特許第6793567号(P6793567)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6793567特に自動車技術向けのコンタクトスタッド、端子、およびコンタクトアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793567
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】特に自動車技術向けのコンタクトスタッド、端子、およびコンタクトアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/187 20060101AFI20201119BHJP
   H01R 4/64 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   H01R13/187 B
   H01R4/64 C
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-27570(P2017-27570)
(22)【出願日】2017年2月17日
(65)【公開番号】特開2017-152376(P2017-152376A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2019年11月6日
(31)【優先権主張番号】16156972.8
(32)【優先日】2016年2月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(73)【特許権者】
【識別番号】502165089
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス ユーケー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100189360
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 昭典
(72)【発明者】
【氏名】リュディガー オステルマン
(72)【発明者】
【氏名】ハルトムット リッペル
(72)【発明者】
【氏名】ミーレ トラユコフ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン マーシュ
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−023035(JP,A)
【文献】 実開昭57−136174(JP,U)
【文献】 特開昭63−116380(JP,A)
【文献】 特開2006−339167(JP,A)
【文献】 米国特許第04873763(US,A)
【文献】 特開平06−210218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/187
H01R 13/11
H01R 4/64
H01R 13/03
H01R 11/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(C)への接続、特に接地接続を提供するコンタクトスタッド(1)であって、保護要素(2)と、挿入方向(5)に沿って端子(20)内へ挿入されるように構成された接続セクション(3)と、車体(C)上に取り付けられるように構成された基礎セクション(6)とを備え、前記接続セクション(3)の第1のセクション(11)は、コーティング(7)によって被覆されないように、前記保護要素(2)によって保護され、前記第1のセクション(11)以外の前記接続セクション(3)は、絶縁体で被覆される、コンタクトスタッド(1)。
【請求項2】
前記保護要素(2)は移動可能である、請求項1に記載のコンタクトスタッド(1)。
【請求項3】
前記第1のセクション(11)は、前記コンタクトスタッド(1)のうち、前記挿入方向(5)に沿って一定の断面を有する部分(8)上に位置し、前記保護要素(2)は、前記部分(8)の前記断面に適合されたリング(9)であり、前記リング(9)は、前記部分(8)に沿って可動である、請求項1または2に記載のコンタクトスタッド(1)。
【請求項4】
