特許第6793600号(P6793600)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社クボタの特許一覧

<>
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000002
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000003
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000004
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000005
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000006
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000007
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000008
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000009
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000010
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000011
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000012
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000013
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000014
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000015
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000016
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000017
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000018
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000019
  • 特許6793600-歩行型作業機 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6793600
(24)【登録日】2020年11月12日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】歩行型作業機
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/12 20060101AFI20201119BHJP
   A01B 33/08 20060101ALI20201119BHJP
   A01B 35/04 20060101ALI20201119BHJP
   A01B 13/02 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   A01B33/12 B
   A01B33/08 Q
   A01B35/04 C
   A01B35/04 D
   A01B13/02 Z
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-117163(P2017-117163)
(22)【出願日】2017年6月14日
(65)【公開番号】特開2019-32(P2019-32A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2019年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】打谷 賢
(72)【発明者】
【氏名】田中 仁司
(72)【発明者】
【氏名】渡 剛
(72)【発明者】
【氏名】前田 伸治
(72)【発明者】
【氏名】山中 貞雄
(72)【発明者】
【氏名】中島 雅大
(72)【発明者】
【氏名】瀬崎 恵一
(72)【発明者】
【氏名】森脇 稔仁
【審査官】 小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−171429(JP,A)
【文献】 特開2012−029608(JP,A)
【文献】 特開2011−062178(JP,A)
【文献】 特開2012−000015(JP,A)
【文献】 特開2012−249534(JP,A)
【文献】 米国特許第05787991(US,A)
【文献】 英国特許出願公告第01593837(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 3/00−49/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耕起ロータと、
前記耕起ロータの後方に設けられると共に、可撓性を有し、左右両側に畝を形成する畝立てマットと、
前記畝立てマットにおける左右方向中央側部分の後側に配置され、前側から耕耘土が作用したときに前記畝立てマットにおける左右方向中央側部分の後方への移動を規制する第1規制部と、を備え、
前記第1規制部は、右側の第1部材と、左側の第2部材と、を有し、
前記第1部材及び前記第2部材の姿勢変更によって、前記第1規制部の左右幅が変化するように構成されており、
前記第1部材と前記第2部材とは、互いに重ね合わされており、
前記第1部材と前記第2部材とは、何れも、左右方向にスライド移動可能な状態で設けられている歩行型作業機。
