(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、少なくとも前記向う脛圧力検知部、前記足先圧力検知部および前記脹脛エアバッグのいずれかの圧力上昇変化に応じて前記アクチュエータ部の回動速度を変化させる、請求項2に記載のトレーニング機能付きマッサージ機。
前記制御部は、少なくとも前記向こう脛エアバッグおよび前記足先エアバッグおよび前記脹脛エアバッグのいずれかを膨張させ、前記少なくとも前記向こう脛圧力検知部および前記足先圧力検知部および前記脹脛圧力検知部のいずれかの圧力が所定量以上になった場合に、前記アクチュエータ部の回動を一定の回動速度で制御する、請求項2から4のいずれか1項に記載のトレーニング機能付きマッサージ機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のマッサージ機では、下腿部を両側面と背面とからエアバッグで加圧することができるものであり、しかも腿部等のマッサージ部と足先部用のマッサージ部とを利用して大腿部の大腿筋を伸ばすストレッチも行うことができるものである。
【0005】
しかしながら、従来のマッサージ機においては、被施療者へのマッサージ施療、ストレッチ施療等の筋肉を弛緩させるものであった。
【0006】
マッサージ機は、主に高齢者の方が利用する比率が高く、筋肉を弛緩させるだけでなく、筋肉を増強させることが熱望されている。しかしながら、筋肉の弛緩と増強とは正反対の目的であり、従来のマッサージ機で両方を成立させることは困難であった。
【0007】
本発明の主な目的は、筋力トレーニングを実施することができるトレーニング機能付きマッサージ機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)
一局面に従うトレーニング機能付きマッサージ機は、被施療者の少なくとも臀部を載置させるための座部と、被施療者の足部を支持する脚載部と、脚載部で、かつ、少なくとも被施療者の足部の向こう脛側に配設された向こう脛エアバッグ、および被施療者の足部の足先側に配設された足先エアバッグのいずれかと、少なくとも向う脛エアバッグの圧力を検知する向こう脛圧力検知部および足先エアバッグの圧力を検知する足先圧力検知部のいずれかと、座部に対して、被施療者の足部の屈伸動作に沿って脚載部を回動させるアクチュエータ部と、少なくとも向こう脛圧力検知部および足先圧力検知部のいずれかの検知結果に応じてアクチュエータ部の回動を制御する制御部と、を含み、制御部は、少なくとも向こう脛エアバッグおよび足先エアバッグのいずれかを膨張させ、少なくとも向こう脛圧力検知部および足先圧力検知部のいずれかの圧力に応じてアクチュエータ部の回動を制御するものである。
【0009】
この場合、少なくとも向う脛圧力検知部および足先圧力検知部のいずれかの圧力に応じてアクチュエータ部の回動を制御することができる。すなわち、向う脛圧力検知部および足先圧力検知部のいずれかに圧力が加わった場合、いわゆる被施療者が足を伸ばそうとした場合、制御部は、アクチュエータ部の一方向の回動に負荷がかかるように制御することができる。したがって、筋肉の弛緩だけではなく、筋肉の増強を図ることができる。その結果、主にマッサージ機を利用する高齢者等の運動不足を解消することができる。
【0010】
(2)
第2の発明にかかるトレーニング機能付きマッサージ機は、一局面に従うトレーニング機能付きマッサージ機において、脚載部は、被施療者の足部の脹脛側に配設された脹脛エアバッグと、脹脛エアバッグの圧力を検知する脹脛圧力検知部と、をさらに含み、制御部は、脹脛エアバッグを膨張させ、脹脛圧力検知部の圧力に応じてアクチュエータ部の回動を制御してもよい。
【0011】
すなわち、脹脛圧力検知部に圧力が加わった場合、いわゆる被施療者が足を屈しようとした場合、制御部は、アクチュエータ部の回動に負荷がかかるように制御することができる。したがって、膝を伸ばす筋肉の増強だけでなく、膝を曲げる筋肉の増強を図ることができる。その結果、主にマッサージ機を利用する高齢者等の運動不足をより効果的に解消することができる。
【0012】
(3)
第3の発明にかかるトレーニング機能付きマッサージ機は、第2の発明にかかるトレーニング機能付きマッサージ機において、制御部は、少なくとも向う脛圧力検知部、足先圧力検知部および脹脛エアバッグのいずれかの圧力上昇変化に応じてアクチュエータ部の回動速度を変化させてもよい。