前記コンタクトスタッド(1)は、前記挿入方向(5)に直交して突出する突出部(10)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンタクトスタッド(1)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のコンタクトスタッド(1)を挿入方向(5)に受容するように構成された特に自動車技術向けの端子(20)であって、前記挿入方向(5)に開いている開口(31)を有するレセプタクル(22)と、前記レセプタクル(22)内のコンタクトばね(24)とを備え、前記コンタクトばね(24)は、前記レセプタクル(22)内へ内向きに突出するコンタクト面(21)を備える、端子(20)。
【請求項6】
前記端子(20)は、2つ以上のコンタクト面(21)を備え、前記コンタクト面(21)は、前記挿入方向(5)の周りで円筒形に位置する、請求項5に記載の端子(20)。
【請求項7】
前記端子(20)は、前記レセプタクル(22)内へ突出する突出(10)要素(25)を備え、前記突出(10)要素(25)は、前記開口(31)と前記コンタクトばね(24)との間に位置する、請求項5または6に記載の端子(20)。
【請求項8】
前記端子(20)は、前記第1の開口(31)とは反対側に第2の開口(32)を備え、前記第2の開口(32)は、前記レセプタクル(22)内の前記コンタクトスタッド(1)の存在を検出するように構成される、請求項5から7のいずれか一項に記載の端子(20)。
【請求項9】
特に自動車技術向けのコンタクトアセンブリ(40)であって、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンタクトスタッド(1)と、請求項5から8のいずれか一項に記載の端子(20)とを備えるコンタクトアセンブリ(40)。
【請求項10】
前記コンタクトスタッド(1)の前記第1のセクション(11)および前記端子(20)の前記コンタクト面(21)は、完全な嵌合位置で前記挿入方向(5)に沿って同じ高さである、請求項9に記載のコンタクトアセンブリ(40)。
【請求項11】
前記コンタクトアセンブリ(40)は、少なくとも完全な嵌合位置(F)で前記コンタクトスタッド(1)を前記端子(20)にロックするロック部材(41)を備える、請求項9または10に記載のコンタクトアセンブリ(40)。
【請求項12】
前記ロック部材(41)は、前記完全な嵌合位置(F)で、中間位置の場合ほど圧縮されない、請求項11に記載のコンタクトアセンブリ(40)。
【請求項13】
前記ロック部材(41)は、前記端子(20)の封止リング(27)である、請求項11または12に記載のコンタクトアセンブリ(40)。
【請求項14】
前記コンタクトスタッド(1)および前記端子(20)は、互いに回転可能である、請求項9から13のいずれか一項に記載のコンタクトアセンブリ(40)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車技術向けのコンタクトスタッド、端子、およびコンタクトアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、自動車内の電気設備では、車体が接地として使用される。現在、この接地への接触は、ねじ接続によって行われる。車体にはねじ付きボルトが取り付けられており、ボルト上へナットが螺着されて、後のステップで塗料またはラッカーのような絶縁コーティングによって被覆されないように、ボルトの一部分を保護する。後に、ナットは除去され、接地ケーブルが取り付けられ、再びナットがボルト上へ螺着される。しかし、この手順には時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、より時間効率のよい製造を可能にする解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、車体への接続、特に接地接続を提供するコンタクトスタッドによって実現され、このコンタクトスタッドは、保護要素と、挿入方向に沿って端子内へ挿入されるように構成された接続セクションと、車体上に取り付けられるように構成された基礎セクションとを備え、接続セクションの第1のセクションは、コーティングによって被覆されないように、保護要素によって保護され、第1のセクション以外の接続セクションは、絶縁体で被覆される。
【0005】
本発明によるコンタクトスタッドを挿入方向に受容するように構成された特に自動車技術向けの端子は、挿入方向に開いている開口を有するレセプタクルと、レセプタクル内のコンタクトばねとを備え、コンタクトばねは、レセプタクル内へ内向きに突出するコンタクト面を備える。
【0006】
自動車技術向けのコンタクトアセンブリは、本発明によるコンタクトスタッドおよび端子を備える。
【0007】
