゲームから所定期間(たとえば、64ゲーム)が経過するまでの期間では、
図18(a)、
図19(a)、および
図20(a)のうち、設定されているモードに応じた電断復帰テーブルを参照して設定示唆演出用パターンを決定する。また、電断復帰されたときであって設定変更を伴なったゲームから該所定期間が経過するまでの期間では、
図18(b)、
図19(b)、および
図20(b)のうち、設定されているモードに応じた設定変更後テーブルを参照して設定示唆演出用パターンを決定する。また、電断復帰されたゲームから所定期間が経過した後には、
図18(c)、
図19(c)、および
図20(c)のうち、設定されているモードに応じた通常テーブルを参照して設定示唆演出用パターンを設定する。たとえば、AT中ボーナス当選時設定示唆モードが設定されており、電断復帰されたときであって設定変更を伴なったゲームから所定期間(たとえば、32ゲーム)が経過するまでの期間においては、
図18(b)に示すテーブルを用いて、設定示唆演出のパターンを設定する。
【0099】
次に、各テーブルで規定されている割合について説明する。
図18〜
図20に示すように、電断復帰テーブル、設定変更後テーブル、および通常テーブルは、各々、設定されている設定値である現在設定値に応じて割合が定められている。まず、AT中ボーナス当選時設定示唆モードが設定されており、電断復帰されたときであって設定変更を伴なったゲームから所定期間が経過するまでの期間に用いられる
図18(a)の電断復帰テーブルについて説明する。現在設定値が「6」であるときには、25%の割合でパターンAに、17%の割合でパターンBに、11%の割合でパターンCに、47%の割合でパターンDに設定される。現在設定値が「5」であるときには、30%の割合でパターンBに、13%の割合でパターンCに、57%の割合でパターンDに設定される。現在設定値が「4」であるときには、32%の割合でパターンBに、21%の割合でパターンCに、43%の割合でパターンDに設定される。現在設定値が「3」であるときには、38%の割合でパターンCに、62%の割合でパターンDに設定される。現在設定値が「2」であるときには、48%の割合でパターンCに、52%の割合でパターンDに設定される。現在設定値が「1」であるときには、100%の割合でパターンDに設定される。
【0100】
また、
図18(b)、
図18(c)、
図19(a)〜
図19(c)、および
図20(a)〜
図20(c)に示す各テーブルについても同様に、現在設定値に応じて定められている割合にしたがって、パターンA〜Dのうちから設定示唆演出用パターンが設定される。
【0101】
図18〜
図20の9つのテーブルのいずれのテーブルについても、パターンAは現在設定値が「6」のときにのみ設定可能となり、パターンBは現在設定値が「4」〜「6」であるときにのみ設定可能となり、パターンCは「2」〜「6」つまり「1」以外であるときにのみ設定可能となる。このため、パターンAは、現在設定値が「6」であることを示唆するパターンであるといえ、パターンBは、現在設定値が「4」以上であることを示唆するパターンであるといえ、パターンCは、現在設定値が「2」以上であること、すなわち少なくとも「1」以外であることを示唆するパターンであるといえる。一方、パターンDは、現在設定値を特定不可能なパターンであるといえる。つまり、パターンDは現在設定値を特定できず、パターンCは、現在設定値が「1」以外の「2」〜「6」の5つの設定値のうちいずれかであることを特定できるのに対して、パターンBは、現在設定値が「4」〜「6」の3つの設定値に絞ることができ、パターンAは、現在設定値が「6」であることを特定できる。このように、現在設定値として特定できる設定値の個数がパターンD>パターンC>パターンB>パターンAとなるため、設定示唆の精度は、パターンAが最も高く、続いてパターンB、Cとなり、パターンDが最も低いといえる。
【0102】
このため、設定示唆演出用パターンの設定は、どのように設定値を示唆するか、示唆する設定値を特定しているともいえる。また、現在設定値の推測に役立てることができる点においてパターンDよりもパターンA〜Cの方が、遊技者にとって有利なパターンであるといえる。このような有利なパターンに設定される割合を比較すると、各モードにおいて、設定変更後テーブルが最も高く、続いて電断復帰テーブルが高く、通常テーブルが最も低くなるように定められている。換言すると、設定示唆の精度が最も低いパターンDの決定確率が低いテーブルほど、遊技者にとって有利なテーブルであるといえる。このため、設定示唆演出に関する有利度は、各モードにおいて、設定変更後が最も高く、続いて電断復帰テーブルが高く、通常テーブルが最も低くなるように定められているといえる。これにより、電断復帰あるいは設定変更後(たとえば、朝一)から遊技を行うことに対するモチベーションを向上させつつ、その後においてもパターンA〜Cに決定されることに対する期待感を持続させることができる。