【0013】
この場合、制御部は、少なくとも向こう脛圧力検知部および足先圧力検知部のいずれかの圧力上昇変化が大きい時には、アクチュエータ部の回動速度を速くし、圧力上昇変化が小さい時には、アクチュエータ部の回動速度を遅くしてもよい。このように制御することによって施療者の足に一定の重量でのウェイトトレーニングを行う状態を再現することが出来る。
【0014】
(4)
第4の発明にかかるトレーニング機能付きマッサージ機は、第3の発明にかかるトレーニング機能付きマッサージ機において、制御部は、トレーニング強度を複数の段階に設定する強度設定手段を有し、強度設定値に対応して、圧力上昇変化の大きさとアクチュエータの回動速度との対応関係を変更する手段を有するようにしてもよい。
【0015】
このようにすることによって、複数段階の重量でのウェイトトレーニングを行なう
状態を再現することができる。
【0016】
(5)
第5の発明にかかるトレーニング機能付きマッサージ機は、第2から第4の発明にかかるトレーニング機能付きマッサージ機において、制御部は、少なくとも向こう脛エアバッグおよび足先エアバッグおよび脹脛エアバッグのいずれかを膨張させ、少なくとも向こう脛圧力検知部および足先圧力検知部および脹脛圧力検知部のいずれかの圧力が所定量以上になった場合に、アクチュエータ部の回動を一定の回動速度で制御してもよい。
【0017】
この場合、制御部は、アクチュエータ部の回動を一定の回動速度で制御するので、足の力が強い場合には強い負荷を、足の力が弱い場合には弱い負荷をかけることができる。その結果、強いトレーニングをしたい被施療者に対しては、負荷を大きくすることができ、弱いトレーニングをしたい被施療者に対しては、負荷を小さくすることができる。
【0018】
(6)
第6の発明にかかるトレーニング機能付きマッサージ機は、第2から第5の発明にかかるトレーニング機能付きマッサージ機において、脚載部は、被施療者の左足および右足のそれぞれに対応する左脚載部および右脚載部からなり、脚載部における向こう脛エアバッグは、被施療者の左右の足それぞれに対応する左足向こう脛エアバッグおよび右足向こう脛エアバッグを含み、向こう脛圧力検知部は、左足向こう脛エアバッグおよび右足向こう脛エアバッグそれぞれに対応する左足向こう脛圧力検知部および右足向こう脛圧力検知部を含み、脚載部における足先エアバッグは、被施療者の左右の足先それぞれに対応する左足先エアバッグおよび右足先エアバッグを含み、足先圧力検知部は、左足先エアバッグおよび右足先エアバッグそれぞれに対応する左足先圧力検知部および右足先圧力検知部を含み、脚載部における脹脛エアバッグは、被施療者の左右の足先それぞれに対応する左足脹脛エアバッグおよび右足脹脛エアバッグを含み、脹脛圧力検知部は、左足脹脛エアバッグおよび右足脹脛エアバッグそれぞれに対応する左足脹脛圧力検知部および右足脹脛圧力検知部を含み、制御部は、左足向こう脛圧力検知部および右足向こう脛圧力検知部、左足先圧力検知部および右足先圧力検知部、左足脹脛圧力検知部および右足脹脛圧力検知部のそれぞれの左右の圧力に応じて左脚載部および右脚載部の回動速度を制御してもよい。
【0019】
この場合、被施療者の左足と右足との力の差が生じた場合であっても、左脚載部および右脚載部のそれぞれを制御することができる。その結果、被施療者の左足および右足それぞれに応じた負荷を発生させることができる。また、左足と右足との力の差を無くすようにトレーニングを行うこともできる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明を繰り返さない。なお、説明をわかりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施形態によるマッサージ機100の構成を示す斜視図である。
【0022】
図1に示すように、本発明の実施形態によるマッサージ機100は、座部200、背凭れ部300、基台部400、腕施療部500、制御部600、操作部800および脚載部900を備える。
【0023】
なお、以下の説明において、
図1に示すように、マッサージ機100においては、座部200に背凭れ部300が形成された側を後側(BACK)と仮定し、後側(BACK)と逆側を前側(FRONT)と仮定し、それぞれ、左側(LEFT)および右側(RIGHT)と、上側(FUP)および下側(DOWN)とを仮定する。
【0024】