保護要素は、被覆されないように接続セクションの第1のセクションを保護する。被覆が施された後、第1のセクションをアクセス可能にすることができ、その結果、端子のコンタクト面は、被覆されていない、したがって導電性の領域にアクセスすることができる。
【0008】
本発明のさらなる利点は、現在車体に主として使用されている鉄ベースの金属板ではなく、アルミニウムが使用されるときも、本発明の解決策を適用することができることである。アルミニウムに伴う問題は、鉄ベースの金属板よりはるかに柔らかく、その結果、螺着プロセス中にねじ山が頻繁に損傷することである。本発明の解決策は、接続をもたらすのにねじ山を必要としない。
【0009】
本発明による解決策は、以下のさらなる発展形態および有利な実施形態によってさらに改善することができ、これらの形態は、互いに独立しており、所望される場合は組み合わせることができる。
【0010】
保護要素は、移動可能とすることができる。保護要素は、端子によって移動されるように構成することができる。特に、そのような移動は、コンタクトスタッドが端子内へ挿入されるときに自動的に行うことができる。移動は、挿入方向に沿って行うことができる。したがって、製造プロセスが簡略化される。保護要素は、特に、コンタクトスタッドの周りに位置するリングとすることができる。リングは、閉じた要素であるため、移動させるときに外れるおそれがない。
【0011】
有利な実施形態では、第1のセクションは、コンタクトスタッドのうち、挿入方向に沿って一定の断面を有する部分上に位置し、保護要素は、その部分の断面に適合されたリングであり、リングは、その部分に沿って可動である。これにより、容易な移動が可能になる。一定の断面のため、リングは移動させるときに緩まない。逆に、リングは、画定された位置をとる。リングは、コーティングを損傷せず、わずかな力による簡単な移動が可能である。代替手段として、リングは、ばねのように弾性的に歪みうる部分を有することができる。
【0012】
コンタクトスタッドは、挿入方向に直交して突出する突出部を備えることができる。これにより、たとえば係止接続またはポジティブフィットをもたらすことによって、端子への安全な接続を可能にすることができる。そのような突出部はまた、コンタクト区域を封止するのに役立つことができる。
【0013】
突出部は、コンタクトスタッドの円周を通ることができる。突出部は特に、リムとすることができる。これにより、円周全体における良好な力の分配が可能になる。
【0014】
突出部は、挿入方向に直交する方向に、多くても第1のセクションと同じ大きさまで突出することができる。そのような構成では、特に突出部がコンタクトスタッドの前面セクションに対して第1のセクションより向こうに位置する場合、端子内へのコンタクトスタッドの容易な挿入が可能になる。第1のセクションと突出部との間に、中間セクションが位置することができる。この中間セクションは、特に、チャネルとすることができ、その結果、突出部は、コンタクトスタッドの残り部分から離れて第1のセクションよりさらに突出しない。
【0015】
有利な実施形態では、第1のセクションは、挿入方向の周りで円筒形である。したがって、すべての回転位置における容易な接触が可能である。加えて、コンタクトスタッドは、組み立てられた状態で、端子内で回転することができる。
【0016】
コンタクトスタッドは、回転対称性を有することができ、その結果、車体へのコンタクトスタッドの取付けおよび/またはコンタクトスタッド内の端子の取付けが容易になり、回転位置に注意する必要はなくなる。
【0017】
コンタクトスタッドは、接続セクションの端部で挿入方向に沿って突出する検出突出部を備えることができる。そのような検出突出部は、たとえばセンサまたは目視検査によってコンタクトスタッドの存在を検出する働きをすることができる。検出突出部は、外部検出要素に接触するように構成することができる。
【0018】
コンタクトスタッドは、車体に溶接されるように構成することができる。コンタクトスタッドは、溶接セクションを備えることができる。
【0019】
コンタクトスタッドは、リベット状の接続によって車体に取り付けられるように構成することができる。コンタクトスタッドは、変形して2つの対向する部分間に車体の金属板を受容するように構成されたセクションを備えることができる。
【0020】
コンタクトスタッドおよび端子は、接地接続をもたらすように構成および使用することができる。代替手段では、コンタクトスタッドおよび端子は、非接地接続、たとえばシステムに電圧を供給する電源接続をもたらすように構成および使用することができる。