【0103】
また、各モードにおいて、パターンBは現在設定値が「4」以上であることを示唆するパターンであるが、現在設定値が「4」のときに最も選択される確率が高い。また、各モードにおいて、パターンCは現在設定値が「2」以上であることを示唆するパターンであるが、現在設定値が「2」のときに最も選択される確率が高い。さらに、各モードにおいて、パターンDは現在設定値が「1」以上であることを示唆するパターンであるが、現在設定値が「1」のときに限り選択される。
【0105】
[本実施の形態の効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
【0106】
(1) 前述した実施の形態では、
図16(B)に示すように、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されているときにおいて、AT中にボーナス当選したときには、該ATが終了しても、設定示唆演出は実行されない。一方、
図16(A)に示すように、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されているときにおいて、AT中にボーナス当選せずにATが終了したとき(ATが駆け抜けたとき)には、該ATが終了したときに、設定示唆演出が実行される。したがって、AT中にボーナス当選しなかったことによる遊技者の落胆を軽減できる。
【0107】
また、本実施形態では、ボーナス当選確率は、現在設定値に応じて異なり、現在設定値が高くなるにつれて、ボーナス当選確率は高くなる。したがって、ATが駆け抜けたとき(AT中にボーナスが当選しなかったとき)には、ボーナス当選確率が比較的低いといえることから、現在設定値は低いのではないかといった予測を遊技者に行わせることができる。一方、AT中にボーナスが当選したときには、ボーナス当選確率が比較的高いといえることから、現在設定値は高いのではないかといった予測を遊技者に行わせることができる。
【0108】
たとえば、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されているときにおいて、ATが駆け抜けた場合には、
図16(A)に示すように、設定示唆演出が実行される。この場合には、遊技者は、「該設定示唆演出の演出内容の観点」のみならず、「ATが駆け抜けたことによりボーナス当選確率が比較的低いことから現在設定値は低いのでないかという予測の観点」からも、遊技者は現在設定値を推測することができる。したがって、現在設定値の予測の正確性を向上させることができる。
【0109】
(2) また、現在設定値に関わらず、AT中(たとえば、通常、RT0、RT1、およびRT2のうちのいずれか)の各ゲームにおいて、ボーナス当選確率(約0.1%)<ボーナスが当選しない確率(約99.9%)となるように定められている。したがって、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されているときには、AT中にボーナス当選しなかったことにより遊技者の落胆を軽減できる機会を、現在設定値に関わらず、増加できる。
【0110】
(3) また、
図15に示すように、AT駆け抜け時設定示唆モードの他に、AT中ボーナス当選時設定示唆モード、およびAT開始時設定示唆モードなども備える。AT駆け抜け時設定示唆モードは、
図16(A)に示すように、ATが駆け抜けたとき(AT中にボーナス当選しなかったとき)に、設定示唆演出が実行されるモードである。
図17(B)に示すように、AT中ボーナス当選時設定示唆モードは、AT中にボーナスが当選したときに、設定示唆演出が実行されるモードである。
図17(A)に示すように、AT開始時設定示唆モードは、ATが開始されるときに、設定示唆演出が実行されるモードである。遊技者は、これら3つのモードのいずれかを選択・設定することができる。したがって、遊技者の趣向に応じたモードに制御することができる。
【0111】
(4) また、
図17(A)に示すように、AT開始時設定示唆モードが設定されたときには、AT中にボーナス当選するか否かに関わらず、確実に、設定示唆演出を実行することができる。したがって、AT中にボーナス当選するか否かに関わらず、確実に、遊技者に設定値の示唆を行うことができる。