図1に示すように、マッサージ機100の背凭れ部300は、被施療者の肩、腰、背中を支持するとともに、前後方向に起倒可能に形成される。また、背凭れ部300には、施療子(一対の揉み玉)がガイドレールに沿って上下方向に移動可能に内蔵されている。施療子は、揉み、叩き、ローリングなどの多様な施療動作が可能なよう、一対の揉み玉で形成される。
【0025】
図1の座部200には、1または複数の反復膨張する膨縮袋(エアー施療部)(図示略)が内蔵され、該膨縮袋により被施療者の臀部を支持しつつ施療する。また、脚載部900は、座部200および基台部400の前端に軸支され、脚載部900自体が回動可能に設けられている。
【0026】
脚載部900においては、複数の反復膨張する膨縮袋930(931,932,933,934)(
図5参照)が設けられており、該膨縮袋により被施療者の足を施療する。
【0027】
また、腕施療部500は、
図1の座部200の左右両側に立設して設けられる。腕施療部500には、1または複数の反復膨張する膨縮袋(図示略)が内蔵され、該膨縮袋により被施療者の腕を支持しつつ施療する。
【0028】
次に、
図2は、
図1のマッサージ機100の内部構成の一例を示す模式図である。
【0029】
図2に示すように、制御部600は、一対の施療子を含むメカユニット310、記録部610、電源回路620、操作部800、背凭れ部回動アクチュエータ390、脚載部回動アクチュエータ990、エアポンプ905、1または複数の電磁弁910および、1または複数の圧力センサ950と接続されている。
【0030】
制御部600は、被施療者が操作部800を操作し、それらの操作情報および記録部610に記録されたプログラム、または、1または複数の膨縮袋(エアバッグ)930のそれぞれに対応した1または複数の圧力センサ950からの信号に従って、メカユニット310、背凭れ部回動アクチュエータ390、脚載部回動アクチュエータ990、エアポンプ905、1または複数の電磁弁910の動作を制御する。
【0031】
例えば、制御部600は、メカユニット310内に内蔵されたモータを制御するにより一対の施療子を揺動させ、いわゆる被施療者への叩き動作を実施することができる。
【0032】
また、制御部600は、背凭れ部回動アクチュエータ390を制御することにより、背凭れ部300を回動させることができる。さらに、制御部600は、脚載部回動アクチュエータ990を制御することにより、脚載部900を回動させることができる。
【0033】
また、制御部600は、エアポンプ905および1または複数の電磁弁910を制御することにより、エアポンプ905から送出された気体を1または複数の電磁弁910を開閉し、それぞれに対応した1または複数の膨縮袋(エアバッグ)930を膨張させたり、縮小させたり、制御することができる。
【0034】
次に、
図3は、本実施の形態にかかるエアポンプ905、1または複数の電磁弁910(911,912,913)、1または複数の膨縮袋(エアバッグ)930(931,〜,936)、1または複数の圧力センサ950(951,〜,956)の詳細を説明するための模式図である。
【0035】
まず、本実施の形態において、1または複数の電磁弁910は、電磁弁911、電磁弁912、電磁弁913からなる。
【0036】
また、1または複数の膨縮袋(エアバッグ)930は、右足の甲用エアバッグ931、左足の甲用エアバッグ932、右足の向こう脛用エアバッグ933、左足の向こう脛用エアバッグ934、右足の脹脛用エアバッグ935、左足の脹脛用エアバッグ936からなる。
【0037】
さらに、1または複数の圧力センサ950は、右足の甲用圧力センサ951、左足の甲用圧力センサ952、右足の向こう脛用圧力センサ953、左足の向こう脛用圧力センサ954、右足の脹脛用圧力センサ955、左足の脹脛用圧力センサ956からなる。
【0038】
具体的に、
図3に示すように、エアポンプ905は、電磁弁911、電磁弁912、電磁弁913と接続される。
【0039】
電磁弁911は、右足の甲用エアバッグ931と左足の甲用エアバッグ932とに接続される。右足の甲用エアバッグ931には、右足の甲用圧力センサ951が取り付けられている。左足の甲用エアバッグ932には、左足の甲用圧力センサ952が取り付けられている。
【0040】
