特許第6793563号(P6793563)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793563
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】植付作業機
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20201119BHJP
   A01B 63/00 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   A01C11/02 350F
   A01B63/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-15001(P2017-15001)
(22)【出願日】2017年1月31日
(65)【公開番号】特開2018-121552(P2018-121552A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三島 友孝
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−065006(JP,A)
【文献】 特開2008−029213(JP,A)
【文献】 特開2012−180875(JP,A)
【文献】 特開2014−068548(JP,A)
【文献】 特開平09−298921(JP,A)
【文献】 特開2004−275092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 11/00 − 14/00
A01B 63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームに固定されてかつ左右方向に延設されたエプロンと、前記フレームに支持された苗載台と、前記エプロンに沿って往復動作する前記苗載台から苗を掻き取って圃場に植付ける植付機構と、を備え、ヒッチ部を介して走行機体に着脱可能に取り付けられる植付作業機において、
前記フレームに設けられてかつ前記左右方向に延設された対地作業機と、
操作具、前記操作具及び前記対地作業機を連結する連結部材、する操作部と、
前記フレームに左右一対設けられ、前後方向に延在する接地面が接地する接地姿勢と、前記接地面前記接地姿勢の際より高位置に位置し、非接地状態となる非接地姿勢とを切り替え可能なスタンド部材と、を備え、
前記スタンド部材は、前記非接地姿勢では前記エプロンの左右端を保護し、
前記操作部は、前記操作具を操作することによって、
植付作業時における前記対地作業機の作用高さを調整可能な複数の第1位置と、
前記作用高さを調整可能な前記第1位置よりも下方に位置し、前記左右方向から視て前記対地作業機の下端部が前記接地姿勢における前記スタンド部材の前記接地面の延長上に位置する第2位置と、
を含む複数位置の間で、前記対地作業機の高さ位置を切り替え可能であり、
前記第2位置の前記対地作業機の下端部及び前記接地姿勢である前記スタンド部材の前記接地面によって支持されて自立可能である、
ことを特徴とする植付作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場へ苗を植付ける植付作業機に係り、詳しくは、支持するためのスタンドを備えた植付作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、乗用田植機等の移植機は、車輪やクローラ等に支持されている走行機体及び走行機体の後部に設けられている昇降装置により昇降される植付作業機からなり、圃場を走行しながら植付作業機により植付作業を行う。
【0003】
従来、特許文献1に示すように、代掻や耕地あるいは填圧等の対地作業を行なう対地作業機の高さを調節して対地作業姿勢とスタンド姿勢とを切り替え可能な移植機が知られている。この移植機は、対地作業機をスタンド姿勢として接地させた状態で移植機の運搬等を可能としている。
【0004】
また、特許文献2に示すように、植付作業機に設けられているスタンドをエプロンの外端部を保護するエプロンガードに兼用した乗用田植機が知られている。この乗用田植機は、スタンドが回動することにより、接地してスタンドとして機能する状態とエプロンを保護する状態とを切り替え可能に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4125472号公報
【特許文献2】特開2003−169513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1及び上記特許文献2に記載の移植機は、運搬等の際にそれぞれ対地作業機又はスタンド部材のみで植付作業機の重量を支持するため、走行機体から分離して自立する際においては安定性が十分でなく、特に平坦でない場所で自立しようとする際には植付作業機が転倒する虞があった。
【0007】
そこで、本発明は、簡易な構造で安定して自立することを可能とし、上述した課題を解決した植付作業機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、フレーム(19)に固定されてかつ左右方向に延設されたエプロン(22)と、前記フレーム(19)に支持された苗載台(23)と、前記エプロン(22)に沿って往復動作する前記苗載台(23)から苗を掻き取って圃場に植付ける植付機構(25)と、を備え、ヒッチ部を介して走行機体に着脱可能に取り付けられる植付作業機(7)において、