【0021】
大きいコンタクト区域および画定された方向、特に金属板に直交する方向で、車体の金属板へのコンタクトスタッドの取付けを可能にするために、コンタクトスタッド上にフランジが位置することができる。フランジはまた、互いに対する2つの安全な位置決めのために、端子上の相手フランジに接触する働きをすることができる。
【0022】
端子は、2つ以上のコンタクト面を備えることができ、これらのコンタクト面は、挿入方向の周りで円筒形に位置する。したがって、すべての回転位置における容易な接触が可能になり、取付けが簡略化される。当然ながら、この利点を実現するために、単一のコンタクト面を円筒形にすることもできる。しかし、2つ以上のコンタクト面が存在する場合、より小さいばね力によるコンタクト面の歪みを可能にすることができる。
【0023】
端子は、レセプタクル内へ突出する突出要素を備えることができ、突出要素は、開口とコンタクトばねとの間に位置する。この突出要素は、コンタクトスタッドの保護要素を特に自動的に動かしまたは移動させる働きをすることができる。突出要素は、レセプタクルと一体とすることができ、またはレセプタクル内へ挿入されて保持される要素とすることができる。突出要素は、たとえば、レセプタクル内の円筒形チャネル内に位置する金属リングとすることができる。保護要素はまた、後に端子内でコンタクトスタッドを中心合わせし、かつ/またはコンタクトスタッドと端子との間に封止を提供するように構成することができる。
【0024】
好ましくは、端子は、コンタクト面が位置するコンタクト空間を封止する少なくとも1つのシールを備えることができる。したがって、コンタクト空間は、たとえば水および/または塵の侵入から保護される。シールは、追加の機能を提供するように構成することができる。たとえば、シールは、封止すると同時に、たとえばコンタクトスタッドおよび/または端子上の1つまたは複数の突出部間のフォームフィットによってコンタクトスタッドへの端子の固定を提供するように構成することができる。
【0025】
端子は、ケーブル、特に接地ケーブルのワイアに圧着するように構成することができる。このため、端子は、ケーブルのワイアに圧着するように構成された圧着セクションを備えることができる。当然ながら、ケーブルを取り付ける他の方法も可能である。
【0026】
端子は、端子または車体上の相手フランジに接触するフランジを開口に備えることができる。そのようなフランジは、安定した位置決めを可能にしかつ/または封止機能を提供することができる。
【0027】
レセプタクルは、任意の回転位置における容易な取付けおよび/または端子内でのコンタクトスタッドの回転を可能にするように円筒形とすることができる。
【0028】
端子は、第1の開口とは反対側に第2の開口を備えることができ、第2の開口は、レセプタクル内のコンタクトスタッドの存在を検出するように構成される。検出は、たとえば、検出器もしくはセンサによって、または簡単に目視検査によって行うことができる。検出器は、たとえば、機械式検出器または光学式検出器とすることができる。
【0029】
コンタクトアセンブリ内で、コンタクトスタッドの第1のセクションおよび端子のコンタクトセクションは、コンタクトスタッドおよび端子の完全な嵌合位置で挿入方向に沿って同じ高さとすることができる。
【0030】
端子の封止リングが、完全な嵌合位置でコンタクトスタッドを端子内に固定することができる。したがって、封止リングは、封止および固定の2重の機能を提供する。固定は、ポジティブフィットに類似しているものとすることができ、封止リングは、弾性を有することができる。
【0031】
コンタクトアセンブリは、少なくとも完全な嵌合位置でコンタクトスタッドを端子にロックするロック部材を備えることができる。完全な嵌合位置で、ロック部材は、コンタクトスタッドと端子との間にポジティブフィットをもたらすことができる。ロック要素は、端子をコンタクトスタッドに係止することができる。端子およびコンタクトスタッドを完全な嵌合位置へ動かすとき、力、特にロック部材を少なくとも一時的に変形させる力をかけることが必要になることがある。したがって、ロック部材は、弾性材料から構成することができる。ロック部材は、完全な嵌合位置で、完全な嵌合位置へ動く必要のある中間位置の場合ほど圧縮されなくてよい。端子およびコンタクトスタッドを完全な嵌合位置から動かすとき、力、特にロック部材を少なくとも一時的に変形させる力をかけることが再び必要になることがある。
【0032】
加えて、ロック部材は、コンタクト区域を封止することができ、2重の機能を実現する。ロック部材は、たとえば、封止リングとすることができる。
