特許第6793548号(P6793548)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6793548窒素含有発光粒子及びその調製方法、窒素含有発光体、並びに発光デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793548
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】窒素含有発光粒子及びその調製方法、窒素含有発光体、並びに発光デバイス
(51)【国際特許分類】
   C09K 11/64 20060101AFI20201119BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20201119BHJP
   H01L 33/50 20100101ALN20201119BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20201119BHJP
【FI】
   C09K11/64
   F21S2/00 100
   F21S2/00 400
   !H01L33/50
   F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-555542(P2016-555542)
(86)(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公表番号】特表2018-509480(P2018-509480A)
(43)【公表日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】CN2016075583
(87)【国際公開番号】WO2017128493
(87)【国際公開日】20170803
【審査請求日】2017年2月1日
【審判番号】不服2019-4788(P2019-4788/J1)
【審判請求日】2019年4月10日
(31)【優先権主張番号】201610067064.2
(32)【優先日】2016年1月29日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512230982
【氏名又は名称】江蘇博睿光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU BREE OPTRONICS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】何▲錦華▼
(72)【発明者】
【氏名】滕▲暁▼明
(72)【発明者】
【氏名】梁超
(72)【発明者】
【氏名】符▲義▼兵
【合議体】
【審判長】 門前 浩一
【審判官】 川端 修
【審判官】 日比野 隆治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−132916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K11/00−11/89
CAPLUS(STN)
REGISTRY(STN)
JDreamIII
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素含有発光粒子であって、前記窒素含有発光粒子の構造において粒子核心から外面へ酸素含有量の少ない順に貧酸素領域、過渡領域及び富酸素領域が順次分けられており、前記貧酸素領域は窒化物発光結晶からなり、過渡領域は窒素酸化物材料からなり、富酸素領域は酸化物材料又は酸窒化物材料からなり
前記窒化物発光結晶は(SrCa1−x−y1)AlSiN:y1Euであり、前記窒素酸化物材料は(SrCa1−x−y1)AlSiN3−z11.5z1:y1Euであり、前記酸化物材料又は酸窒化物材料は(SrCa1−x−y1)AlSiO4.5−z2z2:y1Euであり、ただし0≦x≦0.99、0.001≦y1≦0.2、0<z1<3、0<z2<0.5であり、
前記過渡領域の厚さ範囲は50〜500nmであり、過渡領域の外側は富酸素領域であり、その厚さは50nm以下であり、過渡領域の内側から窒素含有発光粒子の核心までは貧酸素領域である、ことを特徴とする窒素含有発光粒子。
【請求項2】
Ca、Sr、Al、Si、Euの窒化物、酸化物又はハロゲン化物を原料とし、一般式(SrCa1−x−y1)AlSiN:y1Eu(ただし0≦x≦0.99、0.001≦y1≦0.2)の組成におけるカチオンの化学量論比により所要の原料を秤量する工程1と、
工程1で秤量された原料を窒素雰囲気において均一に混合し、混合材料を形成する工程2と、
工程2で得た混合材料を焼成雰囲気において1回の高温焼成を行ってから、所定温度に降温した後、窒素と酸素の混合ガス又は空気雰囲気を流して1回の低温焼成を行い、窒素含有発光粒子半完成品を得る工程であって、前記1回の高温焼成温度は1400〜2000℃であり、1回の高温焼成時間は6〜18hであり、高温焼成雰囲気は窒素雰囲気、窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気、他の不活性ガス雰囲気、窒素と水素の混合ガス雰囲気又は他の還元性ガス雰囲気であり、高温焼成の圧力は1〜100気圧であり、前記1回の低温焼成温度は200〜450℃であり、低温焼成時間は1〜24hであり、前記低温焼成において窒素と酸素の混合ガス又は空気を流す速度は0.1〜10L/minであり、前記窒素と酸素の混合ガス雰囲気における酸素の体積百分含有率は20%以下である工程3と、
工程3で得た窒素含有発光粒子半完成品を後処理して、窒素含有発光粒子完成品を作製する工程であって、前記後処理は研磨、ろ過、水洗、べーキングを含み、そのうち、窒素含有発光粒子完成品の導電率が10μs/cm以下になるまで水洗する工程4と、
をこの順で連続する基本工程として含む、ことを特徴とする請求項1に記載の窒素含有発光粒子の調製方法。
【請求項3】
紫外光、紫色光又は青色光を発光するLEDチップと蛍光粉とを少なくとも含み、蛍光粉は少なくとも請求項1に記載の窒素含有発光粒子を使用する、ことを特徴とする発光デバイス。
【請求項4】
他のタイプの蛍光粉がさらに混合されることにより、発光色の相補で、照明要求又は高発色のバックライト光源の白色光LEDへの応用を満す、ことを特徴とする請求項3に記載の発光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED蛍光体及び発光デバイスの技術分野に属し、特に紫外光、紫色光又は青色光により効果的に励起されることが可能な窒素含有発光粒子及びその調製方法、窒素含有発光体、並びに発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、発光ダイオード(LED)を代表とする半導体照明用電気光源は白熱灯、蛍光灯及び省エネルギーランプに次ぐ第4の世代の照明用電気光源と称され、「21世紀のクリーン光源」と呼ばれている。
【0003】
半導体照明の一般的な照明分野への進出に伴い、高発色、老化防止及び低光減衰の白色光LEDの開発は急務となっている。従来の白色光LEDの製造方法は主として2種類ある。1つは、青色光LEDチップ上に黄色蛍光粉(YAG)を塗布することにより白色光の発光を実現することであるが、YAG蛍光粉は色温度が高く、発色指数が低いという欠点があるので、半導体照明の要求を満たすことができない。YAG蛍光粉の発光スペクトルが非常に広いが、赤色光領域における発光強度は非常に弱いから、青色光LEDチップと混合した後赤色光欠乏の現象を引き起こし、白色光LEDの関連色温度及び発色指数に影響を及ぼす。もう1つは、青色光LEDチップ上に緑色と赤色蛍光粉を塗布することにより上記問題を解決することであるが、赤色蛍光粉も同様にかなりの問題があり、例えば、CaS:Eu2+の光減衰が大きく、化学的安定性が悪く、CaMoO4:Eu2+の励起範囲が狭く、Y2O3:Eu3+とY2O2S:Eu3+の青色光領域における吸収が弱くエネルギー変換効率が低く、M2Si5N8:Eu2+の抗光減衰性能が悪く、いずれもLEDチップと完璧に合わせることができず、これらはいずれも白色光LEDの技術発展を阻害する要素である。さらに1つは、CaAlSiN3の結晶構造を導入する窒化物蛍光粉であり、その総合的な性能が前記したYAG蛍光粉や一般的な赤色蛍光粉よりも優れているが、(1)蛍光粉の合成過程における組成成分の拡散、核形成及び優先的に成長する結晶方位と一次結晶粒径との固有の関係について、まだ完全に徹底的に研究されていないから、蛍光粉の発光効率が低く、発光効率をさらに向上させる必要があり、(2)蛍光粉は高光密度、高温及び高湿という3つの要素の共同作用下で劣化してしまい、ランプ全体の光効果の低下を直接的に引き起こし、特に色座標が大幅にシフトするといった明らかな欠点がまだ存在するので、蛍光粉の耐久性能はまだ一般的な照明の要求を完全に満たすことができない。