電磁弁912は、右足の向こう脛用エアバッグ933と左足の向こう脛用エアバッグ934とに接続される。右足の向こう脛用エアバッグ933には、右足の向こう脛用圧力センサ953が取り付けられている。左足の向こう脛用エアバッグ934には、左足の向こう脛用圧力センサ954が取り付けられている。
【0041】
電磁弁913は、右足の脹脛用エアバッグ935と左足の脹脛用エアバッグ936とに接続される。右足の脹脛用エアバッグ935には、右足の脹脛用圧力センサ955が取り付けられている。左足の脹脛用エアバッグ936には、左足の脹脛用圧力センサ956が取り付けられている。
【0042】
次いで、
図4および
図5は、脚載部900の詳細を説明するための模式図である。
【0043】
図4に示す脚載部900においては、右足の甲用エアバッグ931、左足の甲用エアバッグ932、右足の向こう脛用エアバッグ933、左足の向こう脛用エアバッグ934が収縮した状態を示す。
【0044】
また、被施療者の脚の向こう側には、右足の脹脛用エアバッグ935、左足の脹脛用エアバッグ936が設けられている。
【0045】
次に、
図5に示す脚載部900においては、右足の甲用エアバッグ931、左足の甲用エアバッグ932、右足の向こう脛用エアバッグ933、左足の向こう脛用エアバッグ934が膨張した状態を示す。
【0046】
図5に示すように、右足の甲用エアバッグ931、左足の甲用エアバッグ932、右足の向こう脛用エアバッグ933、左足の向こう脛用エアバッグ934が膨張された状態においては、被施療者の足の甲および向う脛と各エアバッグとが、接触した状態となる。
【0047】
一方、
図4に示すように、右足の甲用エアバッグ931、左足の甲用エアバッグ932、右足の向こう脛用エアバッグ933、左足の向こう脛用エアバッグ934が収縮された状態においては、被施療者の足の甲および向う脛と各エアバッグとが、接触していない状態となる
【0048】
(制御部600の動作の一例)
図6および
図7は、トレーニング機能付きマッサージ機100における制御部600の動作の一例を示すフローチャートである。
【0049】
まず、被施療者は、トレーニング機能付きマッサージ機100を備えたマッサージ機に着座し、操作部800によりトレーニングコースを選定する。
そして、
図6に示すように、制御部600は、操作部800で選定されたトレーニングコースを検出する(ステップS1)。制御部600は、選定されたトレーニングコースに応じた関係式を記録部610から読み出す。
【0050】
次に、被施療者は、操作部800の開始ボタンを押下操作してトレーニングを開始する。制御部600は、操作部800による開始指示があるか判定する(ステップS2)。開始指示がない場合(ステップS2のNo)、制御部600は、ステップS2の処理を繰り返し、待機する。
【0051】
一方、開始指示がある場合(ステップS2のYes)、制御部600は、脚載せ部900の端部を最下部へ回動させる(ステップS3)。ここで、制御部600は、脚載せ部回動アクチュエータ990を稼働させ、脚載せ部900を矢印FDOWN(後述
図10参照)の方向に回動させる。
【0052】
次に、制御部600は、エアポンプ910をオン(ステップS4)し、気体を電磁弁へ送る。次いで、制御部600は、電磁弁911,912の弁を開放する(ステップS5)。
【0053】
その結果、右足の甲用エアバッグ931、左足の甲用エアバッグ932、右足の向こう脛用エアバッグ933、左足の向こう脛用エアバッグ934が膨張する。
【0054】
続いて、制御部600は、圧力センサ950(右足の甲用圧力センサ951,左足の甲用圧力センサ952,右足の向う脛用圧力センサ953,左足の向う脛用圧力センサ954)からの圧力値を検知し(ステップS6)、圧力センサ950からの圧力値が所定の圧力以上か否かを判定する(ステップS7)。
【0055】
圧力値が所定の圧力未満であると判定した場合(ステップS7のNo)、制御部600は、ステップS5およびS6、S7の処理を繰り返す。
【0056】
一方、圧力値が所定の圧力以上であると判定した場合(ステップS7のYes)、制御部600は、エアポンプ910をオフにし(ステップS8)、電磁弁911,912を閉塞する(ステップS9)。
【0057】
続いて、制御部600は、操作部800の表示部に『トレーニングを開始してください。足を上げてください。』を表示する(ステップS10)。
【0058】
被施療者は、操作部800の表示部を確認し、足を矢印FUP(後述
図8参照)の方向に移動させる。
【0059】