【0033】
端子の少なくとも1つの封止リングは、端子内でコンタクトスタッドを中心合わせまたは位置決めすることができ、その結果、この場合も2重の機能が提供される。
【0034】
コンタクトスタッドおよび端子は、互いに回転可能とすることができ、その結果、2つの容易な取付けおよび/または取付け後の回転が可能になる。
【0035】
コンタクトスタッドおよび/または端子は、それぞれ様々な異なる端子またはコンタクトスタッドとともに使用可能となるように、標準化されたインターフェースおよび形状を有することができる。
【0036】
以下、本発明について図を参照して例示的に説明する。実施形態および有利な発展形態は、互いに独立しており、自由に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】第1のセクション上に保護要素を有するコンタクトスタッドの概略斜視図である。
図2】挿入方向に沿って移動した保護要素を有するコンタクトスタッドの概略斜視図である。
図3】端子の概略斜視分解図である。
図4】端子の概略斜視断面図である。
図5】コンタクトスタッドとともに示す端子の概略斜視分解図である。
図6】コンタクトスタッドとともに示す端子の概略斜視部分断面図である。
図7】コンタクトスタッドを端子に取り付ける第1のステップの概略部分断面図である。
図8図7に示すステップの斜視部分断面詳細図である。
図9】コンタクトスタッドを端子に取り付ける第2のステップの概略部分断面図である。
図10図9に示すステップの斜視部分断面詳細図である。
図11】コンタクトスタッドを端子に取り付ける第3のステップの概略部分断面図である。
図12】端子の2つの側面図である。
図13】コンタクトスタッドの2つの側面図である。
図14】端子の代替実施形態の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1および図2に、本発明によるコンタクトスタッド1を示す。この例では、コンタクトスタッド1は、車体Cへの接地接続を提供する働きをする。説明を簡単にするために、車体Cはここでは図示しない。他の応用例では、コンタクトスタッド1は、電力接続または信号接続を提供する働きをすることができる。車体Cは、コンタクトスタッド1の基礎セクション6に取り付けられる。このため、コンタクトスタッド1は、リベット状に変形することができる変形セクション19を備える。
【0039】
フランジ18が、車体Cの金属板に90°直交する垂直位置でコンタクトスタッド1を維持する働きをする。
【0040】
この実施形態に示す変形による取付けに対する別法として、コンタクトスタッド1を車体に取り付ける他の可能性も可能である。たとえば、コンタクトスタッド1は、車体Cに溶接することもできる。
【0041】
コンタクトスタッド1は、挿入方向5に沿って接地端子20内へ挿入されるように構成された接続セクション3をさらに備える。図1Aに示す最初の位置で、コンタクトセクション3の第1のセクション11は、コーティングによって被覆されないように保護される。コンタクトスタッド1が車体Cに取り付けられた後、コンタクトスタッド1を含む車体C全体が、コーティング7で被覆される。しかし、保護要素2は、被覆されないように第1のセクション11を保護し、その結果、たとえば図2に示す後の段階で、保護要素2が最初の位置から離れる方へ移動されたとき、第1のセクション11で電気的接触が可能になる。第1のセクション11以外では、コンタクトスタッド1は絶縁コーティング7で被覆される。
【0042】
保護要素2は、挿入方向5に沿って移動可能である。保護要素2は、コンタクトスタッド1が端子20内へ挿入されるとき、第1のセクション11から離れる方へ自動的に移動する。このプロセスの詳細は、後述する。
【0043】
第1のセクション11は、コンタクトスタッド1のうち、挿入方向5に沿って一定の断面を有する部分8上に位置する。保護要素2は、部分8の断面に適合されたリング9として実施される。リング9としての実施形態には、保護要素2が最初の位置から離れる方へ移動するときに外れないという利点がある。したがって、保護要素2は、他の部分内の誤りにつながる可能性がない。一定の断面のため、リング9はまた、自由に動かずに保持され、その結果、ノイズが回避される。
【0044】
リング9は、過度の力なく動かして移動させることができる。さらに、リング9は、部分8上のコーティング7を損傷しない。
【0045】