【請求項2】
前記第1部材のスライド移動をガイドする第1ガイド機構と、
前記第2部材のスライド移動をガイドする第2ガイド機構と、を備える請求項に記載の歩行型作業機。
【請求項3】
耕起ロータと、
前記耕起ロータの後方に設けられると共に、可撓性を有し、左右両側に畝を形成する畝立てマットと、
前記畝立てマットにおける左右方向中央側部分の後側に配置され、前側から耕耘土が作用したときに前記畝立てマットにおける左右方向中央側部分の後方への移動を規制する第1規制部と、を備え、
前記第1規制部は、右側の第1部材と、左側の第2部材と、を有し、
前記第1部材及び前記第2部材の姿勢変更によって、前記第1規制部の左右幅が変化するように構成されており、
前記畝立てマットの後側に配置され、前側から耕耘土が作用したときに前記畝立てマットにおける左右方向中央側部分の後方への移動を規制する第2規制部を備え、
前記第2規制部による規制幅が変更可能である歩行型作業機。
【請求項4】
前記第1部材と前記第2部材とは、互いに同一の形状を有しており、且つ、何れもU字形断面を有している請求項1から3の何れか一項に記載の歩行型作業機。
【請求項5】
前記第1規制部は、前記畝立てマットの下部における左右方向中央側部分の後側に配置されている請求項1からの何れか一項に記載の歩行型作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場の畝立て作業を行うための歩行型作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような歩行型作業機として、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この歩行型作業機は、耕起ロータ(特許文献1では「駆動軸」及び「正逆転爪」)と、耕起ロータの後方に設けられた畝立てマット(特許文献1では「平板」)と、を備えている。この畝立てマットは、可撓性を有するゴム板等によって構成されている。
【0003】
また、この畝立てマットの後側には、規制部材(特許文献1では「金属板」)が隣接配置されている。この規制部材は、前側から耕耘土が作用したときに畝立てマットにおける中央側部分の後方への移動を規制し、畝立てマットにおける左右両側部分の後方への折れ曲がり線を規定している。
【0004】
このような構成によって、特許文献1に記載の歩行型作業機は、左右両側に畝を形成する。そして、形成される畝の形状は、畝立てマットにおける左右両側部分の後方への折れ曲がり線に沿う形状となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−249534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
栽培する作物の種類や土壌の状態によって、最適な畝の形状は異なる。しかしながら、特許文献1に記載の歩行型作業機では、形成される畝の形状を変更することができない。
【0007】
本発明の目的は、形成される畝の形状を変更可能な歩行型作業機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、
耕起ロータと、
前記耕起ロータの後方に設けられると共に、可撓性を有し、左右両側に畝を形成する畝立てマットと、
前記畝立てマットにおける左右方向中央側部分の後側に配置され、前側から耕耘土が作用したときに前記畝立てマットにおける左右方向中央側部分の後方への移動を規制する第1規制部と、を備え、
前記第1規制部は、右側の第1部材と、左側の第2部材と、を有し、
前記第1部材及び前記第2部材の姿勢変更によって、前記第1規制部の左右幅が変化するように構成されており、
前記第1部材と前記第2部材とは、互いに重ね合わされており、
前記第1部材と前記第2部材とは、何れも、左右方向にスライド移動可能な状態で設けられていることにある。
【0009】
本発明であれば、第1部材及び第2部材の姿勢を変更することによって、第1規制部の左右幅を変化させることができる。これにより、畝立てマットの左右方向中央側部分において、後方への移動が規制される部分の左右幅が変化し、畝立てマットの折れ曲がり線が変化する。
【0010】
即ち、第1部材及び第2部材の姿勢を変更することによって、畝立てマットの折れ曲がり線が変化することとなる。そして、畝立てマットの折れ曲がり線の変化に伴い、形成される畝の形状も変化する。
【0011】
これにより、本発明であれば、第1部材及び第2部材の姿勢を変更することによって、形成される畝の形状を変更することができる。
【0012】
【0013】
また、この構成によれば、第1部材と第2部材とが、互いにスライド移動のガイドとして機能し合うこととなる。これにより、第1部材及び第2部材を円滑にスライド移動させやすくなる。
【0014】
しかも、この構成によれば、第1部材と第2部材とが、互いに泥等を削り落とすスクレーパーとして機能し合うこととなる。これにより、第1部材及び第2部材の表面に泥等が堆積してしまう事態を回避しやすくなる。
【0015】
さらに、本発明において、
前記第1部材のスライド移動をガイドする第1ガイド機構と、
前記第2部材のスライド移動をガイドする第2ガイド機構と、を備えると好適である。
【0016】
この構成によれば、第1ガイド機構と第2ガイド機構とによって、第1部材及び第2部材のスライド移動がガイドされる。従って、第1部材及び第2部材のスライド移動が円滑になる。
また、本発明の別の特徴は、
耕起ロータと、
前記耕起ロータの後方に設けられると共に、可撓性を有し、左右両側に畝を形成する畝立てマットと、
前記畝立てマットにおける左右方向中央側部分の後側に配置され、前側から耕耘土が作用したときに前記畝立てマットにおける左右方向中央側部分の後方への移動を規制する第1規制部と、を備え、
前記第1規制部は、右側の第1部材と、左側の第2部材と、を有し、
前記第1部材及び前記第2部材の姿勢変更によって、前記第1規制部の左右幅が変化するように構成されており、