制御部600は、圧力センサ950からの圧力変動を検知する(ステップS11)。制御部600は、圧力変動に応じて脚載せ部回動アクチュエータ990の回動を制御する(ステップS12)。
【0060】
ここで、
図8は、被施療者がトレーニング機能付きマッサージ機100を利用する状態を説明するための模式図である。具体的には、
図8は、脚載部900に被施療者が足を載せた状態である。
【0061】
また、
図9は、エアバッグ圧力上昇値と脚載部回転移動速度との関係の一例を示す模式図である。
図9の横軸はエアバッグ圧力上昇値を示し、縦軸は脚載部回転移動速度を示す。
【0062】
図8に示した状態で、被施療者が、足を矢印FUPの方向に移動させようとした場合、右足の甲用エアバッグ931、左足の甲用エアバッグ932、右足の向こう脛用エアバッグ933、左足の向こう脛用エアバッグ934のいずれか1つもしくは複数の圧力が上昇する。
【0063】
具体的には、被施療者の足が、右足の甲用エアバッグ931、左足の甲用エアバッグ932、右足の向こう脛用エアバッグ933、左足の向こう脛用エアバッグ934と接触しているため、被施療者が足を矢印FUPの方向に移動させようとすることで、右足の甲用エアバッグ931、左足の甲用エアバッグ932、右足の向こう脛用エアバッグ933、左足の向こう脛用エアバッグ934のいずれか1つもしくは複数の内圧が高められる。
【0064】
制御部600は、
図6のステップS11の処理において、右足の甲用エアバッグ931、左足の甲用エアバッグ932、右足の向こう脛用エアバッグ933、左足の向こう脛用エアバッグ934の圧力上昇を右足の甲用圧力センサ951、左足の甲用圧力センサ952、右足の向こう脛用圧力センサ953、左足の向こう脛用圧力センサ954から信号を受け取り、それらの平均値を計算することにより、圧力変化を検知する。
【0065】
次いで、
図9に示すように、制御部600は、エアバッグ圧力上昇値に基づいて、脚載部回動アクチュエータ990による脚載部回転移動速度の制御を行う。
【0066】
具体的に、制御部600は、記録部610に
図9の関係式を記録している。制御部600は、記録部610に記録された関係式に基づいて、制御を行う。
【0067】
図9の具体例においては、トレーニング強度の高いAコース(関係A)、トレーニング強度が普通のBコース(関係B)、トレーニング強度の低いCコース(関係C)、の複数の関係式が記録部610に記録されている。
【0068】
被施療者が操作部800を押下操作し、Aコースが選ばれた場合(
図9の関係A)、エアバッグ圧力上昇値が50kPaの場合に、制御部600は、脚載せ部900が一秒間に10度回転するように制御を行う。また、エアバッグ圧力上昇値が80kPaの場合に、脚載せ部900が一秒間に20度回転するように制御を行う。
【0069】
また、被施療者が操作部800を押下操作し、Bコースが選ばれた場合(
図9の関係B)、エアバッグ圧力上昇値が50kPaの場合に、制御部600は、脚載せ部900が一秒間に20度回転するように制御を行う。また、エアバッグ圧力上昇値が80kPaの場合に、制御部600は、脚載せ部900が一秒間に40度回転するように制御を行う。
【0070】
さらに、被施療者が操作部800を押下操作し、Cコースが選ばれた場合(
図9の関係C)、エアバッグ圧力上昇値が20kPaの場合に、制御部600は、脚載せ部900が一秒間に20度回転するように制御を行う。また、エアバッグ圧力上昇値が30kPaの場合に、制御部600は、脚載せ部900が一秒間に40度回転するように制御を行う。
【0071】
このように、被施療者は、複数の関係式からトレーニング強度を選択することができ、制御部600は、選定されたトレーニング強度に応じて被施療者に対して負荷を加える。その結果、被施療者は、トレーニング強度に応じて脚載せ部900の脚載せ部回動アクチュエータ990の負荷を選択することができるので、被施療者の好みに応じて、大腿四頭筋またはハムストリング等の下半身の筋肉を鍛えることができる。
【0072】
続いて、
図6に戻り、制御部600は、脚載せ部900が最上部まで回動したか否かを判定する(ステップS13)。脚載せ部900が最上部まで回動していないと判定した場合(ステップS13のNo)、制御部600は、圧力変動が生じず、所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS14)。所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS14のNo)、制御部600は、ステップS11からS14までの処理を繰り返す。