前記フレーム(19)に設けられてかつ前記左右方向に延設された対地作業機(35)と、
操作具(37)、前記操作具(37)及び前記対地作業機(35)を連結する連結部材(47)、する操作部(38)と、
前記フレーム(19)に左右一対設けられ、前後方向に延在する接地面が接地する接地姿勢と、前記接地面前記接地姿勢の際より高位置に位置し、非接地状態となる非接地姿勢とを切り替え可能なスタンド部材(27)と、を備え、
前記スタンド部材(27)は、前記非接地姿勢では前記エプロン(22)の左右端を保護し、
前記操作部(38)は、前記操作具(37)を操作することによって、
植付作業時における前記対地作業機(35)の作用高さを調整可能な複数の第1位置と、
前記作用高さを調整可能な前記第1位置よりも下方に位置し、前記左右方向から視て前記対地作業機(35)の下端部が前記接地姿勢における前記スタンド部材(27)の前記接地面の延長上に位置する第2位置と、
を含む複数位置の間で、前記対地作業機(35)の高さ位置を切り替え可能であり、
前記第2位置の前記対地作業機(35)の下端部及び前記接地姿勢である前記スタンド部材(27)の前記接地面によって支持されて自立可能である、
ことを特徴とする。
【0012】
なお、上述カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、何ら本発明の構成を限定するものではない。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る本発明によると、左右方向に延設されて高さを調節可能な対地作業機とスタンド部材とにより、平坦でない場所でも植付作業機を安定して支持させることができる。また、対地作業機とスタンド部材とにより植付作業機は重量を分散して支持されるので、スタンド部材やスタンド部材の取付部に高い強度を必要とせず、コストを削減することができる。
【0014】
また、スタンド部材が非接地姿勢であるときにはスタンド部材がエプロンを保護するので、別途のエプロンの保護部材を設ける必要が無く、部品点数を削減することができる。
【0015】
また、植付作業機を走行機体から取り外して、植付作業機が自立している状態で植付作業機の着脱作業や保管を行うことができる。
【0016】
また、操作レバーの操作により植付作業機が自立している状態における前後の傾斜姿勢を調節することができるので、平坦でない場所でも植付作業機を安定して自立させることができると共に、走行機体へ取り付ける際には走行機体側の取付部の傾きに合わせることにより、作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施の形態に係る乗用田植機を示す側面図。
図2】走行機体から植付作業機を外した状態を示す側面図。
図3】ローター昇降機構を示す拡大図。
図4】連結作業機を外した状態を示す拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る乗用田植機1は、左右一対の前輪2及び後輪3によって支持される機体フレーム4を有する走行機体5と、走行機体5の後部に設けられている昇降リンク機構6により昇降可能に支持される植付作業機7と、から構成されている。昇降リンク機構6は、走行機体5と植付作業機7との間に介設された油圧により作動して植付作業機7を昇降する図示しないリフトシリンダを有する。
【0019】
走行機体5の中央部には、オペレータが搭乗して走行機体5や植付作業機7を操作する運転部9が配置されている。運転部9には運転座席10が配置されており、運転座席10の前方には、走行機体5を操向操作するステアリングホイール11、及びリフトシリンダを伸縮操作する図示しない作業機操作具等が配置されている。なお、本実施の形態においては、水平面に載置された乗用田植機1の運転座席10に着座したオペレータが向いている正面方向を前方とし、これを基準に前後左右方向を定義する。走行機体5の前部には図示しないエンジン及びトランスミッションが搭載されている。エンジンが出力する動力は、トランスミッションで変速されて前輪2、後輪3及び植付作業機7に伝達されると共に、図示しない油圧ポンプを駆動させてリフトシリンダに油圧を供給する。
【0020】
図2に示すように、走行機体5の後部には、機体フレーム4に対して略上下方向に揺動可能に前端が軸支されているトップリンク12及びロアリンク13と、略上下方向に移動可能となるようにトップリンク12及びロアリンク13の後端それぞれに軸支されているリンクホルダ15と、を備える。機体フレーム4、トップリンク12、ロアリンク13及びリンクホルダ15により、平行リンク機構が形成されており、リフトシリンダが収縮するとトップリンク12及びロアリンク13が略上方へ傾動してリンクホルダ15が上昇し、リフトシリンダが延伸するとトップリンク12及びロアリンク13が略下方へ傾動してリンクホルダ15が下降する。リンクホルダ15には、それぞれ左右方向に延びるU字状の上係合溝17及び下係合溝16が形成されている。