前記畝立てマットの後側に配置され、前側から耕耘土が作用したときに前記畝立てマットにおける左右方向中央側部分の後方への移動を規制する第2規制部を備え、
前記第2規制部による規制幅が変更可能であることにある。
本発明であれば、上述の発明と同様に、第1部材及び第2部材の姿勢を変更することによって、形成される畝の形状を変更することができる。
しかも、第2規制部による規制幅を変更することによって、畝立てマットの左右方向中央側部分において、後方への移動が規制される部分の左右幅を変更することができる。即ち、本発明によれば、第1規制部と第2規制部とを上下に並べて配置することが可能となり、これにより、畝立てマットの上下方向における2箇所において、後方への移動が規制される部分の左右幅を変更することができる。従って、畝立てマットの折れ曲がり線を多様に変化させることができる。
【0017】
さらに、本発明において、
前記第1部材と前記第2部材とは、互いに同一の形状を有しており、且つ、何れもU字形断面を有していると好適である。
【0018】
この構成によれば、第1部材と第2部材とが互いに異なる形状を有している場合に比べて、第1部材及び第2部材の製造コストを低減することができる。
【0019】
【0020】
【0021】
さらに、本発明において、
前記第1規制部は、前記畝立てマットの下部における左右方向中央側部分の後側に配置されていると好適である。
【0022】
この構成によれば、畝立てマットの下部において後方への移動が規制される部分の左右幅を変更することができる。そして、これにより、畝と畝との間の溝における底部の幅を変化させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】歩行型作業機の左側面図である。
図2】歩行型作業機の平面図である。
図3】歩行型作業機における後部の拡大左側面図である。
図4】畝立てマット及び規制機構の構成を示す背面図である。
図5】畝立てマット及び規制機構の構成を示す背面図である。
図6】第1規制部の構成を示す背面図である。
図7】第1規制部の構成を示す斜視図である。
図8】第1規制部の構成を示す左側面図である。
図9】第2規制部の構成を示す斜視図である。
図10】第2規制部の構成を示す平面図である。
図11】第2規制部の構成を示す平面図である。
図12】ロック部材の構成を示す平面図である。
図13】第2規制部の構成を示す左側面図である。
図14】畝立てマット及び規制機構の構成を示す背面図である。
図15】畝立てマット及び規制機構の構成を示す背面図である。
図16】畝立てマット及び規制機構の構成を示す背面図である。
図17】畝立てマット及び規制機構の構成を示す背面図である。
図18】接当部に関する構成を示す斜視図である。
図19】接当部に関する構成を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、図1から図3図10から図13に示す矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、図2図4図5図10から図12に示す矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、図1図3から図5図13に示す矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0025】
〔歩行型作業機の全体構成〕
図1及び図2に示すように、歩行型作業機Aには、エンジン2及び左右の車輪3が設けられている。左右の車輪3の後方には、耕耘装置1が設けられている。耕耘装置1は、耕起ロータ4、ロータカバー5、畝立てマット7、規制機構8、抵抗棒9、整地板12を有している。
【0026】
このように、歩行型作業機Aは、耕起ロータ4を備えている。
【0027】
耕起ロータ4の上部は、ロータカバー5によって覆われている。また、ロータカバー5の上方には、ハンドル6が設けられている。図1に示すように、ハンドル6は、後上がりに延びている。
【0028】
図1及び図3に示すように、耕起ロータ4の後方には、畝立てマット7が設けられている。図3及び図4に示すように、畝立てマット7は、板状の部材であり、可撓性を有するゴム板等により構成されている。
【0029】
また、図3及び図4に示すように、畝立てマット7の後側には、規制機構8が隣接配置されている。図4に示すように、規制機構8は、基本規制部材13、第2規制部81、第1規制部82を有している。
【0030】
第2規制部81は、畝立てマット7における上部の後側に隣接配置されている。また、第1規制部82は、畝立てマット7の下部における左右方向中央側部分の後側に隣接配置されている。
【0031】
第2規制部81は、複数の規制部材15、押さえ機構30を有している。基本規制部材13は、ボルトb1によって、畝立てマット7の後面における左右方向中央側部分に固定されている。
【0032】
基本規制部材13及び複数の規制部材15は、非可撓性であり、例えば金属等により構成されている。
【0033】
図3及び図4に示すように、基本規制部材13は、上端部13cを軸芯として上下揺動可能な状態で設けられている。即ち、畝立てマット7及び基本規制部材13は、上端部13cを軸芯として一体的に上下揺動する。
【0034】
また、図4に示すように、複数の規制部材15は、畝立てマット7の後面に分散配置された状態で、ボルトb2によって固定されている。そして、複数の規制部材15は、基本規制部材13の左右に振り分け配置されている。
【0035】
本実施形態においては、図4に示すように、複数の規制部材15は、第1規制部材151及び第2規制部材152により構成されている。第1規制部材151は、基本規制部材13の左側に配置されている。また、第2規制部材152は、基本規制部材13の右側に配置されている。
【0036】
また、図1及び図3に示すように、歩行型作業機Aの後部には、ブラケット10及び抵抗棒9が設けられている。ブラケット10は、幅狭の角パイプ状である。また、ブラケット10は、ロータカバー5の後部を貫通する状態で設けられている。