【0073】
なお、所定の時間とは、時分秒のいずれであってもよく、好ましくは3秒から3分までの範囲であることが好ましい。
【0074】
一方、脚載せ部900が最上部まで回動したと判定した場合(ステップS13のYes)または、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS14のYes)、制御部600は、エアポンプ910をオン(ステップS15)し、気体を電磁弁913へ送る。次いで、制御部600は、電磁弁913の弁を解放する(ステップS16)。
【0075】
その結果、右足の脹脛用エアバッグ935、左足の脹脛用エアバッグ936が膨張する。
【0076】
続いて、制御部600は、圧力センサ950(右足の脹脛用圧力センサ955,左足の脹脛用圧力センサ956)からの圧力値を検知し(ステップS17)、圧力センサ950からの圧力値が所定の圧力以上か否かを判定する(ステップS18)。
【0077】
圧力値が所定の圧力未満であると判定した場合(ステップS18のNo)、制御部600は、ステップS16およびS17、S18の処理を繰り返す。
【0078】
一方、圧力値が所定の圧力以上であると判定した場合(ステップS18のYes)、制御部600は、エアポンプ910をオフにし(ステップS19)、電磁弁913を閉塞する(ステップS20)。
【0079】
続いて、制御部600は、操作部800の表示部に『足を下げてください』を表示する(ステップS21)。
【0080】
被施療者は、操作部800の表示部を確認し、足を矢印FDOWN(後述
図10参照)の方向に移動させる。
【0081】
制御部600は、圧力センサからの圧力変動を検知する(ステップS22)。制御部600は、圧力変動に応じて脚載せ部回動アクチュエータ990の回動を制御する(ステップS23)。
【0082】
続いて、
図10は、被施療者がトレーニング機能付きマッサージ機100を利用するための模式図である。
【0083】
図10に示すように、右足の脹脛用エアバッグ935、左足の脹脛用エアバッグ936が膨張した状態である。
【0084】
図10に示すように、被施療者が、足を矢印FDOWNの方向に移動させようとした場合、右足の脹脛用エアバッグ935、左足の脹脛用エアバッグ936のいずれか1つもしくは複数の圧力が上昇する。
【0085】
具体的には、被施療者の足が、右足の脹脛用エアバッグ935、左足の脹脛用エアバッグ936と接触しているため、被施療者が足を矢印FDOWNの方向に移動させようとすることで、右足の脹脛用エアバッグ935、左足の脹脛用エアバッグ936のいずれか1つもしくは複数の内圧が高められる。
【0086】
制御部600は、
図7のステップS21の処理において、右足の脹脛用エアバッグ935、左足の脹脛用エアバッグ936の圧力上昇を右足の脹脛用圧力センサ955、左足の脹脛用圧力センサ956から信号を受け取り、それらの平均値を計算して、圧力変化を検知する。
【0087】
次いで、
図10に示すように、制御部600は、エアバッグ圧力上昇値に基づいて、脚載せ部回動アクチュエータ990による脚載せ部回転移動速度の制御を行う。
【0088】
なお、基本的には、
図8において被施療者が操作部800を押下操作し、選定したコースと同じ関係式を
図10でも用いる。なお、
図8に示した場合と異なる関係式を被施療者が操作部800を用いて選定しても良い。
【0089】
このように、被施療者は、複数の関係式からトレーニング強度を選択することができる。また、制御部600は、選定されたトレーニング強度に応じて脚載せ部回動アクチュエータ990を制御し、被施療者に対して負荷を加える。その結果、被施療者は、トレーニング強度に応じて脚載せ部900の脚載せ部回動アクチュエータ990による負荷を選択することができるので、被施療者の好みに応じて、大腿四頭筋またはハムストリング等の下半身の筋肉を鍛えることができる。
【0090】
続いて、
図7に示すように、制御部600は、脚載せ部900が最下部まで回動したか否かを判定する(ステップS24)。脚載せ部900が最下部まで回動していないと判定した場合(ステップS24のNo)、制御部600は、圧力変動が生じず、所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS25)。