【0004】
中国特許200480040967.7には、CaAlSiN3と同じ結晶構造を有する無機化合物を含む蛍光体が開示されている。当該技術的解決手段において、窒素と酸素とを含む無機化合物をマトリックスとする蛍光体を使用し、特に発光輝度が酸素の添加量の増加に従って低下するので、好ましくは酸素の添加量が小さい範囲内において組成することが強調され、また、よい高温耐久性を得るために、無機化合物に含まれるOとNの原子数は0.5≦N/(N+O)≦1を満たす(明細書の段落[0161]、[0271]を参照)。当該技術的解決手段が存在する明らかな欠点は、蛍光粉の発光輝度を保つために、酸素含有量の範囲が制限されるから、蛍光体の耐久性能がかえって低下してしまうことである。
【0005】
2008年に電化学雑誌に公開して発表した「Synthetic method and luminescence properties of SrxCa1-xAlSiN3:Eu2+mixed nitride phosphors」には、合金法により(Sr,Ca)AlSiN3赤色蛍光粉を調製することが提出されており、当該方法は窒化物原料により合成された蛍光粉よりも、酸素含有量がさらに低いから、合金法で調製した(Sr,Ca)AlSiN3赤色蛍光粉はよりよい一致性と相純度を有するとともに、良好な安定性を有する。しかし、当該方法は、合金法により(Sr,Ca)AlSiN3赤色蛍光粉を調製したので、酸素含有量を低く制御することで高い一致性と相純度を達成することが強調されるから、蛍光粉の耐久性が明らかに低下してしまい、実用性が悪く、その応用が制限されるという明らかな欠点がまだ存在する。
【0006】
2015年にJournal of Materials Chemistry Cに公開して発表した「Reduced thermal degradation of the red-emitting Sr2Si5N8:Eu2+phosphor via thermal treatment innitrogen」は、Sr2Si5N8:Eu2+の熱劣化メカニズムについて研究し、焼成で蛍光粉の表面に1層の酸化物保護膜を形成することにより、Eu2+の酸化が阻止され、熱劣化性能が向上したと考えられ、これによりSr2Si5N8:Eu2+のLEDへの応用性能を改良できると推測されたが、実験データの支持はなく、Sr2Si5N8:Eu2+の長期にわたる老化問題を根本的に解決できなかった。実際上、当該システムにおいて、Sr2Si5N8:Eu2+そのものの安定性が悪いから、焼成過程で表面の結晶構造が破壊され、蛍光粉の発光強度が明らかに低下するので、実用価値がない。
【0007】
よって、従来技術は窒化物蛍光粉の老化・光減衰の防止と蛍光粉の発光効率の向上の問題を解決する際に矛盾があり、ほぼ蛍光粉の発光効率の低下を代償として蛍光粉の老化・光減衰の防止性能を向上させ、又は蛍光粉の老化・光減衰の防止性能の低下を代償として蛍光粉の発光効率を向上させるが、現在、蛍光粉の発光効率が低下することなく蛍光粉の老化・光減衰の防止性能を向上させることができる総合的解決手段がない。したがって、如何に従来技術の欠点を克服するかは既に現在のLED蛍光体及び発光デバイスの技術分野における緊急に解決する必要のある重大な難題となっている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、従来技術が存在する欠点を克服するために、窒素含有発光粒子及びその調製方法、窒素含有発光体、並びに発光デバイスを提供することにある。本発明に係る窒素含有発光粒子、窒素含有発光体は、化学的安定性がよく、老化・光減衰の防止性能がよく、発光効率が高い等の利点を有し、さまざまな発光デバイスに適用できる。また、本発明の製造方法は、簡単で信頼でき、窒素含有発光粒子、窒素含有発光体の化学及び物理的安定性の向上に寄与し、産業化による量産製造に適する。
【0009】
本発明により提出した窒素含有発光粒子は、前記窒素含有発光粒子の構造において粒子核心から外面へ酸素含有量の少ない順に貧酸素領域、過渡領域及び富酸素領域が順次分けられており、前記貧酸素領域は窒化物発光結晶からなり、過渡領域は窒素酸化物材料からなり、富酸素領域は酸化物材料又は酸窒化物材料からなり、前記窒化物発光結晶の一般式はMm-m1Aa1Bb1Oo1Nn1:Rm1であり、前記窒素酸化物材料の一般式はMm-m2Aa2Bb2Oo2Nn2:Rm2であり、前記酸化物材料又は酸窒化物材料の一般式はMm-m3Aa3Bb3Oo3Nn3:Rm3であり、前記一般式において、M元素はMg、Ca、Sr、Ba、Zn、Li、Na、K、Y及びScのうち少なくとも1種であり、A元素はB、Al、Ga及びInのうち少なくとも1種であり、B元素はC、Si、Ge及びSnのうち少なくとも1種であり、RはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuのうち少なくとも1種であり、ただし0.5≦m≦1.5、0.001≦m1≦0.2、0.5≦a1≦1.5、0.5≦b1≦1.5、0≦o1≦0.5、2.5≦n1≦3.5、0≦m2≦0.2、0.5≦a2≦1.5、0.5≦b2≦1.5、0.1≦o2≦4、0.1≦n2≦3、0≦m3≦0.2、0.5≦a3≦1.5、0.5≦b3≦1.5、3≦o3≦5、0≦n3≦0.5である、ことを特徴とする。
【0010】
本発明により提出した窒素含有発光体は、上記窒素含有発光粒子と他の結晶粒又は非結晶粒子の混合物を含み、前記混合物における窒素含有発光粒子の割合は50wt%以上である、ことを特徴とする。
【0011】
本発明により提出した窒素含有発光粒子の調製方法1は、
M、A、B、Rの窒化物、酸化物又はハロゲン化物を原料とし、一般式Mm-m1Aa1Bb1Oo1Nn1:Rm1の組成におけるカチオンの化学量論比により所要の原料を秤量する工程1と、
工程1で秤量された原料を窒素雰囲気において均一に混合し、混合材料を形成する工程2と、
工程2で得た混合材料を焼成雰囲気において高温焼成してから、所定温度に降温した後、窒素と酸素の混合ガス又は空気雰囲気を流して低温焼成を行い、窒素含有発光粒子半完成品を得る工程3と、
工程3で得た窒素含有発光粒子半完成品を後処理して、窒素含有発光粒子完成品を作製する工程4と、を基本的に含む、ことを特徴とする。
【0012】
本発明で提出した窒素含有発光粒子の調製方法2は、
M、A、B、Rの窒化物、酸化物又はハロゲン化物を原料とし、一般式Mm-m1Aa1Bb1Oo1Nn1:Rm1の組成におけるカチオンの化学量論比により所要の原料を秤量する工程1と、
工程1で秤量された原料を窒素雰囲気において均一に混合し、混合材料を形成する工程2と、
工程2で得た混合材料を焼成雰囲気において高温焼成して、窒素含有発光粒子半完成品を得る工程3と、
工程3で得た窒素含有発光粒子半完成品を後処理する工程4と、
工程4で得た窒素含有発光粒子を窒素と酸素の混合ガス又は空気雰囲気において低温焼成して、窒素含有発光粒子完成品を作製する工程5と、を基本的に含む、ことを特徴とする。
【0013】
本発明により提出した発光デバイスは、紫外光、紫色光又は青色光を発光するLEDチップと蛍光粉とを少なくとも含み、蛍光粉は少なくとも本発明に記載の窒素含有発光粒子を使用する、ことを特徴とする。
【0014】
本発明により提出した発光デバイスは、紫外光、紫色光又は青色光を発光するLEDチップと蛍光粉とを少なくとも含み、蛍光粉は少なくとも本発明に記載の窒素含有発光体を使用する、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の実現原理は次のとおりである。本発明は前記窒素含有発光粒子に対する構造設計を重視し、窒素含有発光粒子の構造を貧酸素領域、過渡領域及び富酸素領域に分け、かつ領域間は共同で化学結合により接続される一体となる。貧酸素領域内に、混合材料の元の原子組成を保つことにより、窒化物発光粒子の発光結晶の核形成に有利であり、効果的な発光を保障することができる。また、窒素含有発光粒子中の過渡領域の窒素酸化物材料、富酸素領域の酸化物材料には酸素が適量存在し、特に窒素含有発光粒子の構造において粒子核心から外面へ酸素含有量が次第に増加するので、過渡領域と富酸素領域に形成される効果的な発光に寄与しない欠陥を効果的に低減でき、粒子全体の発光効率の明らかな向上を保障する。さらに、窒素イオンよりも、酸素イオンの半径が小さく電気陰性度が高いから、イオン間の結合力がより強く、窒素含有発光粒子の構造において粒子核心から粒子外面へ酸素含有量が次第に増加することに従って、その窒素含有発光粒子の過渡領域と富酸素領域の化学的及び熱安定性能が次第に向上することにより、発光粒子の貧酸素領域に対して効果的な保護と遮蔽作用を果たし、さらに窒素含有発光粒子のLEDへの応用環境における熱安定性や耐久性を効果的に向上させることができる。