【0037】
抵抗棒9は、上下方向に延びる棒状の部材であり、ブラケット10に挿入された状態で設けられている。また、図3に示すように、ブラケット10の左側面には、開口部10aが設けられている。そして、開口部10aには、固定ピン11が挿入されている。
【0038】
図3に示すように、抵抗棒9には、複数の固定孔9aが設けられている。そして、固定ピン11が、複数の固定孔9aのうちの一つに挿入されることによって、抵抗棒9は、ブラケット10に固定される。
【0039】
図1に示すように、抵抗棒9は、側面視において、耕起ロータ4の後部と重複する位置に設けられている。そして、抵抗棒9が圃場に接地することによって、圃場面に対する耕起ロータ4の高さが規定される。
【0040】
図3に示すように、基本規制部材13の下部には、規制機構固定ピン19が固定されている。規制機構固定ピン19は、下方に延びる状態で設けられている。また、抵抗棒9の下部には、基板20が固定されている。基板20は、後方へ張り出す状態で設けられている。そして、基板20には、ピン孔20aが設けられている。
【0041】
図3に示すように、規制機構固定ピン19がピン孔20aに挿入されることによって、基本規制部材13と抵抗棒9とが連結される。これにより、基本規制部材13の上下揺動は規制される。
【0042】
耕起ロータ4により耕起された耕耘土は、耕耘装置1の前進に伴い、畝立てマット7へ前側から作用する。このとき、基本規制部材13と抵抗棒9とが連結されていれば、図4に示すように、規制機構8によって、畝立てマット7における左右方向の中央側部分の後方への移動は規制される。一方で、畝立てマット7における左右両側部分の後方への移動は規制されていない。
【0043】
このため、図4に仮想線で示すように、畝立てマット7における左右両側部分は、後方へ折れ曲がる。即ち、規制機構8によって、畝立てマット7における左右両側部分の後方への折れ曲がり線が規定される。そして、図14から図17に示すように、畝立てマット7の左右両側に畝が形成される。
【0044】
このように、歩行型作業機Aは、耕起ロータ4の後方に設けられると共に、可撓性を有し、左右両側に畝を形成する畝立てマット7を備えている。
【0045】
〔整地板の構成〕
図1に示すように、規制機構8の後側には、整地板12が設けられている。整地板12は、上端部12aを軸芯として上下揺動可能な状態で設けられている。そして、整地板12は、図1に実線及び仮想線で示すように、使用状態と非使用状態とに亘って揺動可能である。
【0046】
整地板12は、使用状態であるとき、畝立てマット7の後側に隣接している。また、整地板12は、非使用状態であるとき、使用状態よりも高い位置に振り上げられている。
【0047】
整地板12が使用状態である場合、耕耘装置1の前進に伴い、整地板12の下端部12bによって、圃場の表面が均平される。
【0048】
図4に示すように、基本規制部材13は、第1基本規制部131と、第2基本規制部132と、第3基本規制部133と、を有している。第1基本規制部131は、基本規制部材13における上端部に位置しており、左右方向に延びている。第2基本規制部132は、第1基本規制部131の左右方向中央部から下方に延びる状態で設けられている。第3基本規制部133は、基本規制部材13における下端部に位置しており、左右方向に延びている。
【0049】
第1基本規制部131は、第2規制部81に含まれている。また、第3基本規制部133は、第1規制部82に含まれている。
【0050】
また、図4に示すように、第1基本規制部131は、畝立てマット7の後面における左右方向中央側部分の上部に固定されている。第3基本規制部133は、畝立てマット7の後面における左右方向中央側部分の下部に固定されている。そして、第2基本規制部132には、保持具21が固定されている。
【0051】
また、図3に示すように、整地板12には、挟持部材22及びフック部材23が設けられている。挟持部材22は、保持具21と嵌合可能である。挟持部材22と保持具21とを嵌合させることによって、使用状態の整地板12が保持具21に連結される。そして、これにより、整地板12が使用状態に状態保持される。
【0052】
図3に示すように、ブラケット10の後部には、凹部10bが設けられている。また、フック部材23の一端が、揺動可能な状態で、整地板12の後側の面に支持されている。
そして、フック部材23の遊端部は、凹部10bに係合可能な形状を有している。
【0053】
また、図3に示すように、挟持部材22と保持具21との嵌合が解除されている状態で、フック部材23の遊端部を凹部10bに係合させることによって、整地板12が非使用状態に状態保持される。
【0054】
〔第1規制部に関する構成〕
図6から図8に示すように、第1規制部82は、右側の第1部材41、左側の第2部材42、右側の第1ガイド機構43、左側の第2ガイド機構44、固定機構45、第3基本規制部133を有している。第1規制部82は、前側から耕耘土が作用したときに畝立てマット7における左右方向中央側部分の後方への移動を規制するように構成されている。
【0055】
このように、第1規制部82は、右側の第1部材41と、左側の第2部材42と、を有している。また、歩行型作業機Aは、畝立てマット7の下部における左右方向中央側部分の後側に隣接配置され、前側から耕耘土が作用したときに畝立てマット7における左右方向中央側部分の後方への移動を規制する第1規制部82を備えている。
【0056】
図6に示すように、第1部材41と第2部材42とは、互いに同一の形状を有している。また、第1部材41と第2部材42とは、何れもU字形断面を有している。
【0057】
このように、第1部材41と第2部材42とは、互いに同一の形状を有しており、且つ、何れもU字形断面を有している。
【0058】