【0112】
(5) また、
図18〜
図20に示すように、設定示唆演出の精度は、AT中ボーナス当選時設定示唆モードでの設定示唆演出>AT駆け抜け時設定示唆モードでの設定示唆演出>AT開始時設定示唆モードでの設定示唆演出、となっている。これは、各モードそれぞれにおける設定示唆演出が実行される割合が低いほど、設定示唆演出の精度は高くなるという思想に基づく。したがって、遊技者によるモード選択の幅を広げることができる。
【0113】
(6) また、本実施の形態のスロットマシンは、以下の構成を備える。
遊技者にとっての有利度(設定値)を設定する有利度設定手段(たとえば、メイン制御部41による設定変更を行う処理)と、
前記有利度設定手段によって設定されている有利度を示唆する示唆演出(たとえば、設定示唆演出)を実行する示唆演出手段(たとえば、サブ制御部91)とを備え、
前記有利度設定手段によって設定可能な有利度には、第1有利度(現在設定値が「2」)と、当該第1有利度よりも有利度合いが高い第2有利度(現在設定値が「4」)と、当該第1有利度および当該第2有利度のそれぞれよりも有利度合いが高い第3有利度(現在設定値が「6」)とが含まれ、
前記示唆演出には、前記第2有利度以上の有利度合いを有する有利度(現在設定値が「4」以上の設定値)が設定されていることを示唆する特定示唆演出(たとえば、
図18〜
図20に示すパターンBによる設定示唆演出)が含まれ、
前記示唆演出手段は、前記第2有利度が設定されているときには、前記第3有利度が設定されているときよりも高い確率で前記特定示唆演出を実行する(たとえば、
図18〜
図20に示すように、パターンBによる設定示唆演出は現在設定値が「4」のときに最も実行確率が高い)。
【0114】
このような構成によれば、特定示唆演出が実行されることによって、第1有利度が設定されていないこと、および第2有利度が設定されている可能性が高い一方で第3有利度が設定されている可能性もあることなどを遊技者に想像させることができ、遊技を継続させる意欲を引き出すことができる。これにより、有利度の示唆に関して遊技の興趣を向上させることができる。
【0115】
また、実施の形態に基づいて説明すると、
図18〜
図20に示すように、設定示唆演出には、現在設定値が「4」以上であることを示唆するパターンBによる設定示唆演出が含まれる。そして、パターンBによる設定示唆演出は、現在設定値が「4」であるときには、「5」や「6」であるときよりも高い確率で実行される。これにより、パターンBによる設定示唆演出が実行されることによって、現在設定値が「3」以下でないこと、および現在設定値が「4」である可能性が高い一方で現在設定値が「5」や「6」である可能性もあることなどを遊技者に想像させることができ、遊技を継続させる意欲を引き出すことができる。これにより、設定値の示唆に関して遊技の興趣を向上させることができる。
【0116】
(7) 前述した実施の形態では、現在設定値が「4」であるときにはメダルの払出率が1以上になる。あるいは、現在設定値が「4」であるときには、現在設定値が「4」未満であるときよりも、払出率が1以上になる確率が高い。このため、パターンBによる設定示唆演出が実行されたときに現在設定値が「4」以上であることが示唆されることによってメダルの払出率が1以上である、あるいは1以上になる可能性が高いことを遊技者に知らせることができ、遊技を継続させる意欲を引き出すことができる。
【0117】
(8) なお、現在設定値が「4」であるときには払出率が1未満になる一方で、現在設定値が「4」以上の設定値、たとえば「6」であるときには払出率が1以上になるものであってもよい。この場合、パターンBによる設定示唆演出が実行されたときに現在設定値が「4」以上であることが示唆されることによってメダルの払出率が「1」以上である可能性があることを遊技者に知らせることができ、遊技を継続させる意欲を引き出すことができる。
【0118】
(9) また、
図18〜
図20に示すように、設定示唆演出には、現在設定値が「6」であることが確定するパターンAによる設定示唆演出が含まれる。これにより、パターンAによる設定示唆演出が実行されたときには現在設定値が「6」であることが確定するため、遊技を継続させる意欲を引き出すことができる。
【0119】
[変形例]
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
【0120】
[所定期間について]