【0016】
本発明は従来技術に比べて次のような顕著な利点がある。
【0017】
1)化学的安定性はよい。本発明は窒素含有発光粒子の過渡領域と富酸素領域にそれぞれ適量の酸素を導入することにより、窒素含有発光粒子のマトリックス結晶が核形成―成型―緻密化の過程における成長の要求を満たし、結晶構造はさらに強固や安定になり、窒素含有発光粒子の耐候性が向上した。
【0018】
2)老化・光減衰の防止性能はよい。本発明は窒素含有発光粒子の構造を貧酸素領域、過渡領域及び富酸素領域に分け、窒素含有発光粒子の構造において粒子核心から外面へ酸素含有量が次第に増加することにより、半径が窒素イオンよりも小さい酸素イオンはより多くの窒素イオンを置換でき、それにより窒素含有発光粒子構造におけるイオン間の結合力が増強され、発光粒子は非常に優れた老化・光減衰を防止する高温耐久性を有する。同時に、窒素含有発光粒子の貧酸素領域は、過渡領域と富酸素領域による遮蔽保護作用を受けるから、貧酸素領域は外部の不利な環境の影響を受けにくく、窒素含有発光粒子の発光中心の安定性は顕著に向上した。
【0019】
3)発光効率は高い。本発明は貧酸素領域内に混合材料の元の原子組成を保つことにより、窒化物発光粒子の発光結晶の核形成に寄与し、効果的な発光を保障することができる。窒素含有発光粒子中の過渡領域の窒素酸化物材料、富酸素領域の酸化物材料には酸素が適量存在し、特に窒素含有発光粒子の構造において粒子核心から外面へ酸素含有量が次第に増加するので、過渡領域と富酸素領域に形成される効果的な発光に寄与しない欠陥を効果的に低減でき、粒子全体の発光効率の明らかな向上を保障する。
【0020】
4)適用範囲は広い。本発明の窒素含有発光粒子は窒素含有発光体に適用できるだけでなく、さまざまな発光デバイスの製造にも適用できる。
【0021】
5)製造方法は簡単で信頼できる。本発明の製造方法は窒素含有発光粒子、窒素含有発光体の化学的及び物理的安定性の向上に寄与し、産業化による量産製造に適する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る窒素含有発光粒子の構造断面模式図である。
図2】本発明の実施例1〜4と比較例1の窒素含有発光粒子の発光スペクトルである。
図3】本発明の実施例1〜4と比較例1の窒素含有発光粒子の励起スペクトルである。
図4】本発明の実施例1〜4と比較例1の窒素含有発光粒子のX線回折スペクトルである。
図5】本発明の実施例4における窒素含有発光粒子の走査型電子顕微鏡による写真である。
図6】本発明の比較例1における窒素含有発光粒子の走査型電子顕微鏡による写真である。
図7】本発明の実施例10〜13と比較例3の窒素含有発光粒子の発光スペクトルである。
図8】本発明の実施例10〜13と比較例3の窒素含有発光粒子の熱消光スペクトルである。
図9】本発明の実施例15〜18と比較例4の窒素含有発光粒子の発光スペクトルである。
図10】本発明の実施例19〜21と比較例5の窒素含有発光粒子の熱消光スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面及び実施例を参照しながら、本発明の具体的な実施形態をさらに詳細に説明する。
【0024】
図1を参照する。本発明は窒素含有発光粒子を提出し、前記窒素含有発光粒子の構造において粒子核心から外面へ酸素含有量の少ない順に貧酸素領域、過渡領域及び富酸素領域が順次分けられており、前記貧酸素領域は窒化物発光結晶からなり、過渡領域は窒素酸化物材料からなり、富酸素領域は酸化物材料又は酸窒化物材料からなり、前記窒化物発光結晶の一般式はMm-m1Aa1Bb1Oo1Nn1:Rm1であり、前記窒素酸化物材料の一般式はMm-m2Aa2Bb2Oo2Nn2:Rm2であり、前記酸化物材料又はその酸窒化物材料の一般式はMm-m3Aa3Bb3Oo3Nn3:Rm3であり、前記一般式において、M元素はMg、Ca、Sr、Ba、Zn、Li、Na、K、Y及びScのうち少なくとも1種であり、A元素はB、Al、Ga及びInのうち少なくとも1種であり、B元素はC、Si、Ge及びSnのうち少なくとも1種であり、RはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuのうち少なくとも1種であり、ただし0.5≦m≦1.5、0.001≦m1≦0.2、0.5≦a1≦1.5、0.5≦b1≦1.5、0≦o1≦0.5、2.5≦n1≦3.5、0≦m2≦0.2、0.5≦a2≦1.5、0.5≦b2≦1.5、0.1≦o2≦4、0.1≦n2≦3、0≦m3≦0.2、0.5≦a3≦1.5、0.5≦b3≦1.5、3≦o3≦5、0≦n3≦0.5である。
【0025】
本発明で提出した窒素含有発光粒子のさらに好ましい技術的解決手段は以下である。
【0026】
前記過渡領域の厚さ範囲は50〜500nmであり、過渡領域の外側は富酸素領域であり、その厚さは50nm以下であり、過渡領域の内側から窒素含有発光粒子の核心までは貧酸素領域である。
【0027】
前記貧酸素領域における窒化物発光結晶の含有量は90%以上であり、前記過渡領域における窒素酸化物材料の含有量は60%以上であり、前記富酸素領域における酸化物材料又は酸窒化物材料の含有量は50%以上である。
【0028】
前記窒化物発光結晶は(SrxCa1-x-y1)AlSiN3:y1Euであり、前記窒素酸化物材料は(SrxCa1-x-y1)AlSiN3-z1O1.5z1:y1Euであり、前記酸化物材料又は酸窒化物材料は(SrxCa1-x-y1)AlSiO4.5-z2Nz2:y1Euであり、ただし0≦x≦0.99、0.001≦y1≦0.2、0<z1<3、0<z2<0.5である。
【0029】
前記貧酸素領域はさらに窒素酸化物発光結晶を含み、過渡領域はさらに窒化物材料を含み、富酸素領域はさらに窒素酸化物材料を含む。
【0030】
前記窒素含有発光粒子の構造の材質は化合物又は混合物である。
【0031】
上記本発明で提出したいずれか一項に記載の窒素含有発光粒子は、励起光波長300〜500nmの範囲内において励起され、ピーク波長が600〜670nmの赤色光を発光する。
【0032】
本発明で提出した窒素含有発光体は、上記本発明で提出したいずれか一項に記載の窒素含有発光粒子と他の結晶粒又は非結晶粒子の混合物を含み、前記混合物における窒素含有発光粒子の割合は50wt%以上である。
【0033】
本発明で提出した窒素含有発光粒子及びその好ましい技術的解決手段の調製方法1は、次のような具体的な工程を含む。
【0034】
工程1:M、A、B、Rの窒化物、酸化物又はハロゲン化物を原料とし、一般式Mm-m1Aa1Bb1Oo1Nn1:Rm1の組成におけるカチオンの化学量論比により所要の原料を秤量する;
工程2:工程1で秤量された原料を窒素雰囲気において均一に混合し、混合材料を形成する;
工程3:工程2で得た混合材料を焼成雰囲気において高温焼成してから、所定温度に降温した後、窒素と酸素の混合ガス又は空気雰囲気を流して低温焼成を行い、窒素含有発光粒子半完成品を得る;
そのうち、前記高温焼成温度は1400〜2000℃であり、高温焼成時間は6〜18hである。前記高温焼成雰囲気は窒素雰囲気、窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気、他の不活性ガス雰囲気、窒素と水素の混合ガス雰囲気又は他の還元性ガス雰囲気である。前記高温焼成の圧力は1〜100気圧である。前記低温焼成温度は200〜450℃であり、低温焼成時間は1〜24hであり、前記低温焼成において窒素と酸素の混合ガス又は空気を流す速度は0.1〜10L/minであり、前記窒素と酸素の混合ガス雰囲気における酸素の体積百分含有率は20%以下である。
【0035】
工程4:工程3で得た窒素含有発光粒子半完成品を後処理して、窒素含有発光粒子完成品を作製する;前記後処理は研磨、ろ過、水洗、べーキングを含み、そのうち、窒素含有発光粒子完成品の導電率が10μs/cm以下になるまで水洗する。
【0036】
本発明で提出した窒素含有発光粒子及びその好ましい技術的解決手段の調製方法2は、次のような具体的な工程を含む。
【0037】
工程1:M、A、B、Rの窒化物、酸化物又はハロゲン化物を原料とし、一般式Mm-m1Aa1Bb1Oo1Nn1:Rm1の組成におけるカチオンの化学量論比により所要の原料を秤量する;
工程2:工程1で秤量された原料を窒素雰囲気において均一に混合し、混合材料を形成する;
工程3:工程2で得た混合材料を焼成雰囲気において高温焼成して、窒素含有発光粒子半完成品を得る;
そのうち、前記高温焼成温度は1400〜2000℃であり、高温焼成時間は6〜18hである。前記高温焼成雰囲気は窒素雰囲気、窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気、他の不活性ガス雰囲気、窒素と水素の混合ガス雰囲気又は他の還元性ガス雰囲気である。前記高温焼成の圧力は1〜100気圧である。