また、図6及び図7に示すように、第1部材41は、第1上側板状部411、第1右側板状部412、第1下側板状部413を有している。第1上側板状部411は、第1部材41における上端部に位置しており、左右方向に延びている。また、第1右側板状部412は、第1上側板状部411の右端部から下方に延びている。そして、第1下側板状部413は、第1右側板状部412の下端部から左方に延びている。
【0059】
また、図6及び図7に示すように、第2部材42は、第2上側板状部421、第2左側板状部422、第2下側板状部423を有している。第2上側板状部421は、第2部材42における上端部に位置しており、左右方向に延びている。また、第2左側板状部422は、第2上側板状部421の左端部から下方に延びている。そして、第2下側板状部423は、第2左側板状部422の下端部から右方に延びている。
【0060】
そして、第1上側板状部411の上面に、第2上側板状部421が重ね合わされている。また、第1下側板状部413の上面に、第2下側板状部423が重ね合わされている。
【0061】
このように、第1部材41と第2部材42とは、互いに重ね合わされている。
【0062】
また、図6から図8に示すように、第1ガイド機構43は、第1ガイド部431及び第1ガイドピン432を有している。また、第2ガイド機構44は、第2ガイド部441及び第2ガイドピン442を有している。第1ガイド部431と第2ガイド部441とは、何れもU字形断面を有している。また、第1ガイドピン432と第2ガイドピン442とは、何れも上下方向に延びている。
【0063】
第1ガイド部431及び第2ガイド部441は、基本規制部材13に支持されている。
そして、第1ガイド部431は、第1部材41を上下から挟持している。また、第2ガイド部441は、第2部材42を上下から挟持している。
【0064】
また、図7に示すように、第1上側板状部411及び第1下側板状部413には、それぞれ、第1長孔411a、413aが形成されている。また、第2上側板状部421及び第2下側板状部423には、それぞれ、第2長孔421a、423aが形成されている。
第1長孔411a、413a、及び、第2長孔421a、423aは、何れも左右方向に延びている。
【0065】
そして、第1ガイドピン432は、第1長孔411a、413aを貫通している。また、第2ガイドピン442は、第2長孔421a、423aを貫通している。
【0066】
この構成により、第1部材41と第2部材42とは、何れも、左右方向にスライド移動可能である。そして、第1部材41のスライド移動は、第1ガイド部431及び第1ガイドピン432によってガイドされる。また、第2部材42のスライド移動は、第2ガイド部441及び第2ガイドピン442によってガイドされる。
【0067】
このように、第1部材41と第2部材42とは、何れも、左右方向にスライド移動可能な状態で設けられている。また、歩行型作業機Aは、第1部材41のスライド移動をガイドする第1ガイド機構43と、第2部材42のスライド移動をガイドする第2ガイド機構44と、を備えている。
【0068】
図6及び図7に示すように、固定機構45は、固定ピン451及び抜け止めピン452を有している。固定ピン451の上端部には、固定ピン451を左右方向に貫通するピン孔451aが形成されている。そして、抜け止めピン452は、ピン孔451aに挿入可能に構成されている。
【0069】
また、図6及び図7に示すように、第1上側板状部411及び第1下側板状部413には、それぞれ、第1固定孔411b、413bと、第2固定孔411c、413cが形成されている。第1固定孔411b、413bは、第2固定孔411c、413cの左方に位置している。
【0070】
また、図6及び図7に示すように、第2上側板状部421及び第2下側板状部423には、それぞれ、第3固定孔421b、423bと、第4固定孔421c、423cが形成されている。第3固定孔421b、423bは、第4固定孔421c、423cの右方に位置している。
【0071】
図6及び図7に示すように、第1規制部82は、第1部材41を最も右側の位置までスライド移動させ、第2部材42を最も左側の位置までスライド移動させた状態において、第1固定孔411b、413bと、第3固定孔421b、423bと、の左右方向における位置が揃い、第1固定孔411b、413bと、第3固定孔421b、423bと、が上下方向に並ぶように構成されている。
【0072】
また、第1規制部82は、第1部材41を最も左側の位置までスライド移動させ、第2部材42を最も右側の位置までスライド移動させた状態において、第2固定孔411c、413cと、第4固定孔421c、423cと、の左右方向における位置が揃い、第2固定孔411c、413cと、第4固定孔421c、423cと、が上下方向に並ぶように構成されている。
【0073】
そして、第1部材41を最も右側の位置までスライド移動させ、第2部材42を最も左側の位置までスライド移動させた状態において、第1固定孔411b、413bと、第3固定孔421b、423bと、を貫通するように、固定ピン451を下方から挿入することによって、第1部材41及び第2部材42の位置が固定される。このとき、第1部材41及び第2部材42の位置は、図4に示す位置となる。また、抜け止めピン452をピン孔451aに挿入すれば、固定ピン451が抜け止めされる。
【0074】
また、第1部材41を最も左側の位置までスライド移動させ、第2部材42を最も右側の位置までスライド移動させた状態において、第2固定孔411c、413cと、第4固定孔421c、423cと、を貫通するように、固定ピン451を下方から挿入することによって、第1部材41及び第2部材42の位置が固定される。このとき、第1部材41及び第2部材42の位置は、図5に示す位置となる。また、抜け止めピン452をピン孔451aに挿入すれば、固定ピン451が抜け止めされる。
【0075】
第1部材41及び第2部材42が、図4に示す位置に位置しているとき、第1規制部82の左右幅は幅W1である。また、第1部材41及び第2部材42が、図5に示す位置に位置しているとき、第1規制部82の左右幅は幅W2である。図4に示す幅W1は、図5に示す幅W2よりも幅広である。