(1) 本実施の形態では、所定期間としてATを例示し、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されたときにおいて、該AT中にボーナス当選せず該ATが終了したときには設定示唆演出は実行される一方、該AT中にボーナス当選したときには該ATが終了しても設定示唆演出は実行されないとして説明した(
図16参照)。しかしながら、所定期間は、ATに限られず、他の期間としてもよい。
【0121】
たとえば、以下のような構成を備えるスロットマシンとしてもよい。
図8に示すように、所定の出目(昇格リプおよび特殊リプ)が導出されたときに、RTが昇格する遊技性ではなく、以下の遊技性を有する。本変形のスロットマシン(たとえば、メイン制御部)は、通常RT、ボーナス内部中、通常RTよりもリプレイ当選確率が高い有利RT、ボーナス状態とを含む複数の状態のうちいずれかの状態に制御可能である。
【0122】
通常は、通常RTで遊技させ、該通常RT中にボーナス当選するとボーナス内部中に制御させる。該ボーナス内部中にボーナス入賞するとボーナス状態に制御し、該ボーナス状態が終了すると、有利RTに制御させる。また、有利RTに制御されるゲーム数は予め定められており、たとえば、該ゲーム数は32ゲームとする。有利RTに制御されるゲーム数は乱数抽選により決定するようにしてもよい。また、有利RT中にボーナス当選すると、該有利RTは終了すると共に、ボーナス内部中に制御される。
【0123】
このような構成を採用した場合には、所定期間は、有利RTに制御されている期間である。また、
図15に示す各モードについては、「AT」の文言が「有利RT」に代替された名称となる。
【0124】
たとえば、有利RT開始時設定示唆モードは、有利RTが開始されるとき(ボーナス状態が終了したとき)に、設定示唆演出が実行されるモードである。有利RT中ボーナス当選時設定示唆モードは、有利RT中にボーナスが当選したときに設定示唆演出が実行されるモードである。有利RT駆け抜け時設定示唆モードは、有利RTが駆け抜けたとき、つまり、該有利RT中にボーナス当選せずに該有利RTが終了したとき(32ゲームを消化したとき)に設定示唆演出が実行されるモードである。また、有利RT中にボーナス当選すると、該有利RTは終了すると共に、ボーナス内部中に制御される。したがって、有利RT駆け抜け時設定示唆モードは、有利RT中(所定期間中)にボーナス当選したときには、設定示唆演出は実行されないモードである。また、本変形例の構成であれば、モード選択画面は、ボーナス状態に制御されるときに表示される。また、ボーナス状態中においては、該表示されたモード選択画面において設定されたモードに応じた演出が実行される。
【0125】
以上のように、本変形例のスロットマシン、つまり、所定期間は、有利RTに制御されている期間であるとしても、本実施の形態のスロットマシンと同様の効果を奏する。
【0126】
(2) 本実施の形態では、所定期間の開始契機は、ATへの制御が開始されたときとし、所定期間の終了契機は、ATへの制御が終了したときであるとして説明した。しかしながら、所定期間の開始契機、および終了契機はこれらに限られない。たとえば、所定期間の開始契機は、ARTへの制御が開始されたときとしてもよい。ここで、ARTとは、AT+RT2の状態をいう。また、所定期間の終了契機は、RT2からRT1へ転落したときとしてもよい。
【0127】
また、上記した発明において、「所定期間中にボーナス当選した場合に、設定示唆演出が実行されない」という事項を、換言すると、「所定期間中にボーナス当選することによって、所定期間がリセットされることにより、設定示唆演出が実行されない」としてもよい。
【0128】
(3) また、本実施の形態では、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されたときにおいて、設定示唆演出が実行されない条件として、AT中の内部抽選の特定決定結果としてボーナス当選を例示した。しかしながら、しかしながら、特定決定結果は、ボーナスの当選に限られず、他の結果としてもよい。たとえば、所定の小役、および所定のリプレイのうち少なくとも1つの当選としてもよい。また、特定決定結果は、入賞を発生させる役の当選に限られず、所定のハズレ(入賞を発生させない表示結果)を導出することを決定する旨の結果としてもよい。
【0129】
[モード選択画面の表示について]
(1)
図16〜
