(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献の作業車両では、前記切換機構をブレーキペダルの踏板側に設けたことにより、比較的に小型の走行機体に用いられるフロアステップの下側にブレーキペダル軸が配置されたブレーキペダルであっても、ペダル本体部側に左右のブレーキペダルの片ブレーキ防止状態と片ブレーキ可能状態との切換えることができるものであるが、前記切換具が踏板側に設けられるため、オペレータによる踏込み操作時に泥等が付着し易く、別途にカバー体を設けたり定期的にメンテナンスをしたりする必要がある他、踏板側が大型化してオペレータの足元側のスペースが狭くなる場合があるという課題がある。
【0005】
本発明は、フロアステップの下側にブレーキペダル軸が配置された左右のブレーキペダルを備え、左右の走行部の一方のみに制動力を作用させる片ブレーキ操作が可能な作業車両において、左右のブレーキペダルを連結・連結解除を切換える切換機構をよりコンパクトに配置することのできる作業車両を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、第1に、左右の走行部2,2の一方のみに制動力を作用させる片ブレーキ操作が可能な作業車両であって、フロアステップ12よりも下方位置に配置された左右方向のブレーキペダル軸21を支点として上下揺動可能に支持され且つ前記ブレーキペダル軸21側の基端部22から前方且つ上方に突出形成されて先端部が前記フロアステップ12よりも上方に位置するアーム部23と、アーム部23の先端部に一体的に設置されたペダル本体部24とを有する左右一対のブレーキペダル14L,14Rと、左右一方側のブレーキペダル14の操作によって該左右一方側の走行部2に制動力を作用させるとともに、左右他方側のブレーキペダル14の操作によって該左右他方側の走行部2に制動力を作用させる制動装置15と、前記左右のブレーキペダル14を連結することによって該左右のブレーキペダル14が一体的に操作される片ブレーキ防止状態と、前記左右のブレーキペダル14の連結を解除することによって該左右のブレーキペダル14が各別に操作可能な片ブレーキ可能状態との何れかへの切換を行う切換機構20とを備え、前記切換機構20を前記ブレーキペダル軸21の
真後ろ側に配置し
、前記切換機構20は、上下方向の連結アーム軸33aを支点とした前後回動によって前記片ブレーキ防止状態と前記片ブレーキ可能状態との切換を行う連結アーム33を有し、前記ブレーキペダル軸21の外周面側には、前記連結アーム33の後方への回動範囲を規制する規制部22bを形成したことを特徴としている。
【0007】
第2に、前記連結アーム33による前記片ブレーキ防止状態と前記片ブレーキ可能状態との切換えを操作する操作具17を設け、前記連結アーム軸33aを左右内側に位置するブレーキペダル14L寄りに配置し、前記連結アーム33における前記連結アーム軸33aの左右内側にワイヤ39を連結し、該ワイヤ39を含む連係機構によって、前記連結アーム33と、前記操作具
17とが連結されたことを特徴としている。
【0008】
第3に、前記連結アーム33が前記連結アーム軸33aによって前後回動可能に取付支持される取付部32がキューブ状に成形され、該取付部32を左右一方側のブレーキペダル14L側に固定したことを特徴としている。
【0009】
第4に、少なくとも一方のブレーキペダル14Rにおける前記ブレーキペダル軸21側には、該ブレーキペダル軸21を支点に前記アーム部23と一体で上下揺動する被連結アーム34が、後方に突出した状態で設けられ、前記被連結アーム34は、前記切換機構20による連結・連結解除に対象であり、前記被連結アーム34及び前記切換機構20の下方をカバーするカバー体36を設け、該カバー体36は、被連結アーム34の側面に付着した付着物を掻き落すスクレーパ部を有することを特徴としている。
【0010】
第5に、前記切換機構20を、前記左右のブレーキペダル14Lの一方側に集中的に配置したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