【0038】
工程4:工程3で得た窒素含有発光粒子半完成品を後処理する。前記後処理は研磨、ろ過、水洗、べーキングを含み、そのうち、窒素含有発光粒子完成品の導電率が10μs/cm以下になるまで水洗する。
【0039】
工程5:工程4で得た窒素含有発光粒子を窒素と酸素の混合ガス又は空気雰囲気において低温焼成して、窒素含有発光粒子完成品を作製する;前記低温焼成温度は200〜450℃であり、低温焼成時間は1〜24hである。前記窒素と酸素の混合ガス雰囲気における酸素の体積百分含有率は20%以下である。
【0040】
本発明で提出した発光デバイスは、紫外光、紫色光又は青色光を発光するLEDチップと蛍光粉とを少なくとも含み、蛍光粉は少なくとも上記本発明で提出したいずれか一項に記載の窒素含有発光粒子を使用する。
【0041】
本発明で提出した発光デバイスは、紫外光、紫色光又は青色光を発光するLEDチップと蛍光粉とを少なくとも含み、蛍光粉は少なくとも上記本発明で提出した窒素含有発光体を使用する。
【0042】
本発明で提出した発光デバイスのさらに好ましい技術的解決手段は、他のタイプの蛍光粉がさらに混合されることにより、発光色の相補で、照明要求又は高発色のバックライト光源の白色光LEDへの応用を満すことである。
【0043】
以下、本発明で提出した窒素含有発光粒子及びその調製方法の具体的な実施例及び比較例をさらに説明する。そのうち、実施例は、本発明で提出した窒素含有発光粒子の構造及び調製方法により窒素含有発光粒子完成品を得ることである。比較例は、従来技術に開示の窒素含有発光粒子及び調製方法により窒素含有発光粒子完成品を得ることである。得られた窒素含有発光粒子における平均酸素原子含有量と窒素原子含有量を酸素窒素分析装置で測定する。
【0044】
実施例1:
Ca3N20.27g、Sr3N29.954g、AlN4.477g、Si3N45.107g、Eu2O30.192gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1700℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が8.56μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に空気雰囲気中で400℃まで昇温し、5h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図2に示され、励起スペクトルは図3に示され、X線回折スペクトルは図4に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.05Sr0.94AlSiN3:0.01Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.05Sr0.94AlSiO1.5N2:0.01Euであり、その厚さは400nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.05Sr0.94AlSiO4.5:0.01Euであり、その厚さは30nmである。
【0045】
実施例2:
Ca3N20.435g、Sr3N29.712g、AlN4.512g、Si3N45.147g、Eu2O30.194gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1700℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が4.42μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に空気雰囲気中で400℃まで昇温し、5h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図2に示され、励起スペクトルは図3に示され、X線回折スペクトルは図4に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.08Sr0.91AlSiN3:0.01Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.08Sr0.91AlSiO1.8N1.8:0.01Euであり、その厚さは380nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.08Sr0.91AlSi0.7O3.9:0.01Euであり、その厚さは25nmである。
【0046】
実施例3:
Ca3N20.547g、Sr3N29.549g、AlN4.535g、Si3N45.174g、Eu2O30.195gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1700℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が6.25μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に空気雰囲気中で400℃まで昇温し、5h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図2に示され、励起スペクトルは図3に示され、X線回折スペクトルは図4に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.1Sr0.89AlSiN3:0.01Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.1Sr0.89AlSiO1.5N2:0.01Euであり、その厚さは270nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.1Sr0.89AlSiO4.5:0.01Euであり、その厚さは42nmである。
【0047】
実施例4:
Ca3N20.66g、Sr3N29.383g、AlN5.56g、Si3N45.202g、Eu2O30.196gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1700℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が7.28μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に空気雰囲気中で400℃まで昇温し、5h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図2に示され、励起スペクトルは図3に示され、その発光強度は表1に示されるように比較例1よりも高く、X線回折スペクトルは図4に示され、走査型電子顕微鏡による写真は図5に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.12Sr0.87AlSiN3:0.01Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.12Sr0.87AlSiO1.35N2.1:0.01Euであり、その厚さは360nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.12Sr0.87AlSi1.05O4.3N0.2:0.01Euであり、その厚さは48nmである。
【0048】
比較例1:
Ca3N20.66g、Sr3N29.383g、AlN5.56g、Si3N45.202g、Eu2O30.196gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1700℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が5.12μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図2に示され、励起スペクトルは図3に示され、X線回折スペクトルは図4に示され、走査型電子顕微鏡による写真は図6に示される。窒素含有発光粒子の化学組成はCa0.12Sr0.87AlSiN3:0.01Euである。
【0049】
上記実施例と比較例で得た窒素含有発光粒子をそれぞれ発光デバイスを作製し、測定した結果、比較例1の発光強度と老化性能はいずれも実施例1〜4よりも低い(表1を参照)。そのうち、老化条件は:SMD-2835型LEDランプビーズ、チップサイズ10×30mil、チップ波長域452.5〜455nm、電流150mA、パワー0.5Wであり、環境条件は:常温常湿である。
【0050】
【表1】
【0051】
実施例5:
Ca3N20.545g、Sr3N29.412g、AlN4.522g、Si3N45.133g、Eu2O30.388gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において2h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1800℃まで昇温し、10h保温し、350℃まで降温し、5L/minの速度で空気雰囲気を流して6h焼成する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が5.33μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素含有発光粒子完成品を得た。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.1Sr0.88AlSi0.995O0.02N2.98:0.02Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.1Sr0.88AlSiO0.9N2.4:0.02Euであり、その厚さは450nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.1Sr0.88AlSiO4.5:0.02Euであり、その厚さは24nmである。
【0052】
実施例6:
Ca3N20.447g、Ba3N211.3g、AlN3.706g、Si3N44.229g、Eu2O30.318gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において2h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1800℃まで昇温し、10h保温し、350℃まで降温し、5L/minの速度で空気雰囲気を流して6h焼成する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が6.89μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素含有発光粒子完成品を得た。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.1Ba0.88AlSiN3:0.02Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.1Ba0.88AlSiO0.9N2.4:0.02Euであり、その厚さは200nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.1Ba0.88AlSi1.01O4.5であり、その厚さは32nmである。
【0053】
実施例7:
Ca3N20.547g、Sr3N29.442g、AlN4.309g、BN0.137g、Si3N45.175g、Eu2O30.389gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において2h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1800℃まで昇温し、10h保温し、350℃まで降温し、5L/minの速度で空気雰囲気を流して6h焼成する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が7.65μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素含有発光粒子完成品を得た。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.1Sr0.88Al0.95B0.05SiN3:0.02Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.1Sr0.88Al0.95B0.05SiO1.2N2.2:0.02Euであり、その厚さは360nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.2Sr0.78AlSiO4.5:0.02Euであり、その厚さは50nmである。
【0054】
実施例8:
Ca3N20.538g、Sr3N29.291g、AlN4.24g、GaN0.456g、Si3N45.092g、Eu2O30.383gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において2h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1800℃まで昇温し、10h保温し、350℃まで降温し、5L/minの速度で空気雰囲気を流して6h焼成する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が7.65μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素含有発光粒子完成品を得た。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.1Sr0.88Al0.95Ga0.05SiN3:0.02Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.1Sr0.88Al0.95Ga0.05SiO1.5N2:0.02Euであり、その厚さは310nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.1Sr0.88Al0.95Ga0.05Si0.76O4であり、その厚さは50nmである。
【0055】
実施例9:
Ca3N20.556g、Sr3N29.05g、Li3N0.131g、AlN4.609g、Si3N45.259g、Eu2O30.396gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において2h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1800℃まで昇温し、10h保温し、350℃まで降温し、5L/minの速度で空気雰囲気を流して6h焼成する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が9.12s/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素含有発光粒子完成品を得た。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.1Sr0.83Li0.1AlSiN3:0.02Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.1Sr0.83Li0.1AlSi0.7O1.2N1.8:0.02Euであり、その厚さは440nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.1Sr0.83Li0.1AlSi0.7O3.88であり、その厚さは25nmである。
【0056】
比較例2:
Ca3N20.544g、Sr3N29.4g、AlN4.516g、Si3N45.152g、Eu2O30.388gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において2h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1800℃まで昇温し、10h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が5.77μs/cmになるまで洗浄し、窒素含有発光粒子完成品を得た。窒素含有発光粒子の化学組成はCa0.1Sr0.88AlSiN3:0.02Euである。
【0057】
上記実施例と比較例で得た窒素含有発光粒子をそれぞれ発光デバイスを作製し、測定した結果、比較例2の発光強度と老化性能はいずれも実施例5〜9よりも低い(表2を参照)。そのうち、老化条件は:SMD-2835型LEDランプビーズ、チップサイズ10×30mil、チップ波長域452.5〜455nm、電流150mA、パワー0.5Wであり、環境条件は:常温常湿である。
【0058】
【表2】
【0059】
実施例10:
Ca3N25.38g、AlN5.25g、Si3N45.989g、Eu2O33.381gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1850℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が4.18μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素と酸素の混合ガス雰囲気中(酸素ガスの体積百分含有率は10%である)で300℃昇温し、8h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図7に示され、熱消光スペクトルは図8に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.85AlSiN3:0.15Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.85AlSiO1.5N2:0.15Euであり、その厚さは230nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.85AlSiO4.5:0.15Euであり、その厚さは30nmである。