図17の例では、モード選択画面は、ATが開始されるときに表示されるとして説明した。しかしながら、モード選択画面は他のタイミングで表示するようにしてもよい。たとえば、非ATであるときにおいて、遊技者による所定操作(たとえば、演出用スイッチ56へ操作)が実行されたときに、該モード選択画面を表示させるようにしてもよい。このような構成であれば、遊技者の所望のタイミングでモード選択画面を表示させることができる。
【0130】
(2) また、AT中にボーナス当選したときにおいて、所定セット(1セットを含む)のATが新たに付与される構成を採用してもよい。1セットとは、たとえば、50ゲームである。このような構成を採用した場合には、該当選したボーナスに対応するボーナスが入賞したときに該ボーナスに対応するボーナス状態に制御され、該ボーナス状態が終了すると、残存していたATに制御される。AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されている場合には、該残存していたATが終了しても、設定示唆演出は実行されない。また、新たに付与されたセットのATが開始されるときに、モード選択画面が表示される。その後の制御は、本実施の形態と同様である。
【0131】
(3) 本実施形態のモード選択画面で表示されるモード名(選択肢)は、
図15に示すように、モードの内容を遊技者に示唆している名称(モードの内容を遊技者が推定または把握可能な名称)であるとして説明した。しかしながら、本実施形態のモード選択画面で表示されるモード名(選択肢)は、該モード名からではモードの内容を遊技者に示唆していない名称(モードの内容を遊技者が把握不可能な名称)としてもよい。たとえば、AT開始時設定示唆モード、AT中ボーナス当選時設定示唆モード、およびAT駆け抜け時設定示唆モード(
図15)を、それぞれ、モードA、モードB、およびモードCとしてもよい。このようなモード名にした場合において、モードが選択されたときに(未だ、モードが決定されていない)、該モードの内容を表示するようにしてもよい。たとえば、カーソルがあるモードに位置したときに、該モードの内容が表示される。
【0132】
たとえば、モードA(
図15のAT開始時設定示唆モードに対応)が選択されたときには、該モードの内容として、「このモードは、ATが開始されたときに、設定値が示唆されるよ。」といった文字が表示される。
【0133】
該モードの内容の表示の態様の一例として、たとえば、キャラクタが、該モードの内容を説明するようにしてもよい。具体的には、該キャラクタの吹き出しセリフとして、該モードの内容が表示されるようにしてもよい。その後、選択されたモードについて決定操作が実行されると、該モードでの遊技が開始される。
【0134】
このような構成によれば、モード名がモードの内容を遊技者に示唆していない名称であっても、選択されたモードについてキャラが説明することから、モード選択画面とキャラとの関係を密接にすることができ、モード選択画面の興趣を向上させることができる。また、モード名がモードの内容を遊技者に示唆していない名称であっても、遊技者がモード決定する前(遊技者がモードを選択している段階で)、遊技者に該モードの内容を認識させることができることから、遊技者に安心してモードを決定させることができる。
【0135】
[ボーナス当選確率について]
本実施形態では、ボーナス当選確率は、現在設定値に応じて異なり、現在設定値が高くなるにつれて、ボーナス当選確率は高くなる、として説明した。しかしながら、ボーナス当選確率は、現在設定値に関わらず、同一としてもよい。このような構成であれば、現在設定値に関わらず、ボーナス当選しない確率(ATが駆け抜ける確率)が同一となる。したとえば、AT駆け抜け時設定示唆モードが設定されているときには、現在設定値に関わらず、同じ確率で、設定示唆演出を実行することができる。
【0136】
[設定示唆演出について]
また、前述した実施の形態では、
図18〜
図20などで示したように、現在設定値を特定可能な特定可能パターン(パターンA)と、現在設定値が複数の設定値に絞り込むことが可能な絞り込みパターン(パターンB,Cなど)とを例示したが、このうち特定可能パターンは、設定値6を特定可能にするパターンに限らず、他の設定値(たとえば、設定値5)を特定可能にするパターンが設けられているものであってもよい。また、設定示唆演出は、特定可能パターンが設けられておらず、現在設定値を絞り込むことができる設定値数(たとえば、絞り込まれる設定値数が3個、4個など)が異なる複数種類の絞り込みパターンのみから構成されるものであってもよい。
【0137】