【0076】
このように、第1部材41及び第2部材42の姿勢変更によって、第1規制部82の左右幅が変化する。
【0077】
〔第2規制部に関する構成〕
図9から図13に示すように、第2規制部81は、第1規制部材151、第2規制部材152、押さえ機構30、第1基本規制部131を有している。第2規制部81は、前側から耕耘土が作用したときに畝立てマット7における左右方向中央側部分の後方への移動を規制するように構成されている。
【0078】
このように、歩行型作業機Aは、畝立てマット7における上部の後側に隣接配置され、前側から耕耘土が作用したときに畝立てマット7における左右方向中央側部分の後方への移動を規制する第2規制部81を備えている。
【0079】
また、押さえ機構30は、第1規制部材151及び第2規制部材152の後方への移動を規制可能に構成されている。
【0080】
押さえ機構30について詳述すると、図9から図11に示すように、押さえ機構30は、左右のアーム部31、回動軸部材32、ロック部材33、付勢部材34を有している。
【0081】
左右のアーム部31は、それぞれ、左右方向に延びる状態で設けられている。そして、左右のアーム部31のうち、左側のアーム部31は、第2基本規制部132と第1規制部材151とに亘る状態で設けられている。また、右側のアーム部31は、第2基本規制部132と第2規制部材152とに亘る状態で設けられている。
【0082】
図9及び図13に示すように、第2基本規制部132は、後方へ突出する後方突出部132aを有している。また、後方突出部132aの下方には、後方へ突出する支持ステー60が配置されている。支持ステー60は、第2基本規制部132に支持されている。
【0083】
そして、回動軸部材32は、後方突出部132a及び支持ステー60を貫通する状態で設けられている。また、回動軸部材32は、上下方向に延びている。この構成により、回動軸部材32は、第2基本規制部132に支持されている。
【0084】
図9から図11に示すように、左側のアーム部31における右端部は、回動軸部材32に支持されている。また、右側のアーム部31における左端部も、回動軸部材32に支持されている。即ち、左右のアーム部31は、何れも、回動軸部材32を介して、第2基本規制部132に支持されている。そして、図10に示すように、左右のアーム部31は、何れも、回動軸部材32周りに回動可能に支持されている。
【0085】
尚、図9から図11図13に示すように、回動軸部材32には、アーム付勢部材35が取り付けられている。アーム付勢部材35は、左右のアーム部31を、第1規制部材151及び第2規制部材152側へ付勢するように構成されている。
【0086】
図11から図13に示すように、ロック部材33は、左右のアーム部31を、基本規制部材13と第1規制部材151及び第2規制部材152とが同一平面上に位置する状態で、回動不能にロックすることができるように構成されている。
【0087】
ロック部材33について詳述すると、図10から図13に示すように、ロック部材33は、ベース部331及び左右のアーム係止部332を有している。ベース部331は、左右方向に延びている。左右のアーム係止部332のうち、左側のアーム係止部332は、ベース部331の左端部における前部に立設されている。また、右側のアーム係止部332は、ベース部331の右端部における前部に立設されている。
【0088】
図12に示すように、ベース部331における左右方向中央側位置には、長孔331aが形成されている。長孔331aは、ベース部331を上下方向に貫通しており、前後方向に延びている。
【0089】
そして、回動軸部材32は、長孔331aを通っている。
【0090】
この構成により、ベース部331は、回動軸部材32に対して、前後方向にスライド移動可能であると共に、上下方向にスライド移動可能である。
【0091】
図9及び図13に示すように、ベース部331は、左右のアーム部31の下方に位置している。また、付勢部材34は、ベース部331と支持ステー60との間に設けられている。付勢部材34は、ベース部331を上方へ付勢する。即ち、付勢部材34は、ベース部331を、上下方向におけるアーム部31側へ付勢する。
【0092】
また、図10図11図13に示すように、ロック部材33は、左右のアーム部31を回動不能にロックするロック状態と、左右のアーム部31の回動を許容する解除状態と、の間で状態変更可能である。
【0093】
ロック状態において、左右のアーム係止部332は、左右のアーム部31の後側に位置している。即ち、左右のアーム係止部332が、左右のアーム部31を後側から押さえることにより、左右のアーム部31が回動不能となる。また、解除状態において、左右のアーム係止部332は、左右のアーム部31の前側に位置している。
【0094】
図10において、ロック部材33は解除状態である。このとき、左右のアーム部31の回動は許容される。即ち、このとき、第1規制部材151及び第2規制部材152の後方への移動は、押さえ機構30によって規制されない。
【0095】
図11において、ロック部材33はロック状態である。このとき、左右のアーム部31は、基本規制部材13と第1規制部材151及び第2規制部材152とが同一平面上に位置する状態で、回動不能にロックされる。即ち、このとき、第1規制部材151及び第2規制部材152の後方への移動は、押さえ機構30によって規制される。
【0096】
ここで、ロック部材33の状態変更について詳述する。ロック部材33が解除状態であるとき、左右のアーム係止部332は、左右のアーム部31の前側に位置している。
【0097】
ロック部材33を解除状態からロック状態へ状態変更する際、作業者は、以下のようにロック部材33を移動させる。
【0098】
図13に示すように、まず、ロック部材33を、付勢部材34の付勢力に抗して下方へスライド移動させる。次に、ロック部材33の上下方向における位置を維持したまま、ロック部材33を後方へスライド移動させる。そして、ロック部材33を上方へスライド移動させる。
