(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上部に第1開口部を有し、更に、前部に第2開口部を有する本体ケースと、前記本体ケースの上部に第1開口部を覆うように設けられた天板と、前記本体ケースの内部に配置され、前記天板上の被加熱物を加熱する加熱手段と、前記本体ケースの前記第2開口部を覆うように設けられる前フレームとを備え、
前記前フレームは、前記本体ケース内に設けられた収納室と対向する面に前記第2開口部よりも小さい第3開口部を有し、
前記前フレームがキッチン台の前面開口部から臨むように、前記本体ケースがキッチン台の上面開口部から収容される加熱調理器において、
前記前フレームの左右の側板のうち前記第3開口部側の側板に支持され、当該側板と前記キッチン台の前面開口部の側面との間の隙間を覆うサイドカバーを備え、
前記前フレームの第3開口部側の側板には、当該側板を長手方向から切り起こして形成された切り起こし部と、前記隙間側に突出する突起部とが設けられ、
前記サイドカバーは、前記側板に対向する取付板を有し、当該取付板に前記切り起こし部に差し込む鉤部と、前記突起部が挿入される孔とが設けられ、
前記取付板の前記孔よりも下側に位置する板幅が、当該取付板の前記孔が設けられた板幅よりも狭く形成されている
ことを特徴とする加熱調理器。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態に係る加熱調理器の分解斜視図である。
【
図3】
図1に示す加熱調理器を備えたキッチン台の斜視図である。
【
図4】
図3に示す前フレームの第3開口部側およびサイドカバーの拡大斜視図である。
【
図5】
図4の前フレームにおける第3開口部側の側板を示す斜視図である。
【
図6】
図4に示すサイドカバーを裏側から見た斜視図である。
【
図7】
図5の前フレームに対しサイドカバーを傾けた状態を示す側面図である。
【
図8】
図7に続く前フレームとサイドカバーとの関係を示す側面図である。
【
図9】
図8に続いて、前フレームにサイドカバーを組み付けた状態を示す側面図である。
【
図10】
図9に示す前フレームおよびサイドカバーのA−A断面図である。
【
図11】
図9に示す前フレームおよびサイドカバーのB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本発明の実施の形態に係る加熱調理器の分解斜視図、
図2は
図1に示す本体ケースの拡大斜視図、
図3は
図1に示す加熱調理器を備えたキッチン台の斜視図である。
図1〜
図3において、本実施の形態に係る加熱調理器100は、本体ケース1と、収納庫4と、冷却ファンユニット5と、電源基板ユニット6と、天板8と、天板8に載置された被加熱物を加熱する加熱手段である例えば誘導加熱コイル7とを備えている。
【0010】
本体ケース1は、
図2に示すように、上部に第1開口部2および前部に手前側に突出する左右方向に長い第2開口部3を有する箱形状に形成されている。本体ケース1には、縦仕切板1aによって第1収納室1bと第2収納室1cとが設けられている。本体ケース1の背板1dの第2収納室1c側には、複数の穴によって形成された吸気口1eが設けられている。
【0011】
収納庫4は、
図1に示すように、第2開口部3側に開口部を有する箱形状に形成され、本体ケース1の第1収納室1bに収納されている。また、収納庫4は、第1収納室1bの上部に設けられた横仕切板1fによって覆われている。この収納庫4は、例えば、しゃもじ、へら、おろし金等の調理小物が収納される。冷却ファンユニット5と電源基板ユニット6は、第2収納室1cに収納されている(
図1参照)。冷却ファンユニット5は、空気を吸気口1eから吸引し、電源基板ユニット6を介して誘導加熱コイル7に送り込み、電源基板ユニット6と誘導加熱コイル7とを冷却する。
【0012】
天板8は、本体ケース1の第1開口部2を覆っている。この天板8は、例えば、四辺形に形成された結晶化ガラス9aと、結晶化ガラス9aの外周部にシリコン系接着剤等で固着された上フレーム9bとで構成されている。上フレーム9bは、例えばステンレスにより額縁状に形成され、本体ケース1の上部に設けられたフランジ部1gに固定されている。
【0013】