また、前述した実施の形態においては、特定事象の一例として、複数種類のキャラクタのうちのいずれかを出現させる設定示唆演出を示したが、特定事象は、これに限らず、複数種類の動画のうちのいずれかが流れる演出であってもよく、複数種類のフリーズ(遊技の進行を遅延させる制御)のうちのいずれかを実行する演出であってもよい。
【0138】
また、
図21(a)は、変形例における設定示唆演出パターン決定用テーブルを説明するための図である。
図21(a)に示す設定示唆演出パターン決定用テーブルにおいては、設定示唆演出A〜Cが定められている。設定示唆演出Aは、キャラクタがピースサインをする演出画像が液晶表示器51に表示され、設定示唆演出Bは、キャラクタがWピースサインをする演出画像が液晶表示器51に表示され、設定示唆演出Cは、キャラクタがダンスをする演出画像が液晶表示器51に表示される。
【0139】
また、設定示唆演出パターン決定用テーブルにおいては、現在設定値に応じて設定示唆演出の実行割合が定められている。たとえば、現在設定値が「6」であるときには、70%の割合で設定示唆演出が実行されない一方で、10%の割合で設定示唆演出A、10%の割合で設定示唆演出B、10%の割合で設定示唆演出Cが実行されるため、設定示唆演出の発生確率は30%になる。現在設定値が「5」であるときには、80%の割合で設定示唆演出が実行されない一方で、10%の割合で設定示唆演出A、10%の割合で設定示唆演出Bが実行されるため、設定示唆演出の発生確率は20%になる。現在設定値が「4」であるときには、70%の割合で設定示唆演出が実行されない一方で、10%の割合で設定示唆演出A、20%の割合で設定示唆演出Bが実行されるため、設定示唆演出の発生確率は30%になる。現在設定値が「3」であるときには、80%の割合で設定示唆演出が実行されない一方で、20%の割合で設定示唆演出Aが実行されるため、設定示唆演出の発生確率は20%になる。現在設定値が「2」であるときには、70%の割合で設定示唆演出が実行されない一方で、30%の割合で設定示唆演出Aが実行されるため、設定示唆演出の発生確率は30%になる。現在設定値が「1」であるときには、100%の割合で設定示唆演出が実行されないため、設定示唆演出の発生確率は0%になる。
【0140】
このように、現在設定値が「4」以上であることを示唆する設定示唆演出Bは、現在設定値が「4」であるときに「5」や「6」であるときよりも高い確率で実行される。これにより、設定示唆演出Bが実行されることによって、現在設定値が「3」以下でないこと、および現在設定値が「4」である可能性が高い一方で現在設定値が「5」や「6」である可能性もあることなどを遊技者に想像させることができ、遊技を継続させる意欲を引き出すことができる。これにより、設定値の示唆に関して遊技の興趣を向上させることができる。
【0141】
また、設定示唆演出Cが実行されたときには現在設定値が「6」であることが確定するため、遊技を継続させる意欲を引き出すことができる。
【0142】
さらに、現在設定値が「2」以上であることを示唆する設定示唆Aは現在設定値が「2」であるときに最も発生確率が高く、現在設定値が「4」以上であることを示唆する設定示唆Bは現在設定値が「4」であるときに最も発生確率が高く、現在設定値が「6」であることを示唆する設定示唆Cは現在設定値が「6」であるときに最も発生確率が高い。このため、各設定値間において設定示唆演出の発生確率のばらつきを極力小さく抑えることができる。
【0143】
たとえば、
図21(b)は、従来例における設定示唆演出パターン決定用テーブルを説明するための図であるが、この例においては、現在設定値が「2」以上であることを示唆する設定示唆Aは現在設定値が「6」であるときに最も発生確率が高く、現在設定値が「4」以上であることを示唆する設定示唆Bは現在設定値が「6」であるときに最も発生確率が高く、現在設定値が「6」であることを示唆する設定示唆Cは現在設定値が「6」であるときに最も発生確率が高くなっている。このように、現在設定値が高いほど設定示唆演出の発生確率を高めてしまうと、各設定値間で設定示唆演出の発生確率がばらつきが大きくなってしまう。この場合、現在設定値が低い場合には設定示唆演出が稀にしか発生しなくなるため、遊技の興趣を低下させてしまうことになり、また、設定示唆演出の発生度合いによって現在設定値が遊技者に概ね予想されてしまう。
【0144】
これに対して、
図21(a)に示す変形例のように、各設定値間において設定示唆演出の発生確率のばらつきを抑えれば、設定示唆演出の発生度合いではなくその種類に対して注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0145】