【0060】
実施例11:
Ca3N25.432g、AlN5.301g、Si3N46.047g、EuN3.219gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1850℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が7.63μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素と酸素の混合ガス雰囲気中(酸素ガスの体積百分含有率は10%である)で300℃昇温し、8h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図7に示され、熱消光スペクトルは図8に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.85AlSiN3:0.15Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.85AlSi0.75ON2:0.15Euであり、その厚さは290nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.85AlSi0.625O3.6N0.1:0.15Euであり、その厚さは25nmである。
【0061】
実施例12:
Ca3N25.215g、AlN5.089g、Si3N45.805g、EuF33.891gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1850℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が5.44μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素と酸素の混合ガス雰囲気中(酸素ガスの体積百分含有率は10%である)で300℃昇温し、8h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図7に示され、熱消光スペクトルは図8に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.85AlSiN3:0.15Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.85Al0.7SiO0.9N2.1:0.15Euであり、その厚さは275nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.85Al0.8SiO4.2:0.15Euであり、その厚さは16nmである。
【0062】
実施例13:
Ca3N24.985g、AlN4.865g、Si3N45.55g、EuCl34.599gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1850℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が6.16μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素と酸素の混合ガス雰囲気中(酸素ガスの体積百分含有率は10%である)で300℃昇温し、8h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図7に示され、熱消光スペクトルは図8に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.85AlSiN3:0.15Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.85AlSiO1.2N2.2:0.15Euであり、その厚さは365nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.85AlSiO4.5:0.15Euであり、その厚さは42nmである。
【0063】
比較例3:
Ca3N25.38g、AlN5.25g、Si3N45.989g、Eu2O33.381gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1850℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が6.35μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図7に示され、熱消光スペクトルは図8に示される。窒素含有発光粒子の化学組成為Ca0.85AlSiN3:0.15Euである。
【0064】
上記実施例と比較例で得た窒素含有発光粒子をそれぞれ発光デバイスを作製し、測定した結果、比較例3の発光強度と老化性能はいずれも実施例10〜13よりも低い(表3を参照)。そのうち、老化条件は:SMD-2835型LEDランプビーズ、チップサイズ10×30mil、チップ波長域452.5〜455nm、電流150mA、パワー0.5Wであり、環境条件は:常温常湿である。
【0065】
【表3】
【0066】
実施例14:
Ca3N27.191g、Si3N46.812g、AlN5.971g、Eu2O30.026gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において1h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1820℃まで昇温し、8h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が3.27μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素と酸素の混合ガス雰囲気中(酸素ガスの体積百分含有率は5%である)で200℃昇温し、15h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.999AlSiN3:0.001Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.999AlSi0.75ON2:0.001Euであり、その厚さは330nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.999AlSi0.75O4:0.001Euであり、その厚さは42nmである。
【0067】
実施例15:
Ca3N27.068g、Si3N46.756g、AlN5.922g、Eu2O30.254gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において1h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1820℃まで昇温し、8h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が5.61μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素と酸素の混合ガス雰囲気中(酸素ガスの体積百分含有率は5%である)で200℃昇温し、15h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図9に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.99AlSiN3:0.01Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.99AlSiO1.2N2.2:0.01Euであり、その厚さは385nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.99AlSiO4.5:0.01Euであり、その厚さは32nmである。
【0068】
実施例16:
Ca3N26.543g、Si3N46.517g、AlN5.713g、Eu2O31.226gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において1h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1820℃まで昇温し、8h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が6.95μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素と酸素の混合ガス雰囲気中(酸素ガスの体積百分含有率は5%である)で200℃昇温し、15h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図9に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.95AlSiN3:0.05Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.95AlSi0.775O0.9N2.1:0.05Euであり、その厚さは360nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.95AlSi0.725O3.9であり、その厚さは27nmである。
【0069】
実施例17:
Ca3N25.937g、Si3N46.242g、AlN5.472g、Eu2O32.349gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において1h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1820℃まで昇温し、8h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が5.14μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素と酸素の混合ガス雰囲気中(酸素ガスの体積百分含有率は5%である)で200℃昇温し、15h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図9に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.9AlSiN3:0.1Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.9AlSiO1.5N2:0.1Euであり、その厚さは440nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.9AlSiO4.5:0.1Euであり、その厚さは28nmである。
【0070】
実施例18:
Ca3N24.866g、Si3N45.756g、AlN5.045g、Eu2O34.332gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において1h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1820℃まで昇温し、8h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が8.22μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素と酸素の混合ガス雰囲気中(酸素ガスの体積百分含有率は5%である)で200℃昇温し、15h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図9に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.8AlSiN3:0.2Eu、過渡領域の化学組成はCa0.8AlSi0.725O1.1N1.9:0.2Euであり、その厚さは345nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.8AlSi1.075O4.2N0.3:0.2Euであり、その厚さは40nmである。
【0071】
比較例4:
Ca3N24.866g、Si3N45.756g、AlN5.045g、Eu2O34.332gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において1h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1820℃まで昇温し、8h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が6.11μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素含有発光粒子完成品を得た。その発光スペクトルは図9に示される。窒素含有発光粒子の化学組成はCa0.8AlSiN3:0.2Euである。
【0072】
上記実施例と比較例で得た窒素含有発光粒子をそれぞれ発光デバイスを作製し、測定した結果、比較例4の発光強度と老化性能はいずれも実施例14〜18よりも低い(表4を参照)。そのうち、老化条件は:SMD-2835型LEDランプビーズ、チップサイズ10×30mil、チップ波長域452.5〜455nm、電流150mA、パワー0.5Wであり、環境条件は:常温常湿である。
【0073】
【表4】
【0074】
実施例19:
Ca3N20.803g、Sr3N27.98g、AlN4.439g、Si3N45.064g、Eu2O31.715gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において4h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1780℃まで昇温し、9h保温し、320℃まで降温し、3L/minの速度で窒素と酸素の混合ガス雰囲気を流して8h焼成する(酸素ガスの体積百分含有率は7%である)。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が5.18μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素含有発光粒子完成品を得た。その熱消光スペクトルは図10に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域はCa0.15Sr0.76AlSiN3:0.09Euであり、過渡領域はCa0.15Sr0.76AlSi0.8O0.8N2.2:0.09Euであり、その厚さは220nmであり、富酸素領域はCa0.15Sr0.76AlSi0.825O4N0.1:0.09Euであり、その厚さは29nmである。
【0075】
実施例20:
Ca3N20.805g、Sr3N28.002g、AlN4.317g、Al2O30.332g、Si3N44.824g、Eu2O31.72gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において4h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1780℃まで昇温し、9h保温し、320℃まで降温し、3L/minの速度で窒素と酸素の混合ガス雰囲気を流して8h焼成する(酸素ガスの体積百分含有率は7%である)。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が6.25μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素含有発光粒子完成品を得た。その熱消光スペクトルは図10に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.15Sr0.76AlSi0.95O0.2N2.8:0.09Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.15Sr0.76AlSi0.85O0.6N2.4:0.09Euであり、その厚さは360nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.15Sr0.76AlSi0.81O4N0.08:0.09Euであり、その厚さは49nmである。
【0076】
実施例21:
Ca3N20.798g、Sr3N27.932g、AlN4.412g、Si3N44.858g、SiO20.295g、Eu2O31.705gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において4h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1780℃まで昇温し、9h保温し、320℃まで降温し、3L/minの速度で窒素と酸素の混合ガス雰囲気を流して8h焼成する(酸素ガスの体積百分含有率は7%である)。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が5.26μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素含有発光粒子完成品を得た。その熱消光スペクトルは図10に示される。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.15Sr0.76AlSi0.975O0.1N2.9:0.09Euであり、過渡領域の化学組成はCa0.15Sr0.76AlSi0.8O0.8N2.2:0.09Euであり、その厚さは340nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.15Sr0.76AlSi0.85O4.2:0.09Euであり、その厚さは29nmである。
【0077】
比較例5:
Ca3N20.803g、Sr3N27.98g、AlN4.439g、Si3N45.064g、Eu2O31.715gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において4h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素とアルゴンの混合ガス雰囲気の保護下で次第に1780℃まで昇温し、9h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が6.87μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素含有発光粒子完成品を得た。その熱消光スペクトルは図10に示される。窒素含有発光粒子の化学組成はCa0.15Sr0.76AlSiN3:0.09Euである。
【0078】
上記実施例と比較例で得た窒素含有発光粒子をそれぞれ発光デバイスを作製し、測定した結果、比較例5の発光強度と老化性能はいずれも実施例19〜21よりも低い(表5を参照)。そのうち、老化条件は:SMD-2835型LEDランプビーズ、チップサイズ10×30mil、チップ波長域452.5〜455nm、電流150mA、パワー0.5Wであり、環境条件は:常温常湿である。
【0079】
【表5】
【0080】
実施例22:
Ca3N27.025g、AlN5.903g、Si3N46.735g、Eu2O30.203g、Dy2O30.134gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1880℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が4.56μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素と酸素の混合ガス雰囲気中(酸素ガスの体積百分含有率は8%である)で280℃昇温し、10h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.987AlSiN3:0.008Eu、0.005Dyであり、過渡領域の化学組成はCa0.987AlSi0.8O0.8N2.2:0.008Eu、0.005Dyであり、その厚さは390nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.987AlSi0.8O4.1:0.008Eu、0.005Dyであり、その厚さは28nmである。
【0081】
実施例23:
Ca3N27.032g、AlN5.909g、Si3N46.741g、Eu2O30.203g、Lu2O30.115gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1880℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が5.66μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素と酸素の混合ガス雰囲気中(酸素ガスの体積百分含有率は8%である)で280℃昇温し、10h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.988AlSiN3:0.008Eu、0.004Luであり、過渡領域の化学組成はCa0.988AlSiO0.9N2.4:0.008Eu、0.004Luであり、その厚さは465nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.988AlSiO4.5:0.008Eu、0.004Luであり、その厚さは38nmである。
【0082】
実施例24:
Ca3N27.034g、AlN5.911g、Si3N46.743g、Eu2O30.203g、Ho2O30.109gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1880℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が3.87μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素と酸素の混合ガス雰囲気中(酸素ガスの体積百分含有率は8%である)で280℃昇温し、10h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.988AlSiN3:0.008Eu、0.004Hoであり、過渡領域の化学組成はCa0.988AlSi0.875O0.5N2.5:0.008Eu、0.004Hoであり、その厚さは390nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.988AlSi0.65O3.8:0.008Eu、0.004Hoであり、その厚さは37nmである。
【0083】
実施例25:
Ca3N27.033g、AlN5.91g、Si3N46.743g、Eu2O30.203g、Ho2O30.111gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1880℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が4.89μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素と酸素の混合ガス雰囲気中(酸素ガスの体積百分含有率は8%である)で280℃昇温し、10h焼成して、窒素含有発光粒子完成品を得た。窒素含有発光粒子の貧酸素領域の化学組成はCa0.987AlSiN3:0.008Eu、0.005Ceであり、過渡領域の化学組成はCa0.987AlSiO1.2N2.2:0.008Eu、0.005Ceであり、その厚さは350nmであり、富酸素領域の化学組成はCa0.987AlSiO4.5:0.008Eu、0.005Ceであり、その厚さは15nmである。
【0084】
比較例6:
Ca3N27.095g、AlN5.933g、Si3N46.768g、Eu2O30.204gを秤量し、前記原料を窒素雰囲気において3h十分に混合させ、モリブデン製坩堝中に入れてから、それを速やかに管状炉中に搬入し、そして窒素雰囲気の保護下で次第に1880℃まで昇温し、12h保温する。得た窒素含有発光粒子を粉砕した後にろ過し、ろ過後の蛍光粉の窒素含有発光粒子を脱イオン水に入れて30min撹拌し、そして吸引濾過し、最後に導電率が5.58μs/cmになるまで洗浄し、べーキング後に窒素含有発光粒子完成品を得た。窒素含有発光粒子の化学組成はCa0.992AlSiN3:0.008Euである。
【0085】
上記実施例と比較例で得た窒素含有発光粒子をそれぞれ発光デバイスを作製し、測定した結果、比較例6の発光強度と老化性能はいずれも実施例22〜25よりも低い(表6を参照)。そのうち、老化条件は:SMD-2835型LEDランプビーズ、チップサイズ10×30mil、チップ波長域452.5〜455nm、電流150mA、パワー0.5Wであり、環境条件は:常温常湿である。
【0086】
【表6】
【0087】
本発明の具体的な実施形態において言及した説明であれば、いずれも本分野の公知技術であり、公知技術を参照して実施することができる。
【0088】
本発明は繰り返して試験して検証され、良好な試用効果が得られた。
【0089】
以上の具体的な実施形態及び実施例は、本発明に係る窒素含有発光粒子及びその調製方法、窒素含有発光体、並びに発光デバイスの技術発想への具体的な支持であり、それをもって本発明の保護範囲を限定することはできない。本発明で提出した技術発想により、本技術的解決手段を基礎として作られた如何なる同等の変化又は等価の変更であれば、いずれも本発明の技術的解決手段の保護範囲内に属すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10