【実施例1】
【0009】
<1>全体構成
図1は、本発明に係る体積測定システムの第1実施例を示す概略構成図である。
本発明に係る体積測定システムは、被搬送物Aを搬送するベルトコンベアに設置するシステムである。
被搬送物Aは、土、砂、砂利、骨材、礫、岩などの土木工事で取り扱うもの全般を想定する。
本実施例に係る体積測定システムは、第1のラインレーザ10および第1のデジタルカメラ20と、第2のラインレーザ30および第2のデジタルカメラ40と、移動量センサ50と、解析装置60と、を少なくとも備えて構成する。
以下、各構成要素の詳細について説明する。
【0010】
<2>第1のラインレーザ
第1のラインレーザ10は、ベルトコンベアの往路を構成するベルト(往路ベルトB)を流れる被搬送物Aの表面に輪郭線A1を描くための装置である。
第1のラインレーザ10は、往路ベルトBの上方に設け、照射するレーザ光11は、下方を向くように配置する。
レーザ光11の照射方向θ1は、水平方向を0°(180°)としたとき、0°<θ1<180°の範囲で適宜決定する。
本実施例では、レーザ光11の照射方向を鉛直方向(90°)としている。
レーザ光11は、常に照射する態様としても良いし、第1のデジタルカメラ20の撮影時にのみ照射する態様としてもよい。
【0011】
<3>第1のデジタルカメラ
第1のデジタルカメラ20は、前記第1のラインレーザ10によって描かれた輪郭線A1を撮影するための装置である。
第1のデジタルカメラ20は、往路ベルトBの上方で、前記第1のラインレーザ10の照射方向と異なる角度から輪郭線A1を撮影する。
カメラの画素数は、多ければ大きいほど、画像解析の精度が向上する点で好ましいが、画素数が多ければ大きいほど、解析時間も長くなるため、適切な範囲で決めれば良い。
【0012】
<4>第2のラインレーザ
第2のラインレーザ30は、前記往路ベルトBの裏面に輪郭線B1を描くための装置である。
第2のラインレーザ30は、前記往路ベルトBの下方に設けており、照射するレーザ光31は、上方を向くように配置する。
レーザ光31の照射方向θ2は、水平方向を0°(180°)としたとき、180°<θ2<360°の範囲で適宜決定する。
本実施例では、レーザ光31の照射方向を鉛直方向(270°)としている。
レーザ光31の照射態様は、前記した第1のラインレーザ10で説明した内容と同様である。
【0013】
<5>第2のデジタルカメラ
第2のデジタルカメラ40は、第2のラインレーザ30によって往路ベルトBの裏面に描かれた輪郭線B1を撮影するための装置である。
第2のデジタルカメラ40は、前記往路ベルトBの下方であって、前記第2のラインレーザ30の照射方向と異なる角度から撮影する。
【0014】
<6>移動量センサ
移動量センサ50は、ベルトコンベアの移動量を検知するための装置である。
移動量センサ50は、公知の部材を用いることができる。
移動量センサ50は、各デジタルカメラによる被搬送物Aの画像データの取得間隔(Δt)でのベルトコンベアAの移動量(ΔL)を取得する。
【0015】
<7>解析装置
解析装置60は、ベルトコンベアを流れる被搬送物Aの体積を算出するための装置である。
解析装置60は、PCなどの情報処理装置を用いることができる。
解析装置60は、前記した各デジタルカメラから得られる複数の画像データと、前記移動量センサ50で得られるベルトコンベアの移動量のデータに基づいて、被搬送物Aの体積を算出する。
以下、解析装置での情報処理の詳細について説明する。
【0016】
<7.1>鉛直断面図の生成方法
始めに、解析装置60は、各デジタルカメラからの画像データから、被搬送物Aを鉛直方向に切断した見かけの鉛直断面図を生成する。
図2に、測定箇所における被搬送物の見かけの鉛直断面図のイメージ図を示す。
この鉛直断面図は、第1のラインレーザ10からのレーザ光11によって描かれた被搬送物Aの輪郭線A1を第1のデジタルカメラ20で撮影した画像と、第2のラインレーザ30からのレーザ光31によって描かれた往路ベルトの輪郭線B1を第2のデジタルカメラ40で撮影した画像、をそれぞれ画像処理したのち、適宜合成して生成している。
【0017】
<7.2>断面積の算出方法
次に、解析装置60は、前記鉛直断面図に示す、被搬送物Aの輪郭線A1と、往路ベルトBの輪郭線B1とで囲まれた領域を、被搬送物の占める領域として画像解析することで、撮影時における被搬送物の断面積(Bs)を求める。
各デジタルカメラの一画素が占める面積は、デジタルカメラの画素数や画角、デジタルカメラと撮影箇所との距離などの各種条件から算出することができる。