【0021】
植付作業機7に設けられているフレームとしての植付フレーム19の前部には、それぞれ左右方向に延びる円筒状のヒッチ部としての上部シャフト21及びヒッチ部としての下部シャフト20が形成されている。上部シャフト21及び下部シャフト20が上係合溝17及び下係合溝16に係脱されることにより、植付作業機7は、走行機体5に対して着脱可能に設けられている。植付フレーム19の下部には、左右方向に延びるエプロン22が固定されていると共に、圃場に苗を移植する植付機構25及び圃場面を滑走するフロート26が設けられ、植付フレーム19の後方かつエプロン22の上方には、左右方向に往復動作する苗載台23が前高後低の傾斜姿勢に配置されている。エプロン22は、アルミニウム合金の引き抜き成形体であって、苗載台23を左右方向に摺動可能に支持する支持部22aと、苗載台23に載置されている図示しないマット苗を受け止める苗受部22bと、を有する。走行機体5の走行に伴い苗載台23が左右方向に往復動作すると共に植付機構25がマット苗から掻取った苗を圃場に移植する。植付作業中においては、植付機構25は、植付フロート26が圃場面を滑走することにより圃場面の凹凸を検知し、適切な植付深さとなるように上下の高さが調節されるように構成されている。
【0022】
植付作業機7の左右側部には、それぞれ、前後方向に延びて植付フレーム19に回動可能に支持されているスタンド軸27aと、前後方向に延びてスタンド軸27aに略平行に設けられている接地片27bと、スタンド軸27aの前端と接地片27bの前端とを接続する接続片27cと、を有して、コ字状に形成されているスタンド部材27が左右一対設けられている。スタンド部材27は、スタンド軸27aを中心として回動することで、接地片27bがスタンド軸27aの略下方に位置する接地姿勢と、接地片27bが接地姿勢における接地片27bより高位置でかつスタンド軸27aの略側方に位置する非接地姿勢と、を切り替え可能に設けられている。接地姿勢におけるスタンド部材27の下端である接地面27dは、植付機構25及びフロート26より下方に位置し、非接地姿勢における左側のスタンド部材27の左端はエプロン22の左端より左側に位置し、非接地姿勢における右側のスタンド部材27の右端はエプロン22の右端より右側に位置するように構成されている。
【0023】
植付作業機7の後部には、圃場面の整地を行う整地装置30が設けられている。整地装置30は、植付フレーム19に対して略上下に揺動可能に後端が軸支されているローター上リンク31及びローター下リンク32と、略上下に移動可能となるようにローター上リンク及びローター下リンクの前端それぞれに軸支されているローターアーム33と、左右方向に延びてローターアーム33により吊持され、スタンド部材27より前方に配置されている円筒状の対地作業機としてのローター35と、を備える。これら植付フレーム19、ローター上リンク31、ローター下リンク32及びローターアーム33により、平行リンク機構が形成されている。ローター35は、トランスミッションからの動力により回転するローター伝動軸36により左右方向を中心に回転し、走行機体5の走行に伴い植付作業機7の前方で圃場面の均平化やすき込み等を行う。
【0024】
図3に示すように、植付フレーム19には、苗載台23の裏面側即ち前方に配置されている操作部としてのローター昇降機構38が設けられている。ローター昇降機構38は、略前後方向に延設されているレバー前後軸42を中心として植付フレーム19に回動可能に軸支されている連結部材47と、連結部材47から上方へ延設されて連結部材47を回動操作する操作レバー37と、連結部材47の回動位置を規制するレバーガイド43と、を備える。連結部材47は、レバー前後軸42の上方に配置されて、操作レバー37が略前後方向に揺動可能となるように操作レバー37の下端を軸支するレバーホルダ41と、右端がレバーホルダ41に固定されて略左右方向に延設されている連結アーム45と、を有する。
【0025】
レバーガイド43は、左右方向に延びるように形成されて操作レバーが貫通する略長方形のガイド孔43cを有する。ガイド孔43cの右端近傍には、ガイド孔43cの前縁を略前方に向けて切り欠くように上昇溝43aが形成されており、上昇溝43aの左方には、ガイド孔43cの前縁を略前方に向けて切り欠くように複数の調節溝43bが所定の間隔で左右方向へ形成されている。操作レバー37は、操作レバー37の左右方向の傾動位置により上昇溝43a及びガイド孔43cの何れか一つに係合可能な係合突起37aが形成されていると共に、レバーばね40により略前方へ傾動する方向へ付勢されている。
【0026】