上フレーム9bの手前側の位置には、誘導加熱コイル7に対応して複数のキースイッチが配置された操作パネル10が設置されている。また、上フレーム9bの奥側の位置には、排気口カバー11で覆われた排気口が設けられている。この排気口は、電源基板ユニット6と誘導加熱コイル7とを冷却した空気を外部に排出する。
【0014】
誘導加熱コイル7は、横仕切板1fと天板8との間に配置され、天板8に載置された鍋等の被加熱物を誘導加熱する。なお、本実施の形態では、誘導加熱コイル7を2つとしているが、例えば、3つあるいは4つの誘導加熱コイル7を備えた加熱調理器でも良い。また、例えば、3つの誘導加熱コイル7のうち、1つをラジエントヒーターのような電熱線からなる輻射式加熱手段とし、残りの2つを誘導加熱コイル7としても良い。
【0015】
本体ケース1の前部には、
図1に示すように、第2開口部3を覆う前フレーム20が取り付けられている。前フレーム20は、正面の外形が本体ケース1の第2開口部3とほぼ同じ形状で、本体ケース1内に設けられた第1収納室(収納室)と対向する面に、第2開口部3よりも小さい第3開口部20aを有している。また、前フレーム20は、上下および左右の縁に第2開口部3側に折り曲げられた板形状の側板21を有している。前フレーム20の各側板21は、本体ケース1の第2開口部3の外周部に取り付けられている。
【0016】
前フレーム20の第3開口部20aを除く部分は、化粧板15によって覆われている。第3開口部20aは、収納庫4の開口部とほぼ同じ大きさで、引出部13を有する扉12によって開閉される。つまり、第3開口部20aは、収納庫4の開口部として使用される。引出部13は、上面が開口された箱形状に形成され、収納庫4の左右の側板に設けられた摺動部14によって前後に移動自在に収納庫4に収納される。
【0017】
前記のように構成された加熱調理器100は、
図3に示すように、前フレーム20がキッチン台200の前面開口部から臨むように、本体ケース1がキッチン台200の上面開口部から収容された組込式の加熱調理器である。この場合、天板8は、キッチン台200の上面開口部よりも大きく形成されているため、天板8がキッチン台200の上面開口部の縁に引っ掛かっており、本体ケース1をぶら下げた状態になっている。
【0018】
また、キッチン台200の前面開口部の左右方向の幅は、本体ケース1の前フレーム20の左右方向の幅よりも長く形成されているため、前フレーム20の両側には、それぞれ隙間が形成される。この両側の隙間は、
図3に示すように、前フレーム20に取り付けられた化粧板15とサイドカバー30とによって覆われている。サイドカバー30は、扉12が閉じられているときには扉12によって覆われ、扉12を手前に引いて第3開口部20aを開けたときに露出する。
【0019】
前述の扉12と化粧板15は、キッチン台200の正面には設けられた複数の引出用扉201と同一面で、引出用扉201と同じ色、同じ材料により形成されている。これにより、キッチン台200の正面は、意匠の統一が図られている。キッチン台200には、調理物の下ごしらえ等を行える平坦な調理スペース202、水あるいはお湯を供給する水栓器具203および洗い物等を行うシンク204が設けられている。
【0020】
ここで、前フレーム20の第3開口部20a側の側板21およびサイドカバー30の構造について、
図4〜
図6を用いて説明をする。
図4は
図3に示す前フレームの第3開口部側およびサイドカバーの拡大斜視図、
図5は
図4の前フレームにおける第3開口部側の側板を示す斜視図、
図6は
図4に示すサイドカバーを裏側から見た斜視図である。
【0021】
図4に示すように、前フレーム20の上下および左右の側板21のうち第3開口部20a側の側板21にサイドカバー30が取り付けられている。前フレーム20の第3開口部20a側の側板21には、
図5に示すように、側板21の長手方向を切り起こして形成された台形状の切り起こし部22、23と、キッチン台200の前面開口部の側面との間の隙間側に突出する突起部24とが設けられている。
【0022】
切り起こし部22、23は、側板21の長手方向の上下両端にそれぞれ設けられ、突起部24は、その側板21の上下両端に設けられた2つの切り起こし部22、23の間であって、切り起こし部23寄りに設けられている。また、突起部24は、頂点の周縁が丸く形成されたラウンド部24a(