【0091】
なお、所定の時間とは、時分秒のいずれであってもよく、好ましくは3秒から3分までの範囲であることが好ましい。
【0092】
所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS25のNo)、制御部600は、ステップS22からS25までの処理を繰り返す。
【0093】
一方、脚載せ部900が最下部まで回動したと判定した場合(ステップS24のYes)または、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS25のYes)、制御部600は、ステップS2の処理から所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS26)。
【0094】
所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS26のNo)、制御部600は、ステップS3の処理に戻り、ステップS3からステップS26の処理を繰り返す。
【0095】
ここで、ステップS26における所定の時間とは、時分秒であり、好ましくは、1分以上1時間以下の範囲であり、より好ましくは、3分以上10分以下の範囲である。
【0096】
一方、所定の時間が経過したと判定した場合(ステップS26のYes)、制御部600は、操作部800の表示部に「お疲れ様でした。」と表示させ(ステップS27)、トレーニング機能を終了させる。
【0097】
なお、ステップS26においては、所定の時間であることとしているが、これに限定されず、ステップS3の処理からステップS24の処理までの反復回数であってもよい。例えば、具体的に反復回数は、2回、5回、10回、20回、任意の数等であってもよい。
【0098】
また、本実施の形態においては、操作部800の表示部を用いて被施療者に指示を行っているが、これに限定されず。音声、映像等により被施療者に指示を行ってもよい
【0099】
(他の例)
次に、
図11は、エアバッグ圧力上昇値と脚載部回転移動速度との関係の他の例を示す模式図である。
図11の横軸はエアバッグ圧力上昇値を示し、縦軸は脚載部回転移動速度を示す。
【0100】
図11に示すように、エアバッグ圧力上昇値と脚載部回転移動速度との関係Dであってもよい。
【0101】
この関係Dの関係式の場合は、圧力変動が50kPaを超過しない限り、脚載せ部900が回動し、下端部を最上部へ移動させたり、下端部を最下部へ移動させたり、することができないものである。
【0102】
すなわち、圧力変動が50kPaを超過すればどのような力でも一定の回転移動速度(例えば、1秒間に20度)で回転移動するので、大きな力を出せば大きな負荷がかかり、小さな力であれば小さな負荷となる。したがって被施療者の好みに応じた負荷でのトレーニングが出来る。
【0103】
なお、
図11においては、所定の圧力変動が50kPa超過のみを設定した場合について説明しているが、これに限定されず、所定の圧力変動が、複数設定され、20kPa,30kPa,70kPa、任意の数値を設定してもよい。
【0104】
次に、
図12は、
図4および
図5で説明した脚載せ部900の他の例を示す模式図である。
【0105】
図12に示すように、脚載せ部900aは、右足用の脚載せ部900Rおよび左足用の脚載せ部900Lと、右脚載せ部回動アクチュエータ990Rおよび左脚載せ部回動アクチュエータ990Lを有する。
【0106】
すなわち、脚載せ部900aにおいては、右足用の脚載せ部900Rと、左足用の脚載せ部900Lとを、個別に制御することができる。
【0107】
その結果、施療者は、左足のみ、右足のみ、または左右の足のそれぞれトレーニング強度を選定することができる。すなわち、被施療者は、トレーニング強度に応じて脚載せ部900aの右脚載せ部回動アクチュエータ990Rおよび左脚載せ部回動アクチュエータ990Lの負荷をそれぞれ選択することができるので、被施療者の好みに応じて、左右の足のそれぞれの大腿四頭筋またはハムストリング等の下半身の筋肉を鍛えることができる
【0108】
以上のように、トレーニング機能付きマッサージ機100の制御部600は、少なくとも向う脛用圧力センサ953,954および甲用圧力センサ951,952のいずれかの圧力に応じて脚載せ部回動アクチュエータ990の回動を一方向に制御し、脹脛圧力センサ955,956の圧力に応じて脚載せ部回動アクチュエータ990の回動を一方向と逆方向に制御することができる。