フロアステップの下側に前記ブレーキペダル軸が配置される左右のブレーキペダルにより、左右の走行部の一方のみに制動力を作用させる片ブレーキ操作が可能な作業車両において、左右のブレーキペダルの片ブレーキ防止状態と片ブレーキ可能状態とを切換える前記切換具を前記ブレーキペダル軸の後方に配置したことにより、フロアステップ下方のスペースを有効に活用して前記切換具を配置できるとともに、オペレータの足元周辺となるペダル本体部周りをコンパクトにすることができる。
【0012】
また、前記切換機構を、前記ブレーキペダル軸の真後ろ側に配置したものによれば、切換機構の可動範囲を狭くできるため、よりコンパクトに構成することができる。
【0013】
また、前記切換機構は、上下方向の連結アーム軸を支点とした前後回動によって前記片ブレーキ防止状態と前記片ブレーキ可能状態との切換を行う連結アーム(33)を有するものによれば、切換機構の構成がシンプルになるため、組付作業が容易になるとともに、メンテナンス性も良好になる。
【0014】
なお、前記ブレーキペダル軸の外周面側には、前記連結アームの後方への回動範囲を規制する規制部を形成したものによれば、規制部が連結アームの近傍に配置されることにより、連結アームの可動範囲がより狭くなるため、組付時の作業性がより向上する。
【0015】
また、前記ブレーキペダル軸側に支持ブラケットが配置され、前記連結アームは、前記支持ブラケット側に支持され、前記支持ブラケットには、前記連結アームの前方への回動範囲を規制する規制部が形成され、前後の規制部により前記連結アームを挟んで該連結アームの回動範囲を定めたものによれば、規制部用の部材を別途に設ける必要がないため、部品点数が削減されてコストを低く抑えることができる。
【0016】
また、前記連結アームによる前記片ブレーキ防止状態と前記片ブレーキ可能状態との切換えを操作する操作具を設け、前記連結アーム軸を左右内側に位置するブレーキペダル寄りに配置し、前記連結アームにおける前記連結アーム軸の左右内側にワイヤを連結し、該ワイヤを含む連係機構によって、前記連結アームと、前記操作具とが連結されたものによれば、前後作動する連結アームの作動方向に合わせて前後方向にワイヤを配置できるため、連係機構の構成を簡素化できる。
【0017】
なお、前記連結アームが前記連結アーム軸によって前後回動可能に取付支持される取付部がキューブ状に成形され、該取付部を左右一方側のブレーキペダル側に固定したものによれば、切換具の組付精度が向上するとともに、組付作業時の手間も少なくなる。
【0018】
また、少なくとも一方のブレーキペダルにおける前記ブレーキペダル軸側には、該ブレーキペダル軸を支点に前記アーム部と一体で上下揺動する被連結アームが、後方に突出した状態で設けられ、前記被連結アームは、前記切換機構による連結・連結解除に対象であり、前記被連結アーム及び前記切換具の下方をカバーするカバー体を設け、該カバー体は、被連結アームの側面に付着した付着物を掻き落すスクレーパ部を有するものによれば、切換機構の下方全体を覆うカバー体がスクレーパ部を兼用するため、部品点数が削減されてコストを低く抑えることができる。
【0019】
また、前記切換機構を、前記左右のブレーキペダルの一方側に集中的に配置したものによれば、組付け作業がより容易になる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明を適用したトラクタの側面図であり、
図2は、操縦部を示した要部斜視図であり、
図3は、ブレーキ操作ユニットの構成を示した要部斜視図である。本トラクタは、左右一対の前輪1,1及び駆動輪である後輪2,2とによって支持される機体フレーム3と、該機体フレーム3の前側に設置されたエンジンの上面側をカバーするボンネット4と、該ボンネット4の後方に配置されてオペレータが操縦等を行う操縦部6とを備えた走行機体7が構成されており、該走行機体7の後方側は、昇降リンク8を介してロータリ耕運機等の作業機(図示しない)を昇降可能に連結することができる。