【0099】
これにより、ロック部材33は解除状態からロック状態へ状態変更される。
【0100】
また、ロック部材33をロック状態から解除状態へ状態変更する際、作業者は、以下のようにロック部材33を移動させる。
【0101】
まず、ロック部材33を、付勢部材34の付勢力に抗して下方へスライド移動させる。
次に、ロック部材33の上下方向における位置を維持したまま、ロック部材33を前方へスライド移動させる。そして、ロック部材33を上方へスライド移動させる。
【0102】
これにより、ロック部材33はロック状態から解除状態へ状態変更される。
【0103】
尚、図9図12図13に示すように、ロック部材33には、持ち手部33aが取り付けられている。持ち手部33aは、U字形の形状を有している。また、持ち手部33aは、ロック部材33から、後下方に延びる状態で設けられている。
【0104】
作業者は、持ち手部33aを手で保持して、ロック部材33を上下方向及び前後方向にスライド移動させることができる。
【0105】
そして、図4及び図5に示すように、ロック部材33の状態変更によって、第2規制部81による規制幅が変更可能である。
【0106】
上述の通り、ロック部材33がロック状態であるとき、第1規制部材151及び第2規制部材152の後方への移動は規制される。従って、ロック部材33がロック状態であるときの第2規制部81による規制幅は、図4及び図5に示す幅Y1である。
【0107】
また、上述の通り、ロック部材33が解除状態であるとき、第1規制部材151及び第2規制部材152の後方への移動は規制されない。従って、ロック部材33が解除状態であるときの第2規制部81による規制幅は、図4及び図5に示す幅Y2である。
【0108】
尚、図4及び図5に示す幅Y1は、幅Y2よりも幅広である。
【0109】
〔畝立てマットの折れ曲がり〕
図4に示すように、第1部材41及び第2部材42を機体幅方向外側の位置へスライド移動させた状態において、ロック部材33がロック状態である場合、第1規制部材151における機体幅方向外側の縁部151bと、第2規制部材152における機体幅方向外側の縁部152bと、第1部材41における機体幅方向外側の縁部41aと、第2部材42における機体幅方向外側の縁部42aと、によって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第1折れ曲がり線T1である。
【0110】
この場合、図14に示すように、畝の側面は、第1折れ曲がり線T1に沿う形状に形成される。
【0111】
また、図4に示すように、第1部材41及び第2部材42を機体幅方向外側の位置へスライド移動させた状態において、ロック部材33が解除状態である場合、第1基本規制部131における機体幅方向外側の縁部131a、131bと、第1部材41における機体幅方向外側の縁部41aと、第2部材42における機体幅方向外側の縁部42aと、によって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第2折れ曲がり線T2である。
【0112】
この場合、図15に示すように、畝の側面は、第2折れ曲がり線T2に沿う形状に形成される。
【0113】
また、図5に示すように、第1部材41及び第2部材42を機体幅方向内側の位置へスライド移動させた状態において、ロック部材33がロック状態である場合、第1規制部材151における機体幅方向外側の縁部151bと、第2規制部材152における機体幅方向外側の縁部152bと、第1規制部82における機体幅方向外側の縁部と、によって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第3折れ曲がり線T3である。
【0114】
尚、このとき右側の折れ曲がり線を規定している第1規制部82における機体幅方向外側の縁部は、第1部材41における機体幅方向外側の縁部41a、または、第3基本規制部133における機体幅方向外側の縁部133bの少なくとも何れか一方である。また、このとき左側の折れ曲がり線を規定している第1規制部82における機体幅方向外側の縁部は、第2部材42における機体幅方向外側の縁部42a、または、第3基本規制部133における機体幅方向外側の縁部133aの少なくとも何れか一方である。
【0115】
この場合、図16に示すように、畝の側面は、第3折れ曲がり線T3に沿う形状に形成される。
【0116】
また、図5に示すように、第1部材41及び第2部材42を機体幅方向内側の位置へスライド移動させた状態において、ロック部材33が解除状態である場合、第1基本規制部131における機体幅方向外側の縁部131a、131bと、第1規制部82における機体幅方向外側の縁部と、によって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第4折れ曲がり線T4である。
【0117】
尚、このとき右側の折れ曲がり線を規定している第1規制部82における機体幅方向外側の縁部は、第1部材41における機体幅方向外側の縁部41a、または、第3基本規制部133における機体幅方向外側の縁部133bの少なくとも何れか一方である。また、このとき左側の折れ曲がり線を規定している第1規制部82における機体幅方向外側の縁部は、第2部材42における機体幅方向外側の縁部42a、または、第3基本規制部133における機体幅方向外側の縁部133aの少なくとも何れか一方である。
【0118】
この場合、図17に示すように、畝の側面は、第4折れ曲がり線T4に沿う形状に形成される。
【0119】
尚、第1規制部材151及び第2規制部材152は、何れも、第1折れ曲がり線T1に沿って延びる長尺形状を有している。
【0120】
図4図5図14から図17に示すように、第1折れ曲がり線T1は、第3折れ曲がり線T3よりも急傾斜である。また、第2折れ曲がり線T2は、第1折れ曲がり線T1及び第4折れ曲がり線T4よりも急傾斜である。また、第4折れ曲がり線T4は、第3折れ曲がり線T3よりも急傾斜である。