【0109】
また、トレーニング機能付きマッサージ機100は、向う脛用圧力センサ953,954および甲用圧力センサ951,952のいずれかに圧力が加わった場合、いわゆる被施療者が足を伸ばそうとした場合、制御部600は、脚載せ部回動アクチュエータ990を一方向に回動する場合に負荷がかかるように制御することができる。
【0110】
また、脹脛圧力センサ955,956に圧力が加わった場合、いわゆる被施療者が足を屈しようとした場合、制御部600は、脚載せ部回動アクチュエータ990を一方向とは逆方向に回動する場合に負荷がかかるように制御することができる。したがって、筋肉の弛緩だけではなく、筋肉の増強を図ることができる。
【0111】
その結果、主にトレーニング機能付きマッサージ機100を利用する高齢者等の運動不足を解消することができる
【0112】
また、トレーニング機能付きマッサージ機100の制御部600は、少なくとも向う脛用圧力センサ953,954および甲用圧力センサ951,952のいずれかの圧力上昇変化が大きい時には、脚載せ部回動アクチュエータ990の回動速度を速くしてもよく、圧力上昇変化が小さい時には、脚載せ部回動アクチュエータ990の回動速度を遅くしてもよい。
【0113】
その結果、一定の負荷をかけることができる。すなわち、所定の重量のウェイトトレーニングを行なう状態を再現することができる。
【0114】
また、
図11の関係Dを設定することで、制御部600は、脚載せ部回動アクチュエータ990の回動を一定の回動速度で制御するので、足の力が強い被施療者に対しては、負荷を大きくすることができ、足の力が弱い被施療者に対しては、負荷を小さくすることができる。
【0115】
さらに、被施療者の左足と右足との力の差が生じた場合であっても、右足用の脚載せ部900bおよび左足用の脚載せ部900cと、右脚載せ部回動アクチュエータ990Rおよび左脚載せ部回動アクチュエータ990Lを有することで、右足用の脚載せ部900bおよび左足用の脚載せ部900cのそれぞれを制御することができる。その結果、被施療者の左足および右足それぞれに応じた負荷を発生させることができる。また、左足と右足との力の差を無くすようにトレーニングを行うこともできる
【0116】
(実施形態における各部と請求項の各構成要素との対応関係)
本発明において、座部200が「座部」に相当し、脚載せ部900,900aが「脚載部」に相当し、右足の向う脛用エアバッグ933,左足の向う脛用エアバッグ934が「向こう脛エアバッグ」に相当し、右足の甲用エアバッグ931,左足の甲用エアバッグ932が「足先エアバッグ」に相当し、右足の脹脛用エアバッグ935,左足の脹脛用エアバッグ936が「脹脛エアバッグ」に相当し、右足の向う脛用圧力センサ953,左足の向う脛用圧力センサ954が「向こう脛圧力検知部」に相当し、右足の甲用圧力センサ951,左足の甲用圧力センサ952が「足先圧力検知部」に相当し、右足の脹脛用圧力センサ955、左足の脹脛用圧力センサ956が「脹脛圧力検知部」に相当し、脚載せ部回動アクチュエータ990が「アクチュエータ部」に相当し、制御部600が「制御部」に相当し、トレーニング機能付きマッサージ機100が「トレーニング機能付きマッサージ機」に相当し、脚載せ部900Lが「左脚載部」に相当し、脚載せ部900Rが「右脚載部」に相当し、左足の向う脛用エアバッグ934が「左足向こう脛エアバッグ」に相当し、右足の向う脛用エアバッグ933が「右足向こう脛エアバッグ」に相当し、左足の向う脛用圧力センサ954が「左足向こう脛圧力検知部」に相当し、右足の向う脛用圧力センサ953が「右足向こう脛圧力検知部」に相当し、左足の甲用エアバッグ932が「左足先エアバッグ」に相当し、右足の甲用エアバッグ931が「右足先エアバッグ」に相当し、左足の甲用圧力センサ951が「左足先圧力検知部」に相当し、右足の甲用圧力センサ951が「右足先圧力検知部」に相当し、左足の脹脛用エアバッグ936が「左足脹脛エアバッグ」に相当し、右足の脹脛用エアバッグ935が「右足脹脛エアバッグ」に相当し、左足の脹脛用圧力センサ956が「左足脹脛圧力検知部」に相当し、右足の脹脛用圧力センサ955が「右足脹脛圧力検知部」に相当する。
【0117】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。