【0022】
前記駆動輪2の動力は、ミッションケースからリヤアクスルケース(図示しない)を介して左右の後輪2,2へと伝動される。該リヤアクスルケースには、左側の後輪2を制動作動する左ブレーキ機構(図示しない)と、右側の後輪2を制動作動する右ブレーキ機構(図示しない)とを備え、左右のブレーキ機構は、作業走行時に旋回内側の駆動輪2を制動作動することにより、小回り旋回可能に構成されている。
【0023】
前記操縦部6は、オペレータが着座する座席9と、該座席9の前方側に配置された操向操作具であるステアリングハンドル11と、該ステアリングハンドル11の下方側の床面となるフロアステップ12とを備え、該フロアステップ12側には、座席9に着座したオペレータが操作する複数のペダル操作具が設けられている。
【0024】
前記ペダル操作具としては、左右一方側(図示する例では右側)に配置され、左右の駆動輪2,2の制動を操作するブレーキ操作ユニット15と、左右他方側(図示する例では左側)に配置されて、エンジン側から伝動する動力の断続操作をするクラッチペダル16とが設けられている。
【0025】
前記ブレーキ操作ユニット15は、左側の駆動輪2をブレーキ操作する左ブレーキペダル14Lと、右側の駆動輪2をブレーキ操作する右ブレーキペダル14Rとを有し、後述する切換機構20によって、左右のブレーキペダル14L,14Rが同時に踏込み操作される片ブレーキ防止状態と、左右のブレーキペダル14の連結を解除して別途に踏込み操作可能な片ブレーキ可能状態とに切換え可能に構成されている。
【0026】
また、前記クラッチペダルの左右内側には、前記切換機構20を介して、前記片ブレーキ防止状態と、片ブレーキ可能状態との切換を操作する切換操作具(操作具)17が設けられている(
図2参照)。
【0027】
さらに、該切換操作具17の上方側には、上下揺動操作することにより、左右一方側のブレーキペダル14が踏込み操作された状態に切換えることのできる片ブレーキレバー18が設けられ、該片ブレーキレバー18の右方側には、左右のブレーキペダル14を一体的に踏込み操作された状態に操作することができる駐車ブレーキレバー19が設けられている。
【0028】
次に、
図2及び
図3に基づき、ブレーキ操作ユニット15について説明する。
図3は、ブレーキ操作ユニットの構成を示した要部斜視図である。前記ブレーキ操作ユニット15は、左右一対の前記ブレーキペダル14L,14Rと、一対のブレーキペダルの連結・連結解除を行う前記切換機構20と、ブレーキペダル14の踏込み操作によって対応する側の駆動輪2が制動作動するように連係する連係機構とを備えている。
【0029】
前記ブレーキペダル14L,14Rは、左右方向に延設されたブレーキペダル軸に挿通支持されるボス状の基端部22と、該基端部22から前方に延設されるとともに、中途部から上方側に延設されるように屈曲形成されたペダルアーム23と、該ペダルアーム23の先端側に一体的に設置されたペダル本体部24とから構成され、前記ブレーキペダル軸21の右端側に上下揺動可能に支持されている。
【0030】
各基端部22,22の上面側には、上方側に延設された揺動片22aが設けられており、各揺動片22a,22aには、後方側へ付勢する圧縮スプリング26,26の一端側が係止されている。これにより、左右のブレーキペダル14L,14Rは、上方揺動された一対の駆動輪2の制動作動が実行されない非操作位置で保持される。
【0031】
該構成のブレーキペダル14は、前記圧縮スプリング26の付勢力に抗してペダル本体部24が踏込み操作されることにより、左右の駆動輪2がブレーキ作動されるように構成されており、踏込み操作されるペダル本体24とペダルアーム23の上端側以外をフロアステップ12の下側に配置されるため、操縦部6のペダル操作具側のスペースをより大きくとることができる。
【0032】