なお、前述した実施の形態および変形例においては、「第1有利度」として設定値2、「第2有利度」として設定値4、「第3有利度」として設定値6、「所定有利度」として設定値1を適用したが、所定有利度<第1有利度<第2有利度<第3有利度といった有利度合いの大小関係が成立していればいずれの設定値を適用してもよい。
【0146】
[特典について]
前述した例では、特典として、BB当選、AT当選、ATに制御可能にするATゲーム数など、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
【0147】
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を設定し、当該設定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を設定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が設定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行なう場合、継続抽選において継続すると設定される継続確率を特典としてもよい。
【0148】
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
【0149】
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の設定、ATゲーム数をストックするか否かの設定、ATゲーム数の設定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で設定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の設定、ペナルティ期間の設定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
【0150】
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。
【0151】
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
【0152】
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[有利な状態について]
本実施の形態では、有利状態は、ATおよびボーナス状態などを例示した。しかしながら、有利な状態とは、たとえば、特典を付与するか否かを決定する特典付与抽選において、「特典が付与される確率」、および「特典が付与されることが決定されたときに付与される特典の価値(または特典量の期待値)」のうちの少なくとも一方が、通常の状態(有利な状態とは異なる状態)よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、特典付与抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。また、有利な状態とは、特典を付与させるために消化することが必要な消化必要ゲーム数が、通常の状態よりも少なくなる状態としてもよい。
【0153】
たとえば、特典をATゲーム数とした場合には、有利な状態とは、通常の状態よりも、「AT抽選でのAT当選確率」、および「AT抽選でのAT当選した場合に付与されるATゲーム数の価値」のうちの少なくとも一方が、通常の状態よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、AT抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。たとえば、通常の状態でのAT抽選の実行契機が、第1役当選および第2役当選とした場合には、有利な状態でのAT抽選の実行契機は、第1役当選および第2役当選に加えて第3役当選としてもよい。
【0154】
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
【0155】
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
【0156】
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
【0157】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。