図11参照)となっており、その頂点までの高さが切り起こし部22、23の高さよりも高くなっている。つまり、突起部24は、切り起こし部22、23より、側板21の面より突出している。
【0023】
更に、側板21の切り起こし部22と突起部24との間に2つの位置決め部25、26が設けられている。位置決め部25、26は、側板21の短手方向からの切り起こしにより三角形状に形成されている。この位置決め部25、26は、サイドカバー30と前フレーム20とが同一面となるようにするためである。
【0024】
サイドカバー30は、
図6に示すように、長手方向を縦とする長方形状のめくら板31と、めくら板31の横方向の一端から直角に折り曲げられた取付板32とで構成されている。その取付板32には、上端部32aと下端部32cとにそれぞれ下方へ延びる鉤部33、34が設けられ、上端部32aと下端部32cとの間の中央部32bに孔35が設けられている。この孔35は、前フレーム20の側板21に設けられた突起部24と対向する位置に設けられている。取付板32の上端部32aと中央部32bとの間および取付板32の中央部32bと下端部32cとの間の板幅W2(取付板32の横方向の幅)は、中央部32bの板幅W1よりも狭くなっている。その板幅W2は、プレス加工でせん断可能な最小の寸法である。
【0025】
次に、サイドカバー30を側板21に組み付けについて、
図7〜
図11を用いて説明する。
図7は
図5の前フレームに対しサイドカバーを傾けた状態を示す側面図、
図8は
図7に続く前フレームとサイドカバーとの関係を示す側面図、
図9は
図8に続いて、前フレームにサイドカバーを組み付けた状態を示す側面図、
図10は
図9に示す前フレームおよびサイドカバーのA−A断面図、
図11は
図9に示す前フレームおよびサイドカバーのB−B断面図である。
【0026】
先ず、前フレーム20に対して、サイドカバー30のめくら板31を手間側に向けて、
図7に示すように、サイドカバー30の取付板32の鉤部33側を手前側に傾け、側板21の切り起こし部23に取付板32の鉤部34を向ける。
【0027】
その後、
図8に示すように、その取付板32の鉤部34を側板21の切り起こし部23に挿入しながらサイドカバー30そのものを起こしていくと、側板21の突起部24に取付板32の中央部32bが接触する。更にサイドカバー30を起こすと共に、前フレーム20の側板21から離れる方向に傾けていくと、取付板32の中央部32bが側板21の突起部24を乗り上げてく。
【0028】
サイドカバー30を前フレーム20の側板21から離れる方向に傾けることができるのは、取付板32の中央部32bの下側の板幅W2が中央部32bの板幅W1よりも狭
く、撓みやすくなっているからである。また、突起部24の周縁がラウンド部24aとなっているため、容易に取付板32の中央部32bが側板21の突起部24を乗り上げることができる。
【0029】
そして、サイドカバー30を垂直に立ててサイドカバー30を下方へ下げると、
図9に示すように、取付板32の鉤部33が側板21の切り起こし部22に差し込まれると同時に。取付板32の鉤部34が側板21の切り起こし部23に挿入される。また同時に、取付板32の中央部32bに設けられた孔35に側板21の突起部24が挿入される。この時、取付板32の中央部32bの長手方向の一端が側板21の位置決め部25、26に当接する。
【0030】
サイドカバー30を前フレーム20の側板21に組み付けたとき、取付板32の鉤部33は、切り起こし部22に対しほぼ中央に位置し(
図10参照)、側板21の突起部24は、取付板32の中央部32bに設けられた孔35を貫通して、側板21の切り起こし部22の高さよりも突出する(
図11参照)。
【0031】
以上のように本実施の形態によれば、サイドカバー30の取付板32に設けられた鉤部33、34を前フレーム20の側板21に設けられた切り起こし部22、23にそれぞれ差し込んだ際に、取付板32の中央部32bに設けられた孔35に側板21の突起部24が貫通する。この構成により、前フレーム20組み付けたサイドカバー30に触れたとしても、孔35に貫通した突起部24により外れにくくなり、使い勝手の良い加熱調理器を提供できる。
【0032】
なお、本実施の形態では、本体ケース1の第1収納室1bに収納庫4を設けたが、これに代えて、内部にヒーターを備えた加熱庫でも良い。