前記連係機構は、左ブレーキペダル14Lの踏込み操作によって前記左ブレーキ機構を作動させる左ブレーキ連係機構28と、右ブレーキペダル14Rの踏込み操作によって前記ブレーキ機構を作動させる右ブレーキ連係機構27とから構成され、各ブレーキペダルの踏込み操作に応じて、対応する側の駆動輪2を制動作動することができる。
【0033】
該右ブレーキ連係機構27は、右ブレーキペダル14Rの基端部22の右端側に、前記揺動片と並べて上方に突出された連係片29と、該連係片29に前端側が連結されて前後方向に押引き操作される連係ロッド30とを介して、前記右ブレーキ機構を操作するように構成されている。
【0034】
該左ブレーキ連係機構28は、前記ブレーキペダル軸21の左端側で上方に突出されて左ブレーキペダル14Lの基端部22と一体回転する連係片10と、該連係片10に前端側が連結されて前後方向に押引き操作される連係ロッド25とを介して、前記左ブレーキ機構を操作するように構成されている。
【0035】
また、前記ブレーキペダル14の基端部22後方側には、前記切換操作具17によって左右のブレーキペダル14を片ブレーキ防止状態と、片ブレーキ可能状態とに切換える切換機構20が設けられている。以下、切換機構20の具体的な構成に説明する。
【0036】
次に、
図4乃至
図10に基づき、前記切換機構20について説明する。
図4乃至
図6は、切換機構を示した右後方斜視図、左後方斜視図、底面後方斜視図であり、
図7及び
図8は、切換機構を示した側面斜視図であり、
図9は、切換機構の分解図であり、
図10(A)乃至(D)は、左右のブレーキペダルの構成を示した平面図、斜視図、背面図、側面図である。
【0037】
前記切換機構20は、左ブレーキペダル14Lの基端部22後部側から後方に向かって延設される支持プレート31と、該支持プレート31の左右外側(図示する例では右側)の面に一体的に固着されたキューブ状(立方体状)の支持体32と、該支持体32に前後揺動可能に支持される連結アーム(切換具)33と、右ブレーキペダル14Rの基端部22後部側から後方に向かって延設されて前方揺動されて後方が開放される凹部34aが形成された被連結片34と、連結アーム33の下方側をカバーするカバー体36とを備えている。
【0038】
前記連結アーム33は、前後揺動する際の軸となる軸部33aと、該軸部の左右外側(右側)に延設されて前記被連結片34の凹部34aに挿脱される連結部33bと、軸部33aの左右内側(左側)に延設された箇所に上方向かって突出形成された棒状の操作片33cとを備え、前記支持体32に形成された挿通孔に前後揺動可能に取付けられている(
図3参照)。これにより、該連結アーム33はブレーキペダル軸21の後方側で前後揺動されるように構成されている。
【0039】
該操作片33cの下部側には、圧縮スプリング37の一端側が係止され、該圧縮スプリング37の他端側は前記支持プレート31の後端側に設けた係止ピン38に係止されている。該圧縮スプリング37の付勢力により、連結アーム33の連結部33b側が前記凹部34a内に位置する連結位置側に向けて付勢される。これにより、連結部33bが連結位置に揺動されると、ブレーキペダル14の踏込み操作時に連結アーム33と被連結片34とが当接するため、左右のブレーキペダル14L,14Rが必ず同時に踏込み操作される片ブレーキ防止状態となる。
【0040】
その一方で、前記操作片33cの上部側には、前方に向かって配設される操作ワイヤ(ワイヤ)39が連結されている。該操作ワイヤ39は、前記切換操作具17により前記圧縮スプリング37の付勢力に抗して前方に引っ張り操作されることにより、連結アーム33の連結部33b側が前記凹部34a内から外れた連結解除位置へ後方揺動操作できるように構成されている。これにより、該操作ワイヤ39を介して連結部33bが連結解除位置に操作されると、左右のブレーキペダル14L,14Rの連結が解除されて、各別に踏込み操作することができる片ブレーキ可能状態となる。
【0041】
なお、上記構成の連結アーム33は、軸部33aが設けられる支持体32が左ブレーキペダル14Lの基端部22と、右ブレーキペダル14Rの基端部22との間であって且つ後方近傍に配置されるため、連結アーム33の前後揺動による可動範囲を小さくすることができるため、切換機構20全体をよりシンプル且つコンパクトに構成することができる(