コンタクトスタッド1は、最後の位置でコンタクトスタッド1を端子20内に係止する働きをする突出部10をさらに備える。この詳細は後述する。
【0046】
コンタクトスタッド1は、挿入方向5に対して平行な軸の周りで回転対称である。そのため、コンタクトスタッド1の回転位置が問題ではなくなるので、取付けを簡略化することができる。さらに、コンタクトスタッド1は、組み立てられた後、端子20内で回転することができる。
【0047】
図3および図4に、端子20をより詳細に示す。端子20は、接地ケーブルに圧着するように構成された圧着セクション29を備える。当然ながら、溶接またははんだ付けのようなケーブルを取り付ける他の可能性も可能である。
【0048】
端子は、コンタクトスタッド1を受容するように構成されたレセプタクル22を備える。レセプタクル22は、開口31を有し、コンタクトスタッド1は、開口31を通って端子20に入る。レセプタクル22内には、コンタクトばね24が位置する。コンタクトばね24は、コンタクトスタッド1の第1のセクション11への電気的接続をもたらすためにレセプタクル22内へ内向きに突出するいくつかのコンタクト面21を有する。
【0049】
コンタクト面21は、挿入方向5に対して平行な軸の周りで円筒形に位置し、その結果、回転取付け位置は、任意とすることができ、コンタクトスタッド1に対する端子20の回転が可能になる。レセプタクル22は、内側および外側で略円筒形である。
【0050】
金属リング26の形の突出要素25が、レセプタクル22内へ突出する。突出要素25は、コンタクトスタッド1の保護要素2を第1のセクション11から離れる方へ移動させる働きをする。突出要素25は、レセプタクル22の内壁内のチャネル33または凹部34内に位置する。
【0051】
端子20は、挿入方向5に直交して突出するフランジ30を備え、フランジ30は、安定した取付けを確保する。
【0052】
さらに、端子20は、コンタクトスタッド1が端子20に完全に取り付けられた後にコンタクト空間28を封止する封止リングの形の2つのシール27を備える。
【0053】
第1の開口31の反対側に位置する第2の開口32は、端子20内へのコンタクトスタッド1の位置を検査する働きをする。たとえば、センサを使用して、正しい位置決めを検出することができる。
【0054】
図5および図6に、コンタクトスタッド1および端子20をともに示す。図6では、コンタクトスタッド1および端子20は完全に嵌合されている。コンタクト面21を介してコンタクトスタッド1の第1のセクション11に接触するコンタクトばね24を介して、コンタクトスタッド1と端子20との間の電気的接触が実現される。
【0055】
コンタクトスタッド1および端子20のフランジ18および30が互いに当接し、それによって確実な機械的位置を提供する。
【0056】
図7〜11に、端子20内にコンタクトスタッド1を取り付ける3つのステップを示す。
【0057】
図7および図8で、コンタクトスタッド1は、レセプタクル22内へ部分的に挿入されている。突出部10は、コンタクト面21と機械的に接触している。しかし、車体Cおよび取り付けられたコンタクトスタッド1上に塗布された塗料またはラッカーのような絶縁コーティングで突出部10が被覆されているため、2つの間に電気的接続は存在しない。図7には、車体Cを破線で示す。これは、車体Cの位置のみを示す。変形セクション19の変形は図示しない。
【0058】
保護要素2はそれでもなお、第1のセクション11の上に位置する。
【0059】
突出部10は、コンタクトスタッド1の残り部分から挿入方向5に直交する方向15に、第1のセクション11が位置する部分8よりさらに突出しないため、コンタクトばね21へのコンタクトスタッド1の挿入は、コンタクトばね21を損傷することなくわずかな労力で行うことができる。チャネル16として実施される中間セクション12は、突出部10が部分8よりさらに突出しないことを可能にする。
【0060】
図9および図10で、コンタクトスタッド1は、端子20内へさらに挿入されている。保護要素2は、挿入方向5とは逆方向に、第1のセクション11より上のその最初の位置から、さらに下方の位置へ移動されている。これは、保護要素2に直接接触する突出要素25によって行われる。上部シール27Aはまだ、突出部10の上へ動かされていない。上部シール27Aはむしろ、部分的に円錐形の位置決めセクション36に位置し、位置決めセクション36は、挿入プロセス中にコンタクトスタッド1を端子20内で位置決めする働きをする。端子20は、コンタクトスタッド1に緩く接続されただけである。
【0061】