なお、ベルトコンベアの幅を1mとし、デジタルカメラの画素数を1000万画素と仮定した場合、1画素あたりの長さとして1mm以下を確保できる計算となるため、従来方法より高精度な断面積の測定が期待できる。
【0018】
<7.3>体積の算出方法
次に、解析装置60は、前記<7.2>で求めた断面積(Bs)と、次の画像データの取得までの移動量センサ50で得られるベルトコンベアの移動量(ΔL)から、各デジタルカメラの撮影間隔(Δt)の間に、第1のラインレーザ10を通過した被搬送物Aの体積(ΔV)を求める。
そして、このΔVを順次加算していくことによって、所定時間(t)内に第1のラインレーザ10を通過した被搬送物Aの体積(V)を求める。
【0019】
上記の計算方法を数式化すると、以下の通りとなる。
【0020】
<8>まとめ
このように、本発明によれば、ベルトコンベアの搬送速度の変化や、被搬送物Aの重量変化によって、往路ベルトBの断面形状が逐一変化する場合であっても、リアルタイムに往路ベルトBの輪郭線B1を求めることで、被搬送物Aの断面積ならびに体積を精度良く把握することができる。
【実施例3】
【0024】
次に、本発明の実施例3について、
図4を参照しながら説明する。
実施例2において説明したように、往路ベルトBと復路ベルトCとの間が狭い場合には、前記した第2のラインレーザ30によるレーザ照射や、第2のデジタルカメラ40による輪郭線の撮影を、直接行うことができない場合が考えられる。
そこで、本実施例に係る体積測定システムでは、上記した往路ベルトBと復路ベルトCとの間が狭いベルトコンベアにおいて、前記第2のラインレーザ30および第2のデジタルカメラ40と、往路ベルトBの裏面との間にミラー80を介設するものである。
このミラー80は、前記第2のラインレーザ30によるレーザ光31を前記往路ベルトBの裏面へと反射する機能(レーザ反射機能)、および、前記往路ベルトBの裏面に描かれた輪郭線B1を前記第2のデジタルカメラ40で撮影可能に前記ミラー80へと映す機能(輪郭線反射機能)を具備するものとする。
【0025】
本実施例によれば、往路ベルトBの裏面に対し、直接レーザ光31の照射や輪郭線B1の撮影を可能とする程度の空間を確保できない場合であっても、前記ミラー80によって、第2のラインレーザ30および第2のデジタルカメラ40を任意の箇所に配置することができる。
【0026】
なお、
図4では、ミラー80に前記したレーザ反射機能と輪郭線反射機能との両方の機能を設けた構成としているが、本発明に係るミラー80は、この両機能のうち何れか一方の機能を具備する態様とすることができる。
【0027】
また、本実施例に係る体積測定システムは、前記第1のラインレーザ10および第1のデジタルカメラ20と、往路ベルトBとの間にミラー80を介設してもよい。
また、本実施例に係る体積測定システムは、前記した実施例2の構成をさらに組み合わせた態様とすることができる。
【実施例4】
【0028】
次に、本発明の実施例4について、
図5を参照しながら説明する。
被搬送物Aの中に大きな礫や岩が含まれている場合には、これらが障害となって死角領域Eを作りだし、第1のラインレーザ10のレーザ光11によって描かれる輪郭線A1が第1のデジタルカメラ20から撮影できない場合が考えられる。
そこで、本実施例では、第1のデジタルカメラ20を少なくとも二台以上設け、各々の第1のデジタルカメラ20は、互いに、前記ベルトコンベアの上方で、前記第1のラインレーザ10の照射方向と異なる位置で、かつその他の第1のデジタルカメラ20とも異なる角度からそれぞれ輪郭線A1を撮影するものとする。
これは、一方の第1のデジタルカメラ20による画像データが、死角領域Eの存在によって断面解析が不十分である場合に、その他の第1のデジタルカメラ20による画像データでもって、補完を行うためである。
図5では、第1のラインレーザ10を挟んで、ベルトコンベアの進行方向の前側と後側にそれぞれ第1のデジタルカメラ20を設置している。
【0029】
本実施例によれば、複数の第1のデジタルカメラ20から得られる複数の画像データを組み合わせることで、往路ベルトBの輪郭線B1に途切れが無い鉛直断面図を生成することができる。
【0030】
なお、本実施例に係る体積測定システムは、往路ベルトBの裏面を撮影する第2のデジタルカメラ40を複数設けて、往路ベルトBの輪郭線B1を補完した鉛直断面図を生成するように構成してもよい。
また、本実施例に係る体積測定システムは、前記した実施例2や実施例3の構成と組み合わせた態様としてもよい。