図3参照)。
【0042】
ちなみに、左ブレーキペダル14L側の基端部22の後部側には、連結アーム33の連結部33bと反対側と当接することによって、連結アーム33が後方揺動する側の可動範囲を規制する規制部22bが形成され、前記支持プレート31の後部側には、連結アーム33の連結部33bと反対側と当接することによって、連結アーム33が前方揺動する側の可動範囲を規制する規制部31aが形成されている。
【0043】
すなわち、前記連結アーム33の前後揺動が可能な範囲を設定する前後一対の規制部22b,31aを、左ブレーキペダル14Lの基端部22と、支持プレート31とに形成したことにより、規制部22a,31aを構成するための専用の部品を設ける必要がないため、部品点数が削減されてコストを低く抑えることができる。
【0044】
前記操作ワイヤ39は、機体側に取付け固定されるアウタワイヤ41と、該アウタワイヤ41内に挿通されるインナワイヤ42とを備え、切換操作具17と前記連結アーム33とを連係可能に構成されている。該アウタワイヤ41の連結アーム33側の端部は、前記左ブレーキペダル14L側の基端部22の前部側から前方に向かって突出されたL字状の支持片43に取付固定され(
図4等参照)、該アウタワイヤ41の切換操作具17側の端部は、切換操作具17の近傍で走行機体側に取付固定されている(図示しない)。
【0045】
すなわち、前記切換操作具17は、上下揺動可能に構成されており、該切換操作具17が下方操作された場合には、前記操作ワイヤが前方に引っ張り操作されるため、左右のブレーキペダルが同時に踏込み操作される片ブレーキ防止状態に切換えられ、該切換操作具が上方操作された場合には、前記操作ワイヤが連結アームを引っ張らないため、左右のブレーキペダルが各別に踏込み操作できる片ブレーキ可能状態に切換えられる。
【0046】
前記支持体32は、キューブ状に形成され、その上面側で前記連結プレート33が前後揺動されるように構成されるため、連結プレート33の前後揺動がより安定するとともに、支持体32側への連結プレート33の組付作業や、メンテナンス作業もスムーズにできるようになる。
【0047】
また、該支持体32は、支持プレート31側に一体的に固着されることにより、左ブレーキペダル14Lの基端部22と、支持プレート31と、支持体32とが一体的に構成されているため、組付作業が容易になるとともに、組付精度と強度も向上する。
【0048】
前記カバー体34は、板状部材の左右両端が上方に向かって折曲げられた左壁部34aと、右壁部34bとを有し、上方及び前後方向が開放されたコ字状に形成され、左壁部34a側が前記支持プレート側にボルト固定可能に構成されている(
図3等参照)。また、該左壁部34a側には、前記左ブレーキペダル14の基端部22側から支持プレート31の左面側に向けて後方傾斜するように形成された傾斜片35を避ける切欠部34cが形成されている。
【0049】
該構成によれば、前記カバー体34により前記切換機構20の左右両側が泥で汚れることを防止できるとともに、切換機構20の前方は左右のブレーキペダル14L,14Rの基端部22によって覆われることにより、圃場の泥の付着を防止できるため、泥の付着によって連結アーム33の動きが悪くなることを予防できる。また、該カバー体34の前後が開放されることにより、カバー体34の内側に泥が付着した場合であっても容易に泥を掻き出すことができるため、掃除等のメンテナンス性も良好となる。
【0050】
さらに、該カバー体34は、上方に向かって立上げ形成された左壁部34aと右壁部34bの上部側が、左右のブレーキペダル14L,14Rの基端部側に付着した泥を掬いとるスクレーパとしても機能する。以上より、前記カバー体34は、簡素な構成で十分な泥避けの効果を得ることができるとともに、スクレーパとしても機能するため、部品点数も削減されてコストをより低く抑えることができる。