コンタクト面21は、部分8と中間セクション12との間に位置する遷移セクション35に位置する。遷移セクション35は、部分的に円錐形である。
【0062】
図9および図10には、ロック前の位置Pを示す。端子20およびコンタクトスタッド1を図11の完全な嵌合位置F内へ動かすには、力をかけて、上部シール27Aによって形成されたロック部材41を圧縮する必要がある。ロック部材41は、突出部10の上へ押し付けなければならない。完全な嵌合位置Fおよびロック前の位置Pにある場合よりロック部材41が圧縮されているこの中間位置は、詳細には図示しない。
【0063】
図11には、挿入プロセスの第3のステップならびに端子20およびコンタクトスタッド1の完全な嵌合位置Fを意味する端子20内のコンタクトスタッド1の最後の位置を示す。ロック部材41はここで、端子20をコンタクトスタッド1にロックする。端子20とコンタクトスタッド1との間のポジティブフィットが、ロック部材41によってもたらされる。端子20およびコンタクトスタッド1を完全な嵌合位置Fから動かすには、力をかけてロック部材41を変形させる必要がある。
【0064】
コンタクトスタッド1の第1のセクション11および端子20のコンタクト面21は、この完全な嵌合位置で挿入方向5または挿入方向に対して平行な高さ方向23に沿って同じ高さである。
【0065】
コンタクトスタッド1の第1のセクション11はここで、端子20のコンタクト面21に電気的に接触している。ここで、第1のセクション11およびコンタクト面21を介して、車体Cへの端子20に取り付けられたケーブルの接地が可能である。
【0066】
さらに、上部シール27Aはここで、リム14として実施される突出部10の後ろに位置する。したがって、突出部10は、コンタクトスタッド1をコンタクト端子20に対して固定するラッチ13として働く。これは、上部シール27Aを介した端子22およびコンタクトスタッド1のポジティブフィット状の接続のために可能になる。
【0067】
リング9の形の保護要素2は、その最後の位置にある。この最後の位置で、保護要素2はまた、コンタクト1を端子20に対して位置決め、特に中心合わせする位置決め要素として働くことができる。
【0068】
上部シール27、27Aおよび下端部に位置する第2のシール27はここで、コンタクト面21および第1のセクション11が位置するコンタクト空間28を封止する。
【0069】
検出突出部17が、コンタクトスタッド1の前面部分から挿入方向5に突出する。検出突出部17は、端子20から突出しており、たとえば機械または操作者によって、端子20内でのコンタクトスタッド1の正しい位置決めを検出するために使用することができる。
【0070】
コンタクトスタッド1および端子20は、挿入方向5に対して平行な回転軸の周りで互いに回転可能である。
【0071】
図12Aおよび図12B図12)に、端子20のさらなる側面図を示す。
【0072】
図13Aおよび図13B図13)に、コンタクトスタッド16のさらなる側面図を示す。図13Bには、この場合もコンタクトスタッド1に取り付けられた車体Cを示す。
【0073】
図14に、端子20のさらなる実施形態を示す。この端子20は、小さいワイアの接続を可能にする接合コネクタ50に取り付けられる。
【0074】
図1〜13Bのコンタクトスタッド1は、図14の端子20とともに使用することもできる。コンタクトスタッド1は、様々な異なる端子20とともに使用することができる標準化された形状を有することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 コンタクトスタッド
2 保護要素
3 接続セクション
5 挿入方向
6 基礎セクション
7 コーティング
8 コンタクトスタッドの部分
9 リング
10 突出部
11 第1のセクション
12 中間セクション
13 ラッチ
14 リム
15 挿入方向に直交する方向
16 チャネル
17 検出突出部
18 フランジ
19 変形セクション
20 端子
21 コンタクト面
22 レセプタクル
23 高さ方向
24 コンタクトばね
25 突出要素
26 金属リング
27 シール
20A 上部シール
28 コンタクト空間
29 圧着セクション
30 フランジ
31 開口
32 第2の開口
33 チャネル
34 凹部
35 遷移セクション
36 位置決めセクション
40 コンタクトアセンブリ
41 ロック部材
50 接合コネクタ
C 車体
F 完全な嵌合位置
P ロック前の位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14