【0121】
また、畝立てマット7の折れ曲がり線が第2折れ曲がり線T2である場合の畝と畝との間の溝における底部の幅G2は、畝立てマット7の折れ曲がり線が第1折れ曲がり線T1である場合の畝と畝との間の溝における底部の幅G1よりも幅広である。
【0122】
そして、畝立てマット7の折れ曲がり線が第1折れ曲がり線T1である場合の畝と畝との間の溝における上端部の幅H1は、畝立てマット7の折れ曲がり線が第2折れ曲がり線T2である場合の畝と畝との間の溝における上端部の幅H2よりも幅広である。
【0123】
また、畝立てマット7の折れ曲がり線が、第3折れ曲がり線T3である場合の畝と畝との間の溝における底部の幅G3は、畝立てマット7の折れ曲がり線が第4折れ曲がり線T4である場合の畝と畝との間の溝における底部の幅G4と略同一である。
【0124】
そして、畝立てマット7の折れ曲がり線が第3折れ曲がり線T3である場合の畝と畝との間の溝における上端部の幅H3は、畝立てマット7の折れ曲がり線が第4折れ曲がり線T4である場合の畝と畝との間の溝における上端部の幅H4よりも幅広である。
【0125】
尚、幅G1は、幅G3及び幅G4よりも幅広である。
【0126】
〔接当部に関する構成〕
図18及び図19に示すように、ロータカバー5は、カバー本体部50及び後端部フレーム51を有している。後端部フレーム51は、カバー本体部50の後端部に、ボルトb3によって締結されている。図4に示すように、後端部フレーム51は、機体左右方向に延びる状態で設けられている。
【0127】
図4図18図19に示すように、後端部フレーム51は、左右2つの接当部510を有している。そして、接当部510には、それぞれ、穴510aが形成されている。
【0128】
第1規制部材151の上端部には、第1爪部151cが形成されている。また、第2規制部材152の上端部には、第2爪部152cが形成されている。第1爪部151c及び第2爪部152cは、接当部510における穴510aに挿入可能に構成されている。
【0129】
そして、畝立てマット7のうち、第1規制部材151及び第2規制部材152が重なっている部分は、接当部510に後側から接当可能に構成されている。接当部510により、畝立てマット7のうち、第1規制部材151及び第2規制部材152が重なっている部分の前方への移動が規制される。
【0130】
尚、第1規制部材151及び第2規制部材152が接当部510に後側から直接的に接当可能に構成されていても良い。
【0131】
尚、畝立てマット7のうち、第1規制部材151及び第2規制部材152が重なっている部分の前面には、それぞれ、当て板Eが固定されている。第1規制部材151と当て板Eとは、前後から畝立てマット7を挟む状態で、ボルトb2により共締め固定されている。また、第2規制部材152と当て板Eとは、前後から畝立てマット7を挟む状態で、ボルトb2により共締め固定されている。
【0132】
この構成により、歩行型作業機Aが後進する際等に、畝立てマット7の左右両端部が前方へ移動し、耕起ロータ4に巻き込まれる事態を回避しやすくなる。
【0133】
以上で説明した構成によれば、第1部材41及び第2部材42の姿勢を変更することによって、第1規制部82の左右幅を変化させることができる。これにより、畝立てマット7の下部において、後方への移動が規制される部分の左右幅が変化し、畝立てマット7の折れ曲がり線が変化する。
【0134】
即ち、第1部材41及び第2部材42の姿勢を変更することによって、畝立てマット7の折れ曲がり線が変化することとなる。そして、畝立てマット7の折れ曲がり線の変化に伴い、形成される畝の形状も変化する。
【0135】
これにより、以上で説明した構成であれば、第1部材41及び第2部材42の姿勢を変更することによって、形成される畝の形状を変更することができる。
【0136】
〔その他の実施形態〕
(1)規制部材15の設けられる個数は、1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。
【0137】
(2)第1規制部82は、第3基本規制部133を有していなくても良い。
【0138】
(3)第2規制部81による規制幅が変更不能であっても良い。
【0139】
(4)第1部材41と第2部材42とは、互いに異なる形状を有していても良い。
【0140】
(5)第1ガイド機構43は設けられていなくても良い。
【0141】
(6)第2ガイド機構44は設けられていなくても良い。
【0142】
(7)第1部材41と第2部材42とが、何れもフラットバーにより構成されていても良い。
【0143】
(8)第1部材41と第2部材42とは、互いに重ね合わされていなくても良い。
【0144】
(9)抵抗棒9の代わりに、高さ変更可能な尾輪が設けられていても良い。
【0145】
(10)畝立てマット7及び基本規制部材13は、上下揺動不能な状態で、耕起ロータ4の後方に設けられていても良い。
【0146】
(11)基本規制部材13は、畝立てマット7の後面に固定されていなくても良い。例えば、基本規制部材13は、支持部材を介してロータカバー5に支持されており、畝立てマット7の後方に配置されていても良い。また、基本規制部材13は、ロータカバー5に直接的に支持されており、畝立てマット7の後方に配置されていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明は、車輪と耕起ロータとを別々に備える形式の歩行型作業機ばかりではなく、車輪を備えず、耕起ロータのみを備える形式の歩行型作業機にも適用することができる。
【符号の説明】
【0148】
4 耕起ロータ
7 畝立てマット
41 第1部材
42 第2部材
43 第1ガイド機構
44 第2ガイド機構
81 第2規制部
82 第1規制部
A 歩行型作業機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19