ローター昇降機構38は、左右方向を軸として植付フレーム19に回動可能に設けられている回動軸34を備え、回動軸34は、その右端から略前方に延設されている回動軸右アーム34aと、レバー前後軸42の左方でかつ回動軸34の略中央部から略前方に延設されている回動軸センターアーム34bと、を有する。連結アーム45の左端は、連結アーム45が上方へ傾動すると回動軸センターアーム34bが上方へ傾動するように、アームリンク44を介して回動軸センターアーム34bの前端に接続されている。また、ローター上リンク31及びローター下リンク32のそれぞれに、上方へ延設されているアーム支持フレーム46が回動可能に軸支されており、回動軸右アーム34aの前端は、アーム支持フレーム46の上端に揺動可能に連結されている。これにより、操作レバー37がガイド孔43cに沿って略左右方向へ揺動すると、ローター上リンク31及びローター下リンク32が略上下に移動してローター35の高さが変化すると共に、係合突起37aが上昇溝43a及び調節溝43bの何れか一つに係合すると、操作レバー37の略左右方向への揺動位置に応じたローター35の高さが保持される。ローター35は、係合突起37aが上昇溝43aに係合しているとき、下端が植付機構25及びフロート26の下端より高い位置で保持され、係合突起37aが左端の調節溝43bに係合しているとき、下端が植付機構25及びフロート26の下端より低い位置で保持される。
【0027】
このように、操作者は、レバーばね40の付勢力に抗して操作レバー37を略後方へ傾動させて係合突起37aと、上昇溝43a及び調節溝43bの何れか一つと、の係合を解除し、操作レバー37を略左方又は略右方へ傾動させて係合突起37aが上昇溝43a及び調節溝43bの何れか一つに係合する位置で操作レバー37の操作を終了することにより、所定の範囲で、上昇溝43a及び調節溝43bの何れか一つに対応する任意の高さにローター35の高さを調節することができる。
【0028】
スタンド部材27の前方にローター35が配置されているので、植付作業機7が昇降リンク機構6から外されて、ローター35及びスタンド部材27により支持されている状態においては、図4に示すように、操作レバー37を略左方に傾動させると植付作業機7は上部が略後方へ傾動して、上部シャフト21はA方向へ、下部シャフト20は上部シャフト21より小さくA方向へ移動し、操作レバー37を略右方に傾動させると植付作業機7は上部が略前方へ傾動して、上部シャフト21はB方向へ、下部シャフト20は上部シャフト21より小さくB方向へ移動する。
【0029】
これにより、植付作業機7は、係合突起37aが係合する調節溝43bを適宜選択することで、植付作業機7の重心の位置をローター35及びスタンド部材27に対して前後方向へ移動することができ、ローター35の下端と、スタンド部材27が接地姿勢である状態における下端と、が共に接地している状態において、植付作業機7の重心がローター35の下端とスタンド部材27の下端の後部との間となるように重心の位置を調節することが可能である。このとき、植付作業機7は、昇降リンク機構6から外されている状態でローター35及びスタンド部材27により支持されて、自立することができる。
【0030】
以上の構成により、本実施の形態によると、左右方向に延設されているローター35と、植付フレーム19の左右に配置されている一対の接地姿勢のスタンド部材27と、により植付作業機7を支持することができるので、植付作業機7を安定して支持させることができる。また、植付作業機7は、ローター35とスタンド部材27とにより植付作業機7の重量を分散して支持されるので、ローター35、ローター上リンク31、ローター下リンク32、ローターアーム33、スタンド部材27及びスタンド部材27の取付部等に高い強度を必要とせず、コストを削減することができる。
【0031】
また、スタンド部材27が非接地姿勢であるときには、非接地姿勢における左側のスタンド部材27の左端はエプロン22の左端より左側に位置し、非接地姿勢における右側のスタンド部材27の右端はエプロン22の右端より右側に位置するので、植付作業中や走行中等にスタンド部材27がエプロン22を保護して、エプロン22の畦際への接触等によりエプロン22が変形や破損する虞を低減することができる。また、これにより、別途のエプロンの保護部材を設ける必要が無く、部品点数を削減することができる。
【0032】
また、植付作業機7を走行機体5から取り外して自立させることができるので、植付作業機7が自立している状態で植付作業機7の着脱作業や保管を行うことができる。また、操作レバーの操作により、走行機体5から動力や油圧の供給を受けることなくローター35の高さを所定の範囲で調節して、植付作業機が自立している状態における前後の傾斜姿勢を調節することができるので、平坦でない場所でも植付作業機7を安定して自立させることができる。また、走行機体5へ取り付ける際には、走行機体5側の取付部の傾き、即ち上係合溝17及び下係合溝16の前後方向の相対位置に、上部シャフト21及び下部シャフト20の前後方向の相対位置を合わせることができるので、作業性を向上することができる。
【0033】
なお、左右のスタンド部材27は、一体的に形成されて左右方向の軸を中心に回動可能に設けられていてもよい。この場合は、スタンド部材27の姿勢を変更する作業における作業性を向上することができる。また、連結部材47は、上記リンク機構に限られず、ワイヤー等により操作レバー37とローター35とを接続することとしても良い。また、ローター35は、代掻き作業機やプラウ等でもよい。
【符号の説明】
【0034】
5 走行機体
7 植付作業機
19 フレーム(植付フレーム)
20 ヒッチ部(下部シャフト)
21 ヒッチ部(上部シャフト)
22 エプロン
23 苗載台
25 植付機構
27 スタンド部材
27d 接地面
35 対地作業機(ローター)
37 操作レバー
38 操作部(ローター昇降機構)
47 連結部材
図1
図